JPH0520691A - 光デイスク再生方法および光検出器 - Google Patents
光デイスク再生方法および光検出器Info
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- JPH0520691A JPH0520691A JP3172527A JP17252791A JPH0520691A JP H0520691 A JPH0520691 A JP H0520691A JP 3172527 A JP3172527 A JP 3172527A JP 17252791 A JP17252791 A JP 17252791A JP H0520691 A JPH0520691 A JP H0520691A
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- reflected light
- signal
- slope
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 V溝光ディスクの再生方法において、高い品
質の再生信号を得る再生方法と、それに用いて有用な光
検出器の構成を提供することを目的とする。 【構成】 レーザー光源4と対物レンズ8との間に回折
格子5を挿入してV溝ディスク1上に0次、1次、−1
次の回折光の3つのスポットを形成し、光検出器10は
その3つのスポットの各々を受光する光検出部から成
る。光検出器10における0次のスポット光はトラッキ
ングに、1次、−1次のスポット光は、信号の再生に用
いられるが、この再生においては、回折格子5とレーザ
ー光源4との距離を調節して、V溝斜面からの反射光の
一部を再生用の光検出部に照射させない様にする。その
結果、良好な再生を行なうことができる。
質の再生信号を得る再生方法と、それに用いて有用な光
検出器の構成を提供することを目的とする。 【構成】 レーザー光源4と対物レンズ8との間に回折
格子5を挿入してV溝ディスク1上に0次、1次、−1
次の回折光の3つのスポットを形成し、光検出器10は
その3つのスポットの各々を受光する光検出部から成
る。光検出器10における0次のスポット光はトラッキ
ングに、1次、−1次のスポット光は、信号の再生に用
いられるが、この再生においては、回折格子5とレーザ
ー光源4との距離を調節して、V溝斜面からの反射光の
一部を再生用の光検出部に照射させない様にする。その
結果、良好な再生を行なうことができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、V溝方式を用いた光デ
ィスクの再生方法およびそれに用いて有用な光検出器に
関するものである。
ィスクの再生方法およびそれに用いて有用な光検出器に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】光ディスクの高密度化に対応して、例え
ば特開昭56−58144号公報、特開昭57−105
828号公報、特開昭58−102339号公報などに
おいてV溝方式が提案されている。
ば特開昭56−58144号公報、特開昭57−105
828号公報、特開昭58−102339号公報などに
おいてV溝方式が提案されている。
【0003】図3はV溝ディスクのレプリカ断面の一部
を拡大した斜視図である。1は透明基板で2はV溝であ
り、その斜面上に信号ピット3が形成されている。信号
再生用のレーザーは透明基板1側より照射され、基板1
の表面に形成された図示しない反射膜により、透明基板
1側へ反射される。
を拡大した斜視図である。1は透明基板で2はV溝であ
り、その斜面上に信号ピット3が形成されている。信号
再生用のレーザーは透明基板1側より照射され、基板1
の表面に形成された図示しない反射膜により、透明基板
1側へ反射される。
【0004】次に、従来における信号再生を図4を用い
て簡単に説明する。半導体レーザー4からの光は回折格
子5、ハーフミラー6を通り、コリメートレンズ7で平
行光になり、対物レンズ8でV溝ディスク上に絞られ
る。ディスクからの反射光は対物レンズ8、コリメート
レンズ7を再び通り、ハーフミラー6で反射後、シリン
ドリカルレンズ9で非点収差を与えられて光検出器10
に照射される。シリンドリカルレンズ9の軸はV溝の方
向(紙面に垂直)とは45度傾いている。この反射光の
照射によって光検出器10から得られる信号に基ずきデ
