JP2009073188A - 感熱転写方式による画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】感熱転写シート、さらには感熱転写受像シートを経時保存した際に発生するプリント画像の白地汚れを改良し、かつ感熱転写受像シートの冷蔵保存適性、ハンドリング性を向上させる感熱転写方式による画像形成方法を提供する。
【解決手段】少なくとも1層の受容層を有する感熱転写受像シートと、イエロー、マゼンタ、シアンの染料層を各々少なくとも1層有する感熱転写シートとを接触させて加熱し、該受容層に色像を形成する画像形成方法において、該染料層のうちマゼンタ染料層及びシアン染料層の少なくとも1層が2種以上の色素を含有し、該2種以上の色素の共融点(mpC)が80℃以上140℃以下であり、該共融点(mpC)が共融組成にある色素の何れかの最低融点(mpL)と下記関係を満たし、かつ該感熱転写受像シートの含水率が5〜8質量%である画像形成方法。
mpC − mpL ≦ −5 (単位:℃)
【選択図】なし

Description

本発明は感熱転写方式による画像形成方法に関し、特に感熱転写材料保存時、画像形成時の環境条件の影響を受けにくい画像形成方法に関する。
従来、種々の熱転写記録方式が知られているが、中でも染料拡散転写記録方式は、銀塩写真の画質に最も近いカラーハードコピーが作製できるプロセスとして注目されている。この染料拡散転写記録方式では、色素を含有する感熱転写シート(以下インクシートともいう)と感熱転写受像シート(以下、受像シートともいう)と重ね合わせ、次いで電気信号によって発熱が制御されるサーマルヘッドによってインクシートを過熱することでインクシート中の色素を受像シートに転写して画像情報の記録を行なうものであり、シアン、マゼンタ、イエローの3色を重ねて記録することで色の濃淡に連続的な変化を有するカラー画像を転写記録することができる。このため得られる画像は中間調の再現性や階調表現に優れ、極めて高精細な画像を得ることができる。
しかも、ドライであること、デジタルデーターから直接可視像化できる、複製作りが簡単であるなどの利点を持っており、フルカラーハードコピーシステムとして、その市場を拡大している。
この染料拡散転写記録方式では、色素を含有する感熱転写シート(以下、インクシートともいう。)と感熱転写受像シート(以下、受像シートともいう。)とを重ね合わせ、次いで、電気信号によって発熱が制御されるサーマルヘッドによってインクシートを加熱することでインクシート中の色素を受像シートに転写して画像情報の記録を行うものであり、シアン、マゼンタ、イエローの3色を重ねて記録することで色の濃淡に連続的な変化を有するカラー画像を転写記録することができる。
一方、色素の転写濃度向上、得られた画像の光安定性を改良するために、染料層の含有する色素の共融点を考慮することが提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、現在の高度の要求に対しては、必ずしも転写濃度、光安定性も満足できるとは限らず、しかも染料拡散転写記録方式による画像形成方法では、解決すべき課題は多く、例えば、感熱転写受像シートの白地汚れ、感熱転写シートの冷蔵保存時に特異的に発生する問題点等多くの課題の解決が望まれていた。
特公平5―61112号公報
本発明は、感熱転写シート、さらには感熱転写受像シートを経時保存した際に発生するプリント画像の白地汚れを改良し、かつ感熱転写受像シートの冷蔵保存適性、ハンドリング性を向上させる感熱転写方式による画像形成方法を提供するものである。
感熱転写シートに用いられる色素(染料)に対する性能の要求は高く、感熱転写受像シートの受容層への転写性が高く高濃度の色像を形成できること、形成された色像が光、熱などに対して安定で退色性能に優れることなどの性能が要求される。
また、感熱転写シートは製造後使用されるまでの期間での経時安定性に優れることも重要である。感熱転写シートを製造後長期間経時保存しさらに高湿条件下でプリントを行うと、得られた画像の本来白色であるべき部分(白地)に色汚染(白地汚れ)が発生することがわかった。しかも、感熱転写材料を種々環境条件でのロバストネス付与のハンドリング性向上を目指して検討する過程で新たな問題も発生した。
さらに、感熱転写受像シートを長期に経時保存する場合、空気中の水分、酸素の影響、化学反応による劣化を防ぐため、低湿条件下に密閉包装を施し冷蔵保存することがある。この感熱転写受像シートを低温に保持されたまま密閉包装を除去し高湿条件の室内に取り出して使用すると、単に染料層の染料の共融点のみに着目しても、著しい白地汚れが発生する問題は解決できなかった。
上記の問題を解決するため鋭意検討を進めたところ、上記現象は感熱転写受像シートが低吸湿性(低含水率)の場合にのみ発生する問題であって、感熱転写受像シートに適度の吸湿性を付与することにより改良できることがわかった。原因は定かではないが、感熱転写受像シートを低温低湿条件から急激に高湿条件の室内に取り出すと、表面に微小な水滴が付着(結露)する。これが経時に受容層の白地部分への色素の転写を増大させており、感熱転写受像シートの吸湿性を増大することで上記水滴の付着が低減されたと推定している。
上記の問題をさらに改良する方法として、プリント時の室内環境を低温低湿に保つことも検討した。室内環境を低温低湿(例えば15℃相対湿度20%)に保持すると確かに上記白地汚れの問題はある程度改善される。しかしながら新たに転写画像の不均一性が増大するという問題が発生することがわかった。この問題に対しては感熱転写シートのベースの裏面にMg化合物とリン原子含有化合物を含有させると上記画像不均一性が改良されることがわかった。
また、上記のように感熱転写受像シートに適度の吸湿性を持たせ長期間保存すると新たな問題として感熱転写受像シートの面状が悪化することがあり、この現象は上記の画像不均一性に悪影響を及ぼすことがわかった。特に感熱転写受像シートを1年を超える長期に保存する場合、さらには保存中の冷蔵庫の一時的な能力低下、運搬時などに一時的に温度が上昇する場合などに上記問題が顕在化する。
この原因は定かではないが、感熱転写受像シートの表面でのカビの発生、菌繁殖またはこれらを核とした感熱転写受像シート構成成分のうち低溶解性のものが析出するなどが原因と推定している。この問題点に対しては一般式〔I〕〜〔IV〕のいずれかで表される面状改質化合物を1種以上(好ましくは2種以上)含有させると上記画像不均一性が改良されると同時に本発明の効果が効果的に奏されることがわかった。
本発明者らは上述のようにして、鋭意検討を重ねた結果、上記課題は下記の手段により達成された。
(1)少なくとも1層の受容層を有する感熱転写受像シートと、イエロー、マゼンタ、シアンの染料層を各々少なくとも1層有する感熱転写シートとを接触させて加熱し、該受容層に色像を形成する画像形成方法において、該染料層のうちマゼンタ染料層及びシアン染料層の少なくとも1層が2種以上の色素を含有し、該2種以上の色素の共融点(mpC)が80℃以上140℃以下であり、該共融点(mpC)が共融組成にある色素の何れかの最低融点(mpL)と下記関係を満たし、かつ該感熱転写受像シートの含水率が5〜8質量%であることを特徴とする画像形成方法。
mpC − mpL ≦ −5 (単位:℃)
(2)前記感熱転写シートの支持体の裏面(染料層を有する側と反対の支持体面)に少なくとも1種のMg化合物および少なくとも1種のリン原子含有化合物を有することを特徴とする(1)に記載の画像形成方法。
(3)前記感熱転写受像シートが、少なくとも隣接する構成層が、水系同時重層塗布により塗工されてなることを特徴とする(1)または(2)に記載の画像形成方法。
(4)前記感熱転写受像シートの少なくとも1層に下記一般式〔I〕〜〔IV〕のいずれかで表される面状改質化合物を1種以上含有することを特徴とする(3)に記載の画像形成方法。
Figure 2009073188
[一般式〔I〕中、R1、R2は同じでも異なっていてもよく、水素原子、ヒドロキシ基、または低級アルキル基を表す。Xは水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アリール基、低級アルキル基、低級アルケニル基、アラルキル基、アルコキシ基、−COR3、−SO24、または−N(R5)R6を表し、R3、R4は同じでも異なっていてもよく、水素原子、−OM、低級アルキル基、低級アルコキシ基、または−N(R7)R8を表す。
5、R6は同じでも異なっていてもよく、水素原子、低級アルキル基、−COR9、または−SO210を表わす。R9、R10は同じでも異なっていてもよく、低級アルキル基、または−N(R11)R12を表し、R7、R8、R11、R12は同じであっても異なっていてもよく、水素原子または低級アルキル基を表す。
Mは、水素原子、アルカリ金属原子、または1価のカチオンを形成するに必要な原子群を表わし、lは2〜6の整数を表し、mは1〜4の整数を表し、nは6−mを表す。ただし、R1、R2、Xが複数存在する時はそれぞれが互いに異なっていてもよい。]
Figure 2009073188
[一般式〔II〕中、R13は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、複素環基、
Figure 2009073188
を表し、R14、R15は同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、複素環基、アルキルチオ基、アルキルスルホキシ基、またはアルキルスルホニル基を表し、R14とR15は互いに結合して芳香環を形成していても良い。
16、R17は同じでも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、アリール基、またはアラルキル基を表す。]
Figure 2009073188
[一般式〔III〕中、R18は水素原子、アルキル基、またはヒドロキシメチル基を表し、R19は水素原子、またはアルキル基を表す。]
Figure 2009073188
[一般式〔IV〕式中、R20は低級アルキレン基を表し、Xは水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシ基、シアノ基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、−COR21、−N(R22)R23、または−SO3Mを表し、R21は水素原子、−OM、低級アルキル基、アリール基、アラルキル基、低級アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、または−N(R24)R25を表す。
22、R23は同じでも異なっていてもよく、水素原子、低級アルキル基、アリール基、アラルキル基、−COR26、または−SO226を表し、互に同じであっても異なっていてもよく、R24、R25は同じでも異なっていてもよく、水素原子、低級アルキル基、アリール基、またはアラルキル基を表し、R26は低級アルキル基、アリール基、またはアラルキル基を表し、Mは水素原子、アルカリ金属原子、または1価のカチオンを形成するに必要な原子群を表し、pは0または1を表わし、qは0〜5の整数を表す。]
本発明により、感熱転写シート、さらには感熱転写受像シートを経時保存した際に発生するプリント画像の白地汚れを改良し、かつ感熱転写受像シートの冷蔵保存適性、ハンドリング性を向上させる感熱転写方式による画像形成方法が提供できる。
以下に、本発明について詳細に説明する。
<感熱転写シート>
最初に、本発明の感熱転写シートについて説明する。
<共融点>
本発明の感熱転写シートはマゼンタ及びシアン染料層の少なくとも1層が2種以上の色素を含有し該染料層の少なくとも1層が2種以上の色素を含有し、該2種以上の色素の共融点(mpC)が80℃以上140℃以下であり、該共融点(mpC)が共融組成にある色素の何れかの最低融点(mpL)と下記関係を満たすことが必要である。
mpC − mpL ≦ −5 (単位:℃)
上記mpC − mpLの値は−5以下であることが必要であり、−10以下であることが好ましく、−15以下であることがさらに好ましい。
マゼンタ、シアンの少なくとも1層が上記条件を満たすことが必要であるが、マゼンタ、シアンの2層ともが上記条件を満たすことがさらに好ましい。
融点又は共融点の測定については周知の方法を用いることが可能である。測定系の温度に偏りが無いことが好ましく、融点又は共融点を測定する試料は乳鉢等で微粉末に粉砕され且つ微量を用いることで試料内の温度の偏差を少なくすることが好ましい。共融点の測定の場合には2種以上の染料を乳鉢等を用いて微粉末に粉砕しながらよく混合し測定に用いる。試料の容器としては一方の端を閉じた毛細管を用いることができ、また2枚の顕微鏡用カバーグラスに挟み込んで容器とすることもできるが、上記毛細管をも用いることが好ましい。また急激に温度を上昇させると試料と温度計との間に温度勾配が発生して測定誤差を生じるため融点を計測する時点での加温は毎分1℃以下の上昇率で測定することが望ましい。前述のように微粉末として調整し、表面での乱反射により融解前の試料は不透明である。試料の外見が透明化し始めた温度を融点とする。測定装置は種々の形態のものが存在するが、二重管式温度計に試料を詰めた毛細管を取り付けて温浴で加温する装置が使用可能である。二重管式温度計に毛細管を貼り付ける目的で温浴の液体として粘性の高い液体が用いられ、濃硫酸ないしはシリコンオイルを用いることができ温度計先端の溜めの近傍に試料が来るように取り付ける。あるいは融点測定装置として金属のヒートブロックを使って加温し、光の透過率を測定しながら加温を調製しつつ融点を決定するものも存在しこれを用いることもできる。本発明においては融点及び共融点は上記毛細管を用い温浴として濃硫酸を用いて二重管式温度系で測定した値を用いた。
(染料層)
本発明の染料層は、イエロー、マゼンタ、シアンの各色の染料層が同一の支持体上に面順次で繰り返し塗り分けられている。また必要に応じてブラックの染料層が同一の支持体上に繰り返し塗り分けられているのが好ましい。一例として、イエロー、マゼンタ及びシアンの各色相の染料層が同一の支持体の長軸方向に、感熱転写受像シートの記録面の面積に対応して面順次に塗り分けられている場合を挙げることができる。この3層に加えて、ブラックの色相の染料層と転写性保護層のどちらか、あるいは双方が塗り分けられるのも好ましい態様である。
この様な態様を取る場合、各色の開始点をプリンターに伝達する目的で、感熱転写シート上に目印を付与することも好ましい態様である。このように面順次で繰り返し塗り分けることによって、染料の転写による画像の形成、さらには画像上への保護層の積層を一つの感熱転写シートで行なうことが可能となる。
しかしながら、本発明は前記のような染料層の設け方に限定されるものではない。昇華型熱転写インク層と熱溶融転写インク層を併設することも可能であり、また、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラック以外の色相の染料層を設ける等の変更をすることも可能である。また、形態としては長尺であっても良いし、枚葉の熱転写シートであっても良い。
染料層は単層構成であっても複層構成であってもよく、複層構成の場合、染料層を構成する各層の組成は同一であっても異なっていてもよい。
(染料インク)
染料層を形成するための染料インクは、通常昇華性染料とバインダーを含有する。さらに、必要に応じて、ワックス類、シリコーン樹脂、含フッ素有機化合物等を含有することができる。
各々の染料は、染料層中にそれぞれ20〜80質量%含有されることが好ましく、30〜70質量%含有されることがより好ましい。
染料層の塗布は、ロールコート、バーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート等の一般的な方法で行われる。また染料層の塗布量は、0.1〜2.0g/m(固形分換算、以下本発明における塗布量は特に断りのない限り、固形分換算の数値である。)が好ましく、更に好ましくは0.2〜1.2g/mである。染料層の膜厚は0.1〜2.0μmであることが好ましく、更に好ましくは0.2〜1.2μmである。
本発明に用いられる染料は、熱により拡散し、感熱転写シートに組み込み可能かつ、加熱により感熱転写シートから受像シートに転写するものであれば特に限定されず、熱転写シート用の染料として従来から用いられてきている染料、あるいは公知の染料を用いることができる。
好ましい染料としては、例えば、ジアリールメタン系、トリアリールメタン系、チアゾール系、メロシアニン等のメチン系、インドアニリン、アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチンに代表されるアゾメチン系、キサンテン系、オキサジン系、ジシアノスチレン、トリシアノスチレンに代表されるシアノメチレン系、チアジン系、アジン系、アクリジン系、ベンゼンアゾ系、ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジズアゾ等のアゾ系、スピロピラン系、インドリノスピロピラン系、フルオラン系、ローダミンラクタム系、ナフトキノン系、アントラキノン系、キノフタロン系等が挙げられる。
