JP2009074497A - 燃料噴射弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】霧状態のバラツキを抑えることができるVCO型の燃料噴射弁及びそれを用いたスプレーガイド方式の筒内噴射型内燃機関を提供する。
【解決手段】燃焼室内の点火プラグに指向する第1の噴孔を含む複数の噴孔が穿設されたシート部を先端部に有する弁本体と、弁本体内に移動可能に配されて噴孔を開閉する針弁とを具備する燃料噴射弁であって、第1の噴孔に一方向から流入する燃料の流れを他方向から流入する燃料の流れよりも相対的に強くする流れ制御部を有するようにする。
【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関の燃焼室内に燃料を噴射する燃料噴射弁に関し、特に、燃料噴射弁によって燃焼室内に燃料を直接噴射する筒内噴射型内燃機関に用いて好適なものである。
従来より、層状希薄燃焼運転が可能な筒内噴射型(直噴型)のガソリンエンジン(内燃機関)が実用化されている。このような筒内噴射型のガソリンエンジンとしては、燃料噴射弁からピストン上面に向けて燃料を噴射するようにした、いわゆるウォールガイド方式が一般的である。このウォールガイド方式のエンジンでは、点火プラグ近傍領域の空燃比を比較的リッチとしつつ点火プラグから離れた領域での空燃比を比較的リーンとして、燃焼室内に層状希薄状態を形成する。これにより、燃焼室トータルで考えると比較的リーンな空燃比となる。そして、この状態で点火プラグを点火させることで、比較的リーンな空燃比であっても安定して運転できるようになっている。
また、ウォールガイド方式とは別に、いわゆるスプレーガイド方式の筒内噴射型ガソリンエンジンも開発されている。このスプレーガイド方式のエンジンでは、燃料噴射弁から点火プラグに向かって直接燃料を噴射することで、ウォールガイド方式の場合と同様に、燃焼室内に層状希薄状態を形成している(例えば、特許文献1参照)。
このようなスプレーガイド方式のエンジンでは、燃料を直接点火プラグに対して噴射するため、噴射から点火までの時間間隔が短く,混合気の過拡散を抑制できる。また,燃焼室壁面に燃料が付着し難いため,ウォールガイド方式の場合よりも燃焼効率が高まり燃費が向上すると共に、未燃燃料が少なくなるため排出ガス特性を向上することができるという効果がある。
またスプレーガイド方式のエンジンは、上述したように燃料噴射弁から点火プラグに向かって燃料を噴射しているため、燃料の噴霧状態に極めて敏感である。このため、燃料噴射弁から噴射される噴霧(燃料)の向き、噴射タイミング等の噴射状態を極めて正確に調整する必要がある。燃料を噴射する燃料噴射弁としては、例えば、複数の噴孔が設けられた弁本体(ノズルボディ)と弁本体内に配される針弁とを有し、針弁によって噴孔を開閉する、いわゆるバルブ・カバード・オリフィス型(VCO型)の燃料噴射弁がある(例えば、特許文献2参照)。また、弁本体内の先端部にサック部を設けた、いわゆるサック型の燃料噴射弁もある(例えば、特許文献3参照)。
特開2006−291798号公報 特開平8−312500号公報 特開平5−141326号公報
上記VCO型の燃料噴射弁では、針弁によって各噴孔を開閉しているため、針弁の僅かな偏心、或いは傾きの変化によって噴霧状態にバラツキが生じてしまうという問題がある。このため、例えば、個体差、サイクル変動或いは経時変化等による上記噴霧状態の変化も比較的大きくなってしまい、燃料の噴霧状態に極めて敏感であるスプレーガイド方式のエンジンへの採用は難しかった。一方、サック型の燃料噴射弁では、噴霧状態は比較的安定するものの、サック部に燃料が貯留されることで、燃料噴射弁の先端部が汚れるという問題や、燃料の後ダレが生じるという問題がある。
