JP2009074581A - 制振材及び制振構造体の製造方法 - Google Patents

制振材及び制振構造体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2009074581A
JP2009074581A JP2007242117A JP2007242117A JP2009074581A JP 2009074581 A JP2009074581 A JP 2009074581A JP 2007242117 A JP2007242117 A JP 2007242117A JP 2007242117 A JP2007242117 A JP 2007242117A JP 2009074581 A JP2009074581 A JP 2009074581A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vibration damping
damping material
adhesive layer
layer
constraining layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007242117A
Other languages
English (en)
Inventor
Joji Yamada
穣二 山田
Yozo Kirie
洋三 桐榮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP2007242117A priority Critical patent/JP2009074581A/ja
Publication of JP2009074581A publication Critical patent/JP2009074581A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Vibration Prevention Devices (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】耐熱性、軽量性及び制振性に優れた制振材、並びに、制振性に優れた制振構造体の製造方法を提供する。
【解決手段】制振材Aは、ガラス繊維又はカーボン繊維からなる拘束層Bと発泡粘着層Cとが積層一体化されてなる。又、制振構造体は、拘束層Bに熱硬化性樹脂を含浸してなる制振材をその発泡粘着層が振動体側となるように振動体の表面に固着させて構造体を作製し、この構造体を加熱することにより拘束層Bの熱硬化性樹脂を硬化させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、耐熱性、軽量性及び制振性に優れた制振材、並びに、この制振材を用いた制振構造体の製造方法に関する。
従来から、電化製品ではモーターなどの駆動装置の振動を低減させるために制振材が用いられており、その他に、建築用途では、折板屋根などにおける雨音の低減のために制振材が、自動車用途では、走行中に発生する振動によって屋根や扉などが微振動することに起因する振動音やエンジンなどの駆動系の振動を低減するために制振材が用いられている。
このような制振材としては、特許文献1に、ゴム又は熱可塑性エラストマー、熱可塑性樹脂及び無機粉体からなる制振性シート基材の一面にポリエチレンテレフタレート樹脂層が積層されてなる折板屋根用制振シートが提案されている。
この制振シートは、その内部に無機粉体を含有させることによって振動エネルギーを熱的損失に変換するものであることから、密度が1g/cm3以上であり軽量性に欠けるといった問題点があった。
又、上述の制振シートの他に、密度の大きな制振シートを振動を発生する対象物(振動物)に貼着させることによって振動物の振動を緩和させることも行なわれているが、制振シートの軽量性に欠けるという点では同様であった。
一方、軽量性に優れた制振材としては、特許文献2に、熱可塑性樹脂発泡シートの一面に発泡粘着層が積層一体化されてなる制振材が提案されている。
しかしながら、この制振材は熱可塑性樹脂の融点或いは結晶化温度以上の耐熱性を付与することが不可能であり、特に、制振材を構成する熱可塑性樹脂発泡シートとしてポリエチレンやポリプロピレンからなる発泡シートを用いた場合、制振材の耐熱性はせいぜい120℃であった。そのため、上記制振材は、加熱処理を必要とする用途に使用するのが困難であった。
