JP2011130528A - 充電電気量算出回路、電池パック、及び電池搭載システム - Google Patents

充電電気量算出回路、電池パック、及び電池搭載システム Download PDF

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Abstract

【課題】電流検出回路のコストの増大を抑制しつつ、負荷装置に流れる漏れ電流値に起因して二次電池の充電電気量の算出誤差が増大するおそれを低減することができる充電電気量算出回路、電池パック、及び電池搭載システムを提供する。
【解決手段】二次電池4に流れる電流値を検出する電流検出部52と、負荷装置3に流れる漏れ電流値を記憶する記憶部503と、電流検出部52によって検出される電流値Icが電流閾値Ithを超えるとき、電流値Icに基づき、二次電池4における充電電気量の加算と放電電気量の減算とを累積的に行うことにより二次電池4に充電されている充電電気量Qcを算出し、電流値Icが電流閾値Ithに満たないとき、充電電気量Qcから、記憶部503に記憶されている漏れ電流値Irを累積的に減算する残量算出部502とを備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、二次電池に充電されている充電電気量を算出する充電電気量算出回路、これを備えた電池パック、およびこの充電電気量算出回路と二次電池の放電電流によって駆動される負荷装置とを含む電池搭載システムに関する。
従来から、二次電池で駆動される、例えば携帯型パーソナルコンピュータやデジタルカメラ、ビデオカメラ、携帯電話機等の電子機器において、二次電池に充電されている残量の報知が広く行われている。そのため、このような電子機器の電源として用いられる電池パックにおいて、二次電池に流れる充放電電流値を検出し、この充放電電流値を積算することで、二次電池の残量を算出し、電子機器本体へ通知する機能を有するものが知られている。
特開2009−177867号公報
ところで、上述のような電子機器は、動作を停止している間も、微小な電流が漏れ電流(待機電流)として流れ続ける。近年、例えばUMPC(ウルトラモバイルPC/ネットブック)などと称される低価格のパーソナルコンピュータでは、安価な基板構成になっていることからこのような漏れ電流が増加する傾向がある。そのため、このような漏れ電流についても、二次電池の残量算出に反映させたいという、ニーズがある。
しかしながら、このような漏れ電流は、電子機器が動作するときに流れる動作電流や二次電池の充電電流と比較して極めて微小である。そして、上述の充放電電流値を検出するための電流検出回路は、漏れ電流より遙かに大きい動作電流や充電電流を検出できるようにその電流測定レンジが設定されており、微少な電流の検出には適さない。
そして、このような電流検出回路は、例えば温度の影響や回路特性のバラツキ等に起因して、二次電池に流れる電流がゼロであるにもかかわらず、所定の電流検出値を示すオフセットを生じる。ここで、電子機器で生じる漏れ電流は、電流検出回路の電流測定レンジに対して遙かに小さな電流値であるため、電流検出回路で生じるオフセットと同程度の値となるおそれがある。
そのため、電子機器の動作停止中に、このような電流検出回路で検出された放電電流値を減算することで、二次電池の残量を算出すると、実際には放電されていないオフセット電流値を二次電池の残量から減算してしまうこととなって、二次電池の残量の算出精度が低下するという、おそれがあった。
一方、電子機器の回路動作や二次電池の充電を停止して、電子機器の漏れ電流(待機電流)を検出する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、特許文献1に記載の技術では、そもそも漏れ電流を正確に測定可能な電流計を備えていることが前提になっている。そして、上述のような漏れ電流より遙かに大きい動作電流や充電電流と、漏れ電流とを共に正確に測定可能な電流計を備えると、電流検出回路のコストが増大するという不都合があった。
本発明の目的は、電流検出回路のコストの増大を抑制しつつ、負荷装置に流れる漏れ電流値に起因して二次電池の充電電気量の算出誤差が増大するおそれを低減することができる充電電気量算出回路、電池パック、及び電池搭載システムを提供することである。
