JP2009067295A - 空調用ダクト - Google Patents

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Abstract

【課題】嵩張らず、抑制対象音を充分に低減でき、安価に製造されてなる空調用ダクトを提供すること。
【解決手段】ブロー成形されてなる空調用ダクトを、外筒部6と外筒部6の内部に配置されている内筒部4と、で構成する。そして、外筒部6の内周面と内筒部4の外周面とでサイトブランチ型消音室8を区画する。そして、内筒部4と外筒部6の対面部7とを、別体からなり、組み付けられて一体化するようにする。そして、対面部7と内筒部4との少なくとも一方に、他方に向けて突起するスペーサ部5を一体に形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両用空調装置の空気流路下流側に接続され、車両用空調装置から流出した空気を所定の方向に導く空調用ダクトを製造する方法に関する。
車両用空調装置(所謂エアコンディショナー)に接続される空調用ダクトは、筒状をなす。空調用ダクトの内部には、車両用空調装置から吹き出した空気が流通する。したがって、空調用ダクトには、車両用空調装置に由来する騒音が伝達する。この騒音を低減するために、空調用ダクトにレゾネータやサイドブランチなどの消音器を設ける技術がある。しかし、一般的なレゾネータやサイドブランチは、空調用ダクトの外部に大きく突出する。したがって、一般的なレゾネータやサイドブランチを設けた空調用ダクトは、著しく大型化する。このため車両によっては、この種の空調用ダクトを搭載する空間を確保できない場合がある。
吸気ダクトの内部に、サイドブランチまたはレゾネータとして機能する部分を設けることで、吸気ダクトを大型化せずに騒音を低減する技術もある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に紹介されている吸気ダクトを模式的に表す図を図10に示す。図10に示すように、特許文献1に紹介されている吸気ダクトは、筒状をなす外ダクト106と、筒状をなし外ダクト106の内周側に設けられている絞りダクト104と、が一体化されてなる。絞りダクト104の軸方向長さは外ダクト106の軸方向長さよりも短い。また、絞りダクト104の空気流路上流側端部140は外ダクト106の内周面と一体化されている。絞りダクト104は、軸方向の一部に、径方向断面積が部分的に小さくなっている部分(最挟部144)を持つ。
特許文献1に紹介されている吸気ダクトは、絞りダクト104と外ダクト106との間の空間をサイドブランチ型消音器として利用することで騒音を低減する。詳しくは、絞りダクト104の空気流路下流側端部142と外ダクト106の内周面とは離間している。このため、吸気ダクトを伝搬する騒音は、この隙間(以下、開口端面180と呼ぶ)をとおってサイドブランチ型消音器の内部(すなわち、外ダクト106の内周面と絞りダクト104の外周面との間に区画形成されている空間)に進入する。このため、特許文献1に紹介されている吸気ダクトによると、騒音を低減できる。そして、この吸気ダクトを空調用ダクトに転用すれば、嵩張らず、騒音を低減できる空調用ダクトが得られる可能性がある。
しかし、特許文献1に紹介されている吸気ダクトは、複雑な形状であるため、精度高く成形するのが非常に困難である。吸気ダクトを精度高く成形できないと、開口端面180における絞りダクト104の外周面と外ダクト106の内周面との径方向距離がばらつく場合がある。この場合には、抑制対象となる周波数域の騒音(以下、抑制対象音と呼ぶ)を充分に低減することが困難になる。
