JP2009072808A - 溶湯の濾過方法及びこれを使用する注湯方法、並びにこれらの方法を使用する注湯装置 - Google Patents

溶湯の濾過方法及びこれを使用する注湯方法、並びにこれらの方法を使用する注湯装置 Download PDF

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Abstract

【課題】メッシュサイズの小さいフィルタに対する溶湯の通流を可能として、該溶湯を充分に濾過し得る注湯装置等を提供する。
【解決手段】この注湯装置1は、密閉された坩堝4内に貯留された溶湯Mを加圧する加圧手段6と、該加圧手段によって加圧された溶湯を坩堝外へ導く導出パイプ25と、該導出パイプから流入した溶湯を一時的に貯留する取鍋26と、該取鍋の流入口26a付近に設けられ、導出パイプから取鍋内に流入する溶湯を濾過する溶湯濾過フィルタ27と、を備えていて、溶湯を加圧手段によって加圧しながら前記フィルタを通過させて濾過する構成としたことにより、目の細かいフィルタを使用しても目詰まりを生じてしまうおそれがなく、より目の細かいフィルタを使用することが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、鋳物を製造する際の溶融金属、いわゆる溶湯の濾過方法及びこの方法を使用して溶湯を濾過しつつこれにより得られた清浄な溶湯を鋳型に注湯するための注湯方法、並びにこれらの方法を使用する注湯装置に関する。
周知のように、鋳造とは、いわゆる溶湯を鋳型に注入してこれを凝固させることによって所定形状の鋳物を得る方法をいうが、前記溶湯には、溶融された金属そのものの他に、酸化物や窒化物などの非金属物質が含まれているため、この溶湯をそのまま鋳型に注湯して凝固させたのでは金属の純度が低くなり、鋳物の強度が不足してしまうおそれがある。
そこで、前記溶湯を鋳型へ注湯する前に濾過し、これによって得られた前記非金属物質の少ない清浄な溶湯から鋳物を成形することによって前記強度不足を解消することとしているが、前記溶湯を濾過するにあたっても種々の方法が提案されている。そして、そのうちの一つの方法としてフィルタを用いた濾過方法があり、かかる濾過方法を使用した注湯装置としては、以下の特許文献1に記載されたものが知られている。
この注湯装置は、金属を溶解する溶解炉と、該溶解炉に一体に形成されて、底部側から上方へ向かって逆さL字形状を成す溶湯供給ノズルと、該溶湯供給ノズルの流出口の内部に配設されたフィルタと、を備えており、前記溶湯供給ノズルの流出口が下方を向くように前記溶解炉を傾動させることによって、該溶解炉内の溶湯を、前記フィルタを通過させることによって濾過しつつ鋳型に注湯するようになっている。
特開平9−234558号公報
しかしながら、従来の注湯装置にあっては、溶湯を鋳型に注入する際に単に溶湯の自重により自然に前記フィルタを通過させるようになっていることから、メッシュサイズの小さい(目の細かい)フィルタを適用した場合には、かかるフィルタの網目が溶湯通過の際の抵抗となり、該フィルタに目詰まりが生じてしまう。このため、前記注湯装置では、使用可能なフィルタのメッシュサイズが実質的に制限されてしまい、溶湯の濾過を充分に行うことができないという技術的課題を招来していた。
本発明は、このような技術的課題に着目して案出されたものであって、メッシュサイズの小さいフィルタに対する溶湯の通流を可能として、該溶湯を充分に濾過し得る注湯装置等を提供するものである。
本発明は、タンク内に貯留された溶湯を加圧する加圧手段と、前記タンクの上蓋に貫通配置され、下端側が前記タンク内の溶湯中に沈められている一方、上端側が前記タンクの外部に臨むように設けられ、前記加圧手段によって加圧された溶湯を前記タンク外へ導く導出管と、該導出管の上端部から分離可能に連結されると共に、前記導出管の上端開口に連通する流入口を有し、該流入口を介して前記導出管から流入した溶湯を一時的に貯留する取鍋と、該取鍋の前記流入口に設けられ、前記導出管から前記取鍋内に流入する溶湯を濾過するフィルタと、を備え、前記加圧手段で加圧することによって前記導出管から前記フィルタを通過させた溶湯を前記取鍋内に貯留し、この取鍋を前記導出管から分離させつつ該取鍋内の溶湯を鋳型内に注入したことを特徴としている。
この発明によれば、溶湯を加圧手段によって加圧しながらフィルタに通して濾過する構成としたため、目の細かいフィルタを使用しても目詰まりを生じてしまうおそれがなく、より目の細かいフィルタを使用することが可能となる。これにより、溶湯の濾過を充分に行うことができる。
しかも、取鍋を導出管から分離可能に構成し、該取鍋の流入口にフィルタを一体的に設けたことから、溶湯の充分な濾過を行うべく目の細かいフィルタを使用する限りは、該フィルタにおける溶湯の自重に基づく通過が抑制されて、取鍋の流入口がフィルタによって閉塞された状態となる。これにより、取鍋を導出管から分離させて溶湯を鋳型へ注湯する際に取鍋の流入口を別途閉塞することなく、濾過した溶湯を迅速かつ容易に鋳型へ注湯することが可能となり、かかる注湯時の作業性の向上も図れる。
以下に、本発明に係る溶湯の濾過方法及びこれを使用する注湯方法、並びにこれらの方法を使用する注湯装置の各実施の形態を図面に基づいて詳述する。なお、本実施の形態では、かかる注湯装置等を、従来と同様に溶湯を濾過して鋳型へ注湯する製造工程に適用したものを示している。
概略を説明すれば、この注湯装置1は、図1に示すように、所定の昇降手段2によって図中の上下方向に昇降自在に設けられた電気炉3と、該電気炉3の内部収容空間に収容配置されて密閉状態に設けられた坩堝4と、該坩堝4内に溶湯Mを導入する導入手段5と、該導入手段5を介して導入された前記坩堝4内の溶湯Mを加圧する加圧手段6と、該加圧手段6によって加圧された溶湯Mを鋳型7へと注湯する注湯手段8と、この装置を電気的に制御する制御手段9と、を備えている。
前記昇降手段2は、いわゆる回転式のジャッキであって前記電気炉3を昇降させる昇降機構10と、該昇降機構10に駆動力を付与する電動モータ11を備えている。前記昇降機構10は、上下平行に配置された上板と下板との間に上下方向へ伸縮自在に設けられた伸縮部10aを有し、該伸縮部10aに連係されたねじ部10bを回転させることで前記上板が昇降するようになっている。そして、前記ねじ部10bが前記電動モータ11の駆動軸と連結されることで、該電動モータ11の回転方向に応じた昇降機構10の昇降が可能となっている。なお、前記電動モータ11には図外の回転角度センサが設けられており、この回転角度センサを含めて電動モータ11は前記制御手段9に接続され、装置1の作動状態に応じて回転方向が制御されるようになっている。
前記電気炉3は、二層構造を有するほぼ有底円筒状に形成され、外面がステンレスなどの鉄系材料によって構成されていると共に、内面が耐火材によって構成されている。そして、この電気炉3の耐火材からなる内周壁には前記坩堝4を取り巻くように発熱体12が埋設されていて、この発熱体12に通電することによって溶湯Mの溶融状態が保持されるようになっている。
