JP2009064896A - 巻線型電子部品 - Google Patents

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佳成 中田
Takayuki Maruyama
尊之 丸山
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巧一 井口
Takahiro Safuku
高弘 佐復
Satoshi Kimura
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Abstract

【課題】メッキ層を形成することなく、従来のAg電極と同等の剥離強度を備えた巻線型電子部品を提供する。
【解決手段】フェライトからなり、柱状の巻芯部11a及びその両端に形成された鍔部11b,11cを有するフェライトコア11と、フェライトコアの巻芯部に巻回されたコイル導線12と、鍔部の外表面に設けられたCu導電層16aからなる少なくとも一対の端子電極16A,16Bと、を備え、巻芯部に巻回されたコイル導線の両端部が端子電極に導電接続された巻線型電子部品10であって、端子電極は、Cu粉末とガラスフリットとを含む電極ペーストをフェライトコアの外表面に塗布した後、フェライトコアを熱処理することにより形成されたものであり、フェライトコアとCu導電層との界面にフェライトコアの一部とガラスフリットとの反応層を有する。これにより、従来のAg電極と同等の剥離強度を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、携帯型電子機器や薄型の電子機器等に用いられる巻線型電子部品に関する。
携帯型電話機やデジタルスチルカメラ等の携帯型の電子機器におけるDC/DC電源の昇降圧回路用コイルや各種のフラットパネルディスプレイの周辺回路のチョークコイル等として、巻線型電子部品が用いられている。特に上記用途に向けて、所望のインダクタ特性を確保しつつ高密度実装、もしくは低背実装を可能とする小型で低背な外形寸法を有するものが要請されている。上記巻線型電子部品の一例が特許文献1に記載されている。巻線型電子部品は、フェライトコアと該フェライトコアに設けられた一対の端子電極と前記フェライトコアに巻回されるとともにその端部が前記端子電極に接続されたコイル導線とを有する。前記フェライトコアは、巻芯部と該巻芯部の上端に設けられた上鍔部と前記巻芯部の下端に設けられた下鍔部とから成る。前記一対の端子電極は、前記フェライトコアの下鍔部の底面に形成されている。該端子電極は、Agを主体とする電極ペーストを前記フェライトコアの下鍔部の底面に塗布した後、該フェライトコアを例えば大気中650℃で熱処理してAg導電層が形成される。さらに、該Ag導電層の表面にNiメッキ層、半田メッキ(Snメッキ)層が形成される。前記コイル導線は、金属線の外周に絶縁被覆が形成されてなり、前記フェライトコアの巻芯部の周囲に巻回される。そして、該コイル導線の一方及び他方の端部は前記絶縁被膜が除去されるとともに前記メッキ層が形成された端子電極にそれぞれ半田により接続されている。
図6及び図7は、上記巻線型電子部品の一例を示す図である。図6は、前記巻線型電子部品110の内部構造を示す巻芯部111aの中心軸を通る縦断面図である。また、図7は前記巻線型電子部品110に用いられるフェライトコア111の下鍔部111cを底面111B側から見た外観斜視図である。
具体的には、図6に示すように、柱状の巻芯部111a及びその上下の端に形成された鍔部111b,111cを有するフェライトコア111と、該フェライトコア111の巻芯部111aに巻回されたコイル導線112と、前記鍔部111cの前記巻芯部111aと直交する底面111Bに設けられた端子電極116A,116Bと、を備え、前記巻芯部111aに巻回されたコイル導線112の両端部113A,113Bが上記端子電極116A,116Bに半田117,117を用いて導電接続された巻線型電子部品110が開示されている。
そして、上記フェライトコア111の鍔部111cは、図7に示すように、底面111Bに一対の溝115,115が設けられており、該溝115は、底部115aと該底部115aの幅方向の両脇に該底部115aに対し傾斜して設けられた緩斜面115b、115bとを備える。そして、上記端子電極116A,116Bは、前記溝115の一方の緩斜面115b上から溝115の底部115aを経て他方の緩斜面115b上に亘るように形成されている。
