JPH11123520A - ダイカスト機械 - Google Patents

ダイカスト機械

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JPH11123520A
JPH11123520A JP29234597A JP29234597A JPH11123520A JP H11123520 A JPH11123520 A JP H11123520A JP 29234597 A JP29234597 A JP 29234597A JP 29234597 A JP29234597 A JP 29234597A JP H11123520 A JPH11123520 A JP H11123520A
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molten metal
plunger
injection
mold
sleeve
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JP29234597A
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Kozo Kuroki
耕三 黒木
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 注湯が容易、迅速で、高品質の鋳造が可能な
ダイカスト機械の提供。 【解決手段】 ダイカスト機械1は、射出プランジャ6
bに対向して射出スリーブ6a内を移動可能な別のプラ
ンジャ7bを設けている。プランジャ7bは射出スリー
ブ6a内を仕切って、射出プランジャ6bとの間に溶湯
室9を形成する。溶湯室9への注湯後、この溶湯室を、
2つのプランジャ6b,7bを連動させて、注湯口6e
につながった位置から、金型キャビティ5への開口6f
に連通する位置へ移動させ、射出プランジャ6bにより
溶湯11を加圧して金型キャビティ5へ注入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はダイカスト機械に係
わり、詳細に云うと、ダイカスト機械の、射出スリーブ
とプランジャを用いた溶湯の注入装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の注入装置は、金型に隣接して設
けた射出スリーブと、該射出スリーブに摺動嵌合した射
出プランジャとを含み、射出スリーブに入れた溶湯を射
出プランジャにより加圧して金型のキャビティへ注入す
るようになっている。射出スリーブは、その長手方向を
水平に向けた、いわゆる横型のものと、ほぼ垂直に向け
た、いわゆる竪型のものが知られている。
【0003】前者の配置にあっては、一般に、射出スリ
ーブを金型の下から、金型を押さえている固定盤を越え
てほぼ水平に延在させ、固定盤の外側に注湯口を設けて
いる。そのため、注湯が容易で、これに要する時間も短
く、従って、比較的に迅速な成形サイクルが得られる。
反面、注湯口から金型湯口までの距離が長く、スリーブ
内面や空気に触れる溶湯が多くなって、空気やガス、凝
固金属、そして酸化物の巻き込みによる巣などの鋳造欠
陥を伴いがちである。横型の射出スリーブは、例えば、
特開平7−16722号公報に見られる。
【0004】一方、竪型の配置では、射出スリーブを金
型の真下に置き、金型を開いて、或いは射出スリーブを
傾けて溶湯を入れ、その後、射出スリーブを金型に結合
して溶湯をキャビティへ注入する。このため、注湯から
鋳造までの時間が長くなる。そのような配置例は、例え
ば、特開平7−16721号公報に見られる。
【0005】これに対して、特開平8−243710号
公報は、固定設置した射出ないし鋳込スリーブに溶湯を
上方から直接注ぐようにして、サイクルタイムを短縮す
ることを提案している。同公報に示されたダイカストマ
シンは、金型の側方に鋳込スリーブを配置すると共に、
鋳込スリーブの上端を開閉するスライドコアを設け、注
湯時にスライドコアを持ち上げて、鋳込スリーブ内への
ラドル(とりなべ)の接近を可能にする。次いで、スラ
イドコアを下降させた後、プランジャを上昇させて溶湯
をスライドコアとの間で加圧するが、溶湯上に空気層が
残り、上述の水平配置スリーブの場合と同様な問題が生
