JP2009064752A - 負極および電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】容量およびサイクル特性を向上させることができる電池を提供する。
【解決手段】正極21と負極22とをセパレータ23を介して積層し巻回した巻回電極体20を電池缶11の内部に備える。負極22には、負極活物質層が設けられており、この負極活物質層は、第1の黒鉛粒子と第2の黒鉛粒子とを含んでいる。第1の黒鉛粒子は、破壊強度が70MPa以上90MPa以下であり、かつ、中位径D50 が25μm以上35μm以下である。第2の黒鉛粒子は、破壊強度が20MPa以上50MPa以下であり、かつ、中位径D50 が6μm以上17μm以下である。第2の黒鉛粒子の質量に対する第1の黒鉛粒子の質量の比は2/3以上3/2以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、黒鉛粒子を含む負極、およびそれを備えた電池に関する。
近年、ビデオカメラ、携帯電話、ノート型パソコンなどのポータブル機器の普及に伴い、その電源として小型かつ軽量で高容量の二次電池に対する需要が高まりつつある。そのような需要に応えるものとして、負極活物質として炭素材料を用い、リチウムの吸蔵および放出反応を利用したリチウムイオン二次電池が挙げられる。
負極活物質として用いる炭素材料としては、結晶性の高い黒鉛(グラファイト)の粒子が主流である。その理由としては、黒鉛粒子は電子伝導性が高く大電流での放電性能に優れ、放電に伴う電位変化が少なく定電力放電等の用途に適しているうえ、真密度が大きく(よって、高い嵩密度を得やすく)高容量化に有利である、といった点が挙げられる。さらに、より高容量であるケイ素やスズなどを含む材料においては充放電に伴って激しい膨張および収縮を発現するが、炭素材料ではそのような体積変化が極めて小さいという利点もある。
近年のリチウム二次電池の高エネルギー密度化に対応すべく、黒鉛の高性能化が試みられている。但し、天然黒鉛粒子については黒鉛の理論容量(372mAh/g)に極めて近い可逆容量が得られている。このため、粒子形状を調整するなどして電池内部の限られた容積に高密度で充填することで電池としての容量向上を実現することが検討されている。なお、一般的に人造黒鉛粒子は、その黒鉛化度が不十分であることから天然黒鉛粒子よりも可逆容量が劣っている。そのため、人造黒鉛粒子については可逆容量を改善すべく、原料の純度向上、黒鉛化条件の適正化、黒鉛化を促進する触媒種の添加など、各種検討がなされている。
ところで、炭素材料を含む負極活物質層を備えた負極は、一般に、黒鉛粒子、結着剤および増粘剤などを水や有機溶媒に溶解させたペースト状のスラリーを銅箔などの集電体に塗布して乾燥させたのち、圧縮成型や裁断などを行うことによって作製される。圧縮成型は負極活物質層における所定の厚みおよび密度を得るために必要な操作である。電池のさらなる高エネルギー密度化のためには負極活物質層の体積密度を1.8g/cm3 以上とすることが望まれる。しかし、圧縮成型の際、負極活物質層を構成する負極活物質粒子の破砕や脱落が生ずるのを回避するためには、黒鉛の真密度が2.22〜2.24g/cm3 程度であることも考慮すると負極活物質層の体積密度を1.8g/cm3 未満とせざるを得なかった。
そこで、より高い圧縮破壊強度を有する(すなわち、硬度の高い)メソフェーズ黒鉛小球体を用いることで、プレス成形に伴う負極活物質粒子の破砕や脱落という問題を回避する方法が提案されている(例えば特許文献1参照。)。
特開平7−272725号公報
しかしながら、上記特許文献1のように硬度の高いメソフェーズ黒鉛小球体を用いた場合には、圧縮成型の際、負極活物質粒子の破砕や脱落を防ぐことができる一方で、負極活物質層が形成される基体としての負極集電体に与える負荷が増大してしまう。このため、特に負極活物質層の端部近傍において負極集電体の亀裂や破断などが発生するおそれがあるのでプレス圧を高めることができず、結果として負極活物質層の体積密度を向上させることができない状況であった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、より大きな容量を有すると共に優れたサイクル特性を有する負極および電池を提供することにある。
本発明の負極は、負極集電体に設けられた負極活物質層を有するものであって、この負極活物質層が、破壊強度が70MPa以上90MPa以下であり、かつ、レーザ回折式粒度分布計による中位径(D50)が25μm以上35μm以下である第1の黒鉛粒子と、破壊強度が20MPa以上50MPa以下であり、かつ、レーザ回折式粒度分布計による中位径(D50)が6μm以上17μm以下である第2の黒鉛粒子とを負極活物質として含み、第2の黒鉛粒子の質量に対する第1の黒鉛粒子の質量の比が2/3以上3/2以下であるようにしたものである。
本発明の電池は、正極および負極と共に電解質を備えた電池であって、負極が、負極集電体に設けられた負極活物質層を有するものである。ここで、負極活物質層は、破壊強度が70MPa以上90MPa以下であり、かつ、レーザ回折式粒度分布計による中位径(D50)が25μm以上35μm以下である第1の黒鉛粒子と、破壊強度が20MPa以上50MPa以下であり、かつ、レーザ回折式粒度分布計による中位径(D50)が6μm以上17μm以下である第2の黒鉛粒子とを負極活物質として含み、第2の黒鉛粒子の質量に対する第1の黒鉛粒子の質量の比が2/3以上3/2以下であるようにしたものである。
本発明の負極および電池では、負極活物質層における負極活物質が、相対的に大きな破壊強度および中位径を有する第1の黒鉛粒子と、相対的に小さな破壊強度および中位径を有する第2の黒鉛粒子とを所定の質量比で混合した混合物であるので、負極活物質層は、より小さなプレス圧であっても高密度に充填され、かつ、適度な空隙が確保されたものとなる。
本発明の負極によれば、負極活物質として、破壊強度が70MPa以上90MPa以下であり、かつ、レーザ回折式粒度分布計による中位径(D50)が25μm以上35μm以下である第1の黒鉛粒子と、破壊強度が20MPa以上50MPa以下であり、かつ、レーザ回折式粒度分布計による中位径(D50)が6μm以上17μm以下である第2の黒鉛粒子とを所定の質量比で含むようにしたので、比較的容易に負極活物質層の体積密度を向上させることができ、放電容量を向上させることができる。また、負極活物質層が適度な空隙を確保できるので、この負極が電解質と共に電池などの電気化学デバイスに用いられた場合には、その電解質が十分に負極活物質層に浸透し、優れたサイクル特性を発揮することとなる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1の電池)
図1は本発明の実施の形態に係る二次電池の断面構造を表すものである。この電池は、例えば、負極の容量が電極反応物質であるリチウムの吸蔵および放出に基づく容量成分により表されるものであり、いわゆるリチウムイオン二次電池である。
