JP2009076280A - パック電池の制御方法 - Google Patents

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Abstract


【課題】 抵抗加熱型ヒューズの不具合において、パック電池が異常に加熱されることがないパック電池の制御方法を提供することを目的とする。
【解決手段】
二次電池1を含むパック電池Aが異常状態になったときにオフからオンに切り換えられるスイッチング素子SWHと、このスイッチング素子SWHと電池1に直列に接続されて、スイッチング素子SWHがオンにして電流が流れる加熱抵抗Rと、電流が流れる加熱抵抗Rに加熱される位置に配設されると共に、電池1と直列に接続されて、電流が流れて高温になる加熱抵抗Rに熱溶断されて電池に流れる電流を遮断するヒューズHからなる抵抗加熱型ヒューズ10とを備えるパック電池Aにおいて、異常状態になったとき、所定時間、スイッチ素子SWHをオフからオンする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、パック電池の制御方法に関する。
下記特許文献1、文献2には、種々の電池異常の検出について開示され、二次電池が劣化したり、各電池の特性が大きくばらついたり、またはいずれかの電池が短絡している等、正常に使用できない状態となっていることを検出して、電池に直列に接続されたヒューズを、該ヒューズを加熱できる位置に配設された加熱抵抗に電流を通電させることにより、熱溶断して、パック電池を使用できなくすることが記載されている。また、特許文献2においては、加熱抵抗に流れる電流を定電流に制御して、加熱する電流を最適にすることが記載されている。そして、このようなヒューズと加熱抵抗とを組み合わせた抵抗加熱型ヒューズが、既に、市販されている。
特開平9−261883号 特開2000−340267号
このようなパック電池において、電池異常時に、ヒューズを熱溶断するために、加熱抵抗に電流を通電するとき、以下の問題が発生するときがある。
抵抗加熱型ヒューズ自体に不具合がある場合、通電した状態で、ヒューズが溶断されず、加熱抵抗が異常に発熱し、パック電池が異常に加熱され、パック電池の外側の樹脂製ケースを、溶融する場合があった。
本発明は、このような問題点を解決するために成されたものであり、抵抗加熱型ヒューズの不具合において、パック電池が異常に加熱されることがないパック電池の制御方法を提供することを目的とする。
本発明は、二次電池を含むパック電池が異常状態になったときにオフからオンに切り換えられるスイッチング素子と、このスイッチング素子と電池に直列に接続されて、スイッチング素子がオンにして電流が流れる加熱抵抗と、電流が流れる加熱抵抗に加熱される位置に配設されると共に、電池と直列に接続されて、電流が流れて高温になる加熱抵抗に熱溶断されて電池に流れる電流を遮断するヒューズからなる抵抗加熱型ヒューズとを備えるパック電池において、前記異常状態になったとき、所定時間、前記スイッチ素子をオフからオンすることを特徴とする。
また、本発明は、二次電池を含むパック電池が異常状態になったときにオフからオンに切り換えられるスイッチング素子と、このスイッチング素子と電池に直列に接続されて、スイッチング素子がオンにして電流が流れる加熱抵抗と、電流が流れる加熱抵抗に加熱される位置に配設されると共に、電池と直列に接続されて、電流が流れて高温になる加熱抵抗に熱溶断されて電池に流れる電流を遮断するヒューズからなる抵抗加熱型ヒューズとを備えるパック電池において、前記ヒューズに熱的に結合された温度検出素子を備えて、前記異常状態になったとき、前記スイッチ素子をオフからオンにして、前記加熱抵抗に電流を流し、前記温度検出部から検出される温度が所定値を超えると、前記スイッチ素子をオンからオフにして、前記電流を停止することを特徴とする。
本発明においては、異常状態になったとき、所定時間、加熱抵抗に電流を流すので、抵抗加熱型ヒューズ自体に不具合があってヒューズが溶断されない場合でも、加熱抵抗が、異常に発熱することがない。
