JP2014088773A - 火花点火式内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】シンプルな構成と制御により成層運転や均質運転に最適な燃料噴射を行うことが可能な火花点火式内燃機関を提供することを目的とする。
【解決手段】
インジェクタ28のノズル部は、ノズルボディ30とニードル32とを備えている。ノズルボディ30の先端部には、孔径の略等しい噴孔40と、点火プラグ18方向に配置され、その孔径が噴孔40の孔径よりも小さい噴孔42とが形成されている。このようなインジェクタ28において、ニードル32の閉弁状態からのリフト量を、ストイキ燃焼モード時には高く、リーン燃焼モード時には低く調整する。これにより、ストイキ燃焼モード時には燃焼室16中心部に噴霧を集中させて混合気を均質化でき、リーン燃焼モード時には噴孔40からの噴霧を燃焼室16中心部に、噴孔42からの噴霧を点火プラグ18周囲に、それぞれ噴き分けて混合気を成層化できる。
【選択図】図5

Description

本発明は、火花点火式内燃機関に関する。
従来、例えば特許文献1に開示されているように、インジェクタのノズル先端を構成するアウタープレートの内側にインナープレートを設け、該アウタープレートに対して該インナープレートを回転させる火花点火式の内燃機関が公知である。この内燃機関において、上記2枚のプレートには、点火プラグ側に開孔する噴孔と、燃焼室側に開孔する噴孔とがそれぞれ形成されており、上述した回転により、プレート間で噴孔の重複面積を調節している。この内燃機関によれば、成層運転時に点火プラグ側の噴孔のみを重複させて点火プラグ付近にのみ燃料を噴射し、均質運転時に全噴孔を重複させて燃焼室全体に燃料を噴射することができる。
特開2007−51549号公報 特開2004−316538号公報 特開2011−7046号公報 特開平9−256867号公報
上記特許文献1において、インナープレートの回転は、インジェクタ内に供給される燃料の圧力(燃圧)の変更により行われる。しかしながら、複数気筒を備える内燃機関においては、この燃圧が各気筒のインジェクタに共通するレール圧で制御されるため応答性が低く、気筒毎の噴射制御ができないという問題がある。
また、上記特許文献1においては、ステッピングモータで上記インナープレートを回転させてもよいことが開示されている。ステッピングモータを用いた回転によれば、上記問題が生じない。しかしながら、インジェクタにステッピングモータを組み込むためには、インジェクタの内部構造を変更する必要があり、構造の複雑化やコスト増加にも繋がる可能性がある。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものである。即ち、シンプルな構成と制御により成層運転や均質運転に最適な燃料噴射を行うことが可能な火花点火式内燃機関を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、火花点火式内燃機関であって、
内燃機関の燃焼室に設けられた点火プラグと、
前記燃焼室に燃料を直接噴射するインジェクタと、
前記インジェクタのノズルボディの先端部に形成された第1の噴孔と、
前記第1の噴孔が形成されたノズルボディの先端部に形成され、前記点火プラグ方向に開孔すると共に、前記第1の噴孔よりも小孔径の第2の噴孔と、
前記インジェクタの内部に形成され燃料が流通する内部流路と、
前記インジェクタの内部に配置されたニードルと、