ィスク上のレーザースポットの位置制御と記録信号の再
生を行う。
て簡単に説明する。半導体レーザー4からの光は回折格
子5、ハーフミラー6を通り、コリメートレンズ7で平
行光になり、対物レンズ8でV溝ディスク上に絞られ
る。ディスクからの反射光は対物レンズ8、コリメート
レンズ7を再び通り、ハーフミラー6で反射後、シリン
ドリカルレンズ9で非点収差を与えられて光検出器10
に照射される。シリンドリカルレンズ9の軸はV溝の方
向(紙面に垂直)とは45度傾いている。この反射光の
照射によって光検出器10から得られる信号に基ずきデ
ィスク上のレーザースポットの位置制御と記録信号の再
生を行う。
【0005】なお実際には、回折格子5における回折に
より半導体レーザーのビームは3つに分割され、図5に
示すようにディスク上にも3つのスポットを形成するの
であるが、図4では、図面の見やすくするためにこの3
つのビームのうちの一つのみを示している。
より半導体レーザーのビームは3つに分割され、図5に
示すようにディスク上にも3つのスポットを形成するの
であるが、図4では、図面の見やすくするためにこの3
つのビームのうちの一つのみを示している。
【0006】図5に示すディスク上の3つのスポットの
うち真中のスポット11は、V溝の山または谷において
絞られ焦点制御やトラッキング制御を行う。他の1次回
折光と−1次回折光のスポット12、13はV溝の隣接
斜面において絞られ、これらの反射光を受光する事で斜
面上の信号を再生する。この様にV溝の2斜面の信号を
同時に独立に再生できるので転送レートを2倍にでき
る。
うち真中のスポット11は、V溝の山または谷において
絞られ焦点制御やトラッキング制御を行う。他の1次回
折光と−1次回折光のスポット12、13はV溝の隣接
斜面において絞られ、これらの反射光を受光する事で斜
面上の信号を再生する。この様にV溝の2斜面の信号を
同時に独立に再生できるので転送レートを2倍にでき
る。
【0007】図4の光学系はV溝ディスクの再生だけで
はなく、CDやビデオディスクなどの従来の平板ディス
クの再生にも用いられており、その再生方法を以下に説
明する。従来の平板ディスク上には、やはり、3つのレ
ーザースポット11〜13を図6の様に配置せしめる。
はなく、CDやビデオディスクなどの従来の平板ディス
クの再生にも用いられており、その再生方法を以下に説
明する。従来の平板ディスク上には、やはり、3つのレ
ーザースポット11〜13を図6の様に配置せしめる。
【0008】図7に従来の平板ディスクの場合の光検出
器の光検出部の構成と、ディスクからの3つの反射ビー
ムを示す。反射ビーム11aでスポット位置の焦点制御
と信号再生を行う。受光部14と16の和信号から受光
部15と17の和信号を差し引いた信号で焦点制御を
し、受光部14、15、16、17の和で信号再生す
る。また、受光部18と19の受光量を比較する事でト
ラッキング制御できる。この様にして、平板ディスクの
場合における再生が行われるのである。
器の光検出部の構成と、ディスクからの3つの反射ビー
ムを示す。反射ビーム11aでスポット位置の焦点制御
と信号再生を行う。受光部14と16の和信号から受光
部15と17の和信号を差し引いた信号で焦点制御を
し、受光部14、15、16、17の和で信号再生す
る。また、受光部18と19の受光量を比較する事でト
ラッキング制御できる。この様にして、平板ディスクの
場合における再生が行われるのである。
【0009】さて、V溝方式において、高密度化のため
にはV溝の山と山の間隔を狭くして、トラックピッチ
(隣接斜面の中心間隔)を小さくしたい。その時でも、
再生しているV溝斜面と隣り合った斜面からの漏れ信号
(クロストーク)を小さくする必要があり、このための
V溝ディスクの再生方法がいくつか提案されている。そ
の代表的な3つを以下に述べておく。
にはV溝の山と山の間隔を狭くして、トラックピッチ
(隣接斜面の中心間隔)を小さくしたい。その時でも、
再生しているV溝斜面と隣り合った斜面からの漏れ信号
(クロストーク)を小さくする必要があり、このための
V溝ディスクの再生方法がいくつか提案されている。そ
の代表的な3つを以下に述べておく。
【0010】第1に、特開昭56−58144号公報に
は、V溝の傾斜面に垂直にレーザービームを照射して、
その反射光のすべてを受光する方法が提案されている。
この場合、0.5以上の高NAの対物レンズではレーザ
ービームの入射角度は1度か2度以内でなければなら
