JP2009075848A - アナログ式メータの読取方法、読取装置および読取システム - Google Patents

アナログ式メータの読取方法、読取装置および読取システム Download PDF

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Abstract

【課題】カメラを用いたアナログ式メータの自動読取方法に関して、処理データを削減するとともに、簡単で確実にメータの指示値を読取る方法を提供する。
【解決手段】指針式メータを撮像した2次元の画像データから半径RADの円周上の画素データを抽出する(ステップS50)。次に、抽出した1次元データの各画素の輝度信号に基づいて、しきい値を計算する(ステップS80)。次に、しきい値を基準に指針に対応する画素を判定し(ステップS90)、指針の指示値を読取る(ステップS100)。このように、1次元データに応じてしきい値を設定するので、メータの設置場所や気象条件などの影響を受けずに確実に指示値を判定することができる。また、好ましくは、各画素の輝度信号および色差信号の両方に基づいてしきい値を求める。
【選択図】図5

Description

本発明は、既設のアナログ式メータの計測値を読取って記録する読取方法、読取装置および読取システムに関する。
電力設備、ビル設備など既存の設備に取付けられた計測器のメータは、デジタル出力端子のないものがほとんどである。このため、保守点検時には点検者の読取作業が必要になる。
既存のメータをデジタル出力端子付のメータに取替えると、このような検針作業に要する労力は軽減されるけれども、メータ取替えには多くのコストがかかる。配線の不要な無線出力付の産業用メータはかなり高額であり、現地での交換工事および試験にも多くの費用がかかるからである。さらに、取替時に設備の停止が必要となる場合もあって制約が多い。
そこで、メータの画像をカメラで撮像し、撮像した画像データを処理装置まで伝送し、処理装置で画像データを解析することにより計器の指示値を読取る技術が開発されている。
たとえば、特開2003−272076号公報(特許文献1)に開示される従来技術では、携帯電話機を用いて、メータの指針表示部に表示された指針値と、識別情報表示部に表示された識別情報とが1つのフレームに撮像される。撮像された画像情報は、インターネット等の通信ネットワークを介して検針サーバーに伝送される。検針サーバーは、画像情報の画像処理を行なうことで識別情報から消費者を特定し、指針値から検針情報を取得し、これに基づいて課金処理を行なう。
また、特開2003−223693号公報(特許文献2)に開示される技術では、カメラによって撮像されたアナログメータの画像が、マイクロプロッセッサにより2値化される。マイクロプロッセッサは、あらかじめ設定された指針パターンとパターンマッチングを行なう。さらに、処理を高速化するために、マイクロプロッセッサは、指針の回転円周と相似な円を設定し、撮像した画像とのAND条件を取る。これにより、パターンマッチング範囲が限定されるので、パターンマッチング処理の効率化及び高速化が可能となる。
特開2003−272076号公報 特開2003−223693号公報
上記の特開2003−272076号公報(特許文献1)の場合には、カメラで撮像した画像データをそのまま伝送しているので、伝送すべきデータ量が多い。このため、通信時間がかかり、カメラを電池で駆動している場合には電池寿命が短くなるという問題がある。
また、特開2003−223693号公報(特許文献2)に開示される技術は、撮像した画像を2値化するので、色の異なる複数の指針が用いられている場合などには、指示値の読取が困難になると考えられる。
本発明の目的は、カメラを用いたアナログ式メータの自動読取について、処理データを
削減することによって簡単で確実にメータの指示値を読取ることができる読取方法、およびこの読取方法を用いた読取装置、読取システムを提供することである。
本発明は、固定面と固定面に沿って変位する可動部とを有する表示部を含み、可動部は計測量に応じて変位する第1の可動部を少なくとも有する、アナログ式メータの読取方法である。そして、本発明は、カメラ本体から表示部を撮像して2次元の画像データを生成するステップと、計測対象範囲において可動部が変位しても、カメラ本体から見て可動部と重なるような固定面上の仮想線に対応する1次元データを、画像データから抽出するステップと、1次元データに応じて変化する可変のしきい値を基準にして、1次元データのうち可動部に対応する1または複数の画素を判別するステップと、判別するステップの判別結果から、可動部が指示する指示値を判定するステップと、1次元データを構成する複数の画素の輝度信号に少なくとも基づいて可変のしきい値を算出するステップとを備える。
好ましくは、可変のしきい値を算出するステップは、1次元データを構成する複数の画素の輝度信号の最大値、最小値および平均値に基づいてしきい値を算出するステップを含む。
また、好ましくは、可変のしきい値を算出するステップは、1次元データを構成する複数の画素ごとに、輝度信号および2種類の色差信号に基づいて合成信号を算出するステップと、合成信号に基づいてしきい値を算出するステップとを含む。
さらに好ましくは、輝度信号をYとし、2種類の色差信号をB−Y、R−Yとすると、合成信号は、輝度信号Yと、2種類の色差信号B−Y、R−Yの各々の絶対値との線形結合を含む。
また、さらに好ましくは、合成信号に基づいてしきい値を算出するステップは、合成信号の最大値、最小値および平均値に基づいてしきい値を算出するステップを含む。
また、好ましくは、しきい値は、第1〜第3のしきい値を含み、しきい値を算出するステップは、1次元データを構成する複数の画素の輝度信号の最大値、最小値および平均値に基づいて第1のしきい値を算出するステップと、1次元データを構成する複数の画素の2種類の色差信号について、最大値、最小値および平均値に基づいて第2、第3のしきい値をそれぞれ算出するステップとを含む。
また、好ましくは、可動部は、第1の可動部と異なる色を有する第2の可動部をさらに含み、第1、第2の可動部の少なくとも一方は有彩色に着色されている。
また、好ましくは、表示部の表面には、表面反射を抑制するための反射防止フィルムが設けられている。
