JP2009076621A - 熱処理用縦型ボート - Google Patents

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Abstract

【課題】 半導体ウェーハの高温熱処理の際の塑性変形、ウェーハの溶着、スリップ転位発生および金属汚染等を効果的に防ぐ熱処理用縦型ボートを提供する。
【解決手段】 この縦型ボートでは、上下に対向配置された円形の天板と底板の間に固定して4本の支柱1a、1b、1c、1dが立設され、これ等の支柱のそれぞれに、支柱から縦型ボートの内方側に向かって伸び出す腕状の4個の支持片2a、2b、2cおよび2dが取り付けられている。ここで、例えば、支柱1aと1c、支柱1bと1dが互いに隣接する。そして、各支持片の先端近くに支持面3が形成され、これ等の4つの支持面3は半導体ウェーハWの周縁部より内方側の同一円周上にあり互いに等間隔に離間している。半導体ウェーハWは、その裏面がこれ等の4つの支持面3と接して支持される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、熱処理において半導体ウェーハを保持する熱処理用ボートに係り、特に半導体ウェーハの高温熱処理の際の塑性変形、結晶欠陥発生および金属不純物汚染等を効果的に防ぐことができる熱処理用縦型ボートに関する。
例えばシリコンウェーハのような半導体ウェーハは、ウェーハ製品の製造あるいはウェーハに作製する半導体デバイス製造において、酸化、拡散、アニール等の多くの熱処理が施される。そして、ウェーハをバッチ処理する熱処理炉は、その大口径化に伴って縦型炉になり、ウェーハを保持する熱処理用ボートも炉型に合わせて縦型のものが多用されるようになっている。
この熱処理用縦型ボート(以下、単に縦型ボートともいう)には、従来から広く使用されてきたラダーボートと呼ばれる縦型ボートがある。その典型例は、例えば上下に対向配置された円形の天板と底板の間に複数本の支柱が設けられ、各支柱の内側側面にほぼ等間隔に複数の溝部が形成され、この溝部にウェーハの周縁部が挿入され支持される構造になっている。しかしながら、このラダーボートではウェーハの大口径化(例えば200mmφ径、300mmφ径)に伴い、熱処理において溝部での局部的な支持点でウェーハ自重による応力が増大し、支持点となるウェーハ周縁部にスリップ転位の結晶欠陥が発生し易くなるという問題があった。
そこで、ウェーハの支持領域を広くすることができるリングボートと呼ばれる縦型ボートが提案され使用されるようになってきている。これは、上記支柱にリング状の平らな支持面を備えた支持部材が設けられ、この支持部材にウェーハが載置されその支持面で支持する構造になっている(例えば、特許文献2参照)。しかし、このリングボートでは、支柱に等間隔に配置される複数のリング状の支持部材の配列間隔がラダーボートにおける溝部の配列間隔より大きくなることから、ラダーボートの場合よりウェーハの積載量が低減し生産性が低くなるという不利点がある。
また、上述したラダーボートおよびリングボートでは、その構造に起因して、ウェーハの熱処理における金属不純物汚染が生じ易いという問題がある。例えば水素(H)ガス、アルゴン(Ar)等の希ガスあるいは窒素(N)ガスの雰囲気中であって、特に1200℃以上の高温、1時間以上の長時間におけるシリコンウェーハのアニール処理において、上記支柱、リング状の支持部材に存在する極微量の例えば鉄(Fe)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)等の金属による不純物汚染が生じ易い。
なお、上記高温のアニール処理は、最近、チョクラルスキー法により引き上げ育成したas−grownシリコンインゴット中に空孔が凝集して形成される例えば八面体状ボイド欠陥、COP(Crystal Originated Particle)等といわれるようなボイド、あるいは上記シリコンインゴット中の格子間酸素が析出して形成される析出物等を消滅させ高品質のウェーハ製品を製造する上で、極めて有効な手段になってきている。上記高温のアニール処理では、半導体デバイスが作製されるウェーハ表面部の上記欠陥を消滅させることにより、半導体デバイスの性能あるいは製造歩留まりが大きく向上するようになる。