前記坩堝4は、ほぼ有底円筒状に形成され、上端開口部が蓋部材13によって閉塞されている。そして、この蓋部材13の底面と坩堝4の上端開口部の端面との間には円環状のシール部材14が介装されていて、坩堝4の内部空間Sが密閉された状態になっている。
なお、前記蓋部材13には、前記坩堝4内の溶湯Mの最大貯留量(最大湯面位置)を検知するレベルセンサ15が貫通配置されており、このレベルセンサ15のプローブの下端が坩堝4の底面から所定の高さ位置となるように設けられている。そして、かかるレベルセンサ15は、前記制御手段9に接続されていて、前記プローブの先端に溶湯Mの湯面が接触して溶湯Mの貯留量が最大となったことを検知すると前記制御手段9に信号を出力し、該制御手段9により連係して制御される図外の溶湯導入器による溶湯Mの導入が規制されるようになっている。
前記導入手段5は、前記蓋部材13に対し斜行して貫通形成された斜行貫通孔13aを介して外方から傾斜状に差し込まれていて、前記坩堝4内に溶湯Mを導入するほぼ円筒状の導入パイプ16と、該導入パイプ16の上端開口を開閉する開閉蓋17と、該開閉蓋17を開閉駆動する電動モータ18と、を備えている。
前記導入パイプ16は、流出口となる下端側が小径に形成されている一方、導入口となる上端側がほぼ段差拡径状に広く開口形成されていて、内周側に形成された筒状通路16aが坩堝4の底面に対して所定の角度θ1をなすように差し込まれていると共に、該筒状通路16a入口側の周方向の所定範囲には、前記坩堝4の底面に対し前記角度θ1よりも小さい角度θ2をなす傾斜部16bが形成されている。
また、この導入パイプ16は、前記上端側の拡径部のうち、ほぼ顎状に形成された突出部16c(図1中の右半部)の下面が前記蓋部材13の上面に着座するように取り付けられ、かかる取付状態において、前記坩堝4内に規定量の溶湯Mが導入されても先端(下端)が溶湯M中に浸漬しない程度の長さに設定されている。
前記開閉蓋17は、ほぼ円盤状に形成されていて、前記導入パイプ16の上端開口部を閉塞した状態において該導入パイプ16の外周部の前記突出部16cに対応する部分に、かかる部分に対して接線方向に沿って配置された電動モータ18の駆動軸に相対回転不能に支持される支持部17aが設けられている。これによって、電動モータ18の回転方向に応じて開閉蓋17が導入パイプ16の上端開口部を開閉するようになっている。なお、この電動モータ18も前記制御手段9に接続されていて、装置1の作動状態に応じて回転方向が制御されるようになっている。
また、前記開閉蓋17の内側面の外周縁部には、該開閉蓋17が閉じた状態において前記導入パイプ16の上端開口部の端面に接触するように配置されたほぼ円環状のシール部材19が接着されていて、開閉蓋17が導入パイプ16の上端開口部を閉塞する際に、該導入パイプ16の上端開口が前記シール部材19のシール作用によって密閉されるようになっている。
前記加圧手段6は、一端部が前記蓋部材13に貫通形成された貫通孔13bを介して外方から差し込まれて、前記坩堝4の内部空間S内に臨むほぼ円筒状のガス導入管20と、該ガス導入管20の他端に接続されて内部に窒素ガスが封入されたボンベ21と、該ボンベ21の下流側に配置され、このボンベ21から流出した窒素ガスの流通を許容又は抑止する電磁弁22と、該電磁弁22より下流側に配置され、窒素ガスの流量を制御する流量制御弁23と、該流量制御弁23と電磁弁22との間に設けられ、窒素ガス以外の水分や油分を除去するガス濾過フィルタ24と、を備えている。
そして、この加圧手段6は、前記坩堝4の内部空間S内に約0.2〜0.6気圧の範囲内に設定された所定量の窒素ガスを導入して該内部空間S内の圧力を高め、かかる気圧によって坩堝4内に貯留された溶湯Mの湯面を押し下げることにより、該溶湯Mを後述する導出パイプ25を介して坩堝4の外部に吐出させるようになっている。なお、前記電磁弁22は、前記制御手段9に接続されていて、装置1の作動状態に応じてその開閉が制御されるようになっている。
前記注湯手段8は、前記蓋部材13に貫通形成された挿通孔13cを介して一端側(下端側)が坩堝4内に臨むようにほぼ垂直に貫通配置され、前記坩堝4内の溶湯Mを外部へ導出する導出パイプ25と、該導出パイプ25の上端部に分離可能に設けられ、この導出パイプ25を介して坩堝4から導出された溶湯Mを鋳型に注湯する前に一時的に貯留する取鍋26と、該取鍋26と前記導出パイプ25の間に介装され、該導出パイプ25から前記取鍋26内に流入する溶湯Mを濾過するフィルタである溶湯濾過フィルタ27と、を備えている。
前記導出パイプ25は、ほぼ円筒状に形成され、他端側(上端側)の外周にはほぼ円環状のフランジ28が一体的に固定されていて、このフランジ28が前記蓋部材13の上面に着座することによって該蓋部材13にぶらさがり状態に取り付けられている。なお、前記フランジ28の下面と蓋部材13の上面との間には、円環状のシール部材29が挟持状態に介装されている。
そして、この導出パイプ25は、下端部が前記坩堝4内に貯留された溶湯M中にほぼ常時臨むように、すなわち坩堝4の底部に近接するように前記蓋部材13に取り付けられている一方、上端部がフランジ28の上面から若干突出する突出部25aが設けられている。
また、前記導出パイプ25の上端面には、ほぼ円盤状に形成され、前記取鍋26の下端縁に設けられた後述するフィルタ挟持用フランジ33と一緒に前記溶湯濾過フィルタ27を挟持状態に保持するフィルタ挟持部材30が載置されている。このフィルタ挟持部材30は、周方向の複数箇所に取り付けられたクリップ31によって前記フィルタ挟持用フランジ33に連結され、前記クリップ31の挟持力によって溶湯濾過フィルタ27を保持している。そして、このフィルタ挟持部材30の下面と前記フランジ28の上面との間には、前記導出パイプ25の突出部25aの外周に嵌着された円環状のシール部材32が挟持状態に介装されている。
前記取鍋26は、ほぼ漏斗状に形成されていて、下端側がほぼ円筒状に形成され、上端側へ向かって内外径が漸次拡径するように設けられている。そして、この取鍋26の下端縁となる流入口26aの外周域には、前記フィルタ挟持用フランジ33が拡径状に一体形成されている。
前記フィルタ保持部材30及びフィルタ挟持用フランジ33の外周縁には、周方向において互いに対応する所定位置に、前記各クリップ31が複数の対を成して取り付けられるクリップ取付部がそれぞれ切欠形成されて、該クリップ取付部は、前記フィルタ保持部材30及びフィルタ挟持用フランジ33において各板厚が径方向外側へ向かって漸次薄くなるようなテーパ面30a,33aによって構成されている。
一方、前記各クリップ31は、ほぼコ字形状に形成され、その内側面には、前記フィルタ保持部材30及びフィルタ挟持用フランジ33の各テーパ面30a,33aに対応する一対のテーパ面31a,31aが形成されている。
これにより、前記各クリップ31は、前記テーパ面31a,31aを介して前記フィルタ保持部材30及びフィルタ挟持用フランジ33の各テーパ面30a,33aに圧接することとなり、この圧接力によってフィルタ保持部材30及びフィルタ挟持用フランジ33を効果的に挟持することが可能となっている。