また、異常状態となったとき、加熱抵抗に電流を流し、温度検出部から検出される温度が所定値以上になると電流を停止するので、抵抗加熱型ヒューズ自体に不具合があってヒューズが溶断されない場合でも、加熱抵抗が、異常に発熱することがない。
本発明の実施例を、図を用いて詳細に説明する。まず、図1を用いて、本発明の実施例のパック電池Aの回路構成、動作、機能を説明し、その後、本発明の特徴について説明する。図1に示すように、本実施例においては、パック電池Aと、これを充電する電源を備える電子機器である携帯機器PCとを備えている。携帯機器PCは、ノート型のような携帯型パーソナルコンピュータである。パック電池Aは、通常、携帯機器PCに着脱自在に装着される構造である。携帯機器PCには、コンセントからの交流商用電力を直流電力に変換するアダプター(図示せず)から出力される直流電力が供給され、この電力を制御し、供給するマイコンを内蔵する制御・電源手段Sを備えている。制御・電源手段Sからの電力出力は、パック電池Aを充電するのに利用されたり、携帯機器PCの負荷Lに電力供給される。また、商用電力より電力供給がない場合は、パック電池Aより電力が供給され、電源回路S及び負荷Lを駆動させる。
パック電池Aにおいては、リチウムイオン電池又はニッケル水素電池等の二次電池1と、電池1の充放電時の電流を検出する抵抗等からなる電流検出部2と、電池1の充放電を監視、制御するマイクロプロセッサーユニット(以下、MPUと記す)とを備えている。また、パック電池A内には、電池1に密接して配置されたサーミスタを含む温度検出部3が設けられている。
本実施例においては、電池1は図示されるように、電池セル11,12,13、電池セル21,22,23、電池セル31,32,33を、3並列に電気接続して、ブロックP1、P2、P3とし、これらブロックP1、P2、P3を直列接続している。このような電気接続においては、電池セルの正極、負極に平板状金属片であるタブをスポット溶接等により接続して、電気接続している。電池セルには、リチウムイオン2次電池の場合は、約2000mAh/セル程度の容量のものを使用する。
MPUにおいては、トータル電池電圧(測定箇所d)、各ブロックP1〜P3の電圧、電流検出部2からの出力、温度検出部3からの出力のアナログ電圧が入力され、デジタル変換し、実電圧[mV]や実電流値[mA]等に換算するA/D変換部4が設けられている。そして、A/D変換部4からの出力が、制御手段としての充放電制御・演算部5に入力されて、演算、比較、判定等が行われて、この制御・演算部5からの信号で、スイッチングトランジスタ等からなる制御素子7をオンオフ制御する。
つまり、制御・演算部5においては、充放電電流を積算して残容量を演算処理したり、電池1の満充電を検出したり、異常電流、異常温度、異常電圧の検出時等に、充放電を制御する。そして、スイッチングトランジスタ等からなる制御素子7は、オンオフ制御され、異常電流、異常温度、異常電圧の検出時に、制御・演算部5からの制御信号で電流を遮断する。周知技術を利用して、制御・演算部5においては、A/D変換部4によって変換された充放電電流に測定単位時間(例えば、250msec)を掛け算した値を積算し、放電時においては満充電から積算量を引き算し、或いは、充電時においては充電開始時の残容量より積算量を加算する。このような演算により、電池1の残容量(Ah)を算出している。このような電流積算の残容量に代わって、測定時点での電圧と、電流と、測定単位時間とを掛け算した値を積算した電力の積算量(Wh) を、残容量としても良い。