ず、それ以上では収差の影響でレーザービームを十分に
絞れず再生信号品質は劣化する。またV溝の斜面の傾斜
角度は少なくとも5度以上必要であり、この方法は実用
面の使用は極めて限定される。
は、V溝の傾斜面に垂直にレーザービームを照射して、
その反射光のすべてを受光する方法が提案されている。
この場合、0.5以上の高NAの対物レンズではレーザ
ービームの入射角度は1度か2度以内でなければなら
ず、それ以上では収差の影響でレーザービームを十分に
絞れず再生信号品質は劣化する。またV溝の斜面の傾斜
角度は少なくとも5度以上必要であり、この方法は実用
面の使用は極めて限定される。
【0011】第2に、特開昭57−105828号公報
に提案されたものがある。これは、レーザービームは対
物レンズの光軸に略平行に入射させ、収差を小さくV溝
上にレーザースポットを絞る事ができる。ここで、略平
行とは対物レンズの光軸に1度以内とする。V溝斜面は
傾斜しているので、その反射光の方向は対物レンズの光
軸から偏る。再生するV溝斜面上にはレーザースポット
の中心をトラッキングするので、大部分の光は再生斜面
上に照射され、その反射光の大部分も対物レンズの半円
部分に返ってくる。また、再生斜面と隣接する斜面から
の反射光も対物レンズの反対側の半円部分に偏るが、そ
の隣接斜面にはレーザースポットの周辺だけが照射され
ているので、反射光量も小さい。
に提案されたものがある。これは、レーザービームは対
物レンズの光軸に略平行に入射させ、収差を小さくV溝
上にレーザースポットを絞る事ができる。ここで、略平
行とは対物レンズの光軸に1度以内とする。V溝斜面は
傾斜しているので、その反射光の方向は対物レンズの光
軸から偏る。再生するV溝斜面上にはレーザースポット
の中心をトラッキングするので、大部分の光は再生斜面
上に照射され、その反射光の大部分も対物レンズの半円
部分に返ってくる。また、再生斜面と隣接する斜面から
の反射光も対物レンズの反対側の半円部分に偏るが、そ
の隣接斜面にはレーザースポットの周辺だけが照射され
ているので、反射光量も小さい。
【0012】そこで、図8(B)のV溝2の斜面上のレ
ーザースポットからの反射光が対物レンズ8を通った後
の分布は同図(A)の曲線Dの様になる。この反射光分
布Dは斜面上に信号ピットがない所にレーザースポット
が照射された場合の例であり、大きな強度の反射光部分
と小さな強度の反射光部分に分かれる。この大きい方の
反射光部分は再生斜面からの反射光に相当し、対物レン
ズの半分以上に広がっている。
ーザースポットからの反射光が対物レンズ8を通った後
の分布は同図(A)の曲線Dの様になる。この反射光分
布Dは斜面上に信号ピットがない所にレーザースポット
が照射された場合の例であり、大きな強度の反射光部分
と小さな強度の反射光部分に分かれる。この大きい方の
反射光部分は再生斜面からの反射光に相当し、対物レン
ズの半分以上に広がっている。
【0013】また、斜面上に信号ピットがある時は図8
の分布Dの各々の山の部分が減少し、反射光分布はその
減少分だけ周辺に散らばるが、特に図示する事は省略す
る。
の分布Dの各々の山の部分が減少し、反射光分布はその
減少分だけ周辺に散らばるが、特に図示する事は省略す
る。
【0014】図8の反射光分布Dは、第4図の反射光路
のレンズ系でビーム径は縮小されるが、分布の形状は相
似的に保たれたままで光検出器10上に照射される。特
開昭57−105828号公報では、光軸の中心より少
し外側(図8の矢印Xの範囲)において、反射光の干渉
効果により再生信号のクロストークは小さくなる事が解
析的に示され、その領域の反射光を再生する方法が提案
されている。以上が特開昭57−105828号公報に
示された概要である。
のレンズ系でビーム径は縮小されるが、分布の形状は相
似的に保たれたままで光検出器10上に照射される。特
開昭57−105828号公報では、光軸の中心より少
し外側(図8の矢印Xの範囲)において、反射光の干渉
効果により再生信号のクロストークは小さくなる事が解
析的に示され、その領域の反射光を再生する方法が提案
されている。以上が特開昭57−105828号公報に
示された概要である。
【0015】第3に、特開昭58−102339号公報
に提案された方法も、レーザービームを対物レンズの光
軸に略平行に入射させ、その反射光の多くもレンズの半
分の部分に集中する。その提案では対物レンズを透過す
