JP2009172984A - 感熱転写受像シート - Google Patents
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Abstract
【課題】 従来の感熱転写受像シートの体積収縮率の違いに起因するひび割れに由来する低濃度部の白抜け、高濃度部の濃度ムラなどの画像故障が少ない感熱転写受像シ−トを提供する。
【解決手段】 支持体上に、少なくとも1種のポリマーラテックスを含む受容層を少なくとも1層有し、該支持体と該受容層の間に、少なくとも1種の中空ポリマーを含む多孔質層を少なくとも1層有する感熱転写受像シートであって、該受容層に、繰り返し単位として少なくとも−COOM基および/または−SO3M基(ここでMは水素原子またはアルカリ金属原子を表す)を1個以上有するビニルモノマーから得られる単位を含む重合体を含む感熱転写受像シート。
【選択図】 なし
【解決手段】 支持体上に、少なくとも1種のポリマーラテックスを含む受容層を少なくとも1層有し、該支持体と該受容層の間に、少なくとも1種の中空ポリマーを含む多孔質層を少なくとも1層有する感熱転写受像シートであって、該受容層に、繰り返し単位として少なくとも−COOM基および/または−SO3M基(ここでMは水素原子またはアルカリ金属原子を表す)を1個以上有するビニルモノマーから得られる単位を含む重合体を含む感熱転写受像シート。
【選択図】 なし
Description
本発明は、感熱転写受像シートに関するものであり、更に詳しくは塗布後の乾燥時のひび割れを防ぎ、ひび割れ起因の低濃度部の白抜けや高濃度部の濃度ムラなどの画像欠陥を生じない感熱転写受像シートに関する。
この染料拡散転写記録方式では、染料を含有する感熱転写シート(以下、インクシートともいう。)と感熱転写受像シート(以下、受像シートともいう。)を重ね合わせ、次いで、電気信号によって発熱が制御されるサーマルヘッドによってインクシートを加熱することでインクシート中の染料を受像シートに転写して画像情報の記録を行うものであり、シアン、マゼンタ、イエローの3色を重ねて記録することで色の濃淡に連続的な変化を有するカラー画像を転写記録することができる。
このような染料拡散転写方式の記録方式においては、良好な画像を得るために感熱転写受像シートに高い断熱性及びクッション性をもたせることが重要であることが以前より知られている。
そこで、断熱性及びクッション性を持たせるために、感熱転写受像シートの支持体として、ミクロボイドを含有する二軸延伸ポリオレフィンフィルムを用いた複合支持体を用いることがある。しかし、この方法では、延伸時の残留応力がプリント時の熱や、受容層塗工時の熱で緩和して収縮し、受像シートにシワやカールが発生する。
そこで、断熱性及びクッション性を持たせるために、感熱転写受像シートの支持体として、ミクロボイドを含有する二軸延伸ポリオレフィンフィルムを用いた複合支持体を用いることがある。しかし、この方法では、延伸時の残留応力がプリント時の熱や、受容層塗工時の熱で緩和して収縮し、受像シートにシワやカールが発生する。
感熱転写受像シートに断熱性及びクッション性を持たせる他の方法が検討されている。例えば、支持体と受容層との間に、樹脂と発泡剤からなる発泡層(例えば特許文献1)を形成する方法、マイクロカプセル状の中空ポリマーと耐有機溶剤性の高分子を主成分として形成する方法(特許文献2)が挙げられる。これらの方法は、支持体上に塗布方式にて多孔質層を形成させることができるため、前記複合支持体で見られた感熱転写受像シートにシワやカールの発生が抑えられるという利点はある。しかし、均一で平滑な受像シートを得るのが困難であり、転写不良、白抜け、面荒れ、保護層密着不良などの故障が発生する欠点がある。この解決手段として、シート状支持体上に中空ポリマーを含有する樹脂を主成分として含む多孔質層を形成するに際し、シート状基材に多孔質層形成用塗料を塗工後、塗工面をキャストドラムに圧着させて感熱転写受像シートを形成する方法(特許文献3)も提案されている。しかし、この方法は、十分な平滑性は得られるものの、製造工程が複雑になり生産性の観点で不利を生じる。
このような課題に対し、例えば支持体上に多孔質層、受容層を有する感熱転写受像シートにおいて、多孔質層に中空ポリマーを含有し、かつその中空ポリマー含有率が65質量%以上であって、該多孔質層およびそれに隣接する受容層側の層が同時重層塗布により形成された感熱転写受像シートが開示されている(特許文献4)。上記提案されている方法では、十分な断熱効果を得るために粒子の高充填率を確保しなければならず、中空ポリマー比率が高い塗布液になっている。内部空隙を持った嵩高い固形物を高濃度で含有する塗布液と、内部空隙を持たないラテックス塗布液のような、乾燥時に体積収縮率の異なる塗布液を同時重層塗布すると、塗布後に乾燥工程を通過する際に乾燥時の体積収縮率が異なる為、乾燥後に塗布膜表面がひび割れてしまい、低濃度部の白抜けや、高濃度部の濃度ムラなどの画像故障につながる問題があった。
一方で、支持体上に多孔質層、受容層を有する感熱転写受像シートにおいて、多孔質層に中空ポリマーを含有し、該多孔質層に含まれる中空ポリマー含有率が40質量%以上であって、該受容層が塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体エマルジョンまたは塩化ビニル/アクリル化合物共重合体エマルジョンを用いた感熱転写受像シートが開示されている(特許文献5)。上記提案されている方法では、多孔質層と受容層とを逐次塗布で形成している。しかしながら、多孔質層は十分な断熱効果を得るべく、中空ポリマー粒子間の空隙をも利用する程に高い充填率で用いているため、多孔質層上に受容層側の層を逐次塗布すると多孔質層として一番有効に機能する多孔質層の最表面の中空ポリマー粒子間空隙に、受容層側の層の塗布液が浸透してしまい断熱効果を低下させてしまうという問題があった。
このような背景から、同時重層塗布により中空ポリマーの空隙を活かすことで高濃度の印画特性を達成し、さらに体積収縮率の異なる塗布液の同時重層塗布を行い、ひび割れの起きない高い平滑性をも実現するような感熱転写受像シートおよびその製造方法が強く望まれていた。塗布時の凹凸を解消する解決方法として、塗布液の粘度コントロールによって塗膜の均一化を行う感熱転写受像シートの製造方法(特許文献6)が開示されているが、単層塗布に関する発明であり、重層塗布におけるひび割れの発生および解消について言及されていない。
特許第2541796号公報
特許第3226167号公報
特開平5−8572号公報
特開2006−88691号公報
特開2006−264092号公報
特開2006−130810号公報
本発明は従来の感熱転写受像シートの体積収縮率の違いに起因するひび割れに由来する低濃度部の白抜け、高濃度部の濃度ムラなどの画像故障が少ない感熱転写受像シ−トを提供するものである。
本発明者等は鋭意検討した結果、上記課題は下記の手段により達成された。
(1)支持体上に、少なくとも1種のポリマーラテックスを含む受容層を少なくとも1層有し、該支持体と該受容層の間に、少なくとも1種の中空ポリマーを含む多孔質層を少なくとも1層有する感熱転写受像シートであって、該受容層に、繰り返し単位として少なくとも−COOM基および/または−SO3M基(ここでMは水素原子またはアルカリ金属原子を表す)を1個以上有するビニルモノマーから得られる単位を含む重合体を含むことを特徴とする感熱転写受像シート。
(2)前記重合体が、下記一般式(I)で表される繰り返し単位を含有する重合体であることを特徴とする(1)に記載の感熱転写受像シート。
(1)支持体上に、少なくとも1種のポリマーラテックスを含む受容層を少なくとも1層有し、該支持体と該受容層の間に、少なくとも1種の中空ポリマーを含む多孔質層を少なくとも1層有する感熱転写受像シートであって、該受容層に、繰り返し単位として少なくとも−COOM基および/または−SO3M基(ここでMは水素原子またはアルカリ金属原子を表す)を1個以上有するビニルモノマーから得られる単位を含む重合体を含むことを特徴とする感熱転写受像シート。
(2)前記重合体が、下記一般式(I)で表される繰り返し単位を含有する重合体であることを特徴とする(1)に記載の感熱転写受像シート。
式中、R1は水素原子、炭素数1〜6個のアルキル基、塩素原子または−COOMを表す。ここでMは水素原子またはアルカリ金属原子を表す。R2は水素原子、炭素数1〜6個のアルキル基、または塩素原子を表す。X1およびX2は各々独立に、−COO−、−CONR3−または置換もしくは無置換のフエニレン基を表す。ここで、R3は水素原子または置換もしくは無置換の、アルキル基またはアリール基を表す。Y1、Y2、Z1およびZ2は各々独立に、2価の連結基を表す。Dは−(R11)a−COOMまたは−(R11)b−SO3Mを表す。ここでMは水素原子またはアルカリ金属を表し、R11は置換もしくは無置換の、アルキレン基、フエニレン基またはアラルキレン基を表し、aおよびbは各々独立に0または1を表す。Eは水素原子またはDで表される基を表す。l、m、pおよびqは各々独立に0または1を表し、nおよびrは各々独立に0〜30の整数を表す。
(3)前記重合体が、下記一般式(II)および/または一般式(III)で表される繰り返し単位を含有する重合体であることを特徴とする(1)に記載の感熱転写受像シート。
(3)前記重合体が、下記一般式(II)および/または一般式(III)で表される繰り返し単位を含有する重合体であることを特徴とする(1)に記載の感熱転写受像シート。
式中、R1は水素原子、炭素数1〜6個のアルキル基、塩素原子または−COOMを表す。ここでMは水素原子またはアルカリ金属原子を表す。X1は−COO−、−CONR3−または置換もしくは無置換のフエニレン基を表す。ここで、R3は水素原子または置換もしくは無置換の、アルキル基またはアリール基を表す。R11は置換もしくは無置換の、アルキレン基、フエニレン基またはアラルキレン基を表し、aは0または1を表す。lは0または1を表す。
(4)前記受容層に含有するポリマーラテックスが塩化ビニル共重合体であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の感熱転写受像シート。
(5)前記ポリマーラテックスのガラス転移温度(Tg)が、20℃以上60℃以下であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の感熱転写受像シート。
(4)前記受容層に含有するポリマーラテックスが塩化ビニル共重合体であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の感熱転写受像シート。
(5)前記ポリマーラテックスのガラス転移温度(Tg)が、20℃以上60℃以下であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の感熱転写受像シート。
本発明により、本発明は従来の感熱転写受像シートの体積収縮率の違いに起因するひび割れに由来する低濃度部の白抜け、高濃度部の濃度ムラなどの画像故障が少ない感熱転写受像シ−トが提供できる。
以下、本発明の感熱転写受像シートを詳細に説明する。
本発明の感熱転写受像シートは、染料を受容する熱可塑性の受容ポリマーを含有する少なくとも1層の受容層を支持体上に有する。受容層には、紫外線吸収剤、離型剤、滑剤、酸化防止剤、防腐剤、界面活性剤、その他の添加物を含有させることができる。支持体と受容層との間には、多孔質層が形成される。また、光沢制御層、白地調整層、帯電調節層、接着層、プライマー層などの中間層が形成されていてもよい。支持体と受容層との間に少なくとも1層の多孔質層は、少なくとも1種の中空ポリマーを含有する。
受容層およびこれらの多孔質層、中間層は同時重層塗布により形成されることが好ましく、受容層、多孔質層および中間層は、必要に応じて複数設けることができる。
支持体の裏面側にはカール調整層、筆記層、帯電調整層が形成されていてもよい。支持体裏面各層を塗布するためには、ロールコート、バーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート等の一般的な方法を用いることができる。
本発明の感熱転写受像シートは、染料を受容する熱可塑性の受容ポリマーを含有する少なくとも1層の受容層を支持体上に有する。受容層には、紫外線吸収剤、離型剤、滑剤、酸化防止剤、防腐剤、界面活性剤、その他の添加物を含有させることができる。支持体と受容層との間には、多孔質層が形成される。また、光沢制御層、白地調整層、帯電調節層、接着層、プライマー層などの中間層が形成されていてもよい。支持体と受容層との間に少なくとも1層の多孔質層は、少なくとも1種の中空ポリマーを含有する。
受容層およびこれらの多孔質層、中間層は同時重層塗布により形成されることが好ましく、受容層、多孔質層および中間層は、必要に応じて複数設けることができる。
