JP2007184060A - レンズホルダ、対物レンズ駆動装置、光ヘッド及び光記録再生装置 - Google Patents

レンズホルダ、対物レンズ駆動装置、光ヘッド及び光記録再生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 対物レンズのフランジ下面への接着剤の入り込みを防止し、周囲温度の変化又は光ヘッド自体の温度変化に起因する接着剤の膨張又は収縮による影響を受けないようにする。
【解決手段】 開示されるレンズホルダ1は、レンズ曲面の外周にフランジが形成された対物レンズが搭載され、接着剤により固着されるものである。このレンズホルダ1は、対物レンズのフランジの下面が当接されるレンズ搭載面21a〜24aが形成されたレンズ搭載部21〜24と、接着剤が塗布される接着剤塗布部25〜28とを有し、レンズ搭載部21〜24と接着剤塗布部25〜28とは、少なくともレンズ搭載面21a〜24aの位置では接続されていない。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光ディスク等の光記録媒体にデータの記録又は再生を行う光ヘッドを構成する対物レンズが搭載されるレンズホルダ、対物レンズが搭載されたレンズホルダをフォーカス方向及びトラッキング方向に駆動する対物レンズ駆動装置、この対物レンズ駆動装置を備えた光ヘッド及びこの光ヘッドを備えた光記録再生装置に関する。
近年では、光ヘッドを構成する対物レンズの素材として、主に光学的特性の安定、コストの低減、軽量化を目的として、オレフィン系樹脂(例えば、シクロオレフィン)、アクリル系樹脂(例えば、PMMA)、メタクリル系樹脂が用いられるようになっている。この種の対物レンズでは、機械的強度と信頼性を確保するため、レンズ曲面の外周に円環状のフランジ(外輪部)が形成されている。対物レンズはレンズホルダに搭載して用いるが、このレンズホルダは、上記対物レンズが置かれることにより上記対物レンズのフランジと共に上記対物レンズの光軸方向の位置決めを行うためのレンズ搭載面(円環部)と、このレンズ搭載面の外周から立ち上がりレンズ搭載面を囲む側壁とを有している。
対物レンズをレンズホルダに固定するには、対物レンズをそのフランジ下面をレンズホルダのレンズ搭載面上に接触させてレンズホルダ上に置いた後、対物レンズのフランジ側面とレンズホルダの側壁との間に接着剤を注入する。
光ヘッドを備えた光記録再生装置が自動車に搭載される場合、例えば、周囲温度が−20〜+75℃の範囲において、対応可能なすべての光記録媒体が記録又は再生できる必要がある。また、最近の光記録再生装置では、光記録媒体にデータを記録する際の記録速度が高速化するとともに、上記レーザダイオードが高出力化しており、データ記録時の光ヘッド自体の発熱量が大きくなる傾向にある。このように、光ヘッドは、周囲温度ばかりでなく、自身の温度も大きく変化する。
対物レンズ等の光ヘッドの構成部品を固着する接着剤は、上記した周囲温度の変化及び光ヘッド自体の温度変化の影響を受けやすく、温度上昇により軟化、膨張し、また温度降下により硬化、収縮して、その形状を変化させる。上記対物レンズは、この接着剤の形状変化の影響を受けやすい。特に、対物レンズのフランジ下面とレンズホルダの対物レンズ搭載面との間隙に接着剤が入り込んでいる場合、この接着剤が周囲温度の変化又は光ヘッド自体の温度変化により膨張したり収縮したりすると、対物レンズの姿勢が変化してしまう。
光記録再生装置の使用時に、周囲温度の変化又は光ヘッド自体の温度変化により対物レンズの姿勢が変化すると、対物レンズの光軸とレーザダイオードの光軸とがずれて、光ヘッド全体の光学的収差が発生してしまう。これにより、レーザダイオードから出射される光ビームが光記録媒体のデータ記録面に正しく収束されず、光記録媒体にデータの記録又は再生を行うことができなくなるおそれがあった。
