JP2009063062A - プロペラシャフト用ダイナミックダンパ - Google Patents

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洋司 三木
Kiyoshi Tanimoto
潔 谷本
Narihiro Koi
成弘 小井
Takushi Wakao
拓史 若尾
Naoki Takihara
直樹 滝原
Masaya Tashiro
雅也 田代
Makoto Ikeda
真 池田
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Abstract

【課題】プロペラシャフトへの装着が比較的簡単で、かつプロペラシャフトの回転中に軸方向へずれるのを防止できるプロペラシャフト用ダイナミックダンパを提供する。
【解決手段】円筒状のアウタパイプ2と、アウタパイプ2の軸心に配置されたインナウエイト3と、両者を弾性的に連結するマウントラバー4とを備え、プロペラシャフト10の中空部内に装着される。アウタパイプ2の軸方向両端部に拡径部2bが形成され、拡径部の近傍に複数の貫通孔2dが形成され、貫通孔2dに嵌合するばね弾性を持つ複数の爪部5cを周方向に間隔をあけて設けた円筒状のクリップ5がアウタパイプ2の両端部に挿入される。クリップ5をアウタパイプ2の軸方向端部より挿入することにより、爪部5cが貫通孔2dを通して外周方向へ突出し、プロペラシャフト10の中空部内壁に圧接する。
【選択図】 図1

Description

本発明はプロペラシャフトの中空部内に装着され、プロペラシャフトの回転に伴う共振現象を抑制するダイナミックダンパに関するものである。
従来、変速機から出力された動力を駆動輪に伝達するため、中空状のプロペラシャフトが用いられるが、プロペラシャフトにエンジン振動が伝わって、プロペラシャフトと共振し、こもり音と呼ばれる騒音や振動を引き起こす。このような共振対策として、図9に示すようにプロペラシャフト20の中空部内にダイナミックダンパ30を装着した例が種々提案されている。
特許文献1に記載されたダイナミックダンパ30は、図10に示すように、円筒状のアウタパイプ(外筒部材)31と、アウタパイプ31の軸心に配置されたインナウエイト(重り)32と、アウタパイプ31とインナウエイト32との間を弾性的に連結するマウントラバー(制振部材)33とを備えており、アウタパイプ31をプロペラシャフト20の内部に圧入している。アウタパイプ31の外径はプロペラシャフトの中空部内に圧入した状態で半径方向のガタや軸方向のずれが発生しないような寸法設定とされている。しかし、アウタパイプ31の外径およびプロペラシャフト20の内径にはバラツキがあるので、アウタパイプ31をプロペラシャフト20の中空部に安定して圧入固定することが困難である。また、通常のプロペラシャフトは、その厚みが1.6mm程度と薄いため、アウタパイプ31をプロペラシャフトの中空部内に無理に圧入すると、プロペラシャフトの歪みが大きくなり、機械的強度が低下するという問題がある。
このような欠点を補うものとして、図11に示すように、プロペラシャフト20の中空部内にマウントラバー40を直接接着するものがある。41はインナウエイトである。この場合には、プロペラシャフト20に歪みが発生する恐れはないが、プロペラシャフト20が長くなると、中空部の奥に入った箇所にラバー40を接着することが困難になり、作業性が悪化し、コスト高になるという問題がある。
図12に示すように、アウタパイプ50の外径をプロペラシャフトの内径より所定量大きく設定するとともに、アウタパイプ50に軸方向のスリット51を形成し、アウタパイプ50の半径方向の弾性によってプロペラシャフトに装着するダイナミックダンパがある(特許文献2)。なお、52はインナウエイト、53はマウントラバーである。この場合には、スリット51によってアウタパイプ50のプロペラシャフトへの圧接力が低下するので、走行中ダイナミックダンパに半径方向のガタや軸方向のずれが発生する可能性がある。