本発明では、このような事情に鑑みてなされたものであり、噴霧状態のバラツキを抑えることができるVCO型の燃料噴射弁及びそれを用いたスプレーガイド方式の筒内噴射型内燃機関を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、燃焼室内の点火プラグに指向する第1の噴孔を含む複数の噴孔が穿設されたシート部を先端部に有する弁本体と、該弁本体内に移動可能に配されて前記噴孔を開閉する針弁とを具備する燃料噴射弁であって、前記第1の噴孔に一方向から流入する燃料の流れを他方向から流入する燃料の流れよりも相対的に強くする流れ制御部を有することを特徴とする燃料噴射弁にある。
かかる第1の態様では、第1の噴孔内の燃料は一方向側からの流れが主流となり不安定な旋回流などが生じることがないため、第1の噴孔から噴射される燃料の噴霧特性が安定する。したがって、常に一定の方向、つまり点火プラグに向かって燃料が確実に噴射される。
本発明の第2の態様は、前記第1の噴孔よりも前記一方向側に配されている当該第1の噴孔以外の他の噴孔への流路抵抗を、前記第1の噴孔への流路抵抗よりも相対的に大きくすることで前記流れ制御部が構成されていることを特徴とする第1の態様の燃料噴射弁にある。
かかる第2の態様では、第1の噴孔に一方向側から流入する燃料の流れが、他方向側から流入する燃料の流れよりも確実に強くなる。
本発明の第3の態様は、前記他の噴孔の内径が、前記第1の噴孔の内径よりも相対的に小さくなっていることを特徴とする第2の態様の燃料噴射弁にある。
かかる第3の態様では、他の噴孔の内径を小さくすることで他の噴孔への流路抵抗を大きくして第1の噴孔に一方向側から流入する燃料の流れを、比較的容易且つ確実に他方向側から流入する燃料の流れよりも強くすることができる。
本発明の第4の態様は、前記他の噴孔の長さが、前記第1の噴孔の長さよりも短くなっていることを特徴とする第2の態様の燃料噴射弁にある。
かかる第4の態様では、他の噴孔の長さを短くすることで流れの整流効果を弱め、他の噴孔への流路抵抗を大きくして第1の噴孔に一方向側から流入する燃料の流れを比較的容易且つ確実に他方向側から流入する燃料の流れよりも強くすることができる。好ましくは、他の噴孔のシート部の外面側の開口径をシート部の内面側の開口径よりも大きくする。この構成によれば簡単な構造で噴孔の長さを短くすることができる。
本発明の第5の態様は、前記シート部に流入する燃料の流路である燃料供給路が前記針弁の周囲に画成されており、前記第1の噴孔よりも前記他方側に配される前記燃料供給路の流路抵抗を、前記針弁の周方向におけるその他の部分の流路抵抗よりも相対的に大きくすることで前記流れ制御部が構成されていることを特徴とする第1の態様の燃料噴射弁にある。
かかる第5の態様では、他方側から第1の噴孔に流入する燃料の流れが弱くなることで、一方向側から第1の噴孔に流入する燃料の流れが相対的に強くなる。
本発明の第6の態様は、前記燃料供給路には前記噴孔のそれぞれに対応する独立供給路が設けられ、前記第1の噴孔よりも前記他方側に配される前記独立供給路の流路抵抗が、他の独立供給路の流路抵抗よりも相対的に大きくなっていることを特徴とする第5の態様の燃料噴射弁にある。
かかる第6の態様では、燃料供給路が各噴孔に対応して独立していることで、他方向側から第1の噴孔に流入する燃料の流れを、一方向側から流入する燃料の流れよりも確実に弱くすることができる。
かかる本発明では、第1の噴孔から噴射される燃料の噴霧特性が安定する。したがって、常に一定の方向、つまり点火プラグに向かって燃料が確実に噴射される。このため、本発明に係る燃焼噴射弁を、いわゆるスプレーガイド方式の内燃機関に採用すれば、燃焼安定性を向上できると共に、燃費及び排出ガス特性を向上することができる。
以下、実施形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る燃料噴射弁を採用した筒内噴射型内燃機関の概略構成を示す図であり、図2は、燃焼室部分の拡大図である。内燃機関10は、いわゆるスプレーガイド方式の筒内噴射型内燃機関(直噴ガソリンエンジン)であり、図1及び図2に示すように、シリンダヘッド11とシリンダブロック12とを有している。シリンダブロック12の各シリンダ13内には、ピストン14が往復移動自在に収容されている。そして、このピストン14とシリンダ13とシリンダヘッド11とで燃焼室15が形成されている。ピストン14は、コンロッド16を介してクランクシャフト17に接続されている。ピストン14の往復運動は、コンロッド16を介してクランクシャフト17に伝達される。