具体例を挙げると、イエロー染料としては、ディスパースイエロー231、ディスパースイエロー201、ソルベントイエロー93等が、マゼンタ染料としては、ディスパースバイオレット26、ディスパースレッド60、ソルベントレッド19等が、さらに、シアン染料としては、ソルベントブルー63、ソルベントブルー36、ディスパースブルー354、ディスパースブルー35等が挙げられる。これらの例示された染料以外の適切な染料を用いることも、もちろん可能である。
また、上記の各色相の染料を任意に組み合わせることも可能である。例えばブラックの色相も染料の組み合わせで得ることができる。
以下に、本発明で好ましく用いることができる一般式(Y1)〜(Y9)、(M1)〜(M8)、および(C1)〜(C4)で表される色素について詳細に説明する。
Figure 2009073188
(一般式(Y1)中、環Aは置換または無置換のベンゼン環を表し、RおよびRは各々独立に水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のアリール基を表し、Rは水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアミノ基、置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換のアリールオキシ基、置換または無置換のアルコキシカルボニル基、置換または無置換のアリールオキシカルボニル基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のカルバモイル基を表し、Rは置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基を表す。)
前記、環A、R、R、RおよびRの各基が置換してもよい置換基としては、ハロゲン原子,不飽和脂肪族基,アリール基,ヘテロ環基,脂肪族オキシ基(代表としてアルコキシ基),アシルオキシ基,カルバモイルオキシ基,脂肪族オキシカルボニルオキシ基(代表としてアルコキシカルボニルオキシ基),アリールオキシカルボニルオキシ基,アミノ基,アシルアミノ基,アミノカルボニルアミノ基,脂肪族オキシカルボニルアミノ基(代表としてアルコキシカルボニルアミノ基),スルファモイルアミノ基,脂肪族(代表としてアルキル)もしくはアリールスルホニルアミノ基,脂肪族チオ基(代表としてアルキルチオ基),スルファモイル基,脂肪族(代表としてアルキル)もしくはアリールスルフィニル基),脂肪族(代表としてアルキル)もしくはアリールスルホニル基,アシル基,アリールオキシカルボニル基,脂肪族オキシカルボニル基(代表としてアルコキシカルボニル基),カルバモイル基,アリールもしくはヘテロ環アゾ基,イミド基,ヒドロキシル基,シアノ基,ニトロ基,スルホ基,カルボキシル基等が挙げられる。
これらの各基はさらに置換基を有してもよく、このような置換基としては、上述の置換基が挙げられる。
一般式(Y1)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせは、環Aは置換または無置換のベンゼン環であり、Rが置換または無置換の炭素数1〜8のアルキル基、アリル基、置換または無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、Rが置換または無置換の炭素数1〜8のアルキル基、アリル基、置換または無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、Rは置換または無置換のアミノ基、置換または無置換のアルコキシ基であり、Rは置換または無置換の炭素数1〜8のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜10アリール基である組み合わせである。
より好ましい置換基の組み合わせは、環Aは置換または無置換のベンゼン環であり、Rが置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基、アリル基、置換または無置換のフェニル基であり、Rが置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基、アリル基、置換または無置換のフェニル基であり、Rは置換または無置換のアミノ基、置換または無置換のアルコキシ基であり、Rは置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基、置換または無置換のフェニル基である組み合わせである。
最も好ましい置換基の組み合わせは、環Aはメチル基または塩素原子で置換されたベンゼン環または無置換のベンゼン環であり、Rが置換または無置換の炭素数1〜4のアルキル基、アリル基であり、Rが置換または無置換の炭素数1〜4のアルキル基、アリル基であり、Rは置換または無置換のアミノ基、置換または無置換のアルコキシ基であり、Rは置換または無置換のフェニル基である組み合わせである。
Figure 2009073188
(一般式(Y2)中、Rは置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基を表し、RおよびRは、各々独立に置換または無置換のアルキル基を表し、Rは置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換のアミノ基を表し、Rは置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基を表す。)
、R、R、RおよびRの各基はさらに置換基を有していてもよい。R、R、R、RおよびRの各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)の環A、R、R、RおよびRの各基が置換してもよい置換基と同じである。
一般式(Y2)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせは、Rは置換または無置換の炭素数1〜8のアルキル基、アリル基であり、Rは置換または無置換の炭素数1〜8のアルキル基であり、Rは置換または無置換の炭素数1〜8のアルキル基であり、Rは置換または無置換の炭素数1〜8のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜10のアリール基、置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換のアミノ基であり、Rは置換または無置換の炭素数1〜8のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜10のアリール基である組み合わせである。
より好ましい置換基の組み合わせは、Rは置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基、アリル基であり、Rは置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、Rは置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、Rは置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基、置換または無置換のフェニル基、置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換のアミノ基であり、Rは置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基、置換または無置換のフェニル基である組み合わせである。
最も好ましい置換基の組み合わせは、Rは無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、Rはメトキシ基、エトキシ基、ジメチルアミノ基であり、Rは無置換のフェニル基である組み合わせである。
Figure 2009073188
(一般式(Y3)中、R10は水素原子、置換または無置換のアルキル基を表し、R11は水素原子またはハロゲン原子を表し、R12は置換または無置換のアルコキシカルボニル基、置換または無置換のアリールオキシカルボニル基、置換または無置換のカルバモイル基を表す。)
10およびR12の各基はさらに置換基を有していてもよい。R10およびR12の各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)の環A、R、R、RおよびRの各基が置換してもよい置換基と同じである。
一般式(Y3)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせは、R10が水素原子、置換または無置換の炭素数1〜8のアルキル基であり、R11が水素原子、塩素原子、臭素原子であり、R12が無置換のアルコキシカルボニル基、無置換のアリールオキシカルボニル基、置換または無置換のカルバモイル基である組み合わせである。
より好ましい置換基の組み合わせは、R10が水素原子、置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、R11が水素原子、臭素原子であり、R12が無置換の炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜12のジアルキルカルバモイル基である組み合わせである。
最も好ましい置換基の組み合わせは、R10が水素原子、無置換の炭素数2〜4のアルキル基であり、R11が水素原子であり、R12が炭素数2〜10のジアルキルカルボモイル基である組み合わせである。
Figure 2009073188
(一般式(Y4)中、環Bは置換または無置換のアリール基、置換または無置換の芳香族複素環基を表し、R13は置換または無置換のアルキル基を表し、R14は置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基を表す。)
環B、R13およびR14の各基はさらに置換基を有していてもよい。環B、R13およびR14の各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)の環A、R、R、RおよびRの各基が置換してもよい置換基と同じである。
一般式(Y4)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせは、環Bが置換または無置換の炭素数6〜10のアリール基、置換または無置換のピラゾリル基、置換または無置換のチアジアゾリル基であり、R13が置換または無置換の炭素数1〜8のアルキル基であり、R14が置換または無置換の炭素数1〜8のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜10のアリール基である組み合わせである。
より好ましい置換基の置換基の組み合わせは、環Bが置換または無置換のフェニル基、置換または無置換の1,3,4−チアジアゾリル基であり、R13が置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、R14が置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基、置換または無置換のフェニル基である組み合わせである。
最も好ましい置換基の置換基の組み合わせは、環Bが4−ニトロフェニル基、炭素数1〜6のチオアルキル基が置換した1,3,4−チアジアゾリル基であり、R13が無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R14が無置換の炭素数1〜4のアルキル基、置換または無置換のフェニル基である組み合わせである。
Figure 2009073188
(一般式(Y5)中、R15、R16、R17およびR18は各々独立に、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基を表す。)
15、R16、R17およびR18の各基はさらに置換基を有していてもよい。R15、R16、R17およびR18の各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)の環A、R、R、RおよびRの各基が置換してもよい置換基と同じである。
一般式(Y5)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせは、R15が置換または無置換の炭素数1〜8のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R16が置換または無置換の炭素数1〜8のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R17が置換または無置換の炭素数1〜8のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R18が置換または無置換の炭素数1〜8のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜10のアリール基である組み合わせである。
より好ましい置換基の組み合わせは、R15が置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、R16が置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、R17が置換または無置換のフェニル基であり、R18が置換または無置換のフェニル基である組み合わせである。
最も好ましい置換基の組み合わせは、R15が置換または無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R16が置換または無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R17が無置換のフェニル基であり、R18が無置換のフェニル基である組み合わせである。
Figure 2009073188
(一般式(Y6)中、環C、環Dおよび環Eは各々独立に置換または無置換のベンゼン環を表す。)
環C、環Dおよび環Eの各基はさらに置換基を有していてもよい。環C、環Dおよび環Eの各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)の環A、R、R、RおよびRの各基が置換してもよい置換基と同じである。
環Cとして、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基が置換したベンゼン環、炭素数1〜8のアルコキシ基が置換したベンゼン環、ヒドロキシル基が置換したベンゼン環、または無置換のベンゼン環であり、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基が置換したベンゼン環、炭素数1〜6のアルコキシ基が置換したベンゼン環、ヒドロキシル基が置換したベンゼン環であり、最も好ましくは炭素数1〜4のアルキル基が置換したベンゼン環、炭素数1〜4のアルコキシ基が置換したベンゼン環である。
環Dとして、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基が置換したベンゼン環、または無置換のベンゼン環であり、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基が置換したベンゼン環、または無置換のベンゼン環であり、最も好ましくは炭素数1〜4のアルキル基が置換したベンゼン環、または無置換のベンゼン環である。
環Eとして、好ましくはヒドロキシル基と炭素数1〜8のアルキル基が置換したベンゼン環またはヒドロキシル基と炭素数1〜8のアルコキシ基が置換したベンゼン環であり、より好ましくはヒドロキシル基と炭素数1〜6のアルキル基が置換したベンゼン環またはヒドロキシル基と炭素数1〜6のアルコキシ基が置換したベンゼン環であり、好ましくはヒドロキシル基と炭素数1〜4のアルキル基が置換したベンゼン環またはヒドロキシル基と炭素数1〜4のアルコキシ基が置換したベンゼン環である。
Figure 2009073188
(一般式(Y7)中、環Fは置換または無置換のベンゼン環を表し、R19およびR20は各々独立に水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のアリール基を表す。)
環F、R19およびR20の各基はさらに置換基を有していてもよい。環F、R19およびR20の各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)の環A、R、R、RおよびRの各基が置換してもよい置換基と同じである。
一般式(Y7)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせは、環Fが置換または無置換のベンゼン環であり、R19が置換または無置換の炭素数1〜8のアルキル基、アリル基、置換または無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R20が置換または無置換の炭素数1〜8のアルキル基、アリル基、置換または無置換の炭素数6〜10のアリール基である組み合わせである。
より好ましい置換基の組み合わせは、環Fが置換または無置換のベンゼン環であり、R19が置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基、アリル基、置換または無置換のフェニル基であり、R20が置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基、アリル基、置換または無置換のフェニル基である組み合わせである。