そして、該端子電極116A,116Bは、図6に示すように、Agを主体とする電極ペーストを前記フェライトコア111の下鍔部111cの底面に塗布した後、該フェライトコア111を例えば大気中で熱処理して形成されたAg導電層116aと、該Ag導電層116aの表面に形成されたNiメッキ層116bおよびSnメッキ層116cを有する。また、特許文献2には、上記従来の巻線型電子部品とは異なる用途の複合電子部品において、従来のAg導電層に代えてCu導電層を採用することが提案されている。具体的には、コアを空気中又は酸素雰囲気中で焼成し、この焼成されたコアのフランジ外面に銀、銀パラジウムまたは銅を主体とする導電ペーストを塗布して一対のリード線引出用電極を形成し、この後、前記コアをH,COガス等の還元性雰囲気もしくはN,Arガス等の中性雰囲気で酸素濃度0.1%以下の中で焼成することにより、前記リード引き出し用電極をコアに形成するとともにコアを低抵抗化させ、さらに、前記巻線部に巻線を施すチップ型LRフィルタの製造方法が提案されている。
特開2007−214521号公報 特開平3−106005号公報
上記従来の巻線型電子部品において、フェライトコアを低背化するために鍔の厚み寸法を小さくすると、上記Ag導電層上にNiメッキ層およびSnメッキ層を形成する際に、鍔折れの発生が懸念される。上記メッキ層を省略するためには、Ag導電層に代えて、Ag−Pd導電層や、Cu導電層の採用が有望である。 しかしながら、上記特許文献2に記載されたように、例えば、コアのフランジ外面に銅を主体とする導電ペーストを塗布して一対のリード線引出用電極を形成し、この後、前記コアをH,COガス等の還元性雰囲気もしくはN,Arガス等の中性雰囲気で酸素濃度0.1%以下の中で焼成することにより、前記リード引き出し用電極をコアに形成するとともにコアを低抵抗化させると、一対の端子電極間の絶縁性が低下するために、本発明の商品用途である電源用のチョークコイル等には用いることができないという課題があった。
本発明は、上記の点に着目したもので、メッキ層を形成することなく、Ag導体層上にNiメッキ層、Snメッキ層を順次設けた従来のAg電極と同様にコイル導線の端部を半田接続することが可能で、従来と同等の剥離強度を備えた巻線型電子部品を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明者らが鋭意検討した結果、電極ペーストと熱処理条件とを工夫することにより、メッキ層を形成することなく、従来のAg電極と同様にコイル導線の端部を半田接続することが可能で、従来と同等の剥離強度を備えた新たな端子電極構造を見出し、本発明に至った。本発明の巻線型電子部品は、(1)柱状の巻芯部及びその両端に形成された鍔部を有するフェライトコアと、該フェライトコアの巻芯部に巻回されたコイル導線と、前記鍔部の外表面に設けられたCu導電層からなる少なくとも一対の端子電極と、を備え、前記巻芯部に巻回されたコイル導線の両端部が前記端子電極に導電接続された巻線型電子部品において、前記端子電極は、Cu粉末とガラスフリットとを含む電極ペーストを前記フェライトコアの外表面に塗布した後、該フェライトコアを熱処理することにより形成されたものであり、上記フェライトコアとCu導電層との界面に前記フェライトコアの一部とガラスフリットとの反応層を有する。(・・・以下第1の課題解決手段と称する。)
また、上記巻線型電子部品の主要な形態の一つは、上記(1)に加えてさらに、(2)上記反応層は、上記電極ペースト中に含まれるガラスフリットと、フェライトコアの一部と、が化学反応を起こし、互いに交じり合って存在する層であり、主として、フェライトとガラスとで構成される。(・・・以下第2の課題解決手段と称する。)
また、上記巻線型電子部品の形態の一つは、上記(2)に加えてさらに、(3)上記反応層は、上記フェライトコアと上記Cu導電層とをフェライトで結合する領域を有する。(・・・以下第3の課題解決手段と称する。)
また、上記巻線型電子部品の他の主要な形態の一つは、上記(1)に加えてさらに、(4)上記フェライトコアを構成するフェライトがNi−Zn系フェライトであり、上記ガラスフリットが、ホウ素及び亜鉛を含むガラスフリットである。(・・・以下第4の課題解決手段と称する。)
また、上記巻線型電子部品の形態の一つは、上記(1)〜(4)のいずれかに加えてさらに、(5)上記外表面に電極ペーストを塗布した後のフェライトコアの熱処理は、酸素濃度10ppm以下のNガス雰囲気中で850〜900℃の熱処理である。(・・・以下第5の課題解決手段と称する。)
上記第1の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、前記端子電極はCu粉末とガラスフリットと、を含む電極ペーストを前記フェライトコアの外表面に塗布した後、該フェライトコアを熱処理することにより形成されたものであり、上記フェライトコアとCu導電層との界面に前記フェライトコアの一部とガラスフリットとの反応層を有する。このため、少なくとも一対の端子電極が、メッキ層を設けることなく、Ag電極と同等の剥離強度を有する。
