JP3702203B2 - 連続圧入試験のための圧入試験機、これを用いた物性測定方法及び物性計算方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、連続圧入試験のための圧入試験機、これを用いた物性測定方法及びこれを格納した記録媒体、並びに物性計算方法に関する。より詳しくは、別の引張試験を行う代わりに、圧入試験機を、物性を測定する材料に取り付けて連続圧入試験を行い、物性測定方法を格納した記録媒体を手段にして材料の物性を測定し、本発明によって新しく定義された物性計算方法によって材料の物性を計算して、これをディスプレイすることが現場で実時間にて行われる連続圧入試験のための圧入試験機、これを用いた物性測定方法及びこれを格納した記録媒体、並びに物性計算方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現代の構造物及び各種産業施設に用いられている構造用鋼は、高い圧力及び温度の劣悪な環境により時間の経過に伴って材料の信頼性が低下するという大きい問題点を抱えている。従って、材料の劣化による機械的性質の変化を容易且つ簡便に測定することができ、特定の脆弱部分に対して物性評価可能な非破壊試験法の開発の必要性が認識されてきた。
【0003】
このような必要性によって、一定サイズの試片を使用することなく現場で物性を評価し、或いは局所部位に対する引張物性を評価することのできる手段が要求された。このような手段として、圧入試験を用いて圧入荷重による圧入深さの変化を測定することにより得られる圧入荷重−変位曲線から、材料の物性に対する情報を予測する圧入試験機が発明された。
【0004】
このような圧入試験機としては、従来「Field indentation microprobe(FIM) for structural integrity evaluation(米国特許第4,852,397号)」があった。しかし、FIMは、機械のサイズが大きく且つセンサの感知する最大荷重が大きくて分解能が大きいから、精度が低かった。
【0005】
一方、本発明に係る連続圧入試験のための圧入試験機は、現場で材料の物性を測定し計算するため、物性測定方法を格納した記録媒体とこれを用いた物性測定方法の提示がさらに要求される。
【0006】
このようなソフトウェア的な面からみて、従来のFIMは、連続試験ではなく断続試験(interrupted test)による圧入試験機であって、試験時間が長く、物性の換算も度実験データに基づいた経験的関係式を用いたので、様々な材料への適用が難しかった。また、測定されたデータを分析するにあたって、実験定数補正のための別個の引張試験が要されたので、多くの試験費用がかかると共に、引張試片を得難い部分に対する測定が難しかった。
【0007】
他の面からみて、本発明は、圧入試験機を用いて圧入子に圧入荷重を加え、圧入荷重の増加及び減少による圧入深さの変化を連続的に測定して圧入荷重−変位曲線を試験結果として提供することにより、金属の加工硬化指数、応力係数、降伏強度及び引張強度等の金属の物性を把握する方法に関するものである。
【0008】
従来の金属の物性を把握する方法としては、引張試験による方法及び硬度試験による方法などが挙げられる。
【0009】
しかし、引張試験による方法は、破壊的で、試片準備及び試験にかかる時間、費用が多くかかるという短所があったので、本発明の如く現場での構造物の物性評価には適しない。
【0010】
一方、引張試験法の短所を克服するために、硬度試験によって得られた硬度値を、金属の相対的強度を比較する物性として使用する硬度試験法は、硬度値が金属の基本的な物性ではないという短所があった。即ち、硬度値は材料の弾塑性性質、圧入子の幾何学的形態、圧入実験条件、表面状態などによっても影響を受ける。一例として、圧入子の面角が小さくなるほど、硬度値は大きくなる。従って、より標準化された物性を得ようとする試みが行われてきた。
【0011】
まず、Vickers硬度値Hと降伏硬度Yとの関係を、金属に対し、単純にH/Y=3にして求める方法があるが、この場合、材料の加工硬化特性に対する考慮がなくて誤差が大きくなる。
【0012】
次に、 Hertz弾性理論が適用される極めて低い荷重での球形圧入の場合において、初期塑性変形が生じる時点を感知してその時の平均接触圧力を用いる場合もあるが、初期降伏荷重が極めて小さいから、薄膜用として用いられているμN単位の荷重感知装置を取り付けているナノ(nano)圧入試験法のみで感知できるという短所がある。
【0013】
最後に、連続圧入試験法においては、米国のF.M. Haggagによる研究と M.V. Swainによる研究とがある。前者は標準引張試験との比較による定数決定が必要であって圧入試験の効率性が低下し、後者は圧入変形率のみを計算して圧入応力に対する考慮がないという短所がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる問題点を解決するためのものであって、その第1目的は、体積を小型化して実構造物への取付が容易であり、評価対象材料の種類及び大きさを問わず取り付けて試験することができる連続圧入試験のための圧入試験機を提供することにある。
【0015】
また、本発明の第2目的は、水平移動を可能にして、材料のいろいろな位置で試験するために本体自体を移動する必要がない連続圧入試験のための圧入試験機を提供することにある。
【0016】
また、本発明の第3目的は、荷重の印加及び除去を繰り返し、この時に発生する荷重及び変位を連続的に測定する連続圧入試験を可能とする連続圧入試験のための圧入試験機、これを用いた物性測定方法及びこれを格納した記録媒体を提供することにある。
【0017】
また、本発明の第4目的は、実験定数補正のための別個の引張試験を必要としないから、試験費用を節減すると共に、引張試片の得難い部分に対する測定ができる圧入試験機を用いた物性測定方法を提供することにある。
【0018】
また、本発明の第5目的は、圧入子を用いた圧入荷重の増加、減少による圧入深さの変化を連続的に測定し、測定されたデータを理論的に解析して金属の加工硬化指数、応力係数、降伏強度、引張強度などを計算することにより、金属の機械的特性を把握する方法を提供することにある。
【0019】
また、本発明の第6目的は、連続圧入試験において、圧入子と金属試片との接触半径を求めるにあたって、圧入部周囲に発生するパイルアップ/シンクイン(pile-up/sink-in)現象を考慮し、圧入子と金属試片との接触半径及び変形率に対する新しい定義を下すことにより、引張試験によって得られた値に近接する結果を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明は、制御プログラム及び物性分析プログラムが搭載されたコンピュータにインタフェースボードを介して接続された、材料の荷重及び圧入深さを測定する圧入試験機において、材料に加えられる荷重を発生させる、モータと減速器とを有する荷重付加装置と、荷重付加装置から生成された回転力を垂直荷重に変換する荷重伝達装置と、荷重伝達装置に装着され、荷重の変化を連続的に測定する荷重センサと、荷重伝達装置の一端に連結され、荷重センサと同軸で動く連結軸及び圧入子ホルダーと、圧入子ホルダーの先端に露出し、材料に実質的に接触荷重を加える圧入子と、圧入子の圧入による圧入深さの変化を連続的に測定する変位センサとを含む本体を有する連続圧入試験のための圧入試験機を提供する。
【0021】
また、本発明は、連結軸及び圧入子ホルダーが垂直移動できる空間を有し、前記本体の下方に位置し、本体を固定支持するベースと、ベースに締結され、材料を圧入試験機に固定させる取付装置をさらに含むが、取付装置は磁石、チェーン、U-ブロックのいずれか一つであることを特徴とする連続圧入試験のための圧入試験機を提供する。
【0022】
また、本発明は、取付装置とベースが固定された状態で圧入子の取り付けられた本体のみ一軸に水平移動できるようにする水平移動装置をさらに含むが、水平移動装置は、ベースの上部面に締結され、上部面にダブテール(dovetail)が設けられたスライダーベースと、スライダーベースと本体との間に位置し、下部面にスライダーベースのダブテールに嵌合可能なダブテール溝が設けられ、ダブテール溝の方向と同一方向に外周面にねじ山付き溝を有するスライダーと、一端はスライダーの溝のねじ山と共にねじ回転可能なねじ山が設けられ、スライダーの溝のねじ山に螺合され、他端はつまみが設けられており、一端と他端との間はブラケットによってベースまたはスライダーベースに螺合された移動つまみを有することを特徴とする連続圧入試験のための圧入試験機を提供する。
【0023】
また、本発明は、圧入子と変位センサが安全に移動できるように設定された領域の限界位置に取り付けられる圧入子移動制御センサをさらに含む連続圧入試験のための圧入試験機を提供する。
【0024】
また、本発明は、圧入子の形状が球形、円錐形、四角錐形のいずれかであり、圧入子ホルダーと圧入子とが一体であることを特徴とする連続圧入試験のための圧入試験機を提供する。
【0025】
また、本発明は、圧入試験機を用いて材料の物性を測定する測定方法において、圧入子を下方に移動させ、圧入子を圧入試験の開始可能な位置へ移動させるが、圧入荷重が荷重設定値以上であれば、圧入子の移動を止めて圧入子を距離設定値だけ上昇させ、圧入荷重が荷重設定値未満であれば、圧入子を引き続き下方に移動させる圧入子接近段階と、圧入子の移動速度及び圧入子の移動深さを設定し、材料に荷重を加える荷重付加段階と、圧入子の移動深さだけ圧入子が垂直移動した後、圧入子の移動深さの一定荷重除去率だけ圧入子を上方に移動させる荷重除去段階と、荷重付加段階及び荷重除去段階を通じて圧入子の垂直移動による圧入子の圧入深さ及び圧入荷重を測定する測定段階と、荷重付加段階、荷重除去段階及び測定段階とを多数回繰り返し行う連続試験段階と、圧入子を材料から除去する圧入子除去段階と、圧入子除去段階の前後に測定段階で測定した圧入深さ及び圧入荷重からなる圧入荷重−変位曲線によって材料の応力−変形率曲線を求め、この応力−変形率曲線を用いて材料の物性を計算する物性計算段階とを含む、圧入試験機を用いた物性測定方法を提供する。
【0026】
また、本発明は、圧入子接近段階が、圧入子を下方に移動させる圧入子下方移動段階と、圧入荷重が荷重設定値以上であれば、圧入子の移動を止めて圧入子を距離設定値だけ上方に移動させ、圧入荷重が荷重設定値未満であれば、圧入子下方移動段階を引き続き行う判断段階とからなる、圧入試験機を用いた物性測定方法を提供する。
【0027】
また、本発明は、荷重設定値が0.2〜2kgfであり、距離設定値が5〜30μmであることを特徴とする圧入試験機を用いた物性測定方法を提供する。
【0028】
また、本発明は、それぞれの連続試験段階毎に、圧入子の移動速度、圧入子の移動深さ及び荷重除去率の少なくともいずれか一つを変化させることができることを特徴とする圧入試験機を用いた物性測定方法を提供する。
【0029】
また、本発明は、圧入試験機のうち、圧入子を含むフレームのみを水平移動させると共に圧入試験機のベースまたは取付装置は移動させず、同一材料の一軸の多数の位置で段階を繰り返し行って計算した物性値の平均を出して材料の物性を計算する段階をさらに含む圧入試験機を用いた物性測定方法を提供する。
【0030】
また、本発明は、圧入試験機を用いて材料の物性を測定する測定方法が記録された記録媒体において、圧入子を下方に移動させて圧入子を圧入試験の開始可能な位置に移動させるが、圧入荷重が荷重設定値以上であれば、圧入子の移動を止めて圧入子を距離設定値だけ上昇させ、圧入荷重が荷重設定値未満であれば、圧入子を引き続き下方に移動させる圧入子接近手段と、圧入子の移動速度及び圧入子の移動深さを設定し、材料に荷重を加える荷重付加手段と、圧入子の移動深さだけ圧入子が垂直移動した後、圧入子の移動深さの一定荷重除去率だけ圧入子を上方に移動させる荷重除去手段と、荷重付加手段及び荷重除去手段を通じて圧入子の垂直移動による圧入子の圧入深さ及び圧入荷重を測定する測定手段と、荷重付加手段と荷重除去手段を多数回繰り返す連続試験手段と、圧入子を材料から除去する圧入子除去手段と、圧入子除去手段の前後に測定手段から測定した圧入深さ及び圧入荷重からなる圧入荷重−変位曲線によって材料の応力−変形率曲線を求め、この応力−変形率曲線を用いて材料の物性を計算する物性計算手段とを含む圧入試験機を用いた物性測定方法を格納した記録媒体を提供する。
