JP2009067186A - 荷体昇降機構付台車 - Google Patents
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Abstract
【課題】 トラックの荷台に対する荷体の積み卸しなどにおいて便利に使用することのできる荷体昇降機構付台車を提供する。
【解決手段】 台車1の前後方向途中の左右端部から一対の支柱2が起立しており、支柱2の前側に昇降部7が配置されている。昇降部7は支柱2をガイドに上下に案内されている。昇降部7の左右には、一対の顎部10a、bが設けられ鉛直方向の支軸9a、bを中心に可能に取り付けられている。一対の顎部10a、bは、左右対称に回転動作させることができ、各顎部10a、bはさらに、顎部同士が正対したときに、左右の回転軸を結ぶ線を中心に対称な位置に設けられた上下鉛直方向に延在する一対の丸棒11a、b、12a、bを備えており、各丸棒の下端には樽の鍔部を下から支える指部13a、b、14a、bが設けられている。
【選択図】 図1
【解決手段】 台車1の前後方向途中の左右端部から一対の支柱2が起立しており、支柱2の前側に昇降部7が配置されている。昇降部7は支柱2をガイドに上下に案内されている。昇降部7の左右には、一対の顎部10a、bが設けられ鉛直方向の支軸9a、bを中心に可能に取り付けられている。一対の顎部10a、bは、左右対称に回転動作させることができ、各顎部10a、bはさらに、顎部同士が正対したときに、左右の回転軸を結ぶ線を中心に対称な位置に設けられた上下鉛直方向に延在する一対の丸棒11a、b、12a、bを備えており、各丸棒の下端には樽の鍔部を下から支える指部13a、b、14a、bが設けられている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、トラック等の荷台に対する定形状の荷体の積み卸しなどにおいて荷体を動力で昇降させて労力を軽減させることのできる荷体昇降機構付台車に関する。
生産農家においては、収穫した梅を漬け込み、予め決められたバケツほどの大きさの梅樽に入れて出荷している。その際、多数の梅樽を多段に積み重ねた状態で運搬し、トラックなどの運搬車両の荷台へ積載する作業がされている。この作業に対して、自動昇降機能を持つ例えば、特許文献1に示されるような荷体昇降機構付台車を利用することができる。
このような装置は、台車の後部に起立案内部が形成されており、荷体を支持するためのフォーク部が該起立案内部の前側に配置されており、該フォーク部の後部と前記起立案内部とが案内手段を介してフォーク部の上下移動を許容するように結合されており、前記フォーク部を上下駆動するための駆動手段が前記起立案内部の近傍に形成されているものである。
実用新案登録第3126339号公報
特開平5−330516号公報
しかしながら、特許文献1の装置においても、フォーク部に平板状のパレットを装着し、その上に梅樽を搭載する手数を要した。また梅樽は、上下の梅樽同士が互いに勘合しあう機構を持っておらず、仮に梅樽同士が互いに勘合しあう機構を持っていたとしても、4段5段と積み重ねた状態で移動するのは無理がある。
円筒状の容器を把持する機構としては、特許文献2に示されるように、略V字状の把持面を持つ一対の回動アームを用意し、一方の回動アームの把持面により円筒の右前、右後ろに当接させ、他方の回動アームにより円筒の左前、左後ろに当接させて、円筒の周囲を把持するものが知られているが、容器が多段に積まれた状態での把持はできない。
本発明は、円筒状の樽などの容器(荷体)を多段に積み重ねた状態で、積み卸しに便利に使用することのできる荷体昇降機構付台車を提供することを目的としている。
本発明によれば、多段に積み重ねられた円形状の鍔部をもつ容器を運搬する荷体昇降機構付台車であって、台車の前後方向途中の左右端部から起立された一対の支柱と、前記支柱の前側に配置された昇降部と、前記一対の支柱に設けられ前記昇降部を上下に案内する案内部と、前記支柱の後側となる台車後部には前記昇降部を上下移動する駆動手段と、前記昇降部の前面に設けられ、前記容器の鍔部外周を取り囲んで鍔部の下面を下から支える指部を持つ容器保持手段であって、容器保持手段はさらに前記指部よりも上方に前記容器の上に積み重ねられた容器の鍔部外周を取り囲む延長部材とを有する容器保持手段と、前記容器保持手段の指部と延長部材とによる前記容器の取り囲みを開放する操作手段と有する。