そこで、上記不都合を解決するために、従来のレンズホルダの中には、対物レンズのフランジと共に上記対物レンズの光軸方向の位置決めを行うための円環部と、対物レンズが置かれた際に上記フランジの側面と微少な隙間を形成するレンズ挿入穴の側壁とを有し、円環部上のレンズホルダの四隅に向かった対角位置に、光軸方向に窪み、円環部を径方向で分断する4個の凹部がそれぞれ形成されているものがある。このレンズホルダでは、上記4個の凹部の位置にそれぞれ対応した平面四隅に、レンズ挿入穴に向けて下面に傾斜を有する複数の接着溝がそれぞれ形成されている。また、このレンズホルダでは、レンズ挿入穴の外周でレンズホルダの平面に、4個の接着溝を分割するように4個の分割凹部がそれぞれ形成されている。
上記構成のレンズホルダのレンズ挿入穴に対物レンズを挿入すると、対物レンズの下球面がレンズホルダの中間穴の中に入り、対物レンズのフランジの下面が、レンズホルダの円環部の平面と当接することにより、レンズホルダに対する対物レンズの位置が決まる。そして、レンズホルダの4個の接着溝にそれぞれ接着剤を注入することにより対物レンズが接着固定される。ここで、レンズホルダの4個の接着溝にそれぞれ注入された接着剤は、対物レンズのフランジ側面とレンズホルダのレンズ挿入穴の側壁との隙間から周囲に拡散する(例えば、特許文献1参照。)。
特許第3313265号公報([0018]〜[0076]、図13,図14)
上記した特許文献1には、接着剤の対物レンズのフランジ下面とレンズホルダの対物レンズ搭載面との間隙への入り込みを防止するために、様々な工夫が記載されている。しかし、上記した特許文献1に記載されているレンズホルダは、その基本構造において、接着剤が注入される箇所の下方近傍に、対物レンズのフランジ下面が当接する円環部の平面が形成されており、接着剤を対物レンズのフランジ側面とレンズホルダのレンズ挿入穴の側壁との隙間から注入するものである。
従って、レンズホルダの4個の凹部や4個の分割凹部が形成されていても、接着剤の粘度や注入量、あるいは、対物レンズのフランジ側面とレンズホルダのレンズ挿入穴の側壁との隙間の広狭等によっては、凹部からあふれ出た接着剤が凹部に隣接する円環部の平面に拡散したり、接着剤の注入箇所直下の凹部に流れずに直接に注入箇所の斜め下方に位置する円環部の平面に拡散したりするおそれがある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、上述のような課題を解決することができるレンズホルダ、対物レンズ駆動装置、光ヘッド及び光記録再生装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、レンズ曲面の外周にフランジが形成された対物レンズが搭載され、接着剤により固着されるレンズホルダに係り、前記対物レンズの前記フランジの下面が当接されるレンズ搭載面が形成されたレンズ搭載部と、前記接着剤が塗布される接着剤塗布部とを有し、前記レンズ搭載部と前記接着剤塗布部とは、少なくとも前記レンズ搭載面の位置では接続されていないことを特徴としている。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のレンズホルダに係り、前記レンズ搭載部は、前記対物レンズが挿入されるレンズ挿入穴の周囲に複数形成されていることを特徴としている。
また、請求項3記載の発明は、請求項2記載のレンズホルダに係り、前記接着剤塗布部は、前記レンズ挿入穴の周囲に形成された複数のレンズ搭載部の間に複数形成されていることを特徴としている。
また、請求項4記載の発明は、請求項3記載のレンズホルダに係り、前記接着剤塗布部は、等間隔に形成されていることを特徴としている。
