JP2009064485A - 光ピックアップ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
接着剤が硬化したときの収縮による接着位置ズレや、硬化した後に熱によって接着剤の膨張による光軸ズレが発生するという課題が残っていた。
【解決手段】
レーザーダイオードホルダーの対向する2辺それぞれから中心部にかけてコの字型をなす凹部を有し、前記コの字型の凹部はその深さが中心部に向けて徐々に浅くなるテーパーを有し、前記コの字型をなす凹部に接着剤を塗布することで前記レーザーダイオードホルダーと前記ベースを固定する。
【選択図】図1
接着剤が硬化したときの収縮による接着位置ズレや、硬化した後に熱によって接着剤の膨張による光軸ズレが発生するという課題が残っていた。
【解決手段】
レーザーダイオードホルダーの対向する2辺それぞれから中心部にかけてコの字型をなす凹部を有し、前記コの字型の凹部はその深さが中心部に向けて徐々に浅くなるテーパーを有し、前記コの字型をなす凹部に接着剤を塗布することで前記レーザーダイオードホルダーと前記ベースを固定する。
【選択図】図1
Description
本発明は光ディスクの記録および/または再生に用いられる光ピックアップ装置およびその製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、光ピックアップ装置におけるレーザーダイオードの接着剤塗布部の構造に関するものである。
映像および/または音声用の光ディスク記録再生装置は、多種類のディスクを記録および/または再生することが要求されてきており、光ピックアップから出力されるレーザー波長はディスクによって異なる。まず、CDにおいては790nm、DVDにおいては660nmであり、Blu−ray光ディスクにおいては、405nmである。波長が短いディスクについて、単位長さあたりに記録される情報量が多くなるため、光ピックアップの組み立てにおいて、僅かな位置ズレが情報の読み取り不具合を発生させる。また、光記録媒体の物理的構造の細密化も、その組み立てにおける高精度な固定を必要とする。ところで、レーザーダイオードの固定においては、部品の小型化によってビス止めが困難であることから、接着剤による固定が多く用いられている。接着剤による固定の方法は、固定する力を強固にするために、未硬化の接着剤を接着部分に塗布し、接着箇所に紫外線を約十数秒照射して接着剤を硬化させる紫外線硬化型と、未硬化の接着剤を接着部分に塗布し、接着した部材に過熱するため、高温槽などの特別な温度管理室に約数時間放置して硬化させる熱硬化型のいずれかが主に用いられる。上記いずれの方法も接着剤が硬化する際に接着剤が収縮し、接着した部材の位置ズレを発生させる。また、硬化後も、環境温度の変化により、硬化した接着部分が膨張もしくは収縮を起こし、同様に接着した部材の位置ズレを発生させる。波長の短い光ディスクの記録または/再生に供する光ピックアップは、組み立てにおける高精度な固定は不可欠で有り、僅かな位置ズレが光ピックアップのレーザー光の方向性に誤差を生じさせ、リードエラーなどの読み取り不具合を発生させる。特に、接着剤の塗布量が多すぎると、接着剤固定において前述の不具合を発生させる最も大きな原因となる。
特許文献1には、光学部品を高い精度で位置ズレなく接着固定できる技術が開示されている。図5を参照しながら特許文献1に記載の技術を説明する。レーザーユニット3を保持するプレート11とシャーシ1の接着力が強固になり、レーザーユニット3へ繋がるケーブル部の曲げ反力が働いてプレート11に回転方向の力が加わえられても、プレート11のそれぞれの側面接着面内にある2箇所の凹部により回転方向の力を受け止めることができ、前記2箇所の凹部の間隔を接着面内において出来うる限り離れた位置に配置することで、ケーブル部の曲げ反力による回転モーメントを効果的に受け止めることが可能となり、また、機器の環境の変化等で、レーザーユニット3の位置ずれをなくし、書き込み及び読み取り品質の低下につながる可能性を削減できる。
特開2004−178626