支持体の裏面側にはカール調整層、筆記層、帯電調整層が形成されていてもよい。支持体裏面各層を塗布するためには、ロールコート、バーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート等の一般的な方法を用いることができる。
最初に、本発明の受容層で使用する、繰り返し単位として少なくとも−OOM基および/または−SO3M基(ここでMは水素原子またはアルカリ金属原子を表す)を1個以上有するビニルモノマーから得られる単位を含む重合体について説明する。
上記繰り返し単位を有するならば、単重合体であっても共重合体であってもかまわない。また、本発明においては、特に水溶性ポリマーであることが好ましい。
なお、本発明では、水溶性ポリマーとは、20℃における水100gに対し、0.05g以上の溶解度を有し、より好ましくは0.1g以上、さらに好ましくは0.5g以上の溶解度を有するものである。
上記繰り返し単位は、下記一般式(I)で表される繰り返し単位であることが好ましい。
上記繰り返し単位を有するならば、単重合体であっても共重合体であってもかまわない。また、本発明においては、特に水溶性ポリマーであることが好ましい。
なお、本発明では、水溶性ポリマーとは、20℃における水100gに対し、0.05g以上の溶解度を有し、より好ましくは0.1g以上、さらに好ましくは0.5g以上の溶解度を有するものである。
上記繰り返し単位は、下記一般式(I)で表される繰り返し単位であることが好ましい。
式中、R1は水素原子、炭素数1〜6個のアルキル基、塩素原子または−COOMを表す。ここでMは水素原子またはアルカリ金属を表す。R2は水素原子、炭素数1〜6個のアルキル基、または塩素原子を表す。X1およびX2は各々独立に、−COO−、−CONR3−または置換もしくは無置換のフエニレン基を表す。ここで、R3は水素原子または置換もしくは無置換の、アルキル基またはアリール基を表す。Y1、Y2、Z1およびZ2は各々独立に、2価の連結基を表す。Dは−(R11)a−COOMまたは−(R11)b−SO3Mを表す。ここでMは水素原子またはアルカリ金属を表し、R11は置換もしくは無置換の、アルキレン基、フエニレン基またはアラルキレン基を表し、aおよびbは各々独立に0または1を表す。Eは水素原子またはDで表される基を表す。l、m、pおよびqは各々独立に0または1を表し、nおよびrは各々独立に0〜30の整数を表す。
Y1、Y2、Z1およびZ2は、好ましくは置換もしくは無置換の、アルキル基、アラルキレン基、フエニレン基、−R4COO−、−R5OCO−、−R6OCOR7−COO−、−R8−N(R9)−または−R10−O−である。ここで、R4〜R10は各々独立に、置換もしくは無置換の、アルキレン基、フエニレン基またはアラルキレン基を表す。
上記R3〜R11における各基が有してもよい置換基としては、アルキル基、アリール基(例えばフエニル基)、ニトロ基、水酸基、シアノ基、スルホ基、アルコキシ基(例えばメトキシ基)、アリールオキシ基(例えばフエノキシ基)、アシルオキシ基(例えばアセトキシ基)、アシルアミノ基(例えばアセチルアミノ基)、スルホンアミド基(例えばメタンスルホンアミド基)、スルフアモイル基(例えばメチルスルフアモイル基)、ハロゲン原子、カルボキシ基、カルバモイル基(例えばメチルカルバモイル基)、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル基)、スルホニル基(例えばメタンスルホニル基)等が挙げられ、置換基が2つ以上あるときは同じでも異なってもよい。
上記一般式(I)で表される繰り返し単位は、好ましくは下記一般式(II)または(III)で表わされる繰り返し単位が好ましい。
Y1、Y2、Z1およびZ2は、好ましくは置換もしくは無置換の、アルキル基、アラルキレン基、フエニレン基、−R4COO−、−R5OCO−、−R6OCOR7−COO−、−R8−N(R9)−または−R10−O−である。ここで、R4〜R10は各々独立に、置換もしくは無置換の、アルキレン基、フエニレン基またはアラルキレン基を表す。
上記R3〜R11における各基が有してもよい置換基としては、アルキル基、アリール基(例えばフエニル基)、ニトロ基、水酸基、シアノ基、スルホ基、アルコキシ基(例えばメトキシ基)、アリールオキシ基(例えばフエノキシ基)、アシルオキシ基(例えばアセトキシ基)、アシルアミノ基(例えばアセチルアミノ基)、スルホンアミド基(例えばメタンスルホンアミド基)、スルフアモイル基(例えばメチルスルフアモイル基)、ハロゲン原子、カルボキシ基、カルバモイル基(例えばメチルカルバモイル基)、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル基)、スルホニル基(例えばメタンスルホニル基)等が挙げられ、置換基が2つ以上あるときは同じでも異なってもよい。
上記一般式(I)で表される繰り返し単位は、好ましくは下記一般式(II)または(III)で表わされる繰り返し単位が好ましい。
式中、R1、X1、R11、M、lおよびaは前記一般式(I)と同義である。
本発明の重合体が共重合体である場合、共重合体を形成するための他のモノマーは1種でも2種でも3種以上でもかまわない。該共重合を形成するモノマーとしては、例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、クロトン酸エステル、ビニルエステル、マレイン酸ジエステル、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、ビニルエーテル類、スチレン類、不飽和ニトリル類が挙げられる。
また、これらのモノマーより得られた共重合体のケン化物も本発明の重合体として用いることができる。
本発明の重合体が共重合体である場合、共重合体を形成するための他のモノマーは1種でも2種でも3種以上でもかまわない。該共重合を形成するモノマーとしては、例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、クロトン酸エステル、ビニルエステル、マレイン酸ジエステル、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、ビニルエーテル類、スチレン類、不飽和ニトリル類が挙げられる。
また、これらのモノマーより得られた共重合体のケン化物も本発明の重合体として用いることができる。
これらのモノマーについて更に具体例を示すと、アクリル酸エステルとしてはメチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、アセトキシエチルアクリレート、フエニルアクリレート、2−メトキシアクリレート、2−エトキシアクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチルアクリレート等が挙げられる。メタクリル酸エステルとしてはメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート等が挙げられる。クロトン酸エステルとしてはクロトン酸ブチル、クロトン酸ヘキシルなどが挙げられる。ビニルエステルとしてはビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、安息香酸ビニル等が挙げられる。マレイン酸ジエステルとしてはマレイン酸ジエチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル等が挙げられる。フマル酸ジエステルとしてはフマル酸ジエチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジブチル等が挙げられる。イタコン酸ジエステルとしてはイタコン酸ジエチル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジブチル等が挙げられる。
アクリルアミド類としてはアクリルアミド、メチルアクリルアミド、エチルアクリルアミド、プロピルアクリルアミド、n−ブチルアクリルアミド、tert−ブチルアクリルアミド、シクロヘキシルアクリルアミド、2−メトキシエチルアクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、フエニルアクリルアミド等が挙げられる。メタクリルアミド類としてはメチルメタクリルアミド、エチルメタクリルアミド、n−ブチルメタクリルアミド、tert−ブチルメタクリルアミド、2−メトキシメタクリルアミド、ジメチルメタクリルアミド、ジエチルメタクリルアミド等が挙げられる。ビニルエーテル類としてはメチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル等が挙げられる。スチレン類としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、クロルメチルスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ブロムスチレン、ビニル安息香酸メチルエステル、2−メチルスチレン等が挙げられる。不飽和ニトリル類としては、アクリルニトリル、メタクリロニトリル、α−エチルアクリロニトリル、α−メトキシアクリロニトリル等が挙げられる。
本発明で用いる重合体の質量平均分子量は1×104〜2×106程度が好ましい。また他の共重合性モノマーとの共重合体の場合、−COOMまたは−SO3Mは基を持つビニルモノマー単位は全モノマーの1モル%〜99.5モル%が好ましく、より好ましくは10モル%〜99モル%、特に20モル%〜99モル%の範囲(モル)で含有されていることが望ましい。
本発明に用いる重合体の具体例を以下に示すが、これらに限定されない。
なお、以下に示す具体例はいずれも水溶性化合物であり、質量平均分子量は約4万である。
本発明に用いる重合体の具体例を以下に示すが、これらに限定されない。
なお、以下に示す具体例はいずれも水溶性化合物であり、質量平均分子量は約4万である。
本発明の重合体は、上記の繰り返し単位を与えるモノマー、その他のモノマーを一般的な方法で重合させることによって容易に合成できる。また、商業的に入手可能な本発明の繰り返し単位として少なくとも−COOMおよび/または−SO3M基(ここでMは水素原子またはアルカリ金属原子を表す)1個以上有するビニルモノマー単位を含む重合体アクリレートとしては、日本触媒株式会社製、アクアリックL、日本純薬株式会社製、ジュリマーAC−10S、AC−103、住友化学株式会社製、スミカゲルL−5H、等(いずれも商品名)が挙げられる。
本発明の重合体を受容層に含有させる方法としては、水を用いて溶解させ水溶液としてもよく、分散剤を使用して水中に分散させる方法を用いてもよい。好ましくは、水を用いて溶解させ水溶液として含有させる方法である。
本発明の重合体は、通常支持体1平方メートル当たり0.1mg〜1000mg、好ましくは1mg〜300mg、更に好ましくは3mg〜100mgの範囲で使用される。この範囲において本発明の効果は他の転写性や塗布性に悪影響を与えることなく発揮される。
本発明の受容層は、少なくとも1種のポリマーラテックスを含有する。
受容層に含有するポリマーラテックスのガラス転移温度(Tg)は、20℃以上60℃以下が好ましい。
ポリマーラテックスを構成する樹脂のガラス転移点(Tg)は、より好ましくは25℃以上55℃以下、さらに好ましくは25℃以上50℃以下である。ガラス転移点が60℃より高いポリマーラテックスを用いた場合は、ガラス転移温度が高いために、フッ素原子が置換した脂肪族基を側鎖に有する高分子化合物を添加した効果が十分に得られない。逆にガラス転移温度が20℃未満の場合は、プリント後の画像保存性に問題が生じるため好ましくない。
受容層に含有するポリマーラテックスのガラス転移温度(Tg)は、20℃以上60℃以下が好ましい。
ポリマーラテックスを構成する樹脂のガラス転移点(Tg)は、より好ましくは25℃以上55℃以下、さらに好ましくは25℃以上50℃以下である。ガラス転移点が60℃より高いポリマーラテックスを用いた場合は、ガラス転移温度が高いために、フッ素原子が置換した脂肪族基を側鎖に有する高分子化合物を添加した効果が十分に得られない。逆にガラス転移温度が20℃未満の場合は、プリント後の画像保存性に問題が生じるため好ましくない。
なお、ポリマーラテックスとは一般に熱可塑性樹脂が微粒子として水溶性の分散媒中に分散されたものである。なお、ポリマーラテックスはポリマー微粒子が水溶性であり、乳化分散されているものであって、水溶性ポリマーではない。本発明のポリマーラテックスに用いられる熱可塑性樹脂の例としては、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアクリレート、塩化ビニル共重合体、ポリウレタン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリカプロラクトン等が挙げられる。
このうちポリカーボネート、ポリエステル、塩化ビニル共重合体が好ましく、ポリエステル、塩化ビニル共重合体、が特に好ましく、塩化ビニル共重合体が最も好ましい。
