JP2004174564A - 金属溶湯供給装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】コンパクトな構成で、かつ、簡便な制御で出湯を可能な金属溶湯供給装置とすること。
【解決手段】金属溶湯が出湯室10から第1の開口11を経て出湯されている際に、出湯室10側から保持室20側へ流れようとする金属溶湯は連絡通路41においてバルブ42及び上ダイス43aの当接によってその流通が遮断され、第1の開口11から出湯する金属溶湯の出湯量を確保することができる。この場合において、バルブ42は連絡通路41内を流れる金属溶湯の流れによって作動するので、従来のように湯中タップを動作させるためのアクチュエータや連結ロッドなどを必要とせず、したがって、コンパクトかつ簡便な構成で出湯を行うことができる。
【選択図】 図1
【解決手段】金属溶湯が出湯室10から第1の開口11を経て出湯されている際に、出湯室10側から保持室20側へ流れようとする金属溶湯は連絡通路41においてバルブ42及び上ダイス43aの当接によってその流通が遮断され、第1の開口11から出湯する金属溶湯の出湯量を確保することができる。この場合において、バルブ42は連絡通路41内を流れる金属溶湯の流れによって作動するので、従来のように湯中タップを動作させるためのアクチュエータや連結ロッドなどを必要とせず、したがって、コンパクトかつ簡便な構成で出湯を行うことができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、アルミニウムやマグネシウムなどの金属溶湯を鋳造型のホッパーに流し込んだり、ダイカストマシンの溶湯射出スリーブ内に流し込んだりするための、金属溶湯供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ダイカスト鋳造において、溶湯射出スリーブ内に溶湯を充填するために、溶湯供給装置と射出スリーブとを給湯管などで接続し、溶湯供給装置内の溶湯を射出スリーブ内に直接充填する直接給湯法と言われる方法がある。斯かる給湯法は、坩堝による給湯に比して、金属溶湯の密閉性が高く、酸化による悪影響が少ないため高品質な成形品を製造することができる等といった利点を有するが、具体的には様々な手段があり、従来から種々提案され、実施されている。
【0003】
例えば、特開平8−294765号公報に記載されている溶湯供給装置は、図6に示すごとき構成されている。この溶湯供給装置201は、溶湯が保持されている保持室208内に上下に駆動するフロート202が設置され、溶湯が保持室208から出湯されて保持室208内の湯面が低下した場合に、フロート202を下降させて溶湯内に浸漬するフロート202の専有体積を拡大することにより湯面を上昇させ、出湯による湯面低下をフロート202の下降による湯面上昇で補うことにより、定湯面化をはかっているものである。
【0004】
また、上記保持室208は、移送通路203により溶湯溶解室204に連絡されており、移送通路203にはアクチュエータ205の駆動によりロッド206を介して動作する湯中タップ207が配設され、斯かる湯中タップ207が移送通路203を閉塞することにより移送通路203内における溶湯の流通を遮断できるようにされている。そして、フロート202が下降端まで下降した場合に、アクチュエータ205を駆動して湯中タップ207を開き、溶湯溶解室204から移送通路203を通って保持室208内に溶湯を流し込む。これと同時にフロート202を上昇させて、保持室208内の溶湯の湯面が定湯面となるように制御する。フロート202が上昇端に達したら、再びアクチュエータ205を駆動させて湯中タップ207で移送通路203を閉塞し、移送通路203から保持室208への溶湯の流れ込みを遮断する。このようにして保持室208内の湯面を一定としつつ、溶湯を出湯できる機構を実現している。
【0005】
また、実公平7−56117号公報には、第1の加圧室302の金属溶湯を加圧することにより該第1の加圧室302に連通孔303で連通された第2の加圧室304に所定量の金属溶湯を充填し、その後にエアーシリンダー305に連結されたスピンドル306を駆動させて連通孔303を閉塞することにより第1の加圧室302と第2の加圧室304との連通を遮断し、その後、第2の加圧室304全体を加圧して第2の加圧室304内の金属溶湯を押出して出湯させる加圧注湯炉301が記載されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−294765号公報
【0007】
【特許文献2】
実公平7−56117号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平8−294765号公報に記載された従来技術は、溶湯溶解室204から移送通路203を通って保持室201に溶湯を供給する際に、湯中タップ207をアクチュエータ205を駆動させて動作させなければならず、アクチュエータ205及びアクチュエータ205と湯中タップ207を連結するロッド206が必要となる。このため装置が大型化するという問題がある。同様に、実公平7−56117号公報に記載された従来技術も、第1の加圧室302と第2の加圧室304との連通を遮断させるのにエアーシリンダー305及びスピンドル306を使用しており、このため装置が大型化するという問題がある。さらに、特開平8−294765号公報に記載の従来技術においては、湯中タップ207を開放するタイミングとフロート202の上下位置とを連動して制御しなければならず、制御が複雑になるという問題がある。
【0009】
ゆえに、本発明は、上記実情に鑑みて成されたものであり、溶湯供給装置において、コンパクトな構成で、かつ、簡便な制御で出湯を可能ならしめることを、技術的課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を解決するためになされた請求項1の発明は、
第1の開口及び第2の開口を有し内部に金属溶湯が充填される出湯室と、該出湯室内の金属溶湯に流れを生じさせこの流れによって金属溶湯を前記第1の開口から出湯させるための出湯手段と、前記第2の開口に連通した連絡通路と、第3の開口が形成され該第3の開口で前記連絡通路に連通する保持室と、前記連絡通路に設けられ前記連絡通路内を流通する金属溶湯の流れによって作動して前記出湯室から前記保持室への金属溶湯の流通を制限又は遮断するバルブ機構を具備することを特徴とする金属溶湯供給装置とすることである。
【0011】
上記請求項1の発明によれば、出湯手段により出湯室内の金属溶湯に流れを生じさせ、この流れによって金属溶湯が第1の開口から出湯される。この際、連絡通路にも金属溶湯の流れが発生するが、連絡通路内にはバルブ機構が設けられ、このバルブ機構は連絡通路内を流通する金属溶湯の流れによって作動して出湯室から保持室への金属溶湯の流通を制限又は遮断する。よって、出湯室から第1の開口を経て出湯されている際に、出湯室側から保持室側へ流れようとする金属溶湯は連絡通路においてバルブ機構によってその流通が制限又は遮断されるため、第1の開口から出湯する金属溶湯の出湯量を確保することができる。この場合において、バルブ機構は連絡通路内を流れる金属溶湯の流れによって作動するので、従来のように湯中タップを動作させるためのアクチュエータや連結ロッドなどを必要としない上に、複雑な制御も要せず、したがって、コンパクトかつ簡便な構成で出湯を行うことができる。
【0012】
また、請求項2の発明は、請求項1において、
前記出湯手段は、前記出湯室の上部から垂下して前記出湯室内に延在して設けられた加圧筒と、該加圧筒の上側から該加圧筒内部を加圧する加圧発生手段とを具備することを特徴としている。