上記第2の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、上記反応層は、上記電極ペースト中のガラスフリットと、フェライトコアの一部とが化学反応を起こし、互いに交じり合って存在する層であり
、主としてフェライトとガラスとで構成される。このため、Cu導電層とフェライトコアとが強固に固着される。
上記第3の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、上記反応層は、上記フェライトコアとCu導電層とをフェライトで結合する領域を有する。このため、ガラスを多量に添加することなく上記Cu導電層とフェライトコアとがより強固に固着される。これにより、端子電極が良好な半田濡れ性を得ることができる。
上記第4の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、上記フェライトがNi−Zn系フェライトであり、上記ガラスフリットが、ホウ素及び亜鉛を含むガラスフリットである。このため、上記電極ペースト中に含まれるガラスフリットと、フェライトコアの一部と、が化学反応を起こし、互いに交じり合うことにより、主としてフェライトとガラスとで構成される反応層を生じやすい。
上記第5の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、前記外表面に電極ペーストを塗布した後のフェライトコアの熱処理は、酸素濃度10ppm以下のNガス雰囲気中で850〜900℃の熱処理である。このため、Cu導電層とフェライトコアとの界面が反応層により満たされる。
なお、上記反応層はさらに金属酸化物を含むものであってもよい。これにより、Cu導電層とフェライトコアとの固着力が高まる。
本発明の巻線型電子部品によれば、フェライトコアとCu導電層との界面に反応層を有するので、メッキ層を形成することなく、従来のAg電極と同様にコイル導線の端部を半田接続することが可能な端子電極を備え従来のAg電極と同等の剥離強度を有する巻線型電子部品を提供することができる。本発明の上記目的とそれ以外の目的、構成特徴、作用効果は、以下の説明と添付図面によって明らかとなろう。
以下、本発明の巻線型電子部品の第1の実施形態について、図1〜図5を参照して説明する。図1は第1の実施形態の巻線型電子部品10の全体構造を説明するための一対の端子電極16A,16Bを有する底面11B側から見た外観斜視図である。図2は、本実施形態の巻線型電子部品10の内部構造を説明するための図であり、図2(A)は前記巻線型電子部品10の巻芯11aの中心軸を通る縦断面図であり、図2(B)は前記巻線型電子部品10の上記図2(A)において破線Bで囲まれる領域を示す拡大断面図である。図3は、前記巻線型電子部品10の上記図2(B)において破線Cで囲まれる領域を走査型電子顕微鏡(SEM)により撮影した写真を模写し、EDX分析結果に基づき組成毎に異なるハッチングを施した図である。また、図4は、本実施形態の巻線型電子部品10に用いられる一対の端子電極16A,16Bを形成した後の前記フェライトコア11を下鍔部11cの底面11B側から見た外観斜視図である。図5は、基板21の一方の主面上に実装ランド22が形成された回路基板20上に前記巻線型電子部品10が実装された状態を示す要部の縦断面図である。 なお、本発明の解決手段及び効果は、上記図1〜図5に限定されるものではない。
図1〜図5に示すように、本実施形態の巻線型電子部品10は、フェライトコア11と、該フェライトコア11に巻回されたコイル導線12と、コイル導線12の端部13A,13Bが接続されるCu導電層16aからなる一対の端子電極16A,16Bと、を有し、さらに前記巻回されたコイル導線12を覆うように磁性粉含有樹脂18が被覆されている。
より具体的には、図2に示すように、前記フェライトコア11は、柱状の巻芯部11aと該巻芯部11aの上端に設けられた上鍔部11bと前記巻芯部11aの下端に設けられた下鍔部11cとから成る。そして、前記フェライトコア11の下鍔部11cの前記巻芯部11aの中心軸と直交する底面11Bには前記巻芯部11aの中心軸の延長線を挟んで一対の溝15,15が形成されている。
上記溝15,15は、図4に示すように、底部15aと、該底部15aの幅方向の両脇に該底部15aに対し傾斜して設けられた側壁15c、15cと、前記底部15aと前記側壁15c、15cとの間に設けられた緩斜面15b、15bとを備える。
