JPH09236530A - 超微小硬度測定装置 - Google Patents

超微小硬度測定装置

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JPH09236530A
JPH09236530A JP8042932A JP4293296A JPH09236530A JP H09236530 A JPH09236530 A JP H09236530A JP 8042932 A JP8042932 A JP 8042932A JP 4293296 A JP4293296 A JP 4293296A JP H09236530 A JPH09236530 A JP H09236530A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超微小硬度測地装置において、変位と荷重と
の関係から圧子が試料に当接した変化点を、より正確に
求める。 【解決手段】 変位と荷重との関係をプロットし、この
関係における荷重の変化量が異なる部分のそれぞれにつ
いて、すなわち、圧子が試料に当接する前後の変位−荷
重関数F1,F2を求める。そして、変位−荷重関数F
1と変位−荷重関数F2との交点P2を変化点として検
出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超微小硬さ試験機
やマイクロビッカース硬さ試験機などにおける負荷開始
点を正確に検出するようにした超微小硬度測定装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】この種の硬度測定装置、例えば超微小硬
さ試験機では、電磁力により試料に所定の荷重を負荷し
て測定を行うようにしている。このような硬度測定装置
では、磁石とコイル部とを有する電磁式圧子駆動部に電
流を加えて圧子を試料に向けて降下させる。このとき、
電流は徐々に増加、例えば時間に比例して増加するよう
になっており、圧子が試料に接触した時点の電流値を基
準にして、その値からの電流の増加分を求めて負荷荷重
を制御している。
【0003】また、この種の硬度測定装置においては、
圧子の変位を差動トランスなどの変位検出部でモニタし
ているが、圧痕の深さの測定においても、圧子が試料に
接触した時点の差動トランスの出力を基準にしている。
したがって、圧子が試料表面と接触した時点を負荷開始
点として正確に検出することが必要となる。そこで、変
位検出部により検出された圧子の変位を変化率検出器に
入力し、圧子の変位量が略零になった点を圧子が試料に
接触した変化点、すなわち、負荷開始点として検出する
材料試験機が提案されている(実公平6−8531号公
報)。
【0004】一方、このような硬度測定装置において
は、測定するデータ量が多いほど変化点の検出精度が向
上するが、データ数を増やせば、検出のための処理に要
する時間が増大する。また、変化点の検出をリアルタイ
ムに行うものであるため、試験機自体の振動、あるいは
空気振動などの外乱による影響を受けやすいという問題
がある。そこで、試験開始、すなわち圧子の降下開始か
ら変化点が検出されるまでの間のデータをも採取するこ
とにより、圧子が試料表面と接触してから接触時点を判
定処理する間のデータの欠落を防止して、外乱による影
響を少なくした硬度測定装置が提案されている(特公平
7−3386号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実公平
6−8531号公報あるいは実公平7−3386号公報
に記載された硬度測定装置においては、測定されたデー
タはデジタルデータとして得られるため、データ値が連
続していないものである。このため、実際の変化点があ
るデータとそれに近接するデータとの中間地点に存在す
る場合においては、いずれかのデータを変化点として検
出してしまうため、検出結果が実際の変化点と微妙にず
れたものとなる。このような変化点のずれは、試験の測
定誤差となり、とくに試料表面に形成された薄膜の強度
などを測定する超微小硬度測定装置においては、その測
定データは数μm間隔で変化するものであるため、僅か
な変化点のずれが重大な測定誤差となるおそれがある。
【0006】本発明の目的は、圧子が試料に接触する変
化点を正確に検出することができる超微小硬度測定装置
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】一実施の形態を示す図1
および図2を参照して説明すると、本発明による超微小
硬度測定装置は、圧子3を試料Tの表面に押し込むこと