【0013】
請求項2の発明によれば、出湯手段として、出湯室の上部から垂下して出湯室内に延在して設けられた加圧筒と、加圧筒の上側から加圧筒内部を加圧する加圧発生手段とを具備するものとし、加圧による出湯を行う。出湯室全体を加圧して金属溶湯を押出すといった従来の手法と異なり、出湯室内に加圧筒を設けて部分的に加圧空間を形成し、加圧することにより出湯するといった手法を採用しているため、加圧空間のシール部位が出湯室全体をシールする場合に比して減少し、安価に構成できるとともに信頼性も向上する。
【0014】
また、請求項3の発明は、請求項2において、
前記加圧発生手段により前記加圧筒内に発生した加圧力により前記加圧筒内の金属溶湯の湯面が下降し、この湯面の下降に伴い前記出湯室内における前記加圧筒外の金属溶湯の湯面が上昇し、この湯面の上昇により前記第1の開口から金属溶湯を出湯させるとともに、前記出湯室と前記保持室との湯面差に伴う金属溶湯の流れにより前記バルブ機構が前記連絡通路における金属溶湯の流通を制限又は遮断することを特徴としている。
【0015】
上記請求項3の発明によれば、加圧発生手段によって加圧筒内に加圧力を発生させると、この加圧力により加圧筒内の金属溶湯の湯面が下降する。これにより加圧筒内から押出された金属溶湯が加圧筒外に流出し、出湯室内における加圧筒外の金属溶湯の湯面が上昇する。この湯面上昇を利用して第1の開口から金属溶湯を出湯させる。また、出湯室の加圧筒外の湯面上昇により、出湯室に充填されている金属溶湯と保持室に充填されている金属溶湯との湯面高さに差が生じ、湯面高さを一定にしようとして、出湯室側から連絡通路を経て保持室側に金属溶湯が流れ込もうとし、その結果、連絡通路内で流れが生じる。この流れによってバルブ機構が作動し、連絡通路における金属溶湯の流通を制限又は遮断する。このように、出湯室の湯面変動を利用して出湯を実現するとともに、湯面差を利用してバルブ機構を作動させることにより、新たな構成を付加せずともバルブ機構の作動を実現でき、大型化を防止し得、コンパクトかつ簡便な構成での出湯を実現できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施の形態により具体的に説明する。
【0017】
図1は、本例の金属溶湯供給装置の概略断面図である。図において、本例における金属溶湯供給装置101は、出湯室10と、保持室20とを備える。
【0018】
出湯室10は、上壁10a、側壁10b、底壁10cを備え、これらの壁で内部空間を形成して構成されている。これらの壁は、内部空間に金属溶湯を収容できるだけの耐熱性が必要であり、キャスターやレンガで構成される。また、側壁10bの図示右側中央付近には第1の開口11が形成され、側壁10bの図示左側下方部分には第2の開口45が形成されている。第1の開口11には、給湯管31の一端が連結されている。この給湯管31の他端は、射出スリーブ32に連通している。よって、給湯管31を伝ってきた金属溶湯は射出スリーブ32内に導入されることになる。
【0019】
保持室20も、出湯室同様上壁20a、側壁20b、底壁20cを備え、これらの壁で内部空間を形成して構成されている。また、保持室20の図示右側の側壁20bの上方には第3の開口21が形成されている。尚、保持室20の材質も、出湯室10同様、耐熱性が必要であり、キャスターやレンガで構成される。
【0020】
図からわかるように、第3の開口21の下端部分は、第2の開口45の上端部分よりも上側に位置するように、第2の開口45と第3の開口21との位置関係が規定されて形成されている。したがって、第2の開口45の上部における出湯室10の図示左側の側壁10bの部分と、第3の開口21の下部における保持室20の図示右側の側壁10bの部分とで、出湯室10の内部空間と保持室20の内部空間とを空間的に連通する連絡通路41が形成される。この連絡通路41は、実際にはその図示前面及び後面も壁部材で囲われており、図から見て前後左右の四方が壁部材で囲まれた角柱状又は円柱状に形成されている。そして、この連絡通路41の下端部分(一端)が第2の開口45を介して出湯室10に連通し、その上端部分(他端)が第3の開口21を介して保持室20に連通した構造となっている。
【0021】
連絡通路41の内部には、バルブ42が配設されている。このバルブ42は、芯材部42a及び該芯材部42から軸直角方向に放射状に延びて形成された弁体部42bを備えて構成されている。また、連絡通路41を構成する四方の壁部材には、ダイスが形成されている。このダイスは、図に示すように、バルブ42の弁体部42bを挟むように上ダイス43aと下ダイス43bが上下に2個配設されており、それぞれ、中央に孔が開けられている。この孔の径は、バルブ42の芯材部42aの径よりも大きく、かつバルブ42の弁体部42bの径よりも小さく設計されている。このため、バルブ42は2個のダイス43a、43bに常に挟まれた状態とされる。尚、本発明の機能を果たす上では、上下2個のダイスのうち、上ダイス43aのみでも良い。下ダイス43bは、バルブ42の上下動を安定させるためのガイドとしての役割を主に果たす。また、バルブ42の図示下方にはストッパ部材44が載置されてある。このストッパ部材44は、バルブ42の芯材部42aの図示下端がストッパ部材44に当接することによりバルブ42のそれ以上の下方移動を規制するために設けられている。
【0022】
また、出湯室10には、加圧筒12が取り付けられている。加圧筒12は、その上端にフランジ部12aが形成され、このフランジ部12aの内周縁から軸方向に筒状部12bが図示下方に延在して形成されている。そして、出湯室10の上壁10aからその内部空間に加圧筒12の筒状部12bが延び、加圧筒12のフランジ部12aは上壁10a上に載置されて固定される。また、加圧筒12の筒状部12bの長さは、出湯室10の内部空間の高さよりも短く設計されている。このため加圧筒12は、出湯室10の上壁10aから垂下して出湯室10の底壁10cから隙間を隔てた所定位置まで延在して設けられた状態となっている。
【0023】
フランジ部12aの図示上面には、加圧用蓋13が載置されている。フランジ部12aと加圧用蓋13との間には、耐熱性のシール剤14がコーティングされており、このシール剤14によりフランジ部12aと加圧用蓋13とが気密的に取り付けられる。また、加圧用蓋13の中央部には孔が設けられ、この孔から加圧ノズル15が加圧筒12内に突出するように取り付けられている。加圧ノズル15は、図に示すように制御バルブ16に接続されている。この制御バルブ16は、2つの入口ポート16a、16bと1つの出口ポート16cを有する三方弁型の構造を持ち、出口ポート16cが加圧ノズル15に連通し、一方の入口ポート16bが大気開放され、他方の入口ポート16aが加圧シリンダ17に接続されている。また、加圧シリンダ17と制御バルブ16とを接続する連通管の途中には圧力センサー18が配され、該連通管内の圧力を検知している。
【0024】
加圧シリンダ17内には加圧ピストン17aが配設されている。この加圧ピストン17aは、ロッド17bにより加圧シリンダ駆動装置19に接続されており、この加圧シリンダ駆動装置19の駆動に伴い加圧ピストン17aが加圧シリンダ17内を往復し、加圧シリンダ17内の流体を制御バルブ16側に圧送することにより、加圧ノズル15から圧送流体が加圧筒12内に排出される構造となっている。また、加圧シリンダ駆動装置19は、制御手段51に電気的に接続されており、この制御手段51から制御指令が加圧装置19に出力されることにより、その動作が制御される。
【0025】