ずる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって、短いサイ
クルタイムと高品質の鋳造とを両立し得るように溶湯の
注入装置をさらに改善することが望ましく、本発明は、
注湯が容易で、空気、酸化物や凝固金属の巻き込みの少
ないダイカスト機械の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このため、本発明は、金
型と、この金型のキャビティにつながる開口および該開
口から隔たった注湯口を備える射出スリーブと、この射
出スリーブに摺動自在に嵌合した射出プランジャとを有
し、注湯口から射出スリーブ内に入れた溶湯を射出プラ
ンジャにより加圧して金型キャビティへ充填するダイカ
スト機械において、前述の射出プランジャに対向して射
出スリーブ内を可動な仕切手段を設けてこれらプランジ
ャと仕切手段との間に溶湯室を形成し、この溶湯室を、
射出プランジャと仕切手段を連動させて、注湯口のみに
つながる位置と、金型キャビティへの開口のみに連通す
る位置との間を移動させることを特徴とする。
【0008】
【発明の作用・効果】上記構成によると、溶湯室の大き
さ(長さ)を、製品に要する溶湯の量に応じて、従来の
射出スリーブにおける注湯口から金型キャビティへの開
口までの長さに比して、大幅に小さくすることができ
る。このため、空気やスリーブ内面に接触する溶湯が少
なく、凝固金属や酸化物の発生が抑制される。また、溶
湯室の湯面を高く設定できるので、同室内の空気やガス
が少なく、成形品へのこれら欠陥要因の巻き込みを低減
して、高品質の鋳造が得られる。しかも、射出スリーブ
への注湯は、従来の横型配置や、前述の特開平8−24
3710号公報の場合と同様に、ラドル等で注湯口へ直
接・容易に行うことができ、竪型の射出スリーブにあっ
ても、注湯のために傾動などの付加操作を要しない。
【0009】本発明は、横型あるいは竪型いずれの射出
スリーブにも適用可能であるが、溶湯室の移動を出来る
限り短くして注湯を迅速にする上では、射出スリーブを
金型の側方に垂直ないし傾いて配置することが好まし
い。この場合、注湯口を金型キャビティへの開口より上
方に設けて、溶湯室を注湯後に下方へ動かすようにす
る。
【0010】また、仕切手段は射出プランジャと同軸状
に配置した第2のプランジャであることが好適である。
さすれば、この第2プランジャを、射出プランジャと同
様な油圧力などの駆動源を用いて、容易に連動させるこ
とができる。
【0011】
【発明の実施の形態】次、添付図面に示す実施例に基づ
いて、本発明を説明する。図1から図3は、第1実施例
による、横型の射出スリーブを備えたダイカスト機械1
を示す。機械1は、大きく分けて、金型部と、溶湯を充
填するための注入装置ないし注湯部と、そして製品取出
部から成る。金型部は固定盤2と、これに対向した移動
可能な可動盤3と、金型4とを含む。可動盤3には、固
定盤に接近し或いは遠ざかる駆動のための機構(図示せ
ず)を設けている。金型4は固定および可動金型部分4
a,4bから成り、固定金型部分4aが固定盤2に、可
動金型部分4bがこれに向かい合って可動盤3に取り付
けられる。固定および可動金型部分4a,4bは鋳造す
る製品に見合った凹みを備え、可動盤3の駆動により、
可動金型部分4aを固定金型部分4bへ向け動かして型
締めすると、両者間に製品成形部となる金型キャビティ
5を形成する。このような金型部の構造は、従来のもの
と同様である。
【0012】注湯部は、固定盤2側の射出装置6と、こ
れに対向して可動盤3側に設けた溶湯高さ決め装置7と
を有する。射出装置6は、円筒状の射出スリーブ6a
と、この射出スリーブに密封状に嵌合し且つ摺動自在な
射出プランジャ6bとを備える。射出プランジャ6b
は、油圧式のシリンダ6cで駆動される。射出スリーブ
6aは、固定盤2と固定金型部分4aの下部にそれぞれ
嵌合した2つのスリーブ部分と、可動金型部分4bの下
部に埋め込んだスリーブ部分6dから成る。また、射出
スリーブ6aは、固定盤2外側の位置に、上方へ開口し
た注湯口6eを有する。固定盤2の、注湯口6eを取巻
く部分は、注湯口への接近を容易にすべく、窪みを設け
ている。
【0013】一方、溶湯高さ決め装置7は、可動盤3の
下部に設けた油圧駆動のシリンダ7aを有する。このシ
リンダのプランジャ7bは、前述のスリーブ部分6dに