また、前記取鍋26の上端部外周における周方向の所定位置には、電動モータ34の駆動軸によって相対回転不能に支持される26bが突設されていて、該電動モータ34の駆動力によって取鍋26を回動させることが可能となっている。なお、この電動モータ34も前記制御手段9に接続されていて、装置1の作動状態に応じて回転方向が制御されるようになっている。
さらに、前記取鍋26の上端開口部には、該取鍋26内に貯留する溶湯Mの最大貯留量(最大湯面位置)を検知するレベルセンサ35が配設されており、このレベルセンサ35のプローブの下端が坩堝4の底面から所定の高さ位置となるように設けられている。このレベルセンサ35も、前記レベルセンサ15と同様に前記制御手段9に接続されていて、前記プローブの先端に溶湯Mの湯面が接触して溶湯Mの貯留量が最大となったことを検知すると前記制御手段9に信号を出力し、該制御手段9によって連係して制御される前記電磁弁22が窒素ガスの導入を規制することにより、坩堝4から取鍋26への溶湯Mの導出が規制されるようになっている。
なお、前記取鍋26には、内部に高温の溶湯Mを貯留可能とすべく、内周面にセラミックコーティングが施されていて、該取鍋26の耐熱性の向上が図られている。
前記溶湯濾過フィルタ27は、溶湯Mの自重による圧力では該溶湯Mを通過させない程度のメッシュサイズ、具体的には、1インチ長さあたり80以上の網目が形成される(いわゆる80メッシュ以上)メッシュサイズを有する鉄系材料からなる金網であって、両側面側にそれぞれほぼ円環状のシール部材36,37を挟んでフィルタ保持部材30及びフィルタ挟持用フランジ33の対向面間に挟持状態に保持されている。
前記制御手段9は、本装置1の作動を制御するコントローラであって、前記レベルセンサ15,35など各種のセンサからの信号に基づいて装置1の作動状態を管理すると共に、かかる装置1の作動状態に応じて前記電動モータ11,18,34や電磁弁22などの各種電気部品を駆動制御するようになっている。
以下、本発明に係る注湯装置1の作用について図1に基づいて詳述すると共に、該装置1による溶湯Mの濾過方法及び注湯方法についても併せて説明する。
まず、導入工程として、前記制御手段9の制御電流に基づき前記電動モータ18を反時計方向へ回転駆動させることによって前記開閉蓋17を開作動させ、前記溶湯導入器から導入パイプ16の傾斜部16bに溶湯Mを注湯する。すると、溶湯Mは、前記傾斜部16bから筒状通路16aを伝って坩堝4内に流れ込み、該坩堝4内に貯留されることとなる。このようにして、前記坩堝4内に溶湯Mを規定量まで貯留させる。
この際、前記導入パイプ16を所定角度θ1だけ傾けて設置し、さらにこの導入パイプ16の導入部分となる上端開口部に前記所定角度θ1よりも鋭角な角度θ2に設定された前記傾斜部16bを設けたことにより、注湯された溶湯Mは前記傾斜部16bから筒状通路16aを介して坩堝4内にゆっくりと流れ込むことになる。換言すれば、溶湯Mが坩堝4内に勢いよく流れ込んでしまうおそれがないことから、これに伴い生じる溶湯M中の気泡や酸化膜などの生成を防止することができる。
続いて、前記坩堝4内に溶湯Mが規定量まで貯留されると、前記レベルセンサ15から前記制御手段9へと信号が送信されて、かかる信号に基づき前記溶湯導入器からそれ以上の溶湯Mの導入が規制されると共に、前記電動モータ18が時計方向に回転駆動されて開閉蓋17が閉作動されることとなる。そして、かかる溶湯M導入完了後、加圧工程として、前記レベルセンサ15からの信号に基づき前記電磁弁22が開作動され、前記ボンベ21からガス導入管20を介して窒素ガスが坩堝4の内部空間S内に導入される。
すると、かかる窒素ガスの圧力によって坩堝4内の溶湯Mの湯面が押圧され、導出工程として、該加圧された溶湯Mが導出パイプ25を介して取鍋26内へと押し込まれる。この際、つまり溶湯Mが前記導出パイプ25から取鍋26内へと流入する際、濾過工程として、溶湯Mは窒素ガスの圧力に基づき溶湯濾過フィルタ27を通過することとなり、これによって溶湯Mが濾過される。
このように、本実施の形態の場合には、溶湯Mを加圧して溶湯濾過フィルタ27に通す構成を採用したことから、従来のように溶湯をその自重に基づいてフィルタに通す場合と異なり、よりメッシュサイズの小さいフィルタ、つまり、より目の細かいフィルタを使用しても、該フィルタに目詰まりが生じてしまうおそれがない。よって、換言すれば、このような目の細かいフィルタを使用することで、溶湯Mを充分に濾過することができ、この結果、より清浄な溶湯Mを得ることができる。なお、この際、溶湯Mを加圧してフィルタ27に通しているため、該フィルタ27を溶湯Mによって詰まらせてしまうおそれもない。
しかも、本実施の形態の場合には、前記導出パイプ25の下端を坩堝4内に貯留された溶湯M中に浸漬させて、該溶湯Mを加圧することによってこの溶湯Mが坩堝4から導出パイプ25を介して取鍋26内に湧き出すように流入する構成とし、かかる流路の途中に前記フィルタ27を設けて溶湯Mを濾過するようにしたことから、該溶湯Mは、濾過された後、取鍋26に流入するまでの間、全く空気に触れることがない。このため、従来技術のように常時空気に触れた状態で濾過する場合と異なり、前記濾過後の溶湯Mにおいて気泡や酸化膜などが生成されてしまうおそれがない。これにより、前記濾過後において、清浄な溶湯Mを確実に得ることができる。
さらに、前記フィルタ27を挟持する前記フィルタ保持部材30とフィルタ挟持用フランジ33の各テーパ面30a,33aと、これら両部材30,33を連結する前記各クリップ31のテーパ面31a,31aと、の有機的な関連構成により、フィルタ27をより高い挟持力によって効果的に保持することができる。さらに、各クリップ31は径方向外側から圧入するのみによって容易に挟持力を高めることができるため、組み付け作業性の悪化を招来するおそれもない。
また、前記フィルタ27を挟持する際に、このフィルタ27の両側面に前記各シール部材36,37を介装して該フィルタ27と一緒に前記フィルタ保持部材30及びフィルタ挟持用フランジ33により挟持する構成としたことから、前述のような各クリップ31による高い挟持力に基づいて各シール部材36,37がフィルタ27の両側面に対して圧接することになる。これにより、前記各シール部材36,37のシール性の向上が図れ、溶湯Mの前記フィルタ27を通過する際の通流抵抗に起因した外部への漏出をより効果的に防止することができる。
こうして、貯留工程において、前記坩堝4内に貯留された溶湯Mが徐々に濾過されて取鍋26に貯留されていき、該取鍋26内に濾過後の溶湯Mが規定量まで貯留されると、前記レベルセンサ35から前記制御手段9へと信号が送信されて、かかる信号に基づき前記電磁弁22が閉作動することによって前記ボンベ21から坩堝4内への窒素ガスのそれ以上の導入が規制されることとなる。そして、この窒素ガスの導入を規制した後、注湯工程に移行することとなり、前記レベルセンサ35からの信号に基づいて前記電動モータ11が反時計方向に回転駆動され、これによって前記昇降機構10を下降させることで、前記導出パイプ25と取鍋26とを分離させる。