図13は、アウタパイプ60に半径方向外側へ膨出する複数の膨出部61を周方向に間隔をあけて形成し、これら膨出部61をプロペラシャフトの中空部内壁に圧接させる構造のダイナミックダンパである(特許文献3)。なお、62はインナウエイト、63はマウントラバーである。この場合には、プロペラシャフトの内径のバラツキを吸収して圧入できるので、図10に記載のダイナミックダンパに比べると、圧入固定の安定性が増すが、膨出部の外径寸法の精度を出す必要があり、加工コストが高くつく可能性がある。
図14は、アウタパイプ70の両端部に拡径部71,72を形成し、その拡径部71,72に切り込み71a,72aを入れることにより、半径方向の弾性を付与した構造のダイナミックダンパである(特許文献4)。なお、73はインナウエイト、74はマウントラバーである。この場合には、アウタパイプ70自身のばね弾性を利用してプロペラシャフトに圧入するものであるが、アウタパイプ70には強度上ある程度の厚みが必要であるため、切り込みを入れただけで十分な弾性が付与できるとは限らない。逆に、切り込み71a,72aを多くすると、アウタパイプ70の強度が低下し、プロペラシャフトへの圧接力が低くなるので、走行中にダイナミックダンパが軸方向にずれる可能性がある。
図15は、アウタパイプ80に軸方向のスリット81を形成し、アウタパイプ80の両端部の内側にスナップリング82を装着することによりアウタパイプ80の両端部を拡径させ、プロペラシャフトの中空部内壁に圧接させる構造のダイナミックダンパである(特許文献5)。なお、83はインナウエイト、84はマウントラバーである。しかし、この構造では、スナップリング82によってアウタパイプ80の両端部を拡径させる必要があるため、強力なスナップリング82を必要とし、アウタパイプ80への装着が極めて困難である。一方、アウタパイプ80を薄肉にしてその機械的強度を低くする方法もあるが、この場合には走行中にダイナミックダンパが軸方向にずれる可能性がある。
実開平4−27238号公報 実開平4−122843号公報 特開平8−290722号公報 特開平8−86331号公報 特開平8−86330号公報
そこで、本発明の目的は、プロペラシャフトへの装着が簡単で、かつプロペラシャフトに対して安定して取り付けることができるプロペラシャフト用ダイナミックダンパを提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明は、円筒状のアウタパイプと、前記アウタパイプの軸心に配置されたインナウエイトと、前記アウタパイプと前記インナウエイトとの間を弾性的に連結するマウントラバーとを備え、プロペラシャフトの中空部内に装着されるダイナミックダンパにおいて、前記アウタパイプに円周方向に間隔をあけて複数の貫通孔が形成され、前記貫通孔に嵌合するばね弾性を持つ複数の爪部を周方向に間隔をあけて設けた円筒状のクリップが、前記アウタパイプの内側に挿入自在であり、前記クリップを前記アウタパイプの少なくとも軸方向一端部より挿入することにより、前記爪部が前記貫通孔を通してアウタパイプより半径方向外側へ突出し、プロペラシャフトの中空部内壁に圧接することを特徴とするプロペラシャフト用ダイナミックダンパを提供する。
