JP2009076825A - 変圧器盤 - Google Patents

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Abstract

【課題】変圧器の冷却効率を格段に高めることができる変圧器盤を得る。
【解決手段】筐体1内を上部空間UP及び下部空間DNに仕切ると共に冷却ファン4により発生する冷却風が上部空間UP及び下部空間DN相互で流通するのを阻止する筐体内部空間仕切部材例えば変圧器側絶縁板8と、筐体側絶縁支持体9と、吸気整流板10と、サポート20からなるものを具備し、冷却ファン4の回転により筐体1内に発生する冷却風を、コイル7の外周部を包囲する筒状絶縁物13内に導き、変圧器5のコイル7を冷却するように構成したもの。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えばドライブ装置や変換器装置、配電機器といった電力変換装置の一部を成す変圧器盤に係り、特に強制風冷構造の変圧器盤に関する。
大容量の電力変換装置を構成するインバータ変圧器や高圧のドライブ装置を構成する多相巻変圧器は発熱量が大きいため、一般的に冷却ファンによる強制風冷方式を採用している。従来のインバータ変圧器や多相巻変圧器においては、単純に冷却ファンを筐体天井部に設置し、下部に吸気口を設けただけのものであるか、加えて変圧器のコイル下端付近に筐体に取付けたフードによって冷却風を整風している構造である。
図20〜図22は従来の強制風冷構造の変圧器盤を説明するためのもので、図20はその盤正面図、図21は盤内部正面図、図22は図20のF−F線に沿って切断し、矢印方向に見た断面図である。図20〜図22においては、密閉された筐体1の中に変圧器(トランス)5が設置されている。正面扉2の下部には吸気口3が設けられ、天井にはファン4が取り付けられている。
一般に変圧器5は運転中発熱するが、発熱量が低い場合は空気の自然対流により、ある一定温度以下に保たれる。対して変圧器5の発熱量が大きい場合には空気の自然対流による放熱では、変圧器5は一定温度以下に保たれず冷却ファンによる強制冷却が必要となる。
天井に配置されたファン4が動作することにより吸気口3から冷却風が取り入れられ、それらは変圧器5の表面または内部を通ることにより変圧器5より発熱する熱量をファン4から筐体1の外部へと放出することで変圧器を一定温度以下に保つ。
また、吸気口3より取り入れられた冷却風が効率よく変圧器5を通るよう筐体1にフード26を取り付けてある。これにより冷却風は変圧器下部へと流れるよう整風されフード26がない構成よりも、より冷却効率があがる。
一方、特許文献1には、変圧器盤の冷却装置として、盤内にファンを取り付けて、盤内の変圧器を強制的に冷却する発明が開示されている。このうちの代表的な内容は、吸気口と盤の床下空間とをつなぐダクトを設け、変圧器直下の盤の床板には開口部を開け、外気を吸気口からダクト、床下空間及び床板開口部まで通すことで風となり、変圧器直下から吹き当てることにより、変圧器の排熱を奪って天井の排気ファンから排出するようにしたものである。
特許文献1では、このように構成することにより、以下のような効果が得られる。すなわち、風冷式であるにもかかわらず、変圧器の床下には消音ダクトやファンは不要となり、床面が低くなる。このため、盤内の変圧器格納空間は十分確保され、冷却効率は向上する。また、盤の重心も低くなるので、耐震性も向上する。
特開2006−166643