【0031】
また、本発明は、特定金属に対して球形圧入子を用いたm回の連続圧入試験において、当該特定の金属の加工硬化指数n値を設定する加工硬化指数設定段階と、前記加工硬化指数設定段階で設定されたn値をf(n)に代入してm回の連続圧入試験のうち、k番目の圧入試験の際、圧入子が当該特定の金属と接触する接触半径akを推定する接触半径推定段階と、前記接触半径推定段階で推定された接触半径akを用いて当該特定金属に対するk番目の圧入試験時の圧入変形率εk及び圧入応力σkを推定する圧入変形率−応力推定段階と、前記m個のεk及びσkをホロモン(Hollomon)の関係式σ=Kεnに代入して当該特定金属の加工硬化指数nをnjと推定する加工硬化指数推定段階と、前記njを加工硬化指数設定段階で設定されたnと比較する加工硬化指数判断段階と、前記加工硬化指数判断段階でnjとnが相違するものと判断された場合、nをnjにして加工硬化指数設定段階、接触半径推定段階、圧入変形率−応力推定段階、加工硬化指数推定段階及び加工硬化指数判断段階を繰り返し行う反復段階と、前記加工硬化指数判断段階でnjとnとが同一であると判断された場合、nの最終値njをnf=njに決定してこれを当該特定金属の加工硬化指数とする加工硬化指数決定段階と、前記加工硬化指数決定段階で決定されたn値及び最後の反復段階で得たεk、σkをホロモンの関係式σ=Kεnに代入して当該特定金属の応力係数K値を決定する応力係数決定段階とを含んで加工硬化指数及び応力係数を決定する連続圧入試験を用いた物性計算方法を提供する。
【0032】
ここで、ak 2=f(n)(2Rh0−h0 2)、f(n)は加工硬化指数nに関する関数、Rは圧入子の半径、h0=hmax−0.75(hmax−hi)、hmaxは当該特定金属に対するk番目の圧入試験時の最大圧入荷重における圧入深さ、hiは当該特定金属に対するk番目の圧入試験における荷重除去曲線の初期勾配を荷重0まで外挿した深さ、
【0033】
【数7】
【0034】
、 αは定数、γは当該特定金属に対するk番目の圧入試験時の圧入子と当該特定金属との接触角、
【0035】
【数8】
【0036】
、βは定数、Lmaxは当該特定金属に対するk番目の圧入試験時の圧入子に作用する最大荷重を示す。
【0037】
また、本発明は、前記物性計算方法において、多様な種類の金属に対する代表的降伏変形率値をεRYとする時、加工硬化指数−応力係数決定段階で決定されたn値、K値及びY=KεRY nと定義される降伏強度式を用いて当該特定金属の降伏強度Yを決定する降伏強度決定段階をさらに含む連続圧入試験を用いた第1の降伏決定方法を提供する。
【0038】
また、本発明は、前記第1の降伏強度決定方法において、代表的降伏変形率値εRYは、y個の互いに異なる金属のそれぞれに対する連続圧入試験の際に、i番目の金属に対して前記加工硬化指数−応力係数決定段階で決定された加工硬化指数をni、応力係数をKiとし、前記ni値及びKi値を前記降伏強度式に代入して得た値をYiとする時、
【0039】
【数9】
【0040】
であるy個のYi値がそれぞれ引張試験を経て得たi番目の金属の降伏強度値(Yi)tにそれぞれ近接するように特定されることを特徴とする連続圧入試験を用いた第2の降伏強度決定方法を提供する。
【0041】
また、本発明は、前記第1または第2の降伏強度決定方法において、代表的変形率値εRYは0.007〜0.013であることを特徴とする連続圧入試験を用いた第3の降伏強度決定方法を提供する。
【0042】
また、本発明は、前記物性計算方法において、前記加工硬化指数−応力係数決定段階で決定されたn値、K値及びUTS=UTS(n,K)と定義される引張強度式を用いて当該特定金属の引張強度UTSを決定する引張強度決定段階を有することを特徴とする連続圧入試験を用いた第1の引張強度決定方法を提供する。
【0043】
また、本発明は、前記第1の引張強度決定方法において、前記特定金属に対する引張変形率補正値εUをεU=εU(n)をとする時、前記加工硬化指数−応力係数決定段階で決定されたn値、K値及びUTS=K(εU)nと定義される引張強度式を用いて当該特定金属の引張強度UTSを決定する引張強度決定段階を有することを特徴とする連続圧入試験を用いた第2の引張強度決定方法を提供する。ここで、εUは当該特定金属の加工硬化指数nの関数である。
【0044】
また、本発明は、前記第1及び第2の引張強度決定方法において、引張強度式UTSは、y個の互いに異なる金属それぞれに対する連続圧入試験の際に、i番目の金属に対して前記加工硬化指数−応力係数決定段階で決定された加工硬化指数ni、応力係数をKiとし、前記ni値及びKi値を前記引張強度式に代入して得た値をUTSiとする時、
【0045】
【数10】
【0046】
であるy個のUTSi値がそれぞれ引張試験を経て得たi番目の金属の引張強度値(UTSi)tにそれぞれ近接するように特定されることを特徴とする連続圧入試験を用いた第3の引張強度決定方法を提供する。ここで、εUi=εUi(ni)であって、i番目の金属に対する加工硬化指数niの関数である。
【0047】
また、本発明は、前記第2または第3の引張強度決定方法において、引張変形率補正値εUがεU(n)=Ω1n+Ω2であることを特徴とする連続圧入試験を用いた第4の引張強度決定方法を提供する。但し、ここで、Ω1は0.3〜0.5の定数、Ω2は−0.1〜0.1の定数である。
【0048】
また、本発明は、前記連続圧入試験を用いた物性計算方法において、f(n)は、x個の互いに異なる金属のそれぞれに対するmi回の連続圧入試験の際に、i番目の金属に対するmi個の応力(σR)i及び変形率(εR)iがi番目の金属に対する引張試験を経て得た真応力(true stress)−真変形率(true strain)曲線に近接するようにi番目の金属のf(n)値であるf(ni)値を特定するf(n)値決定段階と、前記f(n)値決定段階で特定されたx個のf(ni)値を用いてnに関する関数f(n)を特定するf(n)決定段階とによって特定されることを特徴とする連続圧入試験を用いた物性計算方法を提供する。
ここで、
【0049】
【数11】
【0050】
、βは定数、(Lmax)iはi番目の金属に対するk番目の圧入試験時の圧入子に作用する最大荷重、
【0051】
【数12】
【0052】
、αは定数、ai 2=f(ni)(2Rh0−h0 2)、niはi番目の金属の加工硬化指数、Rは圧入子の半径、h0=hmax−0.75(hmax−hi)、hmaxはi番目の金属に対するk番目の圧入試験時の最大圧入荷重における圧入深さ、hiはi番目の金属に対するk番目の圧入試験における荷重除去曲線の初期勾配を荷重0まで外挿した深さを示す。
【0053】
また、本発明は、前記連続圧入試験を用いた物性計算方法において、f(n)=cn+dであることを特徴とし、或いはf(n)=cn+d、αは0.05〜0.15、βは1/2.8〜1/3.2であることを特徴とし、或いはf(n)=cn+d、αは0.05〜0.15、βは1/2.8〜1/3.2であり、最初の加工硬化指数設定段階におけるn値は0.3であることを特徴とする。ここで、cは−0.4〜−0.3であり、dは1.05〜1.15である。
【0054】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明に係る実施例を詳細に説明する。この実施例は本発明の技術的思想を説明するための一実施例に過ぎず、本発明はこの実施例のみに制限されるのではない。
【0055】
1.連続圧入試験のための圧入試験機
まず、図1乃至図5を参照して本発明に係る連続圧入試験のための圧入試験機(以下、「圧入試験機」という)の一実施例を説明する。
【0056】
図1は本発明の一実施例に係る圧入試験機の全体構成図、図2は図1の本体の正断面図、図3は図1の本体の側断面図、図4は図1の水平移動装置の部分断面が含まれた本体の平面図、図5は図1の本体の下部一部と取付装置、試片テーブルの断面図を示す。
【0057】
図1を参照すると、本発明に係る圧入試験機は、基本的に、本体100と、本体100に連結されたノートブックコンピュータ200と、本体100とノートブックコンピュータ200とを連結するインタフェースボード300とから構成される。
【0058】
本体100は、物性を測定した材料に取り付けて圧入試験を行うための機器の主要部である。ノートブックコンピュータ200は、本体100の作動を制御し、本体100の測定手段によって測定されたデータを分析するためのプログラムが搭載されている。インタフェースボード300は本体100とノートブックコンピュータ200とを連結して信号値を変換する装置であり、本体100及びノートブックコンピュータ200に含まれたコネクタがインタフェースボード300のコネクタに連結される。
【0059】
図2及び図3を参照すると、本体100は、フレーム101、荷重付加装置110、シリンダ121、荷重センサ123、圧入子ホルダー125、圧入子127、水平移動装置140、圧入子移動制御センサ151、本体コネクタ161、163、165を含む。
【0060】
フレーム101は円筒状であり、内部部品を保護するケーシングである。フレーム101は荷重付加装置110、シリンダ121、荷重センサ123及び圧入子127の一部分などを含み、高強度アルミニウム軽量合金を用いて重量を減らすことにより、携帯及び搬送を容易にした。
【0061】
荷重付加装置110は、圧入試験の際に材料に加えられる荷重を作り出すところであって、モータ111、減速器112及びボールネジ117に大別される。
【0062】
モータ111は、外部荷重及び過負荷にも安定であり且つ精密制御が可能なACサーボモータを用いて、現場で外部振動など発生可能な危険要素の影響を除去する。減速器112はモータ111の下方に位置し、モータ111によって発生した動力で圧入子127を移動させる時、圧入子127の移動速度を試験に必要なだけの低速に減少させる。減速器112の下方にはカップリング13があって、減速器112とボールネジ117とが連結される連結軸114を連結し、モータ111の動力を連結軸114に伝達する。連結軸114の周りの所定位置にはベアリング115があって、連結軸114の回転運動を支持する。支持軸116はシリンダ121を貫通し、シリンダ121が上下に移動する際にシリンダ121の移動を案内すると共にシリンダ121の外部衝撃または自体揺れを防止する。ボールネジ117はモータ111からの動力によって回転する部分であり、この際の回転力を用いて荷重センサ123に荷重を加える。ボールナット118はボールネジ117と螺合されており、ボールネジ17が回転すると、ボールナット118は上下方向に垂直移動する。
【0063】
シリンダ121は、ボールナット118と圧着結合され、ボールナット118の垂直移動によって荷重付加装置110で作られた回転力を垂直荷重に変換させ、圧入子127が材料に荷重を加えることができるようにする。シリンダ121には、上述したように支持軸116が貫通してある。
【0064】
荷重センサ123は、シリンダ121の下方に位置し、シリンダ121にネジ123aによって螺合され、シリンダ121によって加えられた荷重の変化を連続して測定する。荷重センサ123を圧入すると、圧入荷重に比例する変形が発生し、この変形によって荷重センサ123に内蔵された変形ゲージの電気抵抗が変わることになり、流れる電流が変化するので、この電流の変化を感知して荷重を連続して測定する。荷重センサ123の最大荷重は300kgfであり、荷重分解能は0.3kgfである。最大荷重が増えるにつれて荷重分解能も共に増加するので、精密な分析が難しくなり、最大荷重が低い場合には十分なデータが得られないから、多様な実験を経て最適の荷重範囲を決定する。
【0065】
荷重センサ123の下方にはボールネジ117と圧入子127とを連結する延長軸124がある。延長軸124は上端の外周面に雄ネジが設けられ、荷重センサ123の下端に設けられた溝の内周面に設けられた雌ネジと螺合されている。