本発明によれば、指部材により最下段の容器の唾部を持ち上げ、その上に積まれた容器については、延長部材により取り囲んだ状態で搬送することができる。
以下、本発明の第一の実施例について図面を参照して詳述する。図1は本実施例に係る荷体昇降機構付台車を前方上方から見た斜視図であり、図2は側面図、図3は背後から見た斜視図である。
図中において、1は台車であり、2は起立案内部である。
台車1は台フレーム3、前側の左右2つの固定キャスター4a、4b、及び、後側の左右2つの自在キャスター5a、5bを備えている。
台車1は台フレーム3、前側の左右2つの固定キャスター4a、4b、及び、後側の左右2つの自在キャスター5a、5bを備えている。
台フレーム3は間隔をもって左右に対状に配置された断面四角形の前後向き棒状部材3a、3bを備え、これら前後向き棒状部材3a、3aの後端部を起立案内部2の下部を介して結合すると共に起立案内部2の下部の後面から後方へ片持ち状に張り出した後方張出台部3cを形成している。
各前後向き棒状部材3a、3aの前端部には上下向きの透孔40a、40bが形成されており、この透孔40a、40bの内方に固定キャスター4a、4bが挿入され回転自在に装着されている。また、後側の左右2つの自在キャスター5a、5bは、後方張出台部3cの後端部の下面左右箇所のそれぞれに設けられており、4つのキャスタ−4a、4b及び5a、5bにより、台車1は方向自在に移動できる。
上記起立案内部2は縦方向へ長い方形枠体となされていて、左右一対の支柱2a、2aと上下一対の左右向き棒状部材6a、6bとを方形枠状に結合したものである。このさい、各支柱2a、2bは水平断面形状をC字形状となされた筒状体となされており、一対の支柱2a、2bは前記C字形状の開放口部を左右方向で対向するように配置されている。
起立案内部2の前側には、昇降部7が配置されている。昇降部7の後部と起立案内部2とは摺動ベース15で結合されている(図2)。起立案内部2a、bの断面cの字形状となっている内側面は、レールとして使用される案内部となっており、摺動ベース15から左右の起立案内部2a、bの内側に向けてローラ16が挿入されて、このローラ16を案内している(図3には、起立案内部2bの内部のみを示した。)。具体的には、起立案内部2bの内方のローラ16のうち、前側の上下2つのローラは起立案内部2bの内周面の前面をなす上下方向案内面に当接して上下方向へ案内され、後側の上下2つのローラは起立案内部2bの内周面の後面をなす上下方向案内面に当接して上下方向へ案内されるものとなされている。起立案内部2aについても同様である。
昇降部7は、前面に向けて平面視コの字状となる上腕8と、同様に下腕80を有している。上腕8の左右の腕8a、8bは、下腕80の左右の腕80a、80bと共に、後述する顎部10a、10bを夫々鉛直方向の支軸9a、9bにより回動可能に支える(図2においては、腕8b、80bのみが見えている)。
後方張出台部3bの上面には昇降部7を上下駆動するための直流モータとバッテリが備えられており、これら箱形カバー20内に配置されている。箱形カバー20上のスイッチ23は、主スイッチである。また、ジョイステック24は直流モータの停止、正転、逆転を制御する。
台車1の上下に渡された左右向き棒状部材6a、6bの長さ中央箇所の間に橋渡し状にチェーンケース21内で上下方向へ長い楕円軌道上を周回変位する無端状チェーン22が設けられており、直流モータの出力軸はこの無端状チェーン22に連動連結している。ジョイステック24を手前に引くことにより、無端状チェーン22は図2においてイ方向へ、ジョイステック24を奥へ押し込むことにより、ロ方向へ周回する。ジョイステック24の中立位置は、直流モータの停止である。