特許文献1には、光学部品を高い精度で位置ズレなく接着固定できる技術が開示されている。図5を参照しながら特許文献1に記載の技術を説明する。レーザーユニット3を保持するプレート11とシャーシ1の接着力が強固になり、レーザーユニット3へ繋がるケーブル部の曲げ反力が働いてプレート11に回転方向の力が加わえられても、プレート11のそれぞれの側面接着面内にある2箇所の凹部により回転方向の力を受け止めることができ、前記2箇所の凹部の間隔を接着面内において出来うる限り離れた位置に配置することで、ケーブル部の曲げ反力による回転モーメントを効果的に受け止めることが可能となり、また、機器の環境の変化等で、レーザーユニット3の位置ずれをなくし、書き込み及び読み取り品質の低下につながる可能性を削減できる。
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、接着剤が硬化したあと、接続された他の部材からの応力による接着部材の回転ズレを防ぐことは出来ても、接着剤が硬化するときの収縮による位置ズレや、硬化した後に熱によって接着剤の膨張による光軸ズレが発生するという課題が残っていた。また、接着姿勢を高精度で調整が必要な接着部材については、接着面が離れた状態で接着姿勢を調整した後に、離れた接着面に接着剤を塗布する必要が有り、このような接着面においては、接着剤の塗布量のバラツキや、誤った箇所への接着
剤塗布などにより、接着剤硬化後の位置ズレが発生し、その結果、レーザー光が正しく光ディスクに照射されず、データのリードエラーによって画飛びやハングアップを発生させるという課題が残っていた。
本発明は、前述の課題を鑑み、位置決めを高精度に調整して接着する必要があるレーザーダイオードの接着において、硬化時および硬化後の位置ズレを削減する接着剤塗布部の構造および接着方法を提供することを目的とする。
剤塗布などにより、接着剤硬化後の位置ズレが発生し、その結果、レーザー光が正しく光ディスクに照射されず、データのリードエラーによって画飛びやハングアップを発生させるという課題が残っていた。
本発明は、前述の課題を鑑み、位置決めを高精度に調整して接着する必要があるレーザーダイオードの接着において、硬化時および硬化後の位置ズレを削減する接着剤塗布部の構造および接着方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、光ピックアップ装置において、レーザーダイオードを保持するためのレーザーダイオードホルダーと、前記レーザーダイオードホルダーを接着支持するベースとを有し、前記レーザーダイオードホルダーは略矩形をなし、該接着面に接着姿勢調整用の凸部と、該接着面の中心近傍から対向する2辺に向かって徐々に深くなる第一のテーパーと、前記第一のテーパーに内側から該2辺に向かって徐々に深くなる第二のテーパーを有するコの字型の凹部を有し、前記コの字型の凹部に接着剤を塗布することで前記レーザーダイオードホルダーと前記ベースを固定する。
光ピックアップ装置において、前記レーザーダイオードホルダーは、接着姿勢調整治具によって前記ベースに対する前記レーザーダイオードホルダーの接着姿勢を調整した後、前記コの字型の凹部に紫外線硬化型の接着剤を塗布し、前記接着剤が硬化するまで前記接着姿勢調整用治具によって該接着姿勢を保持して前記レーザーダイオードホルダーと前記ベースを固定する。
光ピックアップ装置において、前記接着剤は紫外線硬化型である。
光ピックアップ装置において、前記光ピックアップは、DVD録再機もしくはBlu−rayディスク録再機に採用される。
光ピックアップ装置において、レーザーダイオードを保持するためのレーザーダイオードホルダーと、前記レーザーダイオードホルダーを支持するベースとを有し、前記光ピックアップ装置はDVD録再機もしくはBlu−rayディスク録再機に用いられ、前記レーザーダイオードホルダーは略矩形をなし、該接着面に接着姿勢調整用の凸部と、該接着面の中心近傍から対向する2辺に向かって徐々に深くなる第一のテーパーと、前記第一のテーパーに内側から該2辺に向かって徐々に深くなる第二のテーパーを有するコの字型の凹部を有し、接着姿勢調整治具によって前記ベースに対する前記レーザーダイオードホルダーの接着姿勢を調整した後、前記コの字型の凹部に紫外線硬化型の接着剤を塗布し、前記接着剤が硬化するまで前記接着姿勢調整用治具によって該接着姿勢を保持して前記レーザーダイオードホルダーと前記ベースを固定する。
