JP2009069782A - 電子写真機器用導電性組成物、電子写真機器用導電性架橋体および電子写真機器用導電性部材 - Google Patents

電子写真機器用導電性組成物、電子写真機器用導電性架橋体および電子写真機器用導電性部材 Download PDF

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Abstract

【課題】低硬度で、良好な耐ヘタリ性を備えた電子写真機器用導電性部材を形成する電子写真機器用導電性組成物を提供すること。
【解決手段】ヒドリンゴムやニトリルゴム、ウレタンゴムなどの極性基を有するポリマーと、分子量120以上、かつ、単官能の(メタ)アクリレートと、ラジカル重合開始剤とを含有する組成物とする。極性基を有するポリマー100質量部に対して、(メタ)アクリレートを3〜80質量部含有していると良い。(メタ)アクリレートは、アルキレンオキサイド変性、アルキル変性、アリールアルキル変性、シクロヘキシル変性、イソボルニル変性、ウレタン変性、エステル変性、エポキシ変性などの変性(メタ)アクリレートであると良い。さらに、イオン導電剤を含有していると良い。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真機器用導電性組成物、電子写真機器用導電性架橋体および電子写真機器用導電性部材に関するものである。
近年、電子写真方式を採用する複写機、プリンター、ファクシミリなどの電子写真機器が広く使用されるようになってきている。電子写真機器の内部には、通常、感光ドラムが組み込まれており、その周囲には、帯電ロール、現像ロール、転写ロール、トナー供給ロールなどの導電性部材が配設されている。
電子写真機器では、一般に、帯電ロールにより感光ドラムの表面に静電荷を与え、その上に画像を露光して静電潜像を形成し、現像ロールによりトナーを静電潜像に付着させて現像した後、そのトナー像を記録紙に転写し、トナー像が転写された記録紙を加熱加圧してトナーを記録紙上に定着させることによって画像形成を行なっている。
帯電ロールの帯電方式としては、電源の低電圧化による省エネ化、低価格化を図りやすいDC帯電方式と、高速化、高画質化を目指して安定した帯電を得やすいAC・DC重畳帯電方式とが知られている。AC・DC重畳帯電方式は、ロールに起因する画像欠陥を緩和して高画質な画像を得ることができる反面、2方式の電源が必要であったり、電源容量が大きくなったりする問題や、交流波による帯電音発生の問題などがあることから、最近では、高速・高画質向けの帯電ロールにも、DC帯電方式を採用する場合が増えてきている。
DC帯電方式に用いられる帯電ロールや現像ロールなどの導電性部材は、ロールの初期表面の欠陥や耐久後の欠陥が画像に現れやすく、電子写真機器の高画質化、高速化に伴ってこれらの欠陥が問題になってきている。特に、導電性部材が感光ドラムなどと一定の荷重で圧接された状態で使用される場合には、圧接された部分が変形し、その変形形状が画像に現れて、画像の不具合が生じることがある。そのため、これらの導電性部材には、感光ドラムなどに圧接された部分の変形を回復しやすくするために、耐ヘタリ性が要求されている。
導電性部材の耐ヘタリ性を向上させるためには、例えば、導電性部材の硬度を上げて変形量を抑える方法などがある。導電性部材の硬度を上げるには、例えば、導電性部材を構成するゴム材料を架橋させる方法などがある。このとき、架橋剤の添加量を増やして架橋密度を上げると、導電性部材の硬度をより高くして、耐ヘタリ性をより向上させることができる。
導電性部材を構成するゴム材料を架橋させたものとしては、例えば、特許文献1に、ロールの基材にNBR系ゴムまたはヒドリン系ゴムなどを使用し、この基材ゴムに架橋剤としての過酸化物を添加して、基材ゴムを三次元の網目構造に架橋させた現像ロールが開示されている。
特開2003−263021号公報
しかしながら、耐ヘタリ性を向上させるために導電性部材の硬度を高くすると、以下の問題が生じる。
すなわち、例えば、導電性部材が帯電ロールである場合には、帯電ロールの硬度が上がると、感光ドラムへの接地性が悪化する。そのため、感光ドラム上に残ったトナーがロール表面に不均一に付着し、耐久により付着ムラが大きくなる。これにより、耐久後の画像に画像ムラが発生するという問題が生じる。さらに、残ったトナーが硬いロールに押し付けられるので、感光ドラム表面にトナーが融着して画像欠陥が発生するという問題が生じる。
また、例えば、導電性部材が現像ロールである場合には、現像ロールの硬度が上がるとトナーのストレスになり、画像が悪化するという問題が生じる。
したがって、導電性部材には、良好な耐ヘタリ性を備えると同時に低硬度であることも要求されているが、従来の手法では、耐ヘタリ性の向上と低硬度化とを同時に実現させることが難しかった。
本発明が解決しようとする課題は、低硬度で、良好な耐ヘタリ性を備えた電子写真機器用導電性部材を形成する電子写真機器用導電性組成物を提供することにある。また、他の課題としては、低硬度で、良好な耐ヘタリ性を備えた電子写真機器用導電性部材を形成する電子写真機器用導電性架橋体を提供することにある。さらに、低硬度で、良好な耐ヘタリ性を備えた電子写真機器用導電性部材を提供することにある。