前述した従来の強制風冷構成は、吸気口から変圧器上部(コイル上部)までが完全に密閉された冷却風通路(以下パスと呼ぶ)となっておらず、冷却効率をより良くする余地があった。また、フードを設けて冷却風を変圧器のコイル内部と表面に流れるよう整流してもコイル内部へ流す分と表面へ流す分の配分がなかなか難しかった。特に、発熱量の大きい変圧器では、当然多くの冷却風量を必要とする。そのため、より多くの風量を供給するためのファンが必要となりファンも大型化する。
ところがファンは筐体の天井に設置されるため筐体サイズの制約から設置面積が限られてしまう。そこでよりよい効率の冷却構成が必要となる。
また、変圧器の強制風冷における冷却ポイントは冷却風を変圧器コイル下部へと整流し、1次コイルと2次コイル間や鉄芯とコイル間、コイル表面に出来るだけ多くの冷却風を流すことである。
ドライブ装置等で用いられている多相巻変圧器は2次コイル(外側のコイル)が多相となっており、各相のコイル間に隙間ができてしまう為コイル下部に整流しただけではコイル間から冷却風が漏れてしまいコイル上部にまで効率よく達しないおそれがある。
よって、コイル上部まで整流するパスが必要となる。
また、発熱量の大きい変圧器は重量も大きく、筐体内設置後に筐体ごと移動することが難しい。輸送時には変圧器を筐体から一度引き出して別送する手段が一般的である。そのためコイル上部まで整流するパスを筐体側に設置した場合、変圧器の引き出し作業時にパスを解体しなくてはならず、輸送・設置時に多くの作業を要する。
さらに、ファンの風量が大きい状態で変圧器コイル部に精巧なパスを設けた場合、コイル部のパスの圧力損失も大きなものとなる。よってコイル下部のフードも従来のように、コイル下部近傍に筐体側に設置したものでは、コイル部との圧力損失差が大きく漏れが生じるため不十分である。
そこで本発明は、変圧器の冷却効率を格段に高めることができ、冷却に必要なファンの風量を最小限に抑えることができ、結果としてファンの外形・使用個数を最小限にできることから筐体の外形を小さくすることができる変圧器盤を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、吸気口及び排気口を有する密閉構造の筐体と、前記筐体内に収納し、変圧器鉄心と、前記変圧器鉄心に巻装したコイルを備えた乾式変圧器と、前記筐体の前記吸気口又は前記排気口近くに配設し、前記筐体内に外気を取り込み冷却風を発生させると共に、前記冷却風を前記排気口又は前記吸気口から前記筐体外部排気する冷却ファンと、前記筐体内であって前記変圧器の前記コイルの外周部を包囲するように形成し、前記冷却ファンにより発生する前記冷却風を、前記コイルの内周部及び外周部に導くための冷却パス形成部材とを具備したことを特徴とする変圧器盤である。
上記目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、吸気口及び排気口を有する密閉構造の筐体と、前記筐体内に収納し、変圧器鉄心と、前記変圧器鉄心に巻装したコイルを備えた乾式変圧器と、前記変圧器の前記コイルの外周部を包囲し、かつ前記コイルと間隔を存するように形成した筒状絶縁物と、前記筐体の前記吸気口又は前記排気口近くに配設し、前記筐体内に外気を取り込み冷却風を発生させると共に、前記冷却風を前記排気口又は前記吸気口から前記筐体外部に排気する冷却ファンと、前記筐体内を上部空間及び下部空間に仕切ると共に前記冷却ファンにより発生する冷却風が前記上部空間及び下部空間相互で流通するのを阻止する筐体内部空間仕切部材とを具備し、前記冷却ファンの回転により前記筐体内に発生する冷却風を前記筒状絶縁物内に導き、前記変圧器のコイルを冷却するように構成したことを特徴とする変圧器盤である。
本発明によれば、変圧器の冷却効率を格段に高めることができ、冷却に必要なファンの風量を最小限に抑えることができ、結果としてファンの外形・使用個数を最小限にできることから筐体の外形を小さくすることができる変圧器盤を提供できる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の図において、同符号は同一部分または対応部分を示す。