前記の通り構成することにより、接着剤の塗布量を少なくして接着剤の収縮によるズレを削減するよう作用する。
光ピックアップ装置において、前記レーザーダイオードホルダーは、接着姿勢調整治具によって前記ベースに対する前記レーザーダイオードホルダーの接着姿勢を調整した後、前記コの字型の凹部に紫外線硬化型の接着剤を塗布し、前記接着剤が硬化するまで前記接着姿勢調整用治具によって該接着姿勢を保持して前記レーザーダイオードホルダーと前記ベースを固定する。
光ピックアップ装置において、前記接着剤は紫外線硬化型である。
光ピックアップ装置において、前記光ピックアップは、DVD録再機もしくはBlu−rayディスク録再機に採用される。
光ピックアップ装置において、レーザーダイオードを保持するためのレーザーダイオードホルダーと、前記レーザーダイオードホルダーを支持するベースとを有し、前記光ピックアップ装置はDVD録再機もしくはBlu−rayディスク録再機に用いられ、前記レーザーダイオードホルダーは略矩形をなし、該接着面に接着姿勢調整用の凸部と、該接着面の中心近傍から対向する2辺に向かって徐々に深くなる第一のテーパーと、前記第一のテーパーに内側から該2辺に向かって徐々に深くなる第二のテーパーを有するコの字型の凹部を有し、接着姿勢調整治具によって前記ベースに対する前記レーザーダイオードホルダーの接着姿勢を調整した後、前記コの字型の凹部に紫外線硬化型の接着剤を塗布し、前記接着剤が硬化するまで前記接着姿勢調整用治具によって該接着姿勢を保持して前記レーザーダイオードホルダーと前記ベースを固定する。
前記の通り構成することにより、接着剤の塗布量を少なくして接着剤の収縮によるズレを削減するよう作用する。
請求項1に記載の発明によれば、レーザーダイオードホルダーに接着剤を塗布するためのコの字型の凹部を設けることで、接着剤の塗布位置を明確にし、凹部にテーパーを設けることで、凹部の厚みのある部分をレーザーダイオードホルダーの外側に設けることで接着剤の塗布注入作業を容易にし、凹部の厚みの薄い部分をレーザーダイオードホルダーの内側に設けることで接着剤の塗布量を削減し、接着剤硬化の収縮による硬化ズレや、硬化後の環境温度による熱膨張での位置ズレを削減することが可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、レーザーダイオードホルダーの接着姿勢を接着姿勢調整用の治具で固定した後に接着剤を塗布することで、レーザーダイオードホルダーの接着位置を正確に固定することが可能となる。また、接着剤塗布後、接着剤が硬化するまで接着姿勢調整用治具で接着姿勢を保持することで、接着剤の硬化時の収縮による位置ズレを防止することが可能となる。
請求項3に記載の発明によれば、紫外線硬化型の接着剤を用いることで、硬化時間を早くして生産工程におけるラインピッチを速めることが可能となり、生産効率を高めることが可能となる。
請求項4に記載の発明によれば、DVD録再機もしくはBlu−rayディスク録再機に採用することで、高密度記録方式の光ディスクに対応することが可能である。
請求項5に記載の発明によれば、レーザーダイオードホルダーに接着剤を塗布するためのコの字型の凹部を設けることで、接着剤の塗布位置を明確にし、凹部にテーパーを設けることで、凹部の厚みのある部分をレーザーダイオードホルダーの外側に設けることで接着剤の塗布注入作業を容易にし、凹部の厚みの薄い部分をレーザーダイオードホルダーの内側に設けることで紫外線硬化型の接着剤の塗布量を削減し、接着剤硬化の収縮による硬化ズレや、硬化後の熱膨張による位置ズレを削減することが可能となる。紫外線硬化型の接着剤を用いることで、硬化時間を早くして生産工程におけるラインピッチを速めることが可能となり、生産効率を高めることが可能となる。また、DVD録再機もしくはBlu−rayディスク録再機に採用することで、高密度記録方式の光ディスクに対応することが可能である。