この無端状チェーン22の特定箇所と昇降部7の後部とが結合されており、ジョイステック24の操作により、昇降部7が上下、停止が制御できる。
一対の起立案内部2a、bのそれぞれには、台車1を人力で押し引き移動させるための一対の把手部25が設けられている。各把手部25は管部材をコ字形に屈曲されており、起立案内部2a、bから後方へ張り出している。把手部25の取り付け高さ位置は、台車1の後側の台車走行床面に起立した一人の作業者が左右の手のそれぞれで、同時に把握できるように配置される。
顎部10a、10bは平面視(台車1を上から見たとき)においてコの字形状をしており、コの字中央部を支軸9a、9bで支持されている。顎部10a、10bの両先端には、鉛直方向に延長した丸棒(延長棒)12a、12b及び13a、13bを有している。丸棒11aと11b及び12aと12bの上側先端は、連結部材27a、27bにより夫々連結されており、さらに丸棒11b及び12bの上側先端は、バネ部材26により結合されている。バネ部材26は、丸棒11b及びbを、互いに引付けあうように付勢されており、通常時においては、顎部8a、8bを開いた状態に保持するものである。
丸棒11aと11b及び12aと12bの下側先端には、L字状の指部13a、b、14a、14bを有している。指部13a、b、14a、14bは、L字状の先端を後に述べる樽40を顎部10a、10bの間に迎え入れるような角度で通常は位置づけられており、平面の中央部を対応する丸棒に設けられた縦軸方向の軸(図示せず)を中心にハ方向に若干の回転可能はとなっている。
顎部10a、10bについて、図4を用いてさらに詳細に説明する。図4は、無端状チェーン22により上下する昇降部7から前の部分を拡大した図である。
各顎部10a、10bのコの形状は、丸棒11a、b、12a、bの位置から支軸9a、9bの方向に凹状となる形状である。この凹の部分により、丸棒11a、b、12a、bに把持された梅樽の外周が顎部に接触することが避けられる。
顎部10a、10bの昇降部7側の側面から垂直に夫々ロッド30a、30bが突出している。ロッド30a、30bの先端は、自在継手31a、31bを介して棒部材32a、32bが接続されている。棒部材32a、32bは起立案内部2a、bのなす面と略平行となる鉛直面内に存在しており、棒部材32a、32bの他端は軸33a、33bを介して回転自在に平板34に連結している。平板34は、操作棒35に固定されている。
一方、昇降部7の長さ中央からは、前面に突出した上下の規制板37、38が設けられ、かつ各規制板37、38には前後に伸びた長円形の透孔37、38が穿孔されており、操作棒35はこの透孔37、38により左右方向の動きを規制された状態で、上下スライド可能となっている。規制板37、38はさらに平板34の上下の移動範囲をも規制している。 尚、自在継手31a、bが軸9a、bを中心とする軌跡を描くため、棒部材32a、32bから操作棒35に至る部材は、前後に摺動する。長円形の透孔37、38は、この動きを吸収するために、長円形としている。
丸棒11a、11bの中心位置は支軸9aの中心から等距離にあり、丸棒12a、12bの中心位置も支軸9bの中心から等距離にある。さらに、丸棒11a、b、12a、bと顎部10a、10bとが連結しているA部は、顎部10a、bのコの字先端から内側にかけて、丸棒11a、b、12a、bの全域と同一の曲面を有している。さらに、指部13b、14bの側面37は、円筒状の樽40に倣って、唾部41をより深い位置で支えるため、唾部41の付け根付近の樽40外周形状に当て嵌まる円弧状凹面となっている。
次に、図5において、顎部10a、10bの動作を説明する。図5A、Cは顎部10a、10bの底面図を示しており、図5B、Dは図5A、Cに対応する背面図である。
図5Bにおいて、操作棒35を「ヘ」方向に押し下げると、棒部材32a、32bは、軸33a、bを中心にホ方向に回動する。この動きは、自在継手31a、bにより顎部10a、bを支軸9a、bを中心にト方向に回転させる運動に変換される。