また、請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載のレンズホルダに係り、前記接着剤塗布部は、前記対物レンズを構成する前記フランジの下面が前記レンズ搭載面に当接した状態において、前記レンズ挿入穴に対向した側面のうち上面となす辺及びその近傍のみが、前記フランジの側面に対向する部分と当接又は近接するように形成されていることを特徴としている。
また、請求項6記載の発明に係る対物レンズ駆動装置は、請求項1乃至5のいずれかに記載のレンズホルダを備えることを特徴としている。
また、請求項7記載の発明に係る光ヘッドは、請求項6記載の対物レンズ駆動装置を備えることを特徴としている。
また、請求項8記載の発明に係る光記録再生装置は、請求項7記載の光ヘッドを備えることを特徴としている。
本発明によれば、請求項1記載の発明に係るレンズホルダは、レンズ曲面の外周にフランジが形成された対物レンズが搭載され、接着剤により固着されるレンズホルダに係り、前記対物レンズの前記フランジの下面が当接されるレンズ搭載面が形成されたレンズ搭載部と、前記接着剤が塗布される接着剤塗布部とを有し、前記レンズ搭載部と前記接着剤塗布部とは、少なくとも前記レンズ搭載面の位置では接続されていない。従って、特に複雑な形状とすることなく、接着剤の対物レンズを構成するフランジの下面とレンズホルダのレンズ搭載面との間隙への入り込みを完全に防止することができる。
また、本発明によれば、請求項6記載の発明に係る対物レンズ駆動装置は、請求項1乃至5のいずれかに記載のレンズホルダを備えている。従って、この対物レンズ駆動装置では、対物レンズを構成するフランジの下面に接着剤が入り込むことがない。これにより、周囲温度の変化又は、この対物レンズ駆動装置を用いて構成した光ヘッド自体の温度変化に起因する接着剤の膨張又は収縮による影響を受けず、対物レンズの姿勢を一定に保持することができる。よって、光ヘッドの信頼性が向上し、光ヘッド全体の光学的収差の発生を低く抑えることができる。
また、本発明によれば、請求項7記載の発明に係る光ヘッドは、請求項6記載の対物レンズ駆動装置を備えている。従って、この光ヘッドでは、周囲温度の変化又は光ヘッド自体の温度変化に起因する接着剤の膨張又は収縮による影響を受けず、対物レンズの姿勢を一定に保持することができる。これにより、光ヘッドの信頼性が向上し、光ヘッド全体の光学的収差の発生を低く抑えることができる。
また、本発明によれば、請求項8記載の発明に係る光記録再生装置は、請求項7記載の光ヘッドを備えている。従って、この光記録再生装置は、周囲温度又は光ヘッド自体の温度が急激に変化した場合であっても、光記録媒体にデータの記録又は再生を行うことができる。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るレンズホルダ1の構成を示す概略斜視図、図2は、図1に示すレンズホルダ1の平面図、図3は、図2のA−A'断面図、図4は、対物レンズ2の断面図、図5は、図2に示すレンズホルダ1に図4に示す対物レンズ2が置かれた状態を示す平面図、図6は、図5のA−A'断面図である。
対物レンズ2は、オレフィン系樹脂(例えば、シクロオレフィン)、アクリル系樹脂(例えば、PMMA)、メタクリル系樹脂を原料として射出成形や押出成形により一体に形成されている。また、対物レンズ2の中には、光学ガラスを原料としてプリフォームを用いたモールド成形により形成されているものもある。対物レンズ2は、全体形状が略円盤状を呈しており、その下面2aはレンズ面を形成する球面又は非球面の凸曲面である。対物レンズ2の下面2aの外周には、円環状のフランジ(外輪部)2bが設けられている。
レンズホルダ1は、軽量かつ高剛性な合成樹脂を原料として射出成形や押出成形により一体に形成されている。合成樹脂としては、例えば、液晶ポリマー(LCP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等がある。この例のレンズホルダ1は、上記合成樹脂をグラスファイバーやカーボンで剛性を強化したものを用いても良い。
