JP2009072810A - 鍔つき圧粉体の成形金型 - Google Patents
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Abstract
【課題】本体部の外周に鍔を有し、その鍔の外周に軸方向に延びる凹凸が設けられた鍔付き圧粉体を、下パンチが複数に分割された成形金型を用いて金型の焼き付き防止と圧粉体の品質維持を図りながら成形できるようにすることを課題としている。
【解決手段】鍔付き圧粉体の成形金型を、成形穴5を有するダイ1と、複数に分割して下1パンチ2-1を最外周に配置した下パンチ2と、上パンチ3を有し、前記成形穴5の上側部分が成形用凹凸6を備えた穴、下側部分が丸穴としてそれぞれ形成され、下1パンチ2-1が前記丸穴に円形嵌合するものにした。
【選択図】図1
【解決手段】鍔付き圧粉体の成形金型を、成形穴5を有するダイ1と、複数に分割して下1パンチ2-1を最外周に配置した下パンチ2と、上パンチ3を有し、前記成形穴5の上側部分が成形用凹凸6を備えた穴、下側部分が丸穴としてそれぞれ形成され、下1パンチ2-1が前記丸穴に円形嵌合するものにした。
【選択図】図1
Description
この発明は、焼き付き防止策を施した鍔付き圧粉体用の成形金型に関する。ここで言う鍔付き圧粉体は、本体部の周りに鍔を有し、その鍔の外周に軸方向にストレートに延びるセレーションなどの幅の殆どない微小凹凸が設けられるものを指す。
焼結部品は、粉末成形装置で粉末を圧縮成形し、次いで、得られた圧粉体を焼結して製造される。粉末成形装置による圧粉体の成形は、ダイ、上パンチ及び下パンチを最小限の要素として備える金型装置(ダイセット)を用いて行なわれる。その金型装置は、圧粉体の形状によっては下パンチや上パンチを複数に分割したものが用いられ、コアロッドが用いられることもある。
その金型装置の金型の一例を図3に示す。例示の金型は、図4に示す鍔付き圧粉体10を成形するものであって、ダイ1と、下パンチ2と、下パンチに対向させた上パンチ3とコアロッド4とからなる。下パンチ2は、ここでは下1パンチ2−1、下2パンチ2−2、下3パンチ2−3の3つに分割しており、各々が円筒状をなすその3つの分割下パンチを同心的に組み合わせてコアロッド4の外周に配置している。
また、ダイ1に設けられた成形穴5の内面に、圧粉体の鍔12の外周の凹凸14(図のそれはセレーションなどの小サイズの凹凸)を成形する成形用凹凸6を形成し、下1パンチ2−1の外周と上パンチ3の外周にも、ダイの成形穴内面の凹凸6に対応させた噛み合い用凹凸(成形用凹凸と雌雄の関係をなして噛み合う凹凸)7,8をそれぞれ設けている。
この成形金型は、図4の圧粉体10の各部のうち、凹凸14を含めた鍔12の外周をダイ1の成形穴5で、鍔12の一端を下1パンチ2−1で、鍔12との間に軸方向の段差を生じた圧粉体の本体部11の一端を下2パンチ2−2で、圧粉体のボス部13の先端を下3パンチ2−3で、鍔12の他端も含めて本体部の他端を上パンチ3で、本体部中心の軸穴15をコアロッド4でそれぞれ成形する。
このとき、下1パンチ2−1の下2パンチ2−2上端からの上方への飛び出し量が大きかったり、下1パンチ2−1の厚みが薄くてその下1パンチ2−1の剛性が低かったりすると、成形圧で下1パンチ2−1が変形して(外側に膨らむ)ダイ1の内面にきつく押付けられ、この状態でダイ1と下1パンチ2−1の相対移動が起こって両者が焼き付くことがある。
下1パンチ2−1の外周の噛み合い用凹凸7のうち一部の凹凸のみが線接触に近い状況でダイに押付けられるため、接触面に作用する面圧が大きくなり、それが焼き付きを助長させる。
なお、下記特許文献1は、図3の下1パンチ2−1に相当するパンチ部材の厚みが薄くてそのパンチ部材の剛性が低い場合、そのパンチ部材が焼き付く虞があることを述べている。そして、その対策として特許文献1は、剛性の低いパンチ部材に設けていた成形面を外側ロアパンチ(この発明のダイに相当する)に設けて剛性の低いパンチ部材と外側ロアパンチをひとつにする構造を提案している。
特開平9−94699号公報
図3の金型は、上述したように、下1パンチとダイの焼き付きが起こる。そこで、対応
策として、図3の下1パンチ2−1とダイ1を一体化して金型を図5に示すような構造にすることを試みたが、その構造では、成形後の圧粉体をダイから抜き出すときに鍔12のダイに接触している側の表層部分がダイに付着したままになって剥がれ、鍔の成形部に型抜き用のバックテーパをつけることが許容されない圧粉体の成形ではその剥がれが著しくて鍔の形が崩れ、良好な圧粉体を作ることができなかった。