前記ニードルの基準位置からの移動量の操作により前記内部流路から前記第1の噴孔および前記第2の噴孔へ夫々流入する燃料量を調整して前記内燃機関の運転モードを制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記内燃機関に成層運転を行わせる場合、前記内燃機関に均質運転を行わせる場合よりも前記移動量を少なく操作することを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記制御手段は、1回の燃料噴射期間における燃料噴射量が所定量以上でかつ前記内燃機関に成層運転を行わせる場合、該燃料噴射期間中、前記内燃機関に均質運転を行わせる場合の設定移動量から前記内燃機関に成層運転を行わせる場合の設定移動量へと減少するように前記移動量を操作することを特徴とする。
また、第3の発明は、第1または第2の発明において、
前記インジェクタは、前記燃焼室の吸気ポート側の側部に設けられ、
前記燃焼室内での所定の高タンブル流の発生の有無を判定する高タンブル判定手段を備え、
前記制御手段は、前記所定の高タンブル流が発生していると判定された場合、前記内燃機関に均質運転を行わせる場合よりも多く、前記内燃機関に成層運転を行わせる場合よりも少なくなるように前記移動量を操作することを特徴とする。
また、第4の発明は、第1乃至第3何れか1つの発明において、
前記インジェクタは、前記燃焼室の吸気ポート側の側部に設けられ、
前記燃焼室を開閉する吸気バルブについての所定のかみこみの発生の有無を判定するかみこみ判定手段を備え、
前記制御手段は、前記所定のかみこみが発生していると判定された場合、前記吸気バルブの開弁中の前記移動量を、前記内燃機関に成層運転を行わせる場合の設定移動量に操作することを特徴とする。
また、第5の発明は、第1乃至第4何れか1つの発明において、
前記インジェクタは、前記燃焼室の吸気ポート側の側部に設けられ、
前記燃焼室に流入する吸気流速の相関値を取得する吸気流速相関値取得手段を備え、
前記制御手段は、1回の燃料噴射期間における燃料噴射量が所定量未満でかつ前記内燃機関に均質運転を行わせる場合、前記相関値から求まる前記吸気流速の最速期間中に前記インジェクタからの燃料噴射が開始されるように前記移動量を操作することを特徴とする。
第1の発明によれば、内燃機関に成層運転を行わせる場合、均質運転を行わせる場合よりもニードルの基準位置からの移動量を少なく操作するので、成層運転を行わせる場合は上記第1の噴孔および上記第2の噴孔へ夫々流入する燃料量を少なくし、均質運転を行わせる場合には該燃料量を多く調整できる。ここで、上記第2の噴孔は上記第1の噴孔よりも小孔径である。そのため、上記燃料量を多くしても上記第2の噴孔からの燃料の運動量は小さく、上記第1の噴孔からの燃料に引き寄せられる。そのため、上記燃焼室の中心部に噴射燃料を集中でき、混合気を均質化できる。他方、上記燃料量を少なくすると上記の燃料間干渉が小さくなる。またここで、上記第2の噴孔は上記点火プラグ方向に開孔しているので、燃料間干渉が小さくなれば、上記第2の噴孔からの燃料は上記点火プラグ方向に向かう。よって、上記第1の噴孔からの噴射燃料を上記燃焼室の中心部に、上記第2の噴孔からの噴射燃料を上記点火プラグ周囲に噴き分けて混合気を成層化できる。以上のことから、第1の発明によれば、シンプルな構成と制御により成層運転や均質運転に最適な燃料噴射を行うことが可能となる。
上記第1の発明によれば、成層運転を行わせる場合に、噴射燃料を上記点火プラグ周囲に向かわせることができる。しかしながら、機関負荷は時々刻々変化し、成層運転中に機関負荷が低負荷から高負荷に変化すると、1回の燃料噴射期間における燃料噴射量(要求噴射量)が所定量を上回ってしまい、必要以上の燃料が点火プラグ周囲に噴射されるという問題がある。この点、第2の発明によれば、このような場合、1回の燃料噴射期間中に、内燃機関に均質運転を行わせる場合の設定移動量から成層運転を行わせる場合の設定移動量へと減少するように上記移動量を操作するので、このような不具合を未然に防止できる。