ポリエステルはジカルボン酸誘導体とジオール化合物との縮合により得られ、芳香環や飽和炭化環を含有してもよく、分散性を付与するための水溶性基を含有してもよい。
このうちポリカーボネート、ポリエステル、塩化ビニル共重合体が好ましく、ポリエステル、塩化ビニル共重合体、が特に好ましく、塩化ビニル共重合体が最も好ましい。
ポリエステルはジカルボン酸誘導体とジオール化合物との縮合により得られ、芳香環や飽和炭化環を含有してもよく、分散性を付与するための水溶性基を含有してもよい。
塩化ビニル共重合体としては、塩化ビニルと酢酸ビニル共重合体、塩化ビニルとアクリレートの共重合体、塩化ビニルとメタクリレートの共重合体、塩化ビニルと酢酸ビニルとアクリレートの共重合体、塩化ビニルとアクリレートとエチレンの共重合体等が挙げられる。このように2元共重合体でも3元以上の共重合体でもよく、モノマーが不規則に分布していても、ブロック共重合していてもよい。
該共重合体にはビニルアルコール誘導体やマレイン酸誘導体、ビニルエーテル誘導体などの補助的なモノマー成分を添加してもよい。共重合体において塩化ビニル成分は50質量%以上含有されていることが好ましく、またマレイン酸誘導体、ビニルエーテル誘導体等の補助的なモノマー成分は10質量%以下であることが好ましい。
ポリマーラテックスは単独でも混合物として使用してもよい。ポリマーラテックスは、均一構造であってもコア/シェル型であってもよく、このときコアとシェルをそれぞれ形成する樹脂のガラス転移温度が異なっても良い。
該共重合体にはビニルアルコール誘導体やマレイン酸誘導体、ビニルエーテル誘導体などの補助的なモノマー成分を添加してもよい。共重合体において塩化ビニル成分は50質量%以上含有されていることが好ましく、またマレイン酸誘導体、ビニルエーテル誘導体等の補助的なモノマー成分は10質量%以下であることが好ましい。
ポリマーラテックスは単独でも混合物として使用してもよい。ポリマーラテックスは、均一構造であってもコア/シェル型であってもよく、このときコアとシェルをそれぞれ形成する樹脂のガラス転移温度が異なっても良い。
商業的に入手可能なアクリレートラテックスとしては、日本ゼオン株式会社製、NipolLX814(Tg25℃)、NipolLX857X2(Tg43℃)等(いずれも商品名)が挙げられる。
商業的に入手可能なポリエステルラテックスとしては、東洋紡株式会社製 バイロナールMD−1100(Tg40℃)、バイロナールMD−1400(Tg20℃)、バイロナールMD−1480(Tg20℃)、MD−1985(Tg20℃)等(いずれも製品名)が挙げられる。
商業的に入手可能な塩化ビニル共重合体としては、日信化学工業株式会社製 ビニブラン276(Tg33℃)、ビニブラン609(Tg48℃)、住化ケムテックス株式会社製スミエリート1320(Tg30℃)、スミエリート1210(Tg20℃)等(いずれも商品名)が挙げられる。(Tgはガラス転移温度を示す。)
商業的に入手可能なポリエステルラテックスとしては、東洋紡株式会社製 バイロナールMD−1100(Tg40℃)、バイロナールMD−1400(Tg20℃)、バイロナールMD−1480(Tg20℃)、MD−1985(Tg20℃)等(いずれも製品名)が挙げられる。
商業的に入手可能な塩化ビニル共重合体としては、日信化学工業株式会社製 ビニブラン276(Tg33℃)、ビニブラン609(Tg48℃)、住化ケムテックス株式会社製スミエリート1320(Tg30℃)、スミエリート1210(Tg20℃)等(いずれも商品名)が挙げられる。(Tgはガラス転移温度を示す。)
ポリマーラテックスの添加量は、ポリマーラテックスの固形分が受容層中の全ポリマーの50〜98質量%であることが好ましく、70〜95質量%であることがより好ましい。またポリマーラテックスの平均粒子サイズは、好ましくは1〜50000nmであり、より好ましくは5〜1000nmである。
受容層には、フッ素原子が置換した脂肪族基を側鎖に有する高分子化合物を含有してもよい。
フッ素原子が置換した脂肪族基を側鎖に有する高分子化合物は、テロメリゼーション法(テロマー法ともいわれる)もしくはオリゴメリゼーション法(オリゴマー法ともいわれる)により製造されたフルオロ脂肪族化合物から導くことができる。フッ素原子が置換した脂肪族化合物は、例えば、特開2002−90991号公報に記載された方法等によって容易に合成することができる。
フッ素原子が置換した脂肪族基を側鎖に有する高分子化合物は、テロメリゼーション法(テロマー法ともいわれる)もしくはオリゴメリゼーション法(オリゴマー法ともいわれる)により製造されたフルオロ脂肪族化合物から導くことができる。フッ素原子が置換した脂肪族化合物は、例えば、特開2002−90991号公報に記載された方法等によって容易に合成することができる。
ここで、フッ素原子が置換した脂肪族基は、少なくとも1個のフッ素原子が置換した脂肪族基(直鎖、分岐または環状の脂肪族基)であり、好ましくは炭素原子数が1〜36の、アルキル基、アルケニル基またはシクロアルキニル基である。より好ましくは炭素原子数が1〜36(好ましくは1〜18、より好ましくは1〜12、さらに好ましくは1〜10、最も好ましくは4〜8)のアルキル基で、該脂肪族基はフッ素原子以外に置換基を有してもよい。該置換基としては、例えば、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、フッ素原子以外のハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、シアノ基、ニトロ基、アシル基、スルホニル基、ウレイド基、ウレタン基等が挙げられる。
本発明においてフッ素原子が置換した脂肪族基として最も好ましくは、パーフルオロアルキル基である。
本発明においてフッ素原子が置換した脂肪族基として最も好ましくは、パーフルオロアルキル基である。
フッ素原子が置換した脂肪族基を側鎖に有する高分子化合物としては、フッ素原子が置換した脂肪族基を有するモノマーの重合体もしくは共重合体が好ましく、このようなモノマーとしては、アクリル酸誘導体(例えばアクリル酸類、アクリル酸エステル類、アクリル酸アミド類で、アクリル酸エステル類、アクリル酸アミド類が好ましく、アクリル酸エステル類がより好ましい)、メタクリル酸誘導体(例えばメタクリル酸類、メタクリル酸エステル類、メタクリル酸アミド類で、メタクリル酸エステル類、メタクリル酸アミド類が好ましく、メタクリル酸エステル類がより好ましい)のアシル部またはアルコールもしくはアミド部(窒素原子に置換する基)にフッ素原子が置換した脂肪族基が置換したモノマーやアクリロニトリル誘導体にフッ素原子が置換した脂肪族基が置換したモノマーで得られる高分子化合物が好ましい。
フッ素原子が置換した脂肪族基を側鎖に有する高分子化合物としては、フッ素原子が置換した脂肪族基を有するモノマーとの共重合体の場合、組み合わせるモノマーとしては、アクリレート類、メタアクリレート類、アクリロニトリル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、オレフィン類、スチレン類等が挙げられ、なかでもアクリレート類、メタアクリレート類、アクリロニトリル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類が好ましく、より好ましくはアクリレート類、メタアクリレート類であり、これらの中でも、アルコール部もしくはアミド部の窒素原子に置換する基中にポリオキシアルキレン(例えば、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン)を有するものが好ましい。
本発明においては共重合体が好ましく、2元系でも3元系でもそれ以上であってもかまわない。
本発明においては共重合体が好ましく、2元系でも3元系でもそれ以上であってもかまわない。
例えば、フッ素原子が置換した脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート及び/又は(ポリ(オキシアルキレン))メタクリレートとの共重合体が好ましく、不規則に分布しているものでも、ブロック共重合していてもよい。また、ポリ(オキシアルキレン)基としては、ポリ(オキシエチレン)基、ポリ(オキシプロピレン)基、ポリ(オキシブチレン)基などが挙げられ、また、ポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとオキシエチレンとのブロック連結体)やポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとのブロック連結体)など同じ鎖長内に異なる鎖長のアルキレンを有するようなユニットでもよい。さらに、フッ素原子が置換した脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体は2元共重合体ばかりでなく、異なる2種以上のフッ素原子が置換した脂肪族基を有するモノマーや、異なる2種以上の(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)などを同時に共重合した3元系以上の共重合体でもよい。
フッ素原子が置換した脂肪族基を側鎖に有する高分子化合物の質量平均分子量は、好ましくは5,000〜50,000であり、より好ましくは8,000〜30,000であり、さらに好ましくは10,000〜20,000である。
例えば、パーフルオロブチル基(−C4F9)を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、パーフルオロブチル基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、パーフルオロヘキシル基(−C6F13)を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、パーフルオロヘキシル基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、パーフルオロオクチル基(−C8H17)を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、パーフルオロオクチル基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体などを挙げることができる。
また、フッ素原子が置換した脂肪族基を側鎖に有する高分子化合物は、「パーフルオロアルキル含有オリゴマー」等の一般名称で商業的に入手可能であり、例えば下記の製品を使用することができる。
大日本インキ化学工業株式会社製 メガファックF−470、メガファックF−471、メガファックF−472SF、メガファックF−474、メガファックF-475、メガファックF−477、メガファックF−478、メガファックF−479、メガファックF−480SF、メガファックF-472、メガファックF−483、メガファックF−484、メガファックF−486、メガファックF−487、メガファックF−489、メガファックF-172D、メガファックF−178K、メガファックF−178RM(いずれも製品名)、住友スリーエム株式会社製 ノベックTM FC−4430、FC−4432(いずれも製品名)。
大日本インキ化学工業株式会社製 メガファックF−470、メガファックF−471、メガファックF−472SF、メガファックF−474、メガファックF-475、メガファックF−477、メガファックF−478、メガファックF−479、メガファックF−480SF、メガファックF-472、メガファックF−483、メガファックF−484、メガファックF−486、メガファックF−487、メガファックF−489、メガファックF-172D、メガファックF−178K、メガファックF−178RM(いずれも製品名)、住友スリーエム株式会社製 ノベックTM FC−4430、FC−4432(いずれも製品名)。
フッ素原子が置換した脂肪族基を側鎖に有する高分子化合物は非イオン性(水中で解離した基、例えば、スルホ基、カルボキシル基、を有しないもの)であることが好ましく、一定の水溶性を有することがさらに好ましい。ここで一定の水溶性とは高分子化合物が25℃において純水に対して1%以上の溶解度を有することである。具体的には、水酸基、上記のようなオキシアルキレン基を有する高分子化合物であり、例えば、大日本インキ化学工業株式会社製メガファックF−470、メガファックF−472SF、メガファックF−477、メガファックF−479、メガファックF−480SF、メガファックF−484、メガファックF−486(いずれも製品名)のように水への溶解性を示す化合物が好ましい。
