JP2009065220A - 半導体を用いた光デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】短波長の光を放射又は吸収するよう機能する半導体デバイスを提供する。
【解決手段】半導体光デバイスの主要部に、高純度の酸化モリブデンが提供される。本発明においては、半導体光デバイスの発光領域又は吸収領域に高純度の酸化モリブデンが用いられる。これにより、深紫外波長領域の光を放射又は吸収できる安価な光デバイスが実現される。
【選択図】図5

Description

本発明は、短波長の光を放射又は吸収するよう機能する、酸化モリブデンを用いた半導体光デバイスに関する。
より具体的には、本発明は、窒化ガリウム(GaN)、シリコン・カーバイド(SiC)等の既知の半導体を用いて青色発光デバイスを実現しようとすることに伴う諸問題が解決できる可能性をもつ新しい半導体を用いた青色発光デバイスの実現に関する。また、既知の半導体で発光可能なGaNの361nmより短い波長の光を放射できる新しい半導体を用いた短波長発光デバイスの実現に関する。さらには、短波長の光を選択的に吸収し、充電効果を発現する光吸収デバイスに関する。
発光ダイオード、レーザダイオードに代表される発光デバイスの分野において、光の三原色を実現すること及びディジタルビデオディスク(DVD)用に短波長の光を実現することの2つの目的のために、青色発光デバイスの開発が進められ、ようやく実用化に至った。これまでに実用化された青色発光デバイスは、発光の原理の上で重要な活性層に窒化ガリウム(GaN)を用いたもので、GaNの禁制帯幅は約3.43eV、発光波長は361nmである。
GaNを用いると青色の光が得られるが、いくつかの重要な欠点がある。まず第1に、窒素の平衡蒸気圧が高いために、バルク結晶の成長が今だ実現しておらず、このため基板としては、サファイア又はシリコンカーバイド(SiC)が用いられていることである。サファイヤとGaNの間には約16%の格子不整があり、GaNを直接サファイヤ上に形成することはできない。そのため、窒化アルミニウム(AlN)をバッファ層として、まずサファイヤ基板上に形成した後、GaNを形成する方法がとられている。しかし、AlNはドーピングが困難であり、絶縁体である。このため、AlN層は極めて薄くして、トンネル現象による伝導を利用するなど、デバイスの設計及び作製上、きわめて大きな制約が生じている。一方、SiCもバルク結晶は2200〜2400℃の高温でなければ成長できず、それから作られる基板はきわめて高価格になっている。
GaN以外に青色発光デバイスとしての可能性がある材料としては、酸化亜鉛(ZnO)があるが、その禁制帯は3.2eVで発光波長は387nmとGaNより長波長である上、実用化に対しては多くの難問がある。
現在実用化されている最も短波長の半導体発光デバイスは、上述のGaNを用いたもので、この波長によりDVDの最大記録密度が決まる。従って、DVDの高密度化や気体レーザであるHe−Cdレーザに代る固体レーザ実現等のために、より短波長の発光デバイスが期待されている。また、上述のように、すでに実用化された青色発光デバイスにも多くの問題があることから、他の材料を用いた青色発光デバイスを実現することに、多くの期待が寄せられている。
より高密度のDVDを実現したり、He−Cdレーザに代わる固体レーザを実現したり、あるいは水銀ランプの代替光源や生体との相互作用が大きい光源を実現するために、GaNで得られる361nmより短波長の光、特に深紫外と呼ばれる波長200〜350nmの光を放射できる発光デバイスの開発が必要である。また、GaN、SiC、ZnO等の材料が持つ困難な問題を解決するために、青色の光が放射できる新しい材料を用いた青色発光デバイスの開発が必要である。
そのような開発に際しての第1の課題は、発光デバイスを形成するために、サファイヤやシリコンカーバイドのような高価な基板を必要としないことである。第2の課題は、発光デバイスを構成する半導体の層を形成するために、高温を必要としないことである。高温で半導体層を形成するには大きなエネルギーを必要とする上、層と層の間で原子の移動が起こり、層界面で組成の乱れが生じたり、各層に添加されたドーパントが移動するという問題が発生する可能性がある。現在実現されている最も短波長の光を放射できるGaN系の材料を用いたレーザダイオードの作製には、1000℃以上の高温を必要とする。SiCを用いた発光デバイスを作製するのにも、1000℃以上の高温で結晶層を形成する必要がある。