シリンダヘッド11には吸気ポート18が形成されている。この吸気ポート18には吸気マニホールド19が接続されており、吸気マニホールド19には吸気管20が接続されている。吸気ポート18には吸気弁21が設けられており、この吸気弁21によって吸気ポート18が開閉されるようになっている。さらに、シリンダヘッド11には、排気ポート22が形成されている。この排気ポート22には排気マニホールド23の一端が接続されており、排気マニホールド23の他端には排気管24が接続されている。なお、排気ポート22には排気弁25が設けられており、吸気ポート18における吸気弁21と同様、排気ポート22はこの排気弁25によって開閉されるようになっている。
なお吸気マニホールド19の上流側の吸気管20には、吸入空気量を調整するスロットル弁26が設けられており、併せてスロットル弁26の弁開度を検出するスロットルポジションセンサ(TPS)27が設けられている。さらに、スロットル弁26の上流には、吸入空気量を計測するエアフローセンサ28が介装されている。一方、排気マニホールド23に接続された排気管24には、排気浄化用触媒29が介装されている。
またシリンダヘッド11には、各気筒毎に点火プラグ30が取り付けられている。これらの点火プラグ30は、その先端部が燃焼室15内に臨むように配されている。各点火プラグ30には、高電圧を出力する点火コイル31が接続されている。さらに、シリンダヘッド11には、点火プラグ30と共に電磁式の燃料噴射弁32が設けられている。各燃料噴射弁32には、燃料バルブを介して燃料タンクを擁した燃料供給装置(図示なし)が接続されている。各燃焼室15内には、燃料タンク内の燃料が各燃料噴射弁32から直接噴射されるようになっている。そして、点火プラグ30付近の空燃比を比較的リッチとし、点火プラグ30から離れた領域での空燃比を比較的リーンとし、燃焼室15内に層状希薄状態の雰囲気を形成している。
なお、これら点火プラグ30及び燃料噴射弁32は、内燃機関(エンジン)の総合的な制御を行うECU(電子コントロールユニット)に接続されており、これら点火プラグ30及び燃料噴射弁32の動作はこのECUによって制御されている。
ここで、本発明に係る燃料噴射弁32の構成について詳しく説明する。なお、図3は、燃料噴射弁の先端部の構造を示す断面図であり、図4は、燃焼室内における燃料噴射弁の配置を説明する図であり、図3のA−A′断面図である。
燃料噴射弁32は、いわゆるバルブ・カバード・オリフィス型(VCO型)の燃料噴射弁であり、図3に示すように、中空の弁本体33と、この弁本体33内に配設された針弁34とを有し、弁本体33と針弁34との間には、燃料が供給される空間である燃料供給路35が画成されている。なお燃料供給路35は、本実施形態では、針弁34の周方向に亘って連続的に設けられている。弁本体33の先端部には、先端に向かって内径が漸小するシート部36が設けられており、このシート部36には、燃料を噴射する複数の噴孔37が設けられている。なお、これら複数の噴孔37(37a〜37f)は、弁本体33の周方向に沿って所定間隔で配されている(図4参照)。針弁34は、その軸方向(図3中上下方向)で移動可能に弁本体33内に配設されており、図示しないがスプリングによってその先端側に向かって付勢されている。この針弁34の先端部には、弁本体33のシート部36に当接する円錐状のバルブ部38が設けられている。図3(a)に示すように、この針弁34のバルブ部38が弁本体33のシート部36の内面に着座することで各噴孔37が塞がれた状態となる。一方、図3(b)に示すように、このバルブ部38がシート部36から座離することで各噴孔37が開かれ、燃料供給路35を介してシート部36内に供給された燃料が、各噴孔37から燃焼室15内に噴射されるようになっている。