また、制御・演算部5においては、各種データをメモリーに記録している。CPU(Central Processing Unit)を含む制御・演算部5は、種々のメモリーを備えている。パック電池Aの動作を制御するプログラムを保存するプログラムメモリを備え、プログラムメモリは、不揮発性の記憶媒体である。ROM(Read Only Memory)には、プログラムの実行時に必要なデータなどがあらかじめ記憶される。RAM(Random Access Memory)は、プログラムの一部や、各種データを一時的に記憶する。この他に、不揮発性メモリとしてEEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)又はFlashMemoryを備えており、EEPROM又はFlashMemoryには、CPUに実行させるソフトウェアや設定データや、MPUのシャットダウンが発生しても保存が必要なデータ(例えば、学習容量、サイクル数、異常時のデータ等)などをシャットダウンより前に記憶するとともに、これらを随時書き換えることが可能となっている。
更には、制御・演算部5においては、各種のタイマー、カウンターを備えており、時間計測、回数の計測等に利用される。
また、制御・演算部5において、満充電の検出については、電池1がニッケル水素電池等の場合は、ピーク電圧を検出したり、電池電圧の−ΔV(=電圧低下)を検出したり、演算された残容量を利用したり等の周知の方法にて検出している。電池1がリチウムイオン電池の場合は、電流、電圧を規制した定電流(MAX電流0.5〜1C程度)・定電圧(MAX4.2V/セル程度)充電を利用し、電圧が所定値以上、電流が所定値以下の条件のとき、満充電とする。満充電を検出したとき、制御・演算部5は残容量を100%とする情報を出力する。満充電の情報は、通信ラインを介して、電子機器に送信されることもできる。
ここで、制御・演算部5は、充電電流、放電電流を遮断するために、制御素子7であって、充電用制御素子としてpチャネル型FETである充電用FET素子71、放電用制御素子としてpチャネル型FETである放電用FET素子72に対して、オンオフ制御する信号を発する。なお、pチャネル型FETに代わって、チャージポンプを利用してnチャネル型FETの充電用FET素子、放電用FET素子を利用することも可能であり、このときは、後述する予備充電用FET素子74はpチャネル型FETを利用する。
制御・演算部5においては、リチウムイオンであるとき電池1の電圧が、過充電電圧以上(例えば、4.2V以上)になると、充電用FET素子71をオフ制御するために、オフ信号(素子71がpチャネル型FETのゲートに印加するため、オフ信号の電圧は、High電圧の信号に相当する)を、ポートCHより発する。また、電池1の電圧が、過放電電圧以下(例えば、2.7V/Cell以下)になると、放電用FET素子72をオフ制御するために、オフ信号(素子72がpチャネル型FETのゲートに印加するため、オフ信号の電圧は、High電圧の信号に相当する)を、ポートDSCより発する。なお、上述のように、素子71、72のpチャネル型FETのゲートに印加するため、オフ信号の電圧は、High電圧の信号に相当し、オン信号の電圧は、Low電圧の信号に相当する。また、過充電状態においては、制御・演算部5よりポートCHにオフ信号が発せられることより、充電は停止される。このときは、携帯機器PCが放電すると、DSCはオン信号であるので、放電用FET素子72がオン状態で、オフ状態の充電用FET素子71の寄生ダイオード71Bを介して、放電できる。また、過放電状態においては、制御部5よりポートDSCにオフ信号が発せられることより、放電は停止される。このときは、携帯機器PCが充電すると、CHはオン信号であるので、充電用FET素子71がオン状態で、オフ状態の放電用FET素子72の寄生ダイオード72Bを介して、充電できる。