密封状に嵌合し且つ摺動自在である。スリーブ部分7a
は、金型4が型締めされると、固定盤2側のスリーブ部
分へ密封・整合状に接合して、固定盤側の2つのスリー
ブ部分と共に、金型4の下部をほぼ水平に延びた射出ス
リーブ6a構成する。これらスリーブ部分が接合した状
態では、固定盤側のプランジャ6bが可動盤側のスリー
ブ部分6d内へ、或いは逆に、可動盤側のプランジャ7
bが固定盤側のスリーブ部分内へ摺動可能である。ま
た、固定盤側と可動盤側のスリーブ部分間に、金型4の
キャビティ5へ通じる開口6fが形成される。射出装置
6と、溶湯高さ決め装置7は、図2に示す制御系統によ
り連動するようになっており、その系統の詳細と作動に
ついては後述する。
【0014】製品取出部は、溶湯高さ決め装置7の上方
の位置で可動盤3に設けた油圧駆動のシリンダ8aと、
このシリンダのプランジャ8bより成る。プランジャ8
bの先端には、金型部分4bを貫いてキャビティ5内へ
延びたピン8cか取り付けられている。ピン8cは、従
来のダイカスト機械のものと同様に、鋳込作業の終了
後、シリンダ8aの駆動で金型部分4bから突き出て、
製品を金型キャビティより押し出す。ダイカスト機械1
のその他の構造は従来と同様で良く、本文では説明を省
略する。ここで、本文で云う先端とは、金型キャビティ
に近い方の端部を称し、内側は金型キャビティに近い側
を、外側はそこから遠い側を称し、また、プランジャの
前進、後退はそれぞれシリンダから突き出る移動と、引
き込む動きを称する。
【0015】続いて、図1から図3を参照して、ダイカ
スト機械1の作動を説明する。なお、図3は、製品取出
部を省略し、金型部分4bと可動盤3の間を詰めて、図
示を簡略化している。作業準備が完了し、金型4が型締
めされた状態では、図3(a)に示すように、射出プラ
ンジャ6bは後退し、その先端が射出スリーブ6aの注
湯口6eを過ぎた位置にある。一方、可動盤側のプラン
ジャ7bは固定盤側へ前進し、その先端が注湯口6eの
手前にある。プランジャ7bは、射出プランジャ6bに
対向して射出スリーブ6a内を仕切る手段として作用
し、射出プランジャ6bとの間に溶湯室9を画定する。
【0016】このようなプランジャ6b,7bの位置
は、図2に示した制御系統によって規制される。同系統
は、磁気式スケールを用いて各プランジャの位置を検出
する。そのため、プランジャ6b,7bに、一緒に動く
ように磁気スケールSをそれぞれ取り付け、読み取り用
の磁気ヘッドMを組み合わせている。磁気ヘッドMは、
磁気スケールSの目盛りを読み取り、これをコントロー
ラCへ入力する。コントローラCは、これら入力信号か
らプランジャ6b,7bの位置を求め、その結果に基づ
いて、制御弁Vを切り替え、圧油源Hからシリンダ6
c,7aへの圧油を制御する。コントローラCには更
に、溶湯用のラドル10の傾きを入力するようになって
いる。
【0017】図3(a)に示す状態では、シリンダ6
c,7aが停止して、プランジャ6b,7bを図示の位
置に止めている。なお、溶湯室9の大きさは、プランジ
ャ6b,7bの位置を変更することにより、必要な注湯
量に応じて調整可能であるが、同室内の空気を極力少な
くするように、湯面を高く設定することが好ましい。
【0018】この状態で、製品の鋳造に用いるアルミニ
ューム合金などの溶湯11が、ラドル10から注湯口6
eを通して、射出スリーブ6a内の溶湯室9へ供給され
る。この時、図2のコントローラCは、ラドル10の傾
きに応じて、すなわち注湯量に応じて、プランジャ7b
を図3(b)に見られるように漸次後退させ、溶湯室9
を次第に拡大する。これは、スリーブ内面や空気に触れ
る溶湯を極力少なくして、凝固や酸化を抑制するための
処置である。
【0019】必要量の注湯が終了すると、図2のコント
ローラCが、ラドル10の傾き信号からこれを検知し
て、プランジャ6bを前進させる。同時に、プランジャ
7bも、プランジャ6bと同じ速さで後退させる。かく
して、溶湯室9は、その容積を保ったまま、同室内の溶
湯11と共に、注湯口6eに通じる位置から内側へ、射
出スリーブ6aに沿って移動する。
【0020】溶湯室9が、図3(c)に示すように、金
型4のキャビティ5への開口6fへ通じる位置へ達する
と、図2のコントローラCは、プランジャ7bを直ちに
停止させる。一方、プランジャ6bは前進を続け、溶湯
室9内の溶湯11を加圧する。加圧された溶湯11は、