レンズホルダ1は、全体形状が略立方体形状を呈しており、下面部が開口し、かつ、中空である。レンズホルダ1は、レンズ搭載領域11と、コイル取付領域12及び13と、ワイヤー取付領域14及び15とから概略構成されている。レンズ搭載領域11は、対物レンズ2のフランジ2bと共に対物レンズ2の光軸方向の位置決めを行うためのレンズ搭載部21〜24と、対物レンズ2をレンズホルダ1に固着するための接着剤(図示略)が塗布される接着剤塗布部25〜28と、対物レンズ2が挿入されるレンズ挿入穴29と、内径部分に形成され、入射される光ビームを対物レンズ2の有効径に絞るアパーチャ30とから構成されている。
レンズ搭載部21〜24は、全体形状が略扇形状を呈しており、レンズ挿入穴29の周囲に、レンズ挿入穴29の中心に関して隣接するものが互いに対称となる位置に形成されている。レンズ搭載部21〜24は、それぞれレンズ搭載面21a〜24aと、レンズガイド21b〜24bとから構成されている。レンズ搭載面21a〜24aは、対物レンズ2が置かれることにより対物レンズ2のフランジ2bと共にそれぞれ上記対物レンズ2の光軸方向の位置決めを行うためのものである。レンズガイド21b〜24bは、それぞれ対応するレンズ搭載面21a〜24aの外側の円弧から微少な距離を隔てて、対応するレンズ搭載面21a〜24aを囲むように立ち上がり、対物レンズ2が置かれる際に、対物レンズ2のフランジ2bを案内する。
接着剤塗布部25〜28は、全体形状が略蒲鉾形状を呈しており、レンズ挿入穴29の周囲に形成されたレンズ搭載部21〜24の間であって、レンズ搭載部21〜24とはそれぞれ独立して、レンズ挿入穴29の中心に関して隣接するものが互いに対称となる位置に形成されている。接着剤塗布部25は、対物レンズ2を構成するフランジ2bの下面2bbがレンズ搭載面21a〜24aに当接した状態において、レンズ挿入穴29に対向した側面25aのうち、上面25bとなす辺25c及びその極近傍のみが、対物レンズ2を構成するフランジ2bの側面2ba(図6参照)と当接又は近接するに過ぎず、上面25bがフランジ2bの下面2bb(図6参照)と当接することはない。
同様に、接着剤塗布部26〜28は、対物レンズ2を構成するフランジ2bの下面2bbがレンズ搭載面21a〜24aに当接した状態において、レンズ挿入穴29に対向したそれぞれの側面26a〜28aのうち、対応した上面26b〜28bとなす各辺26c〜28c及びそれぞれの極近傍のみが、対物レンズ2を構成するフランジ2bの側面2ba(図6参照)のそれぞれに対向する部分と当接又は近接するに過ぎず、各上面26b〜28bがフランジ2bの下面2bb(図6参照)と当接することはない。
レンズホルダ1において、コイル取付領域12及び13は、後に実施の形態2において図10を参照して説明するように、レンズ挿入穴29の中心に関して対称となる位置に、それぞれ2個のフォーカシング用のコイル31と1個のトラッキング用のコイル32とが固定される。また、レンズホルダ1の外周面には、後に実施の形態2において図10を参照して説明するように、チルト用のコイル39が巻回される。さらに、ワイヤー取付領域14及び15は、後に実施の形態2において図10を参照して説明するように、導電性弾性体からなり、可撓性を有する6本のサスペンションワイヤー33の一端側がそれぞれ半田付け固定される。
次に、上記構成のレンズホルダ1に対物レンズ2を固定する方法について説明する。まず、レンズホルダ1のレンズ挿入穴29に対物レンズ2を挿入すると、対物レンズ2のフランジ2bがレンズガイド21b〜24bにより案内されつつ、対物レンズ2の下面2aがレンズホルダ1のアパーチャ30の中に入り、対物レンズ2を構成するフランジ2bの下面2bbが、レンズホルダ1を構成するレンズ搭載部21〜24のそれぞれのレンズ搭載面21a〜24aと当接することにより、レンズホルダ1に対する対物レンズ2の位置が決まる。