この二次電池は、いわゆる円筒型といわれるものであり、ほぼ中空円柱状の電池缶11の内部に、帯状の正極21と負極22とがセパレータ23を介して巻回された巻回電極体20を有している。電池缶11は、例えばニッケル(Ni)のめっきがされた鉄(Fe)により構成されており、一端部が閉鎖され他端部が開放されている。電池缶11の内部には、巻回電極体20を挟むように巻回周面に対して垂直に一対の絶縁板12,13がそれぞれ配置されている。
電池缶11の開放端部には、電池蓋14と、この電池蓋14の内側に設けられた安全弁機構15および熱感抵抗素子(Positive Temperature Coefficient;PTC素子)16とが、ガスケット17を介してかしめられることにより取り付けられており、電池缶11の内部は密閉されている。電池蓋14は、例えば、電池缶11と同様の材料により構成されている。安全弁機構15は、熱感抵抗素子16を介して電池蓋14と電気的に接続されており、内部短絡あるいは外部からの加熱などにより電池の内圧が一定以上となった場合にディスク板15Aが反転して電池蓋14と巻回電極体20との電気的接続を切断するようになっている。熱感抵抗素子16は、温度が上昇すると抵抗値の増大により電流を制限し、大電流による異常な発熱を防止するものである。ガスケット17は、例えば、絶縁材料により構成されており、表面にはアスファルトが塗布されている。
巻回電極体20の中心には例えばセンターピン24が挿入されている。巻回電極体20の正極21にはアルミニウム(Al)などよりなる正極リード25が接続されており、負極22にはニッケルなどよりなる負極リード26が接続されている。正極リード25は安全弁機構15に溶接されることにより電池蓋14と電気的に接続されており、負極リード26は電池缶11に溶接され電気的に接続されている。
図2は図1に示した巻回電極体20の一部を拡大して表すものである。正極21は、例えば、正極集電体21Aの両面に正極活物質層21Bが設けられた構造を有している。なお、図示はしないが、正極集電体21Aの片面のみに正極活物質層21Bを設けるようにしてもよい。正極集電体21Aは、例えば、アルミニウム,ニッケルあるいはステンレスなどの金属材料により構成されており、その形状としては、例えば、箔状,網状あるいはラス状が挙げられる。
正極活物質層21Bは、例えば、正極活物質として、電極反応物質であるリチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料の1種または2種以上を含んで構成されている。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、例えば、リチウム酸化物、リチウム硫化物、リチウムを含む層間化合物あるいはリン酸化合物などのリチウム含有化合物が適当であり、これらの2種以上を混合して用いてもよい。中でも、リチウムと遷移金属元素とを含む複合酸化物、またはリチウムと遷移金属元素とを含むリン酸化合物が好ましく、特に遷移金属元素として、コバルト(Co),ニッケル,マンガン(Mn),鉄,アルミニウム,バナジウム(V),およびチタン(Ti)のうちの少なくとも1種を含むものが好ましい。その化学式は、例えば、Lix MIO2 あるいはLiy MIIPO4 で表される。式中、MIおよびMIIは1種類以上の遷移金属元素を含む。xおよびyの値は電池の充放電状態によって異なり、通常、0.05≦x≦1.10、0.05≦y≦1.10である。
リチウムと遷移金属元素とを含む複合酸化物の具体例としては、リチウムコバルト複合酸化物(Lix CoO2 )、リチウムニッケル複合酸化物(Lix NiO2 )、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(Lix Ni1-z Coz 2 (z<1))、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(Lix Ni(1-v-w) Cov Mnw 2 (v+w<1))、あるいはスピネル型構造を有するリチウムマンガン複合酸化物(LiMn2 4 )などが挙げられる。リチウムと遷移金属元素とを含むリン酸化合物の具体例としては、例えばリチウム鉄リン酸化合物(LiFePO4 )あるいはリチウム鉄マンガンリン酸化合物(LiFe1-u Mnu PO4 (u<1))が挙げられる。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、また、他の金属化合物あるいは高分子材料も挙げられる。他の金属化合物としては、例えば、酸化チタン、酸化バナジウムあるいは二酸化マンガンなどの酸化物、または硫化チタンあるいは硫化モリブデンなどの二硫化物が挙げられる。高分子材料としては、例えば、ポリアニリンあるいはポリチオフェンが挙げられる。
正極活物質層21Bは、必要に応じて導電材あるいは結着材を含んでいてもよい。導電材としては、例えば、黒鉛,カーボンブラックあるいはケッチェンブラックなどの炭素材料が挙げられ、1種または2種以上が混合して用いられる。また、炭素材料の他にも、導電性を有する材料であれば金属材料あるいは導電性高分子材料などを用いるようにしてもよい。結着材としては、例えば、スチレンブタジエン系ゴム,フッ素系ゴムあるいはエチレンプロピレンジエンゴムなどの合成ゴム、またはポリフッ化ビニリデンなどの高分子材料が挙げられ、1種または2種以上が混合して用いられる。
負極22は、例えば、負極集電体22Aの両面に負極活物質層22Bが設けられた構成を有している。なお、図示はしないが、負極集電体22Aの片面のみに負極活物質層22Bを設けるようにしてもよい。負極集電体22Aは、良好な電気化学的安定性、電気伝導性および機械的強度を有する金属材料により構成されていることが望ましい。この金属材料としては、例えば、銅,ニッケルあるいはステンレス鋼などが挙げられ、特に電気伝導性に優れる銅がより好ましい。また、負極集電体22Aの形状としては、例えば、箔状,網状あるいはラス状が挙げられる。
負極活物質層22Bは、例えば、負極活物質として、電極反応物質であるリチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料を含んで構成されており、必要に応じて、例えば正極活物質層21Bと同様の導電材および結着材を含んでいてもよい。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料は、破壊強度が70MPa以上90MPa以下であり、かつ、中位径D50 が25μm以上35μm以下である第1の黒鉛粒子と、破壊強度が20MPa以上50MPa以下であり、かつ、中位径D50 が6μm以上17μm以下である第2の黒鉛粒子とを含んでいる。ここで、第2の黒鉛粒子の質量に対する第1の黒鉛粒子の質量の比が2/3以上3/2以下となっている(すなわち、第1の黒鉛粒子と第2の黒鉛粒子との混合比が質量比で40:60〜60:40の範囲となっている)。このような2種類の黒鉛粒子を所定の割合で含むことで、負極活物質層22Bをより小さなプレス圧でプレスし、その体積密度を高めることができ、高容量化が可能となる。そのうえ、負極活物質層22Bにおいて適度な空隙が確保され、リチウムの拡散経路が形成されるので、負極活物質層22Bの体積密度を高くしても充放電特性を向上させることができる。