上述の課題は光デバイスの発光層に、高純度の酸化モリブデンを用いることにより、解決される。酸化モリブデンは従来触媒用材料として研究されており、たとえばMartin Lerch, Reinhard Schomacker, Robert Schlogl, "Insitu Resonance Raman Studies of Molybdenum Oxide Based Selective Oxidation Catalysts" Fachbereich Chemie der Technischen Universitat Berlin zur Erlangung des akademischen Grades, Marz 2001, Berlinにまとめられている。この文献は、参考文献として、本願の開示範囲に含まれる。しかし、発光ダイオードやレーザダイオードのような光デバイスへの応用については、全く提案されていない。従って、Martin Lerchらの上述の文献の8頁には、酸化モリブデンが半導体で、禁制帯幅は2.9〜3.15電子ボルト(eV)との記述があるが、酸化モリブデンを光デバイスに用いた場合に得られる効果については、述べられていない。また、2.9〜3.15eVという禁制帯幅の値は、スパッタリングや真空蒸着のような物理的方法で作製された試料について測定された結果である。また、この文献では、試料の純度についても示されていない。一般に、光デバイスに用いられる半導体材料は、高純度で結晶性の材料をさし、そのような材料について禁制帯幅等の物性値を測定するが、上述のMartin Lerchらの文献では、触媒を用途としているため、真空蒸着で作製した試料についての測定結果が示されていると考えられる。真空蒸着で作製した材料は通常非晶質で、構造的に乱れていることは、当業者には良く知られている。更に、真空蒸着で作製される薄膜の厚さは、一般に100nm程度以下と薄く、1μmの厚さの薄膜を形成することは通常ない。そのような薄い材料の場合は、基板の影響を受け、禁制帯幅のような物性値も、薄膜の厚さや基板によって変化することとなる。上述の禁制帯幅の値は、そのような薄い材料を測定して得られたもので、酸化モリブデンの本質的な物性値とは限らない。100nm以上に厚く、かつ高純度の酸化モリブデンについて検討が行なわれなかったのは、酸化モリブデンを発光ダイオードやレーザダイオードのような光デバイスに用いる意図が無かったためと考えられる。
本発明者は、純度99.99%のモリブデン板を、純度99.9995%の酸素中で酸化し、その物性を評価した。図1は、550℃で120分間酸化することにより作製された酸化モリブデンの実測した光反射特性を示す。この試料の酸化形成された酸化モリブデン層の厚さは10.2μmである。図1に示されたスペクトルを延長し、反射が0になる波長、すなわち吸収が起る最長の波長が酸化モリブデンの禁制帯幅を与える。この試料の場合、光の吸収は388nm以下の波長で起り、禁制帯幅は3.66eVである。試料の厚さが10.2μmと厚いことから、基板の影響はなく、この禁制帯幅は酸化モリブデンに固有の値と考えられる。また、禁制帯幅の値が上述のMartin Lerchらの文献に示されている値より大きいのは、Martin Lerchらの文献に示されている値は構造の乱れた試料についてのものであり、構造の乱れによっていわゆるバンドティルと呼ばれる準位が生じ、実効的な禁制帯幅が減少するという当業者には周知の事実によるものである。これに対して、本発明で対象とした試料は、以下に示すように、結晶性のより高純度の結晶であるため禁制帯幅は大きいと考えられる。
図2は、図1に光反射スペクトルを示した酸化モリブデンと同様に、ただし酸化温度を450〜650℃と変化させて作製した酸化モリブデンのラマン散乱スペクトルを示し、図3は同じ試料のX線回折スペクトルを示すが、いずれも実測したものである。図2及び3のスペクトルは、測定した酸化モリブデンの主成分がMoOであることを示している。ただし、ラマン分光及びX線回折法の感度以下の割合で、他の化学組成を持つ成分が含まれている可能性はある。酸化温度を450〜650℃と変化させて、酸化モリブデンを作製し、図1に示したような光反射特性から禁制帯幅を求めると、3.45〜3.85eVとなる。従って、3.45〜3.85eVの禁制帯幅をもつ酸化モリブデンの主成分はMoOであるが、同じ化学組成を有しても、結晶かアモルファスであるか、結晶であっても構造的な乱れの程度あるいは多結晶の場合は結晶粒の大きさや歪等々によって禁制帯幅は変化するため、MoOの化学組成を有する酸化モリブデンが全て3.45〜3.85eVの禁制帯幅を持つとは限らない、ということに注意すべきである。言い換えれば、3.45〜3.85eVの禁制帯幅特性は、材料の化学組成(酸化モリブデン)のみならず、その結晶構造に依存して得られるものである。また、図3のX線回折スペクトルは、鋭いピークから成り、このことは、測定に用いた試料が純粋な結晶であることを意味している。また、結晶性を高めることにより、さらに大きな禁制帯幅が実現される可能性がある。