また、本実施例のパック電池Aにおいては、リチウムイオン電池1が過放電電圧以下の状態に保持された場合に、上述の通常の充電に代わって、低下させた電流値で予備的に充電を行う予備充電回路73を備えている。この予備充電回路73は、充電電流を低下させるための抵抗75と、制御・演算部5の指示で、ポートPCHからのオンオフ信号で制御される予備充電用FET素子74を備えている。このような予備充電回路73により、充電開示時の電池電圧が過放電電圧以下等の場合は、制御・演算部5は、ポートCHよりオフ信号を発して充電用FET素子71をオフ状態として、ポートPCHよりオン信号を発して予備充電用FET素子74をオン状態とする。このような動作により、携帯機器PCより充電電流が供給されると、充電電流は、抵抗75にて低減され、オン状態の予備充電用FET素子74を介して、電池1は充電される。そして、充電開始から所定時間(例えば、90分)以内に、電池電圧が所定値(例えば、3.0V/セル)以上になれば、制御・演算部5は、予備充電用FET素子74をオフ状態とし、充電用FET素子71をオン状態として、上述のような通常の充電を行う。また、充電開始から所定時間(例えば、90分)以内に、電池電圧が所定値(例えば、3.0V/セル)未満であれば、電池が劣化して、正常に充電できないとして、異常と判定し、充電を停止する。このような異常の判定結果は、適宜、通信処理により、携帯機器PC側に伝達される。なお、このようなパック電池A内の予備充電回路73については、パック電池内の予備充電回路73をなくし、フ゜充電電源を備えるPC本体側に予備充電回路を備えても良い。このとき、各ブロックの電池電圧は、通信処理により、パック電池Aからの情報を、PC本体側で、得ることができる。 また、MPUにおいては、電池電圧、残容量、充放電電流値等の各種の電池情報、各種指令の情報を、携帯機器PCの制御・電源手段Sに伝送する通信部9を備えている。パック電池Aと携帯機器PCとの通信処理は、以下のように、通信部9にて行われる。通信部9は、電池電圧、残容量、充放電電流値等の各種の電池情報を携帯機器PCが受信できる信号データに作成する通信データ作成部と、実際に通信を行うためのドライバ部と備え、残容量を算出するための各種パラメータの記憶や諸々のデータを記憶する為の制御・演算部5内メモリを利用する。また、電子機器からバッテリパックの各種情報の送信要求をドライバ部にて受け、通信データ作成部にて作成されたデータをドライバ部から電子機器に送信する。通信方式としては、周知技術であるSMBus方式等が利用でき、2つの通信ラインであるデータラインSDA、クロックラインSCLを介して、データ信号等を送信、受信する機能を備えている。
パック電池Aは、携帯時等の商用電力を利用できないときに利用されるので、通常、携帯機器PCに商用電力が供給できる場合等は、電池1は満充電に近い状態で保管される。また、停電の発生は、通常、非常に少ないので、電池1の残容量の低下は、電池の自己放電及びパック電池A内の電力消費より発生する。充放電制御・演算部5で、電池1の残容量が、自己放電、回路の電力消費等により、再充電容量に到達したら再充電を開始する。そして、再充電容量は、満充電容量から所定時間あたりの電流値の積算を減算して求めても良く、また、再充電容量に対応した電池電圧より求めても良い。また、再充電容量は、再充電容量を90%としている。
本実施例においては、制御・演算部5では、以下のように処理して、残容量を得る。制御・演算部5は、電池1を放電して、後述する電池1の総容量である総放電量(=学習容量)から放電容量を減算して、電池1の残量を電流の積算量又は積算量(Ah)として演算する。また、制御・演算部5においては、放電中、(総容量−積算量)/(総容量)=残存容量率の関係式より、電池1の残存容量率(%)を演算する。充電容量は、電池1の充電電流の積算量で、あるいはこれに充電効率をかけて演算される。放電容量は、放電電流の積算量、あるいは放電効率を考慮して演算される。積算部5は、電流の積算に代わって、電力の積算量(Wh)で残量を演算することもできる。電力の積算値は、充電電力から放電電力を減算して演算される。
ここでは、その時点での電池の総容量(=学習容量)としては、満充電した状態から完全に放電されるまでの放電の積算容量(Ah又はWh)でも、電池1を完全に放電した状態から満充電されるまでの充電の積算容量(Ah又はWh)でもよい。 また、これ以外の方法でも、総容量が得られるのであれば、その時点での電池の総容量としても良い。