レーザーダイオードホルダーの接着姿勢を接着姿勢調整用の治具で固定した後に接着剤を塗布することで、レーザーダイオードホルダーの接着位置を正確に固定することが可能となる。また、接着剤塗布後、接着剤が硬化するまで接着姿勢調整用治具で接着姿勢を保持することで、接着剤の硬化時の収縮による位置ズレを防止することが可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、レーザーダイオードホルダーの接着姿勢を接着姿勢調整用の治具で固定した後に接着剤を塗布することで、レーザーダイオードホルダーの接着位置を正確に固定することが可能となる。また、接着剤塗布後、接着剤が硬化するまで接着姿勢調整用治具で接着姿勢を保持することで、接着剤の硬化時の収縮による位置ズレを防止することが可能となる。
請求項3に記載の発明によれば、紫外線硬化型の接着剤を用いることで、硬化時間を早くして生産工程におけるラインピッチを速めることが可能となり、生産効率を高めることが可能となる。
請求項4に記載の発明によれば、DVD録再機もしくはBlu−rayディスク録再機に採用することで、高密度記録方式の光ディスクに対応することが可能である。
請求項5に記載の発明によれば、レーザーダイオードホルダーに接着剤を塗布するためのコの字型の凹部を設けることで、接着剤の塗布位置を明確にし、凹部にテーパーを設けることで、凹部の厚みのある部分をレーザーダイオードホルダーの外側に設けることで接着剤の塗布注入作業を容易にし、凹部の厚みの薄い部分をレーザーダイオードホルダーの内側に設けることで紫外線硬化型の接着剤の塗布量を削減し、接着剤硬化の収縮による硬化ズレや、硬化後の熱膨張による位置ズレを削減することが可能となる。紫外線硬化型の接着剤を用いることで、硬化時間を早くして生産工程におけるラインピッチを速めることが可能となり、生産効率を高めることが可能となる。また、DVD録再機もしくはBlu−rayディスク録再機に採用することで、高密度記録方式の光ディスクに対応することが可能である。レーザーダイオードホルダーの接着姿勢を接着姿勢調整用の治具で固定した後に接着剤を塗布することで、レーザーダイオードホルダーの接着位置を正確に固定することが可能となる。また、接着剤塗布後、接着剤が硬化するまで接着姿勢調整用治具で接着姿勢を保持することで、接着剤の硬化時の収縮による位置ズレを防止することが可能となる。
次に図面を参照しながら本発明の実施例を説明する。図1は本発明の実施例に係る光ピックアップの組立図を表す。図1の光ピックアップは、複数の光学部品を載置するためのベース101、光源となるレーザーダイオード102、レーザーダイオード102を保持するためのレーザーダイオードホルダー103、レーザー光を回折するための回折格子104、レーザーダイオード102から出力されたレーザー光は反射し、図示しない光記録媒体からの反射光は入射させる偏向ミラー105、偏向ミラー105からのレーザー光を図示しないコリメートレンズに打ち上げるための打ち上げミラー106、レーザーダイオード102を挿入/保持するためにレーザーダイオードホルダー103に設けられた穴部107から構成される。
次に図2は、本発明の実施例に係る光ピックアップの組立後を表す。レーザーダイオード102をレーザーダイオードホルダー103に設けられた穴部107に挿入し、前記レーザーダイオード102を保持したレーザーダイオードホルダー103をベース101に固定する。固定方法は、レーザーダイオードホルダー103の底部に設けられた凹部201(矢印部分)に、紫外線硬化型の接着剤を塗布し、紫外線を10〜20分照射して接着剤を硬化させる。
次に図3は、レーザーダイオードホルダー103の断面図(a)と上面図(b)を表す。図3(a)の断面図において、下面側が接着面であり、接着面の中心近傍から対向する2辺に向かって徐々に深くなる第一のテーパー301が設けられ、更に第一のテーパー301の部分に内側から該2辺に向かって徐々に深くなる第二のテーパー302が設けられて