【0066】
延長軸124の末端には圧入子ホルダー125と圧入子127がある。圧入子127は実質的に材料に接触荷重を加える部分であって、球形である。圧入子ホルダー125と圧入子127とは一体形になっており、圧入子ホルダー125の末端には圧入子127が成形されている。このように圧入子ホルダー125と圧入子127とが一体形になっているので、圧入子ホルダー125が破損して圧入子127が圧入子ホルダー125から抜け出す危険性を無くし、圧入子ホルダー125と圧入子127との間に発生する実験誤差を除去する。この実施例では、圧入子127が球形であるが、用途に応じて円錐形または四角錐形のものを使用することもできる。また、圧入子ホルダー125と圧入子127は一体形ではなく、分離形であってもよい。
【0067】
変位センサ128は、圧入子127と平行に接触しているコネクタ128aの下方に位置する。変位センサ128は、コネクタ128aの下端に設けられた溝内へ付勢すれば挿入されるが、消勢すれば、溝内に設けられた弾性部材によって元の長さに延長される。センサブラケット129は、圧入子127に連結された延長軸124と、変位センサ128に連結されたコネクタ128aとを締結する。圧入子127が試片に圧入されると、変位センサ128はコネクタ128aの溝内に挿入され、この挿入深さを測定するので、圧入子の圧入長さを測定することができる。変位センサ128の最大測定範囲は2mmであり、正確な圧入深さを測定できるようにするため、LVDT(Linear Variable Displacement Transducer)を使用したが、これに制限されるものではない。
【0068】
荷重付加装置110及び荷重センサ123とベースとの間には水平移動装置140がある。水平移動装置140は圧入試験を行った後、同一材料に対して相違する位置で次の圧入試験を行うとき、圧入試験機全体を移動することなく、フレーム101のみ水平移動して次の圧入試験を行うための装置である。
【0069】
図2、図3及び図4を参照するが、主に図4を参照すると、本体100のフレーム101の下方に位置した水平移動装置140は、スライダー141、スライダーベース142、ロック143、ロックボルト143a、移動つまみ145からなる。スライダー141は、本体100のフレーム101の下方に位置し、スライダーベース142はスライダー141の下方に位置する。スライダーベース142には凹形のダブテール溝(dovetail groove)142aが設けられており、スライダー141にはブロック形のダブテール141bが設けられ、これらが嵌合してある。従って、スライダー141がスライダーベース142に乗ってダブテール141b方向(またはダブテール溝142a方向)に摺動して本体100を水平移動するようにすることができる。ロックボルト143aはスライダー141に設けられた溝を貫通してスライダーベース142と断面接触している。ロック143はロックボルト143aと締結され、ロック143を回転させると、ロックボルト143aが上下に移動する。ロック143をロックボルト143aが延長されるように回転させると、ロックボルト143aがスライダーベース142を加圧してスライダー141を固定する。この状態でロック143をロックボルト143aが短縮されるように回転させると、ロックボルト143aはスライダーベース142の加圧を解除し、スライダー141に付勢すれば水平移動可能にする。スライダー141の水平移動可能な力は、移動つまみ145を回転させることにより得られる。移動つまみ145にはブラケット145aを貫通してスライド141に設けられたナット145cと螺合されたボルト145bが存在する。移動つまみ145を回転させると、移動つまみボルト145bも共に回転する。移動つまみボルト145bの回転によって移動つまみナット145c、スライダー141及びフレーム101がねじ山の方向によって移動つまみ145の方向またはその反対方向に移動できるようにする。移動つまみ145には移動距離を表わす目盛が付いている。
【0070】
図3を参照すると、圧入子移動制御センサ151は、圧入子127と変位センサ128の無理な上下移動による機器の破損を防止するために取り付けられる。圧入子127と変位センサ128とが安全に移動できる領域を設定し、各領域の限界位置に圧入子移動制御センサ151を取り付ける。この領域を外れる場合には、モータ111の回転が中断されて圧入子127と変位センサ128の移動が中断する。
【0071】
本体100の末端には本体ベース133がある。本体ベース133は取付装置130を本体100に連結させ、取付装置130を締結していない場合には本体100を支持する。
【0072】
図5を参照すると、本発明に係る圧入試験機は、本体100とは別に取付装置130を有する。取付装置130は磁石131、磁石ブラケット133a、2つのボルト133b、133b’を有する。磁石131と本体ベース133は、磁石ブラケット13aと2つのボルト133b、133b’によってそれぞれ螺合されている。磁石131は、取り付ける部分が鉄材からなる時に用いられるが、曲率のある材料の場合には磁石の底部を曲率に合わせて加工して使用する。本実施例は取付装置130が磁石131であるものと説明したが、取り付けるべき材料の種類によってチェーンまたは曲率のあるU-ブロックを使用することもできる。チェーンは磁石を使用できない場合に、材料の周りを巻き付けて本体に付着させる。300kgの高荷重を支持するために、4連チェーンを使用し、本体ベース133とチェーンとの間はボルト締結方式と止め具用ネジ締結方式を混用して締結する。Uブロックはチューブに使用し、本体100を支持する両方のブラケットとU-ブロックとをボルトで締結して本体100を固定する。
【0073】
さらに図1を参照すると、本体100のフレーム101の上端部に位置する本体コネクタは、本体100とインタフェースボート300とを信号連結する部分である。本体コネクタにはモータコネクタ161、エンコーダコネクタ163及び変位コネクタ165があって、それぞれインタフェースボード300のモータコネクタ161’、エンコーダコネクタ163’及び変位コネクタ165’と連結される。
【0074】
ノートブックコンピュータ200は、測定した材料の圧入荷重と変位データとを分析するプログラムを搭載し、現場で様々な物性を計算することができる。変換可能な物性値には、硬度、流動曲線、降伏強度、加工硬化指数、引張強度、不均一延伸率などがあり、連続圧入試験を用いた加工硬化指数及び応力係数、降伏強度、引張強度は本発明によって計算可能なものであって、これらの計算方法は後術する。
【0075】
インタフェースボード300にはそれぞれ本体100のモータコネクタ161、エンコーダコネクタ163及び変位コネクタ165に連結されるモータコネクタ161’、エンコーダコネクタ163’及び変位コネクタ165’がある。更に、ノートブックコンピュータ200の通信ポートに連結されるコンピュータコネクタ167がある。また、インタフェースボード300には圧入子127を手動駆動させる時に圧入子127を上、下に移動させるためのアップ/ダウンボタン301がある。この他にも、初期化ボタン303、緊急ボタン305、電源ボタン307がある。
【0076】
以下、図1乃至図5を参照して本発明に係る圧入試験機の作動について説明する。
【0077】
まず、取付装置130を本体100の本体ベース133に螺合した後、取付装置130を試験する材料に取り付ける。ロック143が施錠されていると、ロックボルト143aが下方に移動するようにロック143を回転させてロックボルト143aがスライダーベース142を加圧するようにすることにより、スライダー141及び本体100などを固定させる。インタフェースボード300の電源ボタン307を押して電源をつけ、ノートブックコンピュータに搭載されたプログラムでモータ110を回転させると、減速器112で圧入子127の移動速度に求められるだけの低速に減速させる。モータ111の回転力は、連結軸114とボールネジ117を回転させてボールナット118を下方に垂直移動させる。ボールナット118の垂直移動は、シリンダ121、荷重センサ123、延長軸124、圧入子ホルダー125、圧入子127を同時に下方に移動させる。この際、荷重センサ123は、荷重の変化を連続して測定する。前記垂直荷重は圧入子127を材料に圧入させる。変位センサ128は圧入子127が圧入されて圧入深さが延長されると、コネクタ128aの溝に挿入され、挿入深さによって圧入子127の圧入深さを連続して測定する。荷重センサ123と変位センサ128によって荷重及び圧入深さを一定深さまで測定し、モータ111を反対方向に回転させ、圧入子127の荷重を一定の度合い除去しながら荷重及び圧入深さを測定して応力及び変形率を求める過程を一位置で連続的に行う。改めて、前記方法で圧入子127に荷重を加えてさらに圧入深さを延長し、荷重及び圧入深さを測定し、再び荷重を一定の度合い除去して荷重及び厚入深さを連続的に測定することにより応力及び変形率を求める。このような過程を繰り返し行うことにより、一位置における応力及び変形率曲線を完成することができる。
【0078】
一位置で圧入試験が完了すれば、水平移動装置140のロック143を解錠し、移動つまみ145を回してスライダー141を水平移動させた後、次の位置で同圧入試験を行う。
別の材料に対して圧入試験を行うためには、取付装置130の磁石131を取り外して別の材料に圧入試験機全体を移動させた後、磁石131をさらに別の材料に取り付けて圧入試験を行う。また、曲率をもった対象に取り付けるため、磁石を曲率加工して使用することができる。一方、測定材料が磁性体ではない場合には、図5の取付装置130の磁石ブラケット133aと本体ベース133とを螺合させるボルト133bを回転させ、取付装置130を本体100から分離した後、別の取付装置、例えばチェーンまたはU-ブロックを本体ベース133に締結した上、圧入試験を行う。
【0079】
2.圧入試験機を用いた物性測定方法
図6乃至図8を主に参照し図1乃至図5を付随的に参照して、本発明に係る圧入試験機を用いた物性測定方法の一実施例を説明する。
【0080】
図6は本発明の一実施例に係る圧入試験機を用いた物性測定方法の流れ図、図7は図6の圧入子移動方法選択段階の詳細流れ図、図8は図6の圧入子接近段階の詳細流れ図を示す。
【0081】
図6を参照すると、本発明に係る圧入試験機を用いた物性測定方法は、圧入子移動方法選択段階S10と、圧入子接近段階S20と、荷重付加段階S30と、荷重除去段階S40と、測定段階S50と、連続試験段階S60と、物性計算段階S70と、圧入子除去段階S80とを有する。本発明に係る連続圧入試験を用いた物性測定方法は、前記段階のうち物性計算段階S70のみを除いた方法により、物性計算のための基礎データを測定する方法である。
【0082】
圧入子移動方法選択段階S10は、圧入試験機の圧入子127の移動を手動または自動で選択する段階である。図7を参照すると、まず、圧入試験を開始する前に圧入子27を材料に接近させるために、圧入子127の移動方法を選択する(S100)。圧入子127の移動を手動にするか否かを尋ね(S110)、手動にするとすれば、圧入子127の移動速度を設定する(S120)。圧入子127の移動速度を設定した後、アップ(Up)を選択すると(S130)、圧入子127を上方に移動させる(S150)。一方、ダウン(Down)を選択すると(S135)、圧入子127を下方に移動させる(S155)。
【0083】
圧入子127の移動を手動にしないで自動にするとしても(S115)、一応、圧入子127の移動速度を設定しなければならない(S120)。その後、移動距離を入力し(S140)、移動距離が負数であるか否かを判断し(S145)、移動距離が負数であれば、圧入子127を上方に移動させ(S150)、移動距離が正数であれば、圧入子を下方に移動させる(S155)。
【0084】