また、前記一対の端子電極16A,16Bは、幅方向の一端側から他端側に亘るすべての領域が上記溝15内に収容されている。そして、上記端子電極16A,16Bの幅方向の縁部16Eは、上記溝15の側壁15c,15cにより規制されている。
本実施形態の巻線型電子部品10において、前記Cu導電層からなる端子電極16A,16Bは、Cu粉末とガラスフリットと、を含む電極ペーストを前記フェライトコア11の外表面に塗布した後、該フェライトコア11を熱処理することにより形成されたものである。そして、図3に示すように、上記フェライトコア11とCu導電層16aとの界面に、前記フェライトコア11の一部とガラスフリットとの反応層16dを有する。また、上記反応層16dは、上記電極ペースト中に含まれるガラスフリットと、フェライトコア11の一部と、が化学反応を起こし、互いに交じり合って存在する層であり、主としてフェライトとガラスとで構成されている。また、上記反応層16d中には、上記フェライトコア11とCu導電層16aとを上記フェライトで結合する領域を有する。また、上記フェライトコア11を構成するフェライトは、Ni−Zn系フェライトであり、より詳細には、Ni−Zn−Cu系フェライトである。また、上記電極ペースト中のガラスフリットは、ホウ素及び亜鉛を含むガラスフリットである。また、上記反応層16d中に金属酸化物を含むものである。また、前記外表面に電極ペーストを塗布した後のフェライトコア11の熱処理は、酸素濃度10ppm以下のNガス雰囲気中で850〜900℃の熱処理である。
コイル導線12は、金属線13の外周に絶縁被覆14が形成されてなり、前記フェライトコア11の柱状の巻芯部11aの周囲に巻回されるとともに一方及び他方の端部13A,13Bは前記絶縁被覆14が除去された状態で、前記端子電極16A,16Bにそれぞれ半田17、17により接続されている。
上記フェライトコア11の好ましい実施形態は次の通りである。すなわち、上記フェライトコア11としては、軟磁性材料からなることが好ましく、Ni−Zn系フェライト、特にNi−Zn−Cu系フェライトを主成分とする高透磁率磁性材料がより好ましい。前記磁性材料の粉末とバインダーとを混合し、造粒した後、粉末成型プレスを用いて角柱状の成形体を形成し、研削ディスクを用いてセンターレス研摩により凹部を形成してドラム形の成形体を得る。次に、得られたドラム形の成形体を800℃前後で脱バインダー処理した後、前記磁性材料の焼結温度に応じて所定の温度で焼成することにフェライトコア11が得られる。また、前記ドラム形の成形体は、前記角柱状の成形体の周側面にセンターレス研摩により凹部を形成して得る方法に限定するものではなく、例えば、前記と同様に造粒した後、粉末成型プレスを用いて乾式一体成型により得ることもできる。また、上記フェライトコア11は、予めドラム形の成形体を準備して焼成する方法に限定するものではなく、例えば、前記と同様に柱状の成形体を準備した後、前記と同様に脱バインダー処理し、所定の温度で焼成した後に、角柱状の焼結磁性体の周側面にダイヤモンドホイール等を用いて凹部を切削加工により形成してもよい。
上記フェライトコア11の巻芯部11aは、所定の巻回数を得るために必要なコイル導線12の長さをより短くできるように断面が略円形もしくは円形が好ましいが、これに限定するものではなく、特に乾式一体成型によりドラム形の成形体を得る方法で作成する場合にあっては、金型の耐久性やバリ取りの容易性などを考慮して適宜変更することができる。上記フェライトコア11の下鍔部11cの外形は、高密度実装に対応して小型化をはかるために、平面視形状が略四角形もしくは四角形が好ましいが、これに限定するものではなく、多角形や略円形等であってもよい。また、上記フェライトコア11の上鍔部11bの外形は、高密度実装に対応して小型化をはかるために、前記下鍔部11cに対応して類似の形状が好ましく、前記下鍔部11cと同じサイズもしくは該下鍔部11cよりやや小さめのサイズが好ましい。また、後述する磁性粉含有樹脂18の上記上鍔部11b、上記下鍔部11c間への充填を容易にするために前記上鍔部11bの四隅に面取り等を施すことが好ましい。
また、上記上鍔部11b及び上記下鍔部11cの厚さは、低背型の巻線型電子部品10を提供するために、それぞれ0.5mm以下が好ましい。一方、上記上鍔部11b及び上記下鍔部11cの厚さの下限値は、上記フェライトコア11における前記巻芯部11aからの前記上鍔部11b及び前記下鍔部11cそれぞれの張り出し寸法を考慮して所定の強度を満足するように設定することが好ましい。