上記汚染金属は、石英、炭化ケイ素(SiC)あるいはシリコン(Si)等のボート基材にもともと極微量に含まれている。あるいは、縦型ボートの製造工程の機械加工、研削加工等においてその表面層近くに導入される。そして、ウェーハが支柱の溝部に挿入され支持されるラダーボートでは、熱処理中において、ウェーハ周縁部が接する支柱からの上記金属による汚染を受け易い。また、ウェーハがリング状の支持部材に載置され支持されるリングボートでは、上述したウェーハ支持領域が広いリング状の支持部材表面からの金属放出が増加することから、ウェーハの金属汚染の低減が難しくなる。
そこで、この金属不純物汚染の低減を容易にする縦型ボートが種々に提示されてきている(例えば、特許文献2,3参照)。このような縦型ボートについて、図8および図9を参照して例えば特許文献3に開示されている構造の具体例で説明する。ここで、図8は縦型ボートの概略を示す斜視図であり、図9はこの縦型ボートの支持面にウェーハを載置した状態を示した平面図である。
図8に示すように、縦型ボートには、上下に対向配置された円形の天板11と底板12の間に固定して3本の支柱13が立設され、各支柱13の内側側面に複数の支持面14が上下に等間隔に設けてある。ここで、図9に示されるように、支柱13の各々に取り付けられた支持面14は、支柱13からボートの内方側に向かって腕状に伸び出し、その例えば3つの支持面14により半導体ウェーハWを支持するようになっている。そして、3つの支持面14により形成される面の平面度および平行度を、その値が所定の範囲になるように特定する。なお、この支柱13の形状や大きさ、配置については、ウェーハ搬送冶具(例えば、フォーク)が通過するための空間や雰囲気ガスの通過のための幅を考慮して適宜に設定される。
このような縦型ボートにすることにより、例えば1200℃程度の高温の熱処理後のウェーハ周縁部のスリップ長さは100mm以下に低減するとしている。そして、汚染の発生が防止され、ウェーハのボート積載量が増加して、例えばシリコンウェーハの熱処理における歩留まりと生産性ともに向上するとしている。
特開2005−311291号公報 特開2006−80125号公報 特開2006−128316号公報
しかしながら、これまでに開示された縦型ボートでは、半導体ウェーハの大口径化に伴い高重量化したウェーハの自重応力と熱処理時の熱応力との相乗効果により、半導体ウェーハの反り等の塑性変形が生じ易いという不具合があった。また、支持面に接するウェーハ裏面の接触部において支持面との溶着が発生し易いという不具合があった。そして、このような塑性変形あるいは溶着等に起因したスリップ転位の発生を充分に抑制し得ないという問題があった。また、半導体ウェーハの反りは、それによるウェーハ変形の度合いが大きくなると、半導体デバイス製造工程においてそのウェーハを不良品として使用できなくするという大きな問題を生じさせる。これは、反り形状にも依存するが、ウェーハの反り量が大きくなるとデバイス製造装置の作業ステージへのウェーハ載置のための吸着保持ができなくなるからである。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、例えばシリコンウェーハのような半導体ウェーハの高温熱処理の際のウェーハの反り等の塑性変形、ウェーハの溶着、スリップ転位発生および金属不純物汚染等を効果的に防ぐことができる熱処理用縦型ボートを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明にかかる熱処理用縦型ボートは、半導体ウェーハの支持面を備えた支柱により上下に間隔をおいて複数の半導体ウェーハを複数段に水平に保持する熱処理用縦型ボートであって、前記半導体ウェーハの周縁部より内方側の同一円周上に沿い互いに等間隔に離間している4つの支持面が前記半導体ウェーハを支持する、構成になっている。ここで、前記支持面は、前記支柱から前記内方側に向かって伸び出す腕状の支持体の上方側に形成されている好適である。