本発明に係る充電電気量算出回路は、二次電池に流れる充放電電流の電流値を検出する電流検出部と、前記二次電池から電流の供給を受ける負荷装置に流れる漏れ電流値を記憶する記憶部と、前記電流検出部によって検出される充放電電流の電流値が予め設定された電流閾値を超えるとき、当該検出された充放電電流の電流値に基づき、前記二次電池における充電電気量の加算と放電電気量の減算とを累積的に行うことにより前記二次電池に充電されている充電電気量を算出し、前記電流検出部によって検出される充放電電流の電流値が前記電流閾値に満たないとき、前記充電電気量から、前記記憶部に記憶されている漏れ電流値を累積的に減算する残量算出部とを備える。
この構成によれば、電流検出部によって検出される充放電電流の電流値が予め設定された電流閾値を超え、すなわち電流検出部の検出値がオフセットや精度誤差に起因するものではないと考えられるときは、残量算出部によって、当該検出された充放電電流の電流値に基づき、二次電池における充電電気量の加算と放電電気量の減算とが累積的に行われるので、二次電池に充電されている充電電気量を算出することができる。
一方、電流検出部によって検出される充放電電流の電流値が電流閾値に満たないとき、すなわち電流検出部の検出値がオフセットや精度誤差等に起因するものであると考えられるときは、残量算出部によって、記憶部に記憶されている漏れ電流値が、充電電気量から累積的に減算されるので、電流検出部のオフセットや精度誤差が累積して充電電気量の算出精度が低下するおそれが低減される。また、漏れ電流値のような微少電流を測定可能な高精度の電流測定回路を備える必要がないから、電流検出回路のコストの増大を抑制することができる。
また、前記負荷装置から、前記漏れ電流値を受信して、前記記憶部へ記憶させる漏れ電流値取得部をさらに備えることが好ましい。
この構成によれば、負荷装置から、当該負荷装置の漏れ電流値を取得することができるから、漏れ電流値が異なる負荷装置へ二次電池から電流が供給される場合であっても、正しい漏れ電流値を取得することができる結果、充電電気量の算出精度が低下するおそれが低減される。
また、前記二次電池と前記負荷装置とが接続されているか否かを検出する接続状態検出部をさらに備え、前記残量算出部は、前記接続状態検出部によって、前記二次電池と前記負荷装置とが接続されていないことが検出された場合、前記電流検出部によって検出される充放電電流の電流値が前記電流閾値に満たなくても、前記充電電気量からの前記漏れ電流値の減算を実行しないことが好ましい。
この構成によれば、二次電池と負荷装置とが接続されておらず、従って漏れ電流が流れない状況では、充電電気量からの前記漏れ電流値の減算が実行されないので、二次電池と負荷装置とが接続されていないときに充電電気量から漏れ電流値が減算されて充電電気量の算出精度が低下するおそれが低減される。
また、本発明に係る電池パックは、上述の充電電気量算出回路と、前記二次電池とを備える。
この構成によれば、電池パックにおいて、二次電池の充電電気量を算出でき、かつ、電流検出回路のコストの増大を抑制しつつ、負荷装置に流れる漏れ電流値に起因して二次電池の充電電気量の算出誤差が増大するおそれを低減することができる。
また、本発明に係る電池搭載システムは、上述の充電電気量算出回路と、前記二次電池と、前記負荷装置とを備える。
この構成によれば、電池を電源として用いる電池搭載システムにおいて、二次電池の充電電気量を算出でき、かつ、電流検出回路のコストの増大を抑制しつつ、負荷装置に流れる漏れ電流値に起因して二次電池の充電電気量の算出誤差が増大するおそれを低減することができる。
また、前記負荷装置は、当該負荷装置の動作停止状態において流れる漏れ電流値を予め記憶する装置側記憶部と、前記装置側記憶部に記憶されている漏れ電流値を、前記充電電気量算出回路へ送信する漏れ電流値送信部とを備えることが好ましい。
この構成によれば、当該負荷装置の漏れ電流値を、予め装置側記憶部に記憶させておくことができる。そして、装置側記憶部に記憶させておいた当該負荷装置の漏れ電流値を、充電電気量算出回路へ送信することができるので、充電電気量算出回路において、正しい漏れ電流値を用いることが容易となる。