インジェクタを燃焼室の吸気ポート側に設けた場合、噴射燃料は吸気ポート側から排気ポート側に向かう。ここで、燃焼室内の吸入気について、燃焼室の排気ポート側の側部からピストンの頂面に向かうタンブル流を形成できれば均質運転時に混合気の均質化を促進できる。その一方で、成層運転時に強いタンブル流が形成されれば、上記第2の噴孔からの噴射燃料がこのタンブル流に乗って燃焼室の上方に押し上げられてしまう。この点、第3の発明によれば、このような場合に、内燃機関に均質運転を行わせる場合よりも多く、成層運転を行わせる場合よりも少なくなるように上記移動量を操作するので、上記第2の噴孔からの噴射燃料に一定重量を与えることができる。従って、上記第2の噴孔からの噴射燃料に対する強タンブル流の影響を小さくすることができる。
吸気バルブの傘裏にデポジットが付着等し、所謂かみこみが発生することがある。この点、第4の発明によれば、このような場合に、上記吸気バルブの開弁中の上記移動量を、内燃機関に成層運転を行わせる場合の設定移動量に操作するので、上記第2の噴孔からの噴射燃料を吸気バルブ側に向かわせてその傘裏に付着等したデポジットを洗浄できる。
1回の燃料噴射期間における燃料噴射量が所定量未満でかつ内燃機関に均質運転を行わせる場合においては、要求噴射量が少量であるが故に上記第2の噴孔からの噴射燃料が点火プラグ側に向かう可能性があり、意図しない混合気の成層化が起こるという問題がある。この点、第5の発明によれば、このような場合に、吸気流速の最速期間中に上記インジェクタからの燃料噴射が開始されるように上記移動量を操作するので、上記第2の噴孔からの噴射燃料を高流速の吸気流に乗せて燃焼室内部に向かわせることができる。従って、1回の燃料噴射期間における燃料噴射量が所定量未満でかつ内燃機関に均質運転を行わせる場合においても、均質運転に最適な燃料噴射を行うことができる。
実施の形態1に係る内燃機関の要部断面図である。 インジェクタ28のノズル部の断面図である。 図2のノズルボディ30の先端部の平面図である。 実施の形態1におけるニードルリフト量の調整手法を説明するための図である。 実施の形態1における噴霧イメージを示した図である。 図2のノズルボディ30の先端部の平面図である。 実施の形態2におけるニードルリフト量の調整手法を説明するための図である。 強タンブル流形成時における噴霧イメージを示した図である。 実施の形態3におけるニードルリフト量の調整手法を説明するための図である。 かみこみ発生時における噴霧イメージを示した図である。 燃焼室16内に吸入される吸気流速と、クランク角CAとの関係を示した図である。 実施の形態5における噴霧イメージを示した図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
実施の形態1.
[内燃機関の構成の説明]
以下、図1乃至図6を参照しながら、本発明の実施の形態1について説明する。図1は、実施の形態1に係る内燃機関の要部断面図である。内燃機関10は、例えば車載用の直列4気筒エンジンであり、シリンダヘッド12の底面とピストン14の頂面とで区画された燃焼室16を備えている。燃焼室16のシリンダヘッド12側の中央部には、点火プラグ18が配置されている。点火プラグ18は、その中心電極と接地電極(何れも不図示)との間に電圧を印加することにより、これらの電極間に火花放電を生じさせて燃焼室16内の混合気に点火するように構成されている。
また、燃焼室16は、吸気ポート20および排気ポート22と連通している。燃焼室16と吸気ポート20との接続部には、吸気バルブ24が設けられている。燃焼室16と排気ポート22との接続部には、排気バルブ26が設けられている。
また、燃焼室16の吸気ポート20側の側部には、燃焼室16内に燃料を直接噴射するインジェクタ28が設けられている。インジェクタ28は燃焼室16の夫々に共通する燃料リザーバ、いわゆるコモンレール(不図示)に連結されている。このコモンレールを介して燃料タンク(不図示)内の燃料がインジェクタ28に供給される。なお、該コモンレール内の燃料の圧力(燃圧)は、吐出量を可変な燃料ポンプ(不図示)の制御により調整されている。