ここで、図4に示すように、本実施形態では、弁本体33に6個の噴孔37a〜37fが形成されており、燃料を噴射する際、各噴孔37a〜37fには、複数の方向、例えば、二方向から燃料が流入する。そして本発明に係る燃料噴射弁32は、複数の噴孔37のうち、点火プラグ30に指向する第1の噴孔に流入する燃料の流れを制御する流れ制御部を有し、この流れ制御部によって噴霧特性のバラツキを抑えている。本実施形態では、点火プラグ30に近接して配された噴孔37aが第1の噴孔であり、この第1の噴孔37aには、図3(b)中に矢印で示すように、例えば、シート部36の先端側(一方側)からの第1の流れf1と、第1の流れf1とは相対向する方向、すなわち燃料供給路35側(他方側)からの第2の流れf2とが生じる。そして、この第1の噴孔37aに流入する燃料の第1の流れf1及び第2の流れf2が流れ制御部によって制御される。すなわち、本実施形態に係る流れ制御部は、第1の噴孔37aに一方側から流入する燃料の流れ(第1の流れf1)が、第1の噴孔37aに他方側から流入する燃料の流れ(第2の流れf2)よりも相対的に強くなるように構成されている。
具体的には、複数の噴孔37のうち、第1の流れf1に対応する位置(一方側)に配されている第1の噴孔37a以外の他の噴孔、本実施形態では第2の噴孔37bの内径を、第1の噴孔37aの内径よりも小さくすることで流れ制御部が構成されている。すなわち、第2の噴孔37bの流路抵抗は、第1の噴孔37aの流路抵抗よりも大きくなっている。これにより、第1の噴孔37aには第2の噴孔37bよりも燃料が流入し易くなる。したがって燃料を噴射する際、第1の噴孔37aに流入する燃料流れの強さ(第1の流れf1)は、その反対側から第1の噴孔37aに流入する燃料流れの強さ(第2の流れf2)よりも強くなる。
なお、第1及び第2の噴孔37a,37b以外の各噴孔37c〜37fの内径は、特に限定されるものではなく、噴霧特性のバラツキを考慮して適宜決定されればよい。例えば、本実施形態では、各噴孔37c〜37fの内径は、第1の噴孔37aと同一径で形成されている。
このように第1の噴孔37aに流入する燃料の第1の流れf1が、第2の流れf2よりも強くなることで、第1の噴孔37a内における燃料の流れは、第1の流れf1が主流となり、第1の噴孔37aから噴射される燃料の流れは、一様性の高い流れ(一様流)となる。
例えば、第1の噴孔37aと第2の噴孔37bの内径が同一である場合、第1の噴孔37aに流入する燃料の第1の流れf1と第2のf2とは同程度の強さになる。この場合、第1の流れf1と第2の流れf2とが干渉し合って旋回流が生じ、燃料は第1の噴孔37a内を旋回して燃焼室15内に噴射される。燃料が噴射される方向は旋回流の強さによって決まり、また旋回流の強さは第1の流れf1及び第2の流れf2の強さのバランスによって決まる。そして、これら第1の流れf1及び第2の流れf2の強さは、例えば、針弁34が僅かに偏心する等の要因によって変化してしまう。このため、第1の流れf1と第2のf2とが同程度の強さであると、燃料が噴射される方向等の噴霧特性は極めて不安定になってしまう。
これに対し、本実施形態では、上述したように第1の流れf1が第2の流れf2よりも圧倒的に強くなっている。このため、第1の流れf1及び第2のf2に多少の変化が生じた場合でも、第1の噴孔37a内の燃料には不安定な旋回流が生じることなく一様流となる。
したがって、第1の噴孔37a内からは、常に第1の噴孔37aの軸線方向に沿って安定して燃料が噴射されるようになる。例えば、針弁34が僅かに偏心した場合でも、噴射状態の変化は抑えられ、常に点火プラグ30に向かって確実に燃料が噴射されるようになる。よって、燃焼室15内には、層状希薄状態の雰囲気が良好に形成されることになる。また、このような本発明に係る燃料噴射弁32を採用することで、燃費のバラツキや、排ガスに含まれる汚染物質の濃度のバラツキ等を抑え、常に安定して運転することができる筒内噴射型内燃機関を実現することができる。
(実施形態2)
図5は、実施形態2に係る燃料噴射弁の先端部の概略構成を示す断面図である。なお、同一部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態は、流れ制御部の変形例として、第2の噴孔37bのシート部36の外面側の開口径がシート部36の内面側の開口径よりも大きく形成することで、第2の噴孔37bの長さを第1の噴孔37aの長さよりも短くなるようにした例であり、それ以外の構成は実施形態1と同様である。