この場合、接着剤塗布部25〜28を構成する、レンズ挿入穴29に対向したそれぞれの側面25a〜28aのうち、対応した上面25b〜28bとなす各辺25c〜28cの及びそれぞれの極近傍のみが、対物レンズ2を構成するフランジ2bの側面2baのそれぞれに対向する部分と当接又は近接するに過ぎず、各上面25b〜28bがフランジ2bの下面2bbと当接することはない。
次に、図7及び図8に示すように、接着剤塗布部25〜28のそれぞれの上面25b〜28bと、対物レンズ2を構成するフランジ2bの側面2baとで形成される領域に接着剤3をそれぞれ塗布する。
ここで、合成樹脂からなる対物レンズ2をレンズホルダ1に固定する際に用いる接着剤3の主な性質の一例について説明する。接着剤3は、例えば、主成分が変性アクリレートである紫外線硬化樹脂であり、コーンプレート型粘度計で測定した粘度は11,500±2,500mpa・s、液比重は1.00±0.10(JIS−K−6833,23±2℃)である。また、接着剤3は、例えば、ショアA硬度が50±5、ガラス転移点Tgが−35℃である。ショアA硬度とは、JIS K−7215(23±3℃)のタイプAデュロメータで測定された硬度をいう。
接着剤3の塗布量は、例えば、0.12±0.02mgとする。この場合、接着剤3の塗布量が多く、例えば、接着剤塗布部25の上面25bと対物レンズ2を構成するフランジ2bの側面2baとで形成される領域に接着剤3が留まり切れないと、接着剤塗布部25の側面を垂れ下がるが、フランジ2bの下面2bbに回り込むことはない。これは、以下に示す理由による。
即ち、上記したように、接着剤塗布部25を構成する、レンズ挿入穴29に対向した側面25aのうち、上面25bとなす辺25c及びその極近傍のみが、対物レンズ2を構成するフランジ2bの側面2baと当接又は近接するに過ぎず、上面25bがフランジ2bの下面2bbと当接することはない。つまり、本発明の実施の形態1によれば、接着剤塗布部25〜28とレンズ搭載部21〜24とは完全に分断されているため、接着剤塗布部25〜28のそれぞれの近傍には、接着剤塗布部25〜28のいずれかからあふれ出た接着剤3が拡散していくおそれがあるレンズ搭載面自体が存在しない。従って、接着剤塗布部25の側面を垂れ下がった余分な接着剤3は、接着剤塗布部25の側面をそのまま垂れ下がり、フランジ2bの下面2bbに及ぶことはないのである。
このように、本発明の実施の形態1によれば、レンズホルダ1を構成するレンズ搭載領域11の接着剤塗布部25〜28は、レンズ搭載部21〜24とはそれぞれ独立して、レンズ挿入穴29の中心に関して隣接するものが互いに対称となる位置に形成されている。従って、上記した特許文献1に記載された様々な工夫を施すことなく、接着剤3の対物レンズ2を構成するフランジ2bの下面2bbとレンズホルダ1のレンズ搭載面21a〜24aとの間隙への入り込みを完全に防止することができる。
従って、本発明の実施の形態1によれば、たとえレンズホルダ1と対物レンズ2との接着強度を満たすに十分な塗布量を超えて接着剤3が塗布された場合であっても、フランジ2bの下面2bbとレンズホルダ1のレンズ搭載面21a〜24aとの間隙へ接着剤3が入り込むことはない。これにより、上記構成のレンズホルダ1に対物レンズ2を接着剤3で固着した後、光ヘッドを作製した場合、周囲温度の変化又は光ヘッド自体の温度変化に起因する接着剤3の膨張又は収縮による影響を受けず、対物レンズ2の姿勢を一定に保持することができる。これにより、光ヘッドの信頼性が向上し、光ヘッド全体の光学的収差の発生を低く抑えることができる。
実施の形態2.