次に、図2を参照しながら、インジェクタ28の構造について説明を行う。図2は、インジェクタ28のノズル部の断面図である。図2に示すように、ノズル部は、ノズルボディ30とニードル32とを備えている。
ノズルボディ30は有底円筒状の部材であり、その内部には燃料供給通路34、シート部36、サック部38および噴孔40,42が形成されている。燃料供給通路34には上記コモンレール内の燃料が流入する。シート部36は下方に向かって次第に縮径する円錐台面を有している。サック部38は半球面状に形成され、シート部36の下端と接続している。噴孔40,42はノズルボディ30の先端部に設けられており、サック部38と外部とを連通するものである。
ニードル32は、ノズルボディ30の軸線方向に沿って摺動自在に収容されている。ニードル32の円柱部32aと先端部32bとを備えている。円柱部32aは燃料供給通路34の燃料流入口(不図示)からシート部36にかけて軸方向に沿って延伸している。先端部32bは円錐状に形成され、閉弁状態でサック部38にその一部が収容される。
先端部32bがシート部36に当接している場合、燃料供給通路34とサック部38との連通が遮断されて閉弁状態となる。他方、ニードル32がノズルボディ30の軸線方向に沿ってリフトし、先端部32bがシート部36から離間した場合、開弁状態となる。図2は、この開弁状態を示したものである。矢印で示すように、燃料供給通路34内の燃料は、サック部38を流れて噴孔40,42に供給される。
次に、図3を参照しながら、噴孔40,42の詳細について説明する。図3は、図2のノズルボディ30の先端部の平面図である。図3に示すように、噴孔40(40a〜40e)は同一円周上に設けられた断面円形の噴孔であり、これらの孔径は略等しく設計されている。他方、噴孔42は噴孔40同様断面円形であり、噴孔40と同一円周上に設けられている。但し、噴孔42は点火プラグ18方向に配置され、その孔径は噴孔40の孔径よりも小さく設計されている。なお、失火予防の観点から、噴孔42の孔径は、リーンモード燃焼時(後述)に点火プラグ18の周囲(φ5mm)に当量比1以上を実現可能な孔径以上に設計することが望ましい。
再び図1に戻り、内燃機関10の説明を行う。内燃機関10は、制御装置としてのECU(Electronic Control Unit)50を備えている。ECU50の入力側には、コモンレール内の燃圧を検出する燃圧センサ52、スロットルバルブの開度を検出するスロットルポジションセンサ54、エンジン回転数を検出するクランク角センサ56といった各種センサが電気的に接続されている。他方、ECU50の出力側には、上述した点火プラグ18、燃料ポンプ、ニードル32、吸気バルブ24や排気バルブ26の動作を制御する動弁機構58といった各種アクチュエータが電気的に接続されている。
[実施の形態1の特徴]
内燃機関10においては、空燃比14.8のストイキ空燃比(一時的な12〜13前後のリッチ空燃比を含む)を目標空燃比とするストイキ燃焼モードと、空燃比20以上のリーン空燃比を目標空燃比とするリーン燃焼モードとの二種類の燃焼モードが適宜切り替えられつつ実制御に供される。燃焼モードは、基本的には、低負荷走行時にリーン燃焼モードが、高負荷走行時にストイキ燃焼モードが、夫々選択される。なお、機関負荷の高低については、スロットルポジションセンサ54やクランク角センサ56の出力値に基づいて判定するものとする。
ところで、上記燃焼モードの切り替えの際には、トルク変動が生じるという問題がある。例えば、燃焼モードがリーン燃焼モードからストイキ燃焼モードへ切り替わると、目標空燃比が瞬時的に低く切り替わる。しかしながら、吸入空気量の変化は緩慢であるため実トルクが目標トルクに対し過剰となる。燃焼モードがストイキ燃焼モードからリーン燃焼モードへ切り替わる場合も同様である。即ち、燃焼モードの切り換え時点において吸入空気量が不足し、実トルクが目標トルクに対して不足する。