放電が進んで、制御・演算部5は、A/D変換部4から入力される電圧信号で、残量を補正する。A/D変換部4から、電池1の電圧において、各ブロックの電圧で一番低い電圧が第1電圧に到達、低下したことを示す信号が入力されると、制御・演算部5は第1電圧(例えば、リチウムイオン電池3.6V/セル)に対応して予め設定されている第1残存容量(率)Ya1(例えば、8%)により、算出した残存容量率を補正する。
即ち、第1残存容量Ya1を残存容量8%とすると、制御・演算部5は、算出した残存容量が9%になると、二次電池1 の電池電圧が第1電圧V1に低下するまで、残存容量として9%を保持する。一方、算出した残存容量が9%以上の場合に、二次電池1の電池電圧が第1電圧V1に低下すると、その時点で、制御・演算部5は、算出した残存容量の値を8%に補正する。
さらに、放電が進んで、電池1の電圧が所定の放電終止電圧に低下したことを示す信号が入力されると、制御・演算部5は演算した残量を0に補正する。電池電圧が放電終止電圧まで低下すると、電池1の実際の容量は、下限容量として、0になるからである。そして、制御・演算部5は、放電開始から放電終止電圧までの放電電流積算量を、総放電量(=総容量)として演算、保存する。
そして、制御・演算部5は、総放電量(=学習容量)の得た後、次の総放電量が得られるまで、この総放電量を利用する。また、第1残存容量(率)に対応した第1電圧に加えて、これより少ない容量(例えば、3%)での第2残存容量(率)に対応した第2電圧でも、算出した残存容量率を補正しても良い。また、上述の残存容量(率)に対応した第1電圧、放電終止電圧等については、電流、温度に依存するので、使用時において電流、温度を基に補正した電圧を利用することも可能である。
本実施例においては、充放電制御・演算部5は、後述する異常状態が検出されたとき、通信処理部9を介して、携帯機器PC側に通信する。そして、充放電制御・演算部5は、パック電池Aの使用の中止するために、電池1と直列に設けたヒューズH、Hを溶断する。このようなヒューズH、Hを含む抵抗加熱型ヒューズ10は、一般に販売されているもので、図1に示すように、ヒューズH、Hの中間点に、並列接続された加熱抵抗R、Rを接続した構造である。そして、斯るヒューズH、Hを遮断するために、加熱抵抗R、R、ヒューズH、Hに熱的に結合されている。 抵抗加熱型ヒューズ10と、これに直列接続されたFET等のスイッチング素子SWHからなる遮断回路を、二次電池1の正極側と負極側との間に接続し、充放電制御・演算部5が該スイッチング素子SWHのゲート信号を制御する構成である。異常状態が検出されたとき、充放電制御・演算部5がスイッチング素子SWHをオフ状態からオン状態とすると、電池1又は携帯機器PCから加熱抵抗R、Rに加熱のため電流が流れる。よって、加熱抵抗R、Rが発熱し、ヒューズH、Hが熱溶断する。これにより、これ以後、パック電池Aの使用をできなくすることができる。
本実施例においては、例えば、以下の異常状態が検出される。しかし、これら以外の異常においても、本発明は利用できる。
*電池電圧が、所定値(望ましくは、4.21〜4.40V/セルの範囲で、例えば、4.25V/セル)を超えたとき、異常と判定する。
*電池を充電するとき、充電した容量が、規定値以上となっても、満充電を検出せず、充電されるとき、異常と判定する。この規定値は、130〜200%の容量に設定し、例えば、150%に設定する。
*充電中、放電中、電流がないとき(パック電池A単体で放置したとき、ACの商用電力で携帯機器PCを駆動中で電池を使用しないとき)に、温度が所定値(望ましくは、70〜90℃の範囲で、例えば、80℃)を超えたとき、異常と判定する。
*セル内でショート或いはショートに至る現象(=マイクロショート)が発生している場合、異常と判定する。放電、充電の電流がないときで、各ブロックセルにおいて、所定時間(15分〜60分程度で、例えば、30分)における電圧の変化が所定値(10〜50mV程度で、例えば、20mV)以上のとき、異常と判断する。また、放電、充電中においては、各ブロックセルにおいて、所定時間(例えば、3分間)の電圧変化が50mV以上であり、かつ、他ブロックセルの電圧変化より、略2倍以上変化していると、異常と判断する。