フッ素原子が置換した脂肪族基を側鎖に有する高分子化合物が非イオン性で一定の水溶性を有することが好ましい理由は必ずしも明らかでないが次のように推定している。フッ素原子が置換した脂肪族基を側鎖に有する非イオン性の高分子化合物は熱転写後の染料や受容ポリマーとの親和性が高く、該高分子化合物はその水溶性によりラテックスを用いた感熱転写受像シートの受容層とも適度な親和性をもつため、高温高湿条件下の印画時において熱転写シートと熱転写受像シートの接触面に滲み出して離型性を有効に働くものと推定している。
フッ素原子が置換した脂肪族基を側鎖に有する高分子化合物の添加量は、受容層の全固形分(質量)に対して0.2%〜10%であり、好ましくは、0.5%〜8%であり、さらに好ましくは1%〜5%である。また、フッ素原子が置換した脂肪族基を側鎖に有する高分子化合物は1種のみの添加でも効果を奏するが、上記記載の化合物を2種以上添加することで、より一層の効果を奏する。
本発明の受容層は、上記フッ素原子が置換した脂肪族基を側鎖に有する高分子化合物以外に離型剤として公知のポリエチレンワックス、アミドワックス等の固形ワックス類、シリコーンオイル、リン酸エステル系化合物、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤を含有してもよい。
離型剤の含有量は、受容層のポリマーラテックスの固形分に対して0.1%から30%であり、好ましくは、0.3%から20%であり、さらに好ましくは1%から10%である。
本発明の感熱転写受像シートは、支持体と上記受容層との間に少なくとも1種の中空ポリマーを含有する多孔質性層を少なくとも1層有する。
ここで、中空ポリマーとは粒子内部に空隙を有するポリマー粒子であり、好ましくは水分散物であり、例えば、1)ポリスチレン、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂等により形成された隔壁内部に水などの分散媒が入っており、塗布乾燥後、粒子内の水が粒子外に蒸発して粒子内部が中空となる非発泡型の中空ポリマー粒子、2)ブタン、ペンタンなどの低沸点液体を、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステルのいずれか又はそれらの混合物もしくは重合物よりなる樹脂で覆っており、塗工後、加熱により粒子内部の低沸点液体が膨張することにより内部が中空となる発泡型マイクロバルーン、3)上記の2)をあらかじめ加熱発泡させて中空ポリマーとしたマイクロバルーンなどが挙げられる。
これらの中でも、上記1)の非発泡型の中空ポリマー粒子が好ましく、必要に応じて2種以上混合して使用することができる。具体例としてはロームアンドハース社製ローペイク HP−1055、JSR社製SX866(B)、日本ゼオン社製 Nipol MH5055(いずれも商品名)などが挙げられる。
ここで、中空ポリマーとは粒子内部に空隙を有するポリマー粒子であり、好ましくは水分散物であり、例えば、1)ポリスチレン、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂等により形成された隔壁内部に水などの分散媒が入っており、塗布乾燥後、粒子内の水が粒子外に蒸発して粒子内部が中空となる非発泡型の中空ポリマー粒子、2)ブタン、ペンタンなどの低沸点液体を、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステルのいずれか又はそれらの混合物もしくは重合物よりなる樹脂で覆っており、塗工後、加熱により粒子内部の低沸点液体が膨張することにより内部が中空となる発泡型マイクロバルーン、3)上記の2)をあらかじめ加熱発泡させて中空ポリマーとしたマイクロバルーンなどが挙げられる。
これらの中でも、上記1)の非発泡型の中空ポリマー粒子が好ましく、必要に応じて2種以上混合して使用することができる。具体例としてはロームアンドハース社製ローペイク HP−1055、JSR社製SX866(B)、日本ゼオン社製 Nipol MH5055(いずれも商品名)などが挙げられる。
これらの中空ポリマーの平均粒子径は0.1〜5.0μmであることが好ましく、0.2〜3.0μmであることがさらに好ましく、0.4〜2.0μmであることが特に好ましい。
また、中空ポリマーは、空隙率が20〜70%のものが好ましく、30〜65%のものがより好ましい。
また、中空ポリマーは、空隙率が20〜70%のものが好ましく、30〜65%のものがより好ましい。
本発明において、中空ポリマー粒子のサイズは、透過型電子顕微鏡を用いて、その外径の円相当換算直径を測定し算出する。平均粒径は、中空ポリマー粒子を少なくとも300個透過電子顕微鏡を用いて観察し、その外形の円相当径を算出し、平均して求める。また中空ポリマーの空隙率とは、粒子体積に対する空隙部分の体積の割合から求める。
本発明の感熱転写受像シートに用いる中空ポリマーの樹脂特性として、ガラス転移温度(Tg)が70℃以上200℃以下であることが好ましく、90℃以上180℃以下である中空ポリマーがさらに好ましい。また中空ポリマーが中空ポリマーラテックスである場合が特に好ましい。
本発明の感熱転写受像シートは、受容層及び/または多孔質層に水溶性ポリマーを含有させることができる。ここで水溶性ポリマーとは、20℃において水100gに対し0.05g以上の溶解度を有し、より好ましくは0.1g以上、さらに好ましくは0.5g以上の溶解度を有する。
これらの水溶性ポリマーとしては、カラギナン類、ペクチン、デキストリン、ゼラチン、カゼイン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン共重合体、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、水溶性ポリエステル等を挙げることができる。このうちゼラチンとポリビニルアルコールが好ましい。
ゼラチンは分子量10,000から1,000,000までのものを用いることができる。また、ゼラチンはCl−、SO4 2-等の陰イオンを含んでいてもよいし、Fe2+、Ca2+、Mg2+、Sn2+、Zn2+などの陽イオンを含んでいても良い。ゼラチンは水に溶かして添加することが好ましい。
ポリビニルアルコールとしては、完全けん化物、部分けん化物、変性ポリビニルアルコール等の各種ポリビニルアルコールを用いることができる。これらポリビニルアルコールについては、長野浩一ら共著,「ポバール」(高分子刊行会発行)に記載のものが用いられる。ポリビニルアルコールは、その水溶液に添加する微量の溶剤あるいは無機塩類によって粘度調整をしたり粘度安定化させたりすることが可能であって、詳しくは上記文献144〜154頁記載のものを使用することができる。その代表例としてホウ酸を含有させることで塗布面質を向上させることができ、好ましい。ホウ酸の添加量は、ポリビニルアルコールに対し0.01〜40質量%であることが好ましい。
ポリビニルアルコールの具体例として、完全けん化物としてはPVA−105、PVA−110、PVA−117、PVA−117Hなど、部分けん化物としてはPVA−203、PVA−205、PVA−210、PVA−220など、変性ポリビニルアルコールとしてはC−118、HL−12E、KL−118、MP−203(いずれも商品名、株式会社クラレ製)が挙げられる。
本発明においては、水溶性ポリマーとしてゼラチンまたはポリビニルアルコール(特にゼラチン)を受容層や多孔質性層に使用することが好ましい。
本発明においては、水溶性ポリマーとしてゼラチンまたはポリビニルアルコール(特にゼラチン)を受容層や多孔質性層に使用することが好ましい。
<硬膜剤>
本発明に用いられる硬膜剤は、感熱転写受像シートの塗設層(例えば、受容層、多孔質層、中間層、下塗層など)中に添加することができる。
本発明で用いることができる硬膜剤としては、特開平1−214845号公報17頁のH−1,4,6,8,14,米国特許第4,618,573号明細書のカラム13〜23の式(VII)〜(XII)で表わされる化合物(H−1〜54)、特開平2−214852号公報8頁右下の式(6)で表わされる化合物(H−1〜76),特にH−14、米国特許第3,325,287号明細書のクレーム1に記載の化合物などが好ましく用いられる。硬膜剤の例としては米国特許第4,678,739号明細書の第41欄、同第4,791,042号、特開昭59−116655号、同62−245261号、同61−18942号、特開平4−218044号の公報または明細書等に記載の硬膜剤が挙げられる。より具体的には、アルデヒド系硬膜剤(ホルムアルデヒドなど)、アジリジン系硬膜剤、エポキシ系硬膜剤、ビニルスルホン系硬膜剤(N,N’−エチレン−ビス(ビニルスルホニルアセタミド)エタンなど)、N−メチロール系硬膜剤(ジメチロール尿素など)、ほう酸、メタほう酸あるいは高分子硬膜剤(特開昭62−234157号公報などに記載の化合物)が挙げられる。
好ましくはビニルスルホン系硬膜剤やクロロトリアジン類が挙げられる。
本発明においてさらに好ましい硬膜剤は下記一般式(A)または(B)で表される化合物である。
一般式(A)
(CH2=CH−SO2)n−L
一般式(B)
(X−CH2−CH2−SO2)n−L
一般式(A)、(B)中でXはハロゲン原子を表し、Lはn価の有機連結基を表す。一般式(A)または(B)で表される化合物が低分子化合物である場合nは1ないし4の整数を表す。高分子化合物である場合Lはポリマー鎖を含む有機連結基であり、このときnは10〜1000の範囲である。
本発明に用いられる硬膜剤は、感熱転写受像シートの塗設層(例えば、受容層、多孔質層、中間層、下塗層など)中に添加することができる。
本発明で用いることができる硬膜剤としては、特開平1−214845号公報17頁のH−1,4,6,8,14,米国特許第4,618,573号明細書のカラム13〜23の式(VII)〜(XII)で表わされる化合物(H−1〜54)、特開平2−214852号公報8頁右下の式(6)で表わされる化合物(H−1〜76),特にH−14、米国特許第3,325,287号明細書のクレーム1に記載の化合物などが好ましく用いられる。硬膜剤の例としては米国特許第4,678,739号明細書の第41欄、同第4,791,042号、特開昭59−116655号、同62−245261号、同61−18942号、特開平4−218044号の公報または明細書等に記載の硬膜剤が挙げられる。より具体的には、アルデヒド系硬膜剤(ホルムアルデヒドなど)、アジリジン系硬膜剤、エポキシ系硬膜剤、ビニルスルホン系硬膜剤(N,N’−エチレン−ビス(ビニルスルホニルアセタミド)エタンなど)、N−メチロール系硬膜剤(ジメチロール尿素など)、ほう酸、メタほう酸あるいは高分子硬膜剤(特開昭62−234157号公報などに記載の化合物)が挙げられる。
好ましくはビニルスルホン系硬膜剤やクロロトリアジン類が挙げられる。
本発明においてさらに好ましい硬膜剤は下記一般式(A)または(B)で表される化合物である。
一般式(A)
(CH2=CH−SO2)n−L
一般式(B)
(X−CH2−CH2−SO2)n−L
一般式(A)、(B)中でXはハロゲン原子を表し、Lはn価の有機連結基を表す。一般式(A)または(B)で表される化合物が低分子化合物である場合nは1ないし4の整数を表す。高分子化合物である場合Lはポリマー鎖を含む有機連結基であり、このときnは10〜1000の範囲である。
一般式(A)、(B)中で、Xは好ましくは塩素原子または臭素原子で、臭素原子がより好ましい。nは1ないし4の整数であるが、好ましくは2ないし4の整数、より好ましくは2ないし3の整数、最も好ましくは2である。
Lはn価の有機基を表し、好ましくは脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基またはヘテロ環基であり、これらの基がエーテル結合、エステル結合、アミド結合、スルホンアミド結合、ウレア結合、ウレタン結合等でさらに連結していてもよい。また、これらの基は置換基を有していてもよく、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイルオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、ホスホリル基、カルボキシル基、スルホ基等が挙げられ、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基およびアシルオキシ基が好ましい。
ビニルスルホン系硬膜剤の具体的な例として下記(VS−1)〜(VS−27)を挙げるが、本発明においては、これらに限定されない。
これらの硬膜剤は、米国特許第4,173,481号明細書等の記載の方法で容易に合成できる。
また、クロロトリアジン系硬膜剤としては、少なくとも1個の塩素原子が、2位、4位または6位に置換した1,3,5−トリアジン化合物が好ましい。