また、好ましくは、アナログ式メータは、指針である可動部が回転中心の周りに回動する指針式メータであり、仮想線は、回転中心を中心とする円弧である。
また、好ましくは、アナログ式メータは、直線に沿って可動部が変位するメータである。
また、本発明に従う読取装置は、表示部を含み、表示部は固定面と固定面に沿って計測量に応じて変位する可動部とを有する、アナログ式メータの読取装置であって、撮像部と
、データ抽出部と、データ判別部と、送信部とを備える。ここで、撮像部は、表示部を撮像して2次元の画像データを生成する。データ抽出部は、計測対象範囲において可動部が変位しても、撮像部から見て可動部と重なるように固定面上に予め設定された仮想線に対応する1次元データを、画像データから抽出する。データ判別部は、可変のしきい値を、1次元データを構成する複数の画素の輝度信号に少なくとも基づいて算出し、算出したしきい値を基準にして1次元データのうち可動部に対応する1または複数の画素を判別する。データ判定部は、データ判別部の判別結果から、可動部が指示する指示値を判定する。送信部は、データ判定部で判定された指示値をデータ収集用のコンピュータに送信する。
また、本発明に従う読取システムは、各々が表示部を含み、表示部は固定面と固定面に沿って計測量に応じて変位する可動部とを有する、複数のアナログ式メータの読取システムであって、複数のアナログ式メータにそれぞれ対応して設けられる複数の読取装置と、データ処理装置とを備える。ここで、複数の読取装置の各々は、表示部を撮像して2次元の画像データを生成するための撮像部と、計測対象範囲において可動部が変位しても、撮像部から見て可動部と重なるように予め固定面上に設定された仮想線に対応する1次元データを、画像データから抽出するためのデータ抽出部と、1次元データを送信するための送信部とを含む。また、データ処理装置は、複数の読取装置からそれぞれ送信された複数の1次元データを受信するための受信部と、複数の読取装置の各々について、可変のしきい値を、1次元データを構成する複数の画素の輝度信号に少なくとも基づいて算出し、算出したしきい値を基準にして1次元データのうち可動部に対応する1または複数の画素を判別するためのデータ判別部と、複数の読取装置の各々について、データ判別部の判別結果から可動部が指示する指示値を判定するためのデータ判定部とを含む。
本発明によれば、撮像部によって得られた2次元の画像データから1次元データを抽出し、その1次元データに基づいてメータの指示値の判定を行なうので、処理すべきデータ量を大幅に削減することができる。また、メータの指示値の判定においては、1次元データに応じて定めた可変のしきい値を基準にするので、メータの設置場所や気象条件などによって画面全体の明るさが変化する場合でも、確実に指示値を判定することができる。このとき、可変のしきい値は、1次元データを構成する複数の画素の輝度信号に少なくとも基づいて算出される。したがって、色の異なる複数の可動部がメータに用いられている場合でも、輝度信号に基づいてしきい値を適切に設定すれば、可動部を背景と区別して確実に読取ることができる。好ましくは、輝度信号および色差信号の両方に基づいてしきい値を設定すれば、指示値の読取精度をさらに高めることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、同一または相当する部分には同一の参照符号を付して、その説明を繰り返さない。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1としてのアナログ式メータの読取システム1のハードウェア構成を示すブロック図である。図1を参照して、読取システム1は、複数のアナログ式メータ5の各々に対して設けられた読取装置10と、読取装置10から伝送されたメータの指示値のデータを収集する中央装置40とを含む。
読取システム1を構成する読取装置10は、アナログ式メータ5を撮像するための撮像部20と、撮像部20で撮像された2次元の画像データを画像処理するためのマイクロコンピュータ30と、処理されたデータを中央装置40に伝送するための無線モジュール38とを含む。
撮像部20は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサまたはCOMS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどを有するカメラ本体22と、カメラ本体22の出力をデジタル変換するA/D(Analog-to-digital)変換器24とを含む。
マイクロコンピュータ30は、CPU(Central Processing Unit)32、ROM(Read-Only Memory)34、およびRAM(Random-Access Memory)36などを含む。ここで、ROM34は、読取装置10の初期設定データを保存可能なように、EEPROM(Electrically Erasable Programable ROM)またはフラッシュメモリなどの書換可能なメモリで構成されることが好ましい。なお、マイクロコンピュータ30は、アナログ式メータ5の指示値の読取専用であるので、1つのIC(Integrated Circuit)上に集積化されたいわゆるワンチップマイコンを用いてコンパクトに構成することができる。
無線モジュール38は、アンテナや変復調回路など、無線通信によるデータの送受信に必要な部品を一体化したものである。無線モジュール38と、前述のA/D変換器24、CPU32、ROM34、およびRAM36とは、データバス39を介して接続される。
一方、読取システム1の中央装置40は、読取装置10からのデータを受信するための無線モジュール42と、受信したデータの収集および表示を行なうためのコンピュータ50と、無線モジュール42とコンピュータ50とを接続するためのインターフェース回路44とを含む。
コンピュータ50は、たとえば、パーソナルコンピュータなどの汎用コンピュータであり、CPU52と、ROM54と、RAM56と、ハードディスクなどの記憶装置58と、無線モジュール42と接続するためのインターフェース回路60と、液晶ディスプレイなどの表示装置62と、入出力装置64とを含む。これらのCPU52、ROM54、RAM56、記憶装置58、インターフェース回路60、表示装置62、および入出力装置64は、データバス66を介して相互に接続される。