さらに、特許文献1に記載されている吸気ダクトを製造する場合、外ダクト106と、外ダクト106の内周側に設けられている絞りダクト104と、を一体に成形するのは困難である。外ダクト106と絞りダクト104とを別体で成形した後に一体化すれば、特許文献1に紹介されている吸気ダクトを製造できると考えられるが、外ダクト106と絞りダクト104とを一体化する際には、絞りダクト104の外周面と外ダクト106の内周面との径方向距離がばらつき易い。
さらに、吸気ダクトや空調用ダクトの製造方法としては一般にブロー成形法が用いられるが、ブロー成形されてなる絞りダクト104の外周面と外ダクト106の内周面との径方向距離を精度高くコントロールすることは非常に困難である。吸気ダクトの製造方法として射出成形法を用いる場合には、ブロー成形法を用いる場合に比べて、絞りダクト104や外ダクト106を寸法精度高く製造できるが、この場合には数多くの成形型を必要とする。このため、この場合には、吸気ダクトを安価に製造し難い。よって、特許文献1に紹介されている吸気ダクトを空調用ダクトに転用しても、嵩張らず、抑制対象音を充分に低減でき、かつ、安価に製造されてなる空調用ダクトを得ることは困難であった。
特開2001−248508号公報
本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、嵩張らず、抑制対象音を充分に低減でき、安価に製造されてなる空調用ダクトを提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の空調用ダクトは、ブロー成形されてなり、車両用空調装置の空気流路下流側に接続される空調用ダクトであって、筒状をなす外筒部6と、筒状をなし、外筒部6の内部に配置され、軸方向の一端である第1内端41が外筒部6の内周面に一体化され、軸方向の他端である第2内端42が第1内端41よりも空気流路下流側に配され、第2内端42の外周面と外筒部6の内周面とが離間している内筒部4と、外筒部6の内周面と内筒部4の外周面とで区画されているサイドブランチ型消音室8と、を持ち、内筒部4と、外筒部6のなかで内筒部4の外周側を覆う部分からなる対面部7と、は別体からなり、組み付けられて一体化され、対面部7と内筒部4との少なくとも一方には、他方に向けて突起するスペーサ部5が一体に形成されていることを特徴とする。
本発明の空調用ダクトは、下記の(1)〜(4)の少なくとも1つを備えるのが好ましい。
(1)上記スペーサ部5は、上記対面部7と上記内筒部4との少なくとも一方に形成され、他方に当接している。
(2)上記スペーサ部5は少なくとも一対形成され、対をなす上記スペーサ部5は上記対面部7の軸線を挟んで対称に配置されている。
(3)上記スペーサ部5は、上記内筒部4に形成されている。
(4)上記スペーサ部5は、上記内筒部4の上記第2内端42に形成されている。
本発明の空調用ダクトは、外筒部と内筒部とを持つ。内筒部は外筒部の内周側に形成されている。また、内筒部の一端(第1内端)は外筒部の内周面に一体化されている。内筒部の他端(第2内端)の外周面と外筒部の内周面とは離間している。このため本発明の空調用ダクトは、外筒部の内周面(詳しくは対面部の内周面)と内筒部の外周面とでサイドブランチ型消音室(すなわちサイドブランチ型消音器として機能する部分)を区画している。このサイドブランチ型消音室は、空調用ダクトに沿って延びる。したがって本発明の空調用ダクトは、騒音を低減でき、かつ嵩張らない。
また、対面部と内筒部との少なくとも一方には、スペーサ部が形成されている。このスペーサ部は、他方の内周面に向けて突起する。このためスペーサ部は、空調用ダクトの周方向の少なくとも一部において、対面部と内筒部との径方向の距離を一定以上の大きさに保つ。したがって、開口端面における内筒部の外周面と対面部の内周面との径方向距離は、ばらつき難くなる。よって、本発明の空調用ダクトは、抑制対象音の低減性能に優れる。
さらに、本発明の空調用ダクトはブロー成形されてなり、かつ、スペーサ部は対面部と内筒部との少なくとも一方に一体に成形されている。このため、本発明の空調用ダクトは安価に製造できる。