このようなトルク変動を低減するためには、燃焼モード間切り換えをスムーズに行うための燃料噴射が重要であり、特にリーン燃焼モード期間中に着火に十分な燃料を点火プラグ18周囲に確保することが重要である。この点に鑑み、本実施形態においては、ニードル32の閉弁状態からのリフト量(以下、「ニードルリフト量」と称す。)を調整することとしている。
図4乃至図5を参照しながら、本実施形態における燃料噴射の説明を行う。図4は、実施の形態1におけるニードルリフト量の調整手法を説明するための図である。本実施形態においては、図4(A)に示すように、ストイキ燃焼モード時にはニードルリフト量を高く調整する。また、同図(B)に示すように、リーン燃焼モード時には低くニードルリフト量を調整する(L>L)。なお、図中の噴射期間は、ニードルリフト量の他、燃圧および要求噴射量によって決定するものとする。
図5は、実施の形態1における噴霧イメージを示した図である。図5(A)は、ストイキモード時における噴霧イメージを示した図である。ニードルリフト量を高くすれば、燃料供給通路34内の燃料が勢い良くサック部38に流入し、噴孔40,42から直線的に噴射される。但し、噴孔42からの噴霧は噴孔40からの噴霧に比べて燃料量が少ないので運動量も小さい。噴孔42からの噴霧の運動量が小さければ、他の噴霧に引き寄せられて噴霧が一体化する。その結果、図5に示すように、燃焼室16中心部に噴霧が集中される。よって、ニードルリフト量を高くすれば、混合気を均質化できる。
図5(B)は、リーン燃焼モード時における噴霧イメージを示した図である。ニードルリフト量を低くすれば、燃料供給通路34内の燃料がサック部38を経由して噴孔40,42から緩やかに噴射される。そのため、ストイキ燃焼モード時に生じた噴霧間干渉が小さくなる。その結果、図5に示すように、噴孔40からの噴霧が燃焼室16中心部に、噴孔42からの噴霧が点火プラグ18周囲に、それぞれ噴き分けられる。よって、ニードルリフト量を低くすれば、混合気を成層化できる。
以上、本実施の形態によれば、図3に示した噴孔構成と図4のニードルリフト量調整との組み合わせにより、上記燃焼モードに応じた燃料噴射をシンプルな構成と制御で実現可能となる。特に、噴孔42の孔径を噴孔40の孔径よりも小さく設計したことで、リーン燃焼モード時に噴孔42からの噴霧を小さくでき、過度の成層化を抑制できる。即ち、噴孔40からの噴霧と、噴孔42からの噴霧との間に形成される酸素量を少なくできるので、排出NOx量を低減するという効果も期待できる。また、ニードルリフト量の調整はインジェクタ28ごとに可能であることから、上記燃焼モードに応じた燃料噴射を気筒毎に行うことも可能となる。
ところで、上記実施の形態1においては、図3に示した噴孔構成としたが、噴孔の形状、配置、数等は各種の変形が可能である。この変形例について、図6を参照しながら説明する。図6は、図2のノズルボディ30の先端部の平面図である。第1の変形例として、6つの噴孔(噴孔60a〜60f)を円周上に設け、また、これらの配置箇所よりも外周側に噴孔62を設けてもよい(図6(A))。また、第2の変形例として、断面四角形状の噴孔60を中心に、断面円形の噴孔72を円周にそれぞれ設けてもよい(図6(B))。即ち、成層化用の小孔径の噴孔(噴孔62,72)を点火プラグ18方向に配置した構成であれば、本実施形態の変形例としてその適用が可能である。なお、本変形例は後述する各実施形態においても同様に適合が可能である。
なお、上記実施の形態1においては、噴孔40が上記第1の発明の「第1の噴孔」に、噴孔42が上記第1の発明の「第2の噴孔」に、燃料供給通路34が上記第1の発明の「内部流路」に、ECU50が上記第1の発明の「制御手段」に、それぞれ相当している。
実施の形態2.