無線モジュール42は、読取装置10の無線モジュール38と同様に、無線通信によるデータの送受信に必要な部品を一体化したものである。ここで、読取装置10および中央装置40の間の通信は、実施の形態1のような無線モジュール38,42を用いた無線通信に限らず、有線通信で行なうこともできるし、無線通信と有線通信とを併用することもできる。
図2は、図1に示すアナログ式メータの読取システム1の機能ブロック図である。
図2に示すように、図1の読取装置10の構成を機能的に見ると、読取装置10は、アナログ式メータ5を撮像して2次元のデジタルの画像データを生成するための撮像部110と、生成された画像データを記憶するための記憶部120と、記憶された画像データをデータ処理するための処理部140と、処理部140のデータ処理結果を中央装置40に送信するための通信部130とを含む。ここで、撮像部110は図1の撮像部20(カメラ本体22、A/D変換器24)に対応し、記憶部120は図1のRAM36に対応する。また、通信部130は図1の無線モジュールに対応し、処理部140は図1のCPU32に対応する。
また、処理部140は、データ抽出部142と、データ判別部144と、データ判定部146とを含む。ここで、データ抽出部142は、記憶部120によって記憶された2次元の画像データから1次元のデータを抽出する。これによって、アナログ式メータの指示値の読取が容易になる。具体的な1次元データの抽出方法については、図3および図4を参照して後述する。データ判別部144は、抽出された1次元データから、指針式メータ
の指針に対応する部分を判別する。データ判定部146は、データ判別部144の判別結果に基づいて、指針の指示値を判定する。こられの機能は、ROM34に記憶されたプログラムがCPU32によって実行されることによって実現される。
また、図1の中央装置40の構成を機能的に見ると、中央装置40は、読取装置10から送信されたデータを受信するための通信部150と、通信部150で受信したデータを記憶するための記憶部160と、記憶されたデータを表示する表示部170とを含む。ここで、通信部150は図1の無線モジュール42に対応し、記憶部160は図1の記憶装置58に対応し、表示部170は図1の表示装置62に対応する。
次に、アナログ式メータの具体例を挙げて、データ抽出部142での1次元データの抽出方法について説明する。
図3は、指針式メータを撮像した画像200を模式的に示す平面図である。図3は温度計のメータの一例である
図3を参照して、指針式メータの表示部202は、数値および目盛などが記載された文字盤204と、測定された温度を指示するための温度指示針WHと、温度計が経験した最大温度を指示するデマンド針RDと、および警報器のリレーを動作させるための警報設定針YLとを含む。警報設定針YLは、使用者が手動で設定可能である。温度指示針WHが警報設定針YLに一致すると、警報器のリレーの接点が導通状態になる。また、デマンド針RDも使用者が手動で元に戻すことができる。
図3の例では、3本の指針WH,RD,YLおよび文字盤は、識別容易なように、互いに異なる色に着色されている。具体的には、温度指示針WHが白色に着色され、デマンド針RDが赤色に着色され、警報設定針YLが黄色に着色されている。また、文字盤204は黒色に着色され、文字盤204に記載されている数値および目盛、さらに「THERMOMETER」、「°C」などの文字は、白色に着色されている。
一般に、アナログ式メータは、可動部が計測量に応じて固定面に沿って変位することによって計測量を表示するものである。図3の指針式メータの場合は、固定面である文字盤に沿って可動部である指針が回転中心回りに回転する。1次元データの抽出は、計測対象範囲における可動部(指針)の可動範囲を考慮して行なわれる。具体的に、まず、可動部が計測対象範囲のどの位置に変位しても、図1のカメラ本体22から見て、可動部と重なるような仮想線を固定面上に設定する。次に、図2のデータ抽出部142は、2次元の画像データから予め設定された仮想線に対応する1次元データを抽出する。
図3の場合、仮想線206は、指針WH,RD,YLが回動する回転中心を中心とする円弧状に設定される。これにより、計測対象範囲で、仮想線206は指針WH,RD,YLと交差するので、仮想線206に対応する1次元データに基づいて指針WH,RD,YLの指示値を読取ることができる。また、仮想線206を円弧状に設定することによって、仮想線206上の各点と指針WH,RD,YLが指示する指示値との対応関係が正比例の関係になるので、指針WH,RD,YLの指示値の読取が容易になる。
また、円弧の半径RADは、仮想線206が文字盤204の文字と重ならないように設定される。この理由は、図3の例では温度指示針WHおよび文字盤204の文字の両方とも白色に着色されているので、温度指示針WHの読取位置に対応する仮想線206と文字が重なると指示値の読取が困難になるからである。もっとも、仮想線206は必ずしも円弧上である必要はないので、文字盤204の文字と重ならないように仮想線206の形状を変更してもよい。なお、文字盤204の文字と指針WH,RD,YLとが異なる色に着色されている場合には、仮想線206は文字盤の文字の位置に関係なく設定することがで
きる。
また、図3の画像データ200は、図1のカメラ本体22のレンズを指針式メータ5の表示部202に正対させて、表示部202を撮像したものである。これに対して、斜め方向から表示部202を撮像すると、実際の文字盤204上では円弧上であった仮想線206が、撮像された画像200上では楕円状に扁平するとともに、長軸および短軸の方向が画像200の上下および左右方向から角変位する。したがって、表示部202に正対した位置からのずれ量に応じて、撮像された画像200で、仮想線206の位置および形状を補正する必要がある。たとえば、実際の文字盤204上で特定の3点を予め定め、画像200上においてその特定の3点に対応する画素の位置を調べることによって、仮想線206の補正量を決定することができる。
さらに、このように斜め方向から表示部202を撮像すると、表示部202の表面のガラス面に、メータの周囲に配置されたものが映り込む場合が多い。映り込みが生じると画像データ200から指針WH,RD,YLを読取ることが困難になる。そこで、表示部202の表面のガラス面に、反射防止フィルムを予め貼っておくことが望ましい。