アウタパイプの外径寸法を高精度に設定しても、プロペラシャフトの内径にバラツキがあると、アウタパイプをプロペラシャフトに安定して固定できない。本発明では、アウタパイプの内側に円筒状クリップを挿入し、クリップに形成したばね弾性を持つ爪部をアウタパイプの貫通孔から外方へ突出させ、プロペラシャフトの中空部内壁に圧接させている。つまり、アウタパイプの弾性を利用するのではなく、アウタパイプとは別体のクリップを用いてプロペラシャフトに取り付ける。クリップは、アウタパイプとは異なり、十分なばね弾性を持つ材料(例えば薄板ばね)で形成できるので、プロペラシャフトの内径が多少ばらついても、爪部を所望のばね圧でプロペラシャフトに圧接させることが可能である。爪部がプロペラシャフトに圧接することにより、クリップの半径方向のガタや軸方向ずれが防止され、爪部はアウタパイプの貫通孔に嵌まり込んでいるので、アウタパイプのずれも防止される。
好ましい実施形態によれば、アウタパイプの軸方向両端部に、プロペラシャフトの中空部内壁にほぼ接する外径を持つ拡径部を形成し、貫通孔をアウタパイプの軸方向両端部の近傍に形成し、クリップの爪部をアウタパイプへの挿入方向と逆方向に向かって半径方向外側へ傾斜するように曲げ起こされたばね片とし、一対のクリップをアウタパイプの軸方向両端部から対向方向に挿入したダイナミックダンパとしてもよい。アウタパイプの軸方向両端部に拡径部を形成した場合には、単純な円筒形状とした場合に比べて、拡径部のみを寸法管理すればよいので、円筒形状より寸法管理が容易である。拡径部の外径はプロペラシャフトに圧入したとき、プロペラシャフトに過大歪みを発生させない寸法に設定される。アウタパイプの両端部から一対のクリップが対向方向に挿入されているため、固定安定性が増すとともに、一対のクリップの爪部が互いに逆方向(軸方向外側)を向くので、アウタパイプの軸方向ずれを確実に防止できる。また、爪部を傾斜状ばね片であるため、爪部の傾斜にそって圧入すれば、ダイナミックダンパをプロペラシャフトに容易に圧入でき、逆方向には抜けを確実に防止できる。
好ましい実施の形態によれば、アウタパイプの拡径部を断面山形に形成し、クリップの爪部を拡径部の内周側溝部に係合して仮止めし、仮止め状態におけるクリップの一部がアウタパイプの軸方向端部から突出するようにし、クリップの突出部をアウタパイプの軸方向内側へ押し込むことにより、クリップの爪部を貫通孔に嵌合させてもよい。この場合には、長尺なプロペラシャフトの奥に本ダイナミックダンパを設定する場合でも、クリップをアウタパイプの少なくとも一端部に仮止めしておき、本ダイナミックダンパをプロペラシャフトの中に挿入した後で、クリップだけをアウタパイプに押し込めば、爪部が拡径部の内周側溝部を乗り越えて貫通孔に嵌合し、爪部をプロペラシャフトの内壁に圧接させることができる。つまり、本ダイナミックダンパをプロペラシャフトの内部に抵抗なく挿入でき、かつ確実に抜け止めすることができる。
以上のように、本発明にかかるダイナミックダンパによれば、アウタパイプの少なくとも一方の端部から円筒状クリップを挿入し、その爪部をアウタパイプの貫通孔を介してプロペラシャフトの中空部内壁に圧接させるようにしたので、アウタパイプの半径方向のガタや軸方向ずれをクリップの爪部のばね弾性で確実に防止できる。そのため、プロペラシャフトの内径に多少のバラツキがあっても、爪部の弾性で吸収でき、ダイナミックダンパをプロペラシャフトの内部に簡単かつ安定して取り付けることができる。
以下に、本発明の実施の形態を、実施例を参照して説明する。
図1は本発明にかかるダイナミックダンパの一例をプロペラシャフトに取り付けた状態を示し、図2はダイナミックダンパの半断面側面図、図3は図2のA−A線断面図、図4は分解斜視図である。
本ダイナミックダンパ装置1は、図1〜図4に示すように、プロペラシャフト10の中空部に挿入される円筒状のアウタパイプ2と、アウタパイプ2の軸心に配置された円柱状のインナウエイト3と、アウタパイプ2とインナウエイト3との間を弾性的に連結するマウントラバー4と、アウタパイプ2の軸方向両端部に装着された一対のクリップ5とを備えている。アウタパイプ2およびインナウエイト3は鋼材のような高強度の金属材料で形成されている。