上記課題を解決するため本発明に係る電子写真機器用導電性組成物は、極性基を有するポリマーと、分子量120以上、かつ、単官能の(メタ)アクリレートと、ラジカル重合開始剤とを含有することを要旨とする。
このとき、前記(メタ)アクリレートは、アルキレンオキサイド変性、アルキル変性、アリールアルキル変性、シクロヘキシル変性、イソボルニル変性、ウレタン変性、エステル変性、および、エポキシ変性から選択される1種または2種以上の変性による変性(メタ)アクリレートであると良い。
そして、前記極性基を有するポリマー100質量部に対して、前記(メタ)アクリレートを3〜80質量部含有することが望ましい。
一方、本発明に係る電子写真機器用導電性架橋体は、極性基を有するポリマー間が、分子量120以上、かつ、単官能の(メタ)アクリレートで共架橋されてなることを要旨とする。
このとき、前記(メタ)アクリレートは、アルキレンオキサイド変性、アルキル変性、アリールアルキル変性、シクロヘキシル変性、イソボルニル変性、ウレタン変性、エステル変性、および、エポキシ変性から選択される1種または2種以上の変性による変性(メタ)アクリレートであると良い。
また、本発明に係る電子写真機器用導電性架橋体は、上記導電性組成物が共架橋されてなることを要旨とする。
そして、本発明に係る電子写真機器用導電性部材は、上記導電性架橋体を用いたことを要旨とする。
本発明に係る電子写真機器用導電性組成物は、極性基を有するポリマーと、分子量120以上、かつ単官能の(メタ)アクリレートと、ラジカル重合開始剤とを含有している。したがって、この導電性組成物を加熱することで、極性基を有するポリマー間が(メタ)アクリレートで共架橋されてなる導電性架橋体を形成することができる。そして、この導電性架橋体を用いて、電子写真機器用導電性部材を形成することができる。
このとき、架橋密度が高くなるにつれて耐ヘタリ性が向上する。通常、架橋密度が高くなると硬度も高くなるが、本発明に係る電子写真機器用導電性組成物によれば、耐ヘタリ性を向上させつつ、硬度を低く抑えることができる。これは、極性基を有するポリマー間を共架橋する(メタ)アクリレートが単官能であり、その分子量が120以上であるため、極性基を有するポリマー間が(メタ)アクリレートで共架橋されると、極性基を有するポリマー間に比較的大きなぶらさがり構造が形成されて、これにより極性ポリマー同士の凝集(結晶化)を抑制するためと推察される。
したがって、本発明に係る電子写真機器用導電性組成物によれば、低硬度で、良好な耐ヘタリ性を備えた電子写真機器用導電性部材を形成することができる。
このとき、上記(メタ)アクリレートが、アルキレンオキサイド変性、アルキル変性、アリールアルキル変性、シクロヘキシル変性、イソボルニル変性、ウレタン変性、エステル変性、および、エポキシ変性から選択された1種または2種以上の変性による変性(メタ)アクリレートであると、低硬度で、耐ヘタリ性を良好にする効果に特に優れる。
そして、上記極性基を有するポリマー100質量部に対して、上記(メタ)アクリレートを3〜80質量部含有すると、硬度と耐ヘタリ性のバランスに優れる。
一方、本発明に係る電子写真機器用導電性架橋体は、極性基を有するポリマー間が、分子量120以上、かつ、単官能の(メタ)アクリレートで共架橋されてなる。したがって、これを用いれば、低硬度で、耐ヘタリ性に優れる電子写真機器用導電性部材を形成することができる。
このとき、上記(メタ)アクリレートが、アルキレンオキサイド変性、アルキル変性、アリールアルキル変性、シクロヘキシル変性、イソボルニル変性、ウレタン変性、エステル変性、および、エポキシ変性から選択された1種または2種以上の変性による変性(メタ)アクリレートであると、低硬度で、耐ヘタリ性を良好にする効果に特に優れる。
また、本発明に係る電子写真機器用導電性架橋体は、上記導電性組成物が共架橋されてなる。したがって、これを用いれば、低硬度で、耐ヘタリ性に優れる電子写真機器用導電性部材を形成することができる。
そして、本発明に係る電子写真機器用導電性部材は、上記導電性架橋体を用いている。そのため、低硬度で、耐ヘタリ性に優れる。
本発明の実施形態に係る電子写真機器用導電性組成物について詳細に説明する。
本発明に係る電子写真機器用導電性組成物(以下、導電性組成物ということがある。)は、極性基を有するポリマーと、(メタ)アクリレートと、ラジカル重合開始剤とを含有している。
極性基を有するポリマーは、クロロ基、ニトリル基、カルボキシル基、および、アルキレンオキサイド基などの極性基を有するポリマーであり、ゴム弾性を有するものが好ましい。極性基を有するポリマーとしては、具体的には、エピクロルヒドリンの単独重合体(CO)、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド二元共重合体(ECO)、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル二元共重合体(GCO)、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体(GECO)などのヒドリンゴムや、ニトリルゴム(NBR、H−NBR)、ウレタンゴム(U)などを例示することができる。これらは1種または2種以上混合されていても良い。極性基を有するポリマーは、固形(ミラブル)ゴムであっても良いし、液状ゴムであっても良い。