図4は、実施の形態1が対象とする他の例として、液面計の画像210を模式的に示す平面図である。
図4を参照して、液面計の表示部212は、ガラス管220と、ガラス管220内の液体部216および蒸気部218とを含む。液面計では、液体部216と蒸気部218との境界の液面の位置を読取る。液面の読取を容易にするために、たとえば、反射式水面計では、ガラス管220の内面に数条の溝が刻まれ、この溝のプリズム作用によって液体部216は黒く、蒸気部218は白く現われる。また、二色式水面計では、光の屈折を利用して蒸気部218が赤色に、液体部216が青色に現われる。
図4の液面計の場合、仮想線214は、ガラス管220に沿ってガラス管220の表面に直線状に設定される。このように設定すると、液面が計測対象範囲のどの位置に変位しても、図1のカメラ本体22から見て、仮想線214が液面と交差する。言換えると、可動部である液体部216が計測対象範囲のどの位置に変位しても、図1のカメラ本体22から見たとき可動部と重なるように、仮想線214は、固定面であるガラス管220の表面に設定される。このとき、仮想線214に対応する1次元データでは、液体部216に対応する画素と蒸気部218に対応する画素とは色が異なるので、色の変化する画素番号から液面の位置を判定することができる。
次に、図3の指針式メータを例にして、読取システム1の動作を詳しく説明する。
図5は、図2の読取装置10の処理の流れを示すフローチャートである。また、図6は、図5のしきい値を計算するステップS80の処理の流れを示すフローチャートである。
ここで、図5の読取装置10の処理を開始する前に、図1のカメラ本体22を図3の指針式メータの表示部202に正対するように取付けておく。また、表示部202の表面に反射防止フィルムを貼り付ける。
さらに、前述した円弧状の仮想線206を表示部202の文字盤204上に設定する。円弧状の仮想線206は、指針WH,RD,YLの回転中心からの半径RADと、計測対象範囲の始点および終点とを入力することによって特定することができる。設定された仮想線206の位置に対応して、2次元画像データから抽出される抽出画素の位置が決定される。抽出画素の位置情報は、読取装置10のROM34に予め格納される。
さらにまた、抽出画素の位置と文字盤204の指示値との対応関係を表わす対応表が作成される。指示値の代わりに、抽出画素と指針WH,RD,YLの回転角度との対応表を作成してもよい。この対応表も、読取装置10のROM34に予め格納される。
以下、図1〜図3の各図面を参照しながら、図5、図6に示す読取装置10の動作を順に説明する。なお、以下の各ステップは、ROM34に記憶されたプログラムに基づいて、CPU32によって実行される。
図5のステップS10の初期設定では、読取装置10のCPU32の指令によって、ROM34に格納された抽出画素の位置データおよび対応表などがROM34から読み出され、RAM36の所定のメモリエリアに記憶される。
次のステップS20では、CPU32の指令によって、読取装置10のカメラ本体22が指針式メータ5の表示部202を撮像する。撮像されたデータは、A/D変換器24によって、2次元のデジタルの画像データに変換される(ステップS30)。2次元の画像データは、CPU32の指令によって、RAM36の所定のメモリエリアに記憶される。
次のステップS40で、CPU32は、2次元の画像データの各画素のデータを、順次、RAM36から読込む。
次のステップS50で、CPU32は、読込んだ画素が半径RADの円弧状の仮想線206に対応するか否かを判定する。読込んだ画素が仮想線206に対応する場合(ステップS50でYes)、ステップS60に進み、CPU32は、その読込んだ画素のデータをRAM36の所定のメモリエリアに記憶する。読込んだ画素が仮想線206に対応しない場合(ステップS50でNo)、ステップS70に進む。
次のステップS70で、CPU32は、仮想線206に対応する円周上の画素データが全て取込まれているかを判定する。画素データの取込が完了していない場合(ステップS70でNo)、ステップS40に戻る。画素データの取込が完了している場合(ステップS70でYes)、次のしきい値を計算するステップS80に進む。画素データの取込が完了することによって、仮想線206に対応する1次元データが、RAM36の所定のメモリエリアに記憶されることになる。なお、上記のステップS40〜ステップS70が、図2のデータ抽出部142の動作に対応する。
ここで、図6を参照して、しきい値を計算するステップS80について説明する。まず、ステップS81で、CPU32は、1次元データを構成する複数の画素の輝度信号の最大値、最小値および平均値を計算する。
次のステップS82で、CPU32は、計算した最大値、最小値および平均値に基づいてしきい値を計算する。しきい値は、メータの読取時に画面のノイズの影響を防ぐために用いられ、指針式メータの表示部202を撮像する度に計算される。このように撮像の度にしきい値を計算する理由は、メータの設置場所や気象条件などにより、画面全体の明るさが変化するので、その影響をできるだけ排除するためである。
実施の形態1の場合、しきい値THは、次の式1に従って、輝度信号の最大値から最小値を減じた値に係数k1を掛けてから、輝度信号の平均値を加算して求められる。
しきい値=(最大値−最小値)×係数k1+平均値 …(式1)
上記の式1の係数k1の大きさによって、耐ノイズ性能が変わるので、係数k1を最適に設定する必要がある。係数k1の絶対値が大きすぎると、指針WH,RD,YLの信号
もノイズと判断されるので、指針WH,RD,YLの位置が検出できなくなる。
再び図5を参照して、次のステップS90で、CPU32は、1次元データの各画素の輝度信号を、順番にしきい値と比較して、しきい値との差が大きい画素を抽出する。なお、ステップS80およびステップS90は、図2のデータ判別部144の動作に対応する。