最も好ましい置換基の組み合わせは、環Fがメチル基が置換したベンゼン環であり、R19が無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R20が置換を有する炭素数1〜4のアルキル基である組み合わせである。
Figure 2009073188
(一般式(Y8)中、環Gは置換または無置換のベンゼン環であり、R21およびR22は各々独立に水素原子、置換または無置換のアルキル基を表す。)
環G、R21およびR22の各基はさらに置換基を有していてもよい。環G、R21およびR22の各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)の環A、R、R、RおよびRの各基が置換してもよい置換基と同じである。
一般式(Y8)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせは、環Gが置換基を有するベンゼン環であり、R21が置換または無置換の炭素数1〜8のアルキル基であり、R22が置換または無置換の炭素数1〜8のアルキル基である組み合わせである。
より好ましい置換基の組み合わせは、環Gが置換基または無置換のアルコキシカルボニル基が置換したベンゼン環であり、R21が置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、R22が置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基である組み合わせである。
最も好ましい置換基の組み合わせは、環Gが置換基または無置換のアルコキシカルボニル基が置換したベンゼン環であり、R21が置換または無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R22が置換または無置換の炭素数1〜4のアルキル基である組み合わせである。
Figure 2009073188
(一般式(Y9)中、R23は置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基を表す。)
23はさらに置換基を有していてもよい。R23が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)の環A、R、R、RおよびRの各基が置換してもよい置換基と同じである。
23として、好ましくは置換または無置換の炭素数1〜8のアルキル基、アリル基であり、より好ましくは置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基、アリル基であり、最も好ましくは置換または無置換の炭素数1〜4アルキル基、アリル基である。
Figure 2009073188
(一般式(M1)中、環Hは置換または無置換のベンゼン環または、置換または無置換のピリジン環であり、R24、R25、R26およびR27は各々独立に置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のアリール基を表す。)
環H、R24、R25、R26、R27の各基はさらに置換基を有していてもよい。環H、R24、R25、R26、R27の各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)の環A、R、R、RおよびRの各基が置換してもよい置換基と同じである。
一般式(M1)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせは、環Hが無置換のベンゼン環であり、R24が置換または無置換の炭素数1〜8のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R25が置換または無置換の炭素数1〜8のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R26が置換または無置換の炭素数1〜8のアルキル基、アリル基であり、R27が置換または無置換の炭素数1〜8のアルキル基、アリル基である組み合わせである。
より好ましい置換基の組み合わせは、環Hが無置換のベンゼン環であり、R24が置換または無置換のフェニル基であり、R25が置換または無置換の炭素数1〜8のアルキル基であり、R26が置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、R27が置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基である組み合わせである。
最も好ましい置換基の組み合わせは、環Hが無置換のベンゼン環であり、R24が2−クロロフェニル基であり、R25が置換または無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R26が置換または無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R27が置換または無置換の炭素数1〜4のアルキル基である組み合わせである。
Figure 2009073188
(一般式(M2)中、環Iは置換または無置換のベンゼン環または、置換または無置換のピリジン環であり、R28、R29、R30およびR31は各々独立に置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のアリール基を表す。)
環I、R28、R29、R30、R31の各基はさらに置換基を有していてもよい。環I、R28、R29、R30、R31の各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)の環A、R、R、RおよびRの各基が置換してもよい置換基と同じである。
一般式(M2)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせは、環Iが置換または無置換のピリジン環、無置換のベンゼン環であり、R28が置換または無置換の炭素数1〜8のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R29が置換または無置換の炭素数1〜8のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R30が置換または無置換の炭素数1〜8のアルキル基、アリル基であり、R31が置換または無置換の炭素数1〜8のアルキル基、アリル基である組み合わせである。
より好ましい置換基の組み合わせは、環Iが置換または無置換のピリジン環、無置換のベンゼン環であり、R28が置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、R29が置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、R30が置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、R31が置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基である組み合わせである。
最も好ましい置換基の組み合わせは、好ましい置換基の組み合わせは、環Iが置換または無置換のピリジン環、無置換のベンゼン環であり、R28が置換または無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R29が置換または無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R30が置換または無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R31が置換または無置換の炭素数1〜4のアルキル基である組み合わせである。
Figure 2009073188
(一般式(M3)中、環Jは置換または無置換のベンゼン環を表し、R32、R33およびR34は各々独立に置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のアリール基を表す。)
環J、R32、R33およびR34の各基はさらに置換基を有していてもよい。環J、R32、R33およびR34の各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)の環A、R、R、RおよびRの各基が置換してもよい置換基と同じである。
一般式(M3)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせは、環Jが炭素数2〜8のアシルアミノ基が置換されたベンゼン環であり、R32は置換または無置換の炭素数1〜8のアルキル基、アシル基であり、R33は置換または無置換の炭素数1〜8のアルキル基、アリル基であり、R34は置換または無置換の炭素数1〜8のアルキル基、アリル基である組み合わせである。
より好ましい置換基の組み合わせは、環Jが炭素数2〜6のアシルアミノ基が置換されたベンゼン環であり、R32は置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基、アシル基であり、R33は置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基、アリル基であり、R34は置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基、アリル基である組み合わせである。
最も好ましい置換基の組み合わせは、環Jが炭素数2〜4のアシルアミノ基が置換されたベンゼン環であり、R32は置換または無置換の炭素数1〜4のアルキル基、アシル基であり、R33は置換または無置換の炭素数1〜4のアルキル基、アリル基であり、R34は置換または無置換の炭素数1〜4のアルキル基、アリル基である組み合わせである。
Figure 2009073188
(一般式(M4)中、環Kは置換または無置換のベンゼン環であり、R35、R36およびR37は各々独立に置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のアリール基を表す。)
環K、R35、R36およびR37の各基はさらに置換基を有していてもよい。環K、R35、R36およびR37の各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)の環A、R、R、RおよびRの各基が置換してもよい置換基と同じである。
一般式(M4)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせは、環Kが炭素数2〜8のアシルアミノ基が置換されたベンゼン環であり、R35は置換または無置換の炭素数1〜8のアルキル基であり、R36は置換または無置換の炭素数1〜8のアルキル基、アリル基であり、R37は置換または無置換の炭素数1〜8のアルキル基、アリル基である組み合わせである。
より好ましい置換基の組み合わせは、環Kが炭素数2〜6のアシルアミノ基が置換されたベンゼン環であり、R35は置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、R36は置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基、アリル基であり、R37は置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基、アリル基である組み合わせである。
最も好ましい置換基の組み合わせは、環Kが炭素数2〜4のアシルアミノ基が置換されたベンゼン環であり、R35は置換または無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R36は置換または無置換の炭素数1〜4のアルキル基、アリル基であり、R37は置換または無置換の炭素数1〜4のアルキル基、アリル基である組み合わせである。
Figure 2009073188
(一般式(M5)中、R38およびR39は各々独立に置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のヘテロ環基を表し、R40およびR41は独立に置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のアリール基を表す。)
38、R39、R40およびR41の各基はさらに置換基を有していてもよい。R38、R39、R40およびR41の各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)の環A、R、R、RおよびRの各基が置換してもよい置換基と同じである。
一般式(M5)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせは、R38が置換または無置換の炭素数1〜8のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R39が置換または無置換の炭素数1〜8のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R40が置換または無置換の炭素数1〜8のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R41が置換または無置換の炭素数1〜8のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜10のアリール基である組み合わせである。
より好ましい置換基の組み合わせは、R38が置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基、置換または無置換のフェニル基であり、R39が置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基、置換または無置換のフェニル基であり、R40が置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、R41が置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基である組み合わせである。
最も好ましい置換基の組み合わせは、R38が置換または無置換の炭素数1〜4のアルキル基、置換または無置換のフェニル基であり、R39が置換または無置換の炭素数1〜4のアルキル基、置換または無置換のフェニル基であり、R40が置換または無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R41が置換または無置換の炭素数1〜4のアルキル基である組み合わせである。
Figure 2009073188
(一般式(M6)中、R42は置換または無置換のアリールオキシ基であり、R43は水素原子、置換または無置換のアリールオキシ基であり、R44はヒドロキシル基、置換または無置換のアミノ基である。)
42およびR43の各基はさらに置換基を有していてもよい。R42およびR42の各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)の環A、R、R、RおよびRの各基が置換してもよい置換基と同じである。
一般式(M6)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせは、R42が置換または無置換の炭素数6〜10のアリールオキシ基であり、R43が水素原子、置換または無置換の炭素数6〜10のアリールオキシ基であり、R44がヒドロキシル基、または無置換のアミノ基である組み合わせである。
より好ましい組み合わせは、R42が置換または無置換のフェノキシ基であり、R43が水素原子、置換または無置換のフェノキシ基であり、R44がヒドロキシル基、または無置換のアミノ基である組み合わせである。
最も好ましい組み合わせは、R42が置換または無置換のアミノ基が置換したフェノキシ基、無置換のフェノキシ基であり、R43が水素原子、置換または無置換のフェノキシ基であり、R44がヒドロキシル基、または無置換のアミノ基である組み合わせである。
Figure 2009073188
(一般式(M7)中、環Lは置換または無置換のベンゼン環を表し、R45およびR46は各々独立に水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のアリール基を表す。)
環L、R45およびR46の各基はさらに置換基を有していてもよい。環L、R45およびR46の各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)の環A、R、R、RおよびRの各基が置換してもよい置換基と同じである。
一般式(M7)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせは、環Lが置換または無置換のベンゼン環であり、R45が置換または無置換の炭素数1〜8のアルキル基、アリル基、置換または無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R46が置換または無置換の炭素数1〜8のアルキル基、アリル基、置換または無置換の炭素数6〜10のアリール基である組み合わせである。