出湯室10の上壁10aには、第1湯面センサ10dが取り付けられている。同様に、保持室20の上壁20aには、第2湯面センサ20dが取り付けられている。これら第1、第2湯面センサ10d,20dは、出湯室10、保持室20内に充填される金属溶湯の湯面を検知するものであり、制御手段51に電気的に接続され、検知された湯面情報が制御手段51に受け渡される。
【0026】
また、保持室20には、フロート22が配設されている。このフロート22は、保持室20の上壁20aから吊り下げられた状態とされている。また、フロート22の図示上部には、フロート駆動軸23が接続されている。このフロート駆動軸23にはフロート駆動装置24が接続される。フロート駆動装置24は制御手段51に電気的に接続され、制御手段51からの制御指令により動作する。フロート駆動装置24の動作により、フロート駆動軸23が図において上下に動き、フロート駆動軸23の動作に伴ってフロート22が上下に駆動する。このフロート駆動軸23が上下動する構成について具体的に説明すると、フロート駆動軸23の外周面にはネジ加工が施されており、このネジ加工部分にフロート駆動装置24の駆動ギアが嵌合している。そして、モータ等によって駆動ギアが回転させられて、該駆動ギアに嵌合しているフロート駆動軸23が上下駆動するものである。
【0027】
上記構成を有する金属溶湯供給装置において、以下、その作動について、図1〜図5に基づいて説明する。
【0028】
まず、金属溶湯供給装置101内に金属溶湯を充填する。この場合、金属溶湯の充填量(充填高さ)は、図1に示すように、第2湯面センサ20dにより検知される湯面高さが保持室20の底部からL0の高さとなるように充填する。この高さL0は、保持室20に形成された第3の開口21の下端よりも高く、かつ、射出スリーブ32内に溶湯が充填しないような高さとされる。このような高さまで金属溶湯を充填することにより、連絡通路41を経て保持室20内の金属溶湯と出湯室10内の金属溶湯とが連通するため、出湯室10内の金属溶湯の充填高さもL0となる。
【0029】
また、制御バルブ16は、加圧ノズル15と大気とを連通した状態に制御されている。このため、加圧筒12内の圧力は大気圧とされている。
【0030】
金属溶湯の湯面高さがL0であることを、第1及び第2湯面センサ10d、20dからの入力情報により制御手段51が確認すると、制御手段51は制御バルブ16に加圧切替指令を出力し、制御バルブ16はこの加圧切替指令によって加圧ノズル15と加圧シリンダ17とを連通する状態に切り替わる。また、制御手段51は加圧シリンダ駆動装置19に駆動指令を出力する。この駆動指令により加圧シリンダ駆動装置19は駆動し、加圧シリンダ17内のピストン17aを駆動させる。これにより加圧シリンダ17内の流体(空気)が圧送され、制御バルブ16、加圧ノズル15を通って圧縮流体が加圧筒12内に導入される。このため加圧筒12内の圧力が上昇し、図2に示すように加圧室12内の湯面がL0からL1(L1<L0)まで下降する。
【0031】
加圧筒12内の湯面がL0からL1に下降した分、加圧筒12内に充填されていた金属溶湯が加圧筒12の下端から加圧筒12の外側に流出し、これにより加圧筒12の外側で金属溶湯の流れが発生する。この流れは出湯室10における加圧筒12の外側の部分に作用し、この部分の湯面がL0からL2(L2>L0)に上昇する。尚、出湯室10の加圧筒外の部分は、上壁10aの隙間などから外部の大気と連通している。したがって、この部分の圧力はほぼ常時大気圧と考えられ、このため上述のようなL0からL2への液面上昇が維持され得る。
【0032】
出湯室10内の湯面(加圧筒12の外側)がL2に上昇すると、出湯室10と保持室20とで湯面差が生じ(出湯室湯面高さL2に対し、保持室湯面高さL0)、この湯面差を打ち消そうとして、出湯室10内の金属溶湯が連絡通路41を通って保持室20内に流れ込もうとする。このため連絡通路41に流れが発生し、かかる流れにのって連絡通路41に配設されているバルブ42が作動し、上昇する。
【0033】
バルブ42が一定距離上昇すると、図3に示すようにバルブ42の弁体部42bと上ダイス43aが係合する。弁体部42bと上ダイス43aとの係合により、連絡通路41における金属溶湯の流通が遮断される。このため、加圧による金属溶湯の流れが連絡通路41を経て保持室20側に伝わらなくなり、保持室20の湯面はL0に保たれる(尚、この場合において、弁体部42bが上ダイス43aと係合するまでの間は、連絡通路41から保持室20に金属溶湯が流れ込むが、この量は微小であるため、無視している。)。よって、加圧による湯面変化は、出湯室10及びそれに連通する供給管31、射出スリーブ32にのみ作用し、保持室20には作用しない。
【0034】
その後さらに加圧シリンダ17から加圧筒12内に圧送流体が導入されると、図3に示すように加圧筒12内の湯面がさらに下降するとともに、出湯室10における加圧筒12外の湯面がさらに上昇する。加圧室外の湯面の上昇はそのまま射出スリーブ32側の湯面の上昇とされるため、湯面上昇が一定以上となると、供給管31から射出スリーブ32内に金属溶湯が出湯されるようになる。
【0035】
出湯室10の第1湯面センサ10dは、出湯室10における加圧筒12外の湯面の高さがL3(L3>L2>L0)になっているか否かが検出される。尚、本例において、加圧筒12外の湯面の高さがL3である状態となると、射出スリーブ32内に導入される金属溶湯の充填量が目標とする充填量となる。したがって、制御手段51は、第1湯面センサ10dからの情報により湯面高さがL3であるとの情報を得ると、射出スリーブ32内の金属溶湯の充填量が目標量に達したと判断し、加圧シリンダ駆動装置19に駆動停止指令を出力してそれ以上のピストン17aの駆動を停止する。そして、出湯室10及び射出スリーブ32内の金属溶湯の充填高さがL3である状態を維持したまま、射出プランジャチップ32aを前進させて供給管31の注湯口31aを塞ぐ。射出スリーブ32内の金属溶湯はその後射出プランジャチップ32aに押されて射出スリーブ32から鋳造型のキャビティー内に射出され、成形に供される。
【0036】
射出プランジャチップ32aで注湯口31aが塞がれた後、制御手段51は制御バルブ16に大気圧切替指令を出力する。これにより制御バルブ16は加圧ノズル15と大気とを連通させるように切替えられ、斯かる切替えにより加圧筒12内は大気開放される。これにより、図4に示すように、加圧による加圧筒12内での湯面下降が解除され、湯面が復帰し、加圧筒12内の湯面、出湯室10における加圧筒12外の湯面、給湯管31内の湯面が同じ高さ(L5)となる。この場合において、射出スリーブ32から鋳造型のキャビティー内に射出されて成形に供された溶湯が出湯室10から出湯された分、出湯室10内の湯量が少なくなっており、このため高さL5は出湯高さL0よりも低くなる(L5<L0)。図4の状態は、保持室20の湯面高さがL0、出湯室10の湯面高さがL5であり、L5<L0であるので、連絡通路41を通って保持室20内の金属溶湯が出湯室10内に流れ込もうとし、連絡通路41内で図示下方に向かう流れが生じる。この流れによってバルブ42が作動し、下方に移動する。
【0037】
金属溶湯の流れに載ってバルブ42が所定距離図4において下方に移動すると、バルブ42の芯材部42aの下端がストッパ部材44に当接し、この当接によって、バルブ42のそれ以上の下方移動が規制される(図5参照)。この状態では、図5からわかるように、バルブ42の弁体部42bは、いずれのダイス43a、43bにも当接していない状態であり、このため連絡通路42は弁体部43bとダイス43a,43bによってその連通が遮断されていない状態が維持される。このため、連絡通路41を通って保持室20内の金属溶湯が出湯室10内に流れ込み、保持室20内の湯面が低下するとともに出湯室10内の湯面が上昇する。図5はこの状態を示す。図5から明らかなように、保持室20における金属溶湯の湯面高さが第3の開口21の下端よりも高い場合には、保持室20内の湯面高さと出湯室10内の湯面高さが同一高さ(L6)となる。湯面高さL6は、出湯前の湯面高さL0よりも低いが、これは、上述したように、金属溶湯の量が、射出されて成形に供された金属溶湯の分だけ出湯前の状態よりも少なくなっているからである。