*充電中、放電中、セルを3並列したブロックP1〜P3を直列した電池1において、ブロックの直列接続が維持された状態で、特定のブロックで1つ又は2つのセルの電気接続が外れる異常(以降、タブ外れ異常という)が発生したとき、異常と判定する。このようなタブ外れ検出の場合は、1.5Aの電流が流れたときに、3並列セルのブロックがタブ外れで2並列セルのブロックになったとすると、1セル当りの電流が大きくなり、大きくなった電流によりセル電圧の変化も大きくなる。例えば、充電、放電中に、セル当りの変化の例として、3並列セルのとき、1セルに500mA、所定時間(例えば、3分間)の電圧変化が45mV以上であるとき、1セルがタブ外れを起したなら、2セルとなって、各セルに増加した大きな電流750mAが流れ、これにより、所定時間(例えば、3分間)の電圧変化も大きな値(例えば、70mV)となる。制御・演算部5がこの電圧変化を検出して、タブ外れとして異常を検出する。具体的には、制御・演算部5が、各ブロックの電圧変化を検出し、特定のブロックにおいて3分間での変化が所定値(例えば、50mV)以上であり、同時時期の他ブロックの電圧変化より略2倍以上変化しているとき、タブ外れ異常と判定する。
次に、本発明の特徴について、説明する。
前述の説明のように、異常状態が検出されると、スイッチング素子SWHをオフ状態からオン状態として、加熱抵抗Rに電流が流れ、加熱抵抗R、Rが発熱し、ヒューズH、Hが熱溶断する。しかしながら、抵抗加熱型ヒューズ10自体に不具合がある場合、通電した状態で、抵抗加熱型ヒューズ10において、ヒューズHが溶断されず、加熱抵抗Rが異常に発熱し、パック電池Aが異常に加熱され、パック電池Aの外側の樹脂製ケース(図示せず)を、溶融する場合がある。これを防止するため、本実施例は、以下の機能を備える。
上述の異常状態が検出されたとき、充放電制御・演算部5が、オフ信号(Low信号)からオン信号(High信号)を出力して、スイッチング素子SWHをオフ状態からオン状態とすると、電池1又は携帯機器PCから加熱抵抗R、Rに加熱のため電流が流れる。制御・演算部5において、オフ信号からオン信号となったとき、換言するなら、異常状態が検出された時点から、タイマーの計時を開始する。そして、タイマーにて所定時間が経過すると、制御・演算部5は、オン信号からオフ信号を出力して、スイッチング素子SWHをオン状態からオフ状態にする。よって、ヒューズHが溶断されていないとき、抵抗加熱型ヒューズ10の加熱抵抗Rに流れる電流を停止する。これにより、抵抗加熱型ヒューズ10が正常、通常であれば、ヒューズHが溶断され、また、抵抗加熱型ヒューズ10が異常で、通電しても、ヒューズHが溶断されないのであれば、所定時間が経過したら通電を停止することより、加熱抵抗Rが異常に発熱することはない。なお、タイマーに設定される所定時間に時間については、抵抗加熱型ヒューズ10が正常、通常であれば、通電によりヒューズHが確実に溶断され、そして、継続して通電しても、ケース等が溶融しない時間(望ましくは、30秒〜3分の範囲で利用でき、例えば、90秒)を利用する。
次に、本実施例の制御方法について、図2のフローチャートを用いて、工程毎に説明する。ステップS1においては、制御手段としての充放電制御・演算部5において、上述のような異常状態の検出があったとき、抵抗加熱型ヒューズ10のヒューズHを溶断するFuse溶断処理を行う判定をする。続いて、ステップS2において、制御・演算部5が、オフ信号からオン信号を出力することで、Fuse溶断信号を出力して、スイッチング素子SWHをオフ状態からオン状態として、通電状態とし、加熱抵抗Rに加熱のため電流が流れる。
制御・演算部5において、オフ信号からオン信号となったとき、換言するなら、異常状態が検出された時点から、タイマーの計時を開始し、ステップ3において、所定時間が経過したかどうかが判定される。NOの場合(=所定時間が経過しない場合)は、所定時間が経過するまで、オン信号が継続され、スイッチング素子SWHがオン状態となり、加熱抵抗Rに電流が流れる。通常であれば、所定時間内であれば、加熱抵抗Rの通電による発熱により、ヒューズHが溶断される。