より好ましい置換基の組み合わせは、環Lが置換または無置換のベンゼン環であり、R45が置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基、アリル基、置換または無置換のフェニル基であり、R46が置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基、アリル基、置換または無置換のフェニル基である組み合わせである。
最も好ましい置換基の組み合わせは、環Lがメチル基が置換したベンゼン環であり、R45が無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R46が置換を有する炭素数1〜4のアルキル基である組み合わせである。
Figure 2009073188
(一般式(M8)中、環Qは置換または無置換のベンゼン環を表し、R100は置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換のアミノ基を表し、R101は置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基を表し、R102およびR103は各々独立に水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のアリール基を表す。)
環Q、R100、R101、R102およびR103の各基はさらに置換基を有していてもよい。環Q、R100、R101、R102およびR103の各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)の環A、R、R、RおよびRの各基が置換してもよい置換基と同じである。
一般式(M8)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせは、環Qは置換または無置換のベンゼン環であり、R102が置換または無置換の炭素数1〜8のアルキル基、アリル基、置換または無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R103が置換または無置換の炭素数1〜8のアルキル基、アリル基、置換または無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R100は置換または無置換のアミノ基、置換または無置換のアルコキシ基であり、R101は置換または無置換の炭素数1〜8のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜10アリール基である組み合わせである。
より好ましい組み合わせは、環Qは置換または無置換のベンゼン環であり、R102が置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基、アリル基、置換または無置換のフェニル基であり、R103が置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基、アリル基、置換または無置換のフェニル基であり、R100は置換または無置換のアミノ基、置換または無置換のアルコキシ基であり、R101は置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基、置換または無置換のフェニル基である組み合わせである。
最も好ましい組み合わせは、環Qは置換または無置換のベンゼン環であり、R102が置換または無置換の炭素数1〜4のアルキル基、アリル基であり、R103が置換または無置換の炭素数1〜4のアルキル基、アリル基であり、R100は置換または無置換のアミノ基、置換または無置換のアルコキシ基であり、R101は置換または無置換のフェニル基である組み合わせである。
Figure 2009073188
(一般式(C1)中、環Mは置換または無置換のベンゼン環を表し、R47は水素原子またはハロゲン原子を表し、R48は置換または無置換のアルキル基を表し、R49は置換または無置換のアシルアミノ基、置換または無置換のアルコキシカルボニルアミノ基を表し、R50およびR51は各々独立に置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のアリール基を表す。)
環M、R48、R49、R50およびR51の各基はさらに置換基を有していてもよい。環M、R48、R49、R50およびR51の各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)の環A、R、R、RおよびRの各基が置換してもよい置換基と同じである。
一般式(C1)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせは、環Mが炭素数1〜4のアルキル基が置換したベンゼン環、塩素原子が置換したベンゼン環、無置換のベンゼン環であり、R47が水素原子、塩素原子、臭素原子であり、R48が置換また無置換の炭素数1〜8のアルキル基であり、R49が置換または無置換の炭素数2〜10のアシルアミノ基、置換または無置換の炭素数2〜10のアルコキシカルボニルアミノ基であり、R50が置換また無置換の炭素数1〜8のアルキル基であり、R51が置換また無置換の炭素数1〜8のアルキル基である組み合わせである。
より好ましい置換基の組み合わせは、環Mが炭素数1〜2のアルキル基が置換したベンゼン環、無置換のベンゼン環であり、R47が水素原子、塩素原子であり、R48が置換また無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、R49が置換または無置換の炭素数2〜8のアシルアミノ基、置換または無置換の炭素数2〜8のアルコキシカルボニルアミノ基であり、R50が置換また無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、R51が置換また無置換の炭素数1〜6のアルキル基である組み合わせである。
最も好ましい組み合わせは好ましい置換基の組み合わせは、環Mがメチル基が置換したベンゼン環、無置換のベンゼン環であり、R47が水素原子、塩素原子であり、R48が置換また無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、R49が置換または無置換の炭素数2〜6のアシルアミノ基、置換または無置換の炭素数2〜6のアルコキシカルボニルアミノ基であり、R50が置換また無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R51が置換また無置換の炭素数1〜4のアルキル基である組み合わせである。
Figure 2009073188
(一般式(C2)中、環Nは置換または無置換のベンゼン環を表し、R52は水素原子、置換または無置換のアシルアミノ基、置換または無置換のアルコキシカルボニル基、置換または無置換のカルバモイル基を表し、R53およびR54は各々独立に置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のアリール基を表す。)
環N、R52、R53およびR54の各基はさらに置換基を有していてもよい。環N、R52、R53およびR54の各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)の環A、R、R、RおよびRの各基が置換してもよい置換基と同じである。
一般式(C2)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせは、環Nが炭素数1〜8のアルキル基が置換したベンゼン環、炭素数1〜8のアルコキシ基が置換したベンゼン環、無置換のベンゼン環であり、R52が水素原子、置換または無置換の炭素数2〜10のアシルアミノ基、置換または無置換の2〜10のアルコキシカルボニル基、置換または無置換の炭素数1〜10のカルバモイル基であり、R53が置換また無置換の炭素数1〜8のアルキル基であり、R54が置換また無置換の炭素数1〜8のアルキル基である組み合わせである。
より好ましい置換基の組み合わせは、環Nが炭素数1〜6のアルキル基が置換したベンゼン環、炭素数1〜6のアルコキシ基が置換したベンゼン環、無置換のベンゼン環であり、R52が水素原子、置換または無置換の炭素数2〜8のアシルアミノ基、置換または無置換の2〜8のアルコキシカルボニル基、置換または無置換の炭素数1〜8のカルバモイル基であり、R53が置換また無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、R54が置換また無置換の炭素数1〜6のアルキル基である組み合わせである。最も好ましい置換基の組み合わせは、環Nが炭素数1〜4のアルキル基が置換したベンゼン環、炭素数1〜4のアルコキシ基が置換したベンゼン環、無置換のベンゼン環であり、R52が水素原子、置換または無置換の炭素数2〜6のアシルアミノ基、置換または無置換の2〜6のアルコキシカルボニル基、置換または無置換の炭素数1〜6のカルバモイル基であり、R53が置換また無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R54が置換また無置換の炭素数1〜4のアルキル基である組み合わせである。
Figure 2009073188
(一般式(C3)中、R55およびR56は各々独立に置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基である。)
55およびR56の各基はさらに置換基を有していてもよい。R55およびR56の各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)の環A、R、R、RおよびRの各基が置換してもよい置換基と同じである。
一般式(C3)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせは、R55が置換または無置換の炭素数1〜8のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜10のアリール基であり、R56が置換または無置換の炭素数1〜8のアルキル基、置換または無置換の炭素数6〜10のアリール基である組み合わせである。
より好ましい置換基の組み合わせは、R55が置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基、置換または無置換のフェニル基であり、R56が置換または無置換の炭素数1〜6のアルキル基、置換または無置換のフェニル基である組み合わせである。
最も好ましい置換基の組み合わせは、R55が置換または無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R56が置換または無置換の炭素数1〜4のアルキル基、置換または無置換のフェニル基である組み合わせである。
Figure 2009073188
(一般式(C4)中、環Oは置換または無置換のベンゼン環であり、R57およびR58は各々独立に置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のアリール基である。)
環O、R57およびR58の各基はさらに置換基を有していてもよい。環O、R57およびR58の各基が置換していてもよい置換基は、一般式(Y1)の環A、R、R、RおよびRの各基が置換してもよい置換基と同じである。
一般式(C4)で表される色素の好ましい置換基の組み合わせは、環Oが炭素数1〜8のアルキル基が置換したベンゼン環、炭素数1〜8のアルコキシ基が置換したベンゼン環、無置換のベンゼン環であり、R57が置換また無置換の炭素数1〜8のアルキル基であり、R58が置換また無置換の炭素数1〜8のアルキル基である組み合わせである。
より好ましい組み合わせは、環Oが炭素数1〜6のアルキル基が置換したベンゼン環、炭素数1〜6のアルコキシ基が置換したベンゼン環、無置換のベンゼン環であり、R57が置換また無置換の炭素数1〜6のアルキル基であり、R58が置換また無置換の炭素数1〜6のアルキル基である組み合わせである。
最も好ましい組み合わせは、環Oが炭素数1〜4のアルキル基が置換したベンゼン環、炭素数1〜4のアルコキシ基が置換したベンゼン環、無置換のベンゼン環であり、R57が置換また無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、R58が置換また無置換の炭素数1〜4のアルキル基である組み合わせである。
以下に、本発明に好ましく用いることができる一般式(Y1)〜(Y9)、(M1)〜(M8)、および(C1)〜(C4)で表される色素の具体的化合物例を示すが、本発明に用いられる一般式(Y1)〜(Y9)、(M1)〜(M8)、および(C1)〜(C4)の色素は以下の具体例によって限定的に解釈されるものではない。
Figure 2009073188
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(バインダー)
バインダーとしては、各種のものが公知であり、本発明ではこれらを使用することができる。例としては、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリルアミド等のアクリル系樹脂、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアセタール系樹脂、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、硝酸セルロース等の変性セルロース系樹脂ニトロセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース及びエチルセルロースなどのセルロース系樹脂や、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノキシ樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、各種エストラマー等が挙げられ、上記からなる群から選ばれる少なくとも1種類の樹脂により染料層は構成される。
これらを単独で用いる他、これらを混合、または共重合して用いることも可能であり、各種架橋剤によって架橋することも可能である。
本発明におけるバインダーとしては、セルロース系樹脂およびポリビニルアセタール系樹脂が好ましく、より好ましくはポリビニルアセタール系樹脂である。中でもポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂が本発明において好ましく用いられる。
本発明の感熱転写シートは、染料層と支持体の間に染料バリア層を設けることができる。
支持体面に対しては、塗布液の濡れ性及び接着性の向上を目的として、易接着処理を行なってもよい。処理方法として、コロナ放電処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、化学薬品処理、真空プラズマ処理、大気圧プラズマ処理、プライマー処理、グラフト化処理等公知の樹脂表面改質技術を例示することができる。
また、支持体上に塗布によって易接着層を形成することもできる。易接着層に用いられる樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂やポリビニルアルコール樹脂等のビニル系樹脂、ポリビニルアセトアセタールやポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等を例示することができる。
支持体に用いられるフィルムを溶融押出し形成する時に、未延伸フィルムに塗工処理を施し、その後に延伸処理して行なうことも可能である。
また、上記の処理は、二種類以上を併用することもできる。
(転写性保護層積層体)
本発明では、感熱転写シートに転写性保護層積層体を面順次で設けるのが好ましい。転写性保護層積層体は、熱転写された画像の上に透明樹脂からなる保護層を熱転写で形成し、画像を覆い保護するためのものであり、耐擦過性、耐光性、耐候性等の耐久性向上を目的とする。転写された染料が受像シート表面に曝されたままでは、耐光性、耐擦過性、耐薬品性等の画像耐久性が不十分な場合に有効である。
転写性保護層積層体は、支持体上に、支持体側から離型層、保護層、接着剤層の順に形成することができる。保護層を複数の層で形成することも可能である。保護層が他の層の機能を兼ね備えている場合には、離型層、接着剤層を省くことも可能である。支持体としては、易接着層の設けられたものを用いることも可能である。
(転写性保護層)
本発明の転写性保護層を形成する樹脂としては、耐擦過性、耐薬品性、透明性、硬度に優れた樹脂が好ましく、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、これら各樹脂のシリコーン変性樹脂、紫外線遮断性樹脂、これら各樹脂の混合物、電離放射線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等を用いることができる。なかでも、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂が好ましい。
また、各種架橋剤によって架橋することも可能である。
(転写性保護層樹脂)