塩素原子は、2位、4位または6位に、2個または3個置換したものもがより好ましい。2位、4位または6位に、少なくとも1個の塩素原子が置換して、残りの位置に、塩素原子以外の基が置換してもよく、これらの基としては、水素原子、臭素原子、フッ素原子、沃素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシルアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アルケノキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、アルキルもしくはアリールスルホニルオキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アルケニルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルオキシもしくはアリールオキシカルボニル基などが挙げられる。
また、クロロトリアジン系硬膜剤としては、少なくとも1個の塩素原子が、2位、4位または6位に置換した1,3,5−トリアジン化合物が好ましい。
塩素原子は、2位、4位または6位に、2個または3個置換したものもがより好ましい。2位、4位または6位に、少なくとも1個の塩素原子が置換して、残りの位置に、塩素原子以外の基が置換してもよく、これらの基としては、水素原子、臭素原子、フッ素原子、沃素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシルアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アルケノキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、アルキルもしくはアリールスルホニルオキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アルケニルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルオキシもしくはアリールオキシカルボニル基などが挙げられる。
クロロトリアジン系硬膜剤の具体的な例は、4,6−ジクロロ−2−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンもしくはこのNa塩、2−クロロ−4,6−ジフェノキシトリアジン、2−クロロ−4,6−ビス〔2,4,6−トリメチルフェノキシ〕トリアジン、2−クロロ−4,6−ジグリシドキシ−1,3,5−トリアジン、2−クロロ−4−(n−ブトキシ)−6−グリシドキシ−1,3,5−トリアジン、2−クロロ−4−(2,4,6−トリメチルフェノキシ)−6−グリシドキシ−1,3,5−トリアジン、2−クロロ−4−(2−クロロエトキシ)−6−(2,4,6−トリメチルフェノキシ)1,3,5−トリアジン、2−クロロ−4−(2−ブロモエトキシ)−6−(2,4,6−トリメチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2−クロロ−4−(2−ジ−n−ブチルホスファトエトキシ)−6−(2,4,6−トリメチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2−クロロ−4−(2−ジ−n−ブチルホスファトエトキシ)−6−(2,6−キシレノキシ)−1,3,5−トリアジン等であるが、本発明においてこれらに限定されない。
このような化合物は、塩化シアヌル(すなわち2,4,6−トリクロロトリアジン)を、複素環上の置換基に対応するヒドロキシ化合物、チオ化合物またはアミノ化合物等と反応させることによって容易に製造できる。
このような化合物は、塩化シアヌル(すなわち2,4,6−トリクロロトリアジン)を、複素環上の置換基に対応するヒドロキシ化合物、チオ化合物またはアミノ化合物等と反応させることによって容易に製造できる。
これらの硬膜剤は、水溶性ポリマー1gあたり0.001〜1g、好ましくは0.005〜0.5gが用いられる。
中空ポリマーを含む多孔質層中には、中空ポリマー以外にバインダーとしてTgが20℃以上80℃以下であるポリマー樹脂を含むことができる。より好ましくは25℃以上75℃以下である。
水系塗布を必要とする本発明において好ましい例としては、下記に挙げられるラテックスである。これらラテックスは単独又は混合して用いることができる。
中空ポリマーを含む多孔質層の厚みは5〜50μmであることが好ましく、5〜40μmであることがより好ましい。
水系塗布を必要とする本発明において好ましい例としては、下記に挙げられるラテックスである。これらラテックスは単独又は混合して用いることができる。
中空ポリマーを含む多孔質層の厚みは5〜50μmであることが好ましく、5〜40μmであることがより好ましい。
本発明において、中空ポリマーを含む多孔質層中には、中空ポリマー粒子が、乾燥後の固形分質量比として50質量%以上含まれることが好ましく、60質量%以上含まれることがより好ましい。固形分重量比の上限は、95質量%以下が好ましい。質量比が低下すると、断熱性不足による感度、濃度低下、質量比が多い場合は、バインダーの不足に起因するヒビ割れなどを生じるが、実用範囲内では問題がない。
本発明の多孔質層には、ガラス転移温度(Tg)が20℃以上80℃以下のポリマー樹脂を含有することができる。ここでいう樹脂は、水系塗布を行う観点から、水分散ラテックスであることが好ましく、またポリマー樹脂自体の種類(ポリマー種、組成、分子量など)は特に限定はない。以下、各種ポリマーラテックスの商品名を列挙するが、これらに限定されるものではない。
アクリル系ポリマーの例としては、日本ゼオン(株)製Nipol LX855(P−17:Tg36℃)、857x2(P−18:Tg43℃)、大日本インキ化学(株)製Vnocoat R3370(P−19:Tg25℃)、日本純薬(株)製ジュリマーET−410(P−21:Tg44℃)、JSR(株)製AE116(P−22:Tg50℃)、AE119(P−23:Tg55℃)、AE121(P−24:Tg58℃)、AE125(P−25:Tg60℃)、AE134(P−26:Tg48℃)、AE137(P−27:Tg48℃)、AE140(P−28:Tg53℃)、AE173(P−29:Tg60℃)、東亞合成(株)製アロンA−104(P−30:Tg45℃)、など(いずれも商品名)が挙げられる。
ポリエステル類の例としては、大日本インキ化学(株)製FINETEX ES650、611、675、850、イーストマンケミカル製WD−size、WMS、高松油脂(株)製A−110、A−115GE、A−120、A−21、A−124GP、A−124S、A−160P、A−210、A−215GE、A−510、A−513E、A−515GE、A−520、A−610、A−613、A−615GE、A−620、WAC−10、WAC−15、WAC−17XC、WAC−20、S−110、S−110EA、S−111SL、S−120、S−140、S−140A、S−250、S−252G、S−250S、S−320、S−680、DNS−63P、NS−122L、NS−122LX、NS−244LX、NS−140L、NS−141LX、NS−282LX、東亞合成(株)製アロンメルトPES−1000シリーズ、PES−2000シリーズ、東洋紡(株)製バイロナールMD−1100、MD−1200、MD−1220、MD−1245、MD−1250、MD−1335、MD−1400、MD−1480、MD−1500、MD−1930、MD−1985、住友精化(株)製セポルジョンESなど(いずれも商品名)が挙げられる。
ポリウレタン類の例としては、大日本インキ化学(株)製HYDRAN AP10、AP20、AP30、AP40、101H、Vondic 1320NS、1610NS、大日精化(株)製D−1000、D−2000、D−6000、D−4000、D−9000、高松油脂(株)製NS−155X、NS−310A、NS−310X、NS−311X、第一工業製薬(株)製エラストロンなど(いずれも商品名)が挙げられる。
ゴム類の例としては、LACSTAR 7310K、3307B、4700H、7132C(以上、大日本インキ化学(株)製)、Nipol LX416、LX410、LX430、LX435、LX110、LX415A、LX415M、LX438C、2507H、LX303A、LX407BPシリーズ、V1004、MH5055(以上日本ゼオン(株)製)など(いずれも商品名)が挙げられる。
ポリ塩化ビニル類の例としては、日本ゼオン(株)製G351、G576、日信化学工業(株)製ビニブラン240、270、277、375、386、609、550、601、602、630、660、671、683、680、680S、681N、685R、277、380、381、410、430、432、860、863、865、867、900、900GT、938、950、積水化学工業(株)製エスレックA、エスレックC、エスレックM、電気化学工業(株)製デンカビニル1000GKT、デンカビニル1000L、デンカビニル1000CK、デンカビニル1000A、デンカビニル1000LK2、デンカビニル1000AS、デンカビニル1000GS、デンカビニル1000LT3、デンカビニル1000D、デンカビニル1000Wなど(いずれも商品名)が挙げられる。
ポリ酢酸ビニル類の例としては、日信化学工業(株)製ビニブラン1080、1082、1085W、1108W、1108S、1563M、1566、1570、1588C、A22J7−F2、1128C、1137、1138、A20J2、A23J1、A23J1、A23K1、A23P2E、A68J1N、1086A、1086、1086D、1108S、1187、1241LT、1580N、1083、1571、1572、1581、4465、4466、4468W、4468S、4470、4485LL、4495LL、1023、1042、1060、1060S、1080M、1084W、1084S、1096、1570K、1050、1050S、3290、1017AD、1002、1006、1008、1107L、1225、1245L、GV−6170、GV−6181、4468W、4468Sなど(いずれも商品名)が挙げられる。
さらに、ポリマーラテックスの好ましい例としては、ポリ乳酸エステル類、ポリウレタン類、ポリカーボネート類、ポリエステル類、ポリアセタール類、SBR類、ポリ塩化ビニル類を挙げることができ、この中でも、ポリ塩化ビニル類、ポリエステル類、ポリカーボネート類、SBR類を含むことがより好ましく、ポリ塩化ビニル類、ポリエステル類、SBR類を含むことがさらに好ましい。
これらのポリマーラテックスは単独で用いてもよいし、必要に応じて2種以上ブレンドしてもよい。
これらのポリマーラテックスは単独で用いてもよいし、必要に応じて2種以上ブレンドしてもよい。
本発明の感熱転写受像シート上に画像を得るために用いる感熱転写シートは、支持体上に拡散転写染料を含む熱転写層(染料層とも称す)を設けたものであり、熱転写された画像の上に透明樹脂からなる保護層を熱転写で形成し、画像を覆い保護するための転写性保護層積層体が同一支持体上に形成される形態が好ましい。
感熱転写シートは、イエロー、マゼンタ、シアンの各色の熱転写層及び必要に応じてブラックの熱転写層が同一の支持体上に面順次で繰り返し塗り分けられていることが好ましい。一例として、イエロー、マゼンタ及びシアンの各色相の熱転写層が同一の支持体の長軸方向に、感熱転写受像シートの記録面の面積に対応して面順次に塗り分けられた構成を挙げることができる。この3層に加えて、ブラックの熱転写層が設置されても良い。またプリンターの読み取りが可能な各色の開始点を示す目印が設置されていることが好ましい。
熱転写層は、通常昇華性染料とバインダーを含有する。さらに、必要に応じて、ワックス類、シリコーン樹脂、ポリマー粒子、無機粒子を含有することができる。
各々の染料は、熱転写層中にそれぞれ20〜80質量%含有されることが好ましく、30〜70質量%含有されることがより好ましい。
熱転写層の塗布は、ロールコート、バーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート等の一般的な方法で行われる。また熱転写層の塗布量は、0.1〜2.0g/m2(固形分換算、以下本発明における塗布量は特に断りのない限り、固形分換算の数値である。)が好ましく、更に好ましくは0.2〜1.2g/m2である。熱転写層の膜厚は0.1〜2.0μmであることが好ましく、更に好ましくは0.2〜1.2μmである。
熱転写層の塗布は、ロールコート、バーコート、グラビアコート、グラビアリバースコート等の一般的な方法で行われる。また熱転写層の塗布量は、0.1〜2.0g/m2(固形分換算、以下本発明における塗布量は特に断りのない限り、固形分換算の数値である。)が好ましく、更に好ましくは0.2〜1.2g/m2である。熱転写層の膜厚は0.1〜2.0μmであることが好ましく、更に好ましくは0.2〜1.2μmである。
染料は、熱により拡散し、感熱転写シートに組み込み可能かつ、加熱により感熱転写シートから感熱転写受像シートに転写するものであれば特に限定されず、感熱転写シート用の染料として従来から用いられてきている染料、あるいは公知の染料を用いることができる。