図5Dにおいて、操作棒35をさらに押し下げると、棒部材32a、32bは直線状になるまで押し下げられ、自在継手31a、bは左右にもっとも広がった状態に位置される。この結果、図5Cに示されるように顎部10a、bは、正対しあう位置に移動される。この状態において、支軸9a、bを結ぶ線Sの前後で、顎部10a、10bの間の中心線Tに対して丸棒11a、12aと丸棒11b、12bは夫々対称に向かい合う位置に位置付けられる。 丸棒11a、b、12a、bを頂点とする四角形Rは丸棒11a、12a側が下辺となり、丸棒11b、12bが上辺となる台形となっており、下辺の方が上辺よりやや長いものとなっている。よって、対角の位置にある丸棒間の距離は、樽40の鍔部41の外周直径に略等しいものとなるが、樽40の中心は線Sよりもやや前方(図面下側)の位置となる。この図5Cの状態を拘束状態といい、図5Aの状態を開放状態ということにする。なお、四角形Rを台形としたのは、四角形Rを長方形或いは正方形にすると、開放状態から拘束状態とする場合に閉めにくく、また逆の場合に開放しにくいからであるが、長方形、正方形或いは下辺と上辺を逆にした台形としても良い。
図5Eは、最終的な操作棒35の下端位置を示す図である。平板34の軸33a、33bまたは/及び自在継手31a、31bに若干の遊びがあり、操作棒35及び棒部材32a、32b等の自重により、操作棒35は図5Dに示した位置よりもQ(凡そ1cm程度)だけ下方に下がって、平板34が規制板38に衝接してこれ以上下に下がらない状態となっている。この遊びは、例えば、軸33a、33bを平板34の長さ方向に長さを持つ長円の開口とすることにより実現できる。
このような構成により、顎部10a、10bの左右に手を掛けて、両側に押し開こうとしても、この力は操作棒35を下に押し下げる力となるため、規制板38により操作棒35が更に下に動くことは無く、顎部10a、10bを開くことができないという効果がある。
図6は、拘束状態における台車1の斜視図である。
次に上記した本実施例の装置の使用例及び各部の作動について説明する。
本台車1で取り扱われる定形状の荷体40は高さ20〜40cmの円筒乃至は円錐状のものであり、典型的な例としては、バケツや樽であって、上辺円周に円形状の鍔部41を有するものである。
次に上記した本実施例の装置の使用例及び各部の作動について説明する。
本台車1で取り扱われる定形状の荷体40は高さ20〜40cmの円筒乃至は円錐状のものであり、典型的な例としては、バケツや樽であって、上辺円周に円形状の鍔部41を有するものである。
図7は、農産物などの容器として既に市販されている樹脂製の樽40である。この樽40は上辺円周の全外周縁を取り巻くように、巾10mm〜20mmの鍔部41を有している。鍔部41には、周囲4箇所に鍔部41から本体44の下側に向かって補強のための耳部42が1条または2条設けられている。蓋43には、木製のものが用いられており取手45として2枚の板が貼り付けられている。
このような樽40に梅を漬け込み、蓋43を被せた後、図7のように多段に積まれて積載を待つ状態にされている。
このような樽40に梅を漬け込み、蓋43を被せた後、図7のように多段に積まれて積載を待つ状態にされている。
図8は、台車1を使用して、このような多段に積まれた樽40を移動する状態を示している。
一人の作業者が左右一対の把手部25を両手で持つなどして台車1を押し引き、前後向き棒状部材3a、3bの間に樽40が位置するよう移動させ、適正に位置させた後(図8A)、昇降部7を多段に積み重ねられた樽40に対し丸棒11b、12bを衝突させる(図8B)。すると、図9に示すように、丸棒11b、12bは鍔部41を「ト」方向に押し出すように作用すると共に左右に押し広げられ、一方、前側の丸棒11a、12aは樽40の鍔部41を「チ」方向に引き戻すように作用する(図9A)。その結果、樽40は、図9Bに示すよう、多段積まれた際のずれが補正されて整列した状態となり、開放状態から拘束状態に変位する。一方、操作棒35は、上記動作の反動により、押し下げられた状態となる。図8B)。