特開平10−183883号公報 特開2006−71090号公報
本発明は、耐熱性、軽量性及び制振性に優れた制振材、並びに、制振性に優れた制振構造体の製造方法を提供する。
本発明の制振材は、ガラス繊維又はカーボン繊維からなる拘束層と発泡粘着層とが積層一体化されてなることを特徴とする。
又、本発明の制振構造体の製造方法は、ガラス繊維又はカーボン繊維からなる拘束層と発泡粘着層とが積層一体化されてなり且つ拘束層に熱硬化性樹脂が含浸されてなる制振材を振動体の表面に発泡粘着層が上記振動体側となるように固着させて構造体を作製し、この構造体を加熱することにより拘束層の熱硬化性樹脂を硬化させることを特徴とする。
そして、本発明の制振構造体の製造方法は、ガラス繊維又はカーボン繊維からなる拘束層と発泡粘着層とが積層一体化されてなり且つ拘束層に熱可塑性樹脂が含浸されてなる制振材を振動体の表面に発泡粘着層が上記振動体側となるように固着させて構造体を作製し、この構造体を加熱することにより拘束層の熱可塑性樹脂を軟化させた後、上記構造体を冷却することにより上記拘束層の熱可塑性樹脂を固化させることを特徴とする。
本発明の制振材は、その拘束層がガラス繊維又はカーボン繊維からなり耐熱性に優れているので、加熱処理を必要とする用途にも好適に使用することができる。
又、上記制振材は、ガラス繊維又はカーボン繊維からなる拘束層と発泡粘着層とが積層一体化されてなり、上記発泡粘着層が柔軟性を有し且つ上記拘束層が上記発泡粘着層を拘束しているので、制振性に優れている。
そして、上記制振材は、その発泡粘着層がアクリル系粘着剤を含有してなる場合、発泡粘着層の耐熱性が向上されるので、加熱処理を必要とする用途に好適に使用することができる。
又、拘束層に熱硬化性樹脂が含浸されてなる制振材をその発泡粘着層が振動を低減させたい対象物(以下、「振動体」という)側となるように振動体の表面に固着させて構造体を作製し、この構造体を加熱することにより拘束層の熱硬化性樹脂を硬化させる方法によって得られる制振性構造体は、拘束層の熱硬化性樹脂が硬化されて拘束層の剛性が向上し拘束層が発泡粘着層を強固に拘束するため、優れた制振性を有している。
しかも、振動体の表面に固着させる前の制振材は、その拘束層中の熱硬化性樹脂が未だ硬化しておらず柔軟性を有しており、制振材を振動体の表面に沿って円滑に変形させながら振動体の表面に固着させることができ、よって、制振材を振動体の表面に密着させた状態に固着させて、振動体の振動を効果的に抑制することができる。
更に、拘束層に熱可塑性樹脂が含浸されてなる制振材をその発泡粘着層が振動体側となるように振動体の表面に固着させて構造体を作製し、この構造体を加熱することにより拘束層の熱可塑性樹脂を軟化させた後、上記構造体を冷却することにより上記拘束層の熱可塑性樹脂を固化させて制振構造体を製造する場合には、加熱工程において拘束層の熱可塑性樹脂が軟化されて歪みが低減されると共に熱可塑性樹脂が加熱によって劣化して固くなって拘束層による発泡粘着層の拘束がより強固になり、その結果、制振材の制振性が向上し、その後の冷却工程において拘束層の熱可塑性樹脂が固化されて、制振材は振動体の表面に密着した状態に固着されるため、制振構造体は優れた制振性を有している。
本発明の制振材Aを、図面を参照しつつ説明する。本発明の制振材Aは、図1に示したように、拘束層Bと発泡粘着層Cとが積層一体化されてなる。
そして、上記拘束層Bを構成する材料としては、耐熱性に優れていることが必要であることから、ガラス繊維、カーボン繊維に限定される。拘束層Bの形態としては、特に限定されず、例えば、不織布、織布、編布などが挙げられ、振動体の表面形状に沿って変形させ易い点から不織布が、振動体の表面形状に沿って変形させ易く、制振性及び機械的強度に優れている点から編布が好ましい。
又、上記拘束層Bには、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などの熱可塑性樹脂などの合成樹脂を含浸させるのが好ましい。
これは、拘束層Bに熱硬化性樹脂が含浸されてなる制振材Aを後述する制振構造体に用いた場合、制振構造体の製造時の加熱工程において、拘束層Bの熱硬化性樹脂が硬化されて拘束層Bの剛性が向上し拘束層Bが発泡粘着層Cを強固に拘束するため、制振性に優れた制振構造体を得ることができるからである。