本発明の空調用ダクトが上記(1)を備える場合には、スペーサ部が対面部(または内筒部)の内周面に当接しているため、開口端面における内筒部の外周面と対面部の内周面との径方向距離が、さらにばらつき難くなる。よって、上記(1)を備える本発明の空調用ダクトは、抑制対象音の低減性能により一層優れる。
本発明の空調用ダクトが上記(2)を備える場合には、スペーサ部によって、内筒部を対面部に対して径方向に固定できる。このため、開口端面における内筒部の外周面と対面部の内周面との距離は、さらにばらつき難くなる。よって、上記(2)を備える本発明の空調用ダクトは、抑制対象音の低減性能により一層優れる。
ところで、内筒部に形成されたスペーサ部は、内筒部の外周方向に突起する。対面部に形成されたスペーサ部は、対面部の内周方向に突起する。ブロー成形体において、外周面側の部分は内周面側の部分に比べて寸法精度に優れる。このため、スペーサ部が内筒部に形成されている空調用ダクトは、スペーサ部が対面部に形成されている空調用ダクトに比べて、スペーサ部の寸法精度に優れる。スペーサ部の寸法精度に優れる本発明の空調用ダクトでは、開口端面における内筒部の外周面と対面部の内周面との径方向距離が、さらにばらつき難くなる。よって、上記(3)を備える本発明の空調用ダクトは、抑制対象音の低減性能により一層優れる。
本発明の空調用ダクトが上記(4)を備える場合には、スペーサ部が開口端面に近接して形成される(または開口端面に形成される)ため、開口端面における内筒部の外周面と対面部の内周面と径方向距離は、さらにばらつき難くなる。このため、上記(4)を備える本発明の空調用ダクトは、抑制対象音の低減性能により一層優れる。
以下、本発明の空調用ダクトを図面を基に説明する。
(実施例1)
実施例1の空調用ダクトは、上記(1)〜(4)を備える。実施例1の空調用ダクトを模式的に表す斜視図を図1に示す。実施例1の空調用ダクトの軸方向断面を模式的に表す要部拡大図を図2に示す。実施例1の空調用ダクトの径方向断面を模式的に表す断面図を図3に示す。実施例1の空調用ダクトを製造している様子を模式的に表す説明図を図4〜図5に示す。
実施例1の空調用ダクトは、車両用空調装置(図略)の空気流路下流側に接続される。実施例1の空調用ダクトは、図1に示すように、略角筒状の第1分体1と、略角筒状の第2分体2とからなる。第1分体1は、空調用ダクトの空気流路下流側の部分を構成する。第2分体2は、空調用ダクトの空気流路上流側の部分を構成する。
図1および図2に示すように、第1分体1の空気流路上流側端部は僅かに拡径している。第2分体2の空気流路下流側の部分は、第2分体2の空気流路上流側の部分および第1分体1に比べて小径である。第2分体2の空気流路下流側の部分は、第1分体1の空気流路上流側の部分に挿入されている。図2に示すように、第1分体1の空気流路上流側端部の内周面には、接着材層3が積層されている。第1分体1と第2分体2とは、この接着材層3によって接着され、一体化されている。
実施例1の空調用ダクトにおける内筒部4は、第2分体2の空気流路下流側の部分(すなわち、第2分体2のなかで第1分体1の空気流路上流側部分に挿入されている部分)からなる。外筒部6は、第2分体2の空気流路上流側部分(第2分体2のなかで第1分体1の内部に挿入されていない部分)と、第1分体1とからなる。第2分体2は、外筒部6のなかで空気流路上流側の部分と、内筒部4とが一体に成形されてなる。
外筒部6のなかで第1分体1によって構成される部分を第1外筒部61と呼び、外筒部6のなかで第2分体2によって構成される部分を第2外筒部62と呼ぶ。対面部7は、第1外筒部61のなかで内筒部4の外周側を覆う部分からなる。
以下、本明細書では、空調用ダクトにおける各部分の内周面の径方向断面を、単に径方向断面と略する。また、空調用ダクトにおける各部分の内周面の径方向断面積も、同様に、単に径方向断面積と略する。