アウタパイプ2の軸方向中央部には円筒状の胴部2aが形成されており、この胴部2aの軸方向両端部にはプロペラシャフト10の中空部内壁に接触する拡径部2bが形成されている。この実施例の拡径部2bは、円周状の稜線を持つ断面山形の膨出部であり、軸方向端部にはアウタパイプ2をプロペラシャフト10に挿入する際のガイドとなるテーパ面2cが形成されている。拡径部2cの外径寸法Daは、アウタパイプ2をプロペラシャフト10に挿入したとき、プロペラシャフト10との間にガタを発生させず、かつプロペラシャフト10に過大歪みを発生させない寸法に設定するのが望ましい。すなわち、プロペラシャフト10の内径をDpとすると、次のように設定するのが望ましい。
Dp≦Da≦Dp+α
ここで、αとはプロペラシャフト10に過大歪みを発生させない範囲での最大バラツキである。
なお、拡径部2bはアウタパイプ2の胴部2aの外径より僅かでも大きくしてあればよく、図2のように胴部2aに比べてアウタパイプ2の厚み以上に大きくする必要はない。
アウタパイプ2の軸方向両端の内径寸法は、胴部2aの内径寸法にほぼ等しく設定されている。アウタパイプ2の拡径部2b近傍の胴部2aには、内外に貫通する複数の貫通孔2dが円周方向に間隔をあけて形成されている。この実施例では、90°間隔で4個の貫通孔2dが形成されている。
マウントラバー4は、アウタパイプ2の内周面とインナウエイト3の外周面とにそれぞれ加硫接着されている。マウントラバー4には、軸方向に貫通する複数の空洞部4aが形成されている。この実施例では、90°間隔で4個の空洞部4aが形成されている。前記貫通孔2dはマウントラバー4の空洞部4aと対応する箇所に形成されている。アウタパイプ2の内周面に接着されるマウントラバー4の接着部は、アウタパイプ2の軸方向両端部より内側に入った位置で終端となっており、少なくとも拡径部2bの内周面まで広がらないように設定されている。
クリップ5は、アウタパイプ2より薄肉で、ばね性に富む金属製板ばね材で一体に形成されている。クリップ5は、アウタパイプ2の中に摺動自在に挿入される円筒部5aと、円筒部5aから軸方向に突出する複数(ここでは4個)の突片5bとを備えている。各突片5bはマウントラバー4の空洞部4aに挿入される。円筒部5aの外径は、アウタパイプ2の胴部2aの内径と同寸または僅かに小さく設定され、円筒部5aの軸方向寸法は、拡径部2bの軸方向寸法と同長又はそれより長く設定されている。突片5bには、前記貫通孔2dに嵌合可能なばね片よりなる爪部5cが形成されている。爪部5cは、突片5bの突出方向と逆方向に向かって半径方向外側へ傾斜するように曲げ起こされている。自由状態における爪部5cの先端を結ぶ包絡円の直径Dcは、爪部5cがプロペラシャフト10の内壁に確実に圧接できるような寸法に設定されている。すなわち、
Dp+β≦Dc
とするのが望ましい。ここで、βは爪部5cの撓み代であり、β>αとされている。つまり、自由状態の爪部5cの外径Dcはアウタパイプ2の拡径部2bの外径Daより大きい。
上述のように、クリップ5の円筒部5aの外径寸法はアウタパイプ2の胴部2aの内径と同寸または僅かに小さく設定されているので、クリップ5をアウタパイプ2の軸方向両端から挿入すると、爪部5cがアウタパイプ2によって内側へ撓められ、貫通孔2dに嵌合することによって、クリップ5はアウタパイプ2に対して抜け止めされる。さらに、爪部5cは拡径部2bより半径方向外方へ突出するので、爪部5cがプロペラシャフト10の内壁に弾性的に圧接し、ダイナミックダンパ1をプロペラシャフト10に対して抜け止めすることができる。特に、アウタパイプ2の軸方向両端部に装着された一対のクリップ5の爪部5cは、互いに逆方向に傾斜しているので、これら爪部5cのエッジがプロペラシャフト10の内壁に食い込むことで、ダイナミックダンパ1の軸方向ずれを確実に防止できる。