策として、図3の下1パンチ2−1とダイ1を一体化して金型を図5に示すような構造にすることを試みたが、その構造では、成形後の圧粉体をダイから抜き出すときに鍔12のダイに接触している側の表層部分がダイに付着したままになって剥がれ、鍔の成形部に型抜き用のバックテーパをつけることが許容されない圧粉体の成形ではその剥がれが著しくて鍔の形が崩れ、良好な圧粉体を作ることができなかった。
特許文献1が開示している発明は、まさにこの構造であり、圧粉体の外周に設けられる鍔が大きくなると、上述したように鍔の形が崩れて圧粉体が不良品になる。
この発明は、上述した如き鍔付き圧粉体を、金型の焼き付き防止と圧粉体の品質維持を図りながら成形できるようにすることを課題としている。
上記の課題を解決するため、この発明においては、本体部の外周に鍔を有し、その鍔の外周に凹凸が軸方向に平行な直線状に形成された鍔付き圧粉体を成形する金型を以下の通りに改善した。即ち、成形穴を有するダイと、下1パンチの内側に下2〜下n(nは下パンチの数であり、n≧2)までのパンチを順に挿入して構成される下パンチと、上パンチを備えさせるとともに、前記成形穴の上側部分は成形用凹凸を備えた穴、下側部分は凹凸の無い円形穴としてそれぞれ形成し、前記円形穴に前記下1パンチを円形嵌合させ、前記圧粉体の外周の凹凸の成形がダイに設けられた前記成形用凹凸によって、前記鍔の片側の端面(凹凸を除いた部分の端面)の成形が前記下1パンチによってそれぞれなされるようにした。
この成形金型は、中心に軸穴を有する圧粉体を成形するときには、軸穴成形用のコアロ
ッドを下nパンチの内側に備えさせる。
ッドを下nパンチの内側に備えさせる。
この発明の成形金型は、圧粉体の鍔の外周の凹凸を成形する成形用凹凸をダイに形成される成形穴の上側部分に設け、下1パンチでは前記鍔の凹凸部を除いた部分の端面のみを成形するようにしたので、下1パンチの外周に従来設けていた噛み合い用凹凸が不要になり、ダイの成形穴の下側部分と下1パンチを円形嵌合させることが可能になる。その円形嵌合によれば、凹凸がある状態での嵌合(線接触)に比べると接触面積が広がって面接触となるため、接触面に加わる単位面積当たりの押し付け圧が小さくなって金型の焼き付きが抑制される。
また、圧粉体の鍔の凹凸部を除いた部分の端面は下1パンチで成形するようにしたので、その部分をダイで成形するときに発生する圧粉体の鍔の型抜き時の形崩れも起こらず、欠陥部の無い良好な圧粉体が得られる。
以下、添付図面の図1及び図2に基づいてこの発明の成形金型の実施の形態について説明する。例示の金型装置は、図4に示す鍔付き圧粉体10を成形するものであって、ダイ1と、下パンチ2と、下パンチ2に対向させた上パンチ3と、コアロッド4とからなる。下パンチ2は、下1パンチ2−1、下2パンチ2−2、下3パンチ2−3の3つに分割しており、各々が円筒状をなすその3つの分割下パンチを、下1パンチ2−1の内側に下2パンチ2−2、下3パンチ2−3が順に嵌るように同心的に組み合わせてコアロッド4の外周に配置している。
また、ダイ1に設けられた成形穴5の上側部分の内面に、圧粉体の鍔12の外周の凹凸
14を成形する成形用凹凸6を形成し、成形穴5の下側部分は表面に凹凸のない丸穴にしている。また、下1パンチ2−1は、外周面が断面円形の単純な円筒形状のパンチに形成し、この下1パンチ2−1を、成形穴5の成形用凹凸6の無い下側部分に軸方向スライド可能に円形嵌合させている。
14を成形する成形用凹凸6を形成し、成形穴5の下側部分は表面に凹凸のない丸穴にしている。また、下1パンチ2−1は、外周面が断面円形の単純な円筒形状のパンチに形成し、この下1パンチ2−1を、成形穴5の成形用凹凸6の無い下側部分に軸方向スライド可能に円形嵌合させている。
なお、上パンチ3は、成形用凹凸6と噛み合う噛合い用凹凸8を外周に設けた非分割パンチにしており、これは、従来品と変わるところが無い。
このように構成した例示の成形金型は、図4の圧粉体10の各部のうち、鍔12の外周の凹凸14の成形がダイ1に設けられた成形穴5の上側部分の成形用凹凸6によってなされ、また、鍔12の凹凸14を除いた部分の一端面の成形が下1パンチ2−1によって、鍔12との間に軸方向の段差を生じた圧粉体の本体部11の一端の成形が下2パンチ2−2によって、圧粉体のボス部13の先端の成形が下3パンチ2−3によって、鍔12の他端も含めた本体部の他端面の成形が上パンチ3によって、本体部中心の軸穴15の成形がコアロッド4によってそれぞれなされる。