上記発明により、大口径化し高重量化した半導体ウェーハが支持面により均等に配分され水平に支持される。そして、ウェーハの自重応力による結晶歪が極めて効果的に緩和され、この自重応力と熱応力とが相乗する効果によるウェーハの反り等の塑性変形およびそれに伴うスリップ転位が大きく低減するようになる。
本発明の好適な態様では、前記支持面の表面の平均粗さRaが0.4μm以下である。あるいは、前記支持体の上方側は、前記支柱から前記支持面にかけて上方に傾斜し、その水平からの傾斜角度が0.5度以上になっている。あるいは、前記支持体は、その内方側の最先端が曲面状に面取り加工されている。
上記発明により、半導体ウェーハの支持面における溶着が防止されると共に、ウェーハ周縁部のスリップ転位の発生が抑制される。
また、本発明の好適な態様では、4本の支柱が天板と底板との間に平行に固定して設けられ、そのうちの2本の支柱および該支柱のそれぞれに備えられた支持面は、前記天板および前記底板の中心を結んだ中心軸を軸対称に配置され、同様に、残り2本の支柱および該支柱のそれぞれに備えられた支持面も前記中心軸を軸対称に配置されている。
上記好適な態様では、更に、前記2本の支柱のうちの1本の支柱および該支柱に備えられた支持面と、前記残りの2本の支柱のうちの1本の支柱および該支柱に備えられた支持面とは、鏡映対称に形成されている。
更に、前記2本の支柱のうちの1本の支柱と、前記残りの2本の支柱のうちの1本の支柱とは、それぞれの支柱に前記支持面を取り付ける加工が同時にできるように互いに隣接した位置に配置されている。
上記発明により、4つの支持面の高さ位置を高精度に同じにすることが容易になる。また、半導体ウェーハの熱処理において、縦型ボートを構成する各部材の熱膨張が一様になり、上述した4つの支持面の高さ位置が同じになるように保持される。そして、半導体ウェーハが支持面によって安定して均等に支持されるようになる。
本発明の構成により、例えばシリコンウェーハのような半導体ウェーハの高温熱処理の際の塑性変形、ウェーハの溶着、スリップ転位発生および金属不純物汚染等を効果的に防ぐ熱処理用縦型ボートを提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について図1ないし図3を参照して説明する。図1は本実施形態にかかる熱処理用縦型ボートの一例を示す一部拡大斜視図である。この図では、図8に相当する縦型ボートにおいて2段分の半導体ウェーハの支持面が示されている。図2は上記縦型ボートの支持面にウェーハを載置した状態を示す平面図である。そして、図3は上記縦型ボートの支持面にウェーハを載置した状態の一部拡大断面図である。なお、互いに同一または類似の部分には共通の符号を付して、重複説明は一部省略される。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なる。
図1に示すように、それぞれ断面矩形状である、第1の支柱1a、第2の支柱1b、第3の支柱1cおよび第4の支柱1dの4本の支柱が、図8で説明したのと同じような天板と底板(不図示)との間に平行に固定して立設される。そして、それぞれの支柱には、半導体ウェーハを支持する支持体として、腕状の支持片が天板から底板の上下に間隔をおいて所要の段数に取り付けられている。すなわち、図1に示す第1の支柱1aには支持片2a1、2a2等が取り付けられ、第2の支柱1bには支持片2b1、2b2等が取り付けられている。同様にして、第3の支柱1cには支持片2c1、2c2等が取り付けられ、第4の支柱1dには支持片2d1、2d2等が取り付けられる。