圧入子接近段階(S20)は、圧入子127を圧入試験の開始可能な位置へ移動させて材料に接近させる段階である。図8を参照すると、圧入子127を下方に移動させながら(S210)実時間で移動距離及び荷重を表示する(S220)。次に、圧入子127に加えられる荷重が1kgf以上であるかを判断し(S230)、荷重が1kgf以上であれば(はい)、圧入子127の下方移動を止めて(S240)上方に10μm移動した後(S250)停止する(S260)。こうなると、圧入子127と材料間の距離が試験を開始し得る適切な程度にセットされる。もし荷重が1kgf以上でなければ(いいえ)、圧入子127の荷重が1kgfに達するまで圧入子12を引き続き下方に移動させ、圧入子接近段階を繰り返し行う。この際、1kgf、10μmという値はそれぞれ荷重設定値と長さ設定値を示し、反復的な実験の結果得られた値であり、データ測定開始範囲が1kgf以上であるから、物性測定には影響を与えない。また、本実施例では荷重設定値と長さ設定値がそれぞれ1kgfと10μmであるが、実験の結果、エンゲージの荷重設定値は0.2〜2kgf、長さ設定値は5〜30μm内で有効範囲を有するので、この範囲内でのエンゲージの設定は本発明の範囲に属するものと言える。
【0085】
荷重付加段階(S30)は材料に荷重を加えて圧入子127を垂直下降させる段階である。この際、垂直下降速度(移動速度)と垂直下降長さ(移動距離)を予め定めておく。圧入子127の移動速度と移動距離は、前記圧入試験機のモータ111と減速器112を制御して得ることができる。例えば、最大移動深さを300μm、反復回数を10にした時、移動速度を0.1mm/min、1回移動深さを30μmとすることができる。
【0086】
荷重除去段階(S40)は、圧入子127が移動長さだけ下方に移動した後、一定の荷重除去率だけ荷重を除去して圧入子を一定距離だけ上方に移動させる段階である。これも、前記圧入試験機のモータ111と減速器112を制御して得ることができる。前記例において、荷重除去率が30%以上の場合、1回の移動深さを得るために加えた荷重の70%に該当する荷重まで圧入子を上方に移動させる。
【0087】
測定段階(S50)は、荷重付加段階(S30)と荷重除去段階(S40)とを経て圧入子(127)の垂直移動による圧入子(127)の圧入深さと圧入荷重とを測定する段階である。この段階(S50)は圧入試験機の変位センサ128と荷重センサ123によって行われる。
【0088】
連続試験段階(S60)は、荷重付加段階(S30)、荷重除去段階(S40)及び測定段階(S50)を一定の回数繰り返し行う段階である。一方、移動速度、圧入子の移動深さ及び荷重除去率を各回数毎に異にすることができる。例えば、回数が低くて付加荷重が少ない場合(第1回〜第3回)には、荷重除去率を大きくし、段々回数が高くなると、荷重除去率を小さくすることもできる。回数が低い場合には、荷重除去率を大きくするので、塑性変形の態様を正確に反映することができる。
【0089】
物性計算段階(S70)は、測定段階(S60)で測定して求めた圧入深さに対する圧入荷重曲線を用いて応力−変形率曲線を求め、この応力−変形率曲線を用いて材料の物性を計算する段階である。ここで、物性とは、流動曲線、降伏強度、加工硬化指数、引張強度、不均一延伸率などをいうが、連続圧入試験を用いた加工硬化指数及び応力係数、降伏強度、引張強度は、本発明によって計算可能なものであり、これらの計算方法は後術する。
【0090】
圧入子除去段階(S80)は、圧入子127を材料から除去する段階である。勿論、物性計算段階(S70)は圧入子除去段階(S80)の前後に位置することができる。
【0091】
以上、添付図を参照して圧入試験機を用いた圧入試験データ測定方法及び物性測定方法を説明したが、本発明はこれに制限されるものではない。
【0092】
圧入試験機の水平移動装置140を用いて圧入子127を同一材料に対して一軸方向に水平移動しながら前記物性測定方法を繰り返し行うので、同材料に対して物性値を多数計算することもできる。多数測定された物性値のうち小さ過ぎるか大き過ぎる値を示すデータは捨ててしまい、残り物性値の平均を出すことにより、材料の物性をより正確に求めることができる。
【0093】
3.圧入試験機を用いた物性測定方法を格納した記録媒体
図9乃至図12を主に参照し図1乃至図8を付随的に参照して、本発明に係る圧入試験機を用いた物性測定方法を格納した記録媒体(以下、「この記録媒体」という)を説明する。この記録媒体は、コンピュータなどの演算装置で作動させることができる。例えば、この記録媒体は、図1に示すノートブックコンピュータ200で作動させてインタフェースボード300を介して圧入試験機を制御し、圧入試験機の測定データを入力として材料の物性値を測定し、特定の物性を計算して出力することができる。
【0094】
図9は本発明の一実施例による圧入試験機を用いた物性測定方法を格納した記録媒体をコンピュータによって作動させる場合の初期画面、図10は実験条件設定画面、図11の(a)は本発明の一実施例に係る圧入試験機を用いた物性測定方法を格納した記録媒体によって測定された圧入深さ−圧入荷重曲線の画面、図11の(b)は同一或いは相違する材料に対して多数測定された圧入深さ−圧入荷重曲線の重畳画面、図12は図11の(a)の圧入深さ−圧入荷重曲線を用いて誘導された流動曲線分析結果画面を示す。
【0095】
図9を参照すると、この記録媒体をコンピュータによって作動させた場合の初期画面400は、上位メニュー410、機器の現在状態表示部420、モータの手動駆動部430、エンゲージボタン440、グラフ窓450、流動曲線ボタン460、硬度分析ボタン470から構成される。前記初期画面の構成要素は、マウスまたはキーボードを用いてクリックし、或いはキーボードを用いて手動操作することができる。
【0096】
上位メニュー410には、実験条件設定410a、機器設定410b、グラフ410cなどの基本メニューを有する。実験条件設定410aのメニューを選択すると、図10に示す実験条件設定画面が出力される。実験条件は、圧入子の種類、圧入子の半径、多重実験回数、最大変位、荷重除去率、荷重維持時間などである。下部の手動部には最終変位と試験速度を調節することができるようになっている。このような実験条件による実験条件模式図が出力され、実験条件による実験結果を予測して出力する。
【0097】
機器の現在状態表示部420は、現在の、圧入試験機の圧入子127の荷重と変位を表示する。
【0098】
モータの手動駆動ボタン430は、試験前に圧入子127を材料に接近させるか、或いは圧入試験終了後、次の圧入試験位置へ移動するために圧入子127を材料から除去するときに使用するメニューである。図7を参照すると、圧入子127の移動速度を設定した後(S120)、手動駆動ボタンのアップ(Up)ボタンを押すと(S130)、圧入子が上方に移動する(S150)。一方、ダウン(Down)ボタンを押すと(S135)、圧入子127が下方に移動する(S155)。
【0099】
エンゲージボタン440は、材料を試験開始可能な位置に移動させる時、試験者が直接圧入子と材料を観察しながら圧入子を材料に接近させなければならないという不便さを無くすために、自動で材料を試験開始可能な位置へ移動させるメニューである。図8を参照すると、まず、エンゲージボタン440を押すと、図6の圧入子接近段階(S20)を行って圧入子127を圧入試験可能な位置へ移動させる。
【0100】
初期画面400に図示されていない開始ボタンをクリックすると、この記録媒体に格納された測定方法に従う測定を行って材料の物性値を測定することができる。現在の圧入子の荷重及び変位が機器の現在状態部420に出力されることは上述した。また、現在までの累積圧入深さ(変位)による圧入荷重曲線は、図11の(a)に示すように、グラフ窓450に示す。同材料に対し水平移動して圧入深さによる圧入荷重曲線を多数求めた場合、或いは試験部位によって引張物性が変化し、これに対する比較が必要な場合には、同時に、図11の(b)に示すように曲線を重ね合わせて示すこともできる。
【0101】
初期画面400には、流動曲線ボタン460及び硬度分析ボタン470があって、流動曲線ボタン460をクリックすると、流動曲線分析窓が画面に現われる。流動曲線分析窓で分析開始ボタンを押すと、流動曲線が誘導される。また、硬度分析ボタン470をクリックすると、硬度曲線分析窓が画面に現われ、分析開始ボタンを押すと、硬度値が表示される。例えば、流動曲線ボタン460をクリックすると、図12に示すように、横軸を変形率とし縦軸を応力とする流動曲線が現われる。図12の流動曲線の下部には加工硬化挙動を最適化させたホロモン式が表示され、右側には後術する物性計算方法で計算された降伏強度、引張強度、加工硬化指数が表示される。このような内容を様々な種類のファイル形式、例えばBMPにて保存することができる。
【0102】
4.連続圧入試験を用いた物性計算方法
1)加工硬化指数及び応力係数決定方法
連続圧入試験を用いた物性測定方法を格納した記録媒体を作動させたノートブックコンピュータが装着された圧入試験機を用い、物性測定方法によって物性が測定されると、次のような方法で物性を計算することができる。
【0103】
図13を参照すると、連続圧入試験によって金属の応力係数(ホロモンの関係式σ=KεnにおいてKをいう。以下同一。)及び加工硬化指数(ホロモンの関係式σ=Kεnにおいてnをいう。以下同一。)を決定するためには、まず、当該金属の圧入荷重−変位曲線(L-h curve)を測定する。
【0104】
金属の圧入荷重−変位曲線測定時の圧入子は0.5mmの球形圧入子を利用し、圧入子の圧入速度は0.1mm/minとする。求めようとする真応力−真変形率曲線の真変形率が大きいほど、小径の圧入子を利用し、求めようとする真応力−真変形率曲線の真変形率が小さいほど、大径の圧入子を利用した方がよい。また、システムのコンプライアンス(compliance)による誤差を減らすために、変位センサとしてのLVDTと圧入子とを最大限近く位置させる。そして、十分な実験結果を得るために、最終圧入深さは0.3mm(圧入子半径の60%)とし、m回の部分荷重除去によって圧入荷重−変位曲線を測定する。
図13を参照すると、本発明によって特定金属の応力係数及び加工硬化指数を決定するためには、当該特定金属に対する加工硬化指数n値を設定する加工硬化指数設定段階と、圧入荷重−変位曲線から特定圧入荷重作用時の圧入子と当該特定金属との接触半径aを推定する接触半径推定段階と、接触半径推定段階で推定された接触半径を用いて当該特定金属に対する特定圧入荷重作用時の圧入変形率及び圧入応力を推定する圧入変形率−応力推定段階と、当該特定金属に対する圧入変形率−応力推定段階で推定されたm個の圧入変形率及び圧入応力をホロモンの関係式σ=Kεnに代入して特定金属の加工硬化指数nをnjと推定する加工硬化指数推定段階と、加工硬化指数推定段階で推定されたnjと加工硬化指数設定段階で設定されたnとを比較する加工硬化指数判断段階と、加工硬化指数判断段階でnjとnとが相違するものと判断された場合、nをnjにする加工硬化指数設定段階、接触半径推定段階、圧入変形率−応力推定段階及び加工硬化指数推定段階を繰り返し行う反復段階と、加工硬化指数判断段階でnjとnとが同一であると判断された場合、加工硬化指数n値をnjと決定してこれを当該金属の加工硬化指数値にする加工硬化指数決定段階と、加工硬化指数決定段階で決定されたn値及び最後の反復段階で得た圧入変形率及び圧入応力をホロモンの関係式σ=Kεn に代入して当該特定金属に対する応力係数K値を決定する応力係数決定段階を行う。
【0105】
<加工硬化指数設定段階>
加工硬化指数設定段階では特定金属の加工硬化指数n値が設定される。第1回目の加工硬化指数設定段階におけるn値は0.3とし、第2回目以上の加工硬化指数設定段階におけるn値は後術する加工硬化指数推定段階で推定されるnj値とする。
【0106】
<接触半径推定段階>
圧入子と当該特定金属との接触半径を推定するためには、圧入荷重と圧入荷重作用時の変位とを示す圧入荷重−変位曲線(L-h Curve)を測定しなければならなく、圧入荷重−変位曲線の概略的な図は、図14に示されている。圧入荷重−変位曲線は連続圧入試験のための圧入試験機を用いて得ることができる。当該特定金属に対する圧入荷重−変位曲線が求められると、当該特定金属に対する圧入荷重−変位曲線からk番目の特定圧入荷重作用時の圧入子と当該特定金属との接触半径akを次の式(a)のように推定する。
【0107】