圧粉体10に設けられる鍔12の径方向張り出し量が小さい場合、下1パンチ2−1の剛性確保が難しく、成形圧でその下1パンチ2−1が変形してダイ1の内面に押付けられるが、この発明の成形金型は、下1パンチ2−1をダイ1に対して円形嵌合させているので、下1パンチの外周の凹凸が線接触状態でダイに押付けられる従来の金型に比べてダイ1と下1パンチ2−1の接触面積が広がり、単位面積当たりの押し付け圧が小さくなって両者が焼き付くことがなくなる。
また、圧粉体の鍔の外周に設けられる凹凸のみをダイで成形し、鍔の一端面は従来と同
様に下1パンチで成形するので、型抜き時の圧粉体の鍔の形崩れも起こらず、欠陥部の無
い良好な圧粉体が得られる。例示の成形金型の場合、成形後の圧粉体をダイから抜き出すときに、図2に示すように、圧粉体10の全体が成形穴5から抜け出す位置までダイ1を降下させ、次に、下1パンチ2−1と下2パンチ2−2を順番に引き下げて圧粉体から外すことで鍔12の端面や本体部11の端面の剥がれをなくすことができ、金型の焼き付き防止と圧粉体の品質維持を両立させることが可能である。
様に下1パンチで成形するので、型抜き時の圧粉体の鍔の形崩れも起こらず、欠陥部の無
い良好な圧粉体が得られる。例示の成形金型の場合、成形後の圧粉体をダイから抜き出すときに、図2に示すように、圧粉体10の全体が成形穴5から抜け出す位置までダイ1を降下させ、次に、下1パンチ2−1と下2パンチ2−2を順番に引き下げて圧粉体から外すことで鍔12の端面や本体部11の端面の剥がれをなくすことができ、金型の焼き付き防止と圧粉体の品質維持を両立させることが可能である。
1 ダイ
2 下パンチ
2−1 下1パンチ
2−2 下2パンチ
2−3 下3パンチ
3 上パンチ
4 コアロッド
5 成形穴
6 成形用凹凸
7,8 噛み合い用凹凸
10 圧粉体
11 本体部
12 鍔
13 ボス部
14 凹凸
15 軸穴
2 下パンチ
2−1 下1パンチ
2−2 下2パンチ
2−3 下3パンチ
3 上パンチ
4 コアロッド
5 成形穴
6 成形用凹凸
7,8 噛み合い用凹凸
10 圧粉体
11 本体部
12 鍔
13 ボス部
14 凹凸
15 軸穴
Claims (1)
- 本体部(11)の外周に鍔(12)を有し、その鍔(12)の外周に凹凸(14)が軸方向に平行な直線状に形成された鍔付き圧粉体(10)用の成形金型であって、
成形穴(5)を有するダイ(1)と、下1パンチ(2-1)の内側に下2〜下n(nは下パンチの数)までのパンチを順に挿入して構成される下パンチ(2)と、上パンチ(3)を有し、前記成形穴(5)の上側部分が成形用凹凸(6)を備えた穴、下側部分が表面に凹凸の無い丸穴としてそれぞれ形成された鍔付き圧粉体の成形金型。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007243370A JP2009072810A (ja) | 2007-09-20 | 2007-09-20 | 鍔つき圧粉体の成形金型 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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JP2009072810A true JP2009072810A (ja) | 2009-04-09 |
Family
ID=40608334
Family Applications (1)
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JP2007243370A Pending JP2009072810A (ja) | 2007-09-20 | 2007-09-20 | 鍔つき圧粉体の成形金型 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009072810A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014140877A (ja) * | 2013-01-25 | 2014-08-07 | Sumitomo Denko Shoketsu Gokin Kk | 粉末成形用金型 |
JP2016093837A (ja) * | 2014-11-11 | 2016-05-26 | 住友電工焼結合金株式会社 | 圧粉体の製造方法 |
-
2007
- 2007-09-20 JP JP2007243370A patent/JP2009072810A/ja active Pending
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