そして、例えば天板および底板の中心を結ぶ中心線を図1に示した熱処理用縦型ボートにおけるボート中心軸mとすると、第1の支柱1a、その支持片2a1および支持片2a2は、それぞれ第2の支柱1b、その支持片2b1および支持片2b2と中心軸mを軸対称に形設される構造になっている。同様に、第3の支柱1c、その支持片2c1および支持片2c2は、それぞれ第4の支柱1d、その支持片2d1および支持片2d2と中心軸mを軸対称に形設された構造になる。ここで、第1の支柱1aとこれに取り付けられた支持片、および、第2の支柱1bとこれに取り付けられた支持片は、ほぼ同一形状に形成されることになる。同様に、第3の支柱1cとこれに取り付けられた支持片、および、第4の支柱1dとこれに取り付けられた支持片もほぼ同一形状に形成される。
そして、第1の支柱1a、その支持片2a1および支持片2a2は、第3の支柱1c、その支持片2c1および支持片2c2と鏡映対称になるように形成すると好適である。同様に、第2の支柱1b、その支持片2b1および支持片2b2は、第4の支柱1d、その支持片2d1および支持片2d2と鏡映対称になるように形成するとよい。
更に、図1に示すように、第1の支柱1aと第3の支柱1cは、それぞれの支柱に支持片2a1と2c1あるいは支持片2a2と2c2を取り付ける加工が同時にできるように互いに隣接して配置されると好適である。同様に、第2の支柱1bと第4の支柱1dは、それぞれの支柱に支持片2b1と2d1あるいは支持片2b2と2d2を取り付けるための加工が同時にできるように互いに隣接して配置されると好適である。ここで、各支柱に取り付けられる支持片は、それぞれの支柱の研削加工、機械加工により切り出し成形される。あるいは、これ等の支柱と支持片は、別体に形成した各素材を組み立て加工することによっても形成できる。
そして、上記4本の支柱は、石英、Si、SiCあるいはSiCとSiの複合体のいずれかから選択された同一基材により同一形状に形成される。同様にして、これ等の支柱に取り付けられる各支持片も、石英、Si、SiCあるいはSiCとSiの複合体のいずれかの基材から選択された同一基材により同一形状に形成されるとよい。また、場合によっては、各素材あるいは組み立てられたものは、その表面にいわゆるCVD(化学気相成長)により高純度のSiC皮膜あるいはSi皮膜を形成させ、各素材からの金属放出を防止するようにしてもよい。
このようにして、縦型ボートの4本の支柱に取り付けられる腕状の支持片は、天板から底板の上下に間隔をおいて所要の複数段に取り付けられる。そして、各段の4つの支持片、例えば4つの支持片2aj、2bj、2cj、2dj(j=1,2又は正整数)は、4本の支柱における支持面の高さ位置を高精度に同じにすることが容易になる。
また、半導体ウェーハの熱処理において、縦型ボートを構成する各部材の熱膨張が一様になり、上述した4本の支柱における支持面の高さ位置が同じに保たれるようになる。なお、図1に示した支柱は、その断面形状が矩形状になる場合の例であるが、断面形状が円状、楕円状、三角形、五角形以上の多角形となる場合であっても構わない。
次に、本実施形態の縦型ボートの支持片による半導体ウェーハの支持について説明する。図2に示されるように、各半導体ウェーハWは、4個の支持片2a、2b、2cおよび2dにより支持される。ここで、各支持片の先端近くに半導体ウェーハWの裏面と接し支持する支持面3が形成され、この4つの支持面3は半導体ウェーハWの周縁部より内方側の同一円周上にあり互いに等間隔に離間している。例えば、図1に示した中心軸mが半導体ウェーハW面の中心を通る場合は、ウェーハ中心とし略90度回転した位置に4つの支持面が配置されることになる。
半導体ウェーハWを熱処理する場合、多数枚の半導体ウェーハをそれぞれ複数段に水平に支持する縦型ボートが縦型炉内に挿入される。そして、各半導体ウェーハは強い自重応力と熱応力を受け、その塑性変形が生じ易い環境に曝される。ここで、図2に示したような4つの支持面3により半導体ウェーハWを支持する構成にすると、ウェーハの重さが支持面3に均等に配分される。また、半導体ウェーハWの周縁部より内方側の同一円周上にある支持面3で支持することから、従来技術で生じていたウェーハ中心領域が下方側に撓むことが抑制される。このようにして、ウェーハの自重応力による結晶歪が極めて効果的に緩和される。そして、このような自重応力と熱応力とが相乗する効果によるウェーハの反り等の塑性変形およびそれによるスリップ転位が大きく低減する。