その後、ジョイステック24を操作して昇降部7を台車走行床面よりも僅かに高い位置に移動させる。この結果、各丸棒11a、b、12a、bの下端の指部が最下段の樽40の鍔部41を下から持ち上げることにより、多段積みされた樽40全体が持ち上げられる(図8C)。
この際、多段積みの樽40の重心位置Gは、前側の左右2つの固定キャスター4a、4b、及び、後側の左右2つの自在キャスター5a、5bで定義される領域Lの範囲内であり、転倒することはない。
また、図8Cの状態においては、先に述べたように、顎部10a、bを手で押し広げることは困難であるが、操作棒35を手で上に持ち上げるような誤操作もありえる。しかしながら、樽40の荷重により容易に動かない状態となっており、これに抗して操作棒35を上に持ち上げて、顎部10a、10bを開放状態にすることは事実上困難である。さらに安全性を高めるには、操作棒35を引き上げて開放状態とするような誤操作に対応するために、拘束状態であることを検知するスイッチを設け、操作棒35をロック状態とする電磁ソレノイドを設ける処置を講じても良い。
この後、台車1を前方へ押し移動させてトラックの荷台等の積載箇所に移動する(図8D)。荷台50に多段積された樽を移すには、荷台50の高さよりも、最下段の樽の底面を高く上昇させるのであり、この後、作業者は台車1を移動させて昇降部7を荷台上に張り出させた状態とする(図8E)。
以下、特に説明をするまでもないが、昇降部7を降下させ荷台上面に最下段の樽を載せると、樽40の荷重は荷台へと移る。この結果、操作棒35への樽の加重の影響が消失するので、操作棒35を容易に上に引き上げあることができる。これにより、顎部10a、10bを開放状態として、台車1を移動させる。このさい、開放状態は、バネ部材26により維持されることになる。
一方、荷台上の樽をトラック走行床面上などに降ろすときは、台車走行床面から荷台へ荷体を積載する場合の逆の手順を実行する。
上記実施例においては、多段に積み上げられた樽40の鍔部41の直径と、対向する丸棒が、鍔部41に当接する曲面の間の距離とが略等しい状態となるように丸棒を配置していた。これを、図示すると図10のようになる。
図10Aは、上記実施例における鍔部41と丸棒11a、b、12a、bの関係を示している。対角位置にある丸棒の曲面が鍔部41の側面と接する点P、P‘の間の距離は、鍔部41の直径と等しいものとなっている。このため、図8に示したように多段に積み上げられた樽40を整列させることができる。
この場合において、丸棒11a、b、12a、bの平面視(台車1を上方から見た場合)の位置関係は、丸棒11a、b、12a、bを頂点とする台形をなすものであるが、丸棒11a、b、12a、bが略等間隔に並んだ正方形に近い台形R1(正確には、丸棒11a、b、12a、bと鍔部41が接する点P、T、P‘、T’を結ぶ四角形が台形R1となるように)となすのが良い。正方形に近い台形状に配置された場合、隣同士の丸棒の間隔は、唾部41の直径の約70%(1/√2倍)となる。尚、丸棒11a、b、12a、bの上端部においては、丸棒11a、b、12a、b自体がやや撓むため、約70%よりも若干小さくしておけば、上段の唾部を緊張力を持って挟み込むという効果がある。
図10Bは、丸棒11a、b、12a、bの代わりの延長棒として角棒を利用した場合の例を示す。角棒の場合も、角棒の角部が鍔部41に当接する点Pと、対向する位置の点図P‘の間の距離が、鍔部41の直径と略等しければ、樽40の整列効果を期待することができる。
図10Cは、角棒を45度回転させて、鍔部41と面で接するように配置した例である。この例においても、角棒の角部が鍔部41に当接する点Pと、対向する位置の点P‘の間の距離が、鍔部41の直径と略等しければ、樽40の整列効果を期待することができる。