又、拘束層Bに熱可塑性樹脂が含浸されてなる制振材Aを後述する制振構造体に用いた場合、制振構造体の製造時の加熱工程において、拘束層Bの熱可塑性樹脂が軟化されてその歪みが低減されると共に熱可塑性樹脂が加熱によって劣化して固くなって拘束層による発泡粘着層の拘束がより強固になり、その結果、制振材の制振性が向上し、その後の冷却工程において拘束層の熱可塑性樹脂が固化されて、制振材は振動体の表面に密着した状態に固着されるため、制振性に優れた制振構造体を得ることができる。
そして、上記拘束層Bにおける合成樹脂の含浸量は、少ないと、制振材の制振性が低下することがある一方、多いと、制振材の軽量性が低下することがあるので、0.05〜1.0kg/m2が好ましく、0.1〜0.4kg/m2がより好ましい。
更に、上記拘束層Bの厚みは、薄いと、制振材の制振性及び引張強度が低下することがある一方、厚いと、制振材の曲げ強度が高くなり過ぎてロール状に巻き取りにくくなり、製造上及び保管上の取扱い性が低下することがあるので、0.05〜1.0mmが好ましい。
上記発泡粘着層Cを構成する粘着剤としては、ウレタン系粘着剤、アクリル系粘着剤などが挙げられ、単独で用いられても、二種以上が併用されてもよい。これらの接着剤の中でも、耐熱性に優れた発泡粘着層Cを形成することができる点から、アクリル系粘着剤を含有していることが好ましい。
更に、耐熱性に優れていることからアクリル系粘着剤のエマルジョンを原料とした発泡粘着層Cが好ましい。上記アクリル系粘着剤のエマルジョンを原料とした発泡粘着層Cが耐熱性に優れている理由としては、層中に架橋構造が形成されること、凝集力が高いことなどが考えられる。
上記アクリル系粘着剤のエマルジョンは、アクリル系粘着剤を水に溶かす際に乳化剤を添加してミセル粒子を形成させると共に、架橋剤を添加して上記ミセル粒子内を架橋させることにより調製される。なお、このようにミセル粒子内を架橋させるのは、ミセル粒子の温度変化による形状変化を防止するためである。ここで、上記ミセル粒子内の架橋に用いた添加剤の一部は、ミセル粒子間で反応し架橋構造を形成するものと推測される。従って、このミセル粒子間及びミセル粒子内に形成された架橋構造が発泡粘着層Cの耐熱性の向上に寄与しているものと推測される。
又、上記アクリル系粘着剤のエマルジョン中に存在するミセル粒子は、微小であるため非常に凝集した状態で存在している。従って、後述のように、アクリル系粘着剤のエマルジョン中の水分を乾燥させて発泡粘着層Cを形成させると、ミセル粒子が更に凝集されて、凝集力の高い発泡粘着層Cが形成されるものと推測され、この発泡粘着層Cの凝集力の高さが耐熱性の向上に寄与しているものと推測される。
上記粘着剤を用いて発泡粘着層Cを製造する方法としては、汎用されている方法を用いることができ、例えば、粘着剤のエマルジョンに空気を混合させ発泡させて発泡粘着剤エマルジョンを作製し、この発泡粘着剤エマルジョンを任意の面に所定厚みで塗布して乾燥させる方法が挙げられる。
更に、発泡粘着層C中に架橋剤を含有させて発泡粘着層Cを架橋させることによって、発泡粘着層Cの粘弾性による制振作用を維持しつつ発泡粘着層Cの厚み精度や耐熱性を向上させることができる。このような架橋剤としては、発泡粘着層Cを架橋させることができれば、特に限定されず、例えば、エポキシ系架橋剤、アミン系架橋剤、シラン系架橋剤などが挙げられる。
又、発泡粘着層C中における架橋剤の含有量としては、多いと、発泡粘着層の架橋密度が高くなり過ぎて、発泡粘着層の粘弾性による制振作用が却って低下することがあるので、発泡粘着層Cを構成する樹脂成分100重量部に対して6重量部以下が好ましく、1〜4重量部がより好ましい。
そして、発泡粘着層Cの密度は、低いと、発泡粘着層の粘弾性による制振作用が低下することがある一方、高いと、制振材の軽量性が低下することがあるので、0.03〜1g/cm3が好ましく、0.05〜0.8g/cm3がより好ましく、0.08〜0.5g/cm3が特に好ましい。
更に、発泡粘着層Cの厚みは、薄いと、制振材の制振性が低下することがある一方、厚いと、制振材の軽量性が低下することがあるので、0.3〜5.0mmが好ましく、0.5〜3.0mmがより好ましい。