例えば、従来技術における縦型ボートでは、熱処理においてウェーハ中心領域が下方側に凸状に撓み、それに高温による大きな熱応力が加わって、ウェーハ表面が凹状に反るという塑性変形が生じ易かった。本実施形態の縦型ボートではこのようなウェーハの反りは大幅に低減する。また、実施例で後述されるが反り量も大幅に低減するようになる。
なお、1枚のウェーハを支持する支持面が多い程、自重応力による歪が緩和され易くなるように考えられるが、実際には、5つ以上の支持面により1枚のウェーハを支持する構造の場合には、上記歪の緩和効果の増大の度合いは低下し、逆にそれ等の支持面の高さ位置の制御が難しくなり、余り有効にならない。
また、支持面3が半導体ウェーハWの周縁部より内方側の同一円周上に沿って支持することにより、もともと熱応力が大きくなるウェーハ周縁部にウェーハの撓みによる自重応力の集中するのが防止され、その領域でのスリップ転位の発生が大きく抑制される。
各支持片2a、2b、2cおよび2dには、図3に示すような構造の支持面3、テーパー部4、面取り加工部5が形成され、それぞれの支持面3が半導体ウェーハWの裏面に接触し支持する。ここで、各支持面3は所定の面積を有し、例えば半導体ウェーハWの表面積の1%程度で充分である。支持面3の面積が小さくなると単位面積の加重が増大し、後述する熱応力による歪の影響を受けスリップ転位の発生が起こり易くなることから、支持面3は適宜の大きさの面積にする。そして、この適宜の面積をもつ4つの支持面3は、半導体ウェーハWの周縁部より内方側の同一円周上に沿って、互いに等間隔に離間して形成されることになる。
また、支持面3の表面の粗さは、その平均粗さをRaとして0.4μm以下であることが好ましい。
半導体ウェーハの熱処理において発生する熱応力は、温度の不均一性の他に、互いに支持面3を介して接触する支持片2と半導体ウェーハWの熱膨張係数の違いに起因するものが大きい。例えば、支持片2が石英製であり、半導体ウェーハWがシリコンウェーハの場合、シリコンウェーハは、その熱膨張係数が支持片2に較べて極めて大きくなる。このため、その昇温時において、支持面3の水平方向に熱膨張することから支持片2からせん断力を受け、支持面3の表面粗さが大きくなると、熱膨張に伴う支持面3によるせん断力が増大し、シリコンウェーハの接触する支持面において局所的な軟化による支持片2への溶着が起こるようになる。この溶着が発生すると、今度はその降温時において、半導体ウェーハWは熱膨張係数の違いによる強い熱応力を受けて、溶着領域においてスリップ転位が多発するようになる。このような現象は、平均粗さRaが0.4μmを越えてくると顕著になる。
また、図3に示すように、支持片2のテーパー部4は、その水平からの傾斜角度をθとして、傾斜角度θは0.5度以上になっていると好適である。ここで、支持片2自体が、支柱1から支持面3にかけて上方に傾斜する構造になっていても構わない。
ここで、傾斜角度θが0.5度未満になっていると、上記熱膨張により半導体ウェーハWの周縁部が支持片2の上方側で接触し、支持片2が半導体ウェーハWの周縁部を支持することが生じる。そして、その周縁部でのスリップ転位の発生が従来技術のように抑制できなくなる。なお、傾斜角度θが大きくなるに従い、複数段に積載する半導体ウェーハW間の離間距離が必然的に増加し、その積載量が低減して生産性が低下することから、傾斜角度θは適宜に上限が決められる。
また、支持片2は、その最先端が例えば湾曲等の曲面状に面取り加工されていることが好ましい。
これは、半導体ウェーハWの熱処理における昇降温時に、互いに接触する支持片2と半導体ウェーハWの熱膨張係数の違いに起因した接触の端部への熱応力集中を緩和させるために極めて有効である。例えば、従来技術で行われているウェーハ支持部材の角部におけるC面取り仕上げあるいは糸面取り仕上げは、上記接触の端部での熱応力集中による半導体ウェーハWの結晶欠陥を誘起し易い。ところが、上記曲面状の面取り加工を施すことにより、スリップ転位等の結晶欠陥が大幅に低減するようになる。