なお、黒鉛粒子の破壊強度St(Sx)は、所定の試験機を用いて黒鉛粒子に負荷(荷重)を与え、試験力と圧縮変位の関係を測定することにより求められる。具体的には、まず、測定試料である黒鉛粒子について、その中位径(平均粒径)D50 を例えばレーザ回折式粒度分布測定装置により測定したのち、光学顕微鏡により観察しながら最も長い部分の長さが中位径D50 ±10%に収まる黒鉛粒子を選別して抽出する。次に、例えば島津製作所製の微小圧縮試験機MCT−W500を用いて抽出した黒鉛粒子に荷重をかけ、破壊が生じる試験力Pを測定する。このようにして測定された中位径(平均粒径)D50 および試験力Pの数値を用いて、以下の数1から破壊強度St(Sx)を求めることができる。
(数1)
St(Sx)=2.8P/(π×D50 ×D50
St(Sx)は破壊強度(単位:MPa)を表し、Pは試験の際の力(単位:N)を表し、D50 は黒鉛粒子の中位径(単位:mm)を表す。
第1の黒鉛粒子としては、例えば、黒鉛組織(黒鉛結晶)がランダムに配向した等方性の人造黒鉛粒子が挙げられる。具体的には、メソフェーズ小球体の球晶黒鉛化物が好ましく、X線回折法により算出されるC軸方向の格子面間隔d002 が0.3359nm以上0.3365nm未満であり、タップ密度が1g/cm3 以上であり、比表面積(BET法による)が0.5m2 /g以下であるとよい。第1の黒鉛粒子がこのような構成であれば、高い体積密度および良好な充放電特性をより実現し易くなるからである。なお、格子面間隔d002 は、例えば、X線としてCuKα線を用い、高純度シリコンを標準物質としたX線回折法(「大谷杉郎、炭素繊維、p.733−742(1986)、近代編集」)により測定することができる。
第2の黒鉛粒子としては、例えばX線回折法により算出されるC軸方向の格子面間隔d002 が0.3359nm以下の人造黒鉛粒子または天然黒鉛粒子を用いることができる。また、タップ密度が1g/cm3 以上であるとよい。第2の黒鉛粒子がこのような構成であれば、高い体積密度および良好な充放電特性をより実現し易くなるからである。
負極活物質層22Bの体積密度は、1.80g/cm3 以上2.10g/cm3 以下であるとよい。負極活物質層22Bの厚さとこれを構成する材料の組成比が一定の場合、負極活物質層22Bの体積密度を高くすることにより、負極活物質の充填量を多くすることができ、容量を高くすることができるからである。また、負極活物質層22Bの体積密度を高くすると空隙が減少して電解液の浸透性が低下してしまうが、上述した第1の黒鉛粒子と第2の黒鉛粒子とが含まれているので、リチウムの拡散経路を確保することができ、充放電特性の低下を抑制することができる。加えて、空隙が適度に減少することにより、上述した第1および第2の黒鉛粒子の接触性が向上し、電子伝導性を向上させ、負荷特性を向上させることもできる。但し、負極活物質層22Bの体積密度が高すぎても、負極22における電解質の浸透性が低下しすぎてしまい、電池特性が低下してしまうので、負極活物質層22Bの体積密度は、2.1g/cm3 以下とすることが好ましい。
セパレータ23は、正極21と負極22とを隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。セパレータ23は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレンあるいはポリエチレンなどよりなる合成樹脂製の多孔質膜、またはセラミック製の不織布などの無機材料よりなる多孔質膜により構成されており、これらの2種以上の多孔質膜を積層した構造とされていてもよい。中でも、ポリオレフィン製の多孔質膜は短絡防止効果に優れ、かつシャットダウン効果による電池の安全性向上を図ることができるので好ましい。特に、ポリエチレンは、100℃以上160℃以下の範囲内においてシャットダウン効果を得ることができ、かつ電気化学的安定性にも優れているので、セパレータ23を構成する材料として好ましい。また、ポリプロピレンも好ましく、他にも、化学的安定性を備えた樹脂であればそれらをポリエチレンあるいはポリプロピレンと共重合させたり、またはブレンド化したりすることで用いることができる。
セパレータ23には、電解液が含浸されている。電解液は、例えば、溶媒と、この溶媒に溶解された電解質塩とを含んでいる。
溶媒としては、例えば、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、炭酸ビニレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、アセトニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリル、N,N−ジメチルフォルムアミド、N−メチルピロリジノン、N−メチルオキサゾリジノン、ニトロメタン、ニトロエタン、スルホラン、ジメチルスルフォキシド、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、エチレンスルフィト、あるいはビストリフルオロメチルスルホニルイミドトリメチルヘキシルアンモニウムなどの常温溶融塩が挙げられる。中でも、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ビニレン、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチルあるいはエチレンスルフィトは、優れた充放電容量特性および充放電サイクル特性を得ることができるので好ましい。溶媒には、いずれか1種を単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。
電解質塩としては、例えば、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6 )、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドリチウム(Li(C2 5 SO2 2 N)、過塩素酸リチウム(LiClO4 )、六フッ化ヒ酸リチウム(LiAsF6 )、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4 )、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiSO3 CF3 )、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(Li(CF3 SO2 2 N)、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチルリチウム(LiC(SO2 CF3 3 )、塩化リチウム(LiCl)あるいは臭化リチウム(LiBr)が挙げられる。電解質塩には、1種を単独で用いてもよく、複数種を混合して用いてもよい。