また、前記負荷装置は、前記二次電池と当該負荷装置とが接続されているか否かを検出する装置側接続状態検出部をさらに備え、前記漏れ電流値送信部は、前記装置側接続状態検出部によって、前記二次電池と当該負荷装置とが接続されたことが検出されたとき、前記装置側記憶部に記憶されている漏れ電流値を前記充電電気量算出回路へ送信することが好ましい。
この構成によれば、二次電池と当該負荷装置とが接続されたときに、装置側記憶部に記憶されている漏れ電流値が充電電気量算出回路へ送信されるので、負荷装置が取り替えられた場合であっても、充電電気量算出回路において、当該負荷装置の正しい漏れ電流値を用いることが容易となる。
このような構成の充電電気量算出回路、電池パック、及び電池搭載システムは、電流検出回路のコストの増大を抑制しつつ、負荷装置に流れる漏れ電流値に起因して二次電池の充電電気量の算出誤差が増大するおそれを低減することができる。
本発明の一実施形態に係る充電電気量算出回路を備えた、電池パック及び電池搭載システムの構成の一例を示すブロック図である。 図1に示す電池搭載システムの動作の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。図1は、本発明の一実施形態に係る充電電気量算出回路5を備えた、電池パック2及び電池搭載システム1の構成の一例を示すブロック図である。図1に示す電池搭載システム1は、電池パック2と、負荷装置3とが組み合わされて構成されている。
電池搭載システム1は、例えば、携帯型パーソナルコンピュータやデジタルカメラ、携帯電話機等の電子機器、電気自動車やハイブリッドカー等の車両、等の電池搭載機器システムである。そして、負荷装置3は、例えばこれら電池搭載機器システムの本体部分であり、負荷回路39は、これら電池搭載機器システムにおいて、電池パック2からの電力供給により動作する負荷回路である。
電池パック2は、二次電池4、充電電気量算出回路5、電流検出抵抗6、スイッチング素子Q1,Q2、及び接続端子11,12を備えている。また、充電電気量算出回路5は、制御部50、電圧検出部51、電流検出部52、通信部53,抵抗R1、及び接続端子13,14,15を備えている。
なお、電池搭載システム1は、必ずしも電池パック2と負荷装置3とに分離可能に構成されるものに限られず、電池搭載システム1全体で一つの充電電気量算出回路5が構成されていてもよい。また、充電電気量算出回路5を、電池パック2と負荷装置3とで分担して備えるようにしてもよい。また、二次電池4は、電池パックにされている必要はなく、例えば充電電気量算出回路5が、車載用のECU(Electric Control Unit)として構成されていてもよい。
負荷装置3は、接続端子31,32,33,34,35、通信部36、制御部37、装置側記憶部38、負荷回路39、充電部40、及び抵抗R2を備えている。充電部40は、給電用の接続端子31,32に接続され、通信部36は、接続端子33に接続されている。接続端子34は、接続端子32と接続されている。接続端子35は、抵抗R2によりプルアップされると共に制御部37に接続されている。
また、電池パック2が、負荷装置3に取り付けられると、電池パック2の接続端子11,12,13,14,15と、負荷装置3の接続端子31,32,33,34,35とが、それぞれ接続されるようになっている。
通信部36は、接続端子13,33を介して通信部53とデータ送受信可能に構成された通信インターフェイス回路である。通信部36としては、例えばThe System Management Interface Forumが管理しているSMBus(System Management Bus)を用いることができる。
負荷回路39は、例えば、負荷装置3における機能を実現するための回路部分であり、二次電池4や充電部40から供給された電源電流に基づき動作する。
充電部40は、制御部37からの制御信号に応じた電流、電圧を、接続端子31,32を介して電池パック2へ供給する電源回路である。充電部40は、例えば商用電源電圧から電池パック2の充電電流を生成する電源回路であってもよく、例えば太陽光、風力、あるいは水力といった自然エネルギーに基づき発電する発電装置や、内燃機関等の動力によって発電する発電装置等であってもよい。