(第1の実施形態)
まず、本発明に係る変圧器盤のうち第1の実施形態について説明する。図1〜図3は、この第1の実施形態における全体構成図であり、図1は盤正面図で、図2は盤内部正面図で、図3は図1のA―A線に沿って切断し、矢印方向に見た断面図である。図4〜図8は、図1〜図3の変圧器の構造を説明するための図で、図4は平面図、図5は正面図、図6は側面図、図7は図4の要部を拡大して示す図、図8は図4の矢印B―B線に沿って切断し矢印方向に見た断面図である。
本実施形態は、概略筐体1内を上部空間UP及び下部空間DNに仕切ると共に冷却ファン4により発生する冷却風が上部空間UP及び下部空間DN相互で流通するのを阻止する筐体内部空間仕切部材(例えば変圧器側絶縁板8と、筐体側絶縁支持体9と、吸気整流板10と、サポート20からなるもの)を具備し、冷却ファン4の回転により筐体1内に発生する冷却風を、コイル7の外周部を包囲する筒状絶縁物13内に導き、変圧器5のコイル7を冷却するように構成したものである。
以下、具体的に説明する。筐体1は、床面に設置し、壁面に吸気口3及び排気口03を有する密閉構造の例えば角筒状のものである。変圧器5は、筐体1内の底面に一端側を直接的又は間接的に載置し、上下方向に延びる変圧器鉄心6と、変圧器鉄心6の外周面側であって底面に平行でかつ上下方向に亘って複数回巻装したコイル7を含む乾式変圧器である。円筒状絶縁物13は、コイル7の外周側にコイル7に対して所定間隔を存するように配設したものである。
変圧器側絶縁板8は、筐体1の内部空間であって変圧器5の下端部に固定し、円筒状絶縁物13の下端面に当接し、円筒状絶縁物13の内部におけるコイル7の内部及び表面に変圧器鉄心6の上下方向に沿って冷却風を流通可能にする孔8aを有する2分割構成のものである。筐体側絶縁支持体(筐体側絶縁板受け)9は、筐体1の内周側の3つの壁面にそれぞれ当接するように固定し、変圧器側絶縁板8の3つの側面を支持するように凹部9aを有し、かつ筐体1の内周面との隙間を閉塞する断面コ字形のものである。吸気整流板10は、筐体1内の内周側の残りの1つの壁面であって吸気口3近くに固定し、変圧器側絶縁板8の側面と筐体側絶縁支持体9の端面と当接させ筐体1の内部空間を上部空間UPと下部空間DNに形成するものである。サポート20は、吸気整流板10を変圧器側絶縁板8に対して押圧力を与えるものである
冷却ファン4は、筐体1の排気口03近くに配設し、筐体1内に吸気口3から外気を吸い込むもので、ここで使用しているファンはファンを固定する箱に入っている。
変圧器側絶縁板8は、前後に2分割されたものがコイル7の外周に密着するようにコイル7の下端部に取り付けられている。コイル7の下端部とは円筒状絶縁物13の下端であり、この間は接着してもしなくてもよい。また、変圧器5の脚部より出たサポート12と絶縁ボルト11により固定され変圧器5とは絶縁されている。
図7に示すように、コイル部7の構成は1次コイル15の外側に2次コイル14があり、さらに外側に絶縁物でできた円筒状絶縁物13を巻きつけた構成となっている。
図8に示すように、円筒状絶縁物13は1次コイル15及び2次コイル14を固定するスペーサを用いて固定し、コイル外周を覆う構成となっている。スペーサ16及び円筒状絶縁物13は絶縁物でできており、円筒状絶縁物13と密着している変圧器側絶縁板8と2次側コイル14とは絶縁されている。吸気口3から流れてきた冷却風はこの1次コイル15と2次コイル14間、並びに円筒状絶縁物13と2次コイル14間を流れる。