図3の例の場合、背景である文字盤204が黒色であるので、係数k1は正の値に設定される。CPU32は、しきい値より画素の輝度が大きければ、その位置に指針WH,RD,YLがあると判断する。ここで、連続した複数の画素がしきい値を超えている場合、CPU32は、しきい値を超えている画素の始めと終わりの平均を計算して指針の位置と判定する。この場合、連続した複数の画素以外でしきい値を超えている単独の画素は、ノイズと判断される。しかし、指針の本数が複数本あると事前に設定されていて、単独でしきい値を超えている画素がある場合、CPU32は、しきい値からの乖離が大きい順に指針の位置として採用する。
次のステップS100で、予め設定されてROM34に記憶された対応表を用いて、CPU32は、指針WH,RD,YLの位置として判別された画素から、対応する指示値または指針の角度を判定する。なお、ステップS100は、図2のデータ判定部146の動作に対応する。
次のステップS110で、CPU32は、ステップS100の判定結果を、図1の無線モジュール38に出力する。ステップS120で、無線モジュール38は、ステップS100の判定結果を、中央装置40に出力して、読取装置10の動作が完了する。
次に、具体的な数値例に基づいて、上記ステップS80〜ステップS100の処理について詳しく説明する。
図7は、図3の指針式メータの仮想線206に対応する1次元データについて、各画素の輝度信号を表わすグラフである。図7の横軸は画素番号を表わす。横軸の画素番号1が摂氏0度に対応し、画素番号281が摂氏100度に対応する。画素番号と温度とは比例関係にある。また、図7の縦軸は輝度信号を表わす。図7の一点鎖線は平均値MVとしきい値THとを示す。また、上記の式1で、係数k1は0.4に設定される。
図7を参照して、画素番号100付近(WH)、画素番号121(RD)、画素番号209付近(YL)で、しきい値THを超える画素が存在する。画素番号100付近(WH)および画素番号209付近(YL)については、連続した複数の画素がしきい値THを超えているので、複数の画素の始めと終わりの画素番号を平均によって指針の位置が決定される。一方、単独でしきい値THを超えている画素番号121(RD)については、他にしきい値THを超えていて指針と判定すべき画素がないので、画素番号121が指針の位置であると判定される。続いて、ROM34に記憶された対応表に基づいて、これらの画素番号に対応するメータの指示値が決定される。すなわち、画素番号100に対応して、温度指示針WHの指示値が35.5度と決定される。画素番号121に対応して、デマンド針RDの指示値が43度と決定される。また、画素番号209に対応して、警報設定針YLの指示値が74.3度と決定される。
図8は、図2の中央装置40の処理の流れを示すフローチャートである。ここで、図8の中央装置40が処理を開始する前に、複数の読取装置10の通信アドレスなどの通信接続情報が、中央装置40の記憶装置58に記憶されているとする。以下、図1〜図3を参照しながら、図8に示す中央装置40の処理の流れについて説明する。なお、図1のコン
ピュータ50のROM54および記憶装置58に記憶されたプログラムがCPU52によって実行されることによって、中央装置40の処理が行なわれる。
まず、図8のステップS200で、図1のCPU52は、読取装置10から送信要求があった場合にデータの受信が可能なように、無線通信ネットワークの初期設定を行なう。
次に、図5を参照して説明したように、読取装置10は、ステップS100で判定したメータの指示値を中央装置に送信する(図5のステップS120)。図8のステップS210で、この読取装置10からの送信データをコンピュータ50が受信すると、CPU52は、記憶装置58に受信したデータを書込む(ステップS220)。
次のステップS230で、CPU52は、読取装置10が送信したデータを全て受信したかを確認し、送信データの取込が完了していない場合には(ステップS230でNo)、ステップS210に戻る。
一方、ステップS230で、読取装置10の送信データの取込が完了したことを確認した場合には(ステップS230でYes)、ステップS240に進む。ステップS240で、CPU52は、記憶装置58に記憶された読取装置10の送信データを表示装置62に表示して、処理が完了する。
以上のように実施の形態1のアナログ式メータの読取システム1によれば、撮像した2次元の画像データから、予め設定された図3、図4の仮想線206,214に対応する1次元データを抽出し、その1次元データに基づいてメータの指示値の判定を行なう。このように、処理すべきデータ量を大幅に削減するので、指針WH,RD,YL(可動部)の指示値を簡単なアルゴリズムに基づいて読取ることができる。また、アナログ式メータの指示値を中央装置40に伝送するので、2次元の画像データをそのまま中央装置40に伝送する場合に比べて通信時間が大幅に削減される。さらに、読取装置10を電池で駆動する場合には電池寿命が延長される。
また、アナログ式メータの指示値の判定では、1次元データに応じて変化する可変のしきい値を基準にして指示値を判定する。したがって、アナログ式メータの設置場所や気象条件などによって撮像した画面の明るさが変化した場合でも、確実に指示値を判定することができる。
また、この可変のしきい値は、1次元データを構成する複数の画素の輝度信号の最大値、最小値、よび平均値に基づいて算出される。このとき、しきい値の算出するための上記の式1の係数k1を適切に設定することによって、ノイズの影響を排して確実に指示値を読取ることがきる。たとえば、互いに色の異なる複数の指針WH,RD,YLを含む場合であっても、輝度信号に基づいてしきい値を適切に設定することによって、指針WH,RD,YLを背景である文字盤204と区別することが可能である。
[実施の形態1の変形例]
図9は、図2の変形例である読取システム1aの機能ブロック図である。
図9の読取システム1aは、図2の読取装置10のデータ判別部144およびデータ判定部146を、中央装置40に設けたものに対応する。すなわち、読取システム1aにおける読取装置10aの処理部140aは、データ抽出部142を含むけれども、データ判別部144およびデータ判定部146を含まない。したがって、読取装置10aの処理部140aでは、撮像部110によって撮像された2次元の画像データから1次元データを抽出する処理までが行なわれる。