【0038】
図5の状態では、保持室20における第2湯面センサ20dは、保持室20における湯面高さがL6であることを検出している(若しくは、L0ではないことを検出している)。この情報が制御手段51に入力され、制御手段51は、保持室20における湯面高さがL0ではないことを認識する。すると、制御手段51はフロート駆動装置24に駆動指令を出力する。この駆動指令によってフロート駆動装置24が動作し、フロート22が下降する。フロート22の下降により、保持室20内に充填された金属溶湯中にフロート22が浸漬する体積が増加し、その結果、保持室20内の金属溶湯の湯面が上昇する。そして、湯面高さがL0にまで上昇したことを第2湯面検知センサ20dからの情報で制御手段51が認識すると、制御手段51はフロート駆動装置24に駆動停止指令を出力する。これによりフロート駆動装置24は駆動を停止し、フロート22のそれ以上の下降が停止される。このようにして湯面がL0に復帰し、次ショットに備える。
【0039】
以上のように、本例によれば、金属溶湯供給装置101を、第1の開口11及び第2の開口45を有し内部に金属溶湯が充填される出湯室10と、出湯室10内の金属溶湯に流れを生じさせこの流れによって金属溶湯を第1の開口11から出湯させるための出湯手段(加圧筒12、加圧ノズル15、加圧シリンダ17、加圧シリンダ駆動装置19)と、第2の開口45に連通した連絡通路41と、第3の開口21が形成され該第3の開口21で連絡通路41に連通する保持室20と、連絡通路41に設けられ連絡通路41内を流通する金属溶湯の流れによって作動して出湯室10から保持室20への金属溶湯の流通を制限又は遮断するバルブ機構(バルブ42、上ダイス43a)とを具備するものとして構成したので、出湯室10から第1の開口11を経て出湯されている際に、出湯室10側から保持室20側へ流れようとする金属溶湯は連絡通路41においてバルブ42及び上ダイス43aの当接によってその流通が遮断されるため、第1の開口11から出湯する金属溶湯の出湯量を確保することができる。この場合において、バルブ42は連絡通路41内を流れる金属溶湯の流れによって作動するので、従来のように湯中タップを動作させるためのアクチュエータや連結ロッドなどを必要とせず、したがって、コンパクトかつ簡便な構成で出湯を行うことができる。
【0040】
尚、本例においては、連絡通路をバルブ42及び上ダイス43aとの当接により遮断する例を示したが、本発明の趣旨に則れば、必ずしも連絡通路を遮断しなければならないものではなく、連絡通路を流れる金属溶湯に一定の抵抗を付与するものであっても良い。一定の抵抗を与えることができれば、加圧力の加え方次第では出湯室10の湯面高さを一定高さに維持することも可能であるからである。また、連絡通路を遮断するにあたっても、確実に遮断する必要はなく、多少の漏れがあっても本発明は成立する。漏れた分だけ加圧すれば、湯面高さを一定に維持できるからである。
【0041】
また、出湯手段を、出湯室10から垂下して出湯室10へ延在して設けられた加圧筒12と、加圧筒12の上側から該加圧筒12内部を加圧する加圧発生手段(加圧ノズル15、加圧シリンダ17、加圧シリンダ駆動装置19)とを具備する構成としている。出湯室全体を加圧して金属溶湯を押出すといった従来の手法と異なり、出湯室10内に加圧筒12を設けて部分的に加圧空間を形成し、加圧することにより出湯するといった手法を採用しているため、加圧空間のシール部位が出湯室全体をシールする場合に比して減少し(本例においては、加圧筒12のフランジ部12aと加圧用蓋13との間を耐熱性シール材14でシールするだけでよい)、安価に構成できるとともに信頼性も向上する。
【0042】
また、加圧発生手段(加圧ノズル15、加圧シリンダ17、加圧シリンダ駆動装置19)により加圧筒12内に発生した加圧力により加圧筒12内の金属溶湯の湯面が下降し、この湯面の下降に伴い出湯室10内における加圧筒12外の金属溶湯の湯面が上昇し、この湯面の上昇により第1の開口11から金属溶湯を出湯させるとともに、出湯室10と保持室20との湯面差に伴う金属溶湯の流れによりバルブ42が連絡通路41における金属溶湯の流通を遮断する構成としている。出湯室10の湯面変動を利用して出湯を実現するとともに、湯面差を利用してバルブ42を作動させることにより、新たな構成を付加せずともバルブ42の作動を実現でき、大型化を防止し得、コンパクトかつ簡便な構成での出湯を実現できる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、コンパクトな構成で、かつ、簡便な制御で出湯を可能な金属溶湯供給装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における金属溶湯供給装置の概略断面図であり、加圧手段による加圧前の状態を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態における金属溶湯供給装置の概略断面図であり、加圧手段による加圧を開始した後の状態を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態における金属溶湯供給装置の概略断面図であり、バルブとダイスが当接して連絡通路が遮断されている状態を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態における金属溶湯供給装置の概略断面図であり、加圧手段の加圧を解除した状態を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態における金属溶湯供給装置の概略断面図であり、加圧手段の加圧を解除して保持室と出湯室との湯面高さが同一高さとなった状態を示す図である。
【図6】従来技術における溶湯供給装置の概略断面図である。
【図7】他の従来技術における加圧注湯炉の概略断面図である。
【符号の説明】
10:出湯室、10a:上壁、10b:側壁、10c:底壁
10d:第1湯面センサ
11:第1の開口
12:加圧筒(出湯手段)、12a:フランジ部、12b:筒状部
13:加圧用蓋
14:耐熱性シール材
15:加圧ノズル(出湯手段、加圧発生手段)
16:制御バルブ
17:加圧シリンダ(出湯手段、加圧発生手段)
19:加圧シリンダ駆動装置(出湯手段、加圧発生手段)
20:保持室、20a:上壁、20b:側壁、20c:底壁
20d:第2湯面センサ
21:第3の開口
22:フロート
31:給湯管
32:射出スリーブ
41:連絡通路
42:バルブ(バルブ機構)、42a:心材部、42b:弁体部
43a:上ダイス(バルブ機構)、43b:下ダイス
44:ストッパ部材
45:第2の開口
51:制御手段
101:金属溶湯供給装置
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、アルミニウムやマグネシウムなどの金属溶湯を鋳造型のホッパーに流し込んだり、ダイカストマシンの溶湯射出スリーブ内に流し込んだりするための、金属溶湯供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ダイカスト鋳造において、溶湯射出スリーブ内に溶湯を充填するために、溶湯供給装置と射出スリーブとを給湯管などで接続し、溶湯供給装置内の溶湯を射出スリーブ内に直接充填する直接給湯法と言われる方法がある。斯かる給湯法は、坩堝による給湯に比して、金属溶湯の密閉性が高く、酸化による悪影響が少ないため高品質な成形品を製造することができる等といった利点を有するが、具体的には様々な手段があり、従来から種々提案され、実施されている。