図9は盤内部を上から見た図、図10は図9のC−C線に沿って切断し矢印方向に見た断面図、図11は図10のD−D線に沿って切断し矢印方向に見た断面図である。
図9に示す筐体側絶縁板受け9は絶縁物から成り、変圧器側絶縁板8と併せて筐体1と2次コイル14とを絶縁している。図10に示す筐体側絶縁板受け9は断面がコの字型の形状をしておりコの字型の内部に変圧器側絶縁板8がスライドしていく構成となっている。また挿入時の誤差を考慮し、筐体側絶縁板受けは上下左右方向に大きめに作られ、その隙間を塞ぐために内部に高密度パッキン17が貼られている。高密度パッキン17は非常に柔らかい素材からなり、変圧器側絶縁板8により常に圧縮されるか接触しているようになっている。また、図11に示すように挿入時に変圧器側絶縁板8によって引っ張られないよう、先端部は直角方向に曲げられ、押さえ板19により固定されている。背面側に位置する筐体側絶縁板受け9も同様の構成である。
図12は図1の盤内部の概略斜視図、図13は図1の正面扉を示す概略斜視図である。吸気整流板10は変圧器5を筐体1内に設置した後に前面側に取り付けられる。吸気整流板10は傾斜して取り付けられるため、上部は筐体1のフレームに固定され、下部は変圧器5挿入時の前後方向の誤差に対応できるよう、前後に微調整して取り付け可能なサポート20により変圧器側絶縁板8に押さえつけられる状態で固定される。
以上のように構成された変圧器盤にあっては、吸気口3から取り入れられた冷却風が全て吸気整流板10及び変圧器側絶縁板8を通り、変圧器5のコイル部7へと供給される。さらにコイル部7の下部から上部に至るまで円筒状絶縁物13により密閉されているため、全ての冷却風がコイル表面並びに1次コイル15、2次コイル14間を通過し、この際にコイル15、14の発熱を奪うので、効率良く変圧器5を冷却することができる。
さらに、密閉構造を維持している円筒状絶縁物13と変圧器側絶縁板8が変圧器側に固定され一体となっている為、輸送・設置時の変圧器の出し入れの際にも各部の部品を取り外すことなく、変圧器の前側に位置する吸気整流板10を取外すだけの作業となる。
本実施形態は、このような構成により、冷却風の入口となる吸気口3から発熱体である変圧器5のコイル7の内部及び表面をコイル端部まで密封したパスを構成することができ、冷却ファン4の回転によって生じる冷却風を変圧器5のコイル7と円筒状絶縁物13との内部空間に導き、変圧器5のコイル7の内部及び表面を直接冷却することができる。これによって、変圧器5の冷却効率を格段に高めることができ、冷却に必要な冷却ファン4の風量を最小限に抑えることができる。結果として、冷却ファン4の外形・使用個数を最小限にできることから筐体1の外形を小さくすることができる。
また、変圧器5のコイル7の外周側を包囲する円筒状絶縁物13を変圧器5側に設けることによって、輸送・設置時に筐体1内から変圧器5を取り出さなければならない構成にも関わらず、分解部品を最小限に留めることができ、輸送・設置時の作業時間を短縮できる。
(第2の実施形態)
次に、本発明に係る変圧器盤の第2の実施形態について、図14〜図16を参照して説明する。
図14は変圧器盤内の正面図であり、図15は図14の筐体側絶縁板受け部の拡大側面図であり、
図16は図14の筐体側絶縁板受け部の拡大背面図である。
前述の第1の実施形態では筐体側絶縁支持体9は断面コの字型であったが、図15に示すように変圧器側絶縁板8に対し上部のみがある平板状であって、その一端部がヒンジ21により開閉が可能に筐体1に固定され、筐体側絶縁支持体9の他端部を変圧器側絶縁板8の端部に高密度パッキン17を介して締結部材例えば絶縁ボルト11にて締結してある。この点以外は、前述の第1の実施形態と同一である。