上記実施形態では、上述したように、例えばシリコンウェーハのような半導体ウェーハの例えば1200℃以上の高温熱処理の際の塑性変形、スリップ転位発生およびウェーハ溶着等を極めて効果的にしかも安定して防止あるいは抑制することが可能になる。そして、その熱処理においてウェーハの金属不純物汚染は容易に低減される。
上述した熱処理用縦型ボートにおいて、半導体ウェーハWの周縁部より内方側の同一円周上にあり互いに等間隔に離間する4つの支持面3は、2本の支柱に取り付けた構成にすることも容易である。例えば、各1本の支柱に2つの支持片が形成された構造にすることも可能である。ここで、縦型ボートのバランスを考慮して、支持面3が取り付けられない余分の支柱が付加される構造にしても構わない。また、複数段の半導体ウェーハWの積載において、上下段の支持片が互いに重ならないような構造にしてもよい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。実施例とその比較例において作製した縦型ボートを用い、それぞれ300mmφのシリコンウェーハ100枚を積載し高温熱処理を行った。ここで、シリコンウェーハにはその表面/裏面にいわゆる両面研磨が施されている。そして、その熱処理条件は、温度1200℃、1時間の処理時間、Hの雰囲気ガスである。そして、熱処理後のウェーハの反り量、ウェーハ面でのスリップ転位、上記溶着等について測定した。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものでないことに言及しておく。
(実施例)
縦型ボートの基材は、支柱、支持片ともにSiCである。そして、図1および図2で説明したように、4本の支柱1にそれぞれ1つの支持片2を取り付け、1枚のシリコンウェーハを4つの支持面3により支持する構造にした。支持面3は、その表面粗さが平均粗さRa=0.2μmとなるように研磨し作製した。また、支持片2には傾斜角度θが1度のテーパー部4を形成した。更に、支持片2の最先端には、曲率半径が2mmの湾曲面となる面取り加工部5を形成した。
(比較例)
縦型ボートの基材は、実施例と同じように支柱、支持片ともにSiCである。そして、この場合には、図4に示すようにいわゆる1本のリア支柱と2本のフロント支柱の3本の支柱にそれぞれ1つの支持片2を取り付け、1枚のシリコンウェーハをこれ等の3つの支持面3により支持する構造にした。支持面3は、その表面粗さが平均粗さRa=0.6μmとなるように作製した。また、支持片2には実施例の場合と同様に1度のテーパー部4を形成した。更に、支持片2の最先端は、糸面取り仕上げに形成した。
(評価)
上記実施例および比較例における縦型ボートを用いた熱処理後のシリコンウェーハの反りは、図5に示すように、上記100枚のウェーハの平均値において比較例の場合を1とすると、実施例では0.3程度と大幅に低減した。
また、熱処理後のシリコンウェーハに誘起されたスリップ転位の最大スリップ長は、図6に示すように、上記100枚のウェーハの平均値において比較例の場合を1とすると、実施例では0.1程度と大幅に低減した。
更に、熱処理後のシリコンウェーハの裏面に残存する溶着痕の高さは、図7に示すように、比較例では上記100枚のウェーハにおいて0〜20μm弱の範囲でばらついて発生していた。これに対して、実施例では上記100枚のウェーハにおいて0〜1μmの範囲に安定して大きく低減することが判った。
以上のことから、本実施形態で説明したように、4つの支持面により1枚の半導体ウェーハを支持する構造の熱処理用縦型ボートが、半導体ウェーハの高温熱処理において、その塑性変形の低減、スリップ転位発生の抑制、その接触部でのウェーハ溶着の低減に極めて有効に働くことが確認された。実施例では説明しなかったが、その他に、金属不純物の汚染も従来のラダーボートおよびリングボートに比し大きく抑制されること、更に、熱処理における1バッチ当たりのウェーハの積載量の増加、熱処理における昇降温時間の短縮による生産性の向上が確認された。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、上述した実施形態は本発明を限定するものでない。当業者にあっては、具体的な実施態様において本発明の技術思想および技術範囲から逸脱せずに種々の変形・変更を加えることが可能である。