図4は、図1の光反射特性を示す酸化モリブデンの実測された電気抵抗の温度依存性を示す。温度上昇とともに抵抗が減少することは、温度上昇とともにキャリヤが増加したことを意味し、そのような現象は半導体のみで起こることである。すなわち、電気抵抗の逆数である導電率を決めるキャリヤ密度以外の要因であるキャリヤ移動度は、格子振動によるキャリヤの散乱が温度上昇とともに激しくなるため減少し、金属や絶縁体のようにキャリヤの増加がなければ、導電率は減少し、抵抗は温度上昇とともに増加するからである。図1に示される光反射スペクトルは、試料すなわち酸化モリブデンが半導体であることを意味するが、図4に示された特性からも、明らかに酸化モリブデンが半導体であることが裏付けられている。
上述のように、酸化モリブデンの結晶は、650℃以下の温度でモリブデン板を酸化することにより得られる。さらに、この層の上にたとえば気相成長法により、酸化モリブデンのバッファ層を形成すれば、それより上には良質の酸化モリブデンの結晶層が気相成長法にて形成できる。酸化モリブデンの気相成長は、本願とは別に出願予定の方法により、650℃以下の温度で行なうことができる。従って、基本的に酸化モリブデンを用いた発光デバイスは、モリブデンを基板とし、650℃以下の温度で作製することが可能である。基板としては、モリブデン以外にアルミニウム(Al)結晶や硫化亜鉛(ZnS)を用いることができる。酸化モリブデンとアルミニウム結晶の格子定数差は2.0%、酸化モリブデンと硫化亜鉛(ZnS)の格子定数差は3.1%であり、これは、サファイヤと窒化ガリウムの格子定数差16%に比べ、著しく小さい。このように、基本的に酸化モリブデンを用いて発光デバイスを作製することにより、高価な基板を用いることや作製に高温を必要とするという問題などが解決され、361nmより短い波長の光を放射するという課題も達成される。また、ドーピング等によって、禁制帯幅をコントロールすれば、より小さい禁制帯幅が有利であるようなデバイスに対しても高純度酸化モリブデン層を適用することが可能となる。
本発明の発光ダイオード及びレーザダイオードによれば、深紫外とよばれる短波長ないし青色の光を放射することができ、またサファイヤ、シリコンカーバイド等の高価な基板を必要としないため、安価な青色又は白色発光デバイスや水銀ランプの固体代替光源が実現でき、ひいては、より高密度のディジタルビデオディスクの実現の可能性が高まるなど、産業上の利点は計り知れないものといえる。
図5は、第1の実施例である発光ダイオード(1)の構造を、概念的に示す図である。この図において、基板(2)はこの実施例では、モリブデンの板であり、導電性を示すものであれば、その材料はモリブデンには限定されない。基板(2)は導電性であることが望ましい。層(3)はモリブデン基板(2)の表面付近を酸化して形成した酸化モリブデンから成る。層(3)は550℃で純度99.99%のモリブデン板を純度99.9995%の酸素中で60分酸化して形成され、厚さは6.0μmである。層(3)には意図的にはドーピングを行っていないが、n形を示す。酸素空孔がドナとして働くためと考えられる。層(3)の上にはバッファ層(4)があり、この層は、層(3)が基板(2)と異なる化学組成をもつことから生じる層(3)内の構造的乱れを、後に形成する上の層に受け継がないよう機能するものである。層(4)はたとえば630℃において気相成長法で形成した酸化モリブデンであり、電子密度3×1017cm−3のn形を示す。層(4)の厚さは4.0μmである。層(4)の上にはn形を示す酸化モリブデンの層(5)が形成されている。層(5)はたとえば600℃において気相成長法で形成され、電子密度6×1016cm−3で層(4)より更に良質の結晶から成る。層(5)の厚さは3.0μmである。発光ダイオード(1)の発光効率を極限まで高める必要がない場合には、層(5)は省いてもよい。層(5)の上にはたとえばマグネシウムをドープし、1.0×1017cm−3の正孔密度を有するp形の酸化モリブデン層(6)が形成されている。層(6)の厚さは2.0ミクロンで、たとえば気相成長法で形成される。層(6)の上には電極(7)がある。電極(7)は光の放射を妨げないように、ドーナツ状になっており、本実施例では金薄膜から成る。ただし、電極(7)は他の金属で形成してもよい。電極(7)は発光ダイオードのいわゆる上部電極であり、下部電極は導電性のモリブデン基板が兼ねている。発光ダイオード(1)の発光特性をシミュレーションした結果、順方向電圧は20mAの時10V、発光出力は20mAの時60μWであり、ピーク波長は330nmであった。