このよう構成において、変圧器5を筐体1内に収納時には筐体側絶縁支持体9を上側へ起こしておき、変圧器5を設置後に筐体側絶縁支持体9を倒して変圧器絶縁板8に密着させ絶縁ボルト11にて固定する。背面側は図16に示すように高密度パッキン17に変圧器絶縁板8を押し当てる。
本形態の方が第1の実施形態に比べ変圧器絶縁板8の誤差余裕度が大きくとれ、変圧器5の収納作業を比較的容易に行うことができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明に係る変圧器盤の第3の実施形態について、図17〜図19を参照して説明する。図17は盤内部の正面図であり、図18は盤側面図であり、図19は図17のE―E線に沿って切断し矢印方向に見た断面図である。
本実施形態は、変圧器5のコイル7の内部及び表面を通る冷却風経路とは別に、冷却ファン4自身を冷却する冷却ファン冷却風経路を形成するようにしたものである。
具体的には、図18に示すように筐体1の側面に吸気口23が新たに設けられている。吸気口23は変圧器5のコイル7を通過するパスにならない位置であれば正面や背面、高さ等はどこでもよい。また吸気口23は、図17及び図19に示すように例えば筐体1の隣に列盤された盤の中を通ってきてもよいし、完全な外気でもよい。この構成は、前述の第1実施形態及び第2の実施形態のいずれにも適用できる。
このように変圧器5のコイル7を通過しないパスを設けることにより、冷却ファン4にはコイル7を通り変圧器5の排熱を含んだ温度の高い冷却風と、変圧器の排熱を含まない温度の低い冷却風が混合されて通過する。通常、変圧器5の発熱量は他の発熱する用品に比べてはるかに大きいが、ファン4の最高使用温度は例えば60〜70℃と変圧器の温度上昇値が例えば180℃に比べはるかに低い。そのため冷却ファン4は、変圧器5に最高使用温度以下を保つ風量を変圧器5に供給したとしても冷却ファン4の最高使用温度を超える可能性がある。よって、設計時には冷却ファン4の温度を基準に風量を決めるのが一般的である。
本実施形態によれば、冷却効率が向上し変圧器5の冷却のパスが1つしかないため、余剰分を別のパスにまわすことができる。別のパスによって得た温度の低い冷却風が混合されることにより、冷却ファン4の温度上昇値を低くすることができる。
このことは、従来であれば冷却ファンには最高使用温度があり、変圧器の温度上昇を抑えられるだけの風量があったとしても冷却ファンの使用温度を超えてしまうため、より多くの風量を与えなければならなかった。しかし、前述した実施形態のように密閉パス構成により冷却効率を高めパスを1つにした結果、ファンの冷却風の一部を変圧器のパスを通らない別のパスに流すことができ、当然別のパスの方が変圧器のパスに比べ遥かに温度が低い為、ファンの温度上昇を抑制することができる。それによってファンの外形・使用個数を少なくでき、筐体の外形を小さくすることができる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態について、図3を参照して説明する。本実施形態で第1の実施形態と異なる点は、筐体1内であって変圧器5のコイル7の外周部を包囲するように形成し、冷却ファン4により発生する冷却風を、コイル7の内周部及び外周部に導くための冷却パス形成部材を設けたものである。具体的には、図3の筐体内部空間仕切部材を構成する、変圧器側絶縁板8、筐体側絶縁支持体9、吸気整流板10を設けず、この代わりに円筒状絶縁物13の下端部を吸気口3近くまで延長させたものである。これ以外の構成は、第1の実施形態と同一であので、その説明を省略する。
