JP2009075364A - 半透過型ips液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】透明基板1上に形成され、かつ開口部aが形成された着色層2と、上記着色層上に形成されたオーバーコート層3と、上記オーバーコート層上に、透明樹脂中に微粒子を分散させてなる光散乱層4のパターンを有し、上記透明基板と、上記開口部を有する着色層と、上記オーバーコート層と、上記光散乱層とが積層された領域を反射領域として用い、上記開口部を有さない着色層領域を透過領域として用いる半透過型IPS液晶表示装置用カラーフィルタであって、上記光散乱層を上記反射領域の上記オーバーコート層上に、光散乱層形成用塗工液を用いて、アディティブ法により形成する。
【選択図】図1
Description
また、紫外線の回折等によって露光された部分は、本来露光されるべき箇所ではないことから、樹脂が完全に硬化していないため、ラビング時において、より微粒子が剥れやすくなるといった問題も有していた。
また、本発明においては、上記光散乱層をアディティブ法を用いて形成することにより、フォトリソグラフィー法を用いて形成する場合と比較して、光散乱層の機能を向上させることが可能な透明樹脂を選択することが可能となる。したがって、高い光散乱機能を発揮させることが可能な光散乱層を形成することが可能となる。
また、フォトリソグラフィー法で必要とされる感光性および現像性が必要とされない点からも、透明樹脂の材料の選択の自由度が上がり、例えばビーズの沈降が起こりにくい組成とすることが可能である。
以下、本発明のカラーフィルタの製造方法について、詳しく説明する。
まず、本発明における光散乱層形成工程について説明する。本発明における光散乱層形成工程は、反射光用領域のオーバーコート層上に、光散乱層形成用塗工液を用いて、アディティブ法により光散乱層を形成する工程である。
まず、本発明における光散乱層形成方法について説明する。本発明における光散乱層形成方法は、光散乱層形成用塗工液を用いてアディティブ法により光散乱層を形成する方法である。
以下、上記光散乱層形成方法に用いられる光散乱層形成用塗工液およびアディティブ法について説明する。
本発明に用いられる光散乱層形成用塗工液は、少なくとも透明樹脂、微粒子および溶剤を含有するものである。
以下、光散乱層形成用塗工液中の各成分について説明する。
上記光散乱層形成用塗工液に用いられる透明樹脂は、硬化後に透明性を有し、後述する微粒子が分散されるものであれば特に限定されるものではなく、例えば溶剤中に高分子材料を溶解させ、後工程で溶剤を除去するようにしてもよく、また溶剤中にモノマー成分を溶解させ、後工程で硬化させるようにしてもよく、さらには、これらを組み合わせたものであってもよい。本発明においては、このように、フォトリソグラフィー法に比べて、使用できる樹脂の種類が多いため、光散乱層の機能を向上させることが可能な樹脂を選択することが可能となる。
上記光散乱層形成用塗工液に用いられる微粒子としては、上述した透明樹脂とは屈折率が異なり、透明性を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば酸化ケイ素、酸化アルミニウム等の無機物、アクリル系樹脂、ジビニルベンゼン系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂、スチレン系樹脂、メラミン系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル系樹脂等の有機物、あるいは、これらの2種以上の混合系等の微粒子を挙げることができる。
上記光散乱層形成用塗工液に用いられる溶剤としては、上記透明樹脂および微粒子を分散または溶解し、かつこれらの成分と反応せず、適度の揮発性を有するものである限り、適宜に選択して使用することができる。
上記溶剤のうち、溶解性、顔料分散性、塗布性等の観点から、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、ぎ酸n−アミル、酢酸i−アミル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸i−プロピル、酪酸エチル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸エチル等が好ましく、また高沸点溶剤としてはミネラルスピリット、石油ナフサS−100、石油ナフサS−150、テトラリン、テレピン油、γ−ブチロラクトン等が好ましい。溶剤の使用量は、透明樹脂100重量部に対して、通常、100〜10,000重量部、好ましくは500〜5,000重量部である。