ak 2=f(n)(2Rh0−h0 2) ・・・(a)
ここで、h0=hmax−0.75(hmax−hi)
式(a)において、f(n)は圧入時の圧入部周囲に発生するパイルアップ/シンクイン(pile-up/sink-in)による影響を補正するためのもので、nは金属の加工硬化指数を示し、f(n)=1.1108−0.3555nとする。そして、Rは圧入子の半径を示す。
【0108】
また、図14を参照すると、式(a)において、h0は金属に対するm回の圧入試験のうち、k番目の特定圧入荷重作用時の最大圧入深さhmaxから弾性屈曲による深さを引いた深さであり、これは圧入弾性理論(W.C. Oliver and G.M. Pharr, J.Mater. Res. 7(6), 1564(1992) 参照)から求められたもので、hiは荷重除去曲線の初期勾配Sを荷重0まで外挿した深さであり、荷重除去曲線の初期接線が圧入荷重−変位曲線のh軸と交差する点によって決定される。
【0109】
従って、k番目の特定圧入荷重作用時の圧入子と金属との接触半径akを推定するためには、圧入荷重−変位曲線からhmax、S及びhi値を求めなければならない。
【0110】
hmax及びhi値が求められると、式(a)を用いてh0及びf(n)値を求めた後、akを推定する。f(n)値を求めるにあたって、nは加工硬化指数設定段階で設定された値とする。加工硬化指数nの関数であるf(n)の決定方法は後術する。
一方、当該特定金属には圧入子を介してm回にわたって圧入荷重を作用させるので、全てm個のa値が推定される。
【0111】
f ( n ) 決定方法
f(n)は金属の物性である加工硬化指数nの関数であって、f(n)は実験を経ていろいろの金属に対するf(n)値を求めるf(n)値決定段階と、f(n)値決定段階で求めたいろいろの金属に対するf(n)値を用いて関数f(n)の定数値を決定する関数f(n)決定段階によって特定される。この際、f(n)はnに関する一定の式と仮定される。
【0112】
▲1▼f(n)値決定段階
x個の互いに異なる金属それぞれに対するmi回の連続圧入試験時、i番目の金属に対するk回目の圧入試験時の応力を(σR)iとし、変形率を(εR)iとすると、それぞれの金属に対してmi時の(σR)i、(εR)iを得る。ここで、
【0113】
【数13】
【0114】
、βは定数であって1/3、(Lmax)iはi番目の金属に対するk番目の圧入試験時の圧入子に作用する最大荷重、
【0115】
【数14】
【0116】
、αは定数であって0.1、ai 2=f(ni)(2Rh0−h0 2)、niはi番目の金属の加工硬化指数、Rは圧入子の半径、h0=hmax−0.75(hmax−hi)、hmaxはi番目の金属に対するk番目の圧入試験時の最大圧入荷重における圧入深さ、hiはi番目の金属に対するk番目の圧入試験において荷重除去曲線の初期勾配を荷重0まで外挿した深さを示す。
【0117】
一方、上述したように(Lmax)i、Rは測定可能であり、hiは計算可能なので、(σR)i及び(εR)i値はf(ni)値によって特定される。
【0118】
即ち、i番目の金属に対するmi個の(σR)i、(εR)iはf(ni)のみの関数なので、mi個の(σR)i、(εR)iがi番目の金属に対して引張試験を経て得た真応力−真変形率曲線に近接するようにf(ni)値を特定すると、f(n)値決定段階が完了する。
【0119】
▲2▼関数f(n)決定段階
関数f(n)決定段階では関数f(n)の形態を仮定した後、前記f(n)値決定段階で特定されたx個の金属に対するf(ni)値を用いてnに関する関数としてのf(n)を特定する。従って、関数f(n)は金属試片が多様であるほど、各試片に対する圧入実験回数が多いほど、好ましい関数と特定される。
【0120】
図15を参照すると、関数f(n)はf(n)=cn+dと仮定し、前記f(n)値決定段階で特定されたx個の金属に対するf(n)値を最も適合に反映するように前記c、dの値を特定することにより決定され得る。しかし、関数f(n)の形態は必ず加工硬化指数nに関する一次式である必要はなく、nに関する多項式またはその他の関数と仮定することができる。
【0121】
図14乃至図23を参照してAISI1025、SA106、SA213、SA508、SM50、TMCP鋼を金属試片にして関数f(n)を決定すると、f(n)=1.1108−0.3555nになる。
【0122】
<圧入変形率-応力推定段階>
圧入変形率−応力推定段階では、接触半径推定段階で推定された接触半径akを用いて当該特定金属に対するk番目の圧入試験時の圧入変形率εk及び圧入応力σkを推定する。圧入変形率εk及び圧入応力σk を推定する方法は、次の式(b)及び式(d)の通りである。
【0123】
【数15】
【0124】
式(b)において、εkは金属に対するk番目の圧入試験時の圧入変形率、Rは圧入子の半径、γは圧入子と金属との接触角であり、sinγ=a/R (D.Tabor, The Hardness of Metals (Clarendon Press, Oxford, 1951) 参照)、αは定数で、0.1である。
【0125】
式(b)は次のように誘導される。
【0126】
まず、深さ方向の変位がuz、hmaxと等しく或いは小さい任意の深さをh、圧入子の半径をR、深さhにおける圧入子と金属との接触半径をrとすれば、uzは次の式(c)のようである。
【0127】
【数16】
【0128】
次に、式(c)から得た深さ方向の変位uzをrに対して微分し、代表的な変形率を示すようにこの微分式に定数αを掛け、rをaに置換すれば、式(b)を得る。式(b)は既存のε値がε=0.2sinγ=0.2a/Rと定義されるものと比較される。
【0129】
【数17】
【0130】
式(d)において、σkはk番目の圧入試験時の圧入応力、Lmaxはk番目の圧入試験時の金属に作用する圧入荷重、βは定数で、1/3である。
【0131】
従って、圧入変形率εkを推定するためには、式(b)に定数α、圧入子の半径R 及び式(a)から得たakを代入すればよい。
【0132】
また、圧入応力σkを推定するためには、式(d)に金属に作用する圧入荷重Lmax、式(a)から得たakを代入すれば良い。
【0133】
<加工硬化指数推定段階>
加工硬化指数推定段階では、圧入変形率−応力推定段階で得たm個のεk 及びσkをホロモン(Hollomon)の関係式σ=Kεnに代入して加工硬化指数nをn=njと推定する。
加工硬化指数n値を推定する方法は、ホロモンの関係式σ=Kεnが圧入変形率−応力推定段階で推定されたm個の(σk, εk)を最もよく反映されるようにするK値及びn値を求めることにより行われる。即ち、ホロモンの関係式σ=Kεnに圧入変形率−応力推定段階で推定されたεk値を代入して得た応力値をσkjとする時、m個のσkj値が圧入変形率−応力推定段階で推定されたm個のσk値を最もよく反映するK値及びn値を求めることにより行われる。
【0134】
加工硬化指数推定段階の代表的方法は次の通りである。
【0135】
方法1
1) 圧入変形率−応力推定段階で推定されたm個のεkをホロモンの関係式σ=Kεnに代入してm個のσkj=Kεk nを得る。
【0136】
2) g(K,n)=(σ1−σ1j)2+(σ2−σ2j)2+・・・+(σk−σkj)2+・・・+(σm−σmj)2のg(K,n)を求める。
【0137】
3) g(K,n)値が最小となるK及びnを求めてこれをKj及びnjとする。
【0138】
方法2
1) 圧入変形率−応力推定段階で推定されたm個のεkをホロモンの関係式σ=Kεnに代入してm個のσkj=Kεk nを得る。
【0139】
2) h(K,n)=(lnσ1−lnσ1j)2+(lnσ2−lnσ2j)2+・・・+(lnσk−lnσkj)2+・・・+(lnσm−lnσmj)2のh(K,n)を求める。
【0140】
3) h(K,n)値が最小となるK及びnを求め、これをKj及びnjとする。
【0141】
<加工硬化指数判断段階>
加工硬化指数判断段階では、加工硬化指数推定段階で推定されたnj値が加工硬化指数設定段階で設定されたn値と同じ値か或いは異なる値かを判断する。
【0142】
<反復段階>
反復段階では、加工硬化指数判断段階でnj値とn値とが相違するものと判断された場合、n値をnjと設定する加工硬化指数設定段階、接触半径推定段階、圧入変形率−応力推定段階、加工硬化指数推定段階及び加工硬化指数判断段階を繰り返し行う。
即ち、最初n=0.3にして加工硬化指数設定段階、接触半径推定段階、圧入変形率−応力推定段階及び加工硬化指数推定段階を行って加工硬化指数値をnjと推定する。
【0143】
加工硬化指数判断段階において、最初の加工硬化指数推定段階で推定されたnj値と最初の加工硬化指数段階で設定されたn=0.3とが互いに異なる値と判断されると、n値をnjと設定する加工硬化指数設定段階、接触半径推定段階、圧入変形率−応力推定段階、加工硬化指数推定段階及び加工硬化指数判断段階を行って、改めて加工硬化指数njが2番目の加工硬化指数設定段階で設定されたn値と同じ値か或いは異なる値かを判断する。この際、nj値がn値と異なるものと判断されると、n値をnjと設定する加工硬化指数設定段階、接触半径推定段階、圧入変形率−応力推定段階、加工硬化指数推定段階及び加工硬化指数判断段階を行う。
【0144】
このような方法によりl番目の加工硬化指数推定段階で推定された加工硬化指数値njがl番目の加工硬化指数設定段階で設定されたn値と同一になるまで加工硬化指数設定段階、接触半径推定段階、圧入変形率−応力推定段階、加工硬化指数推定段階及び加工硬化指数判断段階を行う。
【0145】
<加工硬化指数決定段階>
加工硬化指数決定段階では、l番目の加工硬化指数推定段階で推定された加工硬化指数値njがl番目の加工硬化指数設定段階で設定されたn値と同一であると判断されると、nの最終値njをl番目の加工硬化指数推定段階で推定された加工硬化指数値njまたはl番目の加工硬化指数設定段階で設定されたn値として決定する。
【0146】
<応力係数決定段階>
応力係数決定段階では、l番目の加工硬化指数推定段階で推定された加工硬化指数値njがl番目の加工硬化指数設定段階で設定されたn値と同一であると判断された場合、加工硬化指数決定段階で決定されたn=nj値及びl番目の圧入変形率−応力推定段階で得たεk、σkをホロモンの関係式σ=Kεnに代入して当該特定金属の応力係数K値を決定する。
一方、加工硬化指数推定段階では、n値の他にK値も推定されるので、l番目の加工硬化指数推定段階で推定された応力係数値KjをKの最終値と決定することもできる。
【0147】
2)降伏強度決定方法
図13を参照すると、前記加工硬化指数及び応力係数が決定されると、これを用いて降伏強度を計算することができる。降伏強度決定方法は、加工硬化指数及び応力係数を導出する方法を含むが、これは前述した通りなので、説明を略する。
【0148】
<降伏強度決定段階>
降伏決定段階では、加工硬化指数−応力係数決定段階で決定された当該特定金属に対する加工硬化指数n値、応力係数K値をY=KεRY nと定義される降伏強度式に代入して当該特定金属に対する降伏強度Y値を決定する。
【0149】
ホロモンの関係式σ=Kεnは弾性領域に対して適用されるが、引張試験を経て弾性領域の限界点である限界弾性点は、降伏点とほぼ一致することが知られているので、金属に対する降伏強度を示す降伏強度式Yはホロモンの式を用いてY=KεRY nと定義することができる。
【0150】
一方、εRYは、いろいろな種類の金属試片のそれぞれに対して前記降伏強度式を用いてそれぞれの金属の降伏強度を求める場合に共通的に適用される固定された値であって、代表的降伏変形率と定義し、代表的降伏変形率εRYを決定する代表的降伏変形率決定方法は次の通りである。
【0151】
代表的降伏変形率決定方法
代表的降伏変形率εRYを決定するためには、互いに異なる種類のy個の金属それぞれに対し、連続圧入試験を経て前記加工硬化指数−応力係数決定段階を行ってi番目の金属に対する加工硬化指数ni値及び応力係数Ki値を決定する。
【0152】
i番目の金属に対する加工硬化指数ni値及び応力係数Ki値が決定されると、y個の金属に対するこれらの値を降伏強度式Y=KεRY nにそれぞれ代入して