装置側記憶部38は、例えばROMを用いて構成されている。そして、装置側記憶部38には、負荷装置3が、例えば電源オフされて動作を停止した状態で、接続端子31,32に接続された電池パック2から負荷装置3へ流れる漏れ電流値Irが、予め測定されて記憶されている。
制御部37は、例えばマイクロコンピュータを用いて構成された制御回路である。そして、電池パック2における制御部50から通信部53によって送信された要求指示が、通信部36によって受信されると、制御部37は、通信部36によって受信された要求指示に応じて充電部40を制御することにより、電池パック2から送信された要求指示に応じた電流や電圧を、充電部40から接続端子11,12へ出力させる。
電池パック2では、接続端子11は、スイッチング素子Q2とスイッチング素子Q1とを介して二次電池4の正極に接続されている。スイッチング素子Q1及びスイッチング素子Q2としては、例えばpチャネルのFET(Field Effect Transistor)が用いられる。
スイッチング素子Q1は、寄生ダイオードのカソードが二次電池4の方向にされており、オフすると二次電池4の放電方向の電流のみを遮断するようになっている。また、スイッチング素子Q2は、寄生ダイオードのカソードが接続端子11の方向にされており、オフすると二次電池4の充電方向の電流のみを遮断するようになっている。スイッチング素子Q1,Q2は、通常、オンされており、異常時にオフされて二次電池を保護するようになっている。
また、接続端子12は、電流検出抵抗6を介して二次電池4の負極に接続されており、接続端子11からスイッチング素子Q2,Q1、二次電池4、及び電流検出抵抗6を介して接続端子12に至る電流経路が構成されている。
接続端子14の信号レベルは、電池パック2が負荷装置3から取り外されているときは、抵抗R1によってプルアップされてハイレベルで制御部50に入力される。また、電池パック2が負荷装置3と接続されると、接続端子14,12が接続端子34,32と接続され、接続端子14が接続端子34,32,12、電流検出抵抗6を介して二次電池4の負極端子に接続されて、接続端子35の信号レベルがローレベルで制御部50に入力される。
このように、接続端子14の信号レベルは、電池パック2と負荷装置3とが接続されているか否かを示す。この場合、接続端子14及び抵抗R1が、接続状態検出部の一例に相当している。
また、接続端子35の信号レベルは、電池パック2が負荷装置3から取り外されているときは、抵抗R2によってプルアップされてハイレベルで制御部37に入力される。また、電池パック2が負荷装置3と接続されると、接続端子35,32が接続端子15,12と接続され、接続端子35が接続端子15、電流検出抵抗6を介して二次電池4の負極端子に接続されて、接続端子35の信号レベルがローレベルで制御部37に入力される。
このように、接続端子35の信号レベルは、電池パック2と負荷装置3とが接続されているか否かを示す。この場合、接続端子35及び抵抗R2が、装置側接続状態検出部の一例に相当している。
そして、制御部37は、接続端子35がハイレベルからローレベルに変化し、負荷装置3に電池パック2が接続されたことが検出されると、装置側記憶部38に記憶されている漏れ電流値Irを、通信部36を用いて通信部53へ送信させ、制御部50に通知する。この場合、制御部37は、漏れ電流値送信部の一例に相当している。
なお、接続端子11〜15,31〜35は、電池パック2と負荷装置3とを電気的に接続するものであればよく、例えば電極やコネクタ、端子台等であってもよく、ランドやパッド等の配線パターンであってもよい。
電流検出抵抗6は、電流検出用の、いわゆるシャント抵抗であり、二次電池4の充電電流および放電電流を電圧値に変換する。なお、電流検出抵抗6の代わりに、例えば電流変成器やホール素子等の電流検出素子を用いてもよい。