により、試料Tの硬度を測定する超微小硬度測定装置に
適用され、圧子3により試料Tに負荷される試験荷重を
検出する荷重検出手段11と、圧子3の変位量を検出す
る変位検出手段7と、荷重検出手段11および変位検出
手段7からの荷重データおよび変位データに基づいて、
圧子3が試料Tに当接する前後の、直線または曲線の変
位−荷重関数F1,F2を算出する関数算出手段20,
21と、各変位−荷重関数F1,F2の交点P2を圧子
3が試料Tに当接した変化点として検出する変化点検出
手段22とを備えたことにより上記目的を達成する。
【0008】本発明による超微小硬度測定装置において
は、荷重検出手段11により検出された荷重データおよ
び変位検出手段7により検出された変位データから、関
数算出手段20,21により圧子3が試料Tに当接する
前後の変位−荷重関数F1,F2を算出する。変化点検
出手段22により各変位−荷重関数F1,F2の交点P
2を求め、この交点P2を圧子3が試料Tに当接した変
化点として検出する。
【0009】なお、本発明の構成を説明する上記課題を
解決するための手段の項では、本発明を分かり易くする
ために発明の実施の形態の図を用いたが、これにより本
発明が実施の形態に限定されるものではない。
【0010】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
の形態について説明する。図1は本発明による超微小硬
度測定装置の一実施の形態を示す概略構成図である。図
1に示すように、圧子駆動部1はコイル部1aおよび永
久磁石1bを有し、コイル部1aには圧子3が取り付け
られるとともに、略L字状の変位検出バー5が取り付け
られている。変位検出バー5の先端は差動トランス7の
鉄心7bとされている。すなわち、差動トランス7は、
円筒状のボビンに巻回されたコイル部7aと、コイル部
7aの中心に挿通される鉄心7b(変位検出バー5の先
端部に接続されたもの)を有する。圧子駆動部コイル1
aは制御回路9と接続され、電流の向きを制御すること
により圧子3を上昇、降下できる。また、コイル1aと
制御回路9との間には負荷検出部11が介装され、コイ
ル1aへの供給負荷電流が測定される。また、差動トラ
ンス7のコイル部7aも制御回路9に接続され、変位検
出バー5、すなわち圧子3の変位量に応じた電圧が制御
回路9に入力される。また、試料Tは試料台13に載置
される。制御回路9には試料に加える負荷荷重を設定す
る負荷荷重設定器17が接続されている。また、試験中
の変位と荷重との関係を表示するための表示部30も制
御回路9に接続されている。
【0011】制御回路9は、差動トランス7および負荷
検出部11からの出力信号を受けて圧子3の変位と荷重
との関係を演算する演算部20と、演算部20による演
算結果に基づいて、変位と荷重との関係において圧子3
が試料Tに接触する前後の互いに傾きが異なる変位−荷
重関数をそれぞれ算出する関数算出部21と、関数算出
部21により算出された各変位−荷重関数の交点を圧子
3が試料Tに接触した変化点として検出する変化点検出
部22とからなる。なお、本実施の形態においては、圧
子駆動部1および負荷荷重設定器17も制御回路9によ
り制御されるが、その詳細な制御形態については省略す
る。
【0012】次いで、本発明の動作について説明する。
試料台13に試料Tを載置し、制御回路9からコイル1
aに負荷電流を供給することにより、圧子3は下降を開
始する。これとともに、差動トランス7および負荷検出
部11からの検出信号が制御回路9に入力され、制御回
路9はこれらの検出信号に基づいて、変位−荷重の関係
を表示部30に表示する。図4および図5はその一例を
示している。図4は200gfの荷重で試験した際の圧
子3が試料Tに当接する際のデータを、図5は0.2g
fの荷重で試験した際の圧子3が試料Tに当接する際の
データをそれぞれ示す図である。図4および図5に示す
ように、圧子3が試料Tに接触するまでの間は、荷重は
ある一定の変化率により増加するが、圧子3が試料Tに
接触した後は、接触する前よりも大きな変化率により荷
重が増加する。
【0013】図2は図4あるいは図5において荷重の変
化率が変化する部分のデータを拡大して示す図である。
ここで、図2に示すように制御回路9に入力されるデー
タはデジタルデータであるため、上記実公平6−853
1号公報や特公平7−3386号公報に記載された方法
により、圧子3が試料Tに接触した変化点を検出する
と、変化点は点P1として算出される。しかしながら、
実際の変化点が点P1と点P0との間にある場合には、