る反射光については半円部分を受光する方法であり、あ
る程度クロストークを小さくできるが最適ではない。
に提案された方法も、レーザービームを対物レンズの光
軸に略平行に入射させ、その反射光の多くもレンズの半
分の部分に集中する。その提案では対物レンズを透過す
る反射光については半円部分を受光する方法であり、あ
る程度クロストークを小さくできるが最適ではない。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】従来においては、レー
ザー光はいつも完全にコヒーレンス(可干渉性)である
との仮定に立脚している。確かに、相変化による記録す
なわちV溝斜面上に信号ピットを形成しない記録方式に
おいては、斜面上には凹凸がないのでコヒーレンスの仮
定はある程度成立つ。また、V溝表面に光磁気材料を形
成して記録により磁化方向を変化させる時も同様であ
る。
ザー光はいつも完全にコヒーレンス(可干渉性)である
との仮定に立脚している。確かに、相変化による記録す
なわちV溝斜面上に信号ピットを形成しない記録方式に
おいては、斜面上には凹凸がないのでコヒーレンスの仮
定はある程度成立つ。また、V溝表面に光磁気材料を形
成して記録により磁化方向を変化させる時も同様であ
る。
【0017】しかし、V溝斜面上に信号ピットを形成す
る再生専用ディスクの場合には、ディスク上の信号ピッ
トは理想的な形状に形成する事は困難であり、底面や周
辺が少し乱れている事もあり、反射光は完全にコヒーレ
ンスとはいえない。
る再生専用ディスクの場合には、ディスク上の信号ピッ
トは理想的な形状に形成する事は困難であり、底面や周
辺が少し乱れている事もあり、反射光は完全にコヒーレ
ンスとはいえない。
【0018】例えば、反射光の中には散乱によって乱さ
れた成分も多く、コヒーレンスが部分的に破れ干渉性が
低下する。散乱光には特定の方向性はなく、それら散乱
によるクロストークの成分は反射光全般に散らばり、む
しろ均一に近く含まれている。従って、反射光の一部分
で特にクロストークが最も小さくなるという傾向は減少
し、むしろ反射光分布の一部だけを受光する場合は再生
信号は最大ではなくなり、高い信号品質を得るには不利
である。
れた成分も多く、コヒーレンスが部分的に破れ干渉性が
低下する。散乱光には特定の方向性はなく、それら散乱
によるクロストークの成分は反射光全般に散らばり、む
しろ均一に近く含まれている。従って、反射光の一部分
で特にクロストークが最も小さくなるという傾向は減少
し、むしろ反射光分布の一部だけを受光する場合は再生
信号は最大ではなくなり、高い信号品質を得るには不利
である。
【0019】そこで現実問題として斜面に信号ピットを
形成したV溝ディスクの最適な再生方法を提供する必要
がある。
形成したV溝ディスクの最適な再生方法を提供する必要
がある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段は、レーザービームを対物レンズの光軸に略平行
に入射させる。
の手段は、レーザービームを対物レンズの光軸に略平行
に入射させる。
【0021】そしてV溝斜面からの反射光のうち、対物
レンズを通過してくる全部分ではないが、対物レンズの
半円部分以上透過してくる光を受光する様になすことで
ある。
レンズを通過してくる全部分ではないが、対物レンズの
半円部分以上透過してくる光を受光する様になすことで
ある。
【0022】
【作 用】上記手段によれば、レーザービームの入射方
向は対物レンズの光軸に略平行であり、ディスク面に絞
られるレーザースポットの収差は小さくできる。
向は対物レンズの光軸に略平行であり、ディスク面に絞
られるレーザースポットの収差は小さくできる。
【0023】V溝斜面は傾斜しているので、その反射光
の方向は対物レンズの光軸から偏る。ディスク面からの
反射光分布は再生斜面からの大きな反射光部分と、再生
斜面と隣接する斜面からの小さな反射光部分の2つに分
かれる。その再生斜面からの反射光に相当する大きな反
射光部分は対物レンズの半分以上に広がる。
の方向は対物レンズの光軸から偏る。ディスク面からの
反射光分布は再生斜面からの大きな反射光部分と、再生
斜面と隣接する斜面からの小さな反射光部分の2つに分
かれる。その再生斜面からの反射光に相当する大きな反
射光部分は対物レンズの半分以上に広がる。
【0024】斜面からの反射光の一部を光検出器の検出
部に入射しない様に光学系を構成して、対物レンズを通