二次電池4は、例えば単電池であってもよく、例えば複数の二次電池が直列接続された組電池であってもよく、例えば複数の二次電池が並列接続された組電池であってもよく、直列と並列とが組み合わされて接続された組電池であってもよい。二次電池4としては、例えばリチウムイオン二次電池が用いられる。なお、二次電池4は、リチウムイオン二次電池に限られず、例えばニッケル水素二次電池やニッケルカドミウム二次電池等、種々の二次電池を用いることができる。
電圧検出部51は、例えばアナログデジタルコンバータを用いて構成されており、二次電池4の端子電圧(端子間電圧)を検出し、その端子電圧を示す信号を制御部50へ出力する。
電流検出部52は、例えばアナログデジタルコンバータを用いて構成されており、電流検出抵抗6の両端間の電圧Vrを検出し、その電圧Vrを示す信号を、二次電池4に流れる充放電電流の電流値Icを示す情報として制御部50へ出力する。また、電流検出部52は、電流値Icを示す情報(電圧Vr)について、例えば二次電池4を充電する方向をプラスの値で、二次電池4を充電する方向をマイナスの値で表すようになっている。
制御部50では、この電圧Vrを電流検出抵抗6の抵抗値Rで除算することにより、二次電池4に流れる電流を、充電方向をプラス、放電方向をマイナスの値で表す電流値Icを取得する。
通信部53は、接続端子13,33を介して通信部36とデータ送受信可能に構成された通信インターフェイス回路である。通信部53としては、例えばThe System Management Interface Forumが管理しているSMBus(System Management Bus)を用いることができる。
制御部50は、例えば所定の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)と、所定の制御プログラムが記憶されたROM(Read Only Memory)と、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)と、例えばRAMを用いて構成された記憶部503と、これらの周辺回路等とを備えて構成されている。
そして、制御部50は、ROMに記憶された制御プログラムを実行することにより、漏れ電流値取得部501、及び残量算出部502として機能する。
漏れ電流値取得部501は、制御部37から、通信部36,53を介して送信された漏れ電流値Irを受信し、記憶部503へ記憶させる。
残量算出部502は、接続端子14の電圧がローレベルでありすなわち二次電池4と負荷装置3とが接続されていることが検出され、かつ電流検出部52によって検出される電流値Icが予め設定された電流閾値Ithを超えるとき、電流値Icを例えば単位時間ごとに積算することにより、二次電池4に充電されている残量である充電電気量Qcを算出する。
電流閾値Ithは、例えば電流検出部52の誤差やオフセット値の最大値が予め設定されている。
また、残量算出部502は、接続端子14の電圧がローレベルでありすなわち二次電池4と負荷装置3とが接続されていることが検出され、かつ電流検出部52によって検出される電流値Icが電流閾値Ithに満たないとき、充電電気量Qcから、記憶部503に記憶されている漏れ電流値Irを例えば単位時間毎に減算する。
また、残量算出部502は、接続端子14の電圧がハイレベルであり、すなわち二次電池4と負荷装置3とが接続されていないことが検出された場合、電流値Icの積算や漏れ電流値Irの減算を実行しない。
なお、残量算出部502は、上述のようにして算出された充電電気量Qcと、二次電池4の満充電容量FCCとから、下記の式(1)を用いて二次電池4のSOC(State Of Charge)を算出することで、二次電池4の残量をSOCで表すようにしてもよい。
SOC=(Qc/FCC)×100 (%) ・・・(1)
次に、図1に示す電池搭載システム1の動作について説明する。図2は、図1に示す電池搭載システム1の動作の一例を示すフローチャートである。まず、負荷装置3においては、制御部37によって、接続端子35の信号レベルが確認され(ステップS1)、接続端子35がハイレベルのとき、負荷装置3と電池パック2とが接続されていないと判断される(ステップS1でNO)。