検出された変化点は誤差を含んでいるものとなり、その
結果測定される硬度についても誤差を含んでいることと
なる。本発明は、このように実際の変化点が点P1と点
P0との間に存在する場合であっても、変化点を正確に
検出することができる。以下その手順を図3に示すフロ
ーチャートを参照して説明する。
【0014】まず、ステップS1において変位と荷重と
の関係を算出して表示部30に表示する。これは、演算
部20において変位データと荷重データとの関係を算出
し、この関係をデジタルデータとして表示部30にプロ
ットすることにより行う。ステップS2において、表示
部30にプロットされた変位と荷重との関係において、
変位と荷重との関係の傾きが異なる部分、すなわち圧子
3が試料Tに接触する前後でのそれぞれの変位−荷重関
数を関数算出部21により最小二乗法などによって算出
する。ここで、変位と荷重との関係の傾きが異なる部分
とは、図2におけるA部分とB部分とのことであり、B
部分の方がA部分と比較して傾きが大きくなっている。
そして、A部分における変位−荷重関数F1とB部分に
おける変位−荷重関数F2とをそれぞれ求める。ここ
で、変位−荷重関数F1は一般的に直線として表される
が、変位−荷重関数F2は、弾性変形しない材料の場合
は直線であり、弾性変形する材料の場合は曲線で表され
る。
【0015】次のステップS3においては、変位−荷重
関数同志の交点を求める。すなわち、変化点検出部22
において変位−荷重関数F1と変位−荷重関数F2との
交点P2が求められる。そしてステップS4において、
この求められた交点P2が圧子3が試料Tに接触した変
化点として検出され、処理を終了する。
【0016】このようにして、変位と荷重の関係におい
て、荷重の変化率が異なる部分の変位−荷重関数を求
め、この変位−荷重関数同志の交点を圧子3が試料Tに
接触した変化点として検出することにより、隣接するデ
ジタルデータ間に実際の変化点が存在するような場合で
あっても、変化点を正確に検出することができる。した
がって、変化点すなわち接触開始点に基づいて算出する
試料Tの硬度をより正確に検出できることとなり、検出
精度を向上することができる。
【0017】以上の実施の形態と請求項との対応におい
て、差動トランス7が変位検出手段を、負荷検出部11
が荷重検出手段を、演算部20および関数算出部21が
関数算出手段を、変化点検出部22が変化点検出手段を
それぞれ構成する。
【0018】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
る超微小硬度測定装置によれば、圧子が試料に接触する
前後の変位−荷重関数をそれぞれ求め、この変位−荷重
関数同志の交点を圧子が試料に接触した変化点として検
出するようにしたため、隣接するデジタルデータ間に実
際の変化点が存在するような場合であっても、変化点を
正確に検出することができる。したがって、変化点に基
づいて算出する試料Tの硬度をより正確に検出できるこ
ととなり、検出精度を向上することができる。そしてこ
れにより、試料の硬度を精度良く求めることが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の構成を示すブロック図
【図2】変位と荷重との関係において荷重の変化量が変
化する部分の拡大図
【図3】本実施の形態において行われる処理を説明する
フローチャート
【図4】変位と荷重との関係をプロットしたグラフ
【図5】変位と荷重との関係をプロットしたグラフ
【符号の説明】
1 圧子駆動部 3 圧子 7 差動トランス 9 制御回路 11 負荷検出部 13 試料台 17 負荷荷重設定器 20 演算部 21 関数算出部 22 変化点検出部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧子を試料表面に押し込むことにより、
    該試料の硬度を測定する超微小硬度測定装置において、 前記圧子により前記試料に負荷される試験荷重を検出す
    る荷重検出手段と、 前記圧子の変位量を検出する変位検出手段と、 前記荷重検出手段および前記変位検出手段からの荷重デ
    ータおよび変位データに基づいて前記圧子が前記試料に
    当接する前後の変位−荷重関数をそれぞれ算出する関数
    算出手段と、 前記各変位−荷重関数の交点を前記圧子が前記試料に当
    接した変化点として検出する変化点検出手段とを備えた
    ことを特徴とする超微小硬度測定装置。
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