開口6fと金型の湯道を通ってキャビティ5を満たし、
同キャビティの形状に倣った製品を形成する。溶融金属
が固まると、図1に示すように、可動金型部分4bを動
かして金型を開き、射出スリーブ6aや金型湯道内に残
った凝固金属(いわゆるビスケット)と製品とを取り出
して、1回の鋳造作業が終了する。
【0021】上述した実施形態に種々の変更を加えるこ
とができる。例えば、シリンダ6c,7aは油圧に代え
て空気圧駆動式としても良く、或いは、プランジャ6
b,7bを電気モータなどで直接駆動しても良い。ま
た、固定盤側の2つのスリーブ部分を一体に形成し、固
定盤2または金型部分4aのいずれか一方に取り付ける
ようにしてもよい。さらに、射出装置6や、溶湯高さ決
め装置7の配置・構造を変更することも可能である。図
4から図6は、そのような変更例を示している。これら
変更例では、前述の実施形態と同様でよい個所に同様な
符号を付して、説明を省略する。
【0022】図4の変更例では、溶湯高さ決め装置47
のシリンダ47aを、可動盤43ではなく、可動金型部
分4bの下部に直接取り付けている。さらに、同装置の
プランジャ47bの先端47cがストッパとして形成さ
れ、金型部分4bの下部に埋め込んだスリーブ部分46
cも、このストッパに当接するように形成されている。
その他の射出装置6、固定盤2や、固定金型部分4aに
は変更がない。この構成によると、従来の設計によるダ
イカスト機械においても、金型部分4bの変更と、溶湯
高さ決め装置47および制御系統の追加のみで、本発明
を容易に採用できる。また、プランジャ47bの停止を
一層確実にすることができる。
【0023】図5の例では、射出装置56の射出スリー
ブ56aが二重構造である。すなわち、固定盤2と固定
金型部分4aに埋め込まれた2つのスリーブ部分は、図
1に示したものに比して肉厚が薄く、これらスリーブ部
分内に摺動自在に第2のスリーブ56gが挿入されてい
る。装置56の射出プランジャ6bと、溶湯高さ決め装
置57のプランジャ57bは、第2のスリーブ56g内
に摺動自在に嵌合している。第2のスリーブ56gは、
注湯口6eに整合する開口を上部に備え、油圧式のシリ
ンダ56hの駆動により溶湯室9と同期して移動するよ
うになっている。この第2のスリーブの移動は、図2の
系統と同様な制御で行う。本例によると、溶湯室9は2
つのプランジャ6b,57bと、第2のスリーブ56g
とによって画定され、注入された溶湯に接している第2
のスリーブ56gがそのまま溶湯室9と共に移動するの
で、溶湯の温度低下が少なく、鋳造品質が一層高まる。
【0024】一方、溶湯高さ決め装置57のプランジャ
57bは、シリンダ57a内の摺動部の外側に、延長の
ロッド部分57cを備えている。このロッド部分57c
は、シリンダ57aの後壁を貫いて突き出ており、その
後端に冷却液導入用の接続具57dを取り付けている。
プランジャ57bとロッド部分57c内には冷却液通路
(図示なし)が設けられ、接続具57dを介して導入し
た冷却液によって、プランジャを冷やすようになってい
る。なお、図1の装置6や、本例の装置56のプランジ
ャ6bも同じく冷却されるが、これは従来の方式と同様
でよく、ここでは説明を省略する。
【0025】図6は、更に別の変更例の射出スリーブ6
6aを、固定金型部分64の可動金型部分との合わせ面
にて見た概略図である。前述の例では金型キャビティへ
通じる開口が射出スリーブの上部にあったが、本例では
これに代えて、射出スリーブの上側に、同スリーブに連
通した空洞68を設けている。さらに、この空洞の上部
に、金型外へ通じた排出路69がつながっている。射出
スリーブの金型キャビティ5への開口66fは、空洞6
8より下側に設けられている。より詳しく言うと、開口
66fは、射出スリーブ66aの高さの中程の位置で、
射出スリーブの側部に在り、ここから金型の湯道がキャ
ビティ5まで上方へ延びている。しかしながら、開口6
6fの位置はこれに限らず、溶湯室へ供給された溶湯1
1の、加圧前の湯面より下側であれば良い。
【0026】注湯作業の際に、射出スリーブ66a内で
は、供給された溶湯からガスが発生し、空気との接触に
よる酸化物や、射出スリーブなどにより冷却された凝固
部分が生ずる。溶湯室の移動によって、これら空気や発
生ガスは同室の上部空間に閉じ込められ、また、酸化物