ステップ3において、Yesの場合(=所定時間が経過した場合)、ステップ6において、制御・演算部5は、オン信号からオフ信号を出力することで、Fuse溶断信号を停止して、スイッチング素子SWHをオン状態からオフ状態にする。よって、抵抗加熱型ヒューズ10自体に不具合により、ヒューズHが溶断されていないとき、抵抗加熱型ヒューズ10の加熱抵抗Rに流れる電流を停止する。
次に、本発明の他の実施例を、図3を用いて、以下に説明する。
本他の実施例は、上述の実施例に、機能、構成を追加したものであり、図3に示す回路構成において、図1と同じ構成については、同符号を付し、説明を省略する。
本他の実施例においては、抵抗加熱型ヒューズ10の温度を検出する第2温度検出部43を備えている。そして、この第2温度検出部43は、充電用FET素子71、放電用FET素子72、抵抗加熱型ヒューズ10の温度を検出している。
この第2温度検出部43は、サーミスタを備えるものであり、第2温度検出部43は、抵抗加熱型ヒューズ10、充電用FET素子71、放電用FET素子72と、熱的に結合された構造となっており、例えば、図4に示す配置構造にすることができる。図4は、各部品の配置構造を説明する概略断面図であって、プリント基板100上に、充電用FET素子71と、放電用FET素子72とが配置され、その間に、第2温度検出部43のサーミスタが配置される。そして、これらの上に、抵抗加熱型ヒューズ10が配置される(電気配線は図示せず)。これらの部品の間に、シリコーン樹脂101を配置して、これら部品は、熱的に結合される。
第2温度検出部43からの出力は、A/D変換器4を経て、制御・演算部5に入力される。制御・演算部5は、第2温度検出部43からの出力により、高温の異常温度を検出したとき、即ち、充電用FET素子71、放電用FET素子72が異常温度のとき、制御素子7をオフして、充電、放電の電流を遮断する。
制御・演算部5は、上述の異常状態が検出され、充放電制御・演算部5が、オフ信号(Low信号)からオン信号(High信号)を出力して、スイッチング素子SWHをオフ状態からオン状態としたとき、抵抗加熱型ヒューズ10の温度として、第2温度検出部43からの出力が、高温の異常温度を検出すると、制御・演算部5は、オン信号からオフ信号を出力して、スイッチング素子SWHをオン状態からオフ状態にする。
よって、抵抗加熱型ヒューズ10自体に不具合があり、ヒューズHが溶断されていないとき、抵抗加熱型ヒューズ10の加熱抵抗Rに流れる電流を停止する。これにより、抵抗加熱型ヒューズ10が正常、通常であれば、ヒューズHが溶断され、また、抵抗加熱型ヒューズ10が異常で、通電しても、ヒューズHが溶断されないのであれば、通電が継続して、加熱抵抗Rが発熱し、異常温度となったとき、通電が停止することより、加熱抵抗Rが異常に発熱することはない。従って、パック電池Aが異常に加熱され、パック電池Aの外側の樹脂製ケース(図示せず)を、溶融することを防止できる。このときの異常温度は、樹脂製ケースが溶融しない温度(約80〜120℃ )、望ましくは、溶融する直前の温度に設定される。
次に、本他の実施例の制御方法について、図5のフローチャートを用いて、工程毎に説明する。ステップS11においては、制御手段としての充放電制御・演算部5において、上述のような異常状態の検出があったとき、抵抗加熱型ヒューズ10のヒューズHを溶断するFuse溶断処理を行う判定をする。続いて、ステップS12において、制御・演算部5が、オフ信号からオン信号を出力することで、Fuse溶断信号を出力して、スイッチング素子SWHをオフ状態からオン状態として、通電状態とし、加熱抵抗Rに加熱のため電流が流れる。続いて、ステップ13において、制御・演算部5は、抵抗加熱型ヒューズ10の温度として、第2温度検出部43からの出力を所得して、温度を取得、検出し、ステップ14において、検出温度が所定値を超えたかどうかが判定される。NOの場合(=所定値が超えていない場合)は、継続して、ステップ13にて、温度を検出する。YESの場合(=所定値を超えている場合)は、ステップ15において、