【0003】
例えば、特開平8−294765号公報に記載されている溶湯供給装置は、図6に示すごとき構成されている。この溶湯供給装置201は、溶湯が保持されている保持室208内に上下に駆動するフロート202が設置され、溶湯が保持室208から出湯されて保持室208内の湯面が低下した場合に、フロート202を下降させて溶湯内に浸漬するフロート202の専有体積を拡大することにより湯面を上昇させ、出湯による湯面低下をフロート202の下降による湯面上昇で補うことにより、定湯面化をはかっているものである。
【0004】
また、上記保持室208は、移送通路203により溶湯溶解室204に連絡されており、移送通路203にはアクチュエータ205の駆動によりロッド206を介して動作する湯中タップ207が配設され、斯かる湯中タップ207が移送通路203を閉塞することにより移送通路203内における溶湯の流通を遮断できるようにされている。そして、フロート202が下降端まで下降した場合に、アクチュエータ205を駆動して湯中タップ207を開き、溶湯溶解室204から移送通路203を通って保持室208内に溶湯を流し込む。これと同時にフロート202を上昇させて、保持室208内の溶湯の湯面が定湯面となるように制御する。フロート202が上昇端に達したら、再びアクチュエータ205を駆動させて湯中タップ207で移送通路203を閉塞し、移送通路203から保持室208への溶湯の流れ込みを遮断する。このようにして保持室208内の湯面を一定としつつ、溶湯を出湯できる機構を実現している。
【0005】
また、実公平7−56117号公報には、第1の加圧室302の金属溶湯を加圧することにより該第1の加圧室302に連通孔303で連通された第2の加圧室304に所定量の金属溶湯を充填し、その後にエアーシリンダー305に連結されたスピンドル306を駆動させて連通孔303を閉塞することにより第1の加圧室302と第2の加圧室304との連通を遮断し、その後、第2の加圧室304全体を加圧して第2の加圧室304内の金属溶湯を押出して出湯させる加圧注湯炉301が記載されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−294765号公報
【0007】
【特許文献2】
実公平7−56117号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平8−294765号公報に記載された従来技術は、溶湯溶解室204から移送通路203を通って保持室201に溶湯を供給する際に、湯中タップ207をアクチュエータ205を駆動させて動作させなければならず、アクチュエータ205及びアクチュエータ205と湯中タップ207を連結するロッド206が必要となる。このため装置が大型化するという問題がある。同様に、実公平7−56117号公報に記載された従来技術も、第1の加圧室302と第2の加圧室304との連通を遮断させるのにエアーシリンダー305及びスピンドル306を使用しており、このため装置が大型化するという問題がある。さらに、特開平8−294765号公報に記載の従来技術においては、湯中タップ207を開放するタイミングとフロート202の上下位置とを連動して制御しなければならず、制御が複雑になるという問題がある。
【0009】
ゆえに、本発明は、上記実情に鑑みて成されたものであり、溶湯供給装置において、コンパクトな構成で、かつ、簡便な制御で出湯を可能ならしめることを、技術的課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を解決するためになされた請求項1の発明は、
第1の開口及び第2の開口を有し内部に金属溶湯が充填される出湯室と、該出湯室内の金属溶湯に流れを生じさせこの流れによって金属溶湯を前記第1の開口から出湯させるための出湯手段と、前記第2の開口に連通した連絡通路と、第3の開口が形成され該第3の開口で前記連絡通路に連通する保持室と、前記連絡通路に設けられ前記連絡通路内を流通する金属溶湯の流れによって作動して前記出湯室から前記保持室への金属溶湯の流通を制限又は遮断するバルブ機構を具備することを特徴とする金属溶湯供給装置とすることである。
【0011】
上記請求項1の発明によれば、出湯手段により出湯室内の金属溶湯に流れを生じさせ、この流れによって金属溶湯が第1の開口から出湯される。この際、連絡通路にも金属溶湯の流れが発生するが、連絡通路内にはバルブ機構が設けられ、このバルブ機構は連絡通路内を流通する金属溶湯の流れによって作動して出湯室から保持室への金属溶湯の流通を制限又は遮断する。よって、出湯室から第1の開口を経て出湯されている際に、出湯室側から保持室側へ流れようとする金属溶湯は連絡通路においてバルブ機構によってその流通が制限又は遮断されるため、第1の開口から出湯する金属溶湯の出湯量を確保することができる。この場合において、バルブ機構は連絡通路内を流れる金属溶湯の流れによって作動するので、従来のように湯中タップを動作させるためのアクチュエータや連結ロッドなどを必要としない上に、複雑な制御も要せず、したがって、コンパクトかつ簡便な構成で出湯を行うことができる。
【0012】
また、請求項2の発明は、請求項1において、
前記出湯手段は、前記出湯室の上部から垂下して前記出湯室内に延在して設けられた加圧筒と、該加圧筒の上側から該加圧筒内部を加圧する加圧発生手段とを具備することを特徴としている。
【0013】
請求項2の発明によれば、出湯手段として、出湯室の上部から垂下して出湯室内に延在して設けられた加圧筒と、加圧筒の上側から加圧筒内部を加圧する加圧発生手段とを具備するものとし、加圧による出湯を行う。出湯室全体を加圧して金属溶湯を押出すといった従来の手法と異なり、出湯室内に加圧筒を設けて部分的に加圧空間を形成し、加圧することにより出湯するといった手法を採用しているため、加圧空間のシール部位が出湯室全体をシールする場合に比して減少し、安価に構成できるとともに信頼性も向上する。
【0014】
また、請求項3の発明は、請求項2において、
前記加圧発生手段により前記加圧筒内に発生した加圧力により前記加圧筒内の金属溶湯の湯面が下降し、この湯面の下降に伴い前記出湯室内における前記加圧筒外の金属溶湯の湯面が上昇し、この湯面の上昇により前記第1の開口から金属溶湯を出湯させるとともに、前記出湯室と前記保持室との湯面差に伴う金属溶湯の流れにより前記バルブ機構が前記連絡通路における金属溶湯の流通を制限又は遮断することを特徴としている。
【0015】
上記請求項3の発明によれば、加圧発生手段によって加圧筒内に加圧力を発生させると、この加圧力により加圧筒内の金属溶湯の湯面が下降する。これにより加圧筒内から押出された金属溶湯が加圧筒外に流出し、出湯室内における加圧筒外の金属溶湯の湯面が上昇する。この湯面上昇を利用して第1の開口から金属溶湯を出湯させる。また、出湯室の加圧筒外の湯面上昇により、出湯室に充填されている金属溶湯と保持室に充填されている金属溶湯との湯面高さに差が生じ、湯面高さを一定にしようとして、出湯室側から連絡通路を経て保持室側に金属溶湯が流れ込もうとし、その結果、連絡通路内で流れが生じる。この流れによってバルブ機構が作動し、連絡通路における金属溶湯の流通を制限又は遮断する。このように、出湯室の湯面変動を利用して出湯を実現するとともに、湯面差を利用してバルブ機構を作動させることにより、新たな構成を付加せずともバルブ機構の作動を実現でき、大型化を防止し得、コンパクトかつ簡便な構成での出湯を実現できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施の形態により具体的に説明する。