と凝固金属は、溶湯の加圧時に、溶湯高さ決め装置のプ
ランジャ先端へ向けて押しやられる。同時に、射出スリ
ーブ66aの側部の開口66fから、溶湯が湯道を通っ
て上方へ進む。これに伴って、図6に見られるように、
射出スリーブ66a内の湯面も上昇し、溶湯室の端部に
集まった酸化物や凝固金属は、空気やガスと共に、空洞
68に封じ込められる。かくして、金型キャビティへの
溶湯は、空気や酸化物などの混入が少なく、良好な製品
を形成する。これに関連して、溶湯高さ決め装置のプラ
ンジャ先端に傾斜段部や環状溝を設けて、溶湯室端部の
溶湯を積極的に空洞68へ導くようにすると、酸化物や
凝固金属の捕捉が一層確実になる。
【0027】このように、空洞68は、空気や酸化物の
逃げ部として作用し、溶湯のガスや酸化物を収容するた
めに十分な容積を要するが、反面、大きすぎると無駄に
なる鋳造材料が増えるので、個々の製品に応じて適宜設
定することが望ましい。排出路69は、空洞68に集ま
った空気やガスを排出し、酸化物や凝固金属の収容を確
実にする。排出路69は、溶湯の逸失を極力少なくする
ように、金型間に0.1mm程度の寸法に形成した隙間
である。この排出路は、経路をジグザグに形成したいわ
ゆるチリブロックを採用しても良い。さらに、排出路に
減圧手段を接続して、積極的に空気やガスを抜き出すよ
うにすることも出来る。
【0028】なお、溶湯室の端部に集まる酸化物や凝固
金属については、溶湯高さ決めプランジャを図3(c)
や図4に示した位置より更に後退させ、すなわち、射出
スリーブの金型キャビティへの開口を過ぎた位置に停止
させて、溶湯室中程の溶湯を金型キャビティへ送ること
により、図1から図6の例においても、これら酸化物お
よび凝固金属の混入を防止できる。
【0029】図7(a)から(c)は、本発明の第2実
施例による、竪型の射出スリーブを備えたダイガスト機
械101を示す。この機械101は、前述の例と同様
に、固定盤102、可動盤103、固定および可動金型
部分104a,104bから成る金型104、射出スリ
ーブ106aとプランジャ106bを有する射出装置1
06、射出プランジャに対向したプランジャ107bを
含む溶湯高さ決め装置107、そして、突き出しピン1
08cを含む製品取出部を備える。また、これらの構成
によって、金型104が型締めされるとキャビティ10
5を形成すること、射出スリーブ106aに金型キャビ
ティ105への開口106fが有ることなども、前述の
例と同じである。
【0030】しかしながら、固定盤102と可動盤10
3、並びに固定金型部分104aと可動金型部分104
bは、固定盤102および固定金型部分104aを下に
して、それぞれ上下に対向している。そして、射出装置
106と溶湯高さ決め装置107とは、金型104の側
方にほぼ垂直に対向して配置される。さらに、前述の例
とは大きく異なって、射出装置106を可動盤側に、装
置107を固定盤側に設けている。また、注湯口106
eも、可動金型部分104bに埋め込んだスリーブ部分
106dに形成され、金型104と可動盤103の間で
側方に開口しており、開口106fより高い位置にあ
る。このような竪型の射出スリーブ配置によると、溶湯
室の移動距離を小さくして、溶湯の充填をより迅速に行
うことができる。
【0031】ダイカスト機械101の作動において、金
型104が型締めされた状態では、図7(a)に見られ
るように、射出プランジャ106bが後退し、その先端
は射出スリーブ106aの注湯口106eを開いて、ラ
ドル110の接近を可能にしている。一方、固定盤側の
プランジャ107bは可動盤側へ前進し、その先端は、
射出スリーブ106a内への溶湯111の収容を可能と
するように、注湯口106eの縁から所定距離下がった
位置にある。このプランジャ107bは、射出スリーブ
106a内を仕切る手段として作用する。
【0032】注湯が終了してラドル110が後退する
と、図7(b)に示すように、プランジャ106bが前
進して、注湯口106eが閉じる。プランジャ106b
はそのまま前進し続け、同時に、プランジャ107b
も、プランジャ106bと同じ速さで後退する。かくし
て、プランジャ106b,107b間に画定された溶湯
室109は、その容積を保ったまま、同室内の溶湯11
1と共に、注湯口106eの位置から下方へ、射出スリ
ーブ106aに沿って移動する。
【0033】溶湯室109が、図7(c)に示すよう