この二次電池は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、正極活物質と、導電材と、結着材とを混合して正極合剤を調製し、この正極合剤をN−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させてペースト状の正極合剤スラリーとする。続いて、この正極合剤スラリーを正極集電体21Aに塗布し溶剤を乾燥させたのち、ロールプレス機などにより圧縮成型して正極活物質層21Bを形成し、正極21を作製する。また、正極活物質層21Bは、正極合剤を正極集電体21Aに張り付けることにより形成してもよい。
また、上述した黒鉛粒子と、結着材とを混合して負極合剤を調製し、この負極合剤をN−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させてペースト状の負極合剤スラリーとする。続いて、この負極合剤スラリーを負極集電体22Aに塗布し溶剤を乾燥させたのち、ロールプレス機などにより圧縮成型して負極活物質層22Bを形成し、負極22を作製する。
次いで、正極集電体21Aに正極リード25を溶接などにより取り付けると共に、負極集電体22Aに負極リード26を溶接などにより取り付ける。そののち、正極21と負極22とをセパレータ23を介して巻回し、正極リード25の先端部を安全弁機構15に溶接すると共に、負極リード26の先端部を電池缶11に溶接して、巻回した正極21および負極22を一対の絶縁板12,13で挟み電池缶11の内部に収納する。正極21および負極22を電池缶11の内部に収納したのち、電解液を電池缶11の内部に注入し、セパレータ23に含浸させる。そののち、電池缶11の開口端部に電池蓋14,安全弁機構15および熱感抵抗素子16をガスケット17を介してかしめることにより固定する。これにより、図1に示した二次電池が完成する。
この二次電池では、充電を行うと、例えば、正極活物質層21Bからリチウムイオンが放出され、電解液を介して負極活物質層22Bに吸蔵される。また、放電を行うと、例えば、負極活物質層22Bからリチウムイオンが放出され、電解液を介して正極活物質層21Bに吸蔵される。
本実施の形態では、負極活物質層22Bにおける負極活物質が、破壊強度が70MPa以上90MPa以下であり、かつ、中位径D50 が25μm以上35μm以下である第1の黒鉛粒子と、破壊強度が20MPa以上50MPa以下であり、かつ、レーザ回折式粒度分布計による中位径D50 が6μm以上17μm以下である第2の黒鉛粒子とを所定の割合で含むようにしたので、圧縮成型により体積密度を高め、電池に収容される活物質の総量を増加させることで、容量の向上を図ることができる。その際、より低いプレス圧であっても負極活物質層22Bの体積密度を高めることができるので、負極22の作製段階において、負極集電体22Aに過度な応力を付与することがなく、亀裂や破断を発生させるおそれがない。また、圧縮成型によって体積密度を高めた場合においても負極活物質層22Bには適度な空隙が形成されるので、その内部においてリチウムの拡散経路を十分に確保することができ、優れた充放電特性を得ることができる。また、充放電特性は、第1および第2の黒鉛粒子の接触性向上により電子伝導性が向上することによっても改善される。
(第2の電池)
図3は、第2の電池の分解斜視構成を表している。この電池は、正極リード31および負極リード32が取り付けられた巻回電極体30をフィルム状の外装部材40の内部に収容したものである。このフィルム状の外装部材40を用いた電池構造は、いわゆるラミネートフィルム型と呼ばれている。
正極リード31および負極リード32は、例えば、それぞれ外装部材40の内部から外部に向かって同一方向に導出されている。正極リード31は、例えば、アルミニウムなどの金属材料により構成されている。また、負極リード32は、例えば、銅、ニッケルあるいはステンレスなどの金属材料により構成されている。正極リード31および負極リード32を構成するそれぞれの金属材料は、薄板状または網目状とされている。
外装部材40は、例えば、ナイロンフィルム、アルミニウム箔およびポリエチレンフィルムがこの順に貼り合わされた矩形状のアルミラミネートフィルムにより構成されている。この外装部材40では、例えば、ポリエチレンフィルムが巻回電極体30と対向していると共に、各外縁部が融着あるいは接着剤により互いに密着されている。外装部材40と正極リード31および負極リード32との間には、外気の侵入を防止するための密着フィルム41が挿入されている。この密着フィルム41は、正極リード31および負極リード32に対して密着性を有する材料、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリエチレンあるいは変性ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂により構成されている。
なお、外装部材40は、上記した3層構造のアルミラミネートフィルムに代えて、他の構造を有するラミネートフィルムにより構成されていてもよいし、またはポリプロピレンなどの高分子フィルムあるいは金属フィルムにより構成されていてもよい。
図4は、図3に示した巻回電極体30のIV−IV線に沿った断面構成を表している。この電極巻回体30は、正極33および負極34がセパレータ35および電解質36を介して積層されたのちに巻回されたものであり、その最外周部は保護テープ37により保護されている。なお、図4では、電極巻回体30を簡素化して示しているが、実際には、電極巻回体30は扁平型(楕円型)の断面を有している。
図5は、図4に示した巻回電極体30の一部を拡大して表している。正極33は、正極集電体33Aの両面に正極活物質層33Bが設けられたものである。負極34は、例えば、図1に示した負極と同様の構成を有しており、負極集電体34Aの両面に負極活物質層34Bが設けられたものである。正極集電体33A、正極活物質層33B、負極集電体34A、負極活物質層34Bおよびセパレータ35の構成は、それぞれ上記した第1の電池における正極集電体21A、正極活物質層21B、負極集電体22A、負極活物質層22Bおよびセパレータ23の構成と同様である。
電解質36は、電解液と、それを保持する高分子化合物とを含んでおり、いわゆるゲル状になっている。ゲル状の電解質は、高いイオン伝導率(例えば、室温で1mS/cm以上)を得ることができると共に電池の漏液を防止することができるので好ましい。
高分子化合物としては、例えば、ポリエチレンオキサイドあるいはポリエチレンオキサイドを含む架橋体などのエーテル系高分子化合物や、ポリメタクリレートなどのエステル系高分子化合物あるいはアクリレート系高分子化合物や、ポリフッ化ビニリデンあるいはフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体などのフッ化ビニリデンの重合体などが挙げられる。これらは、単独で用いられてもよいし、複数種が混合されて用いられてもよい。特に、酸化還元安定性の点から、フッ化ビニリデンの重合体などのフッ素系高分子化合物などを用いるのが好ましい。電解液中における高分子化合物の添加量は、両者の相溶性によっても異なるが、一例としては5質量%以上50質量%以下の範囲であるのが好ましい。