ダイナミックダンパ1をプロペラシャフト10の中に装着する場合、一対のクリップ5をアウタパイプ2に予め取り付けた後で、ダイナミックダンパ1をプロペラシャフト10に圧入してもよいが、両方のクリップ5の爪部5cが逆向きに立っているので、圧入しにくい。そこで、まず一方のクリップ5だけをアウタパイプ2に取り付け、このダイナミックダンパ1をプロペラシャフト10の所定位置まで圧入する。この圧入作業は、クリップ5の爪部5cの傾斜にそって順方向に圧入すればよいので、過大な抵抗なく圧入できる。その後、他方のクリップ5をプロペラシャフト10に挿入し、所定の治具でクリップ5の円筒部5aの端部を押すことにより、爪部5cをアウタパイプ2の貫通孔2dに嵌合させ、装着を完了することができる。但し、他方のクリップ5をプロペラシャフト10に挿入する際、爪部5cと貫通孔3cとが正確に対応するように、クリップ5の回転方向の向きを定めておく必要がある。
図5は、ダイナミックダンパ1をプロペラシャフト10に装着する方法の他の例を示す。この例では、ダイナミックダンパ1をプロペラシャフト10に挿入する前の段階で、爪部5cがアウタパイプ2の拡径部2bの内周側溝部2b’に係合するようにクリップ5をアウタパイプ2に仮止めしておく。このとき、爪部5cはやや内径方向に撓められた状態で内周側溝部2b’に係合しているので、クリップ5がアウタパイプ2に対してガタついたり外れることがない。なお、爪部5cと貫通孔2dとが同じ向きになるように仮止めしておくのがよい。仮止め状態におけるクリップ5の円筒部5aの一部はアウタパイプ2の軸方向端部から突出している。
前述のようにクリップ5をアウタパイプ2に仮止めしたダイナミックダンパ1をプロペラシャフト10に挿入すると、アウタパイプ2の拡径部2bだけがプロペラシャフト10の内壁に接触するので、抵抗なく円滑に挿入できる。所定位置まで挿入した後、アウタパイプ2から突出したクリップ5の円筒部5aを円環状の治具Wで押し込むと、爪部5cが拡径部2bの内周側溝部2b’を乗り越えて貫通孔2dに嵌合し、図1と同様に爪部5cのエッジがプロペラシャフト10の内壁に圧接するため、ダイナミックダンパ1を安定して取り付けることができる。しかも、クリップ5は爪部5cと貫通孔2dとが同じ向きになるように仮止めされているので、治具Wで押し込むだけで爪部5cを貫通孔2dに確実に嵌合させことができ、クリップ5の向きを調整する必要がない。このように、上述の装着方法を利用すれば、ダイナミックダンパ1のプロペラシャフト10への挿入が容易で、かつ軸方向ずれも確実に防止することができる。
図6,図7は本発明にかかるダイナミックダンパの第2実施例を示す。第1実施例と同一部分には同一符合を付して重複説明を省略する。この実施例のダイナミックダンパ1Aでは、アウタパイプ2の貫通孔2dを拡径部2b上に形成するとともに、クリップ5の突片5bを省略し、円筒部5aに一対の切り込み5dを入れてその中間部を曲げ起こすことにより爪部5cを形成してある。この実施例の場合も、爪部5cの外径(包絡円の外径)が拡径部2bの外径より大きく、爪部5cがプロペラシャフト10の内壁に圧接することにより、ダイナミックダンパ1Aの軸方向ずれを防止することができる。
図8は本発明にかかるダイナミックダンパの第3実施例を示す。第1実施例と同一部分には同一符合を付して重複説明を省略する。この実施例のダイナミックダンパ1Bでは、アウタパイプ2の軸方向両端部に形成されていた拡径部を省略し、単純な円筒形状としてある。クリップ5に複数の突片5bを形成するとともに、各突片5bに周方向及び軸方向に距離をおいて2個の爪部5c1 ,5c2 を形成してある。アウタパイプ2にはこれと嵌合する貫通孔2d1 ,2d2 が形成されている。この実施例は、1個のクリップ5をアウタパイプ2の一方側から挿入する例であり、爪部5c1 