上記溝15,15の好ましい実施形態は次の通りである。すなわち、上記溝15,15としては、上記フェライトコア11の下鍔部11cの底面11Bに少なくとも一対形成されることが好ましい。また、上記溝15,15は、上記巻芯部11aの中心軸の延長線を挟むように少なくとも一対形成されることが好ましい。上記溝15,15の深さは、溝15の底部15aに端子電極16A,16Bが形成された状態で、コイル導線12の端部13A,13Bの直径13Dの一部が前記溝15から前記底面11Bの平坦面の高さ位置を越えて突出するように形成されることが好ましい。また、上記溝15,15の長さ方向の両端は前記下鍔部11cの互いに対向する一対の外側面に達することが好ましい。また、上記溝15,15は、該溝15,15の幅方向の略中心に位置し前記下鍔部11cの底面11Bと略平行な底部15aと、該底部15aの幅方向の両脇に設けられ該底部15aに対し傾斜して設けられた側壁15c、15cとを備えることが好ましい。また、上記溝15,15は、前記底部15aと前記側壁15c、15cとの間に緩斜面15b、15bを有することが好ましい。該緩斜面15bを直角三角形の斜辺と仮定し、これを該直角三角形の底辺の長さと垂直の高さ(直高)とで規定すると、該緩斜面15bの底辺の長さが該緩斜面の直高より大きいことが好ましい。また、上記底面11Bへの溝15の形成方法は、上記フェライトコア11の製造工程において、前記角柱状の成形体を形成する際、押型の表面に予め一対の突条を設けておき、該成形体の成形と同時に形成する方法のほか、例えば、得られた角柱状の成形体の表面に切削加工を施して一対の溝を形成してもよい。
次に、上記溝15の側壁11cの好ましい実施形態は次の通りである。すなわち、上記溝15の側壁15cを直角三角形の斜辺と仮定し、これを該直角三角形の底辺の長さw1垂直の高さ(直高)h1とで規定すると、該側壁15cの直高h1は該側壁15cの底辺の長さw1より大きいことが好ましい。
また、上記側壁15c、15cの直高h1は、後述する端子電極16A,16Bの厚み寸法より大きいことが好ましい。
また、上記側壁15c、15cの底辺の長さw1は、後述するコイル導線12の端部13A,13Bの直径13Dより小さいことが好ましい。
上記端子電極16A,16Bの好ましい実施形態は次の通りである。すなわち、上記端子電極16A,16Bとしては、Cu粉末と、ガラスフリットと、を含む電極ペーストを上記フェライトコア11の下鍔部11cの底面11Bに塗布した後、該フェライトコア11を熱処理することにより形成されたものであることが好ましく、上記フェライトコア11とCu導電層16aとの界面に前記フェライトコア11の一部とガラスフリットとの反応層16dを有することが好ましい。また、上記反応層16dは、上記電極ペースト中に含まれるガラスフリットと、フェライトコア11の一部と、が
化学反応を起こし、互いに交じり合って存在する層であることが好ましく、該反応層16dは、主としてフェライトとガラスとで構成されることが好ましい。また、上記反応層16d中に、さらに、金属酸化物を含むことが好ましい。前記金属酸化物としては、例えば、CaO,BaO,MgO,CuO,CuOのうちの少なくとも1種であることが好ましい。
上記電極ペーストの好ましい実施形態は次の通りである。すなわち、上記電極ペーストとしては、Cu粉末と、ガラスフリットと、を含むことが好ましく、上記ガラスフリットがホウ素及び亜鉛を含むガラスフリットであることがより好ましい。前記ガラスフリットとしては、例えば、ホウ酸亜鉛系ガラスフリット、ホウ珪酸亜鉛系ガラスフリット、ホウビスマス亜鉛系ガラスフリットのうちの少なくとも一種であることが好ましい。また、上記電極ペーストに、あらかじめ、前記金属酸化物を添加してもよい。
上記外表面に電極ペーストを塗布した後のフェライトコア11の熱処理は、酸素濃度10ppm以下のNガス雰囲気中で850〜900℃の熱処理であることが好ましく、酸素濃度1ppm以下であることがより好ましい。
上記端子電極16A,16Bの厚み寸法16tは、上記溝15の側壁15cの直高h1より小さいことが好ましい。
上記端子電極16A,16Bの形成方法は、ローラー転写法やパッド転写法等の転写法、スクリーン印刷法や孔版印刷法等の印刷法のほか、スプレー法やインクジェット法等により形成してもよい。これらのうち、上記溝15内に収容されるとともに縁部16Eが上記側壁15cに規制され、安定した幅寸法の端子電極を形成するためには、転写法がより好ましい。
上記において、溝15内に収容されるとは、上記端子電極16A,16Bの幅方向の縁部16Eが上記溝の側壁15cの前記底面11B側の端部を越えていない状態を言う。
また、上記において、側壁15cにより規制されているとは、上記端子電極16A,16Bの幅方向の縁部16Eが長さ方向の両端近傍を除いて、少なくとも前記側壁15c上に到達しており、且つ、該幅方向の縁部16Eが前記側壁15cの前記底面11B側の端部を乗り越えていない状態を言う。