いる。また、接着面に接着姿勢調整用の凸部303が設けられている。次にレーザーダイオードホルダー103とベース101の接着処理について説明する。レーザーダイオードホルダー103は接着姿勢調整用治具で固定され、凸部303がベース101の接着面305に押し当てられる。レーザーダイオードホルダー103は、凸部303を軸として矢印の通りシーソー動作を行ないながら、レーザーダイオードホルダー103に固定されたレーザーダイオード102の光軸調整のために、接着姿勢の調整が行われる。第一のテーパー301は、前述のシーソー動作による調整角度を大きくするために設けられている。
接着姿勢調整用治具によってレーザーダイオードホルダー103の接着姿勢が調整された後、レーザーダイオードホルダー103が接着姿勢調整用治具に保持された状態のまま、紫外線硬化型の接着剤が第二のテーパーを有するコの字型凹部302に塗布され、続いて紫外線が照射されて、ベース101とレーザーダイオードホルダー103とが固定される。接着剤が完全に硬化してから、レーザーダイオードホルダー103は接着姿勢調整用治具から取り外される。
接着剤の塗布量が多ければ多いほど、硬化時や硬化後の環境温度による熱膨張などの影響が大きくなるので、このテーパーを設けることによって、接着される部材同士の接着面積を小さくすることなく、接着剤の塗布量を少なくすることが可能となる。また、接着剤を塗布してから接着剤が完全に硬化するまでの間、接着姿勢調整用治具によって調整姿勢を保持しているため、硬化時の収縮による位置ズレを削減することが可能となる。
また、テーパー部分に塗布される接着剤の量は少ないため、硬化する時間も早い。このため、テーパー部分から早く硬化が始まり、接着されるべき位置に早期に固定され、接着剤の量も少ないために、硬化時の収縮による位置ズレも、硬化後の環境温度による熱収縮による位置ズレも受けにくい。従って、レーザーダイオードホルダー103の中央方向に向かってテーパーを浅くし、最も中央に近いテーパーの浅い部分の接着剤を早く硬化させ、かつ収縮の影響を受けずに、高い精度で位置決めを行うことを可能にしている。
一方、テーパーの深い部分や、テーパーのない部分に塗布される接着剤の量は多いため、接着力は強いが、硬化時の収縮や硬化後の熱による膨張の影響を受けやすい。前記のテーパーの浅い部分が先に硬化し、その後テーパーの浅い方から深い方に向かって順に接着剤が硬化し、固定力が強くなる。このようにテーパーの浅い部分が先に硬化した時点で、レーザーダイオードホルダー103の位置決めはなされているため、その後、接着剤の塗布量の多い部分が硬化して収縮が発生しても、位置ズレの影響は受けにくく、かつテーパーの深い部分で強い固定力を得ることが可能となる。
なお、本実施例において、接着姿勢調整用の治具によって凸部303を軸にシーソー動作を行うことによって接着姿勢が調整されるレーザーダイオードホルダー103とベース101の接着面305との距離dは、最大で約1.2mm、最小で約0.5mmとなる。また、2箇所に設けられた第二のテーパーを有する凹部302の面積はそれぞれ最大で約21平方ミリメートル、最小で約10.5平方ミリメートルであり、2箇所に設けられた第二のテーパーを有する凹部302それぞれに対して塗布される接着剤の量は、約24mgとなる。なお、本実施例において、接着剤が塗布されて硬化するまでの間、接着姿勢調整用治具によってレーザーダイオードホルダーを保持せずに接着した場合には、接着剤の硬化収縮により、レーザーダイオードホルダー103とベース101の接着面305との距離dは約5%短くなり、データのリードエラーによって画飛びやハングアップの可能性が大きくなる。他の光学部品における接着剤の塗布において、例えば、対物レンズとレンズホルダーの接着においては、接着剤の塗布量が1mg以下であるため、本発明の24mgに比して接着剤の硬化収縮の影響は軽微であり、従って硬化による位置ズレも軽微で有る。しかも、接着による位置ズレは、光ディスク装置が有するトラッキング制御手段とフォ
ーカス制御手段によって補正を行うことが可能であるため、本発明にそのまま採用できるものではない。一方、本発明は接着剤の硬化による位置ズレがレーザーダイオードの調整による位置決めを無に帰すような深刻な問題を解決するものである。