一方、中央装置40aに設けられた処理部180は、データ判別部144およびデータ判定部146を含む。したがって、中央装置40aの処理部180aが、読取装置10aから受信した1次元データを用いて、指針WH,RD,YL(可動部)の判別と、メータの指示値の判定とを行なう。
図10は、図9の読取装置10aの処理の流れを示すフローチャートである。また、図11は、図9の中央装置40aの処理の流れを示すフローチャートである。図10を参照して、読取装置10aの処理の流れは、実施の形態1の図5と比べて、ステップS80〜ステップS100を含まない点で異なる。また、図11を参照して、中央装置40aの処理の流れは、実施の形態1の図8と比べて、図8のステップS230とステップS240との間にステップS80〜ステップS100を含む点で異なる。その他の処理の流れは実施の形態1と同様である。なお、図10、図11の各ステップの具体的動作については、実施の形態1と同様であるので説明を繰り返さない。
実施の形態1の変形例である読取システム1aによれば、2次元の画像データから抽出された1次元データを中央装置40に送信するので、データ伝送量の削減が図れ、実施の形態1と同様に通信時間の削減および電池寿命の延長が達成できる。さらに、実施の形態1と同様に、1次元データを構成する各画素の輝度信号に基づいた可変のしきい値を用いて、メータの指示値の判定を行なうので、簡単かつ確実にメータの指示値を読取ることができる。
[実施の形態2]
実施の形態2は、実施の形態1の図6のしきい値を計算するステップS80の変形例である。実施の形態2では、メータの指示値の読取精度をさらに高めるために、輝度信号と色差信号の両方に基づく合成信号によってしきい値を計算する。この場合、合成信号は、しきい値を計算するための指標値となる。なお、実施の形態2の読取システムの処理は、しきい値を計算するステップS80を除いて、図5、図8に示す実施の形態1の読取システム1の処理と同じある。以下では、実施の形態1と同様の部分については、説明を繰り返さない。
図12は、本発明の実施の形態2として、図5のしきい値を計算するステップS80の処理の流れを示すフローチャートである。
図12を参照して、ステップS83で、図1の読取装置10のCPU32は、1次元データを構成する複数の画素の各々について、輝度信号および色差信号に基づいて合成信号CSを計算する。次に、ステップS84で、CPU32は、合成信号CSの最大値、最小値および平均値を計算する。そして、次のステップS85で、CPU32は、計算した最大値、最小値および平均値に基づいてしきい値を計算する。以下、合成信号CSおよびしきい値の計算方法について詳しく説明する。
一般に、図1のカメラ本体22に用いられるイメージセンサによって得られる信号は、赤(R)、緑(G)、青(B)の光の3原色の信号である。このとき、輝度信号Yは、3原色信号RGBを用いて次式で定義される。ただし、次式で、3原色信号RGBは8bitで量子化された信号であり、0≦R≦255、0≦G≦255、0≦B≦255である。
Y=0.299R+0.587G+0.114B
色差信号は、3原色信号RGBから輝度信号Yを減じたものとして定義される。具体的に、青の色差信号DBおよび赤の色差信号DRは、それぞれ次式で与えられる。ただし、
次式では、色差信号DB,DRのフルスケールを、輝度信号Yに合わせて、−128≦DB≦128、−128≦DR≦128のように正規化している。次式によれば、青の色差信号DBは、無彩色(R=G=B)の場合に0となり、純粋な青色(R=G=0,B=255)の場合に128となり、青色の補色の黄色(R=G=255,B=0)の場合に−128となる。赤の色差信号DRについても同様である。
DB=(B-Y)/1.772=-0.169R-0.331G+0.500B
DR=(R-Y)/1.402=0.500R-0.419G-0.081B
国際電気通信連合の定める標準化規格ITU−R BT.601では、8bitの輝度信号Y0(前述のYと区別してY0と記載する)、および色差信号Cb,Crは、各々のフルスケールが、16≦Y0≦235、16≦Cb≦240、16≦Cr≦240となるように定められている。具体的に、ITU−R BT.601の輝度信号Y0および色差信号Cb,Crは、それぞれ次式に従って求められる。次式によれば、青の色差信号Cbは、無彩色(R=G=B)の場合に128となり、純粋な青色の場合に240となり、青色の補色の黄色の場合に16となる。
Y0=Y*220/256+16=0.257R+0.504G+0.098B+16
Cb=DB*225/256+128=-0.148R-0.291G+0.439B+128
Cr=DR*225/256+128=0.439R-0.368G-0.071B+128
通常の市販のビデオカメラの映像出力には上式の輝度信号Y0および色差信号Cb,Crが用いられている。そこで、図12のステップS83では、上式の輝度信号Y0および色差信号Cb,Crを用いて、1次元データの各画素の合成信号CSを次式に従って計算する。ただし、次式のABS()は、()の中の式の絶対値を表わす。
CS=Y0/2+ABS(Cb-128)+ABS(Cr-128) …(式2)
上記の式2では、色差信号Cb,Crの各々について無彩色の場合との差を求め、求めた各々の差の絶対値を輝度信号Y0の0.5倍に加算する。なお、各項の係数が順に0.5、1、1となっているのは、各項の変動範囲をほぼ揃えるためである。
ステップS85で計算するしきい値は、上記の式2に従って求めた合成信号CSの最大値、最小値および平均値から、次の式3に従って計算される。ここで、式3の係数k2は、実施の形態1の場合と同様に、画面のノイズの大きさを考慮して決定される。
しきい値=(最大値−最小値)×係数k2+平均値 …(式3)