制御・演算部5は、オン信号からオフ信号を出力することで、Fuse溶断信号を停止して、スイッチング素子SWHをオン状態からオフ状態にする。よって、抵抗加熱型ヒューズ10自体に不具合により、ヒューズHが溶断されていないとき、抵抗加熱型ヒューズ10の加熱抵抗Rに流れる電流を停止する。
なお、上述の実施例において、以下の機能を追加することも可能である。マイコン搭載による充放電量の積算機能を有するパック電池において、マイコンによる検出可能な放電電流値を下回る本体消費電流(リーク電流)を積算する機能を付加する。従来のパック電池においては、マイコンによる検出可能な放電電流値(放電最小検出電流値)未満の電流が流れた場合は、放電電流として検出できないため電池の残量を減算することができなかった。これに代わって、新しい機能として、PC本体とパック電池はSMBus通信ラインで接続されているので、リーク電流による電流量(叉は電流値と時間でもよい)を一定間隔で本体側からパック電池に対して通信で通知する手段を準備し、パック電池側で通知された電流量を減算、加算することにより、電池の残量を正確に管理する。よって、従来、放電最小検出電流値未満の放電電流が流れても組電池では検出不可能なため、電池の残量に誤差を生じる原因となっていた。PC本体側からリーク電流により消費した電流量を通知してもらうことにより、電池の残量を高精度に管理することが可能となる。
本発明の一実施例のパック電池の回路ブロック図である。 本発明の一実施例のフローチャートである。 本発明の他の実施例のパック電池の回路ブロック図である。 本発明の他の実施例での各部品の配置構造を説明する概略の断面図である。 本発明の他の実施例のフローチャートである。
符号の説明
A 電池パック
PC 携帯機器(=電子機器)
S 制御・電源手段
L 負荷
MPU マイクロプロセッサユニット
1 電池
2 抵抗(電流検出部)
3 温度検出部
4 A/D変換部
5 制御・演算部
7 制御素子 71 充電用FET素子 72 放電用FET素子
9 通信部
10 抵抗加熱型ヒューズ
H ヒューズ
R 加熱抵抗
SWH スイッチング素子
43 第2温度検出部

Claims (2)

  1. 二次電池を含むパック電池が異常状態になったときにオフからオンに切り換えられるスイッチング素子と、
    このスイッチング素子と電池に直列に接続されて、スイッチング素子がオンにして電流が流れる加熱抵抗と、
    電流が流れる加熱抵抗に加熱される位置に配設されると共に、電池と直列に接続されて、電流が流れて高温になる加熱抵抗に熱溶断されて電池に流れる電流を遮断するヒューズからなる抵抗加熱型ヒューズとを備えるパック電池において、
    前記異常状態になったとき、所定時間、前記スイッチ素子をオフからオンすることを特徴とするパック電池の制御方法。
  2. 二次電池を含むパック電池が異常状態になったときにオフからオンに切り換えられるスイッチング素子と、
    このスイッチング素子と電池に直列に接続されて、スイッチング素子がオンにして電流が流れる加熱抵抗と、
    電流が流れる加熱抵抗に加熱される位置に配設されると共に、電池と直列に接続されて、電流が流れて高温になる加熱抵抗に熱溶断されて電池に流れる電流を遮断するヒューズからなる抵抗加熱型ヒューズとを備えるパック電池において、
    前記ヒューズに熱的に結合された温度検出素子を備えて、
    前記異常状態になったとき、前記スイッチ素子をオフからオンにして、前記加熱抵抗に電流を流し、前記温度検出部から検出される温度が所定値を超えると、前記スイッチ素子をオンからオフにして、前記電流を停止することを特徴とするパック電池の制御方法。
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