アクリル樹脂としては、従来公知のアクリレートモノマー、メタクリレートモノマーの中から選ばれた少なくとも1つ以上のモノマーからなる重合体で、アクリル系モノマー以外にスチレン、アクリロニトリル等を共重合させても良い。好ましいモノマーとしてメチルメタクリレートを仕込み質量比で50質量%以上含有していることが挙げられる。
本発明のアクリル樹脂は、分子量が20,000以上100,000以下であることが好ましい。20,000未満であると、合成時にオリゴマーが出て、安定した性能が得られず、100,000を越えると、保護層転写時に箔切れが悪くなる。
本発明のポリエステル樹脂としては、従来公知の飽和ポリエステル樹脂を使用できる。上記ポリエステル樹脂を使用する場合は、ガラス転移温度は50〜120℃が好ましく、又、分子量は2,000〜40,000の範囲が好ましく、更に4,000〜20,000の範囲が保護層転写時に箔切れ性が良くなり、より好ましい。
(紫外線吸収剤)
本発明の保護層転写シートでは、保護層及び/又は接着層に、紫外線吸収剤を含有することができ、その紫外線吸収剤としては、従来公知の無機系紫外線吸収剤、有機系紫外線吸収剤が使用できる。有機系紫外線吸収剤としては、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、置換アクリロニトリル系、ヒンダートアミン系等の非反応性紫外線吸収剤や、これらの非反応性紫外線吸収剤に、例えば、ビニル基やアクリロイル基、メタアクリロイル基等の付加重合性二重結合、あるいは、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基等を導入し、アクリル樹脂等の熱可塑性樹脂に共重合若しくは、グラフトしたものを使用することができる。また、樹脂のモノマーまたはオリゴマーに紫外線吸収剤を溶解させた後、このモノマーまたはオリゴマーを重合させる方法が開示されており(特開2006−21333号公報)、こうして得られた紫外線遮断性樹脂を用いることもできる。この場合には紫外線吸収剤は非反応性のもので良い。
これら紫外線吸収剤に中でも、特にベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系が好ましい。これら紫外線吸収剤は画像形成に使用する染料の特性に応じて、有効な紫外線吸収波長域をカバーするように組み合わせて使用することが好ましく、また、非反応性紫外線吸収剤の場合には紫外線吸収剤が析出しないように構造が異なるものを複数混合して用いることが好ましい。
紫外線吸収剤の市販品としては、チヌビン−P(チバガイギー製)、JF−77(城北化学製)、シーソープ701(白石カルシウム製)、スミソープ200(住友化学製)、バイオソープ520(共同薬品製)、アデカスタブLA−32(旭電化製)等が挙げられる。
(硬化性樹脂)
電離放射線硬化性樹脂または紫外線硬化性樹脂を用いることにより、耐可塑剤性や耐擦過性が特に優れた保護層を得ることができる。具体例として、ラジカル重合性のポリマー又はオリゴマーを電離放射線照射により架橋、硬化させるものがある。このさい、必要に応じて光重合開始剤を添加して電子線や紫外線によって重合架橋させても良い。その他、公知の電離放射線硬化性樹脂を用いることができる。
(フィラー)
本発明では、フィラーも好ましく用いることが出来る。有機フィラー及び/又は無機フィラーとしては、ポリエチレンワックス、ビスアマイド、ナイロン、アクリル樹脂、架橋ポリスチレン、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、タルク、炭酸カルシウム、酸化チタン、アルミナ、マイクロシリカ、コロイダルシリカ等のシリカ微粒子等を例示することができる。本発明の熱転写シートでは、これらに限定されることなく公知のものを好適に使用することができる。
有機フィラー及び/又は無機フィラーは、粒径が10μm以下、好ましくは0.1〜3μmの範囲であって、滑り性が良好であって透明性の高いものが好ましい。フィラーの添加量は、転写した時に透明性が保たれる程度が好ましく、樹脂100質量部に対して、0〜100質量部の範囲が好ましい。
(転写性保護層の形成)
保護層の形成法は、用いられる樹脂の種類に依存するが、前記染料層の形成方法と同様の方法で形成され、0.5〜10μm程度の厚さが好ましい。
(離型層)
保護層転写シートでは、保護層が熱転写時に支持体から剥離しにくい場合には、支持体と保護層との間に離型層を形成することができる。転写性保護層と離型層の間に剥離層を形成しても良い。離型層は、例えば、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、セルロース誘導体樹脂、ウレタン系樹脂、酢酸系ビニル樹脂、アクリルビニルエーテル系樹脂、無水マレイン酸樹脂、及びこれらの樹脂群の共重合体を少なくとも1種以上含有する塗布液を、従来公知のグラビアコート、グラビアリバースコート等の方法で塗布、乾燥することにより形成することができる。上記の樹脂の中でも、アクリル樹脂として、アクリル酸やメタクリル酸等の単体、または他のモノマー等と共重合させた樹脂、あるいはセルロース誘導体樹脂が好ましく、支持体との密着性、保護層との離型性において優れている。
各種架橋剤によって架橋することも可能であり、また、電離放射線硬化性樹脂および紫外線硬化性樹脂も用いることができる。
離型層は、熱転写時に被転写体に移行するもの、あるいは支持体側に残るもの、あるいは凝集破壊するもの等を、適宜選択することができるが、離型層が非転写性であり、熱転写により離型層が支持体側に残存し、離型層と熱転写性保護層との界面が熱転写された後の保護層表面になるようにすることが、表面光沢性、保護層の転写安定性等の点で優れており、好ましい態様である。離型層の形成方法は、従来公知の塗工方法で形成でき、その厚みは乾燥状態で0.5〜5μm程度が好ましい。
(接着層)
転写性保護層積層体の最上層として、保護層の最表面に接着層を設けることができる。これによって保護層の被転写体への接着性を良好にすることができる。
(裏面層)
本発明の感熱転写シートは、染料層を塗設した支持体の面の他方の面(裏面)、すなわちサーマルヘッド等に接する側に裏面層を設けることが好ましい。また、保護層転写シートの場合にも、転写性保護層を塗設した支持体の面の他方の面(裏面)、すなわちサーマルヘッド等に接する側に背面層を設けることが好ましい。
感熱転写シートの支持体の裏面とサーマルヘッド等の加熱デバイスとが直接接触した状態で加熱されると、熱融着が起こりやすい。また、両者の間の摩擦が大きく、感熱転写シートを印画時に滑らかに搬送することが難しい。
裏面層は、感熱転写シートがサーマルヘッドからの熱エネルギーに耐え得るように設けられるものであって、熱融着を防止し、滑らかな走行を可能にする。近年、プリンターの高速化に伴いサーマルヘッドの熱エネルギーが増加しているため、必要性は大きくなっている。
裏面層は、バインダーに滑剤、離型剤、界面活性剤、無機粒子、有機粒子、顔料等を添加したものを塗布することによって形成される。また、裏面層と支持体との間に中間層を設けてもよく、無機微粒子と水溶性樹脂またはエマルジョン化可能な親水性樹脂からなる層が開示されている。
バインダーとしては、耐熱性の高い公知の樹脂を用いることができる。例として、エチルセルロース、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルアセトアセタール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリルアミド、アクリロニトリル−スチレン共重合体等のアクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリビニルトルエン樹脂、クマロンインデン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性又はフッ素変性ウレタン等の天然又は合成樹脂の単体又は混合物を挙げることができる。
裏面層の耐熱性を高めるため、紫外線又は電子ビームを照射して樹脂を架橋する技術が知られている。また、架橋剤を用い、加熱により架橋させることも可能である。この際、触媒が添加されることもある。架橋剤としては、ポリイソシアネート等が知られており、このためには、水酸基系の官能基を有する樹脂が適している。特開昭62−259889号公報には、ポリビニルブチラールとイソシアネート化合物との反応生成物にリン酸エステルのアルカリ金属塩又はアルカリ土類塩及び炭酸カルシウム等の充填剤を添加することにより裏面層を形成することが開示されている。また、特開平6−99671には、耐熱滑性層を形成する高分子化合物を、アミノ基を有するシリコーン化合物と1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物を反応させることにより得ることが開示されている。
機能を十分に発揮させるために、裏面層には、滑剤、可塑剤、安定剤、充填剤、ヘッド付着物除去のためのフィラー等の添加剤が配合されていても良い。
滑剤としては、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、フッ化黒鉛等のフッ化物、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、硫化鉄等の硫化物、酸化鉛、アルミナ、酸化モリブデン等の酸化物、グラファイト、雲母、窒化ホウ素、粘土類(滑石、酸性白度等)等の無機化合物からなる固体滑剤、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等の有機樹脂、シリコーンオイル、ステアリン酸金属塩等の金属セッケン類、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス等の各種ワックス類、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等の界面活性剤を挙げることができる。
アルキルりん酸モノエステル、アルキルりん酸ジエステルの亜鉛塩などの燐酸エステル系界面活性剤も用いられるが、酸根を有しており、サーマルヘッドからの熱量が大になると燐酸エステルが分解し、更に裏面層のpHが低下してサーマルヘッドの腐食摩耗が激しくなるという問題点がある。これに対しては、中和した燐酸エステル系界面活性剤を用いる方法、水酸化マグネシウムなどの中和剤を用いる方法等が知られている。
その他の添加剤としては高級脂肪酸アルコール、オルガノポリシロキサン、有機カルボン酸およびその誘導体、タルク、シリカ等の無機化合物の微粒子等を挙げることができる。
裏面層は、上に例示したようなバインダーに添加剤を加えた材料を溶剤中に溶解または分散させた塗工液を、グラビアコーティング、ロールコーティング、ブレードコーティング、ワイヤーバーなどの従来から公知の方法で塗布することによって形成される。0.1〜10μm程度の膜厚が好ましく、さらに好ましくは0.5〜5μm程度の膜厚である。
(リン原子含有化合物)
本発明の感熱転写シートの支持体の裏面にはリン原子含有化合物を含有することが好ましい。リン原子含有化合物としてはリン酸エステルまたはリン酸エステルの1価金属塩が好ましく、リン酸エステルが特に好ましい。
以下にリン酸エステルまたはリン酸エステルの1価金属塩について好ましい態様を例示するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
[OH基を有するリン酸エステル]
OH基を有するリン酸エステルは、リン酸一分子当たりリン原子に結合した3つのOH基に対して、エステル化が1箇所(モノエステル)または2箇所(ジエステル)なされており、エステル化されていないOH基が残存しているものが好ましい。
本発明に用いることができるリン酸エステルとしては、炭素数が好ましくは6〜20、より好ましくは炭素数が12〜18の飽和または不飽和アルコール(ステアリルアルコール、オレイルアルコール等)とリン酸とのモノエステルまたはジエステルが好ましい。
前記飽和または不飽和アルコールのアルキレンオキサイド付加物とリン酸とのモノエステルまたはジエステルがより好ましく、該アルキレンオキサイドとしてはエチレンオキサイドが好ましく、付加数は1〜20が好ましく、1〜8がより好ましい。またアルキレンオキサイドにアルキル基が結合している場合にはアルキル基の炭素数は好ましくは6〜20である。
アルキルフェノール、アルキルナフトール等のアルキル基を有する芳香族アルコール(ノニルフェノール、ドデシルフェノール、キシレニルフェノール等)とリン酸とのモノエステルまたはジエステルも好ましく、該芳香族アルコールが有している芳香族基に結合しているアルキル基の炭素数は好ましくは6〜20である。
上記芳香族アルコールのアルキレンオキサイド付加物とリン酸とのモノエステルまたはジエステルがより好ましく、該アルキレンオキサイドとしてはエチレンオキサイドが好ましく、付加数は1〜20が好ましく、1〜8がより好ましい。該芳香族アルコールが有している芳香族基に結合しているアルキル基の炭素数は好ましくは6〜20、より好ましくは炭素数が12〜18である。
これらの化合物の中で炭素数12〜18のアルキル基を有するリン酸モノエステルまたはジエステルが更に好ましい。
[リン酸エステルの1価金属塩]
リン酸エステルの1価金属塩とは、リン酸一分子当たりリン原子に結合した3つのOH基に対して、エステル化が1箇所(モノエステル)または2箇所(ジエステル)なされており、エステル化されていないOH基の水素原子の少なくとも1つが1価金属原子に置換された化合物のことであり、1価金属としては、アルカリ金属が好ましく、リチウム、ナトリウム及びカリウムがより好ましくナトリウムが最も好ましい。
前記OH基を有するリン酸エステルの好ましい態様の化合物の1価金属塩を好ましく用いることが出来る。
また、これらの化合物を複数種用いても良い。
上記のリン酸エステル及びその1価金属塩は、好ましくは、下記一般式(I)で表すことができる。
Figure 2009073188
式中、Mは水素原子または1価金属を表し、Rは水素原子、1価金属、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基または置換基を有してもよい芳香族基を表す。Rは置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基または置換基を有してもよい芳香族基を表す。
1価金属としては、上述のものが好ましく、R、Rにおけるアルキル基、アルケニル基、芳香族基が置換してもよい置換基としては、どのようなものでも構わないが、特に、アルキル基、アルケニル基、芳香族基または−O−(CHCHO)n−Rが好ましい。
ここで、nは1以上の数を表し、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜8である。Rはアルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜20、さらに好ましくは6〜20)、置換基を有してもよいアリール基(好ましくは置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいナフチル基で、置換基を有してもよいフェニル基が好ましく、該置換基としてはアルキル基、特に炭素数1〜30、より好ましくは1〜20、さらに好ましくは6〜20、最も好ましくは8〜18のアルキル基である)である。
ここで、一般式(I)の規定を満たせば、RとRは互いに同じでも異なってもよいが、本発明においては同じものが好ましい。
、Rがともに置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基または置換基を有してもよい芳香族基を表す。Rは置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基または置換基を有してもよい芳香族基である場合が好ましく、置換基を有してもよいアルキル基である場合がより好ましく、−O−(CHCHO)n−Rである場合が最も好ましい。
なかでも、R、Rがともに−CHCH−O−(CHCHO)n−Rである場合が特に好ましい。
また、これらの化合物を複数種併用することもできる。例えば一般式(I)のR、が水素原子または1価金属であり、Rが置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基または置換基を有してもよい芳香族基からなるリン酸エステルのモノエステルとRおよびRが置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基または置換基を有してもよい芳香族基からなるリン酸エステルのジエステルを併用することが出来る。また、一般式(I)のR、Rの構造にアルキル基が含まれる場合、各々アルキル基の炭素数の異なる化合物を併用することが出来、R、Rが炭素数6〜20のアルキル基から選ばれる炭素数の異なるアルキル基からなる化合物を併用することが好ましく、炭素数8〜18のアルキル基から選ばれる炭素数の異なるアルキル基から選ばれる化合物を併用することがより好ましい。
これらのリン酸エステルは、その多くが市販されており、例えば、日光ケミカルズ(株)のNIKKOL DLP−10、NIKKOL DOP−8NVNIKKOL DDP−2、NIKKOL DDP−4NIKKOL DDP−6、NIKKOL DDP−8、NIKKOL DDP−10、第一工業製薬(株)製プライサーフA217Eなどが挙げられる。