具体的には、本実施形態に係る第2の噴孔37bは、図5に示すように、弁本体33のシート部36の内面に開口する小径部41と、この小径部41と同軸に設けられてシート部36の外面に開口する大径部42とからなる。この小径部41は、第1の噴孔37aと略同一の内径で形成されており、大径部42は小径部41よりも大きい内径で形成されている。つまり、第2の噴孔37bは、その孔長が第1の噴孔37aよりも実質的に短くなった構成となっている。
一般的に、噴孔の長さLと噴孔の直径Dとの比(L/D)が小さいほど、その噴孔に流入する燃料の流れには乱れが生じやすい傾向にある。つまり、L/Dが小さいほど、その噴孔には燃料が流入し難くなる傾向にある。本実施形態の構成においては、第1の噴孔37aと第2の噴孔37bの小径部41との直径は同一である。このため、孔長の短い第2の噴孔37b(小径部41)には、孔長の長い第1の噴孔37aよりも燃料が流入し難くなる。すなわち、第2の噴孔37bへの流路抵抗が大きくなる。
このため、本実施形態の構成においても、実施形態1の場合と同様に第1の噴孔37aに流入する燃料の第1の流れf1が、第2の流れf2よりも強くなる。したがって、第1の噴孔37aからは、常に点火プラグ30に向かって確実に燃料が噴射されるようになる。
なお、本実施形態では、第2の噴孔37bが、小径部41と大径部42とで構成された例を説明したが、第2の噴孔37bの形状は、これに限定されるものではない。例えば、図6に示すように、第2の噴孔37bは、その内径が内側から外側に向かって漸大するように形成されていてもよい。
(実施形態3)
図7は、実施形態3に係る燃料噴射弁の先端部の概略構成を示す断面図である。なお、同一部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
上述の実施形態は、第1の噴孔37aに流入する燃料の第1の流れf1が強くなるように流れ制御部を構成した例であるが、本実施形態は、第2の流れf2を弱くすることで相対的に第1の流れf1が強くなるように流れ制御部を構成した例である。
具体的には、図7に示すように、本実施形態では、各噴孔37a〜37fは全て同一の直径で形成されているが、燃料供給路35内にリング状の流れ規制部材50が設けられ、この流れ規制部材50によって第1の噴孔37aに流入する第2の流れf2の強さが規制されている。この流れ規制部材50は、例えば、本実施形態では、針弁34の外周部に固定されており、弁本体33の内周面に接触する程度の大きさを有する。また流れ規制部材50の外周部には、各噴孔37a〜37fに対応する複数の切欠き部51a〜51fがそれぞれ独立して設けられている。すなわち、燃料供給路35には、流れ規制部材50によって各噴孔37a〜37fに対応する独立供給路が形成されている。そして、燃料供給路35内の燃料は、流れ規制部材50の各切欠き部51a〜51fからシート部36に供給されて対応する各噴孔37a〜37fから噴射されるようになっている。
つまり、本実施形態の構成においては、切欠き部51bを介して第1の噴孔37aに流入する燃料の流れが第1の流れf1となり、切欠き部51aを介して第1の噴孔37aに流入する燃料の流れが第2の流れf2となる。
そして、本実施形態では、この流れ規制部材50の各切欠き部51a〜51fのうち、第1の噴孔37aに対応する切欠き部51aの開口面積が、第2の噴孔37bに対応する切欠き部51bの開口面積よりも小さくなっている。このため、第1の噴孔37aに流入する燃料の第2の流れf2が、第1の流れf1よりも弱くなる。言い換えれば、第1の流れf1が第2の流れf2よりも相対的に強くなる。なお、その他の切欠き部51c〜51fは、本実施形態では、切欠き部51bと同一の大きさで形成されている。
このような本実施形態の構成においても、上述の実施形態と同様に第1の噴孔37aに流入する燃料の第1の流れf1が、第2の流れf2よりも強くなる。したがって、第1の噴孔37aからは、常に点火プラグ30に向かって確実に燃料が噴射されるようになる。