電解液の構成は、上記した第1の電池における電解液の構成と同様である。ただし、この場合の溶媒とは、液状の溶媒だけでなく、電解質塩を解離させることが可能なイオン伝導性を有するものまで含む広い概念である。したがって、イオン伝導性を有する高分子化合物を用いる場合には、その高分子化合物も溶媒に含まれる。
なお、電解液を高分子化合物に保持させた電解質36に代えて、電解液をそのまま用いてもよい。この場合には、電解液がセパレータ35に含浸される。
この二次電池は、例えば、以下の3種類の製造方法によって製造することができる。
第1の製造方法では、まず、第1の電池の製造方法と同様の手順によって正極集電体33Aの両面に正極活物質層33Bを形成することにより、正極33を作製する。また、第1の電池の製造方法と同様の手順によって負極集電体34Aの両面に負極活物質層34Bを形成することにより、負極34を作製する。
続いて、電解液と、高分子化合物と、溶剤とを含む前駆溶液を調製し、正極33および負極34に塗布したのちに溶剤を揮発させることにより、ゲル状の電解質36を形成する。続いて、正極集電体33Aおよび負極集電体34Aにそれぞれ正極リード31および負極リード32を取り付ける。続いて、電解質36が設けられた正極33および負極34をセパレータ35を介して積層させたのちに長手方向に巻回し、その最外周部に保護テープ37を接着させることにより、巻回電極体30を形成する。続いて、例えば、2枚のフィルム状の外装部材40の間に巻回電極体30を挟み込んだのち、その外装部材40の外縁部同士を熱融着などで接着させることにより巻回電極体30を封入する。その際、正極リード31および負極リード32と外装部材40との間に、密着フィルム41を挿入する。これにより、図3〜図5に示した二次電池が完成する。
第2の製造方法では、まず、正極33および負極34にそれぞれ正極リード31および負極リード32を取り付けたのち、正極33および負極34をセパレータ35を介して積層して巻回させると共に最外周部に保護テープ37を接着させることにより、巻回電極体30の前駆体である巻回体を形成する。続いて、2枚のフィルム状の外装部材40の間に巻回体を挟み込んだのち、一辺の外周縁部を除いた残りの外周縁部を熱融着などで接着させることにより袋状の外装部材40の内部に収納する。続いて、電解液と、高分子化合物の原料であるモノマーと、重合開始剤と、必要に応じて重合禁止剤などの他の材料とを含む電解質用組成物を調製し、袋状の外装部材40の内部に注入したのち、外装部材40の開口部を熱融着などで密封する。最後に、モノマーを熱重合させて高分子化合物とすることにより、ゲル状の電解質36を形成する。これにより、二次電池が完成する。
第3の製造方法では、高分子化合物が両面に塗布されたセパレータ35を用いることを除き、上記した第1の製造方法と同様に、巻回体を形成して袋状の外装部材40の内部に収納する。このセパレータ35に塗布する高分子化合物としては、例えば、フッ化ビニリデンを成分とする重合体、すなわち単独重合体、共重合体あるいは多元共重合体などが挙げられる。具体的には、ポリフッ化ビニリデンや、フッ化ビニリデンおよびヘキサフルオロプロピレンを成分とする二元系共重合体や、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレンおよびクロロトリフルオロエチレンを成分とする三元系共重合体などである。なお、高分子化合物は、上記したフッ化ビニリデンを成分とする重合体と共に、他の1種あるいは2種以上の高分子化合物を含んでいてもよい。続いて、電解液を調製して外装部材40の内部に注入したのち、その外装部材40の開口部を熱融着などで密封する。最後に、外装部材40に加重をかけながら加熱し、高分子化合物を介してセパレータ35を正極33および負極34に密着させる。これにより、電解液が高分子化合物に含浸し、その高分子化合物がゲル化して電解質36が形成されるため、二次電池が完成する。この第3の製造方法では、第1の製造方法と比較して、膨れ特性が改善される。また、第3の製造方法では、第2の製造方法と比較して、高分子化合物の原料であるモノマーや溶媒などが電解質36中にほとんど残らず、しかも高分子化合物の形成工程が良好に制御されるため、正極33、負極34およびセパレータ35と電解質36との間において十分な密着性が得られる。
この二次電池では、上記した第1の電池の同様に、正極33と負極34との間でリチウムイオンが吸蔵および放出される。すなわち、充電を行うと、例えば、正極33からリチウムイオンが放出され、電解質36を介して負極34に吸蔵される。一方、放電を行うと、負極34からリチウムイオンが放出され、電解質36を介して正極33に吸蔵される。
この二次電池およびその製造方法による作用および効果は、上記した第1の電池と同様である。
(第3の電池)
図6は、第3の電池の分解斜視構成を表している。この電池は、正極51を外装缶54に貼り付けると共に負極52を外装カップ55に収容し、それらを電解液が含浸されたセパレータ53を介して積層したのちにガスケット56を介してかしめたものである。この外装缶54および外装カップ55を用いた電池構造は、いわゆるコイン型と呼ばれている。
正極51は、正極集電体51Aの一面に正極活物質層51Bが設けられたものである。負極52は、正極集電体52Aの一面に負極活物質層52Bおよび被膜52Cが設けられたものである。正極集電体51A、正極活物質層51B、負極集電体52A、負極活物質層52Bおよびセパレータ53の構成は、それぞれ上記した第1の電池における正極集電体21A、正極活物質層21B、負極集電体22A、負極活物質層22Bおよびセパレータ23の構成と同様である。
この二次電池では、上記した第1の電池の同様に、正極51と負極52との間でリチウムイオンが吸蔵および放出される。すなわち、充電を行うと、例えば、正極51からリチウムイオンが放出され、電解液を介して負極52に吸蔵される。一方、放電を行うと、負極52からリチウムイオンが放出され、電解液を介して正極51に吸蔵される。
このコイン型の二次電池およびその製造方法による作用および効果は、上記した第1の電池と同様である。
本発明の具体的な実施例について詳細に説明する。
(実施例1−1)
はじめに、第1の黒鉛粒子として、レーザ回折式粒度分布計による中位径(D50 )が30μmであり、破壊強度が80.7MPaであり、X線回折法により算出されるC軸方向の格子面間隔d002 が0.3361nmであるメソフェーズ小球体の球晶黒鉛化物を用意した。また、第2の黒鉛粒子として、レーザ回折式粒度分布計による中位径(D50)が6μmであり、破壊強度が33.6MPaであり、X線回折法により算出されるC軸方向の格子面間隔d002 が0.3358nmのメソフェーズ小球体の球晶黒鉛化物の粉砕品を用意した。なお、破壊強度は、島津製作所製の微小圧縮試験機MCT−W500により測定した値である。
次に、活物質として上記の第1および第2の黒鉛粒子を含む電極を作製した。具体的には、まず、第1および第2の黒鉛粒子が質量比で1:1の割合で混合された活物質としての粉末100質量部と、結着材としてのポリフッ化ビニリデン4質量部とを混合し、溶剤としてのN−メチル−2−ピロリドンに分散させて合剤スラリーとした。次いで、この合剤スラリーを厚み15μmの銅箔よりなる集電体に均一に塗布して乾燥させ、体積密度が1.80g/cm3 となるように圧縮成型して活物質層を形成することで電極を得た。