好ましい染料としては、たとえば、ジアリールメタン系、トリアリールメタン系、チアゾール系、メロシアニン等のメチン系、インドアニリン、アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチンに代表されるアゾメチン系、キサンテン系、オキサジン系、ジシアノスチレン、トリシアノスチレンに代表されるシアノメチレン系、チアジン系、アジン系、アクリジン系、ベンゼンアゾ系、ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジズアゾ等のアゾ系、スピロピラン系、インドリノスピロピラン系、フルオラン系、ローダミンラクタム系、ナフトキノン系、アントラキノン系、キノフタロン系等が挙げられる。
好ましい染料としては、たとえば、ジアリールメタン系、トリアリールメタン系、チアゾール系、メロシアニン等のメチン系、インドアニリン、アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチンに代表されるアゾメチン系、キサンテン系、オキサジン系、ジシアノスチレン、トリシアノスチレンに代表されるシアノメチレン系、チアジン系、アジン系、アクリジン系、ベンゼンアゾ系、ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジズアゾ等のアゾ系、スピロピラン系、インドリノスピロピラン系、フルオラン系、ローダミンラクタム系、ナフトキノン系、アントラキノン系、キノフタロン系等が挙げられる。
具体例を挙げると、イエロー染料としては、ディスパースイエロー231、ディスパースイエロー201、ソルベントイエロー93等が、マゼンタ染料としては、ディスパースバイオレット26、ディスパースレッド60、ソルベントレッド19等が、さらに、シアン染料としては、ソルベントブルー63、ソルベントブルー36、ディスパースブルー354、ディスパースブルー35等が挙げられるがこれらに限定されない。また、上記の各色相の染料を任意に組み合わせることも可能である。
熱転写層は単層構成であっても複層構成であってもよく、複層構成の場合、熱転写層を構成する各層の組成は同一であっても異なっていてもよい。
バインダーとしては、各種のものが公知であり、本発明ではこれらを使用することができる。例としては、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリルアミド等のアクリル系樹脂、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアセタール系樹脂、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、硝酸セルロース等の変性セルロース系樹脂ニトロセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース及びエチルセルロースなどのセルロース系樹脂や、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノキシ樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、各種エストラマー等が挙げられ、上記からなる群から選ばれる少なくとも1種類の樹脂により熱転写層は構成される。
これらを単独で用いる他、これらを混合、または共重合して用いることも可能であり、各種架橋剤によって架橋することも可能である。
該バインダーとしては、セルロース系樹脂およびポリビニルアセタール系樹脂が好ましく、より好ましくはポリビニルアセタール系樹脂である。中でもポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂が本発明において好ましく用いられる。
これらを単独で用いる他、これらを混合、または共重合して用いることも可能であり、各種架橋剤によって架橋することも可能である。
該バインダーとしては、セルロース系樹脂およびポリビニルアセタール系樹脂が好ましく、より好ましくはポリビニルアセタール系樹脂である。中でもポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂が本発明において好ましく用いられる。
該感熱転写シートに転写性保護層積層体を面順次で設けるのが好ましい。転写性保護層積層体は、熱転写された画像の上に透明樹脂からなる保護層を熱転写で形成し、画像を覆い保護するためのものであり、耐擦過性、耐光性、耐候性等の耐久性向上を目的とする。転写された染料が受像シート表面に曝されたままでは、耐光性、耐擦過性、耐薬品性等の画像耐久性が不十分な場合に有効である。転写性保護層積層体は、支持体上に、支持体側から離型層、保護層、接着剤層の順に形成することができる。保護層を複数の層で形成することも可能である。保護層が他の層の機能を兼ね備えている場合には、離型層、接着剤層を省くことも可能である。支持体としては、易接着層の設けられたものを用いることも可能である。
転写性保護層を形成する樹脂としては、耐擦過性、耐薬品性、透明性、硬度に優れた樹脂が好ましく、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、これら各樹脂のシリコーン変性樹脂、紫外線遮断性樹脂、これら各樹脂の混合物、電離放射線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等を用いることができる。なかでも、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂が好ましい。また、各種架橋剤によって架橋することも可能である。
感熱転写シートは、支持体に熱転写層を塗設した面の他方の面(裏面)、すなわちサーマルヘッド等に接する側に背面層を設けることが好ましい。また、保護層転写シートの場合にも、転写性保護層を塗設した支持体面の他方の面(裏面)、すなわちサーマルヘッド等に接する側に背面層を設けることが好ましい。
感熱転写シートの支持体の裏面とサーマルヘッド等の加熱デバイスとが直接接触した状態で加熱されると、熱融着が起こりやすい。また、両者の間の摩擦が大きく、感熱転写シートを印画時に滑らかに搬送することが難しい。
背面層は、感熱転写シートがサーマルヘッドからの熱エネルギーに耐え得るように設けられるものであって、熱融着を防止し、滑らかな走行を可能にする。近年、プリンターの高速化に伴いサーマルヘッドの熱エネルギーが増加しているため、必要性は大きくなっている。
背面層は、バインダーに滑剤、離型剤、界面活性剤、無機粒子、有機粒子、顔料等を添加したものを塗布することによって形成される。また、背面層と支持体との間に多孔質層を設けてもよく、該背面層や中間層には無機微粒子と水溶性樹脂またはエマルジョン化可能な親水性樹脂を含有してもよい。
背面層は、感熱転写シートがサーマルヘッドからの熱エネルギーに耐え得るように設けられるものであって、熱融着を防止し、滑らかな走行を可能にする。近年、プリンターの高速化に伴いサーマルヘッドの熱エネルギーが増加しているため、必要性は大きくなっている。
背面層は、バインダーに滑剤、離型剤、界面活性剤、無機粒子、有機粒子、顔料等を添加したものを塗布することによって形成される。また、背面層と支持体との間に多孔質層を設けてもよく、該背面層や中間層には無機微粒子と水溶性樹脂またはエマルジョン化可能な親水性樹脂を含有してもよい。
以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、実施例中で、部または%とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
(感熱転写シートの作製)
支持体として片面に易接着処理がされている厚さ6.0μmのポリエステルフィルム(ダイアホイルK200E−6F、商品名、三菱化学ポリエステルフィルム(株)製)の易接着処理がされていない面に、乾燥後の固形分塗布量が1g/m2となるように背面層塗工液を塗布した。乾燥後、60℃で熱処理を行い硬化させた。
このようにして作製したポリエステルフィルムの易接着層塗布側に前記塗工液により、イエロー、マゼンタ、シアンの各熱転写層および転写性保護層積層体を面順次となるように塗布した熱転写シートを作製した。各熱転写層の固形分塗布量は、0.8g/m2とした。
なお、転写性保護層積層体の形成は、離型層用塗工液を塗布し、乾燥した後に、その上に保護層用塗工液を塗布し、乾燥した後に、さらにその上に接着層塗工液を塗布した。
支持体として片面に易接着処理がされている厚さ6.0μmのポリエステルフィルム(ダイアホイルK200E−6F、商品名、三菱化学ポリエステルフィルム(株)製)の易接着処理がされていない面に、乾燥後の固形分塗布量が1g/m2となるように背面層塗工液を塗布した。乾燥後、60℃で熱処理を行い硬化させた。
このようにして作製したポリエステルフィルムの易接着層塗布側に前記塗工液により、イエロー、マゼンタ、シアンの各熱転写層および転写性保護層積層体を面順次となるように塗布した熱転写シートを作製した。各熱転写層の固形分塗布量は、0.8g/m2とした。
なお、転写性保護層積層体の形成は、離型層用塗工液を塗布し、乾燥した後に、その上に保護層用塗工液を塗布し、乾燥した後に、さらにその上に接着層塗工液を塗布した。
背面層塗工液
アクリル系ポリオール樹脂 28.0質量部
(アクリディックA−801、商品名、大日本インキ化学工業(株)製)
ステアリン酸亜鉛 0.45質量部
(SZ−2000、商品名、堺化学工業(株)製)
リン酸エステル 1.27質量部
(プライサーフA217、商品名、第一工業製薬(株)製)
ポリイソシアネート 8.5質量部
(バーノックD−800、商品名、大日本インキ化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比2/1) 70質量部
アクリル系ポリオール樹脂 28.0質量部
(アクリディックA−801、商品名、大日本インキ化学工業(株)製)
ステアリン酸亜鉛 0.45質量部
(SZ−2000、商品名、堺化学工業(株)製)
リン酸エステル 1.27質量部
(プライサーフA217、商品名、第一工業製薬(株)製)
ポリイソシアネート 8.5質量部
(バーノックD−800、商品名、大日本インキ化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比2/1) 70質量部
イエロー熱転写層塗工液
染料(Y−1) 4.2質量部
染料(Y−2) 3.7質量部
ポリビニルアセタール樹脂 6.0質量部
(デンカブチラール#6000−AS、商品名、電気化学工業(株)製)
ポリビニルアセタール樹脂 2.5質量部
(デンカブチラール#6000−CS、商品名、電気化学工業(株)製)
フッ素原子が置換した脂肪族基を側鎖に有する高分子化合物 0.2質量部
(メガファックF−474、商品名、大日本インキ化学工業(株)製)
マット剤(フローセンUF、商品名、住友精工(株)製) 0.12質量部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比2/1) 85質量部
染料(Y−1) 4.2質量部
染料(Y−2) 3.7質量部
ポリビニルアセタール樹脂 6.0質量部
(デンカブチラール#6000−AS、商品名、電気化学工業(株)製)
ポリビニルアセタール樹脂 2.5質量部
(デンカブチラール#6000−CS、商品名、電気化学工業(株)製)
フッ素原子が置換した脂肪族基を側鎖に有する高分子化合物 0.2質量部
(メガファックF−474、商品名、大日本インキ化学工業(株)製)
マット剤(フローセンUF、商品名、住友精工(株)製) 0.12質量部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比2/1) 85質量部
マゼンタ熱転写層塗工液
染料(M−1) 0.5質量部
染料(M−2) 0.5質量部
染料(M−3) 6.0質量部
ポリビニルアセタール樹脂 7.0質量部
(デンカブチラール#6000−AS、商品名、電気化学工業(株)製)
ポリビニルアセタール樹脂 1.5質量部
(デンカブチラール#6000−CS、商品名、電気化学工業(株)製)
フッ素原子が置換した脂肪族基を側鎖に有する高分子化合物 0.2質量部
(メガファックF−474、商品名、大日本インキ化学工業(株)製)
マット剤(フローセンUF、商品名、住友精工(株)製) 0.12質量部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比2/1) 85質量部
染料(M−1) 0.5質量部
染料(M−2) 0.5質量部
染料(M−3) 6.0質量部
ポリビニルアセタール樹脂 7.0質量部
(デンカブチラール#6000−AS、商品名、電気化学工業(株)製)
ポリビニルアセタール樹脂 1.5質量部
(デンカブチラール#6000−CS、商品名、電気化学工業(株)製)
フッ素原子が置換した脂肪族基を側鎖に有する高分子化合物 0.2質量部