このとき、前記溶湯濾過フィルタ27は、溶湯Mの自重に基づく圧力では該溶湯Mを通過させない程度のメッシュサイズに設定されていることから、前記導出パイプ25と取鍋26とを分離しても、該取鍋26内に貯留された溶湯Mが前記フィルタ27を介して漏出することはほとんどなく、該フィルタ27が取鍋26の流入口26aを閉塞するように作用する。これにより、前記両者25,26を分離する際に、所定の閉塞部材によって取鍋26の流入口26aを別途閉塞する必要がないことから、装置1の構造が簡素化されると共に、この後の注湯作業に迅速に移行することができ、一連の注湯作業の作業性の向上が図れる。
続いて、前記昇降機構10が所定の高さ位置まで下降すると、前記回転角度センサから前記制御手段9に信号が送られ、この信号に基づき前記電動モータ34が時計方向に回転駆動されて取鍋26がその支持部26bを支点に図1中の反時計方向へ徐々に回動するようにして傾動される。そして、この取鍋26の上端開口部の外周縁が鋳型7の注湯口の口縁に当接すると、取鍋26内に貯留されていた濾過後の溶湯Mが鋳型7内に流入することとなる。
この鋳型7内への溶湯Mの注湯が完了すると、前記電動モータ34が反時計方向に回転駆動されて取鍋26がもとの姿勢(角度位置)へと戻され、該取鍋26が原位置に復帰すると、フィルタ交換工程として、図2に示すように、前記各クリップ31による前記フィルタ保持部材30とフィルタ挟持用フランジ33との連結を解除し、前記フィルタ27及び各シール部材36,37と、これらを挟持していたフィルタ保持部材30と、を新しいものに交換して各クリップ31によって再度連結する。さらに、前記フィルタ保持部材30とフランジ28の間に介装された前記シール部材29についても新しいものに交換する。
なお、これらの部品は、すべて新しいものに交換するのが望ましいが、前記フィルタ保持部材30や各シール部材29,36,37は、一度の濾過作用で必ずしも劣化してしまう訳ではないため、少なくとも前記フィルタ27のみを新しいものに交換すれば、前述したような本実施の形態の作用効果を維持することが可能となっている。
こうして、これらの部品を交換した後、前記電動モータ11が時計方向へと回転駆動されて昇降機構10を上昇させ、前記導出パイプ25と取鍋26とを再度連結させた後、前記電磁弁22を開作動させて、坩堝4から取鍋26内への溶湯Mの導出を開始する。
したがって、この実施の形態によれば、溶湯Mを、窒素ガスの圧力によって加圧しながら前記溶湯濾過フィルタ27に通して濾過する構成としたことから、該フィルタ27として目の細かいフィルタを使用しても、かかるフィルタ27に目詰まりを生じてしまうおそれがなく、該フィルタ27としてより目の細かいフィルタを使用することが可能となる。これによって、溶湯Mの濾過を充分に行うことができる。
しかも、前記取鍋26を導出パイプ25から分離可能に構成し、該取鍋26の流入口26aに前記フィルタ27を一体的に設けたことから、溶湯Mの充分な濾過を行うべく目の細かいフィルタ(具体的には80メッシュ以上)を使用する限りは、該フィルタ27における溶湯Mの自重に基づく通過が抑制されて、取鍋26の流入口26aが前記フィルタ27によって閉塞された状態となる。これにより、取鍋26を導出パイプ25から分離させて溶湯Mを鋳型7へ注湯する際に、前記流入口26aを別途閉塞することなく、濾過した溶湯Mを迅速かつ容易に鋳型7へ注湯することが可能となり、かかる注湯時の作業性の向上も図れる。
図3は前記第1の実施の形態に係る注湯装置1において、前記取鍋26を導出パイプ25から分離させて溶湯Mを鋳型7へ注湯する際に、この取鍋26内に貯留された溶湯Mが流入口26aから漏出してしまうことをより確実に防止し得る溶湯Mの漏出防止構造についての第1の他例を示す。
すなわち、この他例に係る取鍋26は、前記第1の実施の形態に係る取鍋26と同様に、下端に最小に縮径した開口部26dを有するほぼ擂鉢状に形成された擂鉢状部26Uと、この擂鉢状部26Uの下端から下方へ延出する円筒部26Lと、を備えていて、前記擂鉢状部26U内の開口部26dには、該開口部26dを閉塞するように栓部材38が配置されている。
この栓部材38は、溶湯Mよりも大きな比重を有する材料によってほぼ球状に形成され、前記擂鉢状部26Uの開口部26dの内側開口縁に密着して該開口部26dを閉塞するようになっている。なお、この栓部材38の外面には塗型剤が塗布されている。
この栓部材38の作用についてより具体的に説明すると、前記導出パイプ25を介して坩堝4から取鍋26に溶湯Mを導出する際には、前記加圧手段6により加圧された溶湯Mの流体圧によって前記栓部材38が持ち上げられて前記の開口部26dを介して擂鉢状部26Uと円筒部26Lが連通することになり、該円筒部26Lから擂鉢状部26U内に溶湯Mが流入する。そして、前記坩堝4内の溶湯Mの導出が完了した場合には、前記栓部材38に対し溶湯Mによる流体圧が作用しなくなることから、該栓部材38は、溶湯Mとの比重差に基づいて沈降して前記開口部26dを閉塞することとなる。これによって、前記開口部26dを介しての擂鉢状部26Uと円筒部26Lの連通が遮断され、円筒部26L内に流入した溶湯Mは、この溶湯Mの導出停止に伴い前記坩堝4の内圧との圧力差(負圧)に基づいて該坩堝4内へと引き戻されることとなる一方、擂鉢状部26U内に流入した溶湯Mは、前記開口部26dが閉塞されたことによって円筒部26L側への漏出が防止されることとなる。
したがって、この他例によれば、前記栓部材38によって取鍋26の開口部26を閉塞可能としたことから、たとえ溶湯Mがさらに昇温して高温になっても、また取鍋26から鋳型7へと注湯する際に該取鍋26が振動しても、前記擂鉢状部26Uに貯留された溶湯Mがから円筒部26L側へ漏出するのを確実に防止することができる。これにより、溶湯Mの歩留まりが向上すると共に、溶湯Mの漏出に基づく装置1及びその周辺の汚損を防止することができる。
図4は、前記第1の実施の形態に係る溶湯Mの漏出防止構造についての第2の他例を示しており、基本的な構成は前記第1の他例と同様であって、異なるところは、前記円筒部26Lが、前記擂鉢状部26Uとは円錐テーパの角度が異なるほぼ擂鉢状に形成された第2擂鉢状部26Uとして構成されていると共に、前記栓部材38が、かかる第2擂鉢状部26Lの内周形状に合わせた逆さ円錐台形状に形成されている。
よって、この他例によれば、前記栓部材38の外周面全体が取鍋26の前記第2擂鉢状部26Lの上端部内周面に密接することとなるため、前記第1の他例の場合と比べて、より確実な溶湯Mの漏出防止が図れる。
図5は、前記第1の実施の形態に係る溶湯Mの漏出防止構造についての第3の他例を示しており、前記第1の他例において前記栓部材38を廃止し、代わりに、前記溶湯濾過フィルタ27の上面に、ほぼ粒状に形成された複数の閉塞部材39が配置されている。
前記各閉塞部材39は、溶湯Mよりも大きな比重を有する金属材料によって形成され、一粒が少なくとも前記フィルタ27のメッシュサイズよりも大きいほぼ球状に形成されていて、該各閉塞部材39によって前記フィルタ27に目詰まりを発生させるようになっている。