過してくる反射光の全部分ではないが対物レンズの半円
部分以上を受光する事により、再生斜面からの反射光に
相当する部分の殆どを受光する事になり、再生信号を最
大に近くできる。その時には、クロストーク成分は反射
光全般に均一に含まれる傾向が高いので、再生信号の大
きさに対するクロストークの量は相対的に低下し、再生
信号の品質を向上させる事ができる。
部に入射しない様に光学系を構成して、対物レンズを通
過してくる反射光の全部分ではないが対物レンズの半円
部分以上を受光する事により、再生斜面からの反射光に
相当する部分の殆どを受光する事になり、再生信号を最
大に近くできる。その時には、クロストーク成分は反射
光全般に均一に含まれる傾向が高いので、再生信号の大
きさに対するクロストークの量は相対的に低下し、再生
信号の品質を向上させる事ができる。
【0025】
【実施例】以下、実施例を図面と共に説明する。
【0026】斜面に信号ピットが形成されたV溝ディス
クを再生して、C/Nやクロストーク等の信号品質を測
定して反射光の最適な受光部分を検討した。以下、その
結果について説明する。
クを再生して、C/Nやクロストーク等の信号品質を測
定して反射光の最適な受光部分を検討した。以下、その
結果について説明する。
【0027】図1(A)に示す円はV溝斜面からの反射
光ビームの断面をを示すものである。V溝の再生斜面の
信号を再生する時には隣接する斜面の信号も混じってく
る。図8の様な右上がりの斜面からの信号を再生する場
合には、図8の円内の左側の半円部分に反射光の大部分
が集中する。そこで、図1(A)の縦線Lの左側の反射
光(ハッチング領域)を再生する。縦線Lの位置を反射
光の中心Oを通るξ軸との交点で表し、その縦線Lの位
置に対する再生斜面の再生信号Sと隣接斜面の再生信号
Cの測定値を示したものが図1(B)である。再生斜面
と隣接斜面の再生信号の差がクロストークとなる。
光ビームの断面をを示すものである。V溝の再生斜面の
信号を再生する時には隣接する斜面の信号も混じってく
る。図8の様な右上がりの斜面からの信号を再生する場
合には、図8の円内の左側の半円部分に反射光の大部分
が集中する。そこで、図1(A)の縦線Lの左側の反射
光(ハッチング領域)を再生する。縦線Lの位置を反射
光の中心Oを通るξ軸との交点で表し、その縦線Lの位
置に対する再生斜面の再生信号Sと隣接斜面の再生信号
Cの測定値を示したものが図1(B)である。再生斜面
と隣接斜面の再生信号の差がクロストークとなる。
【0028】従来例の解析では、最適な受光領域は図8
の矢印Xの範囲の様に半円より少し小さい反射光の部分
であった。すなわち図1で言えば、直線Lは点Oの左側
にある場合が再生特性は良好である、と言うのが従来の
思想であった。
の矢印Xの範囲の様に半円より少し小さい反射光の部分
であった。すなわち図1で言えば、直線Lは点Oの左側
にある場合が再生特性は良好である、と言うのが従来の
思想であった。
【0029】それに対し、図1によれば、半円より少し
大きい反射光の部分を受光して信号再生する方が再生信
号振幅も大きいしクロストークも小さくなる事が分か
る。この領域は、図8の2つの部分に分かれた反射光分
布Dの大きい方の反射光部分の殆どを受光する事に相当
する。
大きい反射光の部分を受光して信号再生する方が再生信
号振幅も大きいしクロストークも小さくなる事が分か
る。この領域は、図8の2つの部分に分かれた反射光分
布Dの大きい方の反射光部分の殆どを受光する事に相当
する。
【0030】解析に基ずく従来例との上記の相違につい
て簡単に説明する。従来の解析にはレーザー光は常に完
全にコヒーレンス(可干渉性)という仮定が含まれてい
た。確かにV溝斜面上に凹凸がない場合にはこの仮定は
ある程度成り立つ。
て簡単に説明する。従来の解析にはレーザー光は常に完
全にコヒーレンス(可干渉性)という仮定が含まれてい
た。確かにV溝斜面上に凹凸がない場合にはこの仮定は
ある程度成り立つ。
【0031】しかし、V溝斜面上に信号ピットを形成す
る再生専用ディスクの場合には、ディスク上の信号ピッ
トは理想的な形状に形成する事は困難であり、底面や周
辺が少し乱れている事もあり、反射光の中には散乱によ
って乱された成分も多い。そのために、この反射光は完
全にコヒーレンスとはいえず、コヒーレンスが部分的に
破れ干渉性が低下する。それら散乱によるクロストーク
の成分は特定の反射方向を持たず、むしろ反射光全般に