次に、上記コイル導線12の好ましい実施形態は次の通りである。すなわち、上記コイル導線12としては、上記フェライトコア11の巻芯部11aの周囲に巻回されるものであって、金属線13の外周にポリウレタン樹脂やポリエステル樹脂等からなる絶縁被覆14を有することが好ましい。また、上記コイル導線12の金属線13は、単線に限定するものではなく、撚り線であってもよい。また、該コイル導線12の金属線13は円形の断面形状に限定するものではなく、例えば長方形の断面形状の平角線や正方形の断面形状の四角線等を用いることもできる。
上記コイル導線12の端部13A,13Bの直径13Dは、前記溝15の側壁15cの底辺の長さw1より大きいことが好ましい。
上記において、半田を用いた導電接続とは、上記端子電極16A,16Bと上記コイル導線12の端部13A,13Bとが半田を介して導電接続されている箇所を有すればよく、半田のみで導電接続されているものに限らない。例えば、端子電極16A、16Bと上記コイル導線12の端部13A,13Bとが熱圧着により金属間結合で接合された箇所を有するとともに、該接合箇所を覆うように半田で被覆された構造であってもよい。
上記磁性粉含有樹脂18の好ましい実施形態は次の通りである。すなわち、上記磁性粉含有樹脂18としては、上記巻線型電子部品10の使用温度範囲において粘弾性を有するものが好ましい。より具体的には、硬化時の物性として温度に対する剛性率の変化においてガラス状態からゴム状態に移行する過程におけるガラス転移温度が−20℃以下の磁性粉含有樹脂が好ましく、硬化時の物性として温度に対する剛性率の変化においてガラス状態からゴム状態に移行する過程におけるガラス転移温度が−50℃以下の磁性粉含有樹脂がより好ましい。上記磁性粉含有樹脂18に用いる樹脂としては、シリコーン樹脂が好ましく、前記鍔部12,13間への磁性粉含有樹脂18を装入する工程のリードタイムを短縮できるのでエポキシ樹脂とカルボキシル基変性プロピレングリコールとの混合樹脂がより好ましい。
次に、上記磁性粉含有樹脂18に用いる磁性粉としては、種々の磁性粉を用いることができる。具体的には、Ni−Zn系フェライトの粉末、Ni−Zn−Cu系フェライトの粉末、Mn−Zn系フェライトの粉末、金属磁性粉末等のうちから選択された1種、もしくは複数種を混合して用いることが好ましい。また、上記磁性粉の粒径は、5〜20μmが好ましい。また、上記磁性粉含有樹脂18中の前記磁性粉の含有量は30〜85wt%が好ましい。
上記フェライトコア11の巻芯部11aの周囲に巻回された領域のコイル導線12の外周上に上記磁性粉含有樹脂18を被覆する方法としては、例えば、前記磁性粉含有樹脂18のペーストをディスペンサーで前記コイル導線12の外周上に吐出させ、硬化させることが好ましい。
(実施例)まず、Cuからなる直径85μmの断面丸形の金属線13の外周に、厚さ6μmのポリウレタン樹脂からなる絶縁被膜14が形成された市販のポリウレタン被覆コイル導線12を準備した。また、フェライトコア11は、磁性材料としてNiO=21.0mol%,ZnO=23.0mol%,CuO=7.0mol%,Fe=49.0mol%の組成を有するNi−Zn−Cu系フェライト材料の粉末を用い、粉末成型用の有機バインダーを混合して角柱状の成形体を作成し、研削ホイールを用いて前記成形体の周側面に凹部を形成し、800℃で脱バインダー処理した後、1050℃で焼成して、上鍔部11b及び下鍔部11cの外形がそれぞれ4.0mm角で、厚さがそれぞれ0.3mm、巻芯部11aの高さが0.4mm、巻芯部11aの直径が2.0mmの角形のフェライトコア11を準備した。得られたフェライトコア11は、下鍔部11cの底面11Bの前記巻芯部11aの中心軸の延長線を挟むように、一対の溝15が形成されている。該溝15の寸法は、最も深い底部15aの幅が0.2mm、該底部15aの両側に設けられた緩斜面15b,15bは、それぞれ底辺の長さが0.3mm、垂直の高さ(直高)が0.1mm、また、該溝15の幅方向の両側に設けられた側壁15c,15cは、それぞれ底辺の長さw1が0.02mm、垂直の高さ(直高)h1が0.05mmであり、前記溝15の長さ方向の両端は、前記下鍔部11cの互いに対向する一対の外側面にそれぞれ達している。次に、表1に示すように、電極ペーストとして、平均粒径3μmのCu粉末96wt%、ガラスフリットとしてホウビスマス亜鉛系ガラスフリット3wt%、金属酸化物1wt%、および適当量のビヒクルを混合したCu電極ペーストを準備した。
Figure 2009064896