【0017】
図1は、本例の金属溶湯供給装置の概略断面図である。図において、本例における金属溶湯供給装置101は、出湯室10と、保持室20とを備える。
【0018】
出湯室10は、上壁10a、側壁10b、底壁10cを備え、これらの壁で内部空間を形成して構成されている。これらの壁は、内部空間に金属溶湯を収容できるだけの耐熱性が必要であり、キャスターやレンガで構成される。また、側壁10bの図示右側中央付近には第1の開口11が形成され、側壁10bの図示左側下方部分には第2の開口45が形成されている。第1の開口11には、給湯管31の一端が連結されている。この給湯管31の他端は、射出スリーブ32に連通している。よって、給湯管31を伝ってきた金属溶湯は射出スリーブ32内に導入されることになる。
【0019】
保持室20も、出湯室同様上壁20a、側壁20b、底壁20cを備え、これらの壁で内部空間を形成して構成されている。また、保持室20の図示右側の側壁20bの上方には第3の開口21が形成されている。尚、保持室20の材質も、出湯室10同様、耐熱性が必要であり、キャスターやレンガで構成される。
【0020】
図からわかるように、第3の開口21の下端部分は、第2の開口45の上端部分よりも上側に位置するように、第2の開口45と第3の開口21との位置関係が規定されて形成されている。したがって、第2の開口45の上部における出湯室10の図示左側の側壁10bの部分と、第3の開口21の下部における保持室20の図示右側の側壁10bの部分とで、出湯室10の内部空間と保持室20の内部空間とを空間的に連通する連絡通路41が形成される。この連絡通路41は、実際にはその図示前面及び後面も壁部材で囲われており、図から見て前後左右の四方が壁部材で囲まれた角柱状又は円柱状に形成されている。そして、この連絡通路41の下端部分(一端)が第2の開口45を介して出湯室10に連通し、その上端部分(他端)が第3の開口21を介して保持室20に連通した構造となっている。
【0021】
連絡通路41の内部には、バルブ42が配設されている。このバルブ42は、芯材部42a及び該芯材部42から軸直角方向に放射状に延びて形成された弁体部42bを備えて構成されている。また、連絡通路41を構成する四方の壁部材には、ダイスが形成されている。このダイスは、図に示すように、バルブ42の弁体部42bを挟むように上ダイス43aと下ダイス43bが上下に2個配設されており、それぞれ、中央に孔が開けられている。この孔の径は、バルブ42の芯材部42aの径よりも大きく、かつバルブ42の弁体部42bの径よりも小さく設計されている。このため、バルブ42は2個のダイス43a、43bに常に挟まれた状態とされる。尚、本発明の機能を果たす上では、上下2個のダイスのうち、上ダイス43aのみでも良い。下ダイス43bは、バルブ42の上下動を安定させるためのガイドとしての役割を主に果たす。また、バルブ42の図示下方にはストッパ部材44が載置されてある。このストッパ部材44は、バルブ42の芯材部42aの図示下端がストッパ部材44に当接することによりバルブ42のそれ以上の下方移動を規制するために設けられている。
【0022】
また、出湯室10には、加圧筒12が取り付けられている。加圧筒12は、その上端にフランジ部12aが形成され、このフランジ部12aの内周縁から軸方向に筒状部12bが図示下方に延在して形成されている。そして、出湯室10の上壁10aからその内部空間に加圧筒12の筒状部12bが延び、加圧筒12のフランジ部12aは上壁10a上に載置されて固定される。また、加圧筒12の筒状部12bの長さは、出湯室10の内部空間の高さよりも短く設計されている。このため加圧筒12は、出湯室10の上壁10aから垂下して出湯室10の底壁10cから隙間を隔てた所定位置まで延在して設けられた状態となっている。
【0023】
フランジ部12aの図示上面には、加圧用蓋13が載置されている。フランジ部12aと加圧用蓋13との間には、耐熱性のシール剤14がコーティングされており、このシール剤14によりフランジ部12aと加圧用蓋13とが気密的に取り付けられる。また、加圧用蓋13の中央部には孔が設けられ、この孔から加圧ノズル15が加圧筒12内に突出するように取り付けられている。加圧ノズル15は、図に示すように制御バルブ16に接続されている。この制御バルブ16は、2つの入口ポート16a、16bと1つの出口ポート16cを有する三方弁型の構造を持ち、出口ポート16cが加圧ノズル15に連通し、一方の入口ポート16bが大気開放され、他方の入口ポート16aが加圧シリンダ17に接続されている。また、加圧シリンダ17と制御バルブ16とを接続する連通管の途中には圧力センサー18が配され、該連通管内の圧力を検知している。
【0024】
加圧シリンダ17内には加圧ピストン17aが配設されている。この加圧ピストン17aは、ロッド17bにより加圧シリンダ駆動装置19に接続されており、この加圧シリンダ駆動装置19の駆動に伴い加圧ピストン17aが加圧シリンダ17内を往復し、加圧シリンダ17内の流体を制御バルブ16側に圧送することにより、加圧ノズル15から圧送流体が加圧筒12内に排出される構造となっている。また、加圧シリンダ駆動装置19は、制御手段51に電気的に接続されており、この制御手段51から制御指令が加圧装置19に出力されることにより、その動作が制御される。
【0025】
出湯室10の上壁10aには、第1湯面センサ10dが取り付けられている。同様に、保持室20の上壁20aには、第2湯面センサ20dが取り付けられている。これら第1、第2湯面センサ10d,20dは、出湯室10、保持室20内に充填される金属溶湯の湯面を検知するものであり、制御手段51に電気的に接続され、検知された湯面情報が制御手段51に受け渡される。
【0026】
また、保持室20には、フロート22が配設されている。このフロート22は、保持室20の上壁20aから吊り下げられた状態とされている。また、フロート22の図示上部には、フロート駆動軸23が接続されている。このフロート駆動軸23にはフロート駆動装置24が接続される。フロート駆動装置24は制御手段51に電気的に接続され、制御手段51からの制御指令により動作する。フロート駆動装置24の動作により、フロート駆動軸23が図において上下に動き、フロート駆動軸23の動作に伴ってフロート22が上下に駆動する。このフロート駆動軸23が上下動する構成について具体的に説明すると、フロート駆動軸23の外周面にはネジ加工が施されており、このネジ加工部分にフロート駆動装置24の駆動ギアが嵌合している。そして、モータ等によって駆動ギアが回転させられて、該駆動ギアに嵌合しているフロート駆動軸23が上下駆動するものである。
【0027】
上記構成を有する金属溶湯供給装置において、以下、その作動について、図1〜図5に基づいて説明する。
【0028】
まず、金属溶湯供給装置101内に金属溶湯を充填する。この場合、金属溶湯の充填量(充填高さ)は、図1に示すように、第2湯面センサ20dにより検知される湯面高さが保持室20の底部からL0の高さとなるように充填する。この高さL0は、保持室20に形成された第3の開口21の下端よりも高く、かつ、射出スリーブ32内に溶湯が充填しないような高さとされる。このような高さまで金属溶湯を充填することにより、連絡通路41を経て保持室20内の金属溶湯と出湯室10内の金属溶湯とが連通するため、出湯室10内の金属溶湯の充填高さもL0となる。
【0029】
また、制御バルブ16は、加圧ノズル15と大気とを連通した状態に制御されている。このため、加圧筒12内の圧力は大気圧とされている。