また、本発明においては、使用する透明樹脂に応じて各種添加剤を使用することができる。上記各種添加剤としては、例えば分散剤、増感剤、帯電防止剤、保存安定剤、消泡剤、重合禁止剤、可塑剤、レベリング剤、密着助剤、各種調整剤、界面活性剤等が挙げられる。なお、これらの各種添加剤は、一般的なカラーフィルタにおける着色層を形成する際に使用されるものと同様とすることができる。
本発明においては、上記光散乱層形成用塗工液を用いて、アディティブ法により光散乱層が形成される。ここで、本発明におけるアディティブ法とは、オーバーコート層上に直接パターンを形成する方法である。例えばフォトリソグラフィー法のように、一旦オーバーコート層上に光散乱層形成用塗布膜を形成してから、その塗布膜に対して露光、現像を行うといった、オーバーコート層上でパターニングする方法とは異なるものである。このようなアディティブ法として具体的には、印刷法や、直接描画法等を挙げることができる。なお、直接描画法とは、インクジェット方式およびディスペンサー方式のようなインクを直接オーバーコート層上に吐出させる方法である。
以下、本工程に用いられるスクリーン印刷法、凹版オフセット印刷法、およびグラビア印刷法について、詳しく説明する。
本工程に用いられるスクリーン印刷法は、一般的に用いられるスクリーン印刷法と同様とすることができ、例えば図1に示すように、へら状の部品であるスキージ10で、光散乱層形成用塗工液を印刷用版11のメッシュに押し当てて通過させ、反射光用領域rのオーバーコート層3の表面に光散乱層4のパターンを転写する印刷である。
本工程に用いられる凹版オフセット印刷法は、一般的に用いられる凹版オフセット印刷法と同様とすることができる。ここで、図2に、凹版オフセット印刷法による光散乱層の形成の一例を説明する図を示す。凹版オフセット印刷法は、まず、平板状の凹版20の凹部20aに、光散乱層形成用塗工液6をドクターブレードを用いて充填し、この凹版20上を中間転写媒体であるブランケット胴21を転動させる(図2(a))。次いで、このブランケット胴21を、オーバーコート層3上に転動させてブランケット22上からオーバーコート層3上に光散乱層形成用塗工液6を転移して光散乱層4を転写形成する(図2(b))。
本工程に用いられるグラビア印刷法は、一般的に用いられるグラビア印刷法(凹版印刷法)と同様とすることができる。ここで、図3に、グラビア印刷法による光散乱層の形成の一例を説明する図を示す。グラビア印刷法は、例えば図3に示すように、まず、光散乱層形成用塗工液6は回転するファーニシャーローラ30の表面に均一に付着され、次いで、ファーニシャーローラ30と接触して回転するグラビア胴21上に形成された光散乱層形成用パターンに光散乱層形成用塗工液6が充填され、さらに光散乱層形成用パターンの光散乱層形成用塗工液6の表面はドクターブレード(図示せず)によって整形される。次いで、透明基板、着色層およびオーバーコート層が積層されたカラーフィルタ用基材7を連続的にグラビア胴21の表面に供給し、グラビア胴21と反対の面から回転する圧胴31によって押圧し、カラーフィルタ用基材7のオーバーコート層上にグラビア胴21の凹版のパターンに充填された光散乱層形成用塗工液6を転移して光散乱層4を転写形成する。
本発明における光散乱層形成工程は、上述した光散乱層形成方法を用いて、反射光用領域のオーバーコート層上に光散乱層を形成する工程である。以下、この光散乱層が形成される光散乱層形成領域について説明する。本発明における光散乱層形成領域は、例えば図4に示すように、透明基板1と、開口部aを有する着色層2と、オーバーコート層3とが積層された反射光用領域rのオーバーコート層3上の領域である。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、上記光散乱層形成工程を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば上記光散乱層形成工程の前に、透明基板上にブラックマトリクスを形成するブラックマトリクス形成工程と、上記透明基板およびブラックマトリクス上に着色層を形成する着色層形成工程と、上記着色層上にオーバーコート層を形成するオーバーコート層形成工程とを有するものとすることができる。また、上記光散乱層形成工程の後には、柱状スペーサを形成する柱状スペーサ形成工程と、カラーフィルタの最表面に配向膜を形成する配向膜形成工程を有するものとすることができる。
以下、着色層形成工程およびオーバーコート層形成工程について説明する。なお、上記ブラックマトリクス形成工程、柱状スペーサ形成工程および配向膜形成工程については、一般的なIPS方式の半透過型液晶表示装置用カラーフィルタを形成する際の工程と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本発明における着色層形成工程は、上記ブラックマトリクス形成工程後に行われ、透明基板およびブラックマトリクス上に開口部が形成された着色層を形成する工程である。なお、上記開口部は、反射光用領域のみに形成され、透過光用領域には形成されない。