次に図4はレーザーダイオードホルダー103の立体斜視図である。コの字型の凹部の外側の深さを深くすることによって、接着剤を塗布するための治具を挿入しやすくし、塗布を行う作業を容易に出来る。また、接着剤の塗布時に、塗布すべき箇所以外に接着剤がはみ出すと、硬化での収縮によって位置ズレが発生する。例えば、上方に開口がある方向、いわゆる垂直断面方向においてコの字型の凹部に接着剤がおさまっている場合には、硬化時の収縮が作用するのは主にZ軸方向であるが、コの字形の凹部からはみ出した場合には、XおよびY軸方向への予期出来ない位置ズレが発生し、接着後の微調整では調整しきれず、正常動作が不可能になる。このように接着剤塗布用の凹部をコの字型にすることで、接着剤が望ましくない箇所にはみ出すことを防止することが可能となる。
また、第二のテーパー301において、最もテーパーの浅い、すなわちレーザーダイオードホルダー103の中心に近い部分に接着剤を塗布すれば、テーパーが深くなるほう、すなわちレーザーダイオードホルダー103の外側に向かって傾斜がついているため、接着剤が重力によって自動的に外側に向かって流れこみ、第二のテーパー301全体に均一に接着剤が塗布されるよう作用する。
本発明における接着剤塗布用の凹部の形状は、コの字に限らず、一辺が開口している形状、例えば、U字やV字でも適用可能である。また、本実施例においては、レーザーダイオードホルダーとベースの接着を一例に説明したが、その他の光学部品の接着においても、適用可能である。また、接着剤は、紫外線硬化型のみならず、熱硬化型を用いても適用可能である。
次に図2は、本発明の実施例に係る光ピックアップの組立後を表す。レーザーダイオード102をレーザーダイオードホルダー103に設けられた穴部107に挿入し、前記レーザーダイオード102を保持したレーザーダイオードホルダー103をベース101に固定する。固定方法は、レーザーダイオードホルダー103の底部に設けられた凹部201(矢印部分)に、紫外線硬化型の接着剤を塗布し、紫外線を10〜20分照射して接着剤を硬化させる。
次に図3は、レーザーダイオードホルダー103の断面図(a)と上面図(b)を表す。図3(a)の断面図において、下面側が接着面であり、接着面の中心近傍から対向する2辺に向かって徐々に深くなる第一のテーパー301が設けられ、更に第一のテーパー301の部分に内側から該2辺に向かって徐々に深くなる第二のテーパー302が設けられて
いる。また、接着面に接着姿勢調整用の凸部303が設けられている。次にレーザーダイオードホルダー103とベース101の接着処理について説明する。レーザーダイオードホルダー103は接着姿勢調整用治具で固定され、凸部303がベース101の接着面305に押し当てられる。レーザーダイオードホルダー103は、凸部303を軸として矢印の通りシーソー動作を行ないながら、レーザーダイオードホルダー103に固定されたレーザーダイオード102の光軸調整のために、接着姿勢の調整が行われる。第一のテーパー301は、前述のシーソー動作による調整角度を大きくするために設けられている。
接着姿勢調整用治具によってレーザーダイオードホルダー103の接着姿勢が調整された後、レーザーダイオードホルダー103が接着姿勢調整用治具に保持された状態のまま、紫外線硬化型の接着剤が第二のテーパーを有するコの字型凹部302に塗布され、続いて紫外線が照射されて、ベース101とレーザーダイオードホルダー103とが固定される。接着剤が完全に硬化してから、レーザーダイオードホルダー103は接着姿勢調整用治具から取り外される。
接着剤の塗布量が多ければ多いほど、硬化時や硬化後の環境温度による熱膨張などの影響が大きくなるので、このテーパーを設けることによって、接着される部材同士の接着面積を小さくすることなく、接着剤の塗布量を少なくすることが可能となる。また、接着剤を塗布してから接着剤が完全に硬化するまでの間、接着姿勢調整用治具によって調整姿勢を保持しているため、硬化時の収縮による位置ズレを削減することが可能となる。
また、テーパー部分に塗布される接着剤の量は少ないため、硬化する時間も早い。このため、テーパー部分から早く硬化が始まり、接着されるべき位置に早期に固定され、接着剤の量も少ないために、硬化時の収縮による位置ズレも、硬化後の環境温度による熱収縮による位置ズレも受けにくい。従って、レーザーダイオードホルダー103の中央方向に向かってテーパーを浅くし、最も中央に近いテーパーの浅い部分の接着剤を早く硬化させ、かつ収縮の影響を受けずに、高い精度で位置決めを行うことを可能にしている。