次に、図7を参照しながら本発明の実施の形態2について説明する。
本実施形態の特徴は、図1で説明した内燃機関10の構成において、図7に示すニードルリフト量調整を行う点にある。従って、以下においてはこの特徴部分を主に説明する。
[実施の形態2の特徴]
上記実施の形態1においては、基本的に低負荷走行時にリーン燃焼モードが選択され、高負荷走行時にストイキ燃焼モードが選択されるとした。しかしながら、機関負荷は時々刻々変化するので、リーン燃焼モードの選択中に機関負荷が低負荷から高負荷に変化する。このような場合に、リーン燃焼モードのまま高負荷運転を行おうとすると、要求噴射量の増加によって必要以上の燃料が点火プラグ18周囲に噴射され、排出NOx量が増加するという問題がある。そこで、本実施形態においては、リーン燃焼モードを継続させながら高負荷運転を行う場合には、噴射期間中にニードルリフト量を変化させることとしている。なお、低負荷から高負荷への負荷の移行については、スロットルポジションセンサ54やクランク角センサ56の出力値に基づいて判定するものとする。
図7は、実施の形態2におけるニードルリフト量の調整手法を説明するための図である。図7(A)に示すように、ストイキ燃焼モード選択中はニードルリフト量を高く(L)調整する。この点については、上記実施の形態1と同様である。他方、同図(B)に示すように、ニードルリフト量を低く(L)調整するのは、リーン燃焼モード選択中に低負荷運転を行う場合とする。また、リーン燃焼モード選択中に低負荷から高負荷へと負荷が移行した場合には、前半はニードルリフト量をLとし、後半はニードルリフト量をLに調整する(図7(C))。噴射期間中にニードルリフト量をLからLへと変化させれば、均質噴霧、成層噴霧をこの順に形成できる。よって、上述した排出NOx量の増加を抑制できる。
以上、本実施形態によれば、リーン燃焼モードを継続させながら高負荷運転を行う場合における排出NOx量の増加抑制を図ることができる。
ところで、上記実施の形態2においては、噴射期間中にニードルリフト量をLからLに切り替える変更を行ったが、この変更をLからLまで段階的に減少させることで行ってもよい。即ち、噴射期間中にニードルリフト量を減少させて均質噴霧、成層噴霧をこの順に形成できる態様であれば、本実施形態の変形例としてその適用が可能である。
実施の形態3.
次に、図8乃至10を参照しながら本発明の実施の形態3について説明する。
本実施形態の特徴は、タンブル流を形成可能な気流制御弁(不図示)と、その開度を検出する開度センサ(不図示)とを図1の内燃機関10に追加した構成において、図9に示すニードルリフト量調整を行う点にある。従って、以下においてはこの特徴部分を主に説明する。なお、当該気流制御弁は、燃焼室16の排気ポート22側の側部からピストン14の頂面に向かうタンブル流を形成可能に構成され、ECU50の出力側に電気的に接続されているものとする。また、上記開度センサは、ECU50の入力側に電気的に接続されているものとする。
[実施の形態3の特徴]
気流制御弁を追加した構成においては、その制御により燃焼室16内にタンブル流を形成できる。タンブル流を形成できれば、ストイキ燃焼モード時に混合気の均質化を一層促進でき、燃焼速度を向上させて良好な燃焼を実現できる。その一方で、リーン燃焼モード時に強いタンブル流が形成された場合には、噴孔42からの噴霧がこのタンブル流に乗って燃焼室16上方に押し上げられる。
図8は、強タンブル流形成時における噴霧イメージを示した図である。図8に示すような強タンブル流が形成された場合、噴孔42からの噴霧が吸気バルブ24の傘表やバルブヘッドに干渉して付着し、PMやスモークの発生原因となってしまう。そこで、本実施形態においては、リーン燃焼モード選択中に強タンブル流の形成が検出された場合には、ニードルリフト量を減少させることとしている。なお、タンブル流の強弱については、上記開度センサからの出力値に基づき判定するものとする。
図9は、実施の形態3におけるニードルリフト量の調整手法を説明するための図である。図9に示すように、ストイキ燃焼モード時には高く(L)、リーン燃焼モード時には低く(L)、ニードルリフト量を調整する。この点については、上記実施の形態1と同様である。本実施形態においては、リーン燃焼モード選択中に強タンブル流の形成が検出された場合、ニードルリフト量をL(L>L>L)に調整する。これにより、噴孔42からの噴霧に一定重量を与えることができるので、強タンブル流による影響を小さくできる。
以上、本実施形態によれば、リーン燃焼モード選択中に強タンブル流の形成が検出された場合、ニードルリフト量を中間値(L)に調整するので、上述した不具合を未然に予防できる。
ところで、上記実施の形態3においては、上記気流制御弁の制御によりタンブル流を形成したが、動弁機構58による吸気バルブ24の制御によりタンブル流を形成してもよい。即ち、タンブル流の形成手法については各種の変形例が適用可能であり、このタンブル流の強弱についても、当該変形例に応じて適宜変更が可能である。
なお、上記実施の形態3においては、ECU50が上記開度センサからの出力値に基づいてタンブル流の強弱を判定することにより上記第3の発明の「高タンブル判定手段」が実現されている。
実施の形態4.