本発明におけるオーバーコート層形成工程は、上記着色層形成工程後および上記光散乱層形成工程前に行われ、上記着色層上に透明性を有するオーバーコート層を形成する工程である。
(ブラックマトリクスの形成)
透明基板として、300mm×400mm、厚さ0.7mmのガラス基板(コーニング社製1317ガラス)を準備した。この透明基板を定法にしたがって洗浄し、透明基板上に感光性レジスト(東京応化工業(株)製 DN83)を塗布し、所定のマスクを介して露光し、次いで現像および焼成を行い、格子状の樹脂製ブラックマトリクスを形成した。また、このブラックマトリクスの膜厚は1.3μmであった。
上記透明基板およびブラックマトリクス上に、下記組成の赤色着色層用の着色層形成用塗工液(ネガ型感光性樹脂組成物)をスピンコート法により塗布した。続いて、上記赤色パターン用のフォトマスクを用いて露光、現像した。その後、焼成することにより膜厚1.8μm、開口部の線幅30μmの赤色着色層を形成した。
・赤色顔料(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 クロモフタルレッドA2B)
・・・4.8重量部
・黄色顔料(BASF社製 パリオトールイエローD1819) ・・・1.2重量部
・分散剤(ビックケミー社製 ディスパービック161) ・・・3.0重量部
・モノマー(サートマー社製 SR399) ・・・4.0重量部
・ポリマーI ・・・5.0重量部
・イルガキュア907(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製) ・・・1.4重量部
・(2,2´−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4´,5´−テトラフェニル−1
,2´−ビイミダゾール) ・・・0.6重量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・80.0重量部
*ポリマーIは、ベンジルメタクリレート:スチレン:アクリル酸:2−ヒドロキシエチルメタクリレート=15.6:37.0:30.5:16.9(モル比)の共重合体100モル%に対して、2‐メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを16.9モル%付加したものであり、重量平均分子量は42500である。
上記赤色着色層が形成された透明基板上に、下記組成の緑色着色層用の着色層形成用塗工液(ネガ型感光性樹脂組成物)を用いて、赤色着色層と同様の方法により、膜厚1.8μm、開口部の線幅30μmの緑色着色層を形成した。
・緑色顔料(アビシア社製 モナストラルグリーンθY−C) ・・・4.2重量部
・黄色顔料(BASF社製 パリオトールイエローD1819) ・・・1.8重量部
・分散剤(ビックケミー社製 ディスパービック161) ・・・3.0重量部
・モノマー(サートマー社製 SR399) ・・・4.0重量部
・ポリマーI ・・・5.0重量部
・イルガキュア907(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製) ・・・1.4重量部
・(2,2´−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4´,5´−テトラフェニル‐1
,2´−ビイミダゾール) ・・・0.6重量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・80.0重量部
上記赤色着色層および緑色着色層が形成された透明基板上に、下記組成の青色着色層用の着色層形成用塗工液(ネガ型感光性樹脂組成物)を用いて、赤色着色層と同様の方法により、膜厚1.8μm、開口部の線幅30μmの青色着色層を形成した。
・青色顔料(BASF社製 ヘイオゲンブルーL6700F) ・・・6.0重量部
・顔料誘導体(アビシア社製 ソルスパース6000) ・・・0.6重量部
・分散剤(ビックケミー社製 ディスパービック161) ・・・2.4重量部
・モノマー(サートマー社製 SR399) ・・・4.0重量部
・ポリマーI ・・・5.0重量部
・イルガキュア907(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製) ・・・1.4重量部
・(2,2´−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4´,5´−テトラフェニル−1,2´−ビイミダゾール) ・・・0.6重量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・80.0重量部