次に、上記溝15に該溝の幅方向の両側の側壁15c、15cに接する幅で、ローラー転写法によりCu電極ペーストを塗布した後、得られたフェライトコア11を酸素濃度1ppmのNガス雰囲気中で700℃、750℃、800℃、850℃、900℃の各温度で熱処理し、一対の端子電極16A,16Bを形成した。このとき、前記端子電極16A,16Bの幅方向の縁部16Eは、それぞれ前記溝15の幅方向の両側の側壁15c、15cに達するとともに該側壁15cの前記底面11B側の端部を乗り越えない範囲に規制されていた。次に、フラックスを含有する半田ペーストを予め孔版印刷法により前記端子電極16A,16B上に塗布するとともに、前記フェライトコア11の巻芯部11aの周囲に前記コイル導線12を10ターン巻回し、該コイル導線12の両端部の前記絶縁被膜14を山栄化学株式会社製の皮膜剥離溶剤デペント(登録商標)KXを用いて剥離した。次に、上記コイル導線12の一方の端部13A及び他方の端部13Bをそれぞれ前記半田ペーストが塗布された端子電極16A,16B上に240℃に加熱されたハンダ鏝により押し付け、半田を用いて導電接続した。次に、エポキシ樹脂とカルボキシル基変性プロピレングリコールとを50:50の重量比で混合した樹脂にMn−Zn系フェライトの粉末を50重量%、硬化剤を5重量%、溶剤を10重量%混合して磁性粉含有樹脂のペーストを準備し、上記実施例の巻線型電子部品10における前記巻回された領域のコイル導線12の外周の上鍔部11bと下鍔部11cとの間にディスペンサーを用いて吐出させ、150℃で1時間加熱して硬化させ、巻線型電子部品10を得た。上記で得られた試料No.4の巻線型電子部品10について、前記フェライトコア11の巻芯部11aの中心軸に沿って縦方向に切断し、断面を研磨した後、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、図2(B)における破線Cで囲まれた領域を写真撮影した。次に、この写真を模写し、さらにEDX分析結果に基づき、組成毎に異なるハッチングを施して、結果を図4に示した。図4において、図の上方がフェライトコア11であり、下方がCu導電層16aである。そして、上記フェライトコア11とCu導電層16aとの界面には、上記電極ペースト中のガラスフリットと、上記フェライトコア11の一部とが化学反応を起こし、互いに交じり合って存在する反応層16dを有する。上記反応層16d内には、フェライト(1),フェライト(2)と、ガラスとが観察され、さらに、金属酸化物も観察された。上記フェライト(1)は、EDX分析の結果、Cuを含み、Znリッチのスピネル構造の(Ni,Zn)Feと判断された。また、上記フェライト2は、Cuを含み、Feリッチのスピネル構造の(Ni,Zn)Feと判断された。そして、上記反応層11d内の大部分の領域において、上記フェライトコア11と上記Cu導電層11aとが前記フェライト(1)、フェライト(2)の少なくとも一方を介して結合されていた。また、試料No.5の巻線型電子部品10においても、同様の反応層16dが確認された。次に、図5に示すように、ガラス−エポキシ樹脂基板21上に銅箔からなる実装ランド22が形成されたユメックス社製の剥離強度試験用の回路基板20上にクリーム半田を印刷した後、上記で得られた巻線型電子部品10を12個搭載し、245℃でリフロー半田付け処理し、実装した。得られた巻線型電子部品実装回路基板について、図5に破線で示すように、巻線型電子部品10をその側面から前記回路基板20と平行に矢印方向に剥離強度試験装置の治具で加圧して、前記巻線型電子部品10の剥離強度試験を行い、剥離モードを目視外観検査により確認して、得られた結果を表2に示した。
Figure 2009064896
上記表2において、剥離モードが例えば「コア・Cu導電層界面」とは、コアとCu導電層の界面において剥離したことを示す。また、試料No.3に示すように、剥離モードが「コア・Cu導電層界面、コア内部」とは、一部がコアとCu導電層の界面において剥離し、残部がコアの内部において破断したことを示す。
(比較例)表1の試料No.6に示すように、上記Cu電極ペーストに代えて、平均粒径30μmのAg粉末96wt%、ガラスフリットとしてB,Zn,Na系ガラスフリット4wt%、および適当量のビヒクルを混合したAg電極ペーストを準備した。次に、図7に記載の従来構造の巻線型電子部品用のフェライトコア111の上記溝115に該溝115の幅方向の両脇の緩斜面115b、115bに接する幅で、ローラー転写法によりAg電極ペーストを塗布した後、得られたフェライトコア111を大気中650℃で焼成し、Ag導電層116aを形成した。さらに、該フェライトコア111のAg導電層116a上に、Niメッキ層116b、Snメッキ層116cを順次形成し、端子電極116A,116Bを有するコア111を得た。上記Ag導電層116a上