に、金型104のキャビティ105への開口106fへ
通じる位置へ達すると、プランジャ107bは停止す
る。一方、プランジャ106bは前進を続け、溶湯室1
09内の溶湯111を加圧する。加圧された溶湯111
は、開口106fから金型の湯道を通ってキャビティ1
05を満たし、同キャビティの形状に倣った製品を形成
する。上述したダイカスト機械101の作動は、図2に
示したものと同様な系統によって制御することができ
る。
【0034】図8に示す図7の機械の変更例は、固定盤
202、可動盤203、金型204、射出装置206、
および溶湯高さ決め装置207それぞれの構造と、相互
位置関係が図7の例と同じで、これら全体が垂直から各
15度傾いている点のみが相違する。この構成による
と、金型キャビティ205も水平から約15度傾斜し、
溶湯の充填時に空気の抜き出しが確実となって、高品質
の鋳造が得られる。なお、機械の傾斜は15度に限るも
のでなく、製品の形状や、充填する溶湯量に応じて適宜
設定すれば良い。
【0035】以上、本発明を幾つかの例に基づいて説明
したが、本発明はこれら特定の形態のみに限定されず、
特許請求の範囲の記載内で、種々の変更ができ、或い
は、別の形態を採り得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるダイカスト機械の要部構
造を示す断面図。
【図2】図1の機械における注湯部の制御系統を示す概
略図。
【図3】図1の機械の作動を説明するための要部断面図
で、(a)と(b)は射出スリーブへの注湯状態を、
(c)は射出スリーブの溶湯室を移動している状態を、
そして(d)は金型キャビティへ溶湯を充填した状態を
それぞれ示している。
【図4】図1のダイカスト機械の変更例を示す断面図。
【図5】図1のダイカスト機械の別の変更例を示す断面
図。
【図6】図1のダイカスト機械のさらに別の変更例を示
す概略横断面図。
【図7】本発明の別の実施例によるダイカスト機械の要
部を示す断面図で、(a)は射出スリーブへの注湯状態
を、(b)は射出スリーブの溶湯室を移動している状態
を、また、(c)は金型キャビティへ溶湯を充填した状
態をそれぞれ示している。
【図8】図7の機械の変更例を示す要部断面図。
【符号の説明】
1,101 ダイカスト機械 4,104,204 金型 5,105,205 キャビティ 6a,56a,66a,106a 射出スリーブ 6b,106b 射出プランジャ 6e,106e 注湯口 6f,66f,106f 開口 7b,47b,57b,107b 注湯高さ決め装置プ
ランジャ(仕切手段) 9,109 溶湯室 11,111 溶湯

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金型と、この金型のキャビティにつなが
    る開口および該開口から隔たった注湯口を備える射出ス
    リーブと、この射出スリーブに摺動自在に嵌合した射出
    プランジャとを有し、注湯口から射出スリーブ内に入れ
    た溶湯を射出プランジャにより加圧して金型キャビティ
    へ充填するダイカスト機械において、射出プランジャに
    対向して射出スリーブ内を可動な仕切手段を設けてこれ
    らプランジャと仕切手段との間に溶湯室を形成し、この
    溶湯室を、射出プランジャと仕切手段を連動させて、注
    湯口のみにつながる位置と、金型キャビティへの開口の
    みに連通する位置との間を移動させることを特徴とする
    ダイカスト機械。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の機械において、前記射
    出スリーブは、注湯口と金型キャビティへの開口とが異
    なる高さに位置するように、ほぼ垂直に或いは傾いて金
    型の側方に配置され、注湯口は金型キャビティへの開口
    より上方に設けられて、溶湯室が注湯後に下方へ動かさ
    れるダイカスト機械。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の機械におい
    て、前記仕切手段は射出プランジャと同軸状に配置した
    第2のプランジャであるダイカスト機械。
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