一方、テーパーの深い部分や、テーパーのない部分に塗布される接着剤の量は多いため、接着力は強いが、硬化時の収縮や硬化後の熱による膨張の影響を受けやすい。前記のテーパーの浅い部分が先に硬化し、その後テーパーの浅い方から深い方に向かって順に接着剤が硬化し、固定力が強くなる。このようにテーパーの浅い部分が先に硬化した時点で、レーザーダイオードホルダー103の位置決めはなされているため、その後、接着剤の塗布量の多い部分が硬化して収縮が発生しても、位置ズレの影響は受けにくく、かつテーパーの深い部分で強い固定力を得ることが可能となる。
なお、本実施例において、接着姿勢調整用の治具によって凸部303を軸にシーソー動作を行うことによって接着姿勢が調整されるレーザーダイオードホルダー103とベース101の接着面305との距離dは、最大で約1.2mm、最小で約0.5mmとなる。また、2箇所に設けられた第二のテーパーを有する凹部302の面積はそれぞれ最大で約21平方ミリメートル、最小で約10.5平方ミリメートルであり、2箇所に設けられた第二のテーパーを有する凹部302それぞれに対して塗布される接着剤の量は、約24mgとなる。なお、本実施例において、接着剤が塗布されて硬化するまでの間、接着姿勢調整用治具によってレーザーダイオードホルダーを保持せずに接着した場合には、接着剤の硬化収縮により、レーザーダイオードホルダー103とベース101の接着面305との距離dは約5%短くなり、データのリードエラーによって画飛びやハングアップの可能性が大きくなる。他の光学部品における接着剤の塗布において、例えば、対物レンズとレンズホルダーの接着においては、接着剤の塗布量が1mg以下であるため、本発明の24mgに比して接着剤の硬化収縮の影響は軽微であり、従って硬化による位置ズレも軽微で有る。しかも、接着による位置ズレは、光ディスク装置が有するトラッキング制御手段とフォ
ーカス制御手段によって補正を行うことが可能であるため、本発明にそのまま採用できるものではない。一方、本発明は接着剤の硬化による位置ズレがレーザーダイオードの調整による位置決めを無に帰すような深刻な問題を解決するものである。
次に図4はレーザーダイオードホルダー103の立体斜視図である。コの字型の凹部の外側の深さを深くすることによって、接着剤を塗布するための治具を挿入しやすくし、塗布を行う作業を容易に出来る。また、接着剤の塗布時に、塗布すべき箇所以外に接着剤がはみ出すと、硬化での収縮によって位置ズレが発生する。例えば、上方に開口がある方向、いわゆる垂直断面方向においてコの字型の凹部に接着剤がおさまっている場合には、硬化時の収縮が作用するのは主にZ軸方向であるが、コの字形の凹部からはみ出した場合には、XおよびY軸方向への予期出来ない位置ズレが発生し、接着後の微調整では調整しきれず、正常動作が不可能になる。このように接着剤塗布用の凹部をコの字型にすることで、接着剤が望ましくない箇所にはみ出すことを防止することが可能となる。
また、第二のテーパー301において、最もテーパーの浅い、すなわちレーザーダイオードホルダー103の中心に近い部分に接着剤を塗布すれば、テーパーが深くなるほう、すなわちレーザーダイオードホルダー103の外側に向かって傾斜がついているため、接着剤が重力によって自動的に外側に向かって流れこみ、第二のテーパー301全体に均一に接着剤が塗布されるよう作用する。
本発明における接着剤塗布用の凹部の形状は、コの字に限らず、一辺が開口している形状、例えば、U字やV字でも適用可能である。また、本実施例においては、レーザーダイオードホルダーとベースの接着を一例に説明したが、その他の光学部品の接着においても、適用可能である。また、接着剤は、紫外線硬化型のみならず、熱硬化型を用いても適用可能である。
本発明は、光ピックアップのレーザーダイオードの接着部分に対して好適であり、特に接着姿勢の調整を治具を用いて行い、調整後の接着面同士の空間に接着剤を注入して接着姿勢を保持する必要性があり、かつ高い精度の位置決めを必要とする接着部分に対して好適である。