ヒドリンゴムのうち、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド二元共重合体(ECO)は、エピクロルヒドリンの単独重合体(CO)よりも低抵抗体が得られやすい点で好ましい。また、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル二元共重合体(GCO)、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体(GECO)は、二重結合を有するため、耐ヘタリ性が良くなる点で好ましい。
導電性組成物中に含有される(メタ)アクリレートは、極性基を有するポリマー間を共架橋する。(メタ)アクリレートが極性基を有するポリマー間を共架橋すると、架橋密度の上昇に伴って、得られる架橋体の耐ヘタリ性が向上する。
(メタ)アクリレートは、単官能の(メタ)アクリレートである。単官能とは、(メタ)アクリレート1分子中に(メタ)アクリロイル基をただ1個有していることをいう。したがって、(メタ)アクリレート1分子中には、極性基を有するポリマー間を共架橋する部分はただ1個である。すなわち、(メタ)アクリレート分子がただ1個有している炭素−炭素不飽和結合部分のみが、極性基を有するポリマー間を共架橋するのに寄与し、炭素−炭素不飽和結合より延びている部分は、極性基を有するポリマーに結合されないでポリマー間に配置され、架橋点よりぶらさがった構造を形成する。
極性基を有するポリマーは、ポリマー間で極性基同士が相互作用して凝集(結晶化)しやすく、極性基を有するポリマー間を架橋すると、硬度が上昇しやすい。このとき、単官能の(メタ)アクリレートで極性基を有するポリマー間を共架橋するので、(メタ)アクリレート分子の架橋に関与していない部分が極性基を有するポリマー間に入り込み、ポリマー同士の凝集を阻害することができる。これにより、架橋されたポリマーが硬くなるのを抑えていると推察される。
また、(メタ)アクリレートは、分子量が120以上の(メタ)アクリレートである。分子量が120未満では、分子量が小さく、架橋に関与していない部分の長さが短くなる。そうすると、ポリマー同士の凝集を阻害する効果が小さくなり、硬度を低下させる効果が得られにくくなる。すなわち、(メタ)アクリレートの分子量が120以上であれば、硬度を低下させる効果に優れる。より好ましくは、(メタ)アクリレートの分子量は、160以上である。
一方、(メタ)アクリレートの分子量の上限値は、特に限定されるものではないが、末端の不飽和結合(反応点)の分子全体における割合が少なくなりすぎないためには、1〜2万程度以下であることが好ましい。
(メタ)アクリレートは、変性(メタ)アクリレートであっても良い。変性としては、アルキレンオキサイド変性、アルキル変性、アリールアルキル変性、シクロヘキシル変性、イソボルニル変性、ウレタン変性、エステル変性、エポキシ変性などを例示することができる。このとき、1種または2種以上の変性(メタ)アクリレートを混合しても良い。
アルキレンオキサイド変性としては、エチレンオキサイド変性、プロピレンオキサイド変性、ブチレンオキサイド変性、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド変性などを例示することができる。これらのうち、低抵抗になるなどの観点から、より好ましくは、エチレンオキサイド変性、プロピレンオキサイド変性、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド変性である。
アルキル変性は、炭素数3以上のアルキル基による変性であり、アルキル基としては、例えば、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、イソステアリル基などを例示することができる。
アリールアルキル変性は、アリールアルキル基による変性であり、アリールアルキル基としては、例えば、ベンジル基などを例示することができる。
単官能で、分子量が120以上の(メタ)アクリレートとしては、具体的には、例えば、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ポリエステルモノ(メタ)アクリレート、ポリウレタンモノ(メタ)アクリレートなどを例示することができる。これらは1種または2種以上混合されていても良い。
(メタ)アクリレートの含有量の下限値は、極性基を有するポリマー100質量部に対し、好ましくは、3質量部以上、より好ましくは、5質量部以上、さらに好ましくは、10質量部以上であると良い。(メタ)アクリレートの含有量が3質量部未満では、(メタ)アクリレートで極性基を有するポリマー間を共架橋する密度が小さく、架橋させたポリマーの硬度低下効果が小さくなりやすい。
一方、(メタ)アクリレートの含有量の上限値は、極性基を有するポリマー100質量部に対し、好ましくは、80質量部以下、より好ましくは、40質量部以下であると良い。(メタ)アクリレートの含有量が80質量部を超えると、(メタ)アクリレートがブリードしやすくなり、製品の外観が悪化しやすい。
導電性組成物に含有されるラジカル重合開始剤としては、過酸化物やアゾ化合物などが挙げられる。これらは1種または2種以上併用することができる。