次に、図10を参照しながら本発明の実施の形態4について説明する。
本実施形態の特徴は、燃焼室16内の圧力を検出可能な筒内圧センサ(不図示)を図1の内燃機関10に追加した構成において、吸気バルブ24の開弁中にリーン燃焼モード用のニードルリフト量調整を行う点にある。従って、以下においてはこの特徴部分を主に説明する。また、上記筒内圧センサは、ECU50の入力側に電気的に接続されているものとする。
[実施の形態4の特徴]
排気の吹き返し等の要因により、吸気バルブ24の傘裏にデポジットが付着・堆積することがある。吸気バルブ24の傘裏にデポジットが付着等すれば、所謂かみこみが発生し、バルブシール性が低下した結果、通気抵抗による出力ダウン等を生じるという問題がある。そこで、本実施形態においては、かみこみ発生が検出された場合、吸気バルブ24の開弁中にニードルリフト量を低くすることとしている。
図10は、かみこみ発生時における噴霧イメージを示した図である。本実施形態においては、かみこみ発生が検出された場合、吸気バルブ24の開弁中にニードルリフト量を低く(L)調整する。これにより、噴孔42からの噴霧を吸気バルブ24の傘裏に接触させてデポジットを洗浄できる。なお、このニードルリフト量調整は、燃焼モードに関係なく行うことが可能であるが、リーン燃焼モード選択中であれば噴霧形状の変更を伴わずに済むので望ましい。また、かみこみ発生の有無については、上記筒内圧センサからの出力値に基づいて判定するものとする。
以上、本実施形態によれば、かみこみの発生が検出された場合、吸気バルブ24の開弁中にニードルリフト量をLに調整するので、その傘裏に付着等したデポジットを洗浄してかみこみを解消できる。
なお、上記実施の形態4においては、ECU50が上記筒内圧センサからの出力値に基づいてかみこみ発生の有無を判定することにより上記第4の発明の「かみこみ判定手段」が実現されている。
実施の形態5.
次に、図11乃至図12を参照しながら本発明の実施の形態5について説明する。
本実施形態の特徴は、図1で説明した内燃機関10の構成において、ストイキ燃焼モード選択中に低負荷運転を行う場合、燃焼室16内に吸入される吸気流速を考慮して燃料噴射を行う点にある。従って、以下においてはこの特徴部分を主に説明する。
[実施の形態5の特徴]
上記実施の形態1においては、基本的に低負荷走行時にリーン燃焼モードが選択され、高負荷走行時にストイキ燃焼モードが選択されるとした。しかしながら、ストイキ燃焼モードのまま低負荷走行を行う場合もある。このような場合には、要求噴射量が少量であるためニードルリフト量が低くならざるを得なくなる。ニードルリフト量が低ければ、噴孔42からの噴霧が点火プラグ18方向に向かう可能性があり、意図しない混合気の成層化が起こるという問題がある。そこで、本実施形態においては、ストイキ燃焼モードを継続させながら低負荷運転を行う場合、燃焼室16内に吸入される吸気流速が最高値となるタイミングで燃料噴射を行うこととしている。
図11乃至図12を参照しながら、本実施形態における燃料噴射の説明を行う。図11は、燃焼室16内に吸入される吸気流速と、クランク角CAとの関係を示した図である。図11に示すように、吸気流速はクランク角CAと相関があり、クランク角CAにおいて最高値を示す。そのため、本実施形態においては、このクランク角CAを含む所定クランク角範囲内に燃料噴射を開始する。図12は、実施の形態5における噴霧イメージを示した図である。上述したように、高流速の吸気流が生じている期間に燃料噴射を開始すれば、噴孔42からの噴霧を押し下げて、燃焼室16内に均質拡散させることができる。なお、該クランク角CAについては、クランク角センサ56の出力値に基づいて求めるものとする。
以上、本実施形態によれば、ストイキ燃焼モードを継続させながら低負荷運転を行う場合であっても、混合気を良好に均質化できる。
なお、上記実施の形態5においては、クランク角センサ56が上記第5の発明の吸気流速相関値取得手段」に相当している。