実施の形態1では、輝度信号Y(またはY0)のみを用いてしきい値を計算していた。ここで、輝度信号Y(またはY0)の定義式によれば、緑の信号成分Gの係数に比べて、赤の信号成分Rの係数が小さく、青の信号成分Bの係数はさらに小さい。すなわち、輝度信号Y(またはY0)に対する各色の信号成分RGBの寄与率が異なる。このため、たとえば、指針式メータの指針が赤色(R=255,G=B=0)または青色(R=G=0,B=255)に着色され、背景の文字盤204が黒色(R=G=B=0)の場合には、指針と背景の文字盤との輝度の差が小さくなり、画面のノイズが大きい場合には指針の判別が困難になる。逆に、たとえば、黄色(R=G=255,B=0)または緑色(R=B=0,G=255)の指針に対して、背景の文字盤204が白色(R=G=B=255)の場合にも、指針と背景の文字盤との輝度の差が小さくなり、指針の判別が困難になる。そこで、実施の形態2では、輝度信号Y0と色差信号Cb,Crとの両方に基づく合成信号CSを用いることによって、輝度信号Y0に対する各色の信号成分RGBの寄与率の差を補完する。これによって、実施の形態2のアナログ式メータの読取システム1は、実施の形態1と同様の作用効果を奏するとともに、アナログ式メータの指示値をさらに精度良く読取ることができる。
ここで、上記の合成信号CSの計算式である式2を、輝度信号Yおよび色差信号B−Y,R−Yが変数となるように変形すると次の式4が得られる。式4によれば、合成信号CSは、輝度信号Yと、色差信号B−Y,R−Yの各々の絶対値との線形結合を含む形で表わされることがわかる。なお、式4において、ABS()は、()の中の式の絶対値を表わす。
CS=0.403Y+0.496*ABS(B-Y)+0.627*ABS(R-Y)+8 …(式4)
なお、上記の式2または式4を用いると合成信号CSの値を簡単に求めることができるけれども、必ずしも上記の方法に従って合成信号CSの計算する必要はない。しきい値の計算に際して輝度信号および色差信号の両方を用いることによって、指針(可動部)の色の違いによらず確実に指示値を読取れるようにすることが目的であるので、この目的に適う範囲で、合成信号CSの計算方法を変形することができる。
次に、図3の指針式メータに実施の形態2を適用した具体例について説明する。
図13は、図3の指針式メータについて、1次元データを構成する各画素の輝度信号Y0,色差信号Cr,Cbおよび合成信号CSを示すグラフである。図13の横軸は1次元データを構成する画素の画素番号を表わす。最小の画素番号1は摂氏0度に対応し、最大の画素番号281は摂氏100度に対応する。また、図13の縦軸は、上から順に、輝度信号Y0、色差信号Cr、色差信号Cbおよび合成信号CSを表わす。
図13を参照して、白色の温度指示針WHおよび黄色の警報設定針YLの各輝度信号Y0は、背景の輝度信号に比べて十分な信号強度が得られている。これに対して、赤色のデマンド針RDの輝度信号Y0は、温度指示針WHおよび警報設定針YLに比べて輝度信号Y0が小さい。このため、輝度信号Y0のみを用いてしきい値を計算すると、画面のノイズが大きい場合には、デマンド針RDを読取れないおそれがある。
そこで、前述の式2に従って、輝度信号Y0、色差信号Cb,Crを用いて合成信号CSを計算する。そうすると、赤色のデマンド針RDの合成信号CSは、温度指示針WHおよび警報設定針YLの各合成信号CSと同等の大きさになり、背景の合成信号CSの大きさに対しても十分な信号強度になる。この結果、赤色のデマンド針RDの読取精度を向上させることができる。
[実施の形態2の変形例]
図14は、図12のしきい値を計算するステップS80の変形例を示すフローチャートである。
図14を参照して、実施の形態2の変形例では、まず、ステップS86で、1次元データを構成する画素の輝度信号Y0、色差信号Cb,Crについて、それぞれの最大値、最小値および平均値を計算する。次のステップS87では、輝度信号Y0、色差信号Cb,Crの各々のしきい値を、前述の式3を用いて計算する。すなわち、輝度信号Y0のしきい値TH1は、輝度信号Y0の最大値、最小値および平均値を用いて計算される。同様に、青色の色差信号Cbのしきい値TH2は、青色の色差信号Cbの最大値、最小値および平均値を用いて計算される。また、赤色の色差信号Crのしきい値TH3は、赤色の色差信号Crの最大値、最小値および平均値を用いて計算される。
しきい値を計算するステップS80に後続する図5のステップS90では、複数のしきい値TH1,TH2,TH3の各々について、しきい値との差が大きい画素を抽出する。したがって、輝度信号Y0のしきい値TH1だけでは読取精度が十分でない場合でも、色差信号Cb,Crのしきい値TH2,TH3を考慮することによって、十分な読取精度で指針(可動部)を判別することができる。この結果、実施の形態2の変形例においても、
実施の形態2と同様の効果を奏する。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態1としてのアナログ式メータの読取システム1のハードウェア構成を示すブロック図である。 図1に示すアナログ式メータの読取システム1の機能ブロック図である。 指針式メータを撮像した画像200を模式的に示す平面図である。 実施の形態1が対象とする他の例として、液面計を撮像した画像210を模式的に示す平面図である。 図2の読取装置10の処理の流れを示すフローチャートである。 図5のしきい値を計算するステップS80の処理の流れを示すフローチャートである。 図3の指針式メータの仮想線206に対応する1次元データについて、各画素の輝度信号を表わすグラフである。 図2の中央装置40の処理の流れを示すフローチャートである。 図2の変形例である読取システム1aの機能ブロック図である。 図9の読取装置10aの処理の流れを示すフローチャートである。 図9の中央装置40aの処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2として、図5のしきい値を計算するステップS80の処理の流れを示すフローチャートである。 図3の指針式メータについて、1次元データを構成する各画素の輝度信号Y0,色差信号Cr,Cbおよび合成信号CSを示すグラフである。 図12のしきい値を計算するステップS80の変形例を示すフローチャートである。
符号の説明
1,1a 読取システム、5 アナログ式メータ、10,10a 読取装置、20 撮像部、30 マイクロコンピュータ、38,42 無線モジュール、40,40a 中央装置、50 コンピュータ、58 記憶装置、62 表示装置、110 撮像部、120
記憶部、130 通信部(送信部)、140,140a 処理部、142 データ抽出部、144 データ判別部、146 データ判定部、150 通信部(受信部)、160
記憶部、170 コンピュータの表示部、180,180a 処理部、200,210