過酸化物としては、例えば、ジクミルパーオキサイド(DCP)、ベンゾイルパーオキサイド、ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、ブチルパーアセテート、tert−ブチルパーベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,1−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(ベンゾイルパーオキシ)−3−ヘキセン、ジ−tert−ブチルパーオキシジイソプロピルベンゼン、tert−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)−3−ヘキセン、1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、p−クロロベンゾイルパーオキシド、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドなどを例示することができる。
アゾ化合物としては、例えば、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンテン)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、2−シアノ−2−プロピラゾホルムアミド、2,2’−アゾビス(2−ヒドロキシ−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(2−メチル−ブチロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などを例示することができる。
ラジカル重合開始剤の含有量の下限値は、極性基を有するポリマー100質量部に対し、好ましくは、0.01質量部以上、より好ましくは、0.1質量部以上、さらに好ましくは、1質量部以上であると良い。一方、ラジカル重合開始剤の含有量の上限値は、極性基を有するポリマー100質量部に対し、好ましくは、50質量部以下、より好ましくは、10質量部以下であると良い。
本発明に係る導電性組成物は、好ましい添加成分として、イオン導電剤をさらに含有していると良い。イオン導電剤をさらに含有していると、導電性組成物の架橋体の電気抵抗の調整を図りやすくなる。また、抵抗ムラも比較的発生しにくくなる。イオン導電剤としては、特に限定されることなく、電子写真機器分野で使用され得るものであれば、何れのものでも使用することができる。
イオン導電剤としては、例えば、下記式(1)で表される4級アンモニウム塩、下記式(2)で表されるホウ酸塩、界面活性剤などが挙げられる。これらは1種または2種以上混合されていても良い。
下記式(1)において、R1、R2、R3、R4は、炭素数1〜18のアルキル基またはアリール基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、フェニル基、キシリル基などを示し、Xn−はn価の陰イオンを示し、nは1〜6の整数を示す。n価の陰イオンとしては、ハロゲンイオン、ClO 、BF 、SO 2−、HSO 、CSO などが挙げられる。
また、下記式(2)において、R1、R2、R3、R4は、炭素数1〜18のアルキル基またはアリール基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、フェニル基、キシリル基などを示し、Mn+はアルカリ金属イオンもしくはアルカリ土類金属イオンであり、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオンなどを示し、nは1〜2の整数を示す。
Figure 2009069782
Figure 2009069782
イオン導電剤の含有量の下限値は、極性基を有するポリマー100質量部に対し、好ましくは、0.01質量部以上、より好ましくは、0.1質量部以上であると良い。一方、イオン導電剤の含有量の上限値は、極性基を有するポリマー100質量部に対し、好ましくは、50質量部以下、より好ましくは、10質量部以下であると良い。
本発明に係る導電性組成物は、他にも、必要に応じて、滑剤、加硫促進剤、老化防止剤、光安定剤、粘度調整剤、加工助剤、難燃剤、可塑剤、発泡剤、充填剤、分散剤、消泡剤、顔料、離型剤などの各種添加剤を1種または2種以上含有していても良い。
また、導電性組成物中には、本発明の特性を害しない範囲において、極性基を有していないポリマーを含有していても良い。極性基を有していないポリマーとしては、例えば、エチレン−プロピレンゴム(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、ポリノルボルネンゴム、シリコーンゴムなどを例示することができる。
本発明に係る導電性組成物は、共架橋させて、電子写真機器用導電性部材に用いられる。電子写真機器用導電性部材としては、例えば、電子写真機器に用いられる帯電ロール、現像ロール、転写ロール、トナー供給ロールなどのロール状の導電性部材(導電性ロール)や、電子写真機器に用いられる転写ベルトなどのベルト状の導電性部材(導電性ベルト)などが挙げられる。特に、帯電ロールに対する感光ドラム、現像ロールに対する現像ブレードなどのように一定の荷重で圧接された状態で使用される導電性ロールに好適に用いられる。本発明に係る導電性組成物は、導電性部材のベース層材料に用いると良い。