図6は、第2の実施例であるレーザダイオード(100)の構造を概念的に示す図である。この図において、基板(101)は、この実施例では、モリブデン板であり、導電性を示すものであれば、その材料はモリブデンに限定されない。基板(101)は導電性であることが望ましい。層(102)はモリブデン基板(101)の表面付近を酸化して形成した酸化モリブデンから成る。層(102)は550℃で純度99.99%のモリブデン板を純度99.9995%の酸素中で40分酸化して形成され、厚さは4.0μmである。層(102)には意図的にドーピングを行っていないが、n形を示す。第1の実施例に関して述べたように、酸素空孔がドナとして働くためと考えられる。層(102)の上にはバッファ層(103)があり、これは、層(102)が基板(101)と異なる化学組成をもつことから生じる層(102)内の構造的乱れを、後に形成する上の層に受け継がないようにするための層である。層(103)はたとえば630℃において気相成長法で形成した酸化モリブデンであり、電子密度3×1017cm−3のn形を示す。層(103)の厚さは3.0μmであり、この層(103)の上にはクロム・モリブデン酸化物(Cr0.1 Mo0.9)の層(104)が形成されている。クロム・モリブデン酸化物層(104)は禁制帯幅が酸化モリブデンより大きく、レーザダイオードにおいて、キャリヤ及び光を活性層内に閉じ込めるいわゆるクラッド層として働く。層(104)は意図的にはドーピングしていないが電子密度6×1016cm−3のn形で、たとえば600℃において気相成長法により形成され、厚さは3.0μmである。層(104)の上にはレーザダイオードの活性層となるp形酸化モリブデンの層(105)が形成されている。層(105)はたとえば気相成長法で形成され、マグネシウムがドープされて、1×1017cm−3の正孔密度を有する。層(105)の厚さは0.5μmであり、層(105)の上にはクロム・モリブデン酸化物(Cr0.1 Mo0.9)の層(106)が形成されている。層(106)の禁制帯幅は酸化モリブデンの活性層(105)の禁制帯幅より大きく、レーザダイオードのクラッド層として働く。層(106)は、たとえば気相成長法により形成され、厚さは3.0μmである。層(106)は、p形で、たとえばマグネシウムがドープされ、正孔密度は4.0×1017cm−3となっている。層(106)の上には、中央部分のストライプ(108)を除いて、二酸化シリコン層(107)が形成されている。二酸化シリコン層(107)は、絶縁性であるため、電流はストライプ(108)中を流れるよう限定される。二酸化シリコン層(107)はたとえばスパッタリング法により形成され、厚さは100nmである。層(107)上及びストライプ(108)中には電極層(109)が形成されている。一実施例において、電極層(109)は金を真空蒸着して形成されるが、他の材料及び他の形成方法を用いることもできる。電極層(109)はレーザダイオード(100)の上部電極であるが、もう一方の下部電極については、基板(101)が導電性であるため、この基板(101)が兼ねている。ストライプ(108)の幅は、この実施例においては、20μmである。また、紙面と垂直方向のストライプの長さは、この実施例において、500μmとなっている。
図6はレーザダイオード(100)の1つの端面を示し、この面と平行にストライプの長さだけ隔ててもう1つの端面がある。これら一対の平行平面は、レーザダイオードのファブリ・ペロー光学共振器を構成する。レーザダイオードにおけるファブリ・ペロー共振器の機能については、当業者には周知である。ファブリ・ペロー共振器を構成するために、2つの端面は反射鏡になっている。本実施例においては、基板(101)がモリブデン板で結晶ではなく、かつ硬いことから、ファブリ・ペロー共振器の作製によく用いられるへき開が使用できないため、エッチングにより共振器となる反射面を作製することとし、具体的にはCF及びHガスを用いた反応性イオンエッチングにより反射面を作製したが、勿論この方法には限定されない。
図6に示されたレーザダイオード(100)の発光特性をシミュレーションした結果、5μs/1kHzのパルス発振において、閾値電流密度5.05kA/cm、閾値電圧16.2Vの特性が得られ、また、主ピークの発振波長は330nmであった。