均一に近く含まれている。従って、反射光の一部分で特
にクロストークが最も小さくなるという傾向は減少す
る。むしろ、反射光分布の一部だけを受光する場合は、
再生信号は最大ではなく高い信号品質を得るには不利で
ある。
る再生専用ディスクの場合には、ディスク上の信号ピッ
トは理想的な形状に形成する事は困難であり、底面や周
辺が少し乱れている事もあり、反射光の中には散乱によ
って乱された成分も多い。そのために、この反射光は完
全にコヒーレンスとはいえず、コヒーレンスが部分的に
破れ干渉性が低下する。それら散乱によるクロストーク
の成分は特定の反射方向を持たず、むしろ反射光全般に
均一に近く含まれている。従って、反射光の一部分で特
にクロストークが最も小さくなるという傾向は減少す
る。むしろ、反射光分布の一部だけを受光する場合は、
再生信号は最大ではなく高い信号品質を得るには不利で
ある。
【0032】そこで、V溝斜面からの反射光分布には、
図8に示す分布Dの様に、再生斜面からの反射光に相当
する大きな部分と、再生斜面に隣接する斜面からの反射
光に相当する小さな部分がある。その大きい方の反射光
部分の殆どを受光する事で、再生信号を最大に近くでき
る。その時には、クロストーク成分は反射光全般に均一
に含まれる傾向が高いので、再生信号の大きさに対する
クロストークの量は相対的に低下し、再生信号の品質は
向上させる事ができる。即ち、対物レンズを透過する反
射光の全部ではないが、対物レンズの半円部分より多く
を受光すれば高い品質の信号が得られるのである。
図8に示す分布Dの様に、再生斜面からの反射光に相当
する大きな部分と、再生斜面に隣接する斜面からの反射
光に相当する小さな部分がある。その大きい方の反射光
部分の殆どを受光する事で、再生信号を最大に近くでき
る。その時には、クロストーク成分は反射光全般に均一
に含まれる傾向が高いので、再生信号の大きさに対する
クロストークの量は相対的に低下し、再生信号の品質は
向上させる事ができる。即ち、対物レンズを透過する反
射光の全部ではないが、対物レンズの半円部分より多く
を受光すれば高い品質の信号が得られるのである。
【0033】次に、上記実施例における再生光学系を詳
細に説明する。上記実施例の光学系の構成図は図4と同
様である。図4で半導体レーザー4の波長をλ、その発
光点と回折格子5の間隔をdとし、コリメートレンズ7
の焦点距離をf1、対物レンズ8の焦点距離をf2とす
る。回折格子のピッチをpとすれば、回折格子を透過後
の0次、1次、−1次のレーザー光は、(λ/p)・d
の距離を隔てた点から発光するように分割され、ディ
スク上には (f2/f1)・(λ/p)・dの間隔を
隔ててスポット状に絞られる。
細に説明する。上記実施例の光学系の構成図は図4と同
様である。図4で半導体レーザー4の波長をλ、その発
光点と回折格子5の間隔をdとし、コリメートレンズ7
の焦点距離をf1、対物レンズ8の焦点距離をf2とす
る。回折格子のピッチをpとすれば、回折格子を透過後
の0次、1次、−1次のレーザー光は、(λ/p)・d
の距離を隔てた点から発光するように分割され、ディ
スク上には (f2/f1)・(λ/p)・dの間隔を
隔ててスポット状に絞られる。
【0034】ディスクから反射したレーザー光はハーフ
ミラー6で入射光路から分離される。シリンドリカルレ
ンズ9による非点収差で反射ビーム形は変化するが、3
つのビームが分離され、かつ、それらのビーム形が円形
になる位置に光検出器10を配置する。光検出器上の反
射光ビームの直径は小さいので、その位置はコリメート
レンズ7による焦点位置に近くなる。3つの反射ビーム
の中心間隔はディスク上のスポット間隔のおよそ(f1
/f2)倍であり、およそ(λ/p)・d の値にな
る。
ミラー6で入射光路から分離される。シリンドリカルレ
ンズ9による非点収差で反射ビーム形は変化するが、3
つのビームが分離され、かつ、それらのビーム形が円形
になる位置に光検出器10を配置する。光検出器上の反
射光ビームの直径は小さいので、その位置はコリメート
レンズ7による焦点位置に近くなる。3つの反射ビーム
の中心間隔はディスク上のスポット間隔のおよそ(f1
/f2)倍であり、およそ(λ/p)・d の値にな
る。
【0035】光検出器は8つの光検出部から成り、その
構成と3つの反射光の様子を図2に示す。焦点制御は、
従来の場合と同様に、反射ビーム11aを用いて受光部
14と16の和信号から受光部15と17の和信号を差