次に、本発明に係る電子写真機器用導電性架橋体について説明する。
本発明に係る電子写真機器用導電性架橋体(以下、導電性架橋体ということがある。)は、極性基を有するポリマー間が、分子量120以上、かつ、単官能の(メタ)アクリレートで共架橋されてなる。極性基を有するポリマーおよび(メタ)アクリレートの種類は、上記するものであれば良い。
本発明に係る導電性架橋体は、極性基を有するポリマー間が、分子量120以上、かつ、単官能の(メタ)アクリレートで共架橋されていれば良く、共架橋する方法は特に限定されるものではない。共架橋する方法としては、好ましくは、ラジカル反応を利用して行なう方法が良い。この場合には、導電性架橋体を形成する導電性組成物中に、ラジカル重合開始剤を含有させると良い。ラジカル重合開始剤の種類および含有量は、上記する種類および含有量であれば良い。
また、導電性架橋体を形成する導電性組成物中には、イオン導電剤を含有することが好ましい。イオン導電剤の種類および含有量は、上記する種類および含有量であれば良い。さらに、必要に応じて、上記する各種添加剤を1種または2種以上含有していても良い。
次に、本発明に係る電子写真機器用導電性部材について説明する。本発明に係る電子写真機器用導電性部材は、上記電子写真機器用導電性架橋体を用いて形成される。
電子写真機器用導電性部材としては、上述するように、電子写真機器に用いられる帯電ロール、現像ロール、転写ロール、トナー供給ロールなどのロール状の導電性部材(導電性ロール)や、電子写真機器に用いられる転写ベルトなどのベルト状の導電性部材(導電性ベルト)などが挙げられる。特に、帯電ロールに対する感光ドラム、現像ロールに対する現像ブレードなどのように一定の荷重で圧接された状態で使用される導電性ロールに好適である。
図1および図2に、本発明に係る電子写真機器用導電性部材としての導電性ロールの一例を示す。図1および図2は、本発明に係る導電性ロールの一例を示す周方向断面図である。
図1に示す導電性ロール10は、軸体12の外周に、ベース層14と、表層16とがこの順に積層された積層構造を有している。一方、図2に示す導電性ロール10は、軸体12の外周に、ベース層14と、中間層18と、表層16とがこの順に積層された積層構造を有している。なお、導電性ロールの構成としては、図1および図2に示す構成に限定されるものではない。
軸体12は、導電性を有するものであれば特に限定されない。具体的には、鉄、ステンレス、アルミニウムなどの金属製の中実体、中空体からなる芯金などを例示することができる。軸体12の表面には、必要に応じて、接着剤、プライマーなどを塗布しても良い。接着剤、プライマーなどには、必要に応じて導電化を行なっても良い。
ベース層14を形成する主材料には、極性基を有するポリマーを用いる。極性基を有するポリマーは、上記した極性基を有するポリマーを用いれば良い。主材料となる極性基を有するポリマー間を共架橋させるため、ベース層14を形成する組成物は、分子量120以上の単官能(メタ)アクリレートを含有している。共架橋する方法は、特に限定されないが、ラジカル反応により共架橋する場合には、ベース層14を形成する組成物中にラジカル重合開始剤を含有させると良い。ラジカル重合開始剤の種類および含有量は、上記する種類および含有量であれば良い。
ベース層14を形成する組成物には、さらに、イオン導電剤を含有していても良い。イオン導電剤の種類および含有量は、上記する種類および含有量であれば良い。さらに、必要に応じて、上記する各種添加剤を1種または2種以上含有していても良い。
ベース層14を形成する組成物としては、好ましくは、上述した導電性組成物を用いると良い。
ベース層14は、軸体12をロール成形用金型の中空部に同軸的に設置し、ベース層形成用の組成物を注入して、加熱・硬化させた後、脱型する(注入法)、軸体12の表面にベース層形成用の組成物を押出成形する(押出法)などをすれば良い。ベース層14を複数層形成する場合には、上記方法に準じた操作を繰返し行なえば良い。
ベース層14の厚みは、特に限定されるものではないが、好ましくは、0.1〜10mm、より好ましくは、1〜5mmの範囲内にあると良い。また、ベース層14の体積抵抗率は、好ましくは、10〜1010Ω・cm、より好ましくは、10〜10Ω・cm、さらに好ましくは、10〜10Ω・cmの範囲内にあると良い。
中間層18は、抵抗調整層として機能し得るものである。中間層18を形成する主材料としては、ゴム弾性材料を好適に用いることができる。ゴム弾性材料としては、例えば、ヒドリンゴム(CO、ECO、COのAGE共重合体(GCO)、ECOのAGE共重合体(GECO))、エチレン−プロピレンゴム(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリノルボルネンゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、アクリルゴム(ACM)、クロロプレンゴム(CR)、ウレタンゴム、ウレタン系エラストマー、フッ素ゴム、天然ゴム(NR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム(H−NBR)、などを例示することができる。これらは1種または2種以上混合されていても良い。