より具体的には、前記導出パイプ25を介して坩堝4から取鍋26に溶湯Mが導出される場合には、前記第1の他例と同様に前記各閉塞部材39は加圧された溶湯Mの流体圧によって持ち上げられて、前記フィルタ27を介して導出パイプ25と取鍋26が連通することとなり、導出パイプ25から取鍋26への溶湯Mの流入が許容される。一方、坩堝4から取鍋26への溶湯Mの導出が完了した場合には、前記各閉塞部材39が溶湯Mとの比重差に基づき沈降して前記フィルタ27の各目をそれぞれ閉塞することとなり、これによって導出パイプ25と取鍋26の連通が遮断されることから、前記フィルタ27介しての取鍋26から外部への溶湯Mの漏出が抑止される。
したがって、この他例によれば、前記導出パイプ25から取鍋26を分離して鋳型7に注湯する場合に、取鍋26に貯留された溶湯Mが該取鍋26の下端部から外部へ漏出してしまうおそれがないため、溶湯Mの歩留まりが向上すると共に、溶湯Mの漏出に基づく装置1及びその周辺の汚損が防止される。
図6は、前記第1の実施の形態に係る溶湯Mの漏出防止構造についての第4の他例を示しており、前記第2の他例において前記栓部材38を廃止し、代わりに、前記溶湯濾過フィルタ27の上面にほぼ円板状に形成された閉塞部材39が配置されている。
前記閉塞部材39は、溶湯Mよりも大きな比重を有する金属材料によって形成され、前記取鍋26の流入口26aの内径よりも僅かに小径に設定された外径を有し、この閉塞部材39の側面によって前記流入口26aに開口する前記フィルタ27の目のほぼ全体を閉塞するようになっている。
かかる構成から、この他例においては、前記導出パイプ25を介して坩堝4から取鍋26に溶湯Mが導出される場合、前記第3の他例と同様に前記各閉塞部材39は加圧された溶湯Mの流体圧によって持ち上げられ、前記円筒部26Lの内周側通路を介して擂鉢状部26Uと前記フィルタ27が直接連通することとなる。このため、導出パイプ25と取鍋26とが前記フィルタ27を介して連通することとなり、この結果、導出パイプ25から取鍋26への溶湯Mの流入が許容される。
一方、前記坩堝4から取鍋26への溶湯Mの導出が完了した場合には、前記閉塞部材39は溶湯Mとの比重差に基づき沈降して、該閉塞部材39の側面によって前記流入口26aに開口する前記フィルタ27の各目が閉塞されることになる。これによって、導出パイプ25と取鍋26の連通が遮断されることとなり、前記フィルタ27を介しての取鍋26から外部への溶湯Mの漏出が抑止される。
したがって、この他例によれば、とりわけ、前記閉塞部材39の側面により前記流入口26aに開口する前記フィルタ27の目のほぼ全体を閉塞することが可能となるため、前記第3の他例に比べて、取鍋26に貯留された溶湯Mの漏出をより確実に防止することができる。
図7〜図10は、前記第1の実施の形態に係る溶湯Mの漏出防止構造についての第5の他例を示しており、前記溶湯濾過フィルタ27とシール部材37の間に介装された仕切板49によって取鍋26の流入口26aを閉塞したものである。
すなわち、この他例では、前記第1の実施の形態に係る注湯装置1において、図7に示すように、前記溶湯濾過フィルタ27とシール部材37の間に、該シール部材37と平行に移動自在に設けられた仕切板49と、該仕切板49の移動を案内するガイド部材50と、が重合して介装されている。
前記仕切板49は、図7及び図8に示すように、ほぼ板状に形成された金属板であって、外形がほぼT字形状に形成され、ほぼ中央位置には所定の大きさを有する貫通孔49aが貫通形成されている。
一方、前記ガイド部材50は、金属材料によってほぼコ字形状に形成され、突出した両側壁の間に一体形成された底壁の中心には、前記仕切板49の貫通孔49aと同心に形成された貫通孔50aが貫通形成されている。また、このガイド部材50は、前記シール部材37側を向くように配置され、この両側壁の高さは前記仕切板49の板厚とほぼ同じ大きさに設定されている。
そして、かかる注湯装置1では、図7に示すように、前記ガイド部材50が前記フィルタ27の上面に載置され、さらにガイド部材50の内底面に前記仕切板49が載置され、該仕切板49が移動時に前記ガイド部材50の内底面とシール部材37の側面との間で摺接するようにそれぞれ重合して組み付けられていて、これらは前記各クリップ31の挟持力によって前記フィルタ保持部材30とフィルタ挟持用フランジ33との間に挟持されている。
以上の構成から、この他例においては、前記導出パイプ25を介して坩堝4から取鍋26に溶湯Mが導出される場合、図9に示すように、前記仕切板49の貫通孔49aとガイド部材50の貫通孔50aとが合致して重合するように仕切板49を移動させることによって取鍋26の前記流入口26aと前記フィルタ27とが連通することとなる。このため、導出パイプ25と取鍋26とが前記フィルタ27を介して連通することとなり、この結果、導出パイプ25から取鍋26への溶湯Mの流入が許容される。
一方、前記坩堝4から取鍋26への溶湯Mの導出が完了した場合には、図10に示すように、前記仕切板49を移動させることによって該仕切板49におけるガイド部材50との摺動面によってガイド部材50の貫通孔50aが閉塞される。これによって、導出パイプ25と取鍋26の連通が遮断されることとなり、前記フィルタ27を介しての取鍋26から外部への溶湯Mの漏出が抑止される。
したがって、この他例によれば、前記仕切板49によって取鍋26の流入口26aと前記フィルタ27との連通を完全に遮断する構成としたことにより、取鍋26に貯留された溶湯Mの漏出を確実に防止することができる。
図11は、本発明に係る注湯装置1の第2の実施の形態を示し、前記第1の実施の形態に係る取鍋26の形状のみを変更したものである。
すなわち、この注湯装置1の取鍋40は、図中右側の円筒状部分の下端部外周に設けられた前記フィルタ挟持用フランジ33を介して前記第1の実施の形態と同様に前記各クリップ31によって導入パイプ25の上端部に連結されていて、前記溶湯濾過フィルタ27を介して導入パイプ25の上端開口部に臨む円筒通路41と、該円筒通路41の上端開口部から図中の左方に延設されたガイド通路42と、該ガイド通路42を介して前記円筒通路41と連通し、前記フィルタ27によって濾過された溶湯Mを一時的に貯留する貯留部43と、を有し、前記各通路41,42及び貯留部43の内面には、セラミックコーティングが施されている。
前記円筒通路41を構成する部分は、前記第1の実施の形態と同様にほぼ漏斗状に形成されていて、下端部に開口形成された流入口41aが前記フィルタ27を介して導出パイプ25の上端開口部に臨んでいる一方、上端側に形成された擂鉢状部の周壁の一部が前記ガイド通路42に開口している。
前記ガイド通路42は、横断面ほぼ円弧状となる溝通路状に形成され、その溝深さが前記円筒通路41との連通部において最も浅く、前記貯留部43側へ向かって前記溝深さが漸次深くなるような緩やかな下り傾斜状となるように構成されている。
前記貯留部43は、上方へ向かって内径が漸次拡径するほぼ擂鉢状に形成され、その深さ方向の所定位置を境に上端部の周壁が下端側部分の周壁よりも小さいテーパ角度となるように構成されていると共に、上端側部分の周壁の一部が、前記ガイド通路42に開口している。