次に、この電極を使用して、図7に示した構造を有するコイン型のテストセル(直径20mm、厚さ1.6mm)を作製した。このテストセルは、上記の電極を直径16mmのペレットとなるように打ち抜いたものを試験極61として用い、これを外装缶62に収容すると共に、対極63を外装カップ64に貼り付け、それらを電解液が含浸されたセパレータ65を挟むように積層したのちガスケット66を介してかしめたものである。すなわち試験極61は、銅箔よりなる集電体61Aに、第1および第2の黒鉛粒子を含む活物質層61Bが設けられたものであり、活物質層61Bがセパレータ65を挟んで対極63と対向するように配置されている。ここでは対極63としてリチウム金属を用い、セパレータ65としてポリエチレン製の多孔質膜を用い、電解液として、炭酸エチレン(EC)と炭酸ジエチル(DEC)とを1:1の体積比で混合した混合溶媒と、電解質塩としてのLiPF6 とを含むものを用いた。電解液中における六フッ化リン酸リチウムの濃度は1mol/dm3 とした。
一方、図1に示した負極22および正極21を備えた円筒型の二次電池を作製した。負極22は、上記の電極に使用したものと同様にして得た合剤スラリーを厚み15μmの銅箔よりなる集電体の両面に均一に塗布して乾燥させ、体積密度が1.80g/cm3 となるように圧縮成型して活物質層を形成すると共に、その集電体の一端に負極リード26を取り付けたものである。この際、負極22の容量がリチウムの吸蔵および放出に基づく容量成分により表されるリチウムイオン二次電池となるようにした。
正極21は以下のようにして作製した。具体的には、レーザ回折式粒度分布計による中位径(D50)が15μmであるリチウム・コバルト複合酸化物(LiCoO2 )を活物質として用意し、これと炭酸リチウム(Li2 CO3 )とを95:5の質量比で混合し、混合物を得た。続いて、この混合物94質量部と、導電材としてケッチェンブラック3質量部と、結着材としてポリフッ化ビニリデン3質量部とを混合して正極合剤としたのち、N−メチル−2−ピロリドンに分散させることにより、ペースト状の正極合剤スラリーとした。続いて、アルミニウム箔(20μm厚)からなる正極集電体21Aの両面に正極合剤スラリーを塗布して乾燥させたのち、ロールプレス機で圧縮成型することにより、正極活物質層21Bを形成した。最後に、正極集電体21Aの一端にアルミニウム製の正極リード25を取り付けた。
続いて、正極21と負極22とを厚み25μmの微多孔性ポリプロピレン延伸フィルムからなるセパレータ23を介して、負極22、セパレータ23、正極21、セパレータ23の順に積層し、多数回巻回することにより巻回電極体20を作製した。次いで、巻回電極体20を一対の絶縁板12,13で挟み、負極リード26をニッケルめっきした鉄製の電池缶11に溶接すると共に、正極リード25を安全弁機構15に溶接して、巻回電極体20を電池缶11の内部に収容した。さらに、電池缶11の内部に電解液を注入し、ガスケット17を介して電池蓋14を被せてかしめることにより、図1に示した円筒型の二次電池が完成した。
電解液は、ECとDECとを混合した混合溶媒と、電解質塩としてのLiPF6 とを有するものとした。この際、混合溶媒の組成を体積比でEC:DEC=1:1とし、電解液中におけるLiPF6 の濃度を1mol/dm3 とした。
(実施例1−2〜1−9)
第1および第2の黒鉛粒子の中位径D50 を、後出の表1に示したようにそれぞれ変化させたことを除き、他は実施例1−1と同様にして電極、テストセル(図7)および二次電池(図1)を作製した。
実施例1−1〜1−9に対する比較例1−1〜1−4として、第1および第2の黒鉛粒子の中位径D50を、後出の表1に示したようにそれぞれ変化させたことを除き、他は実施例1−1と同様にして電極、テストセルおよび二次電池を作製した。
上記のように作製した実施例1−1〜1−9および比較例1−1〜1−4の各電極について、タップ密度、剥離強度および浸透時間をそれぞれ調べた。タップ密度(g/cm3 )は、各負極に用いた負極活物質について、JIS R1628に定められた方法に従って測定した。その際、振動回数を300回とした。剥離強度(mN/mm)は、JIS Z0237に定められた方法に従って測定した。浸透時間(秒)については、各電極における活物質層の表面に、常温下で1×10-3 cm3 の電解液を滴下し、その液滴が活物質層の内部に浸透することで表面から消失するまでの時間(秒)を測定した。
また、各実施例および比較例のテストセルについて、放電容量(mAh/g)を調べた。具体的には以下の要領で求めた。まず、このテストセルについて、0.1Cの定電流で平衡電位がリチウムに対し5mVに達するまで定電流充電したのち、さらに、定電流充電を開始してからの総時間が20時間に達するまで5mVの定電圧で定電圧充電を行った。そののち、平衡電位がリチウムに対し1.5Vに達するまで0.1Cの定電流で放電させ、その時の放電容量を測定した。なお、0.1Cとは、理論容量を10時間で放出しきる電流値である。このようにして算出された放電容量は、平衡電位を基準としているので、試験極61の活物質層を構成する材料固有の特性を反映したものとなっている。
さらに、各実施例および比較例の二次電池について充放電を行い、容量維持率を調べた。具体的には、充電を、0.5Cの定電流で電池電圧が4.2Vに達するまで行なったのち、4.2Vの定電圧で充電の総時間が10時間になるまで行い、その後、放電を、0.5Cの定電流で電池電圧が3.0Vに達するまで行った。これを1サイクルとして合計100サイクルまで繰り返して充放電を行った。ここで、容量維持率として、1サイクル目の放電容量に対する100サイクル目の放電容量の比、すなわち、容量維持率(%)=(100サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100を求めた。
これらタップ密度、剥離強度、浸透時間、放電容量および容量維持率の結果をまとめて表1に示す。
Figure 2009064752
表1に示したように、実施例1−1〜1−9では、比較例1−1〜1−4とほぼ同等の放電容量を維持しつつ、容量維持率の向上を図ることができた。これに対し、比較例1−1では剥離強度が低いため、二次電池について充放電を繰り返し行った際に負極活物質層52Bが負極集電体52Aから脱落してしまい、容量維持率を測定することができなかった(100サイクルまで充放電を繰り返すことができなかった。)。また、比較例1−2では、負極活物質のタップ密度が低く、所定の体積密度(1.80g/cm3 )となるように(負極)活物質層をより大きなプレス圧をもって成形する必要があるため、負極集電体52Aへのダメージが大きく、その一部が破断してしまい、二次電池における容量維持率を測定することができなかった。比較例1−3においても負極活物質のタップ密度が低く、二次電池において100サイクルまで充放電を繰り返し行うことができたものの十分な容量維持率が得られなかったうえ、放電容量も低かった。さらに、比較例1−4では、(負極)活物質における電解液の浸透性が悪く、二次電池において十分な容量維持率が得られなかった。