【0153】
【数18】
【0154】
であるy個のYiを得る。この際、それぞれのYiは代表的変形率εRYのみの関数になる。
【0155】
y個のYiが得られると、それぞれのYiが引張試験を経て得たi番目の金属の降伏強度値(Yi)tにそれぞれ近接するようにεRY値を特定する。εRY値を特定する代表的方法は、前記加工硬化指数推定段階で用いられた方法と同一である。
【0156】
3)引張強度決定方法
図13を参照すると、前記加工硬化指数及び応力係数が決定されると、これを用いて引張強度を計算することができる。引張強度決定方法は、加工硬化指数及び応力係数を導出する方法を含むが、これは前述した通りなので、説明を略する。
【0157】
<引張強度決定段階>
引張強度決定段階では、加工硬化指数−応力係数決定段階で決定された当該特定金属に対する加工硬化指数n値、応力係数K値をUTS=K(εU)nと定義される引張強度式に代入して当該特定金属に対する引張強度UTS値を決定する。一般的に、最大荷重における変形率は加工硬化指数と同一であると知られているので、引張強度の作用する領域が弾性領域であれば、ホロモンの関係式σ=Kεnを用いて引張強度UTSはUTS=Knnであると定義することができる。しかし、引張強度の作用する領域は、弾性領域の範囲の外に在るので、引張強度をホロモンの関係式を用いて定義する場合、一定の補正定数値が必要とされる。従って、金属に対する引張強度を示す引張強度式UTSはUTS=K[εU(n)]n=K[Ω1n+Ω2]nと定義することができる。ここで、εU(n)は補正定数Ω1及びΩ2を含むので、これを引張変形率補正値とする。
【0158】
一方、Ω1 及びΩ2は、いろいろな種類の金属試片それぞれに対して前記引張強度式を用いてそれぞれの金属の引張強度を求める場合に共通的に適用される固定された値であって、代表的な引張変形率補正定数値と定義し、代表的引張変形率補正定数値Ω1及びΩ2を決定する引張変形率補正値決定方法は、次の通りである。
【0159】
引張変形率補正値決定方法
代表的引張変形率補正定数値Ω1及びΩ2を決定するためには、互いに異なる種類のy個の金属それぞれに対して、連続圧入試験を経て前記加工硬化指数−応力係数決定段階を行ってi番目の金属に対する加工硬化指数ni値及び応力係数Ki値を決定する。
【0160】
i番目の金属に対する加工硬化指数ni値及び応力係数Ki値が決定されると、y個の金属に対するこれら値を引張強度式UTS=K[Ω1n+Ω2]nにそれぞれ代入して
【0161】
【数19】
【0162】
であるy個のUTSiを得る。この際、それぞれのUTSiは代表的引張変形率補正定数値としてのΩ1及びΩ2のみの関数となる。
【0163】
y個のUTSiが得られると、それぞれのUTSiが引張試験を経て得たi番目の金属の引張強度値(UTSi)tにそれぞれ近接するようにΩ1、Ω2値を特定する。Ω1、 Ω2値を特定する代表的方法は、上述した加工硬化指数推定段階で用いられた方法と同一である。
【0164】
以下、上述した構成を有する一般的実施例の作用について説明する。
【0165】
<加工硬化指数設定段階>
加工硬化指数設定段階では、特定金属の加工硬化指数n値が設定される。第1回目の加工硬化指数背低段階におけるn値は0.3とし、第2回目以上の加工硬化指数設定段階におけるn値は後術する加工硬化指数推定段階で推定されるnj値とする。
【0166】
<接触半径推定段階>
まず、当該特定金属に対して圧入荷重と圧入荷重作用時の変位を示す圧入荷重−変位曲線(L-h curve)を測定する。圧入荷重−変位曲線が求められると、圧入荷重−変位曲線からk番目の特定圧入荷重作用時の圧入子と当該特定金属との接触半径akを式(a)のように推定する。
【0167】
k番目の特定圧入荷重作用時の圧入子と当該特定金属との接触半径akを推定するためには、圧入荷重−変位曲線からhmax、S及びhi値を求める。hmax及びhi値が求められると、式(a)を用いてh0及びf(n)値を求めた後、akを推定する。f(n)値を求めるにあたって、関数f(n)は、AISI1025、SA106、SA213、SA508、SM50、TMCP鋼を金属試片にして前記f(n)決定方法によって求められたf(n)=1.1108−0.3555nとし、nは加工硬化指数設定段階で設定された値とする。
【0168】
一方、当該特定金属には圧入子を介してm回にわたって圧入荷重を作用させるので、全部合わせてm個のa値が推定される。
【0169】
<圧入変形率−応力推定段階>
圧入変形率εkを推定するためには、式(b)に定数α、 圧入子の半径R及び式(a)から得たakを代入する。
【0170】
また、圧入応力σkを推定するためには、式(c)に試片に作用する圧入荷重Lmax、式(a)から得たakを代入する。
【0171】
圧入変形率-応力推定段階では、合わせてm個のεk及びσkが得られる。
【0172】
<加工硬化指数推定段階>
加工硬化指数推定段階では、ホロモンの関係式σ=Kεnに圧入変形率−応力推定段階から得たm個のεkを代入して得たそれぞれのσkj値が、平均的にそれぞれ圧入変形率−応力推定段階で得たσk値に最も近接するようにK値及びn値を推定する。
【0173】
加工硬化指数推定段階の代表的方法は、前記一般的実施例の構成において説明した通りである。
【0174】
<加工硬化指数判断段階>
加工硬化指数判断段階では、加工硬化指数推定段階で推定されたnj値が加工硬化指数設定段階で設定されたn値と同じ値か異なる値かを判断する。
【0175】
<反復段階>
反復段階ではnj値が加工硬化指数設定段階で設定されたn値と異なるものと判断された場合、加工硬化指数判断段階でnj値がn値と同じ値と判断されるまでnをnjとする加工硬化指数設定段階、接触半径推定段階、圧入変形率−応力推定段階、加工硬化指数推定段階及び加工硬化指数判断段階を繰り返し行う。
【0176】
反復段階の詳細な内容は、前記一般的実施例の構成で説明した通りである。
【0177】
<加工硬化指数決定段階>
加工硬化指数決定段階では、l番目の加工硬化指数推定段階で推定された加工硬化指数値njがl番目の加工硬化指数設定段階で設定されたn値と同一であると判断されると、nの最終値njをl番目の加工硬化指数推定段階で推定された加工硬化指数値njまたはl番目の加工硬化指数設定段階で設定されたn値として決定する。
【0178】
<応力係数決定段階>
応力係数決定段階では、l番目の加工硬化指数推定段階で推定された加工硬化指数値njがl番目の加工硬化指数設定段階で設定されたn値と同一であると判断された場合、加工硬化指数決定段階で決定されたn=nj値及びl番目の圧入変形率−応力推定段階で得たεk、σkをホロモンの関係式σ=Kεnに代入して当該特定金属に対する応力係数K値を決定する。
【0179】
一方、加工硬化指数推定段階ではn値の他にK値も推定されるので、l番目の加工硬化指数推定段階で推定された応力係数値KjをKの最終値として決定することもできる。
【0180】
<降伏強度決定段階>
降伏強度決定段階では、加工硬化指数-応力決定段階で決定された当該特定金属に対する加工硬化指数n値、応力係数K値をY=KεRY nと定義される降伏強度式に代入して当該特定金属に対する降伏強度Y値を決定する。
【0181】
εRYは、いろいろな種類の金属試片それぞれに対して前記降伏強度式を用いてそれぞれの金属の降伏強度を求める場合に共通的に適用される固定された式であって、代表的降伏変形率と定義し、これの決定方法は前述した構成で説明した通りである。
【0182】
AISI1025、SA106、SA213、SA508、SM50、TMCP鋼を代表的降伏変形率決定のための金属試片にして、本発明によって決定される代表的変形率値εRYは0.01とする。
【0183】
<引張強度決定段階>
引張強度決定段階では、加工硬化指数−応力決定段階で決定された当該特定金属に対する加工硬化指数n値、応力係数K値をUTS=K[εU(n)]n=K[Ω1n+Ω2]nと定義される引張強度式に代入して当該特定金属に対する引張強度UTS値を決定する。
【0184】
Ω1、Ω2は、いろいろな種類の金属試片それぞれに対して前記引張強度式を用いてそれぞれの金属の降伏強度を求める場合に共通的に適用される固定された式であって、代表的引張変形率補正定数値と定義し、これの決定方法は前述した構成で説明した通りである。
【0185】
AISI1025、SA106、SA213、SA508、SM50、TMCP鋼を代表的引張変形率補正定数値決定のための金属試片にして、本発明によって決定される代表的引張変形率補正定数値Ω1は0.4171、Ω2は0.043とする。
【0186】
以上、本発明を前記実施例によって説明したが、本発明はこれに制限されるものではない。
例えば、前記一般的一実施例では、金属の圧入荷重−変位曲線測定時、圧入子は0.5mmの球形圧入子を用い、圧入子の圧入速度は0.1mm/minとしたが、他の実施例では圧入子の半径と圧入速度のいずれか一方或いは両方を異にすることもできる。
【0187】
また、前記一般的一実施例では圧入子の最終圧入深さを0.3mm(圧入子半径の60%)としたが、他の実施例では圧入子の最終圧入深さを異にすることもできる。
【0188】
また、前記一般的一実施例では代表的変形率値εRYを0.01としたが、他の実施例では代表的変形率値εRYを0.007〜0.013とすることもできる。
また、前記一般的一実施例で代表的変形率値εRYを求めるに際して、金属試片の組合をAISI1025、SA106、SA213、SA508、SM50、TMCP鋼の組合としたが、他の実施例ではその他の組合にすることもできる。即ち、前述した一部の鋼を別の鋼に置き換え、或いは別の鋼を追加し、或いは別の鋼のみで金属試片の組合を構成することができる。
【0189】
また、前記一般的一実施例では代表的引張変形補正定数値Ω1を0.4171、Ω2は0.043としたが、他の実施例では代表的引張変形率補正定数値Ω1を0.3〜0.5、Ω2を−0.1〜−0.1とすることもできる。
【0190】
また、前記一般的一実施例で代表的引張変形率補正定数値Ω1、Ω2を求めるに際して、金属試片の組合をAISI1025、SA106、SA213、SA508、SM50、TMCP鋼の組合としたが、他の実施例ではその他の組合にすることもできる。即ち、前述した一部の鋼を別の鋼に置き換え、或いは別の鋼を追加し、或いは別の鋼のみで金属試片の組合を構成することができる。
【0191】
また、前記一般的一実施例では、代表的引張強度式をUTS(n,K)=K(εU)nとしたが、他の実施例では、引張強度式をUTS(n,K)=Knn+Ω3とすることもできる。 ここで、Ω3は前記一般的一実施例におけるΩ1、Ω2と同じ意味を有する補正定数値であって、これの決定方法はΩ1、Ω2の決定方法と同一である。
【0192】
また、前記一般的一実施例においてf(n)=1.1108−0.3555nとしたが、他の実施例でf(n)=cn+dとし、或いは特にf(n)=cn+d、cは−0.4〜−0.3、dは1.05〜1.15とし、或いはf(n)をnに関する2次以上の多項式またはその他の関数とすることもできる。
【0193】
また、前記一般的一実施例で関数f(n)を特定するにあたって、金属試片の組合をAISI1025、SA106、SA213、SA508、SM50、TMCP鋼の組合としたが、他の実施例ではその他の組合にすることもできる。即ち、前述した一部の鋼を別の鋼に置き換え、或いは別の鋼を追加し、或いは別の鋼のみで金属試片の組合を構成することができる。
【0194】
また、前記一般的一実施例においてαは定数であって、0.1としたが、他の実施例においてαは0.05〜0.15の定数とすることもできる。
【0195】
また、前記一般的一実施例においてβは定数であって、1/3としたが、他の実施例においてβは1/2.8〜1/3.2の定数とすることもできる。
【0196】
また、前記一般的一実施例において加工硬化指数推定段階を行う時、圧入変形率−応力推定段階で得た全てのεkを用いて加工硬化指数を推定したが、他の実施例において加工硬化指数推定段階を行う場合、εk≦nのεkのみを用いて加工硬化指数を推定することもできる。一般に、最大荷重における変形率は加工硬化指数と同一であると知られているので、引張試験を用いて真応力−真変形率を測定する場合に、意味のある変形率の範囲は加工硬化指数値と同じか或いは小さい値とされるのがその理由である。