第1外筒部61の径方向断面積は略一定である。対面部7は直筒状をなす。すなわち対面部7の軸線は直線状をなす。図1に示すように、第1外筒部61は、軸方向の略中央部に湾曲筒状の第1湾曲部61aを持つ。第1湾曲部61aの軸線は弧状をなす。
第2外筒部62の径方向断面積は略一定である。図1に示すように、第2外筒部62は、軸方向の略中央部に、湾曲筒状の第2湾曲部62aを持つ。第2湾曲部の軸線は弧状をなす。
内筒部4は、第1内端41と第2内端42と内側区画部43とスペーサ部5とを持つ。第1内端41は、第2外筒部62の空気流路下流側に連続し、第1外筒部61の内周面に一体化されている。第2内端42は内筒部4の空気流路下流側端部である。図3に示すように、第2内端42の外周面と第1外筒部61の内周面(対面部7の内周面)とは離間し、両者の間には隙間が形成されている。この隙間は、後述するサイドブランチ型消音室8の開口端面80となる。
図2に示すように、内側区画部43は、第1内端41と第2内端42との間の部分であり、第1内端41と第2内端42とを連絡する。内側区画部43のなかで第1内端41寄りの部分は、内筒部4のなかで径方向断面積が最も小さい。この部分を最小径部44と呼ぶ。内筒部4の径方向断面積は、第1内端41から最小径部44に向けて急激に小さくなっている。また、内筒部4の径方向断面積は、最小径部44から第2内端42に向けて徐々に大きくなっている。上述したように、第2内端42の外周面と第1外筒部61の内周面(対面部7の内周面)とは離間している。したがって、内側区画部43の径方向断面積は、第1内端41の径方向断面積よりも小さい。
実施例1の空調用ダクトは、4つのスペーサ部5を持つ。スペーサ部5は、第2内端42の四隅にそれぞれ形成されている。各スペーサ部5は、内筒部4の外周方向に突起している。内筒部4は外筒部6の内部(すなわち対面部7の内部)に配置されているため、各スペーサ部5は、対面部7に向けて突起している。そして、各スペーサ部5の先端は、対面部7の内周面に当接している。4つのスペーサ部5のなかの2つである第1スペーサ部51および第2スペーサ部52は、対面部7の軸線を挟んで対称に配置されている。また、4つのスペーサ部5のなかの他の2つである第3スペーサ部53および第4スペーサ部54は、対面部7の軸線を挟んで対称に配置されている。したがって、実施例1の空調用ダクトは、2対のスペーサ部5を持つ。
図2に示すように、内筒部4の外周面と対面部7の内周面との間には空間が形成されている。この空間は、第2内端42の外周面と対面部7の内周面との隙間(すなわち図3に示す開口端面80)を介して、内筒部4の内周側に通じている。したがって、実施例1の空調用ダクトにおいては、内筒部4と対面部7とによって、サイドブランチ型消音室8が区画されている。よって、実施例1の空調用ダクトは、このサイドブランチ型消音室8によって騒音を低減できる。
さらに、内筒部4に形成されているスペーサ部5は、対面部7の内周面に当接している。このため、内筒部4や外筒部6が精度高く成形されず、その径方向長さにばらつきが生じている場合にも、対面部7に対する内筒部4の径方向の相対位置はスペーサ部5によって規制される。よって、開口端面80における内筒部4の外周面と対面部7の内周面との径方向距離はばらつき難い。よって、実施例1の空調用ダクトは、抑制対象音の低減性能に優れる。
さらに、実施例1の空調用ダクトにおけるスペーサ部5は内筒部4の第2内端42に形成されているため、開口端面80における内筒部4の外周面と対面部7の内周面と径方向距離はさらにばらつき難い。このことによっても、実施例1の空調用ダクトは、抑制対象音の低減性能に優れる。