図10Dおよび図10Eは、丸棒11a、b、12a、bの間隔を等間隔としない場合を示している。図10Dは、丸棒12a、12bと丸棒11a、11bとが夫々離れ合っており、丸棒11a、b、12a、bが鍔部41と当接する点P、T、P‘、T’は図中横長の台形形状R2となっている。図10Eは丸棒12a、11aと丸棒12b、11bとが夫々離れ合っており、丸棒11a、b、12a、bが鍔部41と当接する点P、T、P‘、T’は図中縦長の台形形状R3となっている。しかしながら、丸棒同士が離れすぎると整列効果どころか樽40を把持するのも困難となる。よって、隣り合う丸棒間の間隔は大きくても鍔部41の直径の87%(√3/2)とするのが良い。
図11は、樽40に若干の大きさの不揃いがある場合の例を示したものである。
樽によっては、大きさの揃っている場合のみではなく多少の大小がある場合がある。この場合、最下段に配置される桶の唾部の下面を丸棒11a、b、12a、bの指部13、14が支えることが前提ではあるが、丸棒11a、b、12a、bが全ての多段済みされた樽40の唾部に当接しないこともありえる。
図11Aは、丸棒11a、b、12a、bの間隔が樽40の鍔部41よりも大きい場合を示している。この場合相隣りあう丸棒の内側の間隔が、樽の鍔部41の直径Qよりも小さければ、丸棒11a、b、12a、bは、樽を囲む檻の如く作用し、落下が防止できる。
図11B、11Cは、図10B、10Cに対応するもので、この場合も相隣りあう角棒の内側の間隔が、樽の鍔部41の直径Qよりも小さければ、角棒は、樽を囲む檻の如く作用し、少なくとも落下が防止できる。
上記のように、隣同士の丸棒が樽40の鍔部41に当接する部分における間隔は、70%が適当であり、大きくても鍔部41の直径を越さないように設定される。さらに好ましくは、直径の87%以内にするのが良い。
また、丸棒11a、b、12a、bの長さは複数の樽40の高さが適当であるが、最下段の樽の上に積まれた1つの樽を収容できる高さであっても良い。
上記のように、延長部材として丸棒、角棒の例を示したが、延長部材の「延長」の意味は、指部で支えられた下段の樽から、上に載せられた樽まで延長して取り囲む部材であるとの意味であり、顎部が上に載せられた樽の鍔部までの長さを有するものであって、樽を取り囲んでいれば、丸棒、角棒の類のものが存在しなくても、その取り囲んでいる部分が延長部材となる。
図12は、他の実施例による荷体昇降機構付台車を示す図であり、図1の実施例と比較すると、後ろ側の丸棒111、112を昇降部7に固定したものである。具体的には、昇降部7の上下から丸棒111、112を支える支持部材7a、7bが伸張しており、かつ丸棒111、112の下端の指部114は、丸棒111、112の両者に固定され、その側面部は樽40の鍔部41の付け根部分の外周に倣うように凹状の曲面を描いている。その他の構造は、図1の実施例と同じである。本実施例においては、丸棒111、112が固定されているので、図8Bの状態において台車100を多段積みされた樽40に衝突させても、丸棒111、112は樽40を押すだけであり、丸棒11a、12aを回動させることは無い。従って、操作棒35を押し下げ、顎部10a、10bを回動させて丸棒11a、12aの指部13a、14aを最下段の樽40の鍔部41の下側に位置付けなければならない。
図13に、本実施例の顎部10a、10bを下から見た図を示す。操作棒35を押し下げることにより、支点を中心に左右の顎部10a、10bが閉鎖状態に回動する。
図14は、更に他の実施例を示す図であって、図1の実施例の顎部10a、10bの回動動作を、左右からの挟み込み動作としたものである。本実施例においては、顎部200a、200bは図示しないレールにより、その動きが左右方向に規制されている。また、本実施例では図1の実施例のように操作棒35の上下の動きを、自在継手31a、31bおよび棒部材32a、32bにより左右に広がる動きとしているが、本実施例においては、この左右に広がる動きを、支点201a、201bと、クランクロッド202a、202bと、スリット203a、203bとにより逆方向の動きに転換している。顎部200a、200bは、この逆方向の動きを受けて樽40を左右からの挟み込むものである。丸棒11a、b、12a、12bの下端には指部215a、bが丸棒11a、b及び、12a、12bに夫々固定され、その側面部は樽40の鍔部41の付け根部分の外周に倣うように凹状の曲面216a、216bを描いている。