又、制振材Aの軽量性を向上させるために発泡粘着層Cには無機充填剤が含有されていないことが好ましい。このような無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸塩(カオリン、タルクなど)、ケイ酸(珪藻土、軽質無水ケイ酸、ホワイトカーボンなど)、酸化亜鉛(亜鉛華)、酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウムなどが挙げられる。
次に、上記拘束層Bの一面に発泡粘着層Cを積層一体化して制振材Aを製造する方法としては、特に限定されず、例えば、拘束層Bの一面に両面粘着テープを介して発泡粘着層Cを積層一体化して制振材を製造する方法、拘束層Bの一面に粘着剤を介して発泡粘着層Cを積層一体化して制振材Aを製造する方法、拘束層Bの一面に上記発泡粘着剤エマルジョンを直接塗布した後、発泡粘着剤エマルジョンを乾燥させて、拘束層Bの一面に発泡粘着層Cを積層一体化して制振材Aを製造する方法などが挙げられる。
又、上記制振材Aの厚みは、薄いと、制振材の制振性が低下し或いは機械的強度が低下することがある一方、厚いと、制振材の軽量性が低下することがあるので、0.5〜5.0mmが好ましく、1.0〜3.0mmがより好ましい。
制振材Aとして、拘束層Bの一面に発泡粘着層Cが積層一体化されてなる制振材Aを説明したが、複数個の制振材A,A・・・を厚み方向に積層一体化させてもよい。この場合、拘束層Bと発泡粘着層Cとが互いに交互になるように、複数個の制振材A、A・・・を積層する必要がある。
そして、本発明の制振材Aは、その発泡粘着層Cが振動体側となるようにして振動体の表面に固着されて用いられる。上記制振材は、振動体の振動エネルギーを熱エネルギーに変換することによって、振動体の振動を減衰させて振動体の振動を低減させ或いは停止させる。
そして、制振材Aを振動体の表面に固着させる方法としては、例えば、両面粘着テープや粘着剤を用いて、制振材Aを振動体の表面に固着させる方法、制振材Aの発泡粘着層Cの粘着力で、制振材Aを振動体の表面に固着させる方法などが挙げられる。
又、振動体としては、それ自身が振動するものであれば特に限定されず、例えば、自動車のボディを構成する鋼板などの金属板、セラミックスなどの無機物からなる板、木板などが挙げられる。
次に、拘束層Bに熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂が含浸されてなる制振材Aを用いて制振構造体を製造する方法について説明する。先ず、上記拘束層Bに熱硬化性樹脂が含浸されてなる制振材Aを用いた制振構造体の製造方法としては、熱硬化性樹脂が含浸されてなる制振材Aを上述のような方法によって振動体の表面に固着させて構造体を作製した後、この構造体を加熱することにより、拘束層Bの熱硬化性樹脂を硬化させればよい。
この際、構造体を加熱する前は、制振材Aの拘束層B中の熱硬化性樹脂は未だ硬化しておらず、制振材Aは柔軟性を有しており、制振材Aを振動体の表面に円滑に変形させながら密着状態に固着させることができる。
そして、構造体の加熱工程において拘束層Bは、熱硬化性樹脂が硬化することによって剛性が向上して発泡粘着層Cを強固に拘束し、制振材Aに優れた制振性が付与されると共に、振動体の表面に固着された制振材Aは、その拘束層Bの剛性の向上によって振動体の表面に沿った状態を確実に維持し、よって、得られる制振構造体は、優れた制振性を有する制振材Aが振動体の表面に密着した状態に固着されてなり、優れた制振性を有する。
又、上記拘束層Bに熱可塑性樹脂が含浸されてなる制振材Aを用いた制振構造体の製造方法としては、先ず、熱可塑性樹脂が含浸されてなる制振材Aを上述のような方法によって振動体の表面に固着させて構造体を作製する。
そして、この構造体を加熱することにより拘束層Bの熱可塑性樹脂を軟化させて歪みを低減させると共に制振材Aを振動体の表面に円滑に変形させながら密着させ、更に、熱可塑性樹脂が加熱によって劣化して固くなって拘束層による発泡粘着層の拘束がより強固になり、その結果、制振材の制振性が向上し、その後の冷却工程において拘束層の熱可塑性樹脂を固化させて、優れた制振性を有する制振材が振動体の表面に密着した状態に固着されるため、得られる制振構造体は優れた制振性を有している。