上記ゴム弾性材料としては、電気抵抗制御性、耐ヘタリ性などの観点から、シリコーンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、ヒドリンゴム(ECO)、ウレタン系エラストマーなどが好ましい。
中間層18には、導電性付与のため、カーボンブラック、グラファイト、c−TiO、c−ZnO、c−SnO(c−は、導電性を意味する。)、イオン導電剤(4級アンモニウム塩、ホウ酸塩、界面活性剤など)などの従来より公知の導電剤を適宜添加することができる。さらに、必要に応じて、発泡剤、架橋剤、架橋促進剤、軟化剤(オイル)等を適宜添加しても良い。
ベース層14の外周に中間層18を形成するには、ベース層14を形成した軸体12をロール成形用金型の中空部に同軸的に設置し、中間層形成用組成物を注入して、加熱・硬化させた後、脱型する(注入法)、ベース層14の表面に中間層形成用の組成物を押出成形する(押出法)などをすれば良い。中間層18を複数層形成する場合には、上記方法に準じた操作を繰返し行なえば良い。
中間層18の厚みは、特に限定されるものではないが、好ましくは、0.001〜2mm、より好ましくは、0.01〜0.5mmの範囲内にあると良い。また、中間層18の体積抵抗率は、好ましくは、10〜1010Ω・cm、より好ましくは、10〜10Ω・cm、さらに好ましくは、10〜10Ω・cmの範囲内にあると良い。
表層16は、ロール表面の保護層として機能し得る。表層16を形成する主材料としては、特に限定されるものではなく、例えば、ウレタン樹脂、ポリアミド、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、ブチラール樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素ゴム、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリル変性シリコーン樹脂、シリコーン変性アクリル樹脂、フッ素変性アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などのメタアクリル樹脂、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリアセタール、変性ポリフェニレンオキサイド(変性ポリフェニレンエーテル)、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリアリレート、ポリアリルエーテルニトリル、ニトリルゴム、ウレタンゴム、これらを架橋した樹脂などを例示することができる。これらは1種または2種以上混合されていても良い。とりわけ、耐摩耗性に優れるなどの観点から、架橋ウレタン樹脂、アクリル樹脂、アクリル変性シリコーン樹脂、フッ素変性アクリル樹脂、ウレタンゴム、ポリアミドなどを好適に用いることができる。
表層16には、導電性付与のため、カーボンブラック、グラファイト、c−TiO、c−ZnO、c−SnO(c−は、導電性を意味する。)、イオン導電剤(4級アンモニウム塩、ホウ酸塩、界面活性剤など)などの従来より公知の導電剤を適宜添加することができる。
表層16を形成する組成物は、他にも、必要に応じて、滑剤、加硫促進剤、老化防止剤、光安定剤、粘度調整剤、加工助剤、難燃剤、可塑剤、発泡剤、充填剤、分散剤、消泡剤、顔料、離型剤などの各種添加剤を1種または2種以上含有していても良い。
表層16を形成する組成物は、取り扱い性が良好であるなどの観点から、粘度(25℃)が100000mPa・s以下であることが好ましい。より好ましくは、10000mPa・s以下であると良い。塗工性に優れるなどの観点から、さらに好ましくは、5000mPa・s以下であると良い。
表層16を形成する組成物は、上記範囲内に粘度を調整するなどの観点から、メチルエチルケトン、トルエン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルイソブチルケトン(MIBK)、THF、DMFなどの有機溶剤や、メタノール、エタノールなどの水溶性溶剤などの溶剤を適宜含んでいても良い。また、無溶剤であっても良い。
表層16を形成する組成物は、各種材料を所望の配合となるように秤量し、これらを攪拌機、サンドミルなどの混合手段により混合するなどして調製することができる。混合中や混合後に、脱泡処理などを行なっても良い。
ベース層14の外周、または、中間層18の外周に表層16を形成するには、ベース層14または中間層18の表面に、表層16を形成する組成物を塗工すると良い。塗工方法としては、ロールコーティング法や、ディッピング法、スプレーコート法などの各種コーティング法を適用することができる。塗工された表層16には、必要に応じて、紫外線照射や熱処理を行なっても良い。
表層16の厚みは、特に限定されるものではないが、電気抵抗を上昇させにくい、ロール硬度の上昇を抑制するなどの観点から、好ましくは、0.01〜100μm、より好ましくは、0.1〜20μm、さらに好ましくは、0.3〜10μmの範囲内にあると良い。また、表層16の体積抵抗率は、ロールの電気抵抗制御性などの観点から、好ましくは、10〜10Ω・cm、より好ましくは、10〜10Ω・cmの範囲内にあると良い。