また、この貯留部43の上端部外周における周方向の所定位置には、前記電動モータ34の駆動軸に相対回転不能に固定される支持部40aが突設されていて、電動モータ34の駆動力によって取鍋40が回動するようになっている。さらに、前記貯留部43の上端開口部には、該貯留部43内に貯留する溶湯Mの最大貯留量(最大湯面位置)を検知する前記レベルセンサ35が配設されていて、坩堝4から取鍋40への溶湯Mの導出が規制されるようになっている。
以下、本実施の形態に係る注湯装置1の具体的な作用について図11に基づいて詳述するが、前記溶湯濾過フィルタ27によって溶湯Mを濾過するまでの基本的な作用は前記第1の実施の形態と同様であることから、当該実施の形態の特徴的な作用である溶湯M濾過後の作用についてのみ説明する。
すなわち、前記濾過工程後、前記フィルタ27によって濾過された溶湯Mが前記流入口41aから円筒通路41へと流入することにより、該円筒通路41内における溶湯Mの湯面が徐々に上昇する。そして、該湯面が所定の高さ位置まで上昇したところで、前記ガイド通路42内に溶湯Mが流入することとなる。そして、このガイド通路42内に流入した溶湯Mは、ガイド通路42の緩やかな下り傾斜に基づいてゆっくりと前記貯留部43内に流れ込む。
この際、溶湯Mはガイド通路42の緩やかな下り傾斜に基づいてゆっくりと前記貯留部43内に流れ込むことから、かかる貯留部43への溶湯M流入時において、溶湯Mが貯留部43の周壁や底壁に衝突することがない。このため、前記濾過後の溶湯Mに気泡や酸化膜などが生成されるおそれがなく、濾過後において清浄な溶湯Mを確実に得ることができる。
このように、貯留工程においては、前記坩堝4から導出された溶湯Mが徐々に前記貯留部43に貯留されていき、該貯留部43内に濾過後の溶湯Mが規定量まで貯留されると、前記レベルセンサ35からの信号に基づき前記加圧手段6による加圧作用が停止して、坩堝4からの溶湯Mの導出が完了する。すると、その時点において前記ガイド通路42内流入した溶湯Mはこのガイド通路42の傾斜によってすべて貯留部43内に流入することとなる一方、ガイド通路42には到達せずに前記円筒通路41内に滞留している溶湯Mはこの溶湯Mの導出停止に伴い坩堝4の内圧との圧力差(負圧)に基づいて該坩堝4内へと引き戻されることとなる。
そして、前記加圧手段6による加圧作用が停止してから所定時間が経過した後、すなわち前記円筒通路41内の溶湯Mがすべて坩堝4内に還流された後、前記電動モータ11を回転駆動して前記昇降機構10を下降させることにより、導出パイプ25と取鍋40とを分離させる。
このとき、前記濾過後の溶湯Mはすべて前記貯留部43内に貯留されて前記円筒通路41内には一切溶湯Mが残留していないことから、導出パイプ25と取鍋40とを分離しても、該取鍋40内に貯留された溶湯Mが前記フィルタ27を介して漏出するおそれがない。これによって、前記両者25,40を分離するに際して、所定の閉塞部材によって前記流入口41aを別途閉塞する必要がなく、装置1の構造が簡素化されると共に、この後の注湯作業に迅速に移行することが可能となり、一連の注湯作業の作業性の向上が図れる。
続いて、前記昇降機構10が所定の高さ位置まで下降すると、前記電動モータ34が回転駆動して取鍋40全体が前記支持部40aを支点に図11中の反時計方向へ徐々に回動するように傾動する。そして、貯留部43の上端開口部の外周縁が鋳型7の注湯口の口縁に当接すると、該貯留部43内に貯留されていた溶湯Mが鋳型7内に流入する。
ここで、前記貯留部43は、上端部の周壁のテーパ角度が小さく設定されていることから、鋳型7に溶湯Mを注湯する際に、該溶湯Mが鋳型7内に急激に流入してしまうおそれがない。このため、前記濾過後の溶湯Mに気泡や酸化膜などを生成させることなく、濾過後の清浄な溶湯Mを鋳型7内に注湯することができる。
そして、この鋳型7内への溶湯Mの注湯が完了した後は、前記第1の実施の形態と同様に、前記電動モータ34を回転駆動して取鍋40をもとの姿勢に戻し、前記フィルタ交換工程を経て前記導出パイプ25と取鍋40とを再び連結させて、坩堝4から取鍋40内への溶湯Mの導出を開始する。
したがって、この実施の形態によれば、前記注湯工程において導出パイプ25と取鍋40とを分離した際に前記フィルタ27を介して外部に臨む前記流入口41aと連通する円筒通路41と、溶湯Mを貯留する前記貯留部43と、を分けて構成したことにより、取鍋40から導出パイプ25を分離した際の取鍋40からの溶湯Mの漏出をより確実に防止することができる。
図12は、本発明に係る注湯装置1の第3の実施の形態を示し、前記第2の実施の形態に係る取鍋40を分割形成して、前記貯留部43をガイド通路42の下流端部の近傍において分離可能に構成したものである。
すなわち、この注湯装置1の取鍋44は、前記取鍋40の円筒通路41及びガイド通路42に相当する円筒通路46及びガイド通路47によって構成される通路部45と、該通路部45の終端部に接続され、前記取鍋40の貯留部43に相当する貯留部48と、を有し、前記通路部45と貯留部48とが分割形成されている。なお、前記通路部45を構成する円筒通路46及びガイド通路47の構成については、前記第2の実施の形態と同様であるため、説明は省略する。
前記貯留部48は、基本的な構成は前記第2の実施形態に係る取鍋40の貯留部43と同様であり、異なるところは、ほぼ擂鉢状に形成された上端側部分の周壁の一部に、前記ガイド通路47の下流端部と密着して該ガイド通路47を流れる前記濾過後の溶湯Mを内部に導入する溝状の導入部48aが設けられている。この導入部48aは、前記ガイド通路47の傾斜面と同じテーパ角度に設定された下り傾斜状に形成され、該ガイド通路47と共に一連の傾斜面を構成するようになっている。
なお、前記貯留部48の上端開口部には、前記第2の実施の形態と同様に、該貯留部48内に貯留する溶湯Mの最大貯留量(最大湯面位置)を検知する前記レベルセンサ35が配設されていて、前記坩堝4から取鍋44への溶湯Mの導出が規制されるようになっている。
そして、前記通路部45と貯留部48とは、機械的に連結される構造を採用しても良いが、本実施の形態では、前記貯留部48を単に前記通路部45に対して密着させて保持する構造としている。具体的には、図外のロボットハンドによって貯留部48が把持され、前記導入部48aの傾斜面と前記ガイド通路47の傾斜面とが合致するように、通路部45の下流端部に密着して保持されるようになっている。
以下、本実施の形態に係る注湯装置1の具体的な作用について図12に基づいて詳述する。なお、前記溶湯濾過フィルタ27によって溶湯Mを濾過するまでの基本的な作用は前記第1の実施の形態と同様であることから、以下では当該実施の形態の特徴を示す貯留工程及び注湯工程での作用についてのみ説明する。
前記濾過工程後、前記フィルタ27によって濾過された溶湯Mは前記通路部45に流入して、まず、この通路部45の前記円筒通路46内に溶湯Mが貯留される。やがて湯面が所定の高さ位置まで上昇したところで、前記ガイド通路47内に溶湯Mが流入する。そして、前記ガイド通路47の下流端部まで流れてきた溶湯Mは、該ガイド通路47に密着した前記導入部48aを介して前記貯留部48内に流入する。