なお、本実施形態では、流れ規制部材50が針弁34に固定されその外周部に切欠き部51が設けられた例を説明したが、流れ規制部材50の構造はこれに限定されるものではない。例えば、図8に示すように、流れ規制部材50は、弁本体33の内面に固定され、その内周部に切欠き部51a〜51fが設けられていてもよい。
(実施形態4)
図9は、実施形態4に係る燃料噴射弁の概略構成を示す断面図である。なお、同一部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態は、実施形態3と同様に第2の流れf2を弱くすることで相対的に第1の流れが強くなるように流れ制御部を構成した他の例である。上述の実施形態では、燃料供給路35が針弁34の周囲に亘って連続的に設けられた例を説明したが、図9に示すように、本実施形態に係る燃料供給路35は、各噴孔37a〜37fに対応してそれぞれ独立して形成されている。すなわち、弁本体33はその内径が針弁34の外径とほぼ同一径となるように形成されており、弁本体33の内周面に、例えば、半円状の溝部60a〜60fが各噴孔37a〜37fに対応してそれぞれ設けられている。そして、これらの溝部60a〜60fが、それぞれ独立した燃料供給路(独立供給路)35a〜35fとして機能する。
またこれら燃料供給路35a〜35fのうち、第1の噴孔37aに対応する第1の燃料供給路35aの断面積が、第2の噴孔37bに対応する第2の燃料供給路35bの断面積よりも狭くなっている。本実施形態では、第1の燃料供給路35aを構成する半円状の溝部60aを、第2の燃料供給路35bを構成する溝部60bよりも浅く形成することで断面積を変化させ、第1の燃料供給路35aの流路抵抗が第2の燃料供給路35bの流路抵抗よりも小さくなるようにしている。
このような本実施形態の構成においても、実施形態3と同様に、第1の噴孔37aに流入する燃料の第1の流れf1が、第2の流れf2よりも強くなる。したがって、第1の噴孔37aからは、常に点火プラグ30に向かって確実に燃料が噴射されるようになる。
なお、本実施形態では、弁本体33に溝部60を設けるようにしたが、これに限定されず、針弁34側に溝部を設けるようにしてもよい。また、本実施形態では、燃料供給路35全体がそれぞれ独立した独立供給路となっているが、勿論、燃料供給路35の一部に独立供給路を形成するようにしてもよい。
また本実施形態では、弁本体33の内周面に溝を設けることで、複数の燃料供給路35a〜35fを形成するようにしたが、これに限定されず、例えば、図10に示すように、弁本体33の内側の形状を、例えば、多角形(六角形)形状とし、このような弁本体33内に円柱状の針弁34を挿入するようにしてもよい。この構成では、弁本体33の各角部の空間がそれぞれ燃料供給路35a〜35fとして機能する。また、図11に示すように、弁本体33の内側の形状を円形とし、針弁34の外形を多角形(六角形)形状としてもよい。この場合、針弁34の各角部に区切られた空間がそれぞれ燃料供給路35a〜35fとして機能する。
何れの構成としても、第1の噴孔37aに対応する燃料供給路35aの断面積を第2の噴孔37bに対応する燃料供給路35bの断面積よりも小さくすることで、第1の噴孔37aに流入する燃料の第1の流れf1が第2の流れf2よりも強くなる。したがって、第1の噴孔37aからは、常に点火プラグ30に向かって確実に燃料が噴射されるようになる。
(他の実施形態)
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、上述の実施形態では、複数の噴孔のうちの一つの噴孔のみが、点火プラグに指向して燃料を噴射するようになっている例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、2つ以上の噴孔が点火プラグに指向して燃料を噴射するようになっていてもよい。この場合には、複数の各噴孔に流入する燃料の流れを、上述したようにそれぞれ制御して、噴霧のバラツキを抑える必要がある。また、本発明に係る燃料噴射弁は、複数の噴孔を有するものであるが、その数は特に限定されるものではない。上述の実施形態では、6個の噴孔を有する構成を例示したが、勿論、7個以上設けられていてもよし、5個以下であってもよい。