中間層18または表層16には、ロール表面に凹凸形状を付与して適度な表面粗さを形成するために、粗さ形成用粒子を含有していても良い。より好ましくは、耐摩耗性、長寿命化などの観点から、中間層18に粗さ形成用粒子を含有させると良い。
粗さ形成用粒子は、表面粗さの均一化などの観点から、中間層18または表層16の厚み方向に実質的に積み重なっていない、つまり、粗さ形成用粒子がほぼ同一面上に存在していることが好ましい。
粗さ形成用粒子としては、例えば、ウレタン粒子、架橋ポリメタクリル酸メチル粒子、アクリル粒子、尿素樹脂粒子、アミド粒子などの樹脂粒子、ゴム粒子、シリカ粒子などを例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。
粗さ形成用粒子の平均粒径は、特に限定されるものではなく、中間層18や表層16の厚みなどに応じて適宜選択することができる。好ましくは、1〜50μm、より好ましくは、5〜30μmの範囲内である。
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
<導電性組成物の調製>
表1または表2に示す配合割合(単位は質量部)となるように各種材料を秤量し、これらを攪拌機により撹拌、混合して、実施例、比較例に係る導電性組成物を調製した。
この際、使用した各種材料は、以下の通りである。
・アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)[JSR製、「N520」]
・ヒドリンゴム(GECO)[日本ゼオン(株)製、「Gechron 3100」]
・ウレタンゴム(U)[バイエル製、「ウレパン643G」]
・単官能メタアクリレート(PO変性、分子量Mw=143)[日本油脂(株)製、ブレンマーP]
・単官能アクリレート(1)(PO変性、分子量Mw=550)[日本油脂(株)製、ブレンマーAP550]
・単官能アクリレート(2)(PO変性、分子量Mw=826)[日本油脂(株)製、ブレンマーAP800]
・単官能アクリレート(3)(EO変性、分子量Mw=284)[日本油脂(株)製、ブレンマーAE200]
・単官能アクリレート(4)(アルキル変性、分子量Mw=324)[新中村化学工業(株)製、S−1800A]
・単官能アクリレート(5)(イソボルニル変性、分子量Mw=209)[新中村化学工業(株)製、A−IB]
・単官能アクリレート(6)(シクロヘキシル変性、分子量Mw=154)[日本油脂(株)製、ブレンマーCHA]
・メチルメタアクリレート(MMA)モノマー(分子量Mw=100)[三菱ガス化学(株)製、MMA]
・三官能メタアクリレート(アルキル変性、分子量Mw=328)[日本油脂(株)製、ブレンマーPTT]
・滑剤(ステアリン酸)
・加硫促進剤(亜鉛華)
・イオン導電剤(トリメチルオクタデシルアンモニウムパークロレート)
・老化防止剤[大内新興化学(株)製、「ノクラックNS−6」]
・ラジカル重合開始剤[日本油脂(株)製、「パークミルD40」]
<材料評価>
各導電性組成物の材料評価を、以下のようにして行なった。
(リング硬度)
170℃30分プレス成型で、直径28mm×高さ12mmの円筒形状にした測定試料を作製し、従来法に従いデュロメータ硬さ(タイプA)(JIS−K−6253−1997)を測定した。
(圧縮永久ひずみ)
170℃30分プレス成型で、直径28mm×高さ12mmの円筒形状にした測定試料を作製し、JIS−K−6262−2006に記載の方法に従い、圧縮率25%、試験温度70℃、試験時間22時間で測定した。
(ブリード性)
50℃95%RH環境下にサンプルを7日間放置し、シート表面のブリード性をマイクロスコープ観察にて目視で評価した。ブリード物が目視で確認されない場合を「○」、ブリード物が目視で確認される場合を「×」とした。
<導電性ロールの作製>
(ベース層の形成)
金型に芯金(直径6mm)をセットし、上記導電性組成物を注入し、170℃で30分加熱した後、冷却、脱型して、芯金の外周に、厚み2mmのベース層を形成した。
(表層の形成)
N−メトキシメチル化ナイロン100質量部と、c−SnO60質量部と、クエン酸1質量部と、メタノール300質量部とを混合して、表層形成用組成物を調製した。次いで、ベース層の表面に表層形成用組成物をロールコートし、120℃で50分加熱して、ベース層の外周に、厚み10μmの表層を形成した。これにより、実施例、比較例に係る導電性ロールを作製した。
<導電性ロールの特性評価>
(耐ヘタリ性)
作製した各導電性ロールを、直径30mmの金属棒に軸平行の状態で接触させ、片端500g荷重(両端で1kg)にて金属棒に押し付け、40℃×95%RH環境下に1週間放置した。その後、導電性ロールを取り出して、金属棒の圧接による導電性ロールの変形量(押し付け前に対する外径差)をレーザスキャンにより測定した。次いで、リコーCX3000機にセットして画像出し評価を行なった。得られた画像を目視で確認し、黒スジ状の圧接痕が発生しなかったものを「◎」、わずかに発生したものを「○」、はっきりと発生したものを「×」とした。
(帯電ロールとしての耐久評価)