【0197】
また、前記一般的一実施例において第1回目の加工硬化指数設定段階を行う時のn値は0.3としたが、他の実施例において第1回目の加工硬化指数設定段階遂行時のn値は異にすることもできる。
【0198】
一方、前記一般的一実施例は、真応力−真変形率決定段階を有しないものとしたが、他の実施例は真応力−真変形決定段階を有するものとすることもできる。
【0199】
この際、真応力−真変形率は最後の圧入変形率−応力推定段階で得たεk、σk値がそれぞれ真変形率、真応力になる。
【0200】
以下、球形圧入子を用いてAISI1025、SA106、SA213、SA508、SM50、TMCP、超細粒鋼に対して本発明によって決定された加工硬化指数及び応力係数とこれらを決定するために必要なデータを表で示した。
【0201】
【表1】
【0202】
【表2】
【0203】
【表3】
【0204】
【表4】
【0205】
【表5】
【0206】
【表6】
【0207】
【表7】
【0208】
表においてhmax、hf及びLmaxは圧入荷重−変位曲線から直接測定され、Sは圧入荷重−変位曲線上の荷重除去曲線から計算される。残り変数は前記一般的実施例によって決定される。
【0209】
ここで、球形圧入子の半径Rは0.5mm、圧入子の圧入速度は0.1mm/min、圧入子の最終圧入深さは0.3mm(圧入子の半径の60%)とし、f(n)=1.1108−0.3555n、α=0.01とした。但し、超細粒鋼の場合、変形率がより小さい範囲の実験データを得るために、球形圧入子の半径Rは0.79375mmとした。
【0210】
また、a、εR、σRは、加工硬化指数決定段階で決定された加工硬化指数値がnjの場合、最後の接触半径推定段階、圧入変形率−応力推定段階で推定された接触半径、圧入変形率、圧入応力であって、k番目の圧入時の真接触半径、真圧入変形率、真圧入応力を示す。
【0211】
本実施例による応力係数及び加工硬化指数の決定において、表1、表2、表3、表5、表6では第2〜9回目の圧入時のデータのみを使用し、表4では第4〜8回目の圧入時のデータのみを使用し、表7では第5〜9回目の圧入時のデータのみを使用した。初期段階の圧入時のデータは、実験試片の表面部位が硬化または軟化された場合、間違った情報を提供する虞があって除去され、後期段階の圧入時のデータは圧入変形率が加工硬化指数より大きいので除去された。特に、最終段階の圧入時のデータは、荷重除去曲線においてhf点の決定がその以前段階の場合と異なるので除去された。
【0212】
以下、球形圧入子を用いてAISI1025、SA106、SA213、SA508、SM50、TMCP、超細粒鋼に対し、前記表1乃至表7に示した加工硬化指数、応力係数と、これらを用いて本発明によって決定された降伏強度及び引張試験を経て測定された加工硬化指数、応力係数及び降伏強度を表8に示す。
【0213】
【表8】
【0214】
表8において、降伏強度は前記一般的一実施例によって求められた値であり、この時、代表的降伏変形率値εRYも前記一般的一実施例によって0.01とした。 以下、球形圧入子を用いてAISI1025、SA106、SA213、SA508、SM50、TMCP、超細粒鋼に対し、前記表1乃至表7に示した加工硬化指数、応力係数とこれらを用いて本発明によって決定された引張強度及び引張試験を経て測定された加工硬化指数、応力係数及び引張強度を表9に示す。
【0215】
【表9】
【0216】
表9において、引張強度は前記一般的一実施例によって求められた値であり、この時、代表的引張強度補正値εUは前記一般的一実施例によってΩ1を0.4171、Ω2を0.043とした。
【0217】
図16にはAISI1025、SA106、SA213鋼に対し、図17にはSA508、SM50、TMCP鋼に対し、図18には超細粒鋼に対し、球形圧入子を用いて測定された圧入荷重−変位曲線が示されている。
【0218】
図19にはAISI1025鋼に対し、図20にはSA106鋼に対し、図21にはSA213鋼に対して、図22にはSA508鋼に対し、図23にはSM50鋼に対し、図24にはTMCP鋼に対し、図25には超細粒鋼に対し、本発明によって得られた真応力−真変形率が点で表れ、一軸引超試験によって得られた真応力−真変形率が実線で表れている。
【0219】
図26にはAISI1025、SA106、SA213、SA508、SM50、TMCP鋼に対し、本発明によって得られた加工硬化試験と引張試験によって加工硬化指数が点で表れているが、縦軸は本発明によって得られた加工硬化指数値を、横軸は引張試験によって得られた加工硬化指数値を意味する。引張試験を経て得た加工硬化指数値は、AISI1025鋼に対しては0.2715、SA106鋼に対しては0.2382、SA213鋼に対しては0.203867、SA508鋼に対しては0.17705、SM50鋼に対しては0.228267、TMCP鋼に対しては0.19755、超細粒鋼に対しては0.1387である。
【0220】
図27にはAISI1025、SA106、SA213、SA508、SM50、TMCP鋼に対し、本発明によって得られた降伏強度と引張試験によって得られた降伏強度が点で表れているが、縦軸は本発明によって得られた降伏強度値を、横軸は引張試験によって得られた降伏強度値を意味する。
【0221】
図28にはAISI1025、SA106、SA213、SA508、SM50、TMCP鋼に対し、本発明によって得られた引張強度と引張試験によって得られた引張強度が点で表れているが、縦軸は本発明によって得られた引張強度値を、横軸は引張試験によって得られた引張強度値を意味する。
【0222】
表8、表9、図19乃至図25及び図26を参照すると、本発明によって得られた真応力−真変形率、加工硬化指数値は、引張試験によって得られた真応力−真変形率、加工硬化指数値に近接することが分かる。
【0223】
【発明の効果】
本発明は、体積を小型化して実構造物への付着を容易にした圧入試験機を提供する。
【0224】
また、本発明は、取付装置を多様化し、対象材料の大きさと種類に関係無く様々な材料に取り付けて試験することができるという効果がある。
【0225】
また、本発明は、水平移動を可能にして、材料のいろいろな位置を試験するために本体自体を移動する必要がないという効果がある。
【0226】
また、本発明は、一度の連続圧入試験を可能にして試験時間を節約することができるという効果がある。
【0227】
また、本発明は、測定されたデータを分析するにあたって、実験定数補正のための別の引張試験が不要であって試験費用を節減し、引張試片を得難い部分に対して測定することができるという効果がある。
【0228】
また、本発明は、特定金属に対して連続圧入試験による圧入荷重−変位曲線を測定し、この変位曲線を分析して加工硬化指数及び応力係数を導出し、これらの値を用いて当該金属に対する降伏強度及び引張強度を導出することにより、引張試験を代替するという効果がある。
【0229】
また、本発明は、加工硬化指数及び応力係数の導出時、圧入部周囲に発生するパイルアップ/シンクイン(pile-up/sink-in)現象を考慮して、圧入子と金属試片との接触半径及び変形率を新しく定義することにより、引張試験を経て得る値に近い結果が得られるという効果がある。
【0230】
また、本発明は、降伏強度式を定義し、降伏強度式における代表的変形率値εRYを引張試験によるデータに近接するように決定することにより、引張試験から得る降伏強度に近接する降伏強度が得られるという効果がある。
【0231】
また、本発明は、引張強度式を定義し、引張強度式における代表的変形率値εRYを引張試験によるデータに近接するように決定することにより、引張試験から得る引張強度に近接する引張強度が得られるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る圧入試験機の全体構成図である。
【図2】図1の本体の正断面図である。
【図3】図1の本体の側断面図である。
【図4】図1の水平移動装置の部分断面が含まれた本体の平面図である。
【図5】図1の本体の下部一部と取付装置、試片テーブルの断面図である。
【図6】本発明の一実施例に係る圧入試験機を用いた物性測定方法の流れ図である。
【図7】図6の圧入子移動方法選択段階の詳細流れ図である。
【図8】図6の圧入子接近段階の詳細流れ図である。
【図9】本発明の一実施例に係る圧入試験機を用いた物性測定方法を格納した記録媒体をコンピュータによって作動させた場合の初期画面である。
【図10】実験条件の設定画面である。
【図11】 (a)は、本発明の一実施例に係る圧入試験機を用いた物性測定方法を格納した記録媒体によって測定された圧入深さ−圧入荷重曲線を示す画面であり、(b)は、同一材料または相違材料に対して多数測定された圧入深さ−圧入荷重曲線の重畳を示す画面である。
【図12】図11の(a)の圧入深さ−圧入荷重曲線を用いて誘導された流動曲線分析結果を示す画面である。
【図13】本発明に係る連続圧入試験を用いた物性計算方法の一般的実施例の流れ図である。
【図14】圧入荷重−変位曲線の概略図である。
【図15】関数f(n)の決定段階を示す概略図である。
【図16】 AISI1025、SA106、SA213鋼に対して、球形圧入子を用いて測定した圧入荷重−変位曲線である。
【図17】 SA508、SM50、TMCP鋼に対して、球形圧入子を用いて測定した圧入荷重−変位曲線である。
【図18】超細粒鋼に対して、球形圧入子を用いて測定した圧入荷重−変位曲線である。
【図19】 AISI1025鋼に対して、本発明によって得られた真応力−真変形率と、一軸引張試験によって得られた真応力−真変形率を示す比較図である。
【図20】 SA106鋼に対して、本発明によって得られた真応力-真変形率と、一軸引張試験によって得られた真応力−真変形率を示す比較図である。
【図21】 SA213鋼に対して、本発明によって得られた真応力−真変形率と、一軸引張試験によって得られた真応力−真変形率を示す比較図である。
【図22】 SA508鋼に対して、本発明によって得られた真応力−真変形率と、一軸引張試験によって得られた真応力−真変形率を示す比較図である。
【図23】 SM50鋼に対して、本発明によって得られた真応力−真変形率と、一軸引張試験によって得られた真応力−真変形率を示す比較図である。
【図24】 TMCP鋼に対して、本発明によって得られた真応力−真変形率と、一軸引張試験によって得られた真応力−真変形率を示す比較図である。
【図25】超細粒鋼に対して、本発明によって得られた真応力−真変形率と、一軸引張試験によって得られた真応力−真変形率を示す比較図である。
【図26】 AISI1025、SA106、SA213、SA508、SM50、TMCP鋼に対して、本発明によって得られた加工硬化指数と、引張試験によって得られた加工硬化指数を示す比較図である。
【図27】 AISI1025、SA106、SA213、SA508、SM50、TMCP鋼に対して、本発明によって得られた降伏強度と、引張試験によって得られた降伏強度を示す比較図である。
【図28】 AISI1025、SA106、SA213、SA508、SM50、TMCP鋼に対して、本発明によって得られた引張強度と、引張試験によって得られた引張強度を示す比較図である。
【符号の説明】
100 本体
101 フレーム
110 荷重付加装置
111 モータ
112 減速器
113 カップリング
114 連結軸
115 ベアリング
116 支持軸
117 ボールネジ(ball screw)
118 ボールナット
121 シリンダ
123 荷重センサ
125 圧入子ホルダー
127 圧入子
128 変位センサ
130 取付装置
131 磁石
133 本体ベース
140 水平移動装置
141 スライダー
143 ロック
151 圧入子位置制御センサ
161、161’ モータコネクタ
163、163’ エンコーダコネクタ
165、165’ 変位コネクタ
200 ノートブックコンピュータ
300 インタフェースボード