し引いた信号で行う。シリンドリカルレンズ9の軸がV
溝の方向と45度傾いた非点収差方式の焦点制御では、
3つの反射ビ−ムは光検出器面で像が90度回転するの
で、光検出器上での信号ピットのトラック方向の像は受
光部14と17、あるいは、15と16を分割する線に
平行である。従って、V溝ディスクのトラッキング制御
は受光部14と15の和信号から受光部16と17の和
信号を差し引いた信号で行う事ができる。
構成と3つの反射光の様子を図2に示す。焦点制御は、
従来の場合と同様に、反射ビーム11aを用いて受光部
14と16の和信号から受光部15と17の和信号を差
し引いた信号で行う。シリンドリカルレンズ9の軸がV
溝の方向と45度傾いた非点収差方式の焦点制御では、
3つの反射ビ−ムは光検出器面で像が90度回転するの
で、光検出器上での信号ピットのトラック方向の像は受
光部14と17、あるいは、15と16を分割する線に
平行である。従って、V溝ディスクのトラッキング制御
は受光部14と15の和信号から受光部16と17の和
信号を差し引いた信号で行う事ができる。
【0036】V溝斜面からの反射光12a、13aは図
2の様に光検出部20、21および22、23に照射す
る。記録信号の再生は光検出部21、22を用いるが、
反射光12a、13aの一部を検出部21、22に入射
しない様にする。前述した様に、非点収差方式の焦点制
御では3つの反射ビ−ムは光検出器面で像が90度回転
するので、図2の様な構成で反射光の一部を検出部に入
射しない様にすることは、対物レンズを透過する反射光
の全部ではないが半分以上受光して図1に示した最適な
領域を再生する事になり、クロストークの小さい高い品
質の再生信号を得る事ができる。
2の様に光検出部20、21および22、23に照射す
る。記録信号の再生は光検出部21、22を用いるが、
反射光12a、13aの一部を検出部21、22に入射
しない様にする。前述した様に、非点収差方式の焦点制
御では3つの反射ビ−ムは光検出器面で像が90度回転
するので、図2の様な構成で反射光の一部を検出部に入
射しない様にすることは、対物レンズを透過する反射光
の全部ではないが半分以上受光して図1に示した最適な
領域を再生する事になり、クロストークの小さい高い品
質の再生信号を得る事ができる。
【0037】光検出器上の反射光の間隔は、前述した様
に、半導体レーザー4の波長λ、その発光点と回折格子
5の間隔d、回折格子のピッチpとして、およそ(λ/
p)・dとなるので、半導体レーザー4の発光点と回折
格子5の間隔dを最適な間隔に調整することで、図2の
反射光の配置を達成できる。
に、半導体レーザー4の波長λ、その発光点と回折格子
5の間隔d、回折格子のピッチpとして、およそ(λ/
p)・dとなるので、半導体レーザー4の発光点と回折
格子5の間隔dを最適な間隔に調整することで、図2の
反射光の配置を達成できる。
【0038】図2の例では分割部20と21、また、2
2と23の大きさは異なり、非対称に構成された場合で
ある。図2の構成でも、検出部20と21の受光量の和
と、検出部21、22の受光量の和とを比較して、図6
と同様に従来のディスクにもトラッキングし、再生でき
る。
2と23の大きさは異なり、非対称に構成された場合で
ある。図2の構成でも、検出部20と21の受光量の和
と、検出部21、22の受光量の和とを比較して、図6
と同様に従来のディスクにもトラッキングし、再生でき
る。
【0039】
【発明の効果】以上の通りであって、本発明によれば、
レーザービームを対物レンズの光軸に略平行に入射させ
るので、ディスク上のスポットの収差を小さくでき、ま
た、反射光の対物レンズを透過する全部ではないが、半
分以上を受光することでクロストークの小さい高品質の
信号を再生できる。
レーザービームを対物レンズの光軸に略平行に入射させ
るので、ディスク上のスポットの収差を小さくでき、ま
た、反射光の対物レンズを透過する全部ではないが、半
分以上を受光することでクロストークの小さい高品質の
信号を再生できる。
【図1】本発明の光ディスク再生方法の実施例におけ
る、V溝ディスクからの反射光の再生領域と信号レベル
の関係図
る、V溝ディスクからの反射光の再生領域と信号レベル
の関係図
【図2】同実施例における光検出器の構成とその上への
反射光の照射状態を示す図
反射光の照射状態を示す図
【図3】V溝光ディスクの拡大斜視図
【図4】同実施例における再生光学系の構成図