101 ベース
102 レーザーダイオード
103 レーザーダイオードホルダー
301 第一のテーパー
302 第二のテーパーを有するコの字型凹部
102 レーザーダイオード
103 レーザーダイオードホルダー
301 第一のテーパー
302 第二のテーパーを有するコの字型凹部
Claims (5)
- レーザーダイオードを保持するためのレーザーダイオードホルダーと、前記レーザーダイオードホルダーを接着支持するベースとを有する光ピックアップ装置において、
前記レーザーダイオードホルダーは略矩形をなし、該接着面に接着姿勢調整用の凸部と、該接着面の中心近傍から対向する2辺に向かって徐々に深くなる第一のテーパーと、前記第一のテーパーに内側から該2辺に向かって徐々に深くなる第二のテーパーを有するコの字型の凹部を有し、前記コの字型の凹部に接着剤を塗布することで前記レーザーダイオードホルダーと前記ベースを固定することを特徴とする光ピックアップ装置。 - 前記レーザーダイオードホルダーは、接着姿勢調整治具によって前記ベースに対する前記レーザーダイオードホルダーの接着姿勢を調整した後、前記コの字型の凹部に紫外線硬化型の接着剤を塗布し、前記接着剤が硬化するまで前記接着姿勢調整用治具によって該接着姿勢を保持して前記レーザーダイオードホルダーと前記ベースを固定する請求項1に記載の光ピックアップ装置。
- 前記接着剤は紫外線硬化型である請求項1に記載の光ピックアップ装置。
- 前記光ピックアップは、DVD録再機もしくはBlu−rayディスク録再機に採用される請求項1乃至2に記載の光ピックアップ装置。
- レーザーダイオードを保持するためのレーザーダイオードホルダーと、前記レーザーダイオードホルダーを支持するベースとを有する光ピックアップにおいて、
前記光ピックアップ装置はDVD録再機もしくはBlu−rayディスク録再機に用いられ、前記レーザーダイオードホルダーは略矩形をなし、該接着面に接着姿勢調整用の凸部と、該接着面の中心近傍から対向する2辺に向かって徐々に深くなる第一のテーパーと、前記第一のテーパーに内側から該2辺に向かって徐々に深くなる第二のテーパーを有するコの字型の凹部を有し、接着姿勢調整治具によって前記ベースに対する前記レーザーダイオードホルダーの接着姿勢を調整した後、前記コの字型の凹部に紫外線硬化型の接着剤を塗布し、前記接着剤が硬化するまで前記接着姿勢調整用治具によって該接着姿勢を保持して前記レーザーダイオードホルダーと前記ベースを固定することを特徴とする光ピックアップ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007229106A JP2009064485A (ja) | 2007-09-04 | 2007-09-04 | 光ピックアップ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007229106A JP2009064485A (ja) | 2007-09-04 | 2007-09-04 | 光ピックアップ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009064485A true JP2009064485A (ja) | 2009-03-26 |
Family
ID=40558945
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007229106A Pending JP2009064485A (ja) | 2007-09-04 | 2007-09-04 | 光ピックアップ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009064485A (ja) |
-
2007
- 2007-09-04 JP JP2007229106A patent/JP2009064485A/ja active Pending
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