図9は、本発明の実施の形態2に係る対物レンズ駆動装置の構成を示す概略斜視図である。この例の対物レンズ駆動装置は、上述した実施の形態1で説明した構成を有するレンズホルダ1に対物レンズ2が接着剤3で固着されているとともに、図10に示すように、レンズホルダ1を構成するコイル取付領域12及び13には、対物レンズ2の中心に関して対称となる位置に、それぞれ2個のフォーカシング用のコイル31と1個のトラッキング用のコイル32とが固定されている。なお、図10においては、コイル取付領域13のコイル32のうち、ワイヤー取付領域15の側に配置されたコイル32は図示していない。コイル31及び32は、例えば、FP(ファインパターン)コイルからなる。
また、レンズホルダ1の外周面には、チルト用のコイル39が巻回されている。さらに、レンズホルダ1を構成するワイヤー取付領域14及び15には、導電性弾性体からなり、可撓性を有するサスペンションワイヤー33の一端側がそれぞれ3本ずつ所定間隔を隔てて半田付け固定されている。サスペンションワイヤー33の各他端側は、ベース基板34に取り付けられたワイヤーベース35の所定位置にそれぞれ固定されている。これにより、レンズホルダ1は、サスペンションワイヤー33を介してベース基板34及びワイヤーベース35に片持ち支持され、ヨークベース36、ワイヤーベース35、マグネット37及びベース基板34を含む固定部に対して相対変位可能に弾性的に支持されている。
また、6本のサスペンションワイヤー33の一端には、それぞれフォーカシング用のコイル31、トラッキング用のコイル32及びチルト用のコイル39のそれぞれの一端が半田付けされて電気的に接続されている。一方、6本のサスペンションワイヤー33の他端は、図示せぬレンズ駆動回路とそれぞれ電気的に接続されている。即ち、サスペンションワイヤー33は、レンズホルダ1を支持するための弾性体(支持体)としての機能と、各コイル31、32及び39への給電のためのリード線としての機能とを併せて有している。
なお、サスペンションワイヤー33は、板バネ、コイルスプリング、ゴム等の他の弾性体であっても良い。ヨークベース36上には、2つのヨーク38が高さ方向(フォーカス調整方向)に延伸して立設されており、それぞれ近接して立設されたマグネット37と磁気回路を構成している。
このように、本発明の実施の形態2によれば、上記した実施の形態1に係るレンズホルダ1を用いて対物レンズ駆動装置を構成している。従って、この対物レンズ駆動装置では、対物レンズ2を構成するフランジ2bの下面2bbに接着剤3が入り込むことがない。これにより、周囲温度の変化又は、この対物レンズ駆動装置を用いて構成した光ヘッド自体の温度変化に起因する接着剤3の膨張又は収縮による影響を受けず、対物レンズ2の姿勢を一定に保持することができる。よって、光ヘッドの信頼性が向上し、光ヘッド全体の光学的収差の発生を低く抑えることができる。
実施の形態3.