以上のように、上記制振材Aは、優れた耐熱性を有しており、振動体の加熱工程が必要となる用途にも好適に用いることができる。例えば、振動体が電着塗装を必要とする金属板である場合には、金属板の裏面に制振材Aを固着した上で金属板を電着塗料中に浸漬して金属板の表面に塗膜を析出させ、得られた塗膜を焼き付けて金属板表面に電着塗膜を形成するのであるが、制振材Aは耐熱性を有していることから、金属板の塗膜の焼き付けに伴う加熱によっても制振材Aは変質せず、優れた制振性を保持し、得られる制振構造体は優れた制振性を有している。
又、振動体の表面に塗料を塗布して焼き付けを行う必要がある場合にも、制振材Aは耐熱性を有していることから、振動体の裏面に制振材Aを固着した上で振動体の表面に塗料を塗布して塗料の焼き付けのために振動体を加熱しても、制振材Aは変質することはなく、優れた制振性を保持し、得られる制振構造体は優れた制振性を有している。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
水−アクリル系粘着剤エマルジョン(大日本インキ化学社製 商品名「ボンコート350」、アクリル系粘着剤成分(樹脂成分):50重量%)90重量部、水−ウレタン系粘着剤エマルジョン(大日本インキ化学社製 商品名「ハイドランHW−930」、ウレタン系粘着剤成分(樹脂成分):50重量%)10重量部、塩化アンモニウム系気泡剤(大日本インキ化学社製 商品名「F−1」)5重量部、シリコーン系整泡剤(大日本インキ化学社製 商品名「ボンコートNBA−1」)0.5重量部及びカルボキシメチルセルロース水溶液(ダイセル化学工業社製 カルボキシメチルセルロース濃度:4重量%)6重量部を均一に混合した後、濾過により固形成分を除去して粘着剤エマルジョンを作製した。そして、得られた粘着剤エマルジョンに泡立て器を用いて空気を混合し、粘着剤エマルジョンを発泡させることにより発泡粘着剤エマルジョンを得た。
次に、一面が離型処理面とされたポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、「PETフィルム」という)を用意し、このPETフィルムの離型処理面に上記発泡粘着剤エマルジョンを均一な厚みとなるように塗布した後、発泡粘着剤エマルジョンの水分を蒸発、除去して、PETフィルム上に厚み1.0mmの発泡粘着層(目付:0.25kg/m2、密度:0.25g/cm3)が剥離可能に一体化されてなる発泡粘着シートを作製した。
そして、得られた発泡粘着シートの発泡粘着層に両面粘着テープ(積水化学工業社製 商品名「セキスイテープNo.5761」)を介して、ガラス繊維を縦横方向に編み込んでなる厚みが0.3mm、目付が0.20kg/m2の編布(以下、「編布A」という)を重ね合わせて、発泡粘着シートと編布Aとを積層一体化させた後、上記発泡粘着層からPETフィルムを剥離、除去することにより、厚み1.4mm、目付0.47kg/m2の制振材を得た。
(実施例2)
編布Aの代わりに、ガラス繊維を縦横方向に編み込んでなる編布にエポキシ樹脂を含浸させてなるエポキシ樹脂含浸編布(厚み:0.2mm、目付:0.53kg/m2、エポキシ樹脂含浸量:0.32kg/m2)を用いたこと以外は、実施例1と同様の要領で、厚み1.3mm、目付0.80kg/m2の制振材を得た。
(実施例3)
編布Aの代わりに、カーボン繊維からなる不織布にポリプロピレン樹脂を含浸させてなるポリプロピレン樹脂含浸不織布(厚み:0.25mm、目付:0.50kg/m2、ポリプロピレン樹脂含浸量:0.30kg/m2)を用いたこと以外は、実施例1と同様の要領で、厚み1.35mm、目付0.77kg/m2の制振材を得た。
(比較例1)
エチレン−プロピレンランダム共重合体(チッソ社製 商品名「XK0235」)45重量部、アイソタクチックホモポリプロピレン(出光社製 商品名「SH152」)15重量部、直鎖状低密度ポリエチレン(出光社製 商品名「0238CN」)40重量部、アゾジカルボンアミド(大塚化学社製 商品名「SO−L」)13重量部、架橋剤(共栄化学社製 商品名「TND−23H」)3重量部、酸化防止剤A(旭電化社製 商品名「アデカスタブAO−60」)1重量部、酸化防止剤B(旭電化社製 商品名「アデカスタブCDA−1」)0.5重量部及び酸化防止剤C(大内新興化学社製 商品名「ノクラック400S」)0.5重量部を押出機に供給し、押出機内で溶融混練して押出すことにより、厚み1.2mmの発泡性樹脂シートを得た。