本実施例においては、丸棒11a、b、12a、12bを樽40に衝突させることができないため、樽40が顎部200a、200bの間に位置付けられるように台車1を設定したのち、操作棒35を押し下げて、顎部200a、200bによる樽40の挟み込みを行う必要がある。
図15は、さらに他の実施形態を示すものである。図15Aは、図14の丸棒11a、bの間を連続させて、樽40の鍔部41外周形状となる弧に倣うような凹状曲面を有する板状の延長部材としたものである。右側の延長部材についても同様の構成にしている。
図15Bは、後ろ側の延長部材111、112及び指部113は図12に示したものと同じものとし、前方の延長部材は左右片側の延長棒420とその指部430を樽40の前方まで、顎部410により回動させたものである。
図15Cは、後ろ側の構成は図12に示したものと類似しているが、図12に示した実施礼では延長部材111、112を2本備えていたが、本実施例では延長部材510の一本とし、指部510も縮小されたものとなっている。本実施例では、さらに延長部材510、520、530、540の4本を設け、左右の延長部材510、520、530、540により、樽4040を取り囲むものとしてある。延長部材510、520、530、540の下端には指部521、531、541、551が夫々設けられている。
左側の延長部材510、520と右側の延長部材530、540の動きについては、先に示したように回動させるものや、左右方向に動くものを選択できる。
以上に示した実施例においては、指部により下段の樽40の鍔部41を下から支え、かつその樽40に積み重ねられた上段の樽40を延長部材により落下を規制するものである。このような実施例によれば、多段に積み重ねられた樽40を把持し、持ち上げることができるので、樽40の積み下ろし作業の効率が上がるという効果がある。
1 台車
2 起立案内部
3 台フレーム
4、5 キャスター
7 昇降部
10 顎部
11、12 丸棒
13、14 指部
24 ジョイステック
25 把手部
35 操作棒
2 起立案内部
3 台フレーム
4、5 キャスター
7 昇降部
10 顎部
11、12 丸棒
13、14 指部
24 ジョイステック
25 把手部
35 操作棒
Claims (9)
- 多段に積み重ねられた円形状の鍔部をもつ容器を運搬する荷体昇降機構付台車であって、
台車の前後方向途中の左右端部から起立された一対の支柱と、前記支柱の前側に配置された昇降部と、前記一対の支柱に設けられ前記昇降部を上下に案内する案内部と、前記支柱の後側となる台車後部には前記昇降部を上下移動する駆動手段と、
前記昇降部の前面に設けられ、前記容器の鍔部外周を取り囲んで鍔部の下面を下から支える指部を持つ容器保持手段であって、容器保持手段はさらに前記指部よりも上方に前記容器の上に積み重ねられた容器の鍔部外周を取り囲む延長部材とを有する容器保持手段と、
前記容器保持手段の指部と延長部材とによる前記容器の取り囲みを開放する操作手段と有することを特徴とする荷体昇降機構付台車。
- 請求項1の荷体昇降機構付台車において、前記容器保持手段は、昇降部の左右両側に設けられた一対の顎部を有し、
前記延長部材は、前記容器の取り囲んだときに、左右顎部の間の中心線に対して対称となる位置に設けられた一対の延長棒であり、前記操作手段は左右の顎部を左右対称に回転動作させることを特徴とする荷体昇降機構付台車。
- 請求項2の荷体昇降機構付台車であって、
前記各顎部は前記昇降部の右側或いは左側で前記昇降部に設けられた鉛直方向の回転軸を中心に可能であって、
前記延長棒は、左右の顎部の回転軸を結ぶ線の前後の位置に、各顎部に2箇所設けられていることを特徴とする荷体昇降機構付台車。
- 請求項3の荷体昇降機構付台車であって、前記顎部の回転により、前記左右顎部に設けられた計4本の延長棒は、平面視において台形を形成する第1状態を有するように顎部に配置されており、前記第1状態では、各延長棒の下端の各指部が容器の鍔部の下面を支える状態に位置付けられることを特徴とする荷体昇降機構付台車。