さらに、実施例1の空調用ダクトは2対のスペーサ部5を持ち、対をなすスペーサ部5(第1スペーサ部51と第2スペーサ部52、第3スペーサ部53と第4スペーサ部54)は、それぞれ対面部7の軸線を挟んで対称な位置に配置されている。このため、スペーサ部5は、内筒部4を対面部7に対して径方向に固定できる。よって、実施例1の空調用ダクトでは、開口端面80における内筒部4の外周面と対面部7の内周面との距離がばらつき難くなる。このことによっても、実施例1の空調用ダクトは、抑制対象音の低減性能に優れる。
さらに、スペーサ部5は内筒部4の四隅に形成されているため、変形し難い。角筒状をなす内筒部4の四隅は、強度に優れるためである。このため、実施例1の空調用ダクトは、対面部7に対する内筒部4の径方向の相対位置を、スペーサ部5によってより確実に規制できる。
さらに、スペーサ部5は内筒部4に形成されているため、寸法精度に優れる。さらに、スペーサ部5が内筒部4に形成されていることで、第1分体と第2分体との組み付け位置が軸方向にずれた場合にも、スペーサ部5は信頼性高く対面部7の内周面に当接する。このため、実施例1の空調用ダクトによると、開口端面80における内筒部4の外周面と対面部7の内周面との径方向距離がさらにばらつき難くなり、かつ、対面部7に対する内筒部4の径方向の相対位置をスペーサ部5によってより確実に規制できる。このことによっても、実施例1の空調用ダクトは、抑制対象音の低減性能により一層優れる。
なお、実施例1の空調用ダクトにおけるスペーサ部5は内筒部4の第2内端42に形成されているが、本発明の空調用ダクトにおけるスペーサ部5は、内側区画部43に形成しても良いし、対面部7に形成しても良い。
実施例1の空調用ダクトの製造方法を以下に説明する。
(中間成形工程)
先ず、PE、PP等からなるパリソン(図略)を準備した。このパリソンを図略のブロー成形型に入れ、図4に示す中間成形体9をブロー成形した。この中間成形体9は、第1分体予定部91と、第2分体予定部92と、連結部93とが一体に成形されてなる。第1分体予定部91は、第1外筒部61を含む。第2分体予定部92は、第2外筒部62および内筒部4を含む。スペーサ部5は第2分体予定部92に含まれ、対面部7は第1分体予定部91に含まれている。
連結部93の一端は、第1分体予定部91の空気流路上流側端部と一体化している。連結部93の他端は第2分体予定部92の空気流路下流側端部と一体化している。連結部93のなかで第1分体予定部91側の部分は、第2分体予定部92側の部分よりも、径方向断面積が大きい。連結部93のなかで第2分体予定部92側の部分(予備部930と呼ぶ)は、径方向断面積が一定である。
(除去工程)
中間成形工程で得た中間成形体9を切断し、中間成形体9から連結部93の少なくとも一部を除去することで、第1分体予定部91を含む第1分体1と、第2分体予定部92を含む第2分体2と、を得た(図5)。なお、中間成形体9を切断する際には、中間成形体9に図略の治具をあてがうことで、切断位置を位置決めした。
(組み付け工程)
除去工程で得た第1分体1の空気流路上流側端部の内周面に、接着材層3を積層した。そして、第2分体2の内筒部4を、第1分体1の空気流路上流側端部から第1分体1の内部に挿入し、第1分体1と第2分体2とを一体化した。第1分体1の空気流路上流側端部に積層されている接着材層3は、第2外筒部62の空気流路下流側端部の外周面に貼り付いた。よって、第1分体1と第2分体2とは、接着材層3によって接着され、一体化された。
以上の中間成形工程〜組み付け工程によって、実施例1の空調用ダクトを得た。
実施例1の空調用ダクトの製造方法では、対面部7を持つ第1分体1と、内筒部4を持ち第1分体1とは別体の第2分体2とを、固着一体化している。したがって、実施例1の空調用ダクトの製造方法によると、内筒部4と対面部7とを容易に成形できる。よって実施例1の空調用ダクトの製造方法によると、抑制対象音を低減できる空調用ダクトを安価に製造できる。
また、スペーサ部5を内筒部4に一体に形成することで、例えば内筒部4とは別体で形成したスペーサ部5を内筒部4に組み付け一体化する場合に比べて、空調用ダクトを安価に製造できる。