上記実施形態の熱処理用縦型ボートは、特に、例えばシリコンウェーハの高温処理の場合に好適であるが、その他の酸化、拡散等の熱処理においても同様な効果を奏する。また、支持面が形成される支持体としては種々の態様が考えられるが、上述したような4つの支持面が形成されるものであればどのようなものであってもよい。
本発明の実施形態にかかる熱処理用縦型ボートの一例を示す一部拡大斜視図である。 本発明の実施形態における上記縦型ボートの支持面にウェーハを載置した状態を示す平面図である。 本発明の実施形態における上記縦型ボートの支持面にウェーハを載置した状態の一部拡大断面図である。 本発明の実施形態における比較例の縦型ボートの支持面にウェーハを載置した状態を示す平面図である。 本発明の実施例における効果を示すグラフである。 本発明の実施例における効果を示す別のグラフである。 本発明の実施例における効果を示す更に別のグラフである。 従来の技術にかかる熱処理用縦型ボートを示す模式的な斜視図である。 従来の技術における上記縦型ボートの支持面にウェーハを載置した状態を示す平面図である。
符号の説明
1 支柱
1a 第1の支柱
1b 第2の支柱
1c 第3の支柱
1d 第4の支柱
2,2a、2a1、2a2、2b、2b1、2b2 支持片
2c、2c1、2c2、2d、2d1、2d2 支持片
3 支持面
4 テーパー部
5 面取り加工部
W 半導体ウェーハ
m ボート中心軸

Claims (8)

  1. 半導体ウェーハの支持面を備えた支柱により上下に間隔をおいて複数の半導体ウェーハを複数段に水平に保持する熱処理用縦型ボートであって、
    前記半導体ウェーハの周縁部より内方側の同一円周上に沿い互いに等間隔に離間している4つの支持面が前記半導体ウェーハを支持することを特徴とする熱処理用縦型ボート。
  2. 前記支持面は、前記支柱から前記内方側に向かって伸び出す腕状の支持体の上方側に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の熱処理用縦型ボート。
  3. 前記支持面の表面の平均粗さRaが0.4μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱処理用縦型ボート。
  4. 前記支持体の上方側は、前記支柱から前記支持面にかけて上方に傾斜し、その水平からの傾斜角度が0.5度以上になっていることを特徴とする請求項2又は3に記載の熱処理用縦型ボート。
  5. 前記支持体は、その内方側の最先端が曲面状に面取り加工されていることを特徴とする請求項2ないし4のいずれか一項に記載の熱処理用縦型ボート。
  6. 4本の支柱が天板と底板との間に平行に固定して設けられ、そのうちの2本の支柱および該支柱のそれぞれに備えられた支持面は、前記天板および前記底板の中心を結んだ中心軸を軸対称に配置され、同様に、残り2本の支柱および該支柱のそれぞれに備えられた支持面も前記中心軸を軸対称に配置されていることを特徴とする請求項1ないし5のうちいずれか一項に記載の熱処理用縦型ボート。
  7. 前記2本の支柱のうちの1本の支柱および該支柱に備えられた支持面と、前記残りの2本の支柱のうちの1本の支柱および該支柱に備えられた支持面とは、鏡映対称に形成されていることを特徴とする請求項6に記載の熱処理用縦型ボート。
  8. 前記2本の支柱のうちの1本の支柱と、前記残りの2本の支柱のうちの1本の支柱とは、それぞれの支柱に前記支持面を取り付ける加工が同時にできるように互いに隣接した位置に配置されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の熱処理用縦型ボート。
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