(実施例2−1〜2−12)
負極活物質である第1および第2の黒鉛粒子の破壊強度、および第2の黒鉛粒子の質量に対する第1の黒鉛粒子の質量の比、すなわち、第1の黒鉛粒子の質量/第2の黒鉛粒子の質量(以下、単に混合比という。)を後出の表2のようにしたことを除き、他は実施例1−1と同様にして電極、ならびにそれを用いたテストセルおよび二次電池を作製した。その際、(負極)活物質層の体積密度についても実施例1−1と同様、1.80g/cm3 となるようにプレス圧を調整して圧縮成型した。但し、第1の黒鉛粒子の中位径D50 は30μmとし、第2の黒鉛粒子の中位径D50は12μmとした。
実施例2−1〜2−12に対する比較例2−1〜2−20として、第1および第2の黒鉛粒子における破壊強度および混合比を、後出の表3に示したようにそれぞれ変化させたことを除き、他は実施例2−1〜2−12と同様にして二次電池を作製した。
上記のように作製した実施例2−1〜2−12および比較例2−1〜2−20の電極、テストセル、二次電池について、実施例1−1などと同様にして浸透時間、放電容量および容量維持率について調べた。その結果を表2に示す。なお、表2,表3には、圧縮成型して(負極)活物質層を形成する際のプレス圧についても併せて掲載する。
Figure 2009064752
Figure 2009064752
表2,表3に示したように、本実施例では、中位径D50 が30μmである第1の黒鉛粒子の破壊強度が70MPa以上90MPa以下であり、中位径D50 が12μmである第2の黒鉛粒子の破壊強度が20MPa以上50MPa以下であり、第2の黒鉛粒子の質量に対する第1の黒鉛粒子の質量の比(混合比)が2/3以上3/2以下であるので、各比較例とほぼ同等の放電容量を確保しつつ、より優れたサイクル特性を得ることができた。これは、1.80g/cm3 という比較的高い体積密度を得るにあたって、各比較例よりも小さなプレス圧で圧縮成型することができたことにも起因していると考えられる。なお、比較例2−2,2−4,2−6,2−8,2−10,2−12,2−15,2−16,2−18,2−20では、負極集電体の一部が破断してしまい、サイクル特性を測定することができなかった。また、表3に示した比較例2−7,2−13,2−14,2−17,2−19では、容量維持率については表1および表2の各実施例に近い値が得られたが、放電容量が低かった。比較例2−7,2−13,2−14,2−17,2−19において負極活物質層の厚みを厚くすることで放電容量を高めることは可能であるが、その場合には、負極における電流密度が上昇し、容量維持率が劣化することとなる。
以下、図8〜図12を参照して、本実施例について詳細に説明する。
まず、図8は、実施例2−1〜2−10および比較例2−1〜2−8に対応しており、第2の黒鉛粒子に対する第1の黒鉛粒子の混合比と、容量維持率との関係を表したものである。図中、白抜きまたは黒塗りの丸(「○」または「●」)は、第1の黒鉛粒子の破壊強度が70.2MPaであり、かつ、第2の黒鉛粒子が22.3MPaである実施例または比較例に対応する。同様に、白抜きまたは黒塗りの四角(「□」または「■」)は、第1の黒鉛粒子の破壊強度が88.6MPaであり、かつ、第2の黒鉛粒子が22.3MPaである実施例または比較例に対応する。また、白抜きまたは黒塗りの三角(「△」または「▲」)は、第1の黒鉛粒子の破壊強度が70.2MPaであり、かつ、第2の黒鉛粒子が46.7MPaである実施例または比較例に対応する。また、白抜きまたは黒塗りの菱形(「◇」または「◆」)は、第1の黒鉛粒子の破壊強度が88.6MPaであり、かつ、第2の黒鉛粒子が46.7MPaである実施例または比較例に対応する。なお、白抜きの丸などは実施例を表し、黒塗りの丸などは比較例を表す。
図8の結果から、第1の黒鉛粒子が70MPa以上90MPa以下の破壊強度および25μm以上35μm以下の中位径D50 を有し、第2の黒鉛粒子が20MPa以上50MPa以下の破壊強度および6μm以上17μm以下の中位径D50 を有する場合には、第2の黒鉛粒子に対する第1の黒鉛粒子の混合比が2/3以上3/2以下である場合に優れた容量維持率が得られることが確認された。
図9は、実施例2−1,2−3〜2−5,2−11および比較例2−9〜2−12に対応しており、第1の黒鉛粒子の破壊強度と容量維持率との関係を表したものである。ここで、第2の黒鉛粒子の破壊強度は22.3MPaで一定である。また、図10は、実施例2−6〜2−8,2−10,2−12および比較例2−17〜2−20に対応しており、第1の黒鉛粒子の破壊強度と容量維持率との関係を表したものである。ここで、第2の黒鉛粒子の破壊強度は46.7MPaで一定である。
図11は、実施例2−1,2−3,2−4,2−6および比較例2−13,2−14に対応しており、第2の黒鉛粒子の破壊強度と容量維持率との関係を表したものである。ここで、第1の黒鉛粒子の破壊強度は70.2MPaで一定である。また、図12は、実施例2−4,2−5,2−8,2−10および比較例2−15,2−16に対応しており、第2の黒鉛粒子の破壊強度と容量維持率との関係を表したものである。ここで、第1の黒鉛粒子の破壊強度は88.6MPaで一定である。図11および図12における凡例については図8および図9と同様である。
図9〜図12において、白抜きまたは黒塗りの丸(「○」または「●」)は、第2の黒鉛粒子に対する第1の黒鉛粒子の混合比が1.5である実施例または比較例に対応する。同様に、白抜きまたは黒塗りの四角(「□」または「■」)は、第2の黒鉛粒子に対する第1の黒鉛粒子の混合比が0.67である実施例または比較例に対応する。
図9〜図12の結果から、第2の黒鉛粒子に対する第1の黒鉛粒子の混合比が2/3以上3/2以下であれば、25μm以上35μm以下の中位径D50 を有する第1の黒鉛粒子が70MPa以上90MPa以下の破壊強度であり、6μm以上17μm以下の中位径D50 を有する第2の黒鉛粒子が20MPa以上50MPa以下の破壊強度である場合に優れた容量維持率が得られることが確認された。
(実施例3−1)
第2の黒鉛粒子の質量に対する第1の黒鉛粒子の質量の比、すなわち、第1の黒鉛粒子の質量/第2の黒鉛粒子の質量(以下、単に混合比という。)を後出の表4のようにしたことを除き、他は実施例1−2と同様にして負極22、およびそれを用いた円筒型の二次電池(図1)を作製した。
(実施例3−2)
負極活物質層22Bの体積密度を1.90g/cm3 としたことを除き、他は実施例3−1と同様にして負極22、および円筒型の二次電池(図1)を作製した。負極活物質層22Bの体積密度については圧縮成型時のプレス圧を調整することで変化させた。
(実施例3−3)
負極活物質層22Bの体積密度を1.75g/cm3 とすると共に、第1および第2の黒鉛粒子の混合比を60:40としたことを除き、他は実施例3−1と同様にして負極22、および円筒型の二次電池(図1)を作製した。
比較例3−1,3−2として、第1および第2の黒鉛粒子の破壊強度および混合比を表4に示したようにそれぞれ変化させたことを除き、他は実施例3−1,3−3と同様にして二次電池を作製した。