こうして、前記貯留部48内に溶湯Mが規定量まで貯留されると、前記レベルセンサ35からの信号に基づき前記加圧手段6による加圧作用が停止して、坩堝4からの溶湯Mの導出が完了する。すると、その時点において前記ガイド通路47内流入した溶湯Mはこのガイド通路47の傾斜によってすべて貯留部48内に流入することとなる一方、ガイド通路47には到達せずに前記円筒通路46内に滞留している溶湯Mはこの溶湯Mの導出停止に伴い坩堝4の内圧との圧力差(負圧)に基づいて該坩堝4内へと引き戻されることとなる。
そして、前記加圧手段6による加圧作用停止後、すなわち前記ガイド通路47上の溶湯Mがすべて前記貯留部48内に流入した後、前記ロボットハンドは前記通路部45に対する貯留部48の密着保持を解除して、通路部45から貯留部48を分離する。その後、貯留部48を傾けて、その上端開口部の外周縁が鋳型7の注湯口の口縁に当接すると、該貯留部48内に貯留されていた溶湯Mが鋳型7内に流入する。
かかる注湯時において、本実施の形態では、前記取鍋44のうち前記貯留部48のみを分離し、前記通路部45は依然として前記導出パイプ25に連結された状態となっているため、取鍋44に貯留された溶湯Mが前記フィルタ27を介して漏出することはなく、かかる溶湯Mの漏出伴う装置1及びその周辺の汚損が防止される。
しかも、前記貯留部48は通路部45に対して単に密着保持されているのみで機械的に連結されていないことから、貯留部48を速やかに通路部45から分離して注湯工程に移行することができる。さらに、通路部45は導入パイプ25に連結させたままの状態で注湯工程に移行できることから、取鍋44全体を導入パイプ25から分離する場合と比べて前記各クリップ31を外す手間も生じないため、濾過後の溶湯Mをより速やかに鋳型7に注湯することが可能となっている。
そして、この鋳型7内への溶湯Mの注湯が完了した後は、前記通路部45を保持した状態で前記電動モータ11を回転駆動して前記昇降機構10を下降させることによって導出パイプ25と通路部45とを分離させ、前記フィルタ交換工程を経て、導出パイプ25と通路部45とを再び連結させて該通路部45に前記貯留部48を密着保持させた後、坩堝4から取鍋44内への溶湯Mの導出を開始する。
したがって、この実施の形態によれば、前記取鍋44を前記通路部45と貯留部48に分割して構成したことにより、前記通路部45を導出パイプ25に連結した状態で前記貯留部48のみを分離して溶湯Mを鋳型7に注湯することができる。これによって、取鍋44全体を導出パイプ25から分離する場合と比べて、取鍋44内に貯留された溶湯Mが前記溶湯濾過フィルタ27を介して漏出してしまうリスクを完全に解消することができる。しかも、かかる構成によれば、前記各クリップ31を外して導出パイプ25から取鍋44を分離する手間をも省略することができ、注湯作業の作業性の向上も図れる。
さらには、前記貯留部48は通路部45に対して機械的に連結されているのではなく単に密着保持させるだけの簡素な接続構造を採用したことから、前記貯留工程から注湯工程への移行を速やかに行うことが可能となり、かかる工程における作業性をより一層向上させることができる。
本発明は、前記各実施の形態の構成に限定されるものではなく、例えば前記加圧手段6が坩堝4内の内部空間S内に導入するガスは窒素ガスに限定されるものではなく、その他の不活性ガスや空気によっても溶湯Mを加圧することができる。
また、前記加圧手段6については、前記蓋部材13を介さずに坩堝4本体に直接導入することも可能である。
また、前記第3の実施の形態において、前記貯留部48を通路部45に密着保持させる手段は、前記ロボットハンドに限定されるものではなく、ロボットそのものなど、前記貯留部48を移動及び回動可能とする手段であれば、当該実施の形態の作用効果が得られる。
本発明に係る注湯装置等の第1の実施の形態を示し、かかる注湯装置の全体を説明する概略図である。 同実施の形態に係る注湯手段の分解断面図である。 同実施の形態の第1の変形例を示し、該変形例に係る注湯装置の全体を説明する概略図である。 同実施の形態の第2の変形例を示し、該変形例に係る注湯装置の全体を説明する概略図である。 同実施の形態の第3の変形例を示し、該変形例に係る注湯装置の全体を説明する概略図である。 同実施の形態の第4の変形例を示し、該変形例に係る注湯装置の全体を説明する概略図である。 同実施の形態の第5の変形例を示し、該変形例に係る注湯手段の分解断面図である。 同変形例において仕切板とガイド部材の組み付け状態を示す平面図である。 同変形例に係る注湯装置において、貯留部に溶湯を貯留している状態を示す要部拡大断面図である。 同変形例に係る注湯装置において、貯留部に対し溶湯の貯留を終えた後の状態を示す要部拡大断面図である。 本発明に係る注湯装置等の第2の実施の形態を示し、かかる注湯装置の全体を説明する概略図である。 本発明に係る注湯装置等の第3の実施の形態を示し、かかる注湯装置の全体を説明する概略図である。
符号の説明
1…注湯装置
4…坩堝
6…加圧手段
7…鋳型
25…導出パイプ(導出管)
26…取鍋
26a…流入口
27…溶湯濾過フィルタ(フィルタ)
M…溶湯

Claims (16)

  1. 密閉された坩堝内に貯留された溶湯を加圧する加圧手段と、
    前記坩堝の上蓋に貫通配置され、下端側が前記坩堝内の溶湯中に臨んでいる一方、上端側が前記坩堝の外部に臨むように設けられ、前記加圧手段によって加圧された溶湯を前記坩堝外へ導く導出管と、
    該導出管の上端部に分離可能に連結されると共に、前記導出管の上端開口に連通する流入口を有し、該流入口を介して前記導出管から流入した溶湯を一時的に貯留する取鍋と、
    該取鍋の前記流入口付近に設けられ、前記導出管から前記取鍋内に流入する溶湯を濾過するフィルタと、を備え、
    前記加圧手段で加圧することによって前記導出管を介して前記フィルタを通過させた溶湯を前記取鍋内に貯留し、この取鍋を前記導出管から分離させつつ該取鍋内の溶湯を鋳型内に注湯したことを特徴とする注湯装置。
  2. 密閉された坩堝内に貯留された溶湯を加圧する加圧手段と、
    前記坩堝の上蓋に貫通配置され、下端側が前記坩堝内の溶湯中に臨んでいる一方、上端側が前記坩堝の外部に臨むように設けられ、前記加圧手段によって加圧された溶湯を前記坩堝外へ導く導出管と、
    該導出管の上端部に分離可能に連結されると共に、前記導出管の上端開口に連通する流入口を有し、該流入口を介して前記導出管から流入した溶湯を一時的に貯留する取鍋と、
    該取鍋の前記流入口付近に設けられ、前記導出管から前記取鍋内に流入する溶湯を濾過するフィルタと、を備え、
    前記取鍋は、前記坩堝から前記導出管を介して導出された溶湯を一時的に貯留する貯留部と、前記導出管から前記流入口を介して流入した溶湯を前記貯留部へ導く通路部と、を有すると共に、
    該通路部は、前記流入口から上方へ延出した円筒通路と、該円筒通路内の溶湯を前記貯留部に導くガイド通路と、を有し、
    前記円筒通路内に滞留した溶湯を前記坩堝側へ戻した後に、前記取鍋を前記導出管から分離させつつ前記貯留部内の溶湯を鋳型内に注湯したことを特徴とする注湯装置。