図11は、本発明の実施の形態3に係る光記録再生装置の構成を示す概略図である。この光記録再生装置は、上記した実施の形態2に係る対物レンズ駆動装置を用いた光ヘッド41と、スピンドルモータ42と、コントローラ43と、レーザ駆動回路44と、レンズ駆動回路45とから概略構成されている。
スピンドルモータ42は、コントローラ43の制御の下、光ディスク46を回転駆動する。コントローラ43は、光ヘッド41から供給されるフォトディテクタ検出信号に基づいて、スピンドルモータ42、レーザ駆動回路44及びレンズ駆動回路45を制御する。レーザ駆動回路44は、コントローラ43の制御の下、光ヘッド41を構成する光源(図示略)であるレーザダイオードを駆動するためのレーザ駆動信号を生成し、光ヘッド41に供給する。レンズ駆動回路45は、コントローラ43の制御の下、光ヘッド41を構成する対物レンズ12(例えば、図9参照)のフォーカシング、トラッキング及びチルトを制御するためのレンズ駆動信号を生成し、光ヘッド41に供給する。
コントローラ43は、フォーカスサーボ追従回路47と、トラッキングサーボ追従回路48と、スキュー調整回路49と、レーザコントロール回路50とを有している。フォーカスサーボ追従回路47は、光ヘッド41から供給されるフォトディテクタ検出信号に基づいて、回転している光ディスク46の情報記録面に光ヘッド41から出射された光ビームのフォーカスをかけるためのフォーカスサーボ信号を生成し、レンズ駆動回路45に供給する。
トラッキングサーボ追従回路48は、光ヘッド41から供給されるフォトディテクタ検出信号に基づいて、光ディスク46の偏芯している信号トラックに対して、光ヘッド41から出射された光ビームのビームスポットを追従させるためのトラッキングサーボ信号を生成し、レンズ駆動回路45に供給する。スキュー調整回路49は、光ヘッド41から供給されるフォトディテクタ検出信号に基づいて、光ヘッド41を構成する対物レンズ12(例えば、図9参照)をラジアル方向やタンジェンシャル方向に傾斜させるためのスキュー調整信号を生成し、レンズ駆動回路45に供給する。レーザコントロール回路50は、光ヘッド41から供給されるフォトディテクタ検出信号から抽出された光ディスク46に記録されている記録条件設定情報に基づいて、適切なレーザ駆動信号の生成を行う。
このように、本発明の実施の形態3によれば、上記した実施の形態2に係る対物レンズ駆動装置を用いて光記録再生装置を構成している。従って、光記録再生装置は、周囲温度又は光ヘッド自体の温度が急激に変化した場合であっても、光記録媒体にデータの記録又は再生を行うことができる。
実施の形態4.
上述の実施の形態1〜3では、光源が1個のみ設けられている光ヘッドや光ヘッドが1個のみ設けられている光記録再生装置の例を示したが、これに限定されない。本発明は、光源が複数個設けられている光ヘッドや光ヘッドが複数個設けられている光記録再生装置にも適用することができる。このような光ヘッド及び光記録再生装置は、例えば、特開2004−295982号公報に開示されている。
以上、この実施の形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、上述の実施の形態1では、レンズホルダ1を構成するレンズ搭載部11のレンズ挿入穴29の中心に関して隣接するものが互いに対称となる位置に4個の接着剤塗布部25〜28を形成し、それぞれに接着剤3を例えば、0.12±0.02mgだけ塗布する例を示したが、接着剤塗布部の数及び設置位置、接着剤3の塗布量はこれらに限定されない。以下、その理由を説明する。
接着剤3は、対物レンズ2をレンズホルダ1に固定するために塗布され硬化する際に収縮するとともに、上記したように、光記録再生装置の使用時に周囲温度の変化及び光ヘッド自体の温度変化により、膨張又は収縮して、その形状を変化させる。複数の接着剤塗布部をアンバランスな位置に設置したり、接着剤の塗布量に差異があったりすると、上記した接着剤の膨張又は収縮により対物レンズの姿勢が変化してしまう。これにより、上記したように、レーザダイオードから出射される光ビームが光記録媒体のデータ記録面に正しく収束されず、光記録媒体にデータの記録又は再生を行うことができなくなるおそれがある。