次に、得られた発泡性樹脂シートの両面に電子線を加速電圧800kVで3.6Mrad照射して発泡性樹脂シートを架橋させた。次に、この発泡性樹脂シートを250℃に加熱して、発泡させることにより、厚み3.0mm、目付0.12kg/m2の熱可塑性樹脂発泡シートを得た。
そして、編布Aの代わりに、上記のようにして得られた熱可塑性樹脂発泡シートを用いたこと以外は実施例1と同様の要領で、厚み4.1mm、目付0.39kg/m2の制振材を得た。
(比較例2)
エチレン−プロピレンブロック共重合体(出光興産社製 商品名「E−253G」)100重量部、エチレンビスペンタブロモジフェニル(アルベマール社製 商品名「SAYTEX8010」)15重量部及び三酸化アンチモン5重量部からなる樹脂組成物を押出機に供給して溶融混練した後、押出機から溶融状態の樹脂組成物を比較例1で用いた熱可塑性樹脂発泡シート上に押出ラミネートすることにより、比較例1で用いた熱可塑性樹脂発泡シートと上記樹脂組成物からなるエチレン−プロピレンブロック共重合体層とが積層一体化されてなる、厚み3.4mm、目付0.52kg/m2の熱可塑性樹脂積層シートを得た。なお、上記エチレン−プロピレンブロック共重合体層の厚みは0.4mmであった。
そして、実施例1で用いた発泡粘着シートの発泡粘着層に両面粘着テープ(積水化学工業社製 商品名「セキスイテープNo.5761」)を介して、熱可塑性樹脂積層シートをその熱可塑性樹脂発泡シートが発泡粘着層側となるように重ね合わせることにより、発泡粘着シートと熱可塑性樹脂積層シートとを積層一体化させた後、上記発泡粘着層からPETフィルムを剥離、除去することにより、厚み4.5mm、目付0.79kg/m2の制振材を得た。
(比較例3)
スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体A(クラレ社製 商品名「ハイブラー5127」)40重量部、スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体B(クラレ社製 商品名「ハイブラー5125」)40重量部、直鎖状低密度ポリエチレン(出光社製 商品名「0238CN」)20重量部、アゾジカルボンアミド(大塚化学社製 商品名「SO−L」)6重量部及び酸化防止剤(旭電化社製 商品名「アデカスタブAO−60」1重量部を押出機に供給し、押出機内で溶融混練して押出すことにより、厚み0.9mmの発泡性樹脂シートを得た。
続いて、得られた発泡性樹脂シートの両面に電子線を加速電圧540kVで3.1Mrad照射して発泡性シートを架橋させた。次に、この発泡性シートを230℃に加熱することにより発泡させて、厚み2.0mm、目付0.20kg/m2、密度0.10g/cm3の熱可塑性樹脂発泡シートを得た。
そして、このようにして得られた熱可塑性樹脂発泡シートの一面に両面粘着テープ(積水化学工業社製 商品名「セキスイテープNo.5761」)を介して、実施例2で用いたエポキシ樹脂含浸編布を積層一体化させることにより、厚み2.3mm、目付0.75kg/m2の制振材を得た。
次に、上記のようにして得られた制振材の耐熱性及び制振性について下記の要領で評価し、その結果を表1及び図2に示した。
(耐熱性)
JIS K6767に準拠し、温度180℃、保持時間40分間の条件で加熱した制振材の加熱寸法変化率(%)を測定した。なお、表1中において、加熱寸法変化率が「−(マイナス)」であるものについては、制振材が加熱収縮したことを示す。
(制振性)
JIS G0602に規定する中央支持定常加振法に準拠して270〜4500Hzにおける損失係数を測定し、測定された損失係数を制振性の指標とした。具体的には、制振材から縦15mm×横250mmの平面長方形状の試験片を切り出し、この試験片をJIS G3141に規定されている鋼板(SPCC〜SB、平面長方形状(縦15mm×横250mm)、厚さ0.5mm)に両面粘着テープ(積水化学工業 商品名「セキスイテープNo.5761」)を介して貼着して270〜4500Hzにおける損失係数を測定した。なお、制振材を鋼板上に貼着させるにあたっては、制振材の発泡粘着層が鋼板側となるようにした。
Figure 2009074581
本発明の制振材を示した模式縦断面図である。 実施例及び比較例で得られた制振材の損失係数を示したグラフである
符号の説明
A 制振材
B 拘束層
C 発泡粘着層