【0030】
金属溶湯の湯面高さがL0であることを、第1及び第2湯面センサ10d、20dからの入力情報により制御手段51が確認すると、制御手段51は制御バルブ16に加圧切替指令を出力し、制御バルブ16はこの加圧切替指令によって加圧ノズル15と加圧シリンダ17とを連通する状態に切り替わる。また、制御手段51は加圧シリンダ駆動装置19に駆動指令を出力する。この駆動指令により加圧シリンダ駆動装置19は駆動し、加圧シリンダ17内のピストン17aを駆動させる。これにより加圧シリンダ17内の流体(空気)が圧送され、制御バルブ16、加圧ノズル15を通って圧縮流体が加圧筒12内に導入される。このため加圧筒12内の圧力が上昇し、図2に示すように加圧室12内の湯面がL0からL1(L1<L0)まで下降する。
【0031】
加圧筒12内の湯面がL0からL1に下降した分、加圧筒12内に充填されていた金属溶湯が加圧筒12の下端から加圧筒12の外側に流出し、これにより加圧筒12の外側で金属溶湯の流れが発生する。この流れは出湯室10における加圧筒12の外側の部分に作用し、この部分の湯面がL0からL2(L2>L0)に上昇する。尚、出湯室10の加圧筒外の部分は、上壁10aの隙間などから外部の大気と連通している。したがって、この部分の圧力はほぼ常時大気圧と考えられ、このため上述のようなL0からL2への液面上昇が維持され得る。
【0032】
出湯室10内の湯面(加圧筒12の外側)がL2に上昇すると、出湯室10と保持室20とで湯面差が生じ(出湯室湯面高さL2に対し、保持室湯面高さL0)、この湯面差を打ち消そうとして、出湯室10内の金属溶湯が連絡通路41を通って保持室20内に流れ込もうとする。このため連絡通路41に流れが発生し、かかる流れにのって連絡通路41に配設されているバルブ42が作動し、上昇する。
【0033】
バルブ42が一定距離上昇すると、図3に示すようにバルブ42の弁体部42bと上ダイス43aが係合する。弁体部42bと上ダイス43aとの係合により、連絡通路41における金属溶湯の流通が遮断される。このため、加圧による金属溶湯の流れが連絡通路41を経て保持室20側に伝わらなくなり、保持室20の湯面はL0に保たれる(尚、この場合において、弁体部42bが上ダイス43aと係合するまでの間は、連絡通路41から保持室20に金属溶湯が流れ込むが、この量は微小であるため、無視している。)。よって、加圧による湯面変化は、出湯室10及びそれに連通する供給管31、射出スリーブ32にのみ作用し、保持室20には作用しない。
【0034】
その後さらに加圧シリンダ17から加圧筒12内に圧送流体が導入されると、図3に示すように加圧筒12内の湯面がさらに下降するとともに、出湯室10における加圧筒12外の湯面がさらに上昇する。加圧室外の湯面の上昇はそのまま射出スリーブ32側の湯面の上昇とされるため、湯面上昇が一定以上となると、供給管31から射出スリーブ32内に金属溶湯が出湯されるようになる。
【0035】
出湯室10の第1湯面センサ10dは、出湯室10における加圧筒12外の湯面の高さがL3(L3>L2>L0)になっているか否かが検出される。尚、本例において、加圧筒12外の湯面の高さがL3である状態となると、射出スリーブ32内に導入される金属溶湯の充填量が目標とする充填量となる。したがって、制御手段51は、第1湯面センサ10dからの情報により湯面高さがL3であるとの情報を得ると、射出スリーブ32内の金属溶湯の充填量が目標量に達したと判断し、加圧シリンダ駆動装置19に駆動停止指令を出力してそれ以上のピストン17aの駆動を停止する。そして、出湯室10及び射出スリーブ32内の金属溶湯の充填高さがL3である状態を維持したまま、射出プランジャチップ32aを前進させて供給管31の注湯口31aを塞ぐ。射出スリーブ32内の金属溶湯はその後射出プランジャチップ32aに押されて射出スリーブ32から鋳造型のキャビティー内に射出され、成形に供される。
【0036】
射出プランジャチップ32aで注湯口31aが塞がれた後、制御手段51は制御バルブ16に大気圧切替指令を出力する。これにより制御バルブ16は加圧ノズル15と大気とを連通させるように切替えられ、斯かる切替えにより加圧筒12内は大気開放される。これにより、図4に示すように、加圧による加圧筒12内での湯面下降が解除され、湯面が復帰し、加圧筒12内の湯面、出湯室10における加圧筒12外の湯面、給湯管31内の湯面が同じ高さ(L5)となる。この場合において、射出スリーブ32から鋳造型のキャビティー内に射出されて成形に供された溶湯が出湯室10から出湯された分、出湯室10内の湯量が少なくなっており、このため高さL5は出湯高さL0よりも低くなる(L5<L0)。図4の状態は、保持室20の湯面高さがL0、出湯室10の湯面高さがL5であり、L5<L0であるので、連絡通路41を通って保持室20内の金属溶湯が出湯室10内に流れ込もうとし、連絡通路41内で図示下方に向かう流れが生じる。この流れによってバルブ42が作動し、下方に移動する。
【0037】
金属溶湯の流れに載ってバルブ42が所定距離図4において下方に移動すると、バルブ42の芯材部42aの下端がストッパ部材44に当接し、この当接によって、バルブ42のそれ以上の下方移動が規制される(図5参照)。この状態では、図5からわかるように、バルブ42の弁体部42bは、いずれのダイス43a、43bにも当接していない状態であり、このため連絡通路42は弁体部43bとダイス43a,43bによってその連通が遮断されていない状態が維持される。このため、連絡通路41を通って保持室20内の金属溶湯が出湯室10内に流れ込み、保持室20内の湯面が低下するとともに出湯室10内の湯面が上昇する。図5はこの状態を示す。図5から明らかなように、保持室20における金属溶湯の湯面高さが第3の開口21の下端よりも高い場合には、保持室20内の湯面高さと出湯室10内の湯面高さが同一高さ(L6)となる。湯面高さL6は、出湯前の湯面高さL0よりも低いが、これは、上述したように、金属溶湯の量が、射出されて成形に供された金属溶湯の分だけ出湯前の状態よりも少なくなっているからである。
【0038】
図5の状態では、保持室20における第2湯面センサ20dは、保持室20における湯面高さがL6であることを検出している(若しくは、L0ではないことを検出している)。この情報が制御手段51に入力され、制御手段51は、保持室20における湯面高さがL0ではないことを認識する。すると、制御手段51はフロート駆動装置24に駆動指令を出力する。この駆動指令によってフロート駆動装置24が動作し、フロート22が下降する。フロート22の下降により、保持室20内に充填された金属溶湯中にフロート22が浸漬する体積が増加し、その結果、保持室20内の金属溶湯の湯面が上昇する。そして、湯面高さがL0にまで上昇したことを第2湯面検知センサ20dからの情報で制御手段51が認識すると、制御手段51はフロート駆動装置24に駆動停止指令を出力する。これによりフロート駆動装置24は駆動を停止し、フロート22のそれ以上の下降が停止される。このようにして湯面がL0に復帰し、次ショットに備える。
【0039】