にNiメッキ層116b、Snメッキ層116cが形成された端子電極116A,116Bを有するフェライトコア111を用いたこと以外は先の実施例と同様にして、試料No.6の比較例の巻線型電子部品110を準備した。また、上記比較例の巻線型電子部品110を上記実施例の巻線型電子部品10と同様に図示省略した回路基板上に実装し、得られた巻線型電子部品搭載回路基板上の上記巻線型電子部品110の剥離強度および剥離モードを上記と同様に測定した結果を、上記表2に示した。
表2に示されるように、Cu粉末とホウ酸亜鉛ビスマス系ガラスフリットと、CuOと、を含むCu電極ペーストをNi−Zn−Cu系フェライトからなるフェライトコアの外表面に塗布し、酸素濃度10ppm以下のNガス雰囲気中、850℃、900℃で熱処理することによりCu導電層からなる端子電極を形成した本実施形態の巻線型電子部品においては、Ag導電層上にNiメッキ層、Snメッキ層を順次形成した端子電極116A,116Bを有する比較例の巻線型電子部品110と同様に、20kgまでの引っ張り力に耐えることがわかった。また、14kgを越える引っ張り力が加わった場合の剥離モードは、Ag導電層116a上にNiメッキ層116b、Snメッキ層116cを順次形成した端子電極116A,116Bを有する試料No.6の比較例の巻線型電子部品110と同様に、フェライトコア11の下鍔部11cの内部破断によるものであった。以上のように、本発明の実施例の巻線型電子部品10においては、メッキ層を形成することなく、従来のAg導電層116a上にNiメッキ層116b、Snメッキ層116cを順次形成した端子電極116A,116Bを有する巻線型電子部品110と同等の高い剥離強度を備えることがわかった。
本発明によれば、携帯型の電子機器や薄型の電子機器等に用いられる巻線型電子部品に好適である。
本発明の巻線型電子部品の第1の実施形態の全体構造を示す外観斜視図である。 上記第1の実施形態の巻線型電子部品の内部構造を示す縦断面図である。 上記第1の実施形態の巻線型電子部品のフェライトコアとCu導体層との界面部分のSEM写真を模写した図である。 上記第1の実施形態の巻線型電子部品に用いるフェライトコアを示す外観斜視図である。 上記第1の実施形態の巻線型電子部品を回路基板上に実装した状態を示す縦断面図である。 背景技術の巻線型電子部品の一例を示す縦断面図である。 背景技術の巻線型電子部品に用いるフェライトコアを示す外観斜視図である。
符号の説明
10:巻線型電子部品11:フェライトコア11a:巻芯部11b:上鍔部11c:下鍔部11B:底面12:コイル導線13:金属線13A,13B:端部13D:端部の直径14:絶縁被覆15:溝15a:底部15b:緩斜面15c:側壁16A,16B:端子電極16a:Cu導電層16d:反応層16W:幅寸法16t:端子電極の厚み17:半田18:磁性粉含有樹脂20:回路基板21:基板22:実装ランドh1:垂直の高さ(直高)w1:底辺の長さ

Claims (5)

  1. 柱状の巻芯部及びその両端に形成された鍔部を有するフェライトコアと、該フェライトコアの巻芯部に巻回されたコイル導線と、前記鍔部の外表面に設けられたCu導電層からなる少なくとも一対の端子電極と、を備え、前記巻芯部に巻回されたコイル導線の両端部が前記端子電極に導電接続された巻線型電子部品において、前記端子電極は、Cu粉末とガラスフリットとを含む電極ペーストを前記フェライトコアの外表面に塗布した後、該フェライトコアを熱処理することにより形成されたものであり、上記フェライトコアとCu導電層との界面に前記フェライトコアの一部とガラスフリットとの反応層を有することを特徴とする巻線型電子部品。
  2. 上記反応層は、上記電極ペースト中に含まれるガラスフリットと、フェライトコアの一部と、が化学反応を起こし、互いに交じり合って存在する層であり、主として、フェライトとガラスとで構成されることを特徴とする請求項1記載の巻線型電子部品。
  3. 上記反応層は、上記フェライトコアと上記Cu導電層とを上記フェライトで結合する領域を有することを特徴とする請求項2記載の巻線型電子部品。
  4. 上記フェライトコアを構成するフェライトがNi−Zn系フェライトであり、上記ガラスフリットが、ホウ素及び亜鉛を含むガラスフリットであることを特徴とする請求項1記載の巻線型電子部品。
  5. 上記外表面に電極ペーストを塗布した後のフェライトコアの熱処理は、酸素濃度10ppm以下のNガス雰囲気中で850〜900℃の熱処理であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の巻線型電子部品。
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