このように構成したことにより、冷却風の入口となる吸気口3から発熱体である変圧器5のコイル7の内部及び表面をコイル7の端部まで完全に密封したパスを構成することができる。それにより変圧器5の冷却効率を格段に高めることができ、冷却に必要な冷却ファン4の風量を最小限に抑えることができる。結果として、冷却ファン4の外形・使用個数を最小限にできることから筐体1の外形を小さくすることができる。また、円筒状絶縁物13を変圧器側に設けることによって、輸送・設置時に筐体内から変圧器を取り出さなければならない構成にも関わらず、分解部品を最小限に留めることができ、輸送・設置時の作業時間を短縮できる。
以上述べた第4の実施形態に、前述した第3の実施形態を組合わせることで、第3の実施形態で説明した同様の効果が得られる。すなわち、ファンの冷却風の一部を変圧器のパスを通らない別のパスに流すことができ、当然別のパスの方が変圧器のパスに比べ遥かに温度が低い為、ファンの温度上昇を抑制することができる。それによってファンの外形・使用個数を少なくでき、筐体の外形を小さくすることができる。
(変形例)
本発明は、前述の実施形態の冷却ファン4及び吸気口3の配置位置は必ずしも、図面に示すとおりではなくてもよい。すなわち、ファン4と吸気口3の位置を逆に配置し、ファン4より取込んだ冷却風を排気する構成としてもよい。この場合には、筐体1の吸気口3又は排気口03近くに配設し、筐体1内に外気を吸い込むか又は筐体1内の空気を筐体1の外に押し出す冷却ファン4を使用する。
本発明の変圧器盤に係る第1の実施形態を説明するための盤正面図。 本発明の変圧器盤に係る第1の実施形態を説明するための盤内部正面図。 図1のA―A線に沿って切断し、矢印方向に見た断面図。 図1の変圧器の平面図。 図1の変圧器の正面図。 図1の変圧器の側面図。 図4の要部を拡大して示す図。 図4の矢印B―B線に沿って切断し矢印方向に見た断面図。 盤内部を上から見た図。 図9のC−C線に沿って切断し矢印方向に見た断面図。 図10のD−D線に沿って切断し矢印方向に見た断面図。 図1の盤内部の概略斜視図。 図1の正面扉及び吸気口を示す概略斜視図。 本発明の変圧器盤に係る第2の実施形態を説明するための盤内正面図。 図14の筐体側絶縁板受け部の拡大側面図。 図14の筐体側絶縁板受け部の拡大背面図。 本発明の変圧器盤に係る第3の実施形態を説明するための盤内正面図。 本発明の変圧器盤に係る第3の実施形態を説明するための盤内側面図。 図17のE―E線に沿って切断し矢印方向に見た断面図。 従来の強制風冷構造の変圧器盤を説明するための盤正面図。 従来の強制風冷構造の変圧器盤を説明するための盤内部正面図。 図20のF−F線に沿って切断し、矢印方向に見た断面図。
符号の説明
UP…上部空間、DN…下部空間、1…筐体、2…正面扉、3…吸気口、03…排気口、4…冷却ファン、5…変圧器、6…変圧器鉄心、7…コイル、8…変圧器側絶縁板、8a…孔、
9…筐体側絶縁支持体、9a…凹部、10…吸気整流板、11…絶縁ボルト、12…サポート、
13…筒状絶縁物、14…2次コイル、15…1次コイル、16…スペーサ、17…高密度パッキン、18…車輪、19…板、20…サポート、21…ヒンジ、23…吸気口、26…フード。

Claims (7)

  1. 吸気口及び排気口を有する密閉構造の筐体と、
    前記筐体内に収納し、変圧器鉄心と、前記変圧器鉄心に巻装したコイルを備えた乾式変圧器と、
    前記筐体の前記吸気口又は前記排気口近くに配設し、前記筐体内に外気を取り込み冷却風を発生させると共に、前記冷却風を前記排気口又は前記吸気口から前記筐体外部排気する冷却ファン
    と、
    前記筐体内であって前記変圧器の前記コイルの外周部を包囲するように形成し、前記冷却ファンにより発生する前記冷却風を、前記コイルの内周部及び外周部に導くための冷却パス形成部材と、