400 初期画面
430 モータの手動駆動部
440 エンゲージボタン
450 グラフ窓
Claims (14)
- 制御プログラム及び物性分析プログラムが搭載されたコンピュータとインタフェースボードを介して接続された、材料の荷重及び圧入深さを測定する圧入試験機において、
前記材料に加えられる荷重を発生させるモータと減速器とを有し、前記材料に一定の荷重を加える荷重付加段階と、加えられた荷重から一定荷重除去率だけの荷重を除去する荷重除去段階とを多数回繰り返し行う荷重付加装置と、
前記荷重付加装置から生成された回転力を垂直荷重に変換する荷重伝達装置と、
前記荷重伝達装置に装着され、荷重の反復的な付加と除去による荷重の変化を連続的に測定する荷重センサと、
前記荷重伝達装置の一端に連結され、前記荷重センサと同軸で動く連結軸及び圧入子ホルダーと、
前記圧入子ホルダーの先端に一体に形成されて露出し、前記材料に実質的に接触荷重を加える圧入子と、
前記圧入子の反復的な下降と上昇による圧入深さの変化を連続して測定する変位センサとを含む本体と、
前記圧入子と前記変位センサとが安全に移動し得るように、設定された領域の限界位置に取り付けられる圧入子移動制御センサと、
前記連結軸及び圧入子ホルダーが垂直移動可能な空間を有し、前記本体の下方に位置して前記本体を固定支持するベースと、
磁石、チェーン、U−ブロックのいずれか一つからなり、前記材料を前記圧入試験機に固定させる取付装置と、を有する連続圧入試験のための圧入試験機。 - 前記取付装置と前記ベースが固定された状態で、前記圧入子の取り付けられた前記本体のみ一軸に水平移動できるようにする水平移動装置をさらに含み、
前記水平移動装置は、
前記ベースの上部面に締結され、上部面にダブテールが設けられたスライダーベースと、
前記スライダーベースと前記本体との間に位置し、下部面にスライダーベースのダブテールに嵌合可能なダブテール溝が設けられ、前記ダブテール溝の方向と同一方向に外周面にねじ山付き溝を有するスライダーと、
一端は前記スライダーの溝のねじ山と共にねじ回転可能なねじ山が設けられ、前記スライダーの溝のねじ山と螺合され、他端はつまみが設けられており、前記一端と他端との間にはブラケットによって前記ベースまたは前記スライダーベースに螺合された移動つまみを有することを特徴とする請求項1に記載の連続圧入試験のための圧入試験機。 - 制御プログラム及び物性分析プログラムが搭載されたコンピュータとインタフェースボードを介して接続された、材料の荷重及び圧入深さを測定する圧入試験機において、前記材料に加えられる荷重を発生させる、モータと減速器とを有する荷重付加装置と、前記荷重付加装置から生成された回転力を垂直荷重に変換する荷重伝達装置と、前記荷重伝達装置に装着され、荷重の変化を連続的に測定する荷重センサと、前記荷重伝達装置の一端に連結され、前記荷重センサと同軸で動く連結軸及び圧入子ホルダーと、前記圧入子ホルダーの先端に露出し、前記材料に実質的に接触荷重を加える圧入子と、前記圧入子の圧入による圧入深さの変化を連続して測定する変位センサとを含む本体を有する連続圧入試験のための圧入試験機を用いて材料の物性を測定する測定方法において、
圧入子を下方に移動させ、前記圧入子を圧入試験の開始可能な位置へ移動させるが、圧入荷重が荷重設定値以上であれば、前記圧入子の移動を止めて前記圧入子を距離設定値だけ上昇させ、圧入荷重が荷重設定値未満であれば、圧入子を引き続き下方に移動させる圧入子接近段階と、
前記圧入子の移動速度及び圧入子の移動深さを設定し、前記材料に荷重を加える荷重付 加段階と、
前記圧入子の移動深さだけ圧入子が垂直移動した後、前記圧入子の移動深さの一定荷重除去率だけ前記圧入子を上方に移動させる荷重除去段階と、
前記荷重付加段階及び前記荷重除去段階を通じて圧入子の垂直移動による前記圧入子の圧入深さ及び圧入荷重を測定する測定段階と、
前記荷重付加段階、前記荷重除去段階及び前記測定段階を多数回繰り返し行う連続試験段階と、
前記圧入子を材料から除去する圧入子除去段階と、
前記圧入子除去段階の前後に測定段階で測定した圧入深さ及び圧入荷重からなる圧入荷重−変位曲線によって前記材料の応力−変形率曲線を求め、この応力−変形率曲線を用いて前記材料の物性を計算する物性計算段階とを含む圧入試験機を用いた物性測定方法。 - 前記圧入子接近段階は、
前記圧入子を下方に移動させる圧入子下方移動段階と、
圧入荷重が荷重設定値以上であれば、前記圧入子の移動を止めて前記圧入子を距離設定値だけ上方に移動し、圧入荷重が荷重設定値未満であれば、前記圧入子下方移動段階を引き続き行う判断段階とからなり、
前記それぞれの連続試験段階毎に、前記圧入子の移動速度、前記圧入子の移動深さ及び前記荷重除去率の少なくともいずれか一つを変化させることができ、
前記圧入試験機のうち、圧入子を含むフレームのみを水平移動させ、前記圧入試験機のベースまたは取付装置は移動させず、同一材料の一軸の多数の位置で前記段階を繰り返し行って計算した物性値の平均を出して前記材料の物性を計算する段階をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の圧入試験機を用いた物性測定方法。 - 制御プログラム及び物性分析プログラムが搭載されたコンピュータとインタフェースボードを介して接続された、材料の荷重及び圧入深さを測定する圧入試験機において、前記材料に加えられる荷重を発生させる、モータと減速器とを有する荷重付加装置と、前記荷重付加装置から生成された回転力を垂直荷重に変換する荷重伝達装置と、前記荷重伝達装置に装着され、荷重の変化を連続的に測定する荷重センサと、前記荷重伝達装置の一端に連結され、前記荷重センサと同軸で動く連結軸及び圧入子ホルダーと、前記圧入子ホルダーの先端に露出し、前記材料に実質的に接触荷重を加える球形圧入子と、前記球形圧入子の圧入による圧入深さの変化を連続して測定する変位センサとを含む本体を有する連続圧入試験のための圧入試験機を用いて、特定金属に対して球形圧入子を用いたm回の連続圧入試験を行い、当該特定の金属の加工硬化指数n値を設定する加工硬化指数設定段階と、
前記加工硬化指数設定段階で設定されたn値をf ( n ) に代入してm回の連続圧入試験のうち、k番目の圧入試験の際、圧入子が当該特定の金属と接触する接触半径a k を推定する接触半径推定段階と、
前記接触半径推定段階で推定された接触半径a k を用いて当該特定金属に対するk番目の圧入試験時の圧入変形率ε k 及び圧入応力σ k を推定する圧入変形率−応力推定段階と、
前記m個のε k 及びσ k をホロモンの関係式σ=Kε n に代入して当該特定金属の加工硬化指数nをn j と推定する加工硬化指数推定段階と、
前記n j を加工硬化指数設定段階で設定されたnと比較する加工硬化指数判断段階と、
前記加工硬化指数判断段階でn j とnが相違するものと判断された場合、nをn j にして加工硬化指数設定段階、接触半径推定段階、圧入変形率−応力推定段階、加工硬化指数推定段階及び加工硬化指数判断段階を繰り返し行う反復段階と、
前記加工硬化指数判断段階でn j とnとが同一であると判断された場合、nの最終値n j をn f =n j に決定してこれを当該特定金属の加工硬化指数とする加工硬化指数決定段階と、
前記加工硬化指数決定段階で決定されたn値及び最後の反復段階で得たε k 、σ k をホ ロモンの関係式σ=Kε n に代入して当該特定金属の応力係数K値を決定する応力係数決定段階とを含んで加工硬化指数及び応力係数を決定する連続圧入試験を用いた物性計算方法。
ここで、a k 2 =f ( n )( 2Rh 0 −h 0 2 ) 、
f ( n ) は加工硬化指数nに関する関数、
Rは圧入子の半径、
h 0 =h max −0.75 ( h max −h i ) 、
h max は当該特定金属に対するk番目の圧入試験時の最大圧入荷重における圧入深さ、
h i は当該特定金属に対するk番目の圧入試験における荷重除去曲線の初期勾配を荷重0まで外挿した深さ、
【数1】、
αは定数、
γは当該特定金属に対するk番目の圧入試験時の圧入子と当該特定金属との接触角、
【数2】、
βは定数、
L max は当該特定金属に対するk番目の圧入試験時の圧入子に作用する最大荷重。 - 多様な種類の金属に対する代表的降伏変形率値をε RY とする時、加工硬化指数−応力係数決定段階で決定されたn値、K値及びY=Kε RY n と定義される降伏強度式を用いて当該特定金属の降伏強度Yを決定する降伏強度決定段階をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の連続圧入試験を用いた物性計算方法。
- 前記加工硬化指数−応力係数決定段階で決定されたn値、K値及びUTS=UTS ( n,K ) と定義される引張強度式を用いて当該特定金属の引張強度UTSを決定する引張強度決定段階をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の連続圧入試験を用いた物性計算方法。
- 前記特定金属に対する引張変形率補正値εUをεU=εU ( n ) をとする時、前記加工硬化指数−応力係数決定段階で決定されたn値、K値及びUTS=K ( εU ) n と定義される引張強度式を用いて当該特定金属の引張強度UTSを決定する引張強度決定段階を有することを特徴とする請求項8に記載の連続圧入試験を用いた物性計算方法。
ここで、εUは当該特定金属の加工硬化指数nの関数である。 - 前記引張変形率補正値εUは、y個の互いに異なる金属それぞれに対する連続圧入試験の際に、i番目の金属に対して前記加工硬化指数−応力係数決定段階で決定された加工硬化指数n i 、応力係数をK i とし、前記n i 値及びK i 値を前記引張強度式に代入して得た値をUTS i とする時、
前記代表的引張変形率補正値εUはεU ( n ) =Ω 1 n+Ω 2 であることを特徴とする請求項9に記載の連続圧入試験を物性計算方法。
ここで、εU i =εU i ( n i ) であって、i番目の金属に対する加工硬化指数n i の関数であり、
Ω 1 は0 . 3〜 0. 5の定数、
Ω 2 は−0 . 1〜0 . 1の定数である。 - f ( n ) は、x個の互いに異なる金属のそれぞれに対するm i 回の連続圧入試験の際に、i番目の金属に対するm i 個の応力 ( σ R ) i 及び変形率 ( ε R ) i がi番目の金属に対する引張試験を経て得た真応力−真変形率曲線に近接するようにi番目の金属のf ( n ) 値であるf ( n i ) 値を特定するf ( n ) 値決定段階と、
前記f ( n ) 値決定段階で特定されたx個のf ( n i ) 値を用いてnに関する関数f ( n ) を特定するf ( n ) 決定段階とによって特定されることを特徴とする請求項5に記載の加工硬化指数及び応力係数を決定する連続圧入試験を用いた物性計算方法。
ここで、
( L max ) i はi番目の金属に対するk番目の圧入試験時の圧入子に作用する最大荷重、
a i 2 =f ( n i )( 2Rh 0 −h 0 2 ) 、
n i はi番目の金属の加工硬化指数、
Rは圧入子の半径、
h 0 =h max −0.75 ( h max −h i ) 、
h max はi番目の金属に対するk番目の圧入試験時の最大圧入荷重における圧入深さ、
h i はi番目の金属に対するk番目の圧入試験における荷重除去曲線の初期勾配を荷重0まで外挿した深さ。 - 前記接触半径推定段階で、f ( n ) =cn+dであることを特徴とする請求項11に記載の連続圧入試験を用いた物性計算方法。
ここで、cは−0 . 4〜−0 . 3、dは1 . 05〜1 . 15。 - 前記圧入変形率−応力推定段階で、αは0 . 05〜0 . 15、βは1/2 . 8〜1/3 . 2の値を有することを特徴とする請求項12に記載の連続圧入試験を用いた物性計算方法。
- 前記加工硬化指数設定段階で第1回目の加工硬化指数設定段階を行う時のn値は0 . 3であることを特徴とする請求項11乃至請求項13のいずれかに記載の連続圧入試験を用いた物性計算方法。
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