一方、電池パック2においては、残量算出部502によって、接続端子35の信号レベルが確認され(ステップS3)、接続端子14がハイレベルのとき、負荷装置3と電池パック2とが接続されていないと判断される(ステップS3でNO)。負荷装置3と電池パック2とが接続されていないときは、例え電流検出部52によって、電流値Icが検出されたとしても、その値は電流検出部52のオフセット誤差であると考えられるから、接続端子14がハイレベルのときは(ステップS3でNO)、残量算出部502は、充電電気量Qcへの電流値の積算を実行しない。
次に、負荷装置3において、接続端子35の信号レベルがローレベルになると(ステップS1でYES)、制御部37は、負荷装置3と電池パック2とが接続されたと判断し、装置側記憶部38に記憶されている漏れ電流値Irを、通信部36によって電池パック2へ送信させる。そうすると、通信部53によって、漏れ電流値Irが受信される。
一方、電池パック2では、接続端子14の信号レベルがローレベルになると(ステップS3でYES)、漏れ電流値取得部501は、通信部53によって受信された漏れ電流値Irを取得して、記憶部503へ記憶させる。
次に、残量算出部502によって、電流検出部52で検出された電流値Icの絶対値が、電流閾値Ithと比較される(ステップS5)。
そして、電流値Icの絶対値が電流閾値Ithを超えていれば(ステップS5でYES)、負荷装置3が動作状態(電源オン状態)であると考えられ、電流検出部52で検出された電流値Icは、オフセット等の誤差ではないと考えられるから、残量算出部502は、例えば単位時間毎になるように、充電電気量Qcに電流値Icを加算し(ステップS6)、再びステップS3へ移行する。
一方、電流値Icの絶対値が電流閾値Ith以下であれば(ステップS5でNO)、負荷装置3が停止状態(電源オフ状態)であると考えられ、電流検出部52で検出された電流値Icは、オフセット等の誤差であると考えられるから、残量算出部502は、記憶部503に記憶されている漏れ電流値Irを、例えば単位時間毎になるように充電電気量Qcから減算し(ステップS7)、再びステップS3へ移行する。
以上、ステップS5〜S7の処理により、負荷装置3が動作状態(電源オン状態)のときは、電流検出部52で検出された電流値Icが充電電気量Qcとして積算されるので、二次電池4の充放電電流が正しく積算されて、充電電気量Qcが算出される。
一方、負荷装置3が停止状態(電源オフ状態)となって、電流値Icの絶対値が電流閾値Ith以下になると、記憶部503に記憶されている負荷装置3の漏れ電流値Irが、充電電気量Qcから例えば単位時間毎に減算されて、充電電気量Qcが算出されるので、負荷装置3の漏れ電流値Irによって充電電気量Qcの算出値と実際の充電電気量との間にずれが生じたり、電流検出部52のオフセット誤差等が累積して充電電気量Qcの算出精度が低下したりするおそれが低減される。
また、漏れ電流値Irのような微少電流を測定可能な高精度の電流測定回路を備える必要がないから、電流検出回路のコストの増大を抑制することができる。
また、ステップS2,S4の処理により、負荷装置3に記憶されている漏れ電流値Irが、漏れ電流値取得部501によって取得されるので、電池パック2と接続される負荷装置3の構成(種類、機種)が変わって漏れ電流値が変化した場合であっても、正しい漏れ電流値Irを取得することができる結果、充電電気量Qcの算出精度が低下するおそれを低減することができる。
また、機器側記憶部38には、予め機器の開発時や製造時に、高精度の計測器を用いて精度よく漏れ電流値Irを測定することができるから、漏れ電流値Irの精度を向上させることが容易である。
なお、必ずしも漏れ電流値取得部501を備える必要はなく、電池パック2において、記憶部503を例えばROMによって構成し、予め漏れ電流値Irを記憶しておく構成としてもよい。
そして、ステップS3において、接続端子14の信号レベルがハイレベル(ステップS3でNO)のときは、電池パック2に負荷装置3が接続されていないことが検出されて、電流値Icの加算及び漏れ電流値Irの減算のいずれも実行されないから、電池パック2に負荷装置3が接続されていないときに誤って漏れ電流値Irの減算が行われしまうおそれが低減される結果、充電電気量Qcの算出精度が低下するおそれが低減される。