(メガファックF−474、商品名、大日本インキ化学工業(株)製)
マット剤(フローセンUF、商品名、住友精工(株)製) 0.12質量部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比2/1) 85質量部
シアン熱転写層塗工液
染料(C−1) 1.0質量部
染料(C−2) 7.0質量部
ポリビニルアセタール樹脂 7.5質量部
(デンカブチラール#6000−AS、商品名、電気化学工業(株)製)
ポリビニルアセタール樹脂 1.0質量部
(デンカブチラール#6000−CS、商品名、電気化学工業(株)製)
マット剤(フローセンUF、商品名、住友精工(株)製) 0.12質量部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比2/1) 85質量部
染料(C−1) 1.0質量部
染料(C−2) 7.0質量部
ポリビニルアセタール樹脂 7.5質量部
(デンカブチラール#6000−AS、商品名、電気化学工業(株)製)
ポリビニルアセタール樹脂 1.0質量部
(デンカブチラール#6000−CS、商品名、電気化学工業(株)製)
マット剤(フローセンUF、商品名、住友精工(株)製) 0.12質量部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比2/1) 85質量部
転写性保護層積層体
熱転写層の作製に使用したものと同じポリエステルフィルムに、以下に示す組成の離型層,保護層および接着層用塗工液を塗布し、転写性保護層積層体を形成した。乾膜時の塗布量は離型層0.5g/m2、保護層1.0g/m2、接着層1.8g/m2とした。
離型層塗工液
変性セルロース樹脂 5.0質量部
(L−30、商品名、ダイセル化学(株)製)
メチルエチルケトン 95.0質量部
保護層塗工液
アクリル樹脂 35質量部
(ダイアナールBR−100、商品名、三菱レイヨン(株)製)
イソプロパノール 75質量部
接着層塗工液
アクリル樹脂 25質量部
(ダイアナールBR−77、商品名、三菱レイヨン(株)製)
紫外線吸収剤 UV−1 1.5質量部
紫外線吸収剤 UV−2 1.5質量部
紫外線吸収剤 UV−3 1.2質量部
紫外線吸収剤 UV−4 0.8質量部
シリコーン樹脂微粒 0.06質量部
(トスパール120、商品名、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比2/1) 70質量部
熱転写層の作製に使用したものと同じポリエステルフィルムに、以下に示す組成の離型層,保護層および接着層用塗工液を塗布し、転写性保護層積層体を形成した。乾膜時の塗布量は離型層0.5g/m2、保護層1.0g/m2、接着層1.8g/m2とした。
離型層塗工液
変性セルロース樹脂 5.0質量部
(L−30、商品名、ダイセル化学(株)製)
メチルエチルケトン 95.0質量部
保護層塗工液
アクリル樹脂 35質量部
(ダイアナールBR−100、商品名、三菱レイヨン(株)製)
イソプロパノール 75質量部
接着層塗工液
アクリル樹脂 25質量部
(ダイアナールBR−77、商品名、三菱レイヨン(株)製)
紫外線吸収剤 UV−1 1.5質量部
紫外線吸収剤 UV−2 1.5質量部
紫外線吸収剤 UV−3 1.2質量部
紫外線吸収剤 UV−4 0.8質量部
シリコーン樹脂微粒 0.06質量部
(トスパール120、商品名、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比2/1) 70質量部
実施例1
(感熱転写受像シートの作製)
試料101から試料107を以下のように作成した。
ポリエチレンで両面ラミネートした紙支持体Aの表面に、コロナ放電処理を施した後、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含むゼラチン下塗層を設けた。この上に、下記組成の中間層、多孔質層、受容層を支持体側からこの順に積層させた状態で、米国特許第2,761,791号明細書に記載の第9図に例示された方法により、同時重層塗布を行った。それぞれの乾燥時の塗布量が中間層:6.5g/m2、多孔質層:9.0g/m2、受容層:5.5g/m2となるように塗布を行った。乾燥時の膜面温度は、乾燥工程中を通じて22.0℃〜28.5℃であった。膜面温度の測定には、堀場製作所製放射温度計「IT−340」を用いた。
また、下記の組成は、固形分としての質量部を表す。
(感熱転写受像シートの作製)
試料101から試料107を以下のように作成した。
ポリエチレンで両面ラミネートした紙支持体Aの表面に、コロナ放電処理を施した後、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含むゼラチン下塗層を設けた。この上に、下記組成の中間層、多孔質層、受容層を支持体側からこの順に積層させた状態で、米国特許第2,761,791号明細書に記載の第9図に例示された方法により、同時重層塗布を行った。それぞれの乾燥時の塗布量が中間層:6.5g/m2、多孔質層:9.0g/m2、受容層:5.5g/m2となるように塗布を行った。乾燥時の膜面温度は、乾燥工程中を通じて22.0℃〜28.5℃であった。膜面温度の測定には、堀場製作所製放射温度計「IT−340」を用いた。
また、下記の組成は、固形分としての質量部を表す。
受容層
ポリマーラテックス(表1) 25.0質量部
添加剤(表1) 0.12質量部
ゼラチン(10%水溶液) 3.0質量部
架橋剤(化合物A) 0.01質量部
界面活性剤F−2 0.36質量部
多孔質層
中空ポリマーラテックス 65.0質量部
(Nipol MH5055、商品名、日本ゼオン(株)製)
ゼラチン(10%水溶液) 30.0質量部
架橋剤(化合物A) 0.1質量部
中間層
ポリビニルアルコール 7.0質量部
(ポバールPVA205、商品名、(株)クラレ製)
スチレンブタジエンゴムラテックス 60.0質量部
(SN−307、商品名、日本エイ アンド エル(株)製)
界面活性剤(F−1) 0.03質量部
ポリマーラテックス(表1) 25.0質量部
添加剤(表1) 0.12質量部
ゼラチン(10%水溶液) 3.0質量部
架橋剤(化合物A) 0.01質量部
界面活性剤F−2 0.36質量部
多孔質層
中空ポリマーラテックス 65.0質量部
(Nipol MH5055、商品名、日本ゼオン(株)製)
ゼラチン(10%水溶液) 30.0質量部
架橋剤(化合物A) 0.1質量部
中間層
ポリビニルアルコール 7.0質量部
(ポバールPVA205、商品名、(株)クラレ製)
スチレンブタジエンゴムラテックス 60.0質量部
(SN−307、商品名、日本エイ アンド エル(株)製)
界面活性剤(F−1) 0.03質量部
また、下記の特許公報に記載された感熱転写受像シートも作成した。
試料108 特開2006−88691公報 実施例の感熱転写受像シート5
受容ポリマー:バイロナールMD−1200
(商品名、東洋紡(株)製(Tg67℃))
添加剤 :FC−4430、商品名、住友スリーエム(株)製
試料108 特開2006−88691公報 実施例の感熱転写受像シート5
受容ポリマー:バイロナールMD−1200
(商品名、東洋紡(株)製(Tg67℃))
添加剤 :FC−4430、商品名、住友スリーエム(株)製
(評価)
画像形成方法の評価のためのプリンターには 富士フイルム(株)製フジフイルムサーマルフォトプリンターASK−2000(商品名)を用いた。152mm×102mmサイズの画像を連続10枚出力して、 ひび割れに起因する濃度ムラの評価は白からマックスグレーの階調画像を用い、出力画像上のひび割れによる低濃度部(反射濃度0.3付近)の白抜けまたは高濃度部(反射濃度1.8付近)の濃度ムラの有無を以下のランクで評価した。ひび割れが少なければ少ないほど評価結果が良好となる。
画像形成方法の評価のためのプリンターには 富士フイルム(株)製フジフイルムサーマルフォトプリンターASK−2000(商品名)を用いた。152mm×102mmサイズの画像を連続10枚出力して、 ひび割れに起因する濃度ムラの評価は白からマックスグレーの階調画像を用い、出力画像上のひび割れによる低濃度部(反射濃度0.3付近)の白抜けまたは高濃度部(反射濃度1.8付近)の濃度ムラの有無を以下のランクで評価した。ひび割れが少なければ少ないほど評価結果が良好となる。
(低濃度部白抜け)
5:画像中、低濃度部の白抜けが全く認められず、実用上問題ない。
4:低濃度部にわずかに白抜けが認められるが気にならず、実用上問題ない。
3:低濃度部に若干の白抜けが認められ、実用上問題である。
2:低濃度部のひび割れが目視で確認できないが、多数の白抜けが認められ、実用上問題である。
1:低濃度部のひび割れが目視で確認でき、白抜けが多数認められ、実用上問題である。
5:画像中、低濃度部の白抜けが全く認められず、実用上問題ない。
4:低濃度部にわずかに白抜けが認められるが気にならず、実用上問題ない。
3:低濃度部に若干の白抜けが認められ、実用上問題である。
2:低濃度部のひび割れが目視で確認できないが、多数の白抜けが認められ、実用上問題である。
1:低濃度部のひび割れが目視で確認でき、白抜けが多数認められ、実用上問題である。
(高濃度部濃度ムラ)
5:画像中、高濃度部の濃度ムラが全く認められず、実用上問題ない。
4:高濃度部にわずかに濃度ムラが認められるが、実用上問題ない。
3:高濃度部は若干の濃度ムラが認められ、実用上問題である。
2:高濃度部に多数の濃度ムラが認められ、実用上問題である。
1:高濃度部に、ひび割れとともに濃度ムラが多数認められ、実用上問題である。
5:画像中、高濃度部の濃度ムラが全く認められず、実用上問題ない。
4:高濃度部にわずかに濃度ムラが認められるが、実用上問題ない。
3:高濃度部は若干の濃度ムラが認められ、実用上問題である。
2:高濃度部に多数の濃度ムラが認められ、実用上問題である。
1:高濃度部に、ひび割れとともに濃度ムラが多数認められ、実用上問題である。
実施例2
次に、試料101を作成したものと同じ支持体上に、支持体側から下記処方の塗布液をそれぞれの乾燥時の塗布量が中間層:6.7g/m2、多孔質層:8.7g/m2、受容層2:2.6g/m2、受容層1:2.7g/m2となるように塗布を行い、感熱転写受像シート201を得た。乾燥工程中を通じて22.2℃〜28.2℃であった。また、感熱転写受像シート201において添加剤のみ表1に換えた以外は同様にして感熱転写受像シート201〜207を作成した。
次に、試料101を作成したものと同じ支持体上に、支持体側から下記処方の塗布液をそれぞれの乾燥時の塗布量が中間層:6.7g/m2、多孔質層:8.7g/m2、受容層2:2.6g/m2、受容層1:2.7g/m2となるように塗布を行い、感熱転写受像シート201を得た。乾燥工程中を通じて22.2℃〜28.2℃であった。また、感熱転写受像シート201において添加剤のみ表1に換えた以外は同様にして感熱転写受像シート201〜207を作成した。
下記の組成は、固形分としての質量部を表す。
受容層1
塩化ビニル系ラテックス 23.0質量部
(ビニブラン276、商品名、日信化学工業(株)製)
ゼラチン(10%水溶液) 2.0質量部
前記エステル系ワックスEW−1 2.0質量部
前記界面活性剤F−1 0.07質量部
前記界面活性剤F−2 0.36質量部
添加剤(前記表1) 1.0質量部
受容層2
塩化ビニル系ラテックス 24.0質量部
(ビニブラン609、商品名、日信化学工業(株)製)
ゼラチン(10%水溶液) 10.0質量部
前記界面活性剤F−1 0.04質量部
多孔質層
中空ポリマーラテックス 60.0質量部
(Nipol MH5055、商品名、日本ゼオン(株)製)
平均粒子径0.5μm、空隙率55%、Tg=105℃
スチレン・ブタジエンラテックス 11.0質量部
(LX415M 商品名、日本ゼオン(株)製Tg=27℃)
中間層
ポリビニルアルコール 6.7質量部
(ポバールPVA205、商品名、(株)クラレ製)
スチレンブタジエンゴムラテックス 60.1質量部
(SN−307、商品名、日本エイ アンド エル(株)製)
前記界面活性剤F−1 0.03質量部
前記化合物A 0.1質量部
受容層1
塩化ビニル系ラテックス 23.0質量部
(ビニブラン276、商品名、日信化学工業(株)製)
ゼラチン(10%水溶液) 2.0質量部
前記エステル系ワックスEW−1 2.0質量部
前記界面活性剤F−1 0.07質量部
前記界面活性剤F−2 0.36質量部
添加剤(前記表1) 1.0質量部
受容層2
塩化ビニル系ラテックス 24.0質量部
(ビニブラン609、商品名、日信化学工業(株)製)
ゼラチン(10%水溶液) 10.0質量部
前記界面活性剤F−1 0.04質量部
多孔質層
中空ポリマーラテックス 60.0質量部
(Nipol MH5055、商品名、日本ゼオン(株)製)
平均粒子径0.5μm、空隙率55%、Tg=105℃
スチレン・ブタジエンラテックス 11.0質量部