また、上述の実施形態では、シート部36の先端側から第1の噴孔37aに流入する燃料の流れが、燃料供給路35側から第1の噴孔37aに流入する燃料の流れよりも強くなるようにしたが、勿論、燃料供給路35側から第1の噴孔37aに流入する燃料の流れが、シート部36の先端側から第1の噴孔37aに流入する燃料の流れよりも強くなるようにしてもよい。
実施形態1に係る燃料噴射弁を採用した筒内噴射型内燃機関の構成を示す概略断面図である。 筒内噴射型内燃機関の燃焼室部分の拡大図である。 実施形態1に係る燃料噴射弁の断面図である。 実施形態1に係る燃料噴射弁の断面図である。 実施形態2に係る燃料噴射弁の断面図である。 実施形態2に係る燃料噴射弁の変形例を示す断面図である。 実施形態3に係る燃料噴射弁の断面図である。 実施形態3に係る燃料噴射弁の変形例を示す断面図である。 実施形態4に係る燃料噴射弁の断面図である。 実施形態4に係る燃料噴射弁の変形例を示す断面図である。 実施形態4に係る燃料噴射弁の変形例を示す断面図である。
符号の説明
11 シリンダヘッド
12 シリンダブロック
13 シリンダ
14 ピストン
15 燃焼室
16 コンロッド
17 クランクシャフト
18 吸気ポート
19 吸気マニホールド
20 吸気管
21 吸気弁
22 排気ポート
23 排気マニホールド
24 排気管
25 排気弁
26 スロットル弁
27 スロットルポジションセンサ
28 エアフローセンサ
29 三元触媒
30 点火プラグ
31 点火コイル
32 燃料噴射弁
33 弁本体
34 針弁
35 燃料供給路
36 シート部
37 噴孔
38 バルブ部
41 小径部
42 大径部
50 流れ規制部材
51 切欠き部
60 溝部

Claims (6)

  1. 燃焼室内の点火プラグに指向する第1の噴孔を含む複数の噴孔が穿設されたシート部を先端部に有する弁本体と、該弁本体内に移動可能に配されて前記噴孔を開閉する針弁とを具備する燃料噴射弁であって、
    前記第1の噴孔に一方向から流入する燃料の流れを他方向から流入する燃料の流れよりも相対的に強くする流れ制御部を有することを特徴とする燃料噴射弁。
  2. 前記第1の噴孔よりも前記一方向側に配されている当該第1の噴孔以外の他の噴孔への流路抵抗を、前記第1の噴孔への流路抵抗よりも相対的に大きくすることで前記流れ制御部が構成されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁。
  3. 前記他の噴孔の内径が、前記第1の噴孔の内径よりも相対的に小さくなっていることを特徴とする請求項2に記載の燃料噴射弁。
  4. 前記他の噴孔の長さが、前記第1の噴孔の長さよりも短くなっていることを特徴とする請求項2に記載の燃料噴射弁。
  5. 前記シート部に流入する燃料の流路である燃料供給路が前記針弁の周囲に画成されており、前記第1の噴孔よりも前記他方側に配される前記燃料供給路の流路抵抗を、前記針弁の周方向におけるその他の部分の流路抵抗よりも相対的に大きくすることで前記流れ制御部が構成されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁。
  6. 前記燃料供給路には前記噴孔のそれぞれに対応する独立供給路が設けられ、前記第1の噴孔よりも前記他方側に配される前記独立供給路の流路抵抗が、他の独立供給路の流路抵抗よりも相対的に大きくなっていることを特徴とする請求項5に記載の燃料噴射弁。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016079924A (ja) * 2014-10-20 2016-05-16 株式会社日本自動車部品総合研究所 燃料噴射ノズル

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