Claims (9)

  1. ガラス繊維を含む拘束層と発泡粘着層とが積層一体化されてなることを特徴とする制振材。
  2. カーボン繊維を含む拘束層と発泡粘着層とが積層一体化されてなることを特徴とする制振材。
  3. 拘束層が不織布からなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の制振材。
  4. 拘束層が編布からなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の制振材。
  5. 発泡粘着層がアクリル系粘着剤を含有していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の制振材。
  6. 拘束層に熱硬化性樹脂が含浸されてなることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の制振材。
  7. 拘束層に熱可塑性樹脂が含浸されてなることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の制振材。
  8. 請求項6に記載の制振材を振動体の表面に発泡粘着層が上記振動体側となるように固着させて構造体を作製し、この構造体を加熱することにより拘束層の熱硬化性樹脂を硬化させることを特徴とする制振構造体の製造方法。
  9. 請求項7に記載の制振材を振動体の表面に発泡粘着層が上記振動体側となるように固着させて構造体を作製し、この構造体を加熱することにより拘束層の熱可塑性樹脂を軟化させた後、上記構造体を冷却することにより上記拘束層の熱可塑性樹脂を固化させることを特徴とする制振構造体の製造方法。
JP2007242117A 2007-09-19 2007-09-19 制振材及び制振構造体の製造方法 Pending JP2009074581A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007242117A JP2009074581A (ja) 2007-09-19 2007-09-19 制振材及び制振構造体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007242117A JP2009074581A (ja) 2007-09-19 2007-09-19 制振材及び制振構造体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009074581A true JP2009074581A (ja) 2009-04-09