着色層上に、下記組成のオーバーコート層形成用塗工液(ネガ型感光性樹脂組成物)をスピンコート法により塗布した。続いて、上記オーバーコート層パターン用のフォトマスクを用いて露光、現像した。その後、焼成することにより着色層上全面に膜厚1.5μmのオーバーコート層を形成した。
・メタクリル酸メチル−スチレン−メタクリル酸共重合体 ・・・42重量部
・エピコート180s70(三菱油化シェル(株)製) ・・・18重量部
・ペンタエリスリトールペンタアクリレート ・・・32重量部
・イルガキュア907(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製) ・・8重量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・300重量部
上記各色の着色層上に、下記組成の光散乱層形成用塗工液(ネガ型感光性樹脂組成物)を、線材の幅5μm、メッシュ開口部25μmのスクリーン印刷基板を用いて、下記の印刷条件で反射光用領域のみに光散乱層のパターンを転写した。その後、減圧乾燥、焼成することにより反射光用領域のみに光散乱層を形成した。なお、光散乱層の中心部の平均膜厚は2.0μmとし、光散乱層の線幅は60μmとした。
・アクリル系樹脂(日本化薬(株)KAYARAD PET.30) ・・・42重量部
・メラミンビーズ(平均粒径1.3μm) ・・・10重量部
・イルガキュア184(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製) ・・・8重量部
・ポリエチレングリコールモノエチルアセテート ・・・40重量部
・スキージ速度:250mm/sec
・クリアランス:1.0mm
・スキージ圧:20kgf
(ブラックマトリクスおよび着色層及びオーバーコート層の形成)
実施例と同様にして形成した。
上記各色の着色層上に、下記組成の光散乱層形成用塗工液(ネガ型感光性樹脂組成物)をスピンコート法により塗布した。続いて、上記光散乱層パターン用のフォトマスクを用いて露光、現像した。その後、焼成することにより反射光用領域のみに光散乱層を形成した。なお、光散乱層の中心部の平均膜厚は2.0μmとし、テーパー部を含む光散乱層の線幅は60μmとした。
・アクリル系樹脂(日本化薬(株)KAYARAD PET.30) ・・・21重量部
・メラミンビーズ(平均粒径1.3μm) ・・・5重量部
・イルガキュア184(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製) ・・・4重量部
・ポリエチレングリコールモノエチルアセテート ・・・70重量部
・現像液(KOH水溶液)の濃度:0.03質量%
・現像時間:20秒
・現像液の温度:20℃
・現像圧力:1.0kgf/cm2
実施例および比較例で作製したカラーフィルタに配向膜を形成した後、ラビングを行った。その結果、実施例で作製したカラーフィルタでは微粒子の剥がれは発生しなかったが、比較例で作製したカラーフィルタでは微粒子の剥がれが発生した。
2…着色層
3…オーバーコート層
4…光散乱層
a…開口部
X…微粒子
r…反射光用領域
t…透過光用領域
Claims (3)
- 透明基板と、前記透明基板上に形成され、かつ開口部が形成された着色層と、前記着色層上に形成されたオーバーコート層と、前記オーバーコート層上にパターン状に形成され、透明樹脂中に微粒子を分散させてなる光散乱層とを有し、前記透明基板と、前記開口部を有する前記着色層と、前記オーバーコート層と、前記光散乱層とが積層された領域を反射光用領域として用い、前記透明基板と、前記開口部を有さない前記着色層と、前記オーバーコート層とが積層された領域を透過光用領域として用いる半透過型IPS液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法であって、
前記反射光用領域の前記オーバーコート層上に、光散乱層形成用塗工液を用いて、アディティブ法により前記光散乱層を形成する光散乱層形成工程を有することを特徴とする半透過型IPS液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法。 - 前記アディティブ法が、印刷法であることを特徴とする請求項1に記載の半透過型IPS液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法。
- 前記印刷法が、スクリーン印刷法、凹版オフセット印刷法、およびグラビア印刷法からなる群から選択される一つの印刷法であることを特徴とする請求項2に記載の半透過型IPS液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法。
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