実施例3−1〜3−3および比較例3−1,3−2の二次電池について、実施例1−1などと同様にして放電容量について調べた。また、充放電後の負極集電体22Aの損傷の有無についても調べた。それらの結果を表4に示す。
Figure 2009064752
表4に示したように、実施例3−1〜3−3では、いずれも負極集電体22Aの損傷を招くことなく比較例3−1よりも高い放電容量を得ることができた。なお、比較例3−1では、負極集電体22Aが破断してしまい、放電容量を測定することができなかった。すなわち、破壊強度が70MPa以上90MPa以下であり、かつ、中位径D50 が25μm以上35μm以下である第1の黒鉛粒子と、破壊強度が20MPa以上50MPa以下であり、かつ、中位径D50 が6μm以上17μm以下である第2の黒鉛粒子とを所定の割合で混合したものを負極活物質として用いるようにすれば、負極集電体22Aの損傷を発生させることなく、体積密度を高め、放電容量を向上させることができることが確認された。
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は実施の形態および実施例に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態および実施例では、電極反応物質としてリチウムを用いる電池について説明したが、ナトリウム(Na)あるいはカリウム(K)などの他のアルカリ金属、またはマグネシウムあるいはカルシウム(Ca)などのアルカリ土類金属、またはアルミニウムなどの他の軽金属を用いる場合についても、本発明を適用することができる。その際、電極反応物質を吸蔵および放出することが可能な正極活物質などは、その電極反応物質に応じて選択される。
また、上記実施の形態および実施例では、円筒型および扁平型(楕円型)の巻回構造を有する電池素子を備えた二次電池やコイン型の二次電池について具体的に挙げて説明したが、本発明は、多角形型の巻回構造を有する電池素子を備えた二次電池、または、正極および負極を折り畳んだ構造、あるいは複数積層した構造など他の構造を有する電池素子を備えた二次電池についても同様に適用することができる。加えて、本発明は、角型などの他の外装形状を有する二次電池についても同様に適用することができる。
また、上記実施の形態および実施例では、電解質として電解液を用いる場合および電解液を高分子化合物に保持させたゲル状電解質を用いる場合について説明したが、他の電解質を混合して用いるようにしてもよい。他の電解質としては、例えば、イオン伝導性を有する高分子化合物に電解質塩を溶解または分散させた有機固体電解質、イオン伝導性セラミックス,イオン伝導性ガラスあるいはイオン性結晶などのイオン伝導性無機化合物を含む無機固体電解質が挙げられる。
本発明の実施の形態に係る第1の電池の構成を表す断面図である。 図1に示した第1の電池における巻回電極体の一部を拡大して表す断面図である。 本発明の実施の形態に係る第2の電池の構成を表す分解斜視図である。 図3に示した巻回電極体のIV−IV線に沿った矢視方向の構成を表す断面図である。 図4に示した巻回電極体の一部を拡大して表す断面図である。 本発明の実施の形態に係る第3の電池の構成を表す断面図である。 本発明の実施例で使用したテストセルの構成を表す断面図である。 本実施例における、第2の黒鉛粒子の質量に対する第1の黒鉛粒子の質量の比(混合比)と容量維持率との関係を表す特性図である。 本実施例における、第1の黒鉛粒子の破壊強度と容量維持率との関係を表す特性図である。 本実施例における、第1の黒鉛粒子の破壊強度と容量維持率との関係を表す他の特性図である。 本実施例における、第2の黒鉛粒子の破壊強度と容量維持率との関係を表す特性図である。 本実施例における、第2の黒鉛粒子の破壊強度と容量維持率との関係を表す特性図である。
符号の説明
22A,34A,52A…負極集電体、22B,34B,52B…負極活物質層、11…電池缶、12,13…絶縁板、14…電池蓋、15…安全弁機構、15A…ディスク板、16…熱感抵抗素子、17,56…ガスケット、20,30…巻回電極体、21,33,51…正極、21A,33A,51A…正極集電体、21B,33B,51B…正極活物質層、22,34,52…負極、23,35,53…セパレータ、24…センターピン、25,31…正極リード、26,32…負極リード、36…電解質、37…保護テープ、40…外装部材、41…密着フィルム、54…外装缶、55…外装カップ。

Claims (8)

  1. 負極集電体に設けられた負極活物質層を有し、
    前記負極活物質層は、破壊強度が70MPa以上90MPa以下であり、かつ、レーザ回折式粒度分布計による中位径(D50)が25μm以上35μm以下である第1の黒鉛粒子と、破壊強度が20MPa以上50MPa以下であり、かつ、レーザ回折式粒度分布計による中位径(D50)が6μm以上17μm以下である第2の黒鉛粒子とを負極活物質として含み、
    前記第2の黒鉛粒子の質量に対する前記第1の黒鉛粒子の質量の比が2/3以上3/2以下である
    ことを特徴とする負極。
  2. 前記第1の黒鉛粒子は、X線回折法により算出されるC軸方向の格子面間隔d002 が0.3359nm以上0.3365nm未満のメソフェーズ小球体の球晶黒鉛化物である
    ことを特徴とする請求項1記載の負極。
  3. 前記第2の黒鉛粒子は、X線回折法により算出されるC軸方向の格子面間隔d002 が0.3359nm以下の人造黒鉛粒子または天然黒鉛粒子である
    ことを特徴とする請求項1記載の負極。
  4. 前記負極活物質層の体積密度が1.80g/cm3 以上1.90g/cm3 以下である ことを特徴とする請求項1記載の負極。
  5. 正極および負極と共に電解質を備えた電池であって、
    前記負極は、負極集電体に設けられた負極活物質層を有し、
    前記負極活物質層は、破壊強度が70MPa以上90MPa以下であり、かつ、レーザ回折式粒度分布計による中位径(D50)が25μm以上35μm以下である第1の黒鉛粒子と、破壊強度が20MPa以上50MPa以下であり、かつ、レーザ回折式粒度分布計による中位径(D50)が6μm以上17μm以下である第2の黒鉛粒子とを負極活物質として含み、
    前記第2の黒鉛粒子の質量に対する前記第1の黒鉛粒子の質量の比が2/3以上3/2以下である
    ことを特徴とする電池。
  6. 前記第1の黒鉛粒子は、X線回折法により算出されるC軸方向の格子面間隔d002 が0.3359nm以上0.3365nm未満のメソフェーズ小球体の球晶黒鉛化物である
    ことを特徴とする請求項5記載の電池。
  7. 前記第2の黒鉛粒子は、X線回折法により算出されるC軸方向の格子面間隔d002 が0.3359nm以下の人造黒鉛粒子または天然黒鉛粒子である
    ことを特徴とする請求項5記載の電池。
  8. 前記負極活物質層の体積密度が1.80g/cm3 以上1.90g/cm3 以下である ことを特徴とする請求項5記載の電池。
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