Family

ID=40609758

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007242117A Pending JP2009074581A (ja) 2007-09-19 2007-09-19 制振材及び制振構造体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009074581A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010253716A (ja) * 2009-04-22 2010-11-11 Sekisui Chem Co Ltd 車両用外装板
WO2021141040A1 (ja) * 2020-01-06 2021-07-15 日本精機株式会社 ヘッドアップディスプレイ

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59212249A (ja) * 1983-05-16 1984-12-01 日東電工株式会社 金属板の制振防音方法
JPH09131826A (ja) * 1995-08-29 1997-05-20 Nippon Tokushu Toryo Co Ltd 制振材
JP2006069193A (ja) * 2004-08-02 2006-03-16 Sekisui Chem Co Ltd 制振材
JP2007016170A (ja) * 2005-07-08 2007-01-25 Sekisui Chem Co Ltd 制振材
JP2007021813A (ja) * 2005-07-13 2007-02-01 Sekisui Chem Co Ltd 制振材

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59212249A (ja) * 1983-05-16 1984-12-01 日東電工株式会社 金属板の制振防音方法
JPH09131826A (ja) * 1995-08-29 1997-05-20 Nippon Tokushu Toryo Co Ltd 制振材
JP2006069193A (ja) * 2004-08-02 2006-03-16 Sekisui Chem Co Ltd 制振材
JP2007016170A (ja) * 2005-07-08 2007-01-25 Sekisui Chem Co Ltd 制振材
JP2007021813A (ja) * 2005-07-13 2007-02-01 Sekisui Chem Co Ltd 制振材

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010253716A (ja) * 2009-04-22 2010-11-11 Sekisui Chem Co Ltd 車両用外装板
WO2021141040A1 (ja) * 2020-01-06 2021-07-15 日本精機株式会社 ヘッドアップディスプレイ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6067828B2 (ja) 粘着剤組成物及びそれを用いた粘着シート
EP1940904B1 (en) Moisture permeable polyester-based elastomer film and process for the manufacture thereof
WO2016010125A1 (ja) 電池用包装材料
EP1777435A1 (en) Damping material
JP5888349B2 (ja) 粘着剤組成物およびそれを用いた粘着シート
JP2019502774A (ja) 多層構造用接着フィルム
JP2015189014A (ja) 離型フィルム
JP2009074581A (ja) 制振材及び制振構造体の製造方法
JP2008291232A (ja) シリコーンゲルシートの製造方法
JP2013177630A5 (ja)
JP5522521B2 (ja) 防湿性積層体
JP4928096B2 (ja) 制振材
JP2007056253A (ja) 断熱パネル用多孔質ポリプロピレンフィルムおよびそれを用いた車輌用断熱パネル
JP2005186303A (ja) 鋼板用制振補強シート
JP2007021813A (ja) 制振材
JP2006069193A (ja) 制振材
JP2006071090A (ja) 制振材
JP4953686B2 (ja) 制振材
WO2015053228A1 (ja) 通気性フィルムおよびその製造方法
JP2009228692A (ja) 制振材
JP2012144673A (ja) 発泡樹脂の接合方法
JPH01221236A (ja) 薄板補強用の接着性シート
JP2009241486A (ja) 自動車用制振シート
JP2008302882A (ja) 自動車用制振防音材
CN100455844C (zh) 减振材料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20100715

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A521 Written amendment

Effective date: 20110602

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20111116

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111117

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120113

A02 Decision of refusal

Effective date: 20120711

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02