なお、充電電気量算出回路5は、接続端子14、及び抵抗R1を備えず、ステップS3を実行しない構成としてもよい。また、負荷装置3は、装置側記憶部38を備えず、漏れ電流値Irを電池パック2へ送信しない構成としてもよい。また、負荷装置3は、接続端子35、及び抵抗R2を備えず、電池パック2との接続の有無に関わらず、漏れ電流値Irを電池パック2へ送信する構成としてもよい。
本発明に係る充電電気量算出回路、電池パック、及び電池搭載システムは、携帯型パーソナルコンピュータやデジタルカメラ、携帯電話機等の電子機器、電気自動車やハイブリッドカー等の車両、太陽電池や発電装置と二次電池とを組み合わされた電源システム等、種々の電池搭載装置、システムにおいて、好適に利用することができる。
1 電池搭載システム
2 電池パック
3 負荷装置
4 二次電池
5 充電電気量算出回路
6 電流検出抵抗
11,12,13,14,15,31,32,33,34,35 接続端子
36,53 通信部
37,50 制御部
38 装置側記憶部
39 負荷回路
40 充電部
51 電圧検出部
52 電流検出部
501 漏れ電流値取得部
502 残量算出部
503 記憶部
Ic 電流値
Ir 漏れ電流値
Ith 電流閾値
Q1,Q2 スイッチング素子
Qc 充電電気量
R1,R2 抵抗

Claims (7)

  1. 二次電池に流れる充放電電流の電流値を検出する電流検出部と、
    前記二次電池から電流の供給を受ける負荷装置に流れる漏れ電流値を記憶する記憶部と、
    前記電流検出部によって検出される充放電電流の電流値が予め設定された電流閾値を超えるとき、当該検出された充放電電流の電流値に基づき、前記二次電池における充電電気量の加算と放電電気量の減算とを累積的に行うことにより前記二次電池に充電されている充電電気量を算出し、前記電流検出部によって検出される充放電電流の電流値が前記電流閾値に満たないとき、前記充電電気量から、前記記憶部に記憶されている漏れ電流値を累積的に減算する残量算出部と
    を備えることを特徴とする充電電気量算出回路。
  2. 前記負荷装置から、前記漏れ電流値を受信して、前記記憶部へ記憶させる漏れ電流値取得部をさらに備えること
    を特徴とする請求項1記載の充電電気量算出回路。
  3. 前記二次電池と前記負荷装置とが接続されているか否かを検出する接続状態検出部をさらに備え、
    前記残量算出部は、
    前記接続状態検出部によって、前記二次電池と前記負荷装置とが接続されていないことが検出された場合、前記電流検出部によって検出される充放電電流の電流値が前記電流閾値に満たなくても、前記充電電気量からの前記漏れ電流値の減算を実行しないこと
    を特徴とする請求項1又は2記載の充電電気量算出回路。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の充電電気量算出回路と、
    前記二次電池と
    を備えることを特徴とする電池パック。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の充電電気量算出回路と、
    前記二次電池と、
    前記負荷装置と
    を備えることを特徴とする電池搭載システム。
  6. 前記負荷装置は、
    当該負荷装置の動作停止状態において流れる漏れ電流値を予め記憶する装置側記憶部と、
    前記装置側記憶部に記憶されている漏れ電流値を、前記充電電気量算出回路へ送信する漏れ電流値送信部と
    を備えることを特徴とする請求項5記載の電池搭載システム。
  7. 前記負荷装置は、
    前記二次電池と当該負荷装置とが接続されているか否かを検出する装置側接続状態検出部をさらに備え、
    前記漏れ電流値送信部は、
    前記装置側接続状態検出部によって、前記二次電池と当該負荷装置とが接続されたことが検出されたとき、前記装置側記憶部に記憶されている漏れ電流値を前記充電電気量算出回路へ送信すること
    を特徴とする請求項6記載の電池搭載システム。
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