10 内燃機関
16 燃焼室
18 点火プラグ
20 吸気ポート
24 吸気バルブ
28 インジェクタ
30 ノズルボディ
32 ニードル
34 燃料供給通路
40,42,60,62,70,72 噴孔
50 ECU
52 燃圧センサ
54 スロットルポジションセンサ
56 クランク角センサ
58 動弁機構

Claims (5)

  1. 内燃機関の燃焼室に設けられた点火プラグと、
    前記燃焼室に燃料を直接噴射するインジェクタと、
    前記インジェクタのノズルボディの先端部に形成された第1の噴孔と、
    前記第1の噴孔が形成されたノズルボディの先端部に形成され、前記点火プラグ方向に開孔すると共に、前記第1の噴孔よりも小孔径の第2の噴孔と、
    前記インジェクタの内部に形成され燃料が流通する内部流路と、
    前記インジェクタの内部に配置されたニードルと、
    前記ニードルの基準位置からの移動量の操作により前記内部流路から前記第1の噴孔および前記第2の噴孔へ夫々流入する燃料量を調整して前記内燃機関の運転モードを制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記内燃機関に成層運転を行わせる場合、前記内燃機関に均質運転を行わせる場合よりも前記移動量を少なく操作することを特徴とする火花点火式内燃機関。
  2. 前記制御手段は、1回の燃料噴射期間における燃料噴射量が所定量以上でかつ前記内燃機関に成層運転を行わせる場合、該燃料噴射期間中、前記内燃機関に均質運転を行わせる場合の設定移動量から前記内燃機関に成層運転を行わせる場合の設定移動量へと減少するように前記移動量を操作することを特徴とする請求項1に記載の火花点火式内燃機関。
  3. 前記インジェクタは、前記燃焼室の吸気ポート側の側部に設けられ、
    前記燃焼室内での所定の高タンブル流の発生の有無を判定する高タンブル判定手段を備え、
    前記制御手段は、前記所定の高タンブル流が発生していると判定された場合、前記内燃機関に均質運転を行わせる場合よりも多く、前記内燃機関に成層運転を行わせる場合よりも少なくなるように前記移動量を操作することを特徴とする請求項1または2に記載の火花点火式内燃機関。
  4. 前記インジェクタは、前記燃焼室の吸気ポート側の側部に設けられ、
    前記燃焼室を開閉する吸気バルブについての所定のかみこみの発生の有無を判定するかみこみ判定手段を備え、
    前記制御手段は、前記所定のかみこみが発生していると判定された場合、前記吸気バルブの開弁中の前記移動量を、前記内燃機関に成層運転を行わせる場合の設定移動量に操作することを特徴とする請求項1乃至3何れか1項に記載の火花点火式内燃機関。
  5. 前記インジェクタは、前記燃焼室の吸気ポート側の側部に設けられ、
    前記燃焼室に流入する吸気流速の相関値を取得する吸気流速相関値取得手段を備え、
    前記制御手段は、1回の燃料噴射期間における燃料噴射量が所定量未満でかつ前記内燃機関に均質運転を行わせる場合、前記相関値から求まる前記吸気流速の最速期間中に前記インジェクタからの燃料噴射が開始されるように前記移動量を操作することを特徴とする請求項1乃至4何れか1項に記載の火花点火式内燃機関。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016135993A (ja) * 2015-01-23 2016-07-28 マツダ株式会社 直噴エンジンの燃料噴射制御装置
WO2017126293A1 (ja) * 2016-01-19 2017-07-27 株式会社デンソー 燃料噴射装置
WO2022269993A1 (ja) * 2021-06-23 2022-12-29 日立Astemo株式会社 燃料噴射装置

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