作製した各導電性ロールをリコーCX3000機にセットして、文字チャートを10000枚画像出しした。耐久後の導電性ロールを目視で確認し、ロール表面に汚れムラがないものを「◎」、汚れムラがわずかに見られるものを「○」、汚れムラが多いものを「×」とした。また、耐久後の感光ドラムを目視で確認し、トナーの融着が見られないものを「◎」、トナーの融着がわずかに見られるものを「○」、トナーの融着が多く見られるものを「×」とした。
(現像ロールとしての耐久評価)
CANON LBP−2510機に現像ロールをセットし、32.5℃×80%RH環境にて印字率5%の文字チャートを10000枚画像出しした。耐久後の画像にかぶりが見られないものを「◎」、かぶりがわずかに見られるものを「○」、かぶりが多く見られるものを「×」とした。
表1および表2に、各導電性ロールのベース層形成用組成物の配合組成と、評価結果をまとめたものを示す。
Figure 2009069782
Figure 2009069782
比較例1〜3では、ベース層形成用組成物中に、(メタ)アクリレートを含有していない。そのため、組成物を架橋させた材料の硬度が高くなっている。これにより、これをベース層材料として用いた帯電ロールとしての耐久評価では、ロール汚れムラや感光ドラム表面汚れが多くなり、耐久後の画像に画像ムラが発生している。また、現像ロールとしての耐久評価では、耐久後の画像にかぶりが多くなり、耐久後の画像が悪化している。
比較例4では、ベース層形成用組成物中に含まれている(メタ)アクリレートの分子量が120未満になっている。そのため、組成物を架橋させた材料の硬度が高くなっている。これにより、比較例1〜3と同様、帯電ロールとしての耐久評価では、ロール汚れムラや感光ドラム表面汚れが多くなり、耐久後の画像に画像ムラが発生している。また、現像ロールとしての耐久評価では、耐久後の画像にかぶりが多くなり、耐久後の画像が悪化している。
比較例5では、ベース層形成用組成物中に含まれている(メタ)アクリレートが単官能の(メタ)アクリレートではなく、三官能の(メタ)アクリレートになっている。そのため、共架橋点が多くなって共架橋密度が上昇し、組成物を共架橋させた材料の硬度が高くなっている。これにより、比較例1〜4と同様、帯電ロールとしての耐久評価では、ロール汚れムラや感光ドラム表面汚れが多くなり、耐久後の画像に画像ムラが発生している。また、現像ロールとしての耐久評価では、耐久後の画像にかぶりが多くなり、耐久後の画像が悪化している。
これらに対し実施例では、ベース層形成用の導電性組成物中に、分子量が120以上、かつ、単官能の(メタ)アクリレートを含有している。そのため、導電性組成物を共架橋させた材料の硬度は低く抑えられている。また、この導電性組成物を用いて形成した導電性ロールは、金属棒の圧接による変形量が小さく、画像出しで良好な画像が得られており、耐ヘタリ性にも優れている。そして、帯電ロールとしての耐久評価、現像ロールとしての耐久評価のいずれも良好であることが確認できた。
したがって、実施例に係る導電性組成物を用いれば、低硬度で、良好な耐ヘタリ性を備えた電子写真機器用導電性部材を形成することができる。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
一実施形態に係る電子写真機器用導電性ロールを表す周方向断面図である。 一実施形態に係る電子写真機器用導電性ロールを表す周方向断面図である。
符号の説明
10 電子写真機器用導電性ロール
12 軸体
14 ベース層
16 表層
18 中間層

Claims (7)

  1. 極性基を有するポリマーと、
    分子量120以上、かつ、単官能の(メタ)アクリレートと、
    ラジカル重合開始剤とを含有することを特徴とする電子写真機器用導電性組成物。
  2. 前記(メタ)アクリレートは、アルキレンオキサイド変性、アルキル変性、アリールアルキル変性、シクロヘキシル変性、イソボルニル変性、ウレタン変性、エステル変性、および、エポキシ変性から選択される1種または2種以上の変性による変性(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項1に記載の電子写真機器用導電性組成物。
  3. 前記極性基を有するポリマー100質量部に対して、前記(メタ)アクリレートを3〜80質量部含有することを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真機器用導電性組成物。
  4. 極性基を有するポリマー間が、分子量120以上、かつ、単官能の(メタ)アクリレートで共架橋されてなることを特徴とする電子写真機器用導電性架橋体。
  5. 前記(メタ)アクリレートは、アルキレンオキサイド変性、アルキル変性、アリールアルキル変性、シクロヘキシル変性、イソボルニル変性、ウレタン変性、エステル変性、および、エポキシ変性から選択される1種または2種以上の変性による変性(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項4に記載の電子写真機器用導電性架橋体。
  6. 請求項1から3のいずれかに記載の導電性組成物が共架橋されてなることを特徴とする電子写真機器用導電性架橋体。
  7. 請求項4から6のいずれかに記載の導電性架橋体を用いたことを特徴とする電子写真機器用導電性部材。
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