以上のように、本例によれば、金属溶湯供給装置101を、第1の開口11及び第2の開口45を有し内部に金属溶湯が充填される出湯室10と、出湯室10内の金属溶湯に流れを生じさせこの流れによって金属溶湯を第1の開口11から出湯させるための出湯手段(加圧筒12、加圧ノズル15、加圧シリンダ17、加圧シリンダ駆動装置19)と、第2の開口45に連通した連絡通路41と、第3の開口21が形成され該第3の開口21で連絡通路41に連通する保持室20と、連絡通路41に設けられ連絡通路41内を流通する金属溶湯の流れによって作動して出湯室10から保持室20への金属溶湯の流通を制限又は遮断するバルブ機構(バルブ42、上ダイス43a)とを具備するものとして構成したので、出湯室10から第1の開口11を経て出湯されている際に、出湯室10側から保持室20側へ流れようとする金属溶湯は連絡通路41においてバルブ42及び上ダイス43aの当接によってその流通が遮断されるため、第1の開口11から出湯する金属溶湯の出湯量を確保することができる。この場合において、バルブ42は連絡通路41内を流れる金属溶湯の流れによって作動するので、従来のように湯中タップを動作させるためのアクチュエータや連結ロッドなどを必要とせず、したがって、コンパクトかつ簡便な構成で出湯を行うことができる。
【0040】
尚、本例においては、連絡通路をバルブ42及び上ダイス43aとの当接により遮断する例を示したが、本発明の趣旨に則れば、必ずしも連絡通路を遮断しなければならないものではなく、連絡通路を流れる金属溶湯に一定の抵抗を付与するものであっても良い。一定の抵抗を与えることができれば、加圧力の加え方次第では出湯室10の湯面高さを一定高さに維持することも可能であるからである。また、連絡通路を遮断するにあたっても、確実に遮断する必要はなく、多少の漏れがあっても本発明は成立する。漏れた分だけ加圧すれば、湯面高さを一定に維持できるからである。
【0041】
また、出湯手段を、出湯室10から垂下して出湯室10へ延在して設けられた加圧筒12と、加圧筒12の上側から該加圧筒12内部を加圧する加圧発生手段(加圧ノズル15、加圧シリンダ17、加圧シリンダ駆動装置19)とを具備する構成としている。出湯室全体を加圧して金属溶湯を押出すといった従来の手法と異なり、出湯室10内に加圧筒12を設けて部分的に加圧空間を形成し、加圧することにより出湯するといった手法を採用しているため、加圧空間のシール部位が出湯室全体をシールする場合に比して減少し(本例においては、加圧筒12のフランジ部12aと加圧用蓋13との間を耐熱性シール材14でシールするだけでよい)、安価に構成できるとともに信頼性も向上する。
【0042】
また、加圧発生手段(加圧ノズル15、加圧シリンダ17、加圧シリンダ駆動装置19)により加圧筒12内に発生した加圧力により加圧筒12内の金属溶湯の湯面が下降し、この湯面の下降に伴い出湯室10内における加圧筒12外の金属溶湯の湯面が上昇し、この湯面の上昇により第1の開口11から金属溶湯を出湯させるとともに、出湯室10と保持室20との湯面差に伴う金属溶湯の流れによりバルブ42が連絡通路41における金属溶湯の流通を遮断する構成としている。出湯室10の湯面変動を利用して出湯を実現するとともに、湯面差を利用してバルブ42を作動させることにより、新たな構成を付加せずともバルブ42の作動を実現でき、大型化を防止し得、コンパクトかつ簡便な構成での出湯を実現できる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、コンパクトな構成で、かつ、簡便な制御で出湯を可能な金属溶湯供給装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における金属溶湯供給装置の概略断面図であり、加圧手段による加圧前の状態を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態における金属溶湯供給装置の概略断面図であり、加圧手段による加圧を開始した後の状態を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態における金属溶湯供給装置の概略断面図であり、バルブとダイスが当接して連絡通路が遮断されている状態を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態における金属溶湯供給装置の概略断面図であり、加圧手段の加圧を解除した状態を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態における金属溶湯供給装置の概略断面図であり、加圧手段の加圧を解除して保持室と出湯室との湯面高さが同一高さとなった状態を示す図である。
【図6】従来技術における溶湯供給装置の概略断面図である。
【図7】他の従来技術における加圧注湯炉の概略断面図である。
【符号の説明】
10:出湯室、10a:上壁、10b:側壁、10c:底壁
10d:第1湯面センサ
11:第1の開口
12:加圧筒(出湯手段)、12a:フランジ部、12b:筒状部
13:加圧用蓋
14:耐熱性シール材
15:加圧ノズル(出湯手段、加圧発生手段)
16:制御バルブ
17:加圧シリンダ(出湯手段、加圧発生手段)
19:加圧シリンダ駆動装置(出湯手段、加圧発生手段)
20:保持室、20a:上壁、20b:側壁、20c:底壁
20d:第2湯面センサ
21:第3の開口
22:フロート
31:給湯管
32:射出スリーブ
41:連絡通路
42:バルブ(バルブ機構)、42a:心材部、42b:弁体部
43a:上ダイス(バルブ機構)、43b:下ダイス
44:ストッパ部材
45:第2の開口
51:制御手段
101:金属溶湯供給装置
Claims (3)
- 第1の開口及び第2の開口を有し内部に金属溶湯が充填される出湯室と、該出湯室内の金属溶湯に流れを生じさせこの流れによって金属溶湯を前記第1の開口から出湯させるための出湯手段と、前記第2の開口に連通した連絡通路と、第3の開口が形成され該第3の開口で前記連絡通路に連通する保持室と、前記連絡通路に設けられ前記連絡通路内を流通する金属溶湯の流れによって作動して前記出湯室から前記保持室への金属溶湯の流通を制限又は遮断するバルブ機構を具備することを特徴とする金属溶湯供給装置。
- 請求項1において、
前記出湯手段は、前記出湯室の上部から垂下して前記出湯室内に延在して設けられた加圧筒と、該加圧筒の上側から該加圧筒内部を加圧する加圧発生手段とを具備することを特徴とする金属溶湯供給装置。 - 請求項2において、
前記加圧発生手段により前記加圧筒内に発生した加圧力により前記加圧筒内の金属溶湯の湯面が下降し、この湯面の下降に伴い前記出湯室内における前記加圧筒外の金属溶湯の湯面が上昇し、この湯面の上昇により前記第1の開口から金属溶湯を出湯させるとともに、前記出湯室と前記保持室との湯面差に伴う金属溶湯の流れにより前記バルブ機構が前記連絡通路における金属溶湯の流通を制限又は遮断することを特徴とする金属溶湯供給装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002344337A JP2004174564A (ja) | 2002-11-27 | 2002-11-27 | 金属溶湯供給装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2004174564A true JP2004174564A (ja) | 2004-06-24 |
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JP (1) | JP2004174564A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012061500A (ja) * | 2010-09-16 | 2012-03-29 | Hirohata Furnace Co Ltd | 非鉄金属の溶湯供給装置 |
-
2002
- 2002-11-27 JP JP2002344337A patent/JP2004174564A/ja active Pending
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