画像データ、202 アナログ式メータの表示部、204 文字盤(固定面)、206,214 仮想線、RGB 3原色信号、DB,DR,Cb,Cr 色差信号、Y,Y0
輝度信号、CS 合成信号、TH しきい値、MV 平均値、RAD 半径、WH 温度指示針、RD デマンド針、YL 警報設定針。

Claims (12)

  1. 固定面と前記固定面に沿って変位する可動部とを有する表示部を含み、前記可動部は計測量に応じて変位する第1の可動部を少なくとも有する、アナログ式メータの読取方法であって、
    カメラ本体から前記表示部を撮像して2次元の画像データを生成するステップと、
    計測対象範囲において前記可動部が変位しても、前記カメラ本体から見て前記可動部と重なるような前記固定面上の仮想線に対応する1次元データを、前記画像データから抽出するステップと、
    前記1次元データに応じて変化する可変のしきい値を基準にして、前記1次元データのうち前記可動部に対応する1または複数の画素を判別するステップと、
    前記判別するステップの判別結果から、前記可動部が指示する指示値を判定するステップと、
    前記1次元データを構成する複数の画素の輝度信号に少なくとも基づいて前記可変のしきい値を算出するステップとを備える、アナログ式メータの読取方法。
  2. 前記可変のしきい値を算出するステップは、前記1次元データを構成する複数の画素の輝度信号の最大値、最小値および平均値に基づいてしきい値を算出するステップを含む、請求項1に記載のアナログ式メータの読取方法。
  3. 前記可変のしきい値を算出するステップは、
    前記1次元データを構成する複数の画素ごとに、輝度信号および2種類の色差信号に基づいて合成信号を算出するステップと、
    前記合成信号に基づいてしきい値を算出するステップとを含む、請求項1に記載のアナログ式メータの読取方法。
  4. 前記輝度信号をYとし、2種類の前記色差信号をB−Y、R−Yとすると、
    前記合成信号は、前記輝度信号Yと、2種類の前記色差信号B−Y、R−Yの各々の絶対値との線形結合を含む、請求項3に記載のアナログ式メータの読取方法。
  5. 前記合成信号に基づいてしきい値を算出するステップは、前記合成信号の最大値、最小値および平均値に基づいてしきい値を算出するステップを含む、請求項3または4に記載のアナログ式メータの読取方法。
  6. 前記しきい値は、第1〜第3のしきい値を含み、
    前記しきい値を算出するステップは、
    前記1次元データを構成する複数の画素の輝度信号の最大値、最小値および平均値に基づいて第1のしきい値を算出するステップと、
    前記1次元データを構成する複数の画素の2種類の色差信号について、最大値、最小値および平均値に基づいて第2、第3のしきい値をそれぞれ算出するステップとを含む、請求項1に記載のアナログ式メータの読取方法。
  7. 前記可動部は、前記第1の可動部と異なる色を有する第2の可動部をさらに含み、
    前記第1、第2の可動部の少なくとも一方は有彩色に着色されている、請求項3〜6のいずれか1項に記載のアナログ式メータの読取方法。
  8. 前記表示部の表面には、表面反射を抑制するための反射防止フィルムが設けられている、請求項1〜7のいずれか1項に記載のアナログ式メータの読取方法。
  9. 前記アナログ式メータは、指針である前記可動部が回転中心の周りに回動する指針式メ
    ータであり、
    前記仮想線は、前記回転中心を中心とする円弧である、請求項1〜8のいずれか1項に記載のアナログ式メータの読取方法。
  10. 前記アナログ式メータは、直線に沿って前記可動部が変位するメータである、請求項1〜8のいずれか1項に記載のアナログ式メータの読取方法。
  11. 表示部を含み、前記表示部は固定面と前記固定面に沿って計測量に応じて変位する可動部とを有する、アナログ式メータの読取装置であって、
    前記表示部を撮像して2次元の画像データを生成するための撮像部と、
    計測対象範囲において前記可動部が変位しても、前記撮像部から見て前記可動部と重なるように前記固定面上に予め設定された仮想線に対応する1次元データを、前記画像データから抽出するためのデータ抽出部と、
    可変のしきい値を、前記1次元データを構成する複数の画素の輝度信号に少なくとも基づいて算出し、算出した前記しきい値を基準にして前記1次元データのうち前記可動部に対応する1または複数の画素を判別するためのデータ判別部と、
    前記データ判別部の判別結果から、前記可動部が指示する指示値を判定するためのデータ判定部と、
    前記データ判定部で判定された指示値をデータ収集用のコンピュータに送信するための送信部とを備える、アナログ式メータの読取装置。
  12. 各々が表示部を含み、前記表示部は固定面と前記固定面に沿って計測量に応じて変位する可動部とを有する、複数のアナログ式メータの読取システムであって、
    前記複数のアナログ式メータにそれぞれ対応して設けられる複数の読取装置を備え、前記複数の読取装置の各々は、
    前記表示部を撮像して2次元の画像データを生成するための撮像部と、
    計測対象範囲において前記可動部が変位しても、前記撮像部から見て前記可動部と重なるように予め前記固定面上に設定された仮想線に対応する1次元データを、前記画像データから抽出するためのデータ抽出部と、
    前記1次元データを送信するための送信部とを含み、
    前記読取システムは、データ処理装置をさらに備え、前記データ処理装置は、
    前記複数の読取装置からそれぞれ送信された複数の前記1次元データを受信するための受信部と、
    前記複数の読取装置の各々について、可変のしきい値を、前記1次元データを構成する複数の画素の輝度信号に少なくとも基づいて算出し、算出した前記しきい値を基準にして前記1次元データのうち前記可動部に対応する1または複数の画素を判別するためのデータ判別部と、
    前記複数の読取装置の各々について、前記データ判別部の判別結果から前記可動部が指示する指示値を判定するためのデータ判定部とを含む、アナログ式メータの読取システム。
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