    を具備したことを特徴とする変圧器盤。
  2. 前記冷却パス形成部材を通る冷却風経路とは別に、前記冷却ファン自身を冷却する冷却ファン冷却風経路を形成するように前記筐体に外気を取り込む吸気口を設けたことを特徴とする請求項1記載の変圧器盤。
  3. 吸気口及び排気口を有する密閉構造の筐体と、
    前記筐体内に収納し、変圧器鉄心と、前記変圧器鉄心に巻装したコイルを備えた乾式変圧器と、
    前記変圧器の前記コイルの外周部を包囲し、かつ前記コイルと間隔を存するように形成した筒状絶縁物と、
    前記筐体の前記吸気口又は前記排気口近くに配設し、前記筐体内に外気を取り込み冷却風を発生させると共に、前記冷却風を前記排気口又は前記吸気口から前記筐体外部に排気する冷却ファンと、
    前記筐体内を上部空間及び下部空間に仕切ると共に前記冷却ファンにより発生する冷却風が前記上部空間及び下部空間相互で流通するのを阻止する筐体内部空間仕切部材と、
    を具備し、前記冷却ファンの回転により前記筐体内に発生する冷却風を前記筒状絶縁物内に導き、前記変圧器のコイルを冷却するように構成したことを特徴とする変圧器盤。
  4. 前記筐体内部空間仕切部材は、変圧器側絶縁板と、筐体側絶縁支持体と、整流板と、サポートからなり、
    前記変圧器側絶縁板は、複数に分割した部材からなり、各々は前記円筒状絶縁物の下端面に当接して前記変圧器に固定し、前記円筒状絶縁物の内部における前記コイル内部及び表面に前記変圧器鉄心の上下方向に沿って冷却風を流通可能にする孔を有するものであり、
    前記筐体側絶縁支持体は、前記筐体の内周側に有する3つの壁面にそれぞれ当接するように固定し、前記変圧器側絶縁板の3つの側面を支持するように凹部を有し、かつ前記筐体内周面との隙間を閉塞する断面コ字形であり、
    前記整流板は、前記筐体内の内周側の残りの1つの壁面であって前記吸気口又は前記排気口近くに傾斜した状態でその上部を固定し、前記変圧器側絶縁板の側面と前記筐体側絶縁支持体の端面と当接させ、前記筐体の内部空間を上部空間と下部空間に分けるものであり、
    前記サポートは、前記整流板を前記変圧器側絶縁板に対して押圧力を与えるものであることを特徴とする請求項3記載の変圧器盤。
  5. 前記筐体側絶縁支持体の凹部内であって、前記変圧器側絶縁板の端部との間に、パッキンを挿入させたことを特徴とする請求項4記載の変圧器盤。
  6. 前記筐体内部空間仕切部材は、変圧器側絶縁板と、筐体側絶縁支持体と、整流板からなり、
    前記変圧器側絶縁板は、複数に分割した部材からなり、各々は前記円筒状絶縁物の下端面に当接して前記変圧器に固定し、前記円筒状絶縁物の内部における前記コイル内部及び表面に前記変圧器鉄心の上下方向に沿って冷却風を流通可能にする孔を有するものであり、
    前記筐体側絶縁支持体の一端部を、前記筐体にヒンジにより回動可能に固定するものであり、前記筐体側絶縁支持体の他端部を前記変圧器側絶縁板の端部にパッキンを介して締結部材により締結するものであり、
    前記整流板は、前記筐体内の内周側の残りの1つの壁面であって前記吸気口又は前記排気口近くに固定し、前記変圧器側絶縁板の側面と前記筐体側絶縁支持体の端面と当接させ、前記筐体の内部空間を上部空間と下部空間に分けて形成したことを特徴とする請求項3記載の変圧器盤。
  7. 前記変圧器のコイルの内部及び表面を通る冷却風経路とは別に、前記冷却ファン自身を冷却する冷却ファン冷却風経路を形成するように前記筐体に外気を取り込む吸気口を設けたことを特徴とする請求項3乃至請求項6のいずれか1項に記載の変圧器盤。
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