そこで、原則的には、複数の接着剤塗布部をレンズ挿入穴29の周囲に接着剤の応力のバランスを考えて等間隔に設けるとともに、接着剤を、対物レンズ2を構成するフランジ2bの周囲に塗布され硬化した状態において接着剤の応力の合力が打ち消されるように、各接着剤塗布部に均一に塗布することが望ましい。もっとも、本発明の目的は、接着剤が膨張又は収縮した場合でも光記録媒体にデータの記録又は再生が行えるようにすることであるから、接着剤の膨張時又は収縮時に光記録媒体にデータの記録又は再生が行えれば複数の接着剤塗布部を等間隔に設けなくても良い。また、対物レンズ2のフランジ2bやレンズホルダ1の構造上、複数の接着剤塗布部を等間隔に設けることができない場合でも、接着剤塗布部への接着剤の塗布量を調整する(例えば、接着剤塗布部ごとに接着剤の塗布量を変更する等)ことにより、対物レンズ2の姿勢を保持するようにしても良い。
また、上述の実施の形態1では、レンズホルダ1のレンズ挿入穴29に対物レンズ2を挿入した際、対物レンズ2の下面2aがレンズホルダ1のアパーチャ30の中に入る例を示したが、これに限定されない。即ち、レンズホルダ又は対物レンズの構造によっては、対物レンズの下面がレンズホルダのアパーチャの中に入らなくても良い。
本発明の実施の形態1に係るレンズホルダの構成を示す概略斜視図である。 図1に示すレンズホルダ1の平面図である。 図2のA−A'断面図である。 対物レンズの断面図である。 図2に示すレンズホルダに図4に示す対物レンズが置かれた状態を示す平面図である。 図5のA−A'断面図である。 図2に示すレンズホルダに図4に示す対物レンズが固着された状態を示す平面図である。 図7のA−A'断面図である。 本発明の実施の形態2に係る対物レンズ駆動装置の構成を示す概略斜視図である。 図9に示す対物レンズ駆動装置の組立途中の1段階を示す概略斜視図である。 本発明の実施の形態3に係る光記録再生装置の構成を示す概略図である。
符号の説明
1 レンズホルダ
2 対物レンズ
2a 下面
2b フランジ
2ba,25a〜28a 側面
2bb 下面
3 接着剤
11 レンズ搭載領域
12,13 コイル取付領域
14,15 ワイヤー取付領域
21〜24 レンズ搭載部
21a〜24a レンズ搭載面
21b〜24b レンズガイド
25〜28 接着剤塗布部
25b〜28b 上面
25c〜28c 辺
29 レンズ挿入穴
30 アパーチャ
31,32,39 コイル
33 サスペンションワイヤー
34 ベース基板
35 ワイヤーベース
36 ヨークベース
37 マグネット
38 ヨーク
41 光ヘッド
42 スピンドルモータ
43 コントローラ
44 レーザ駆動回路
45 レンズ駆動回路
46 光ディスク
47 フォーカスサーボ追従回路
48 トラッキングサーボ追従回路
49 スキュー調整回路
50 レーザコントロール回路

Claims (8)

  1. レンズ曲面の外周にフランジが形成された対物レンズが搭載され、接着剤により固着されるレンズホルダであって、
    前記対物レンズの前記フランジの下面が当接されるレンズ搭載面が形成されたレンズ搭載部と、前記接着剤が塗布される接着剤塗布部とを有し、前記レンズ搭載部と前記接着剤塗布部とは、少なくとも前記レンズ搭載面の位置では接続されていないことを特徴とするレンズホルダ。
  2. 前記レンズ搭載部は、前記対物レンズが挿入されるレンズ挿入穴の周囲に、複数形成されていることを特徴とする請求項1記載のレンズホルダ。
  3. 前記接着剤塗布部は、前記レンズ挿入穴の周囲に形成された複数のレンズ搭載部の間に複数形成されていることを特徴とする請求項2記載のレンズホルダ。
  4. 前記接着剤塗布部は、等間隔に形成されていることを特徴とする請求項3記載のレンズホルダ。
  5. 前記接着剤塗布部は、前記対物レンズを構成する前記フランジの下面が前記レンズ搭載面に当接した状態において、前記レンズ挿入穴に対向した側面のうち上面となす辺及びその近傍のみが、前記フランジの側面に対向する部分と当接又は近接するように形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のレンズホルダ。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載のレンズホルダを備えることを特徴とする対物レンズ駆動装置。
  7. 請求項6記載の対物レンズ駆動装置を備えることを特徴とする光ヘッド。
  8. 請求項7記載の光ヘッドを備えることを特徴とする光記録再生装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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