【図5】V溝ディスク上のレーザースポットの配置図
【図6】従来の平板ディスク上のレーザースポットの分
布図
布図
【図7】従来の光検出器の構成とその上の反射光の照射
状態図
状態図
【図8】従来におけるV溝斜面からの反射光分布を用い
た再生方法の説明図
た再生方法の説明図
1 透明基板
2 V溝
3 信号ピット
4 半導体レーザー
5 回折格子
8 対物レンズ
10 光検出器。
21 光検出部
22 光検出部
Claims (4)
- 【請求項1】 光ディスク上にその半径方向の断面がV
字形である溝を設け、そのV溝の斜面に信号を記録し、
対物レンズでディスク上にレーザーを照射して、その反
射光を光検出器で受光する事で信号を再生する方法にお
いて、前記反射光の一部を前記光検出器の光検出部に照
射させない事を特徴とする光ディスク再生方法。 - 【請求項2】 レーザーの光源と対物レンズとの間に回
折格子を挿入してディスク上に複数のスポットを形成
し、光検出器はその複数スポットの各々を受光する光検
出部から成り、V溝斜面からの反射光の一部を前記光検
出部に照射させない様に、回折格子と前記レーザー光源
との距離を設定する事を特徴とする請求項1記載の光デ
ィスク再生方法。 - 【請求項3】 光ディスク上にその半径方向の断面がV
字形である溝を設け、そのV溝の斜面に信号を記録し、
ディスク上に複数のレーザービームを照射し、その反射
光を受光して信号を再生する光ディスクの信号再生に使
用される光検出器であって、前記斜面上の信号を再生す
る光検出部が2分割されている事を特徴とする光検出
器。 - 【請求項4】 2分割された分割部の大きさが非対称で
ある事を特徴とする請求項3記載の光検出器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3172527A JPH0520691A (ja) | 1991-07-12 | 1991-07-12 | 光デイスク再生方法および光検出器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3172527A JPH0520691A (ja) | 1991-07-12 | 1991-07-12 | 光デイスク再生方法および光検出器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0520691A true JPH0520691A (ja) | 1993-01-29 |
Family
ID=15943581
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3172527A Pending JPH0520691A (ja) | 1991-07-12 | 1991-07-12 | 光デイスク再生方法および光検出器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0520691A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7042819B2 (en) | 2001-06-29 | 2006-05-09 | Sharp Kabushiki Kaisha | Optical pickup apparatus |
US7424822B2 (en) | 2006-01-06 | 2008-09-16 | Renias Co. Ltd. | Micro-hardness measurement method and micro-hardness meter |
-
1991
- 1991-07-12 JP JP3172527A patent/JPH0520691A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7042819B2 (en) | 2001-06-29 | 2006-05-09 | Sharp Kabushiki Kaisha | Optical pickup apparatus |
US7424822B2 (en) | 2006-01-06 | 2008-09-16 | Renias Co. Ltd. | Micro-hardness measurement method and micro-hardness meter |
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