さらに、第1分体予定部91と第2分体予定部92とを中間成形体9として一体成形することで、第1分体1を主として構成する第1分体予定部91と、第2分体2を主として構成する第2分体予定部92と、を同じ成形型(ブロー型)で成形できる。よって、実施例1の空調用ダクトの製造方法によると、成形型に要するコストを低減でき、空調用ダクトを安価に製造できる。
なお、実施例1の空調用ダクトの製造方法では、対面部7を持つ第1分体1と内筒部4を持つ第2分体2とを一体にブロー成形したが、対面部7と内筒部4とは別体でブロー成形しても良い。
(実施例2)
実施例2の空調用ダクトは、上記(1)〜(4)を備える。実施例2の空調用ダクトを模式的に表す斜視図を図6に示す。実施例2の空調用ダクトの軸方向断面を模式的に表す要部拡大図を図7に示す。実施例2の空調用ダクトを製造している様子を模式的に表す説明図を図8〜図9に示す。
実施例2の空調用ダクトは、実施例1の空調用ダクトと同様に、第1分体1と第2分体2とからなる(図6〜図7)。第1分体1は外筒部6の空気流路下流側の部分からなる。第2分体2は、外筒部6の空気流路上流側の部分と、内筒部4とが一体に成形されてなる。対面部7は、第1分体に含まれる。第1分体1と第2分体2とは、実施例1と同様に、接着材層3によって接着され、一体化されている。
実施例2の空調用ダクトにおける内筒部4の径方向断面積は一定である。スペーサ部5は実施例1のスペーサ部5と同様に、内筒部4の四隅に形成されている。
外筒部6は、実施例1の外筒部と同様に、第1外筒部61と第2外筒部62とを持つ。第1外筒部61は、内筒部4の外周側を覆う対面部7を持つ。対面部7の径方向断面積は、第1外筒部61の空気流路下流側端部の径方向断面積よりも大きい。対面部7は、第1内端41の外周側に位置する第1外端601と、第2内端42の外周側に位置する第2外端602と、第1外端601と第2外端602との間の部分である外側区画部603と、を持つ。外側区画部603は、内側区画部43に対面している。外側区画部603の径方向最大断面積は、第1外端601の径方向断面積および第2外端602の径方向断面積よりも大きい。したがって外側区画部603は膨れ形状をなす。換言すると、実施例2の空調用ダクトにおけるサイドブランチ型消音室8は、空調用ダクトの外周側に張り出している。
実施例2の空調用ダクトにおけるサイドブランチ型消音室8の軸方向長さおよび開口端面積は、実施例1の空調用ダクトと同じである。したがって、実施例2の空調用ダクトは、実施例1の空調用ダクトと同様に、サイドブランチ型消音室8によって抑制対象音を低減できる。
さらに、内筒部4に形成されているスペーサ部5は、対面部7の内周面に当接しているため、開口端面80における内筒部4の外周面と対面部7の内周面との径方向距離は、ばらつき難い。よって、実施例2の空調用ダクトは、抑制対象音の低減性能に優れる。
さらに、実施例2の空調用ダクトは2対のスペーサ部5を持ち、対をなすスペーサ部5(第1スペーサ部51と第5スペーサ部52、第3スペーサ部53と第4スペーサ部54)は、それぞれ対面部7の軸線を挟んで対称な位置に配置されている。このことによっても、実施例2の空調用ダクトは抑制対象音の低減性能に優れる。
さらに、スペーサ部5は内筒部4の四隅に形成され、変形し難い。このことによっても、実施例2の空調用ダクトは抑制対象音の低減性能に優れる。
実施例2の空調用ダクトの製造方法を以下に説明する。
(中間成形工程)
実施例1の中間成形工程と同様に、図略のパリソンを準備し、このパリソンを図略のブロー成形型に入れて、図8に示す中間成形体9をブロー成形した。中間成形体9は、第1分体予定部91と、第2分体予定部92と、連結部93とが一体に成形されてなる。第1分体予定部91は第1外筒部61を含む。第2分体予定部92は、第2外筒部62および内筒部4を含む。連結部93は、実施例1の中間成形体9における連結部と同形状であり、予備部930を持つ。