(LX415M 商品名、日本ゼオン(株)製Tg=27℃)
中間層
ポリビニルアルコール 6.7質量部
(ポバールPVA205、商品名、(株)クラレ製)
スチレンブタジエンゴムラテックス 60.1質量部
(SN−307、商品名、日本エイ アンド エル(株)製)
前記界面活性剤F−1 0.03質量部
前記化合物A 0.1質量部
得られた感熱転写受像シート201〜207を用いて、実施例1と同様の評価を行った結果、本発明の感熱転写受像シート202〜207においてひび割れは見られず、したがってプリント後の濃度ムラは確認できず、本発明の効果を奏していることがわかった。
実施例3
(支持体Bの作製)
アカシアからなるLBKP50部及びアスペンからなるLBKP50部をそれぞれディスクリファイナーによりカナディアンフリーネス300mlに叩解しパルプスラリーを調製した。
ついで前記で得られたパルプスラリーに、対パルプ当り、カチオン変性でんぷん(日本NSC製CAT0304L)1.3%、アニオン性ポリアクリルアミド(星光PMC製 DA4104)0.15%、アルキルケテンダイマー(荒川化学製サイズパインK)O.29%、エポキシ化ベヘン酸アミド0.29%、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン(荒川化学(株)製:アラフィックス100)0.32%を加えた後、消泡剤0.12%を加えた。
前記のようにして調製したパルプスラリーを長網抄紙機で抄紙し、ウェッブのフェルト面をドラムドライヤーシリンダーにドライヤーカンバスを介して押し当てて乾燥する工程において、ドライヤーカンバスの引張り力を1.6kg/cmに設定して乾燥を行なった後、サイズプレスにて原紙の両面にポリビニルアルコール((株)クラレ製:KL−118)を1g/m2塗布して乾燥し、カレンダー処理を行った。なお、原紙の坪量は157g/m2で抄造し、厚さ160μmの原紙(基紙)を得た。
得られた基紙のワイヤー面(裏面)側に、コロナ放電処理を行なった後、溶融押出機を用いてMFR(メルトフローレート;以下同様)16.0g/10分、密度0.96g/cm3の高密度ポリエチレン(ハイドロタルサイト(商品名DHT−4A、協和化学工業(株)製)250ppmと、二次酸化防止剤(トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、商品名:イルガフォス168、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、200ppmを含有)と、MFR 4.0g/10分、密度0.93g/cm3の低密度ポリエチレンと、を75/25(質量比)の割合で配合した樹脂組成物を、厚さ21g/m2となるようにコーティングし、マット面からなる熱可塑性樹脂層を形成した(以下、この熱可塑性樹脂層面を「裏面」と称する。)。この裏面側の熱可塑性樹脂層に更にコロナ放電処理を施し、その後、帯電防止剤として、酸化アルミニウム(日産化学工業(株)製の「アルミナジル100」)と二酸化ケイ素(日産化学工業(株)製の「スノーテックスO」)とを1:2の質量比で水に分散した分散液を、乾燥質量が0.2g/m2となるように塗布した。続いて表面にコロナ処理し10質量%の酸化チタンを有するMFR 4.0g/10分、密度0.93g/m2の低密度ポリエチレンを27g/m2になるように溶融押出機を用いてコーティングし、鏡面からなる熱可塑性樹脂層を形成した。
(支持体Bの作製)
アカシアからなるLBKP50部及びアスペンからなるLBKP50部をそれぞれディスクリファイナーによりカナディアンフリーネス300mlに叩解しパルプスラリーを調製した。
ついで前記で得られたパルプスラリーに、対パルプ当り、カチオン変性でんぷん(日本NSC製CAT0304L)1.3%、アニオン性ポリアクリルアミド(星光PMC製 DA4104)0.15%、アルキルケテンダイマー(荒川化学製サイズパインK)O.29%、エポキシ化ベヘン酸アミド0.29%、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン(荒川化学(株)製:アラフィックス100)0.32%を加えた後、消泡剤0.12%を加えた。
前記のようにして調製したパルプスラリーを長網抄紙機で抄紙し、ウェッブのフェルト面をドラムドライヤーシリンダーにドライヤーカンバスを介して押し当てて乾燥する工程において、ドライヤーカンバスの引張り力を1.6kg/cmに設定して乾燥を行なった後、サイズプレスにて原紙の両面にポリビニルアルコール((株)クラレ製:KL−118)を1g/m2塗布して乾燥し、カレンダー処理を行った。なお、原紙の坪量は157g/m2で抄造し、厚さ160μmの原紙(基紙)を得た。
得られた基紙のワイヤー面(裏面)側に、コロナ放電処理を行なった後、溶融押出機を用いてMFR(メルトフローレート;以下同様)16.0g/10分、密度0.96g/cm3の高密度ポリエチレン(ハイドロタルサイト(商品名DHT−4A、協和化学工業(株)製)250ppmと、二次酸化防止剤(トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、商品名:イルガフォス168、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、200ppmを含有)と、MFR 4.0g/10分、密度0.93g/cm3の低密度ポリエチレンと、を75/25(質量比)の割合で配合した樹脂組成物を、厚さ21g/m2となるようにコーティングし、マット面からなる熱可塑性樹脂層を形成した(以下、この熱可塑性樹脂層面を「裏面」と称する。)。この裏面側の熱可塑性樹脂層に更にコロナ放電処理を施し、その後、帯電防止剤として、酸化アルミニウム(日産化学工業(株)製の「アルミナジル100」)と二酸化ケイ素(日産化学工業(株)製の「スノーテックスO」)とを1:2の質量比で水に分散した分散液を、乾燥質量が0.2g/m2となるように塗布した。続いて表面にコロナ処理し10質量%の酸化チタンを有するMFR 4.0g/10分、密度0.93g/m2の低密度ポリエチレンを27g/m2になるように溶融押出機を用いてコーティングし、鏡面からなる熱可塑性樹脂層を形成した。
(比較用の感熱転写受像シート301の作製)
上記支持体Bの表面に、コロナ放電処理を施した後、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含むゼラチン下塗層を設けた。この面上に、下記組成の中間層1、多孔質層2、多孔質層1、受容層1を支持体側からこの順に積層させた状態で、米国特許第2,761,791号明細書に記載の第9図に例示された方法により、同時重層塗布を行った。それぞれの乾燥時の塗布量が中間層1:6.7g/m2、多孔質層2:7.0g/m2、多孔質層1:4.8g/m2、受容層1:2.3g/m2となるように塗布を行った。
上記支持体Bの表面に、コロナ放電処理を施した後、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含むゼラチン下塗層を設けた。この面上に、下記組成の中間層1、多孔質層2、多孔質層1、受容層1を支持体側からこの順に積層させた状態で、米国特許第2,761,791号明細書に記載の第9図に例示された方法により、同時重層塗布を行った。それぞれの乾燥時の塗布量が中間層1:6.7g/m2、多孔質層2:7.0g/m2、多孔質層1:4.8g/m2、受容層1:2.3g/m2となるように塗布を行った。
下記組成の各層塗工液を、塗工液の温度40℃で調整し、上記の塗布量となる様に感熱転写受像シート301を作成した。
受容層1塗工液
塩化ビニル系ラテックス 47.0質量部
(ビニブラン900、商品名、Tg=70℃、日信化学工業(株)製)
塩化ビニル系ラテックス 74.5質量部
(ビニブラン609、商品名、Tg=48℃、日信化学工業(株)製)
ゼラチン(16%水溶液) 8.4質量部
前記エステル系ワックスEW−1 4.4質量部
前記界面活性剤F−1 0.2質量部
前記界面活性剤F−2 0.9質量部
フッ素原子が置換した脂肪族基を側鎖に有する高分子化合物 2.0質量部
(メガファックF−477、商品名、大日本インキ化学工業(株)製)
水 83.7質量部
メタノール 4.5質量部
NaOHを0.01質量部入れてpHを7.8に調節。
受容層1塗工液
塩化ビニル系ラテックス 47.0質量部
(ビニブラン900、商品名、Tg=70℃、日信化学工業(株)製)
塩化ビニル系ラテックス 74.5質量部
(ビニブラン609、商品名、Tg=48℃、日信化学工業(株)製)
ゼラチン(16%水溶液) 8.4質量部
前記エステル系ワックスEW−1 4.4質量部
前記界面活性剤F−1 0.2質量部
前記界面活性剤F−2 0.9質量部
フッ素原子が置換した脂肪族基を側鎖に有する高分子化合物 2.0質量部
(メガファックF−477、商品名、大日本インキ化学工業(株)製)
水 83.7質量部
メタノール 4.5質量部
NaOHを0.01質量部入れてpHを7.8に調節。
多孔質層1塗工液
中空ポリマーラテックス 210.0質量部
(ローベイクHP−1055、商品名、ローム・アンド・ハース社製)
塩化ビニル系ラテックス 106.9質量部
(ビニブラン609、商品名、Tg=48℃、日信化学工業(株)製)
ゼラチン(16%水溶液) 47.2質量部
水 48.9質量部
NaOHを0.03質量部入れてpHを8.3に調節
中空ポリマーラテックス 210.0質量部
(ローベイクHP−1055、商品名、ローム・アンド・ハース社製)
塩化ビニル系ラテックス 106.9質量部
(ビニブラン609、商品名、Tg=48℃、日信化学工業(株)製)
ゼラチン(16%水溶液) 47.2質量部
水 48.9質量部
NaOHを0.03質量部入れてpHを8.3に調節
多孔質層2塗工液
中空ポリマーラテックス 408.6質量部
(Nipol MH5055、商品名、日本ゼオン(株)製)
平均粒子径0.5μm、空隙率55%、Tg=105℃
ゼラチン(16%水溶液) 311.1質量部
水 30.0質量部
NaOHを 0.07質量部入れてpHを7.8に調節
中空ポリマーラテックス 408.6質量部
(Nipol MH5055、商品名、日本ゼオン(株)製)
平均粒子径0.5μm、空隙率55%、Tg=105℃
ゼラチン(16%水溶液) 311.1質量部
水 30.0質量部
NaOHを 0.07質量部入れてpHを7.8に調節
中間層1塗工液
ポリビニルアルコール 5.0質量部
(ポバールPVA205、商品名、(株)クラレ製)
メタクリル酸メチル・ブタジエンゴムラテックスエマルジョン 92.6質量部
(MR−171、商品名、Tg=−5℃、日本エイ アンド エル(株)製)
水 64.5質量部
前記化合物A 0.6質量部
ポリビニルアルコール 5.0質量部
(ポバールPVA205、商品名、(株)クラレ製)
メタクリル酸メチル・ブタジエンゴムラテックスエマルジョン 92.6質量部
(MR−171、商品名、Tg=−5℃、日本エイ アンド エル(株)製)
水 64.5質量部
前記化合物A 0.6質量部
(感熱転写受像シート302〜323の作製)
実施例3の感熱転写受像シート301において、添加剤を下記表3に変える以外は同様の方法にして感熱転写受像シート302〜323を作製した。
実施例3の感熱転写受像シート301において、添加剤を下記表3に変える以外は同様の方法にして感熱転写受像シート302〜323を作製した。
得られた感熱転写受像シート301〜323用いて、実施例1と同様の評価を行った結果を表3に示す。
また、スミカゲルL5−HとジュリマーAC−10Sは実施例1で使用したものと同じように調整して添加した。
上記表3から明らかなように、本発明の感熱転写受像シートはいずれも優れた効果を奏していることがわかった。
Claims (5)
- 支持体上に、少なくとも1種のポリマーラテックスを含む受容層を少なくとも1層有し、該支持体と該受容層の間に、少なくとも1種の中空ポリマーを含む多孔質層を少なくとも1層有する感熱転写受像シートであって、該受容層に、繰り返し単位として少なくとも−COOM基および/または−SO3M基(ここでMは水素原子またはアルカリ金属原子を表す)を1個以上有するビニルモノマーから得られる単位を含む重合体を含むことを特徴とする感熱転写受像シート。
- 前記重合体が、下記一般式(I)で表される繰り返し単位を含有する重合体であることを特徴とする請求項1に記載の感熱転写受像シート。
- 前記受容層に含有するポリマーラテックスが塩化ビニル共重合体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の感熱転写受像シート。
- 前記ポリマーラテックスのガラス転移温度(Tg)が、20℃以上60℃以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の感熱転写受像シート。
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