図6はレーザダイオードの本質的な要素を示したもので、特性向上のためには、別の要素をつけ加えてもよい。たとえば、一方のクラッド層である層(106)の上に、電極の形成を容易にするために、低抵抗のp形層を形成してもよい。
また、図6に示した実施例において、クラッド層(104)及び(106)はクロム・モリブデン酸化物(Cr0.1 Mo0.9)としたが、これらの層の禁制帯幅が酸化モリブデンの禁制帯幅より大きい限り、クロムとモリブデンの比率がこれと異なるクロム・モリブデン酸化物(Cr Mo1−x,x>0.1)又は他の材料を用いて形成してもよい。
以上のように、発光デバイスである発光ダイオードおよびレーザダイオードを例にあげて本発明を説明してきたが、高純度の酸化モリブデンが大きな禁制帯幅をもつという半導体としての大きな利点は、本発明の原理に基づいて、他の半導体光デバイスに対しても有効に利用できる。本発明のこのような応用可能性は、当業者には明白であり、また本発明の技術的範囲に含まれるものである。
応用可能な半導体光デバイスの他の例としては、酸化モリブデンを吸収層に用いた光導電デバイス、ホトダイオード、ホトトランジスタ、CCDや太陽電池などの受光デバイス、また酸化モリブデンを発光層として用いた発光ダイオードや半導体レーザなどの発光デバイスが挙げられるが、本発明の技術的範囲はこれらに限定されるものではない。
高純度のモリブデンを550℃で酸化して形成した酸化モリブデンの光反射特性を示す図。 高純度のモリブデンを450ないし650℃の異なる温度で形成した酸化モリブデンのラマン散乱スペクトルを示す図。 高純度のモリブデンを450ないし650℃の異なる温度で酸化して形成した酸化モリブデンのX線回折スペクトルを示す図。 高純度のモリブデンを550℃で酸化して形成した酸化モリブデンの電気抵抗の温度依存性を示す図。 本発明の一実施例の発光ダイオードの構造を概念的に示す図。 本発明の第2の実施例のレーザダイオードの構造を概念的に示す断面図。
符号の説明
1 発光ダイオード
2 基板
3 層
4 バッファ層
5 層
6 酸化モリブデン層
7 電極
100 レーザダイオード
101 基板
102 層
103 バッファ層
104 クロム・モリブデン酸化物層
105 層
106 クロム・モリブデン酸化物層
107 二酸化シリコン層
108 ストライプ
109 電極層

Claims (13)

  1. 半導体光デバイスであって、その発光領域又は吸収領域に、p形半導体又はn形半導体の少なくとも1つが結晶性の酸化モリブデンであるpn接合を含む半導体光デバイス。
  2. 半導体デバイスであって、光の吸収により導電率が増加する光導電効果を有する領域に、結晶性の酸化モリブデンを用いた半導体光デバイス。
  3. 前記発光領域又は吸収領域が、ホトダイオード、ホトトランジスタ、発光ダイオード、半導体レーザ、太陽電池又はCCDの一部を構成する請求項1記載の半導体光デバイス。
  4. 前記光導電効果を有する領域が光導電デバイスの一部を構成する請求項2記載の半導体光デバイス。
  5. 前記結晶性の酸化モリブデンが、気相堆積法によって形成された高純度酸化モリブデンである請求項1又は2に記載の半導体光デバイス。
  6. 前記酸化モリブデンの禁制帯幅が、3.45〜3.85eVである請求項1又は2に記載の半導体光デバイス。
  7. 基板上の結晶性酸化モリブデンの層と、n形酸化モリブデンの層及びp形酸化モリブデンの層とから成るpn接合を含む発光ダイオード。
  8. 基板上の結晶性酸化モリブデンの層、その上の酸化モリブデンのバッファ層、その上のn形酸化モリブデンの層及びその上のp形酸化モリブデンの層を含む発光ダイオード。
  9. 基板上の結晶性酸化モリブデンの層、その上の酸化モリブデンより禁制帯幅が大きいn形の半導体の第1のクラッド層、その上のp形酸化モリブデンの活性層、その上の酸化モリブデンより禁制帯幅が大きくp形の半導体の第2のクラッド層を含むレーザダイオード。
  10. 基板上の結晶性酸化モリブデンの層、その上の酸化モリブデンのバッファ層、その上の酸化モリブデンより禁制帯幅が大きいn形の半導体の第1のクラッド層、その上のp形酸化モリブデンの活性層、その上の酸化モリブデンより禁制帯幅が大きいp形の半導体の第2のクラッド層を含むレーザダイオード。
  11. 基板がモリブデンである請求項7又は8記載の発光ダイオード。
  12. 基板がモリブデンである請求項9又は10記載のレーザダイオード。
  13. 第1および第2のクラッド層が、クロム・モリブデン酸化物の層である請求項9、10又は12記載のレーザダイオード。
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