(除去工程)
実施例1の除去工程と同様に、中間成形工程で得た中間成形体9を切断して連結部93の少なくとも一部を除去し、第1分体予定部91を含む第1分体1と、第2分体予定部92を含む第2分体2と、を得た(図9)。
(組み付け工程)
実施例1の組み付け工程と同様に、除去工程で得た第1分体1の空気流路上流側端部の内周面に、接着材層3を積層した。そして、第2分体2の内筒部4を、第1分体1の空気流路上流側端部から第1分体1の内部に挿入し、第1分体1と第2分体2とを一体化した。第1分体1と第2分体2とは、接着材層3によって接着され、一体化された。
以上の中間成形工程〜組み付け工程によって、実施例2の空調用ダクトを得た。
実施例2の空調用ダクトの製造方法によると、スペーサ部5を内筒部4に一体に形成することで、空調用ダクトを安価に製造できる。
また、実施例2の空調用ダクトの製造方法は、実施例1の空調用ダクトの製造方法と同様に、内筒部4と対面部7とを容易に成形できるため、実施例2の空調用ダクトを安価に製造できる。また、スペーサ部5を内筒部4に一体に形成することによっても、実施例2の空調用ダクトを安価に製造できる。さらに、第1分体予定部91と第2分体予定部92とを中間成形体9として一体成形することによっても、実施例2の空調用ダクトを安価に製造できる。
実施例1の空調用ダクトを模式的に表す斜視図である。 実施例1の空調用ダクトの軸方向断面を模式的に表す要部拡大図である。 実施例1の空調用ダクトの径方向断面を模式的に表す断面図である。 実施例1の空調用ダクトを製造している様子を模式的に表す説明図である。 実施例1の空調用ダクトを製造している様子を模式的に表す説明図である。 実施例2の空調用ダクトを模式的に表す斜視図である。 実施例2の空調用ダクトの軸方向断面を模式的に表す要部拡大図である。 実施例2の空調用ダクトを製造している様子を模式的に表す説明図である。 実施例2の空調用ダクトを製造している様子を模式的に表す説明図である。 従来の吸気ダクトの軸方向断面を模式的に表す要部拡大図である。
符号の説明
1:第1分体 2:第2分体 4:内筒部
5:スペーサ部 6:外筒部 7:対面部
8:サイドブランチ型消音室 41:第1内端 42:第2内端

Claims (5)

  1. ブロー成形されてなり、車両用空調装置の空気流路下流側に接続される空調用ダクトであって、
    筒状をなす外筒部と、
    筒状をなし、該外筒部の内部に配置され、軸方向の一端である第1内端が該外筒部の内周面に一体化され、軸方向の他端である第2内端が該第1内端よりも空気流路下流側に配され、該第2内端の外周面と該外筒部の内周面とが離間している内筒部と、
    該外筒部の内周面と該内筒部の外周面とで区画されているサイドブランチ型消音室と、を持ち、
    該内筒部と、該外筒部のなかで該内筒部の外周側を覆う部分からなる対面部と、は別体からなり、組み付けられて一体化され、
    該対面部と該内筒部との少なくとも一方には、他方に向けて突起するスペーサ部が一体に形成されていることを特徴とする空調用ダクト。
  2. 前記スペーサ部は、前記対面部と前記内筒部との少なくとも一方に形成され、他方に当接している請求項1に記載の空調用ダクト。
  3. 前記スペーサ部は少なくとも一対形成され、対をなす前記スペーサ部は前記対面部の軸線を挟んで対称に配置されている請求項1または請求項2に記載の空調用ダクト。
  4. 前記スペーサ部は、前記内筒部に形成されている請求項1〜請求項3の何れか1つに記載の空調用ダクト。
  5. 前記スペーサ部は、前記内筒部の前記第2内端に形成されている請求項1〜4の何れか1つに記載の空調用ダクト。
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