これ以外に、ジラウリルリン酸エステル、ジオレイルリン酸エステル、ジステアリルリン酸エステル、ジ(ポリオキシエチレンノニルエーテル)リン酸ナトリウム、ジ(ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル)リン酸、ジ(ポリオキシエチレンデシルフェニルエーテル)リン酸ナトリウムが挙げられる。
好ましい塗布量としては0.001〜0.1g/mが好ましく、0.01〜0.05g/mがさらに好ましい。裏面層のバインダーに対し質量比で0.0001〜0.01添加することが好ましく、0.0005〜0.005添加することがさらに好ましい。添加量が少ないと本発明の画像均一性改良効果が発現しにくく、添加量が多すぎると、裏面離型性の低下、サーマルヘッド汚れ等の問題を発生しやすい。
(Mg化合物)
本発明の感熱転写シートの支持体の裏面にはMg化合物を含有することが好ましい。Mg化合物の好ましい例としては、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウムなどが挙げられ、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウムが特に好ましい。
上記のMg化合物は小サイズ粒子として用いることが好ましく、粒子サイズとしては平均粒子サイズ0.1〜5μmが好ましく、0.5〜2μmがさらに好ましい。
好ましい塗布量としては0.01〜0.5g/mが好ましく、0.03〜0.3g/mがさらに好ましい。裏面層のバインダーに対し質量比で0.001〜0.1添加することが好ましく、0.002〜0.05添加することがさらに好ましい。添加量が少ないと本発明の画像均一性改良効果が発現しにくく、添加量が多すぎると、裏面滑り性の低下、サーマルヘッド摩耗等の問題を発生しやすい。
(支持体)
本発明の感熱転写シートおよび保護層転写シートの支持体は特に限定されず、必要とされる耐熱性と強度を有するものであれば、従来公知のいずれのものでも使用することができる。
例としては、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステルフィルムが挙げられる。
支持体の厚さは、その強度及び耐熱性等が適切になるように材料に応じて適宜変更することができるが、好ましくは1〜100μmである。より好ましくは2〜50μm程度のものであり,さらに好ましくは3〜10μm程度のものが用いられる。
次に感熱転写受像シート(以下、単に受像シートともいう。)に関して詳細に説明する。
本発明に用いられる受像シートは、支持体上に少なくとも1層の染料受容層(以下、単に受容層ともいう。)を有するものであって、支持体と受容層との間に、例えば断熱層(多孔質層)、光沢制御層、白地調整層、帯電調節層、接着層、プライマー層などの中間層が形成されていてもよい。支持体と受容層との間に少なくとも1層の断熱層を有することが好ましい態様である。
受容層およびこれらの中間層は同時重層塗布により形成されることが好ましく、中間層は、必要に応じて複数設けることができる。
支持体の裏面側にはカール調整層、筆記層、帯電調整層が形成されていてもよい。支持体の裏面側の各層の塗布は、ロールコート、バーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート等の一般的な方法で行うことができる。
(受容層)
受像シートは、染料を受容し得る熱可塑性の受容ポリマーを含有する少なくとも1層の受容層を有する。受容層には、紫外線吸収剤、離型剤、滑剤、酸化防止剤、防腐剤、界面活性剤、その他の添加物を含有させることができる。
(熱可塑性樹脂)
本発明において受容層には、公知の熱可塑性樹脂を用いることができる。
熱可塑性樹脂の例としては、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニルおよびその共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリカプロラクトンまたはこれらの混合物を含有することが好ましく、ポリエステル、ポリ塩化ビニルおよびその共重合体またはこれらの混合物がさらに好ましい。以上のポリマーは、単独またはこれらの混合物として用いることができる。
使用されるポリマーは、有機溶剤(メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン、キシレンなど)を適宜用いて溶解させることで、支持体上に塗布することができる。あるいは、ポリマーラテックスとして水系の塗工液に加えて支持体上に塗布することもできる。
以下にポリエステルおよびポリ塩化ビニルについて、以下にさらに詳しく説明する。
(ポリエステル系ポリマー)
ポリエステルはジカルボン酸成分(その誘導体含む)とジオール成分(その誘導体を含む)との重縮合により得られるものである。ポリエステルポリマーは、芳香環および/または脂環を含有しても良い。脂環式ポリエステルについては、特開平5−238167号公報に記載の技術が染料取り込み能と像の安定性の点で有効である。
本発明においては、上記のジカルボン酸成分およびジオール成分を少なくとも使用して、分子量(質量平均分子量(Mw))が通常約11000以上、好ましくは約15000以上、より好ましくは約17000以上となるように重縮合したポリエステル系ポリマーを使用するのが好ましい。分子量があまり低いものを使用すると、形成される受容層の弾性率が低くなり、また耐熱性も足りなくなり、感熱転写シートと受像シートとの離型性を確保することが難しくなる場合がある。分子量は、弾性率を上げる観点からは大きいほど望ましく、受容層形成時に塗工液溶媒に溶かすことができなくなる等の弊害が生じたり、あるいは、受容層の塗布乾燥後に支持体との接着性に悪影響が出たりする等の弊害が生じたりしない限り、特に限定されないが、高くても約30000程度以下であり、好ましくは約25000以下である。なお、エステル系ポリマーの合成法としては、従来公知の方法を使用することができる。
飽和ポリエステルとしては、例えばバイロナールMD−1200、バイロナールMD−1220、バイロナールMD−1245、バイロナールMD−1250、バイロナールMD−1500、バイロナールMD−1930、バイロナールMD−1985(いずれも商品名、東洋紡(株)製)等が用いられる。
(塩化ビニル系ポリマー)
受容層に用いられる塩化ビニル系ポリマー、特に塩化ビニルを用いた共重合体について、さらに詳しく説明する。
塩化ビニルと共重合するモノマーには特に限定はなく、塩化ビニルと共重合できればよく、酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルが特に好ましく、ポリマーとしては塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−メタクリル酸エステル共重合体が優れている。これらの共重合体は、必ずしも塩化ビニル成分と上記の好ましいモノマー(酢酸ビニルあるいはアクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステル)成分のみとの共重合体である場合に限らず、本発明の目的を妨げない範囲のビニルアルコール成分、マレイン酸成分等を含むものであってもよい。このような、塩化ビニルと上記の好ましいモノマーを主単量体とする共重合体を構成する他の単量体成分としては、ビニルアルコール、プロピオン酸ビニルなどのビニルアルコール誘導体、アクリル酸およびメタクリル酸およびそれらのメチル、エチル、プロピル、ブチル、2−エチルヘキシルエステルなどのアクリル酸およびメタクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジオクチルなどのマレイン酸誘導体、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテルなどのビニルエーテル誘導体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニルなどが挙げられる。共重合体中にしめる塩化ビニルと上記の好ましいモノマーとの成分比は任意の比率でよいが、塩化ビニル成分が共重合体中で50質量%以上であるのが好ましい。また、先に挙げた塩化ビニルと上記の好ましいモノマー以外の成分は10質量%以下であるのが好ましい。
このような塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体としては、ビニブラン240、ビニブラン601、ビニブラン602、ビニブラン380、ビニブラン386、ビニブラン410、ビニブラン550(いずれも商品名、日信化学工業(株)製)等が挙げられる。
塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体としては、ビニブラン270、ビニブラン276、ビニブラン277、ビニブラン609、ビニブラン680、ビニブラン690、ビニブラン900(いずれも商品名、日信化学工業(株)製)等が挙げられる。
(ポリマーラテックス)
本発明においては、ポリマーラテックスを好ましく用いることができる。以下、ポリマーラテックスについて説明する。
本発明で用いる感熱転写受像シートにおいて、受容層に用い得るポリマーラテックスは、疎水性ポリマーが微細な粒子として水溶性の分散媒中に分散したものが好ましい。分散粒子の平均粒子サイズは、好ましくは1〜50000nm、より好ましくは5〜1000nm程度である。
ポリマーラテックスは、通常の均一構造のポリマーラテックスであっても、いわゆるコア/シェル型のラテックスであってもよい。このとき、コアとシェルでガラス転移温度を変えると好ましい場合がある。本発明で用いるポリマーラテックスのガラス転移温度は、−30℃〜130℃が好ましく、0℃〜120℃がより好ましく、10℃〜100℃がさらに好ましい。
本発明では、受容層を水系の塗工液を塗布後乾燥して調製することが好ましい。ただし、ここで言う「水系」とは塗工液の溶媒(分散媒)の60質量%以上が水であることをいう。塗工液の水以外の成分としてはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ジメチルホルムアミド、酢酸エチル、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、ベンジルアルコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、オキシエチルフェニルエーテルなどの水混和性の有機溶媒を用いることができる。
本発明に用いられる上記のポリマーラテックスは、上記のポリマーラテックスとともにいかなるポリマーを併用してもよい。併用することのできるポリマーとしては、透明または半透明で、無色であることが好ましく、天然樹脂ポリマーおよびコポリマー、合成樹脂ポリマーおよびコポリマー、その他フィルムを形成する媒体、例えば、ゼラチン類、ポリビニルアルコール類、ヒドロキシエチルセルロース類、セルロースアセテート類、セルロースアセテートブチレート類、ポリビニルピロリドン類が挙げられる。
本発明に用いられるバインダーは、加工脆性と画像保存性の点でガラス転移温度(Tg)が−30℃〜90℃の範囲のものが好ましく、より好ましくは−10℃〜85℃の範囲、さらに好ましくは0℃〜70℃の範囲である。バインダーとして2種以上のポリマーをブレンドして用いることも可能で、この場合、組成分を考慮し加重平均したTgが上記の範囲に入ることが好ましい。また、相分離した場合やコア−シェル構造を有する場合には加重平均したTgが上記の範囲に入ることが好ましい。
[離型剤]
本発明では、画像印画時の感熱転写シートと受像シートとの離型性をより確実に確保するために、離型剤を使用してもよい。
離型剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、アミドワックス等の固形ワックス類、シリコーンオイル、リン酸エステル系化合物、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤およびその他当該技術分野で公知の離型剤を使用することができ、フッ素系界面活性剤等のフッ素系化合物、シリコーン系界面活性剤、シリコーンオイルおよび/またはその硬化物等のシリコーン系化合物が好ましく用いられる。
受容層の塗布量は、0.5〜10g/m(固形分換算、以下本発明における塗布量は特に断りのない限り、固形分換算の数値である。)が好ましい。
<離型層>
硬化変性シリコーンオイルは、受容層にではなく、受容層の上に形成される離型層に添加してもよい。この場合にも、上述した受容層を使用してよく、また、受容層にシリコーンを添加してもよい。この離型層は、硬化型変性シリコーンを含有してなるが、使用するシリコーンの種類や使用方法は、受容層に使用する場合と同様である。また、触媒や遅延剤を使用する場合も、受容層中に添加するのと同様である。離型層は、シリコーンのみにより形成してもよいし、バインダーとして、相溶性のよい樹脂と混合して使用してもよい。この離型層の厚みは、0.001〜1g/m程度である。
(中空ポリマー)
本発明に用いられる受像シートにおいて、断熱層は中空ポリマーと水溶性ポリマーを含有するのが好ましい。
本発明における中空ポリマーとは粒子内部に空隙を有するポリマー粒子である。例えば、[1]ポリスチレン、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂等により形成された隔壁内部に水などの分散媒が入っており、塗布乾燥後、粒子内の分散媒が粒子外に蒸発して粒子内部が中空となる非発泡型の中空ポリマー粒子、[2]ブタン、ペンタンなどの低沸点液体を、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステルのいずれか又はそれらの混合物もしくは重合物よりなる樹脂で覆っており、塗工後、加熱により粒子内部の低沸点液体が膨張することにより内部が中空となる発泡型マイクロバルーン、[3]上記の[2]をあらかじめ加熱発泡させて中空ポリマーとしたマイクロバルーンなどが挙げられる。
これらの中空ポリマーの粒子サイズは0.1〜20μmが好ましく、0.1〜5.0μmがより好ましく、0.2〜3.0μmが更に好ましく、0.3〜1.0μmが特に好ましい。
中空ポリマーの空隙率は、20〜70%程度のものが好ましく、20〜50%のものがより好ましい。中空ポリマーの空隙率とは、粒子体積に対する空隙部分の体積の割合を示したものである。
中空ポリマーのガラス転移温度(Tg)は70℃以上であることが好ましく、90℃以上であることがより好ましい。中空ポリマーは必要に応じて2種以上混合して使用することができる。
このような中空ポリマーは市販されており、前記[1]の具体例としてはローアンドハース社製ローペイク1055、大日本インキ社製ボンコートPP−1000、JSR社製SX866(B)、日本ゼオン社製ニッポールMH5055(いずれも商品名)などが挙げられる。前記[2]の具体例としては松本油脂製薬社製のF−30、F−50(いずれも商品名)などが挙げられる。前記[3]の具体例としては松本油脂製薬社製のF−30E、日本フェライト社製エクスパンセル461DE、551DE、551DE20(いずれも商品名)が挙げられる。これらの中で、前記[1]の系列の中空ポリマーがより好ましく使用できる。
(水溶性ポリマー)
断熱層のバインダーとしては、水溶性ポリマーを使用することができる。断熱層に用いることのできる水溶性ポリマーは、ポリマーラテックスと併用されるポリマーが好ましく用いられる。
本発明において、断熱層のバインダーとして用いられる水溶性ポリマーはポリビニルアルコール類、ゼラチンが好ましく、ゼラチンが最も好ましい。
また、断熱層に含まれる水溶性ポリマーは、クッション性や膜強度を調整する為に硬膜剤により架橋されていてもよい。硬膜により架橋する場合は、硬膜剤として、特開平1−214845号公報17頁のH−1,4,6,8,14,米国特許第4,618,573号明細書のカラム13〜23の式(VII)〜(XII)で表わされる化合物(H−1〜54)、特開平2−214852号公報8頁右下の式(6)で表わされる化合物(H−1〜76),特にH−14、米国特許第3,325,287号明細書のクレーム1に記載の化合物などが好ましく用いられる。
<支持体>
支持体としては、コート紙やラミネート紙、合成紙を用いることができる。
<カール調整層・筆記層・帯電調整層>
本発明に用いる感熱転写受像シートには、受容層を塗設した支持体の面の他方の面(裏面)に必要に応じてカール調整層・筆記層・帯電調整層を設けることができる。
<含水率>
本発明の含水率はJIS P 8127に記載の方法で求め、感熱転写受像シートを温度25℃湿度55%の環境下で4日間調湿した後に、温度105℃にて30時間乾燥し、乾燥前後での質量から測定した。
含水率を5〜8質量%の範囲内とするための方法に特に規定はないが、断熱層、受容層、その他の層の構成成分の親疎水性を調節することで含水率を調節可能である。例えば、断熱層に水分散性の中空粒子をを用いる、バインダーとしてゼラチン、ポリビニルアルコール等の親水性ポリマーを使用する、受容層のバインダーとして水分散ラテックスを用いることなどが好ましい方法として挙げられる。また断熱層、受容層にグリセリン、ソルビトール、尿素などの保湿剤を添加することも好ましい。