- 請求項4の荷体昇降機構付台車において、前記正方形は一辺の長さが前記唾部の直径の70%以上、100%未満であることを特徴とする荷体昇降機構付台車。
- 請求項2の荷体昇降機構付台車において、前記一対の顎部を左右対称に回転動作させる操作手段は、上下に長さを持ち前記昇降部に上下スライドするように配置された操作棒と、前記操作棒の上下スライドの操作を前記顎部が回転軸を中心に行う回転運動に変換する継ぎ手部材とを有することを特徴とする荷体昇降機構付台車。
- 請求項1の荷体昇降機構付台車において、前記延長棒は、複数個分の前記容器の高さ方向の長さを持つことを特徴とする荷体昇降機構付台車。
- 請求項1の荷体昇降機構付台車において、請求項1の荷体昇降機構付台車において、
前記各顎部は前記操作部の操作により昇降部の右左から前記容器を取り囲む位置に配置される第1の状態と、前記容器を開放する位置の第2の状態の位置状態を持つことを特徴とする荷体昇降機構付台車。
- 多段に積み重ねられた円形状の鍔部をもつ容器を運搬する荷体昇降機構付台車であって、
台車の前後方向途中の左右端部から起立された一対の支柱と、前記支柱の前側に配置された昇降部と、前記一対の支柱に設けられ前記昇降部を上下に案内する案内部と、前記支柱の後側となる台車後部には前記昇降部を上下移動する駆動手段と、
前記昇降部の前面に設けられ、前記容器の鍔部外周を取り囲んで鍔部の下面を下から支える指部を持つ容器保持手段であって、容器保持手段はさらに前記指部よりも上方に前記容器の上に積み重ねられた容器の鍔部外周を取り囲む延長部材とを有する容器保持手段と、
前記容器保持手段の指部と延長部材とによる前記容器の取り囲みを開放する操作手段と有することを特徴とする荷体昇降機構付台車。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007236670A JP2009067186A (ja) | 2007-09-12 | 2007-09-12 | 荷体昇降機構付台車 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007236670A JP2009067186A (ja) | 2007-09-12 | 2007-09-12 | 荷体昇降機構付台車 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009067186A true JP2009067186A (ja) | 2009-04-02 |
Family
ID=40603918
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007236670A Pending JP2009067186A (ja) | 2007-09-12 | 2007-09-12 | 荷体昇降機構付台車 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009067186A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104787704A (zh) * | 2015-02-14 | 2015-07-22 | 邬宏敏 | 一种用于搬运原料的抱桶翻转机构 |
CN105197084A (zh) * | 2015-10-14 | 2015-12-30 | 成都市智联环境保护设备有限公司 | 一种新型用于提升钢瓶的设备 |
CN108715180A (zh) * | 2018-06-07 | 2018-10-30 | 黄绍规 | 一种市政工程环卫垃圾桶搬运架 |
-
2007
- 2007-09-12 JP JP2007236670A patent/JP2009067186A/ja active Pending
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