  3. 密閉された坩堝内に貯留された溶湯を加圧する加圧手段と、
    前記坩堝の上蓋に貫通配置され、下端側が前記坩堝内の溶湯中に臨んでいる一方、上端側が前記坩堝の外部に臨むように設けられ、前記加圧手段によって加圧された溶湯を前記坩堝外へ導く導出管と、
    該導出管の上端部に連続的に設けられると共に、前記導出管の上端開口と連通する流入口を有し、該流入口を介して前記導出管から流入した溶湯を一時的に貯留する取鍋と、
    該取鍋の前記流入口付近に設けられ、前記導出管から前記取鍋内に流入する溶湯を濾過するフィルタと、を備え、
    前記取鍋は、前記坩堝から前記導出管を介して導出された溶湯を一時的に貯留する貯留部と、前記導出管から前記流入口を介して流入した溶湯を前記貯留部へ導く通路部と、を有し、
    前記取鍋の貯留部を、前記通路部から分離可能に構成すると共に、
    前記加圧手段で加圧することによって前記導出管を介して前記フィルタを通過させた溶湯を、前記通路部を介して前記貯留部内に貯留して、この貯留部を前記通路部から分離させつつ該貯留部内の溶湯を鋳型内に注湯したことを特徴とする注湯装置。
  4. 前記フィルタは、前記加圧手段によって加圧された溶湯の通流を許容する一方、溶湯の自重にのみによっては該溶湯の通流を規制し得る程度のメッシュサイズに設定されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の溶湯の注入装置。
  5. 前記フィルタは、80メッシュ以上のメッシュサイズを有することを特徴とする請求項4に記載の溶湯の注入装置。
  6. 前記加圧手段は、前記坩堝内に空気又は不活性ガスを導入することによって溶湯を加圧することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の溶湯の注入装置。
  7. 前記加圧手段は、0.2〜0.6気圧の範囲内に設定された前記気体によって溶湯を加圧することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の溶湯の注入装置。
  8. 前記取鍋内の前記流入口に接続する流路に溶湯よりも大きな比重を有する材料からなる栓部材を配置し、前記取鍋内に溶湯が貯留された後、前記栓部材によって前記擂鉢状部の開口部が閉塞されることを特徴とする請求項1に記載の溶湯の注入装置。
  9. 前記フィルタの上面に、少なくともこのフィルタのメッシュサイズよりも大きく、かつ、溶湯よりも大きな比重を有する材料からなる閉塞部材を配置し、前記取鍋内に溶湯が貯留された後、前記閉塞部材によって前記フィルタの目が閉塞されることを特徴とする請求項1に記載の溶湯の注入装置。
  10. 前記フィルタの上方に、該フィルタとほぼ平行にスライド可能な閉塞部材を配置し、該閉塞部材をスライドさせることにより、溶湯を前記取鍋内に貯留する際には前記導出管から前記取鍋内への溶湯の流入を許容する一方、前記取鍋内に溶湯が所定量貯留された後は前記流入口からの溶湯の漏出を規制したことを特徴とする請求項1に記載の溶湯の注入装置。
  11. 前記ガイド通路は、前記円筒通路側から前記貯留部側へ向かって緩斜状に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の注湯装置。
  12. 所定圧に満たない流体の通流を規制し得るフィルタに溶湯を加圧して通流させることによって該溶湯の濾過を行うことを特徴とする溶湯の濾過方法。
  13. 密閉された坩堝内に貯留された溶湯を所定の加圧手段により加圧する加圧工程と、
    前記加圧手段によって加圧された溶湯を、前記坩堝の上蓋に貫通配置されて下端側が溶湯中に臨む導出管を介して上方へ押し上げる導出工程と、
    該押し上げられた溶湯を、前記導出管の上端部に分離可能に連結された取鍋の前記導出管の上端開口と連通する流入口付近に設けられ、溶湯の自重による流体圧では該溶湯の通流を規制し得る程度のメッシュサイズを有するフィルタに通すことによって溶湯を濾過する濾過工程と、
    前記フィルタを通して濾過された溶湯を、前記流入口を介して前記取鍋内に底部側から導入すると共に、該導入した溶湯を前記取鍋内に所定の上限量まで貯留する貯留工程と、
    前記取鍋内に溶湯が前記上限量まで貯留された後に、この取鍋を前記導出管から分離させつつ傾動させることによって該取鍋内の溶湯を鋳型内に注湯する注湯工程と、を有する注湯方法。
  14. 密閉された坩堝内に貯留された溶湯を所定の加圧手段により加圧する加圧工程と、
    前記加圧手段によって加圧された溶湯を、前記坩堝の上蓋に貫通配置されて下端側が溶湯中に臨む導出管を介して上方へ押し上げる導出工程と、
    該押し上げられた溶湯を、前記導出管の上端部に分離可能に連結された取鍋の前記導出管の上端開口と連通する流入口付近に設けられ、溶湯の自重による流体圧では該溶湯の通流を規制し得る程度のメッシュサイズを有するフィルタに通すことによって溶湯の濾過を行う濾過工程と、
    前記取鍋の内部に形成されて前記フィルタを通して濾過した溶湯を貯留する貯留部内に、前記流入口から上方へ延出する円筒通路と、この円筒通路と前記貯留部とを連通させるガイド通路を有する通路部を介して前記濾過された溶湯を導入し、該溶湯を前記貯留部内に所定の上限量まで貯留する貯留工程と、
    前記貯留部内に溶湯が前記上限量まで貯留された後に、前記円筒通路内に滞留した溶湯をすべて前記坩堝へ還流させつつ前記ガイド通路内の溶湯を前記貯留部内に導入した後に、前記取鍋を前記導出管から分離させつつ傾動させることによって前記貯留部内の溶湯を鋳型内に注湯する注湯工程と、を有する注湯方法。
  15. 前記鋳型内への溶湯の注入完了後、前記フィルタを交換した後に前記導出管と前記取鍋とを再び連結するフィルタ交換工程をさらに有することを特徴とする請求項13又は14に記載の注湯方法。
  16. 密閉された坩堝内に貯留された溶湯を所定の加圧手段により加圧する加圧工程と、
    前記加圧手段によって加圧された溶湯を、前記坩堝の上蓋に貫通配置されて下端側が溶湯中に臨む導出管を介して上方へ押し上げる導出工程と、
    該押し上げられた溶湯を、前記導出管の上端部に連続的に設けられた取鍋の前記導出管の上端開口と連通する流入口付近に設けられ、溶湯の自重による流体圧では該溶湯の通流を規制し得る程度のメッシュサイズを有するフィルタに通すことによって溶湯の濾過を行う濾過工程と、
    前記取鍋の一部として分離可能に設けられ、前記フィルタを通して濾過された溶湯を貯留する貯留部内に、該貯留部と前記流入口とを連通させる通路部を介して前記濾過された溶湯を導入して、該溶湯を前記貯留部内に所定の上限量まで貯留する貯留工程と、
    前記取鍋内に溶湯が前記上限量まで貯留された後に、前記貯留部を前記通路部から分離させて該貯留部のみを傾動させることによってこの貯留部内の溶湯を鋳型内に注湯する注湯工程と、を有する注湯方法。
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