<同時重層塗布>
本発明の感熱転写受像シートは、隣接する構成層を水系同時重層塗布することが好ましい。
支持体上に複数の機能の異なる複数の層(気泡層、断熱層、中間層、受容層など)からなる多層構成の受像シートを製造する場合、特開2004−106283号、同2004−181888号、同2004−345267号等の各公報に示されている如く各層を順次塗り重ねていくか、あらかじめ各層を支持体上に塗布したものを張り合わせることにより製造することが知られている。一方、写真業界では例えば複数の層を同時に重層塗布することにより生産性を大幅に向上させることが知られている。例えば米国特許第2,761,791号、同第2,681,234号、同第3,508,947号、同第4,457,256号、同第3,993,019号、特開昭63−54975号、特開昭61−278848号、同55−86557号、同52−31727号、同55−142565号、同50−43140号、同63−80872号、同54−54020号、特開平5−104061号、同5−127305号、特公昭49−7050号の公報または明細書やEdgar B. Gutoffら著,「Coating and Drying Defects:Troubleshooting Operating Problems」,John Wiley&Sons社,1995年,101〜103頁などに記載のいわゆるスライド
塗布(スライドコーティング法)、カーテン塗布(カーテンコーティング法)といわれる方法が知られている。
本発明では、逐次塗布でもその効果を奏するものであるが、同時重層塗布を行うことで、生産性を大幅に向上させると同時に、画像欠陥をより一層減少させることができる。
<面状改質化合物>
本発明の感転写受像シートは少なくとも1層に一般式〔I〕〜〔IV〕のいずれかで表される面状改質化合物を1以上含有することが好ましい。
画像均一性の改良の観点でこれらの化合物を2種類以上含有させることが好ましい。
次に本発明に用いる一般式〔I〕〜〔IV〕の化合物について、詳細に説明する。
なお、一般式〔I〕〜〔IV〕の置換基において、低級アルキル基、低級アルケニル、低級アルコキシ基、低級アルキレン基等の低級とは、炭素数が8以下の基(好ましくは6以下の基、さらに好ましくは4以下の基)であり、例えば、低級アルキル基とは炭素数1〜8のアルキル基、低級アルケニル基とは炭素数2〜8のアルケニル基、低級アルコキシ基とは炭素数1〜8のアルコキシ基、低級アルキレン基とは炭素数1〜8のアルキレン基である。
一般式〔I〕において、R1、R2は同じでも異なっていてもよく水素原子、ヒドロキシ基、低級アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基など)、を表わす。Xは水素原子、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子)、ニトロ基、シアノ基、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、など)、低級アルキル基(例えばメチル基、エチル基、n−ブチル基、tert−オクチル基など)、低級アルケニル基(例えば、アリル、プロペニルなど)、アラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基、など)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、n−ブトキシ基、2−メトキシエトキシ基など)、−COR3、−SO24、−N(R5)R6を表し、R3、R4は、水素原子、−OM、低級アルキル基(例えばメチル基、n−ブチル基、tert−オクチル基など)、低級アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−ブトキシ基など)、−N(R7)R8を表す。R3、R4は同じでも異なっていてもよく水素原子、低級アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、2−エチルヘキシル基)、−COR9、−SO210を表わす。R9、R10は低級アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、2−メトキシエチル基など)、−N(R11)R12を表し、R7、R8、R11、R12は同じでも異なっていてもよく水素原子、低級アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、2−エチルヘキシル基)を表わす。Mは、水素原子、アルカリ金属(例えばナトリウム、カリウムなど)および、1価のカチオンを形成するに必要な原子群(例えば、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオンなど)を表し、lは2〜6の整数を表し、mは1〜4の整数を表わし、nは6−mの整数を表わす。ただし、R1、R2、Xが複数存在する時はそれぞれが互いに異なっていてもよい。
これらのうち、R、Rは水素原子、低級アルキル基(特にメチル基)、ヒドロキシル基が好ましく、水素原子が最も好ましい。lは2または3が好ましく、2が最も好ましい。mは1または2が好ましく、1が最も好ましい。Xは水素原子である場合が好ましい。
次に一般式〔I〕で表わされる化合物の代表的具体例を示すが本発明に用いる一般式〔I〕で表わされる化合物はこれらに限定されるものではない。なお、以下の例示化合物は、試薬として一般的に市販されており、容易に入手可能である。
Figure 2009073188
Figure 2009073188
次に一般式〔II〕の化合物について記述する。
13は水素原子、直鎖もしくは分岐鎖の置換または無置換のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、n−オクタデシル基、2−ヒドロキシエチル基、2−カルボキシエチル基、2−シアノエチル基、スルホブチル基、N,N−ジメチルアミノエチル基)、置換または無置換の環状アルキル基(例えば、シクロヘキシル基、3−メチルシクロヘキシル基、2−オキソシクロペンチル基)、置換または無置換のアルケニル基(例えば、アリル基、メチルアリル基)、置換または無置換のアラルキル基(例えば、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、o−クロロベンジル基、p−イソプロピルベンジル基)、置換または無置換のアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、o−メチルフェニル基、m−ニトロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基)、複素環基(2−イミダゾリル基、2−フリル基、2−チアゾリル基、2−ピリジル基)、
Figure 2009073188
を表し、R14、R15は各々水素原子、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、置換または無置換のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、クロロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、tert−ブチル基、n−オクチル基)、置換または無置換の環状アルキル基(例えば、シクロヘキシル基、2−オキソシクロペンチル基)、置換または無置換のアリール基(例えば、フェニル基、2−メチルフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、ナフチル基、4−ニトロフェニル基、4−アミノフェニル基、3−アセトアミドフェニル基)、シアノ基、複素環基(例えば、2−イミダゾリル基、2−チアゾリル基、2−ピリジル基)、置換または無置換のアルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、2−シアノエチルチオ基、2−エトキシカルボニルチオ基)、置換または無置換のアリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、2−カルボキシフェニルチオ基、p−メトキシフェニルチオ基)、置換または無置換のアルキルスルホキシ基(例えば、メチルスルホキシ基、2−ヒドロキシエチルスルホキシ基)、置換または無置換のアルキルスルホニル基(例えばメチルスルホニル基、2−ブロモエチルスルホニル基)を表わし、R14とR15は互に結合して芳香環(例えば、ベンゼン環、ナフタレン環)を形成してもよい。
16、R17は各々水素原子、置換または無置換のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、2−シアノエチル基、2−n−ブトキシカルボニルエチル基、2−シアノエチル基)、置換または無置換のアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、2−メトキシフェニル基、m−ニトロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、3−アセトアミドフェニル基)、置換または無置換のアラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基、p−イソプロピルベンジル基、o−クロロベンジル基、m−メトキシベンジル基)を表わす。
さらに、上記一般式〔II〕で好ましいのは、R13が、水素原子、低級アルキル基(特に好ましくは水素原子)を表わし、R14、R15が互いに結合して芳香環(特に好ましくはベンゼン環)を形成する場合である。
次に一般式〔II〕で表わされる化合物の代表的具体例を以下に示すが、本発明に用いることができる一般式〔II〕で表される化合物はこれらに限定されるものではない。以下の化合物の一部は市販されており容易に入手することが可能であり、またフランス国特許1,555,416号明細書に記載の合成法に準じて製造することができる。
Figure 2009073188
Figure 2009073188
Figure 2009073188
Figure 2009073188
次に一般式〔III〕の化合物について記述する。
18は水素原子、アルキル基(好ましくは低級アルキル基であり、例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基)、ヒドロキシメチル基を表し、R19は水素原子、アルキル基(好ましくは低級アルキル基であり、例えば、メチル基、n−ブチル基、イソアミル基)を表わす。アルキル基としては好ましくは炭素原子数1〜5、特に1のものがよい。
以下に一般式〔III〕で表される化合物の代表的具体例を示すが、本発明に用いることができる一般式〔III〕で表される化合物はこれらに限定されるものではない。
Figure 2009073188
これらの化合物の一部は三愛石油(株)から市販されている。また以下の文献を参考にして合成することができる。
(1)Henry Recuell des travaux chiniques des Rays−Bas,16,251.
(2)Mass.chemisches Zentralblatt.1899 I 179.
(3)E.Schmidt.Berichte der Deutchen Chemischen Gesellschaft 397.
(4)E,Schmidt.ibid.55 317.
(5)Henry Chemiches Zentrablatt.1897 II 388.
この場合III−1の合成は文献(1)、(2)ないし(3)、III-2の合成は文献(2)、III−3の合成は文献(5)、III−4の合成は文献(2)に従うのがよい。
次に一般式〔IV〕の化合物について記述する。
一般式〔IV〕において、R20は低級アルキレン基(例えば、エチレン基、プロピレン基、メチルエチレン基など)を表し、特に炭素数1〜6のアルキレン基が好ましい。
Xはハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子)、ニトロ基、ヒドロキシル基、シアノ基、低級アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基)、−COR21、−N(R22)R23、−SO3Mを表し、R21は水素原子、−OM、低級アルキル基(例えばメチル基、n−ブチル基、tert−オクチル基)、アリール基(例えば、フェニル基、4−クロロフェニル基、3−ニトロフェニル基)、アラルキル基(例えば、ベンジル基、p−イソプロピルベンジル基、o−メチルベンジル基)、低級アルコキシ基(例えば、メトキシ基、n−ブトキシ基、2−メトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフトキシ基、4−ニトロフェノキシ基)、アラルキルオキシ基(例えば、ベンジルオキシ基、p−クロロベンジルオキシ基)、−N(R24)R25を表す。
22、R23は各々、水素原子、低級アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、2−エチルヘキシル基)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、2−メトキシフェニル基、3−アセトアミドフェニル基)、アラルキル基(例えば、ベンジル基、o−クロロベンジル基)、−COR26、−SO226を表わし、互に同じであっても異なっていてもよく、R24、R25は各々水素原子、低級アルキル基(例えば、メチル基、イソプロピル基、2−シアノエチル基)、アリール基(例えば、フェニル基、4−エトキシカルボニルフェニル基、3−ニトロフェニル基)、アラルキル基(例えば、ベンジル基、p−クロロベンジル基)を表し、互に同じであっても異なっていてもよく、R26は低級アルキル基(例えば、エチル基、2−メトキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、4−スルホフェニル基、4−カルボキシフェニル基)を表し、Mは水素原子、アルカリ金属原子(例えば、ナトリウム、カリウム)および1価のカチオン形成するに必要な原子群(例えば、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン)を表わし、pは0または1を表わし、qは0または1から5までの整数を表わす。
上記一般式〔IV〕で記述される低級アルキル基、低級アルコキシ基の好ましい炭素数は1〜8である。さらに、上記一般式〔IV〕で好ましいのは、R20が炭素数1〜3のアルキル基、Xが低級アルキル基、pが1、qが0または1で表される化合物である。最も好ましくは、pが0、Xが低級アルキル基の場合である。
次に一般式〔IV〕で表わされる化合物の代表的具体例を示すが、本発明で用いることができる一般式〔IV〕で表される化合物はこれらに限定されるものではない。以下の例示化合物の大部分は試薬として市販されており、容易に入手することが可能であり、また既存の合成法で容易に合成することも可能である。例えば、J.Am.Chem.Soc.,第41巻、669頁(1919)に記載の方法でm=1の化合物の一部は容易に合成することが可能である。
Figure 2009073188
Figure 2009073188
Figure 2009073188
(画像形成方法)
本発明の画像形成方法では、感熱転写受像シートの受容層と感熱転写シートの熱転写層とが接するように重ね合わせて、サーマルヘッドからの画像信号に応じた熱エネルギーを付与することにより画像を形成する。
具体的な画像形成は、例えば特開2005−88545号公報などに記載された方法と同様にして行うことができる。本発明では、消費者にプリント物を提供するまでの時間を短縮するという観点から、プリント時間は15秒未満が好ましく、3〜12秒がより好ましく、さらに好ましくは、3〜7秒である。
上記プリント時間を満たすために、プリント時のライン速度は0.73msec/line以下であることが好ましく、更に好ましくは0.65msec/line以下である。また、高速化条件における転写効率向上の観点から、プリント時のサーマルヘッド最高到達温度は、180℃以上450℃以下が好ましく、更に好ましくは200℃以上450℃以下である。更には350℃以上450℃以下が好ましい。
本発明は、感熱転写記録方式を利用したプリンター、複写機などに利用することができる。熱転写時の熱エネルギーの付与手段は、従来公知の付与手段のいずれも使用することができ、例えば、サーマルプリンター(例えば、日立製作所製、商品名、ビデオプリンターVY−100)等の記録装置によって記録時間をコントロールすることにより、5〜100mJ/mm2程度の熱エネルギーを付与することによって所期の目的を十分に達成することができる。また、本発明の感熱転写受像シートは、支持体を適宜選択することにより、熱転写記録可能な枚葉またはロール状の感熱転写受像シート、カード類、透過型原稿作成用シート等の各種用途に適用することもできる。
以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中で、部または%とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
実施例1
(感熱転写シート101の作製)
支持体として片面に易接着処理がされている厚さ6.0μmのポリエステルフィルム(ダイアホイルK200E−6F、商品名、三菱化学ポリエステルフィルム(株)製)の易接着処理がされていない面に、乾燥後の固形分塗布量が1g/mとなるように裏面層塗工液を塗布した。乾燥後、60℃で熱処理を行い硬化させた。
このようにして作製したポリエステルフィルムの易接着層塗布側に前記塗工液により、イエロー、マゼンタ、シアンの各感熱転写層および転写性保護層積層体を面順次となるように塗布した感熱転写シートを作製した。各染料層の固形分塗布量は、0.8g/mとした。
なお、転写性保護層積層体の形成は、離型層用塗工液を塗布し、乾燥した後に、その上に保護層用塗工液を塗布し、乾燥した後に、さらにその上に接着層塗工液を塗布した。
裏面層塗工液
アクリル系ポリオール樹脂 25.0質量部
(アクリディックA−801、商品名、大日本インキ化学工業(株)製)
ステアリン酸亜鉛 0.43質量部
(SZ−2000、商品名、堺化学工業(株)製)
リン酸エステル 1.27質量部
(プライサーフA217E、商品名、第一工業製薬(株)製)
イソシアネート(50%溶液) 8.0質量部
(バーノックD−800、商品名、大日本インキ化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比2/1) 65質量部
イエロー染料層塗工液
染料化合物(Y4−2) 4.0質量部
染料化合物(Y7−4) 4.0質量部
ポリビニルアセタール樹脂 6.0質量部
(エスレックKS−1、商品名、積水化学工業(株)製)
ポリビニルブチラール樹脂 2.0質量部
(デンカブチラール#6000−C、商品名、電気化学工業(株)製)
離型剤 0.05質量部
(X−22−3000T、商品名、信越化学工業(株)製)
離型剤 0.03質量部
(TSF4701、商品名、モメンティブ・パフォーマンス・
マテリアルズ・ジャパン合同会社製)
マット剤 0.15質量部
(フローセンUF、商品名、住友精工(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比2/1) 84質量部
マゼンタ染料層塗工液
染料化合物(M3−2) 8.0質量部
ポリビニルアセタール樹脂 8.0質量部
(エスレックKS−1、商品名、積水化学工業(株)製)
ポリビニルブチラール樹脂 0.2質量部
(デンカブチラール#6000−C、商品名、電気化学工業(株)製)
離型剤 0.05質量部
(X−22−3000T、商品名、信越化学工業(株)製)
離型剤 0.03質量部
(TSF4701、商品名、モメンティブ・パフォーマンス・
マテリアルズ・ジャパン合同会社製)
マット剤 0.15質量部
(フローセンUF、商品名、住友精工(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比2/1) 84質量部
シアン染料層塗工液
染料化合物(C1−4) 6.6質量部
染料化合物(C1−1) 1.2質量部
ポリビニルアセタール樹脂 7.4質量部
(エスレックKS−1、商品名、積水化学工業(株)製)
ポリビニルブチラール樹脂 0.8質量部
(デンカブチラール#6000−C、商品名、電気化学工業(株)製)
離型剤 0.05質量部
(X−22−3000T、商品名、信越化学工業(株)製)
離型剤 0.03質量部
(TSF4701、商品名、モメンティブ・パフォーマンス・
マテリアルズ・ジャパン合同会社製)
マット剤 0.15質量部
(フローセンUF、商品名、住友精工(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比2/1) 84質量部
(転写性保護層積層体)
染料層の作製に使用したものと同じポリエステルフィルムに、以下に示す組成の離型層、保護層および接着層用塗工液を塗布し、転写性保護層積層体を形成した。乾膜時の塗布量は離型層0.3g/m、保護層0.5g/m、接着層2.2g/mとした。
離型層塗工液
変性セルロース樹脂 5.0質量部
(L−30、商品名、ダイセル化学)
メチルエチルケトン 95.0質量部
保護層塗工液
アクリル樹脂溶液(固形分40%) 90質量部
(UNO−1、商品名、岐阜セラミック(有)製)
メタノール/イソプロパノール(質量比1/1) 10質量部
接着層塗工液
アクリル樹脂 25質量部
(ダイアナールBR−77、商品名、三菱レイヨン(株)製)
下記紫外線吸収剤UV−1 1質量部
下記紫外線吸収剤UV−2 2質量部
下記紫外線吸収剤UV−3 1質量部
下記紫外線吸収剤UV−4 1質量部
PMMA微粒子(ポリメチルメタクリレート微粒子) 0.4質量部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比2/1) 70質量部
Figure 2009073188
(感熱転写受像シート001の作製)
特公平5―6112号公報の実施例における例9に記載の受容体シートAを同様の方法で作製し、感熱転写受像シート001とした。
(感熱転写受像シート002の作製)
ポリエチレンで両面ラミネートした紙支持体表面に、コロナ放電処理を施した後、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含むゼラチン下塗層を設けた。この上に、下記組成の下引き層、断熱層、受容層下層、受容層上層を支持体側からこの順に積層させた状態で、米国特許第2,761,791号明細書に記載の第9図に例示された方法により、同時重層塗布を行った。それぞれの乾燥時の塗布量が下引き層:6.7g/m、断熱層:8.7g/m、受容層下層:2.6g/m、受容層上層:2.7g/mとなるように塗布を行った。また、下記の組成は、固形分としての質量部を表す。
受容層上層
塩化ビニル系ラテックス 22.0質量部
(ビニブラン900、商品名、日信化学工業(株)製)
塩化ビニル系ラテックス 2.4質量部
(ビニブラン276、商品名、日信化学工業(株)製)
ゼラチン(10%水溶液) 2.0質量部
下記エステル系ワックスEW−1 2.0質量部
下記界面活性剤F−1 0.07質量部
下記界面活性剤F−2 0.36質量部
受容層下層
塩化ビニル系ラテックス 12.0質量部
(ビニブラン690、商品名、日信化学工業(株)製)
塩化ビニル系ラテックス 12.0質量部
(ビニブラン900、商品名、日信化学工業(株)製)
ゼラチン(10%水溶液) 10.0質量部
下記界面活性剤F−1 0.04質量部
断熱層
中空ポリマー粒子ラテックス 60.0質量部
(MH5055、商品名、日本ゼオン(株)製)
ゼラチン(10%水溶液) 30.0質量部
下引き層
ポリビニルアルコール 6.7質量部
(ポバールPVA205、商品名、(株)クラレ製)
スチレンブタジエンゴムラテックス 60.0質量部
(SN−307、商品名、日本エイ アンド エル(株)製)
下記界面活性剤F−1 0.03質量部
Figure 2009073188
(感熱転写受像シートの包装、保存)
上記のように作製した感熱転写受像シートを25℃20%RHの低湿条件下に48時間保存し本条件下で密閉包装を施した後、8℃の温度条件下に48時間冷蔵保存した。この感熱転写受像シートを低温のまま密閉包装を除去し25℃80%RHの室内に取り出して直ちに下記プリントを行なった。
(感熱転写シート102〜103の作製)
下記表22に記載のように染料の構成を変更した以外は感熱転写シート101と同様にして感熱転写シート102〜103を作製した。
Figure 2009073188
(プリント)
感熱転写シートと上記感熱転写受像シートを用いて、熱転写型プリンターA(ASK−2000 富士フイルム(株)製)により152mm×102mmサイズ画像の出力を行った。なお、熱転写型プリンターAのライン速度は0.73m秒/ラインであった。25℃80%環境において白地プリントを各5枚出力し、白地汚れの評価を行ない、その結果を下記表23に示した。
評価は検査者10人に下記基準に基づき1〜5段階で評価し検査者10人の平均点を求めた。
(白地汚れの程度)
1:非常に悪い
2:悪い
3:軽度
4:非常に軽度だが見える
5:見えない
Figure 2009073188
上記表23より、本発明の画像形成方法である試験105、106は比較例に対し白地汚れが改良されていることが明らかである。
実施例2
裏面層塗工液を下記に変更した以外は実施例1の感熱転写シート102、103と同様にして感熱転写シート202と203を作製した。
[裏面層塗工液]
アクリル系ポリオール樹脂 25.0質量部
(アクリディックA−801、商品名、大日本インキ化学工業(株)製)
ステアリン酸亜鉛 0.43質量部
(SZ−2000、商品名、堺化学工業(株)製)
リン酸エステル 1.27質量部
(プライサーフA217E、商品名、第一工業製薬(株)製)
イソシアネート(50%溶液) 8.0質量部
(バーノックD−800、商品名、大日本インキ化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比2/1) 65質量部
タルク 0.22質量部
(ミクロエースP−3、商品名 日本タルク(株)製)
酸化マグネシウム 0.06質量部
(キョーワマグMF−30、商品名、協和化学工業(株)製)
感熱転写受像シート002を25℃20%RHの低湿条件下に48時間保存し本条件下で密閉包装を施した後、8℃の温度条件下に48時間冷蔵保存した。この感熱転写受像シートを低温のまま密閉包装を除去し25℃20%室内に取り出して直ちに下記プリントを行なった。
プリント方法は、25℃20%RH環境で行い、ビジュアル濃度0.5とした以外は実施例1と同様の方法で行なった。
性能評価は、印画したプリントの白抜け、濃度ムラなどの発生の有無を目視観察し、下記基準に従って画像の均一性を評価した。本評価を10人の検査者について行い、その平均値を求め結果を下記表24に示した。
1: プリントに画像乱れが多く、印画画像の認識に支障をきたすレベルである
2: プリントに画像乱れがが散発しており、実用上問題のあるレベルである
3: プリントに画像乱れが認められるが、実用上問題ないレベルである
4: プリントに画像乱れをほぼ確認できない
5: プリントに画像乱れが全く確認できない
Figure 2009073188
上記表24より、感熱転写シートの裏面にMg化合物とリン原子含有化合物を含有する感熱転写シートを使用した試験203、204は、Mg化合物とリン原子含有化合物を含有しない感熱転写シートを使用した試験201、202より画像均一性に優れていることがわかる。
実施例3
(感熱転写シート301の作製)
下記表25に記載のように染料の構成を変更した以外は感熱転写シート203と同様にして感熱転写シート301を作製した。
Figure 2009073188
上記感熱転写シートと感熱転写受像シート002を用いて実施例1に示した方法と同様の方法で白地汚れを評価した。結果を表26に示した。
Figure 2009073188
上記表26より、感熱転写シートのシアン層だけでなくマゼンタ層の染料についても共融点の関係を本発明の範囲内とし、さらに感熱転写受像シートの含水率を本発明に範囲内に調整することで、白地汚れはさらに改良されることがわかる。
実施例4
(感熱転写受像シート003〜008の作製)
感熱転写受像シート002の受容層上層、受容層下層、断熱層に本発明の面状改質化合物を下記表27に示したように添加し感熱転写受像シート003〜008を作製した。
上記感熱転写受像シート25℃20%RHの低湿条件下に48時間保存し本条件下で密閉包装を施した後、下記強制劣化保存条件下で保存した。
[保存条件]
下記(1)、(2)を1セットとして10回繰り返し保存した。
(1)室温条件下に10日間保存
(2)5℃の冷蔵庫内に20日間保存
このように保存して得られた感熱転写受像シートを5℃低温のまま密閉包装を除去し25℃20%室内に取り出して直ちに下記プリントを行なった。
プリント方法及び性能評価は、感熱転写シート301を用いて25℃20%RH環境で行い、ビジュアル濃度0.3とした以外は実施例2と同様の方法で行なった。結果を下記表27に示した。
Figure 2009073188
上記表27より、感熱転写受像シートに面状改質化合物を添加すると感熱転写受像シートを強制劣化条件下に保存した場合でも画像均一性が悪化せずが好ましいことがわかる。

Claims (4)

  1. 少なくとも1層の受容層を有する感熱転写受像シートと、イエロー、マゼンタ、シアンの染料層を各々少なくとも1層有する感熱転写シートとを接触させて加熱し、該受容層に色像を形成する画像形成方法において、該染料層のうちマゼンタ染料層及びシアン染料層の少なくとも1層が2種以上の色素を含有し、該2種以上の色素の共融点(mpC)が80℃以上140℃以下であり、該共融点(mpC)が共融組成にある色素の何れかの最低融点(mpL)と下記関係を満たし、かつ該感熱転写受像シートの含水率が5〜8質量%であることを特徴とする画像形成方法。
    mpC − mpL ≦ −5 (単位:℃)
  2. 前記感熱転写シートの支持体の裏面(染料層を有する側と反対の支持体面)に少なくとも1種のMg化合物および少なくとも1種のリン原子含有化合物を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記感熱転写受像シートが、少なくとも隣接する構成層が、水系同時重層塗布により塗工されてなることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成方法。
  4. 前記感熱転写受像シートの少なくとも1層に、下記一般式〔I〕〜〔IV〕のいずれかで表される面状改質化合物を1種以上含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成方法。
    Figure 2009073188
    [一般式〔I〕中、R1、R2は同じでも異なっていてもよく、水素原子、ヒドロキシ基、または低級アルキル基を表す。Xは水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アリール基、低級アルキル基、低級アルケニル基、アラルキル基、アルコキシ基、−COR3、−SO24、または−N(R5)R6を表し、R3、R4は同じでも異なっていてもよく、水素原子、−OM、低級アルキル基、低級アルコキシ基、または−N(R7)R8を表す。
    5、R6は同じでも異なっていてもよく、水素原子、低級アルキル基、−COR9、または−SO210を表わす。R9、R10は同じでも異なっていてもよく、低級アルキル基、または−N(R11)R12を表し、R7、R8、R11、R12は同じであっても異なっていてもよく、水素原子または低級アルキル基を表す。
    Mは、水素原子、アルカリ金属原子、または1価のカチオンを形成するに必要な原子群を表わし、lは2〜6の整数を表し、mは1〜4の整数を表し、nは6−mを表す。ただし、R1、R2、Xが複数存在する時はそれぞれが互いに異なっていてもよい。]
    Figure 2009073188
    [一般式〔II〕中、R13は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、複素環基、
    Figure 2009073188
    を表し、R14、R15は同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、複素環基、アルキルチオ基、アルキルスルホキシ基、またはアルキルスルホニル基を表し、R14とR15は互いに結合して芳香環を形成していても良い。
    16、R17は同じでも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、アリール基、またはアラルキル基を表す。]
    Figure 2009073188
    [一般式〔III〕中、R18は水素原子、アルキル基、またはヒドロキシメチル基を表し、R19は水素原子、またはアルキル基を表す。]
    Figure 2009073188
    [一般式〔IV〕式中、R20は低級アルキレン基を表し、Xは水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシ基、シアノ基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、−COR21、−N(R22)R23、または−SO3Mを表し、R21は水素原子、−OM、低級アルキル基、アリール基、アラルキル基、低級アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、または−N(R24)R25を表す。
    22、R23は同じでも異なっていてもよく、水素原子、低級アルキル基、アリール基、アラルキル基、−COR26、または−SO226を表し、互に同じであっても異なっていてもよく、R24、R25は同じでも異なっていてもよく、水素原子、低級アルキル基、アリール基、またはアラルキル基を表し、R26は低級アルキル基、アリール基、またはアラルキル基を表し、Mは水素原子、アルカリ金属原子、または1価のカチオンを形成するに必要な原子群を表し、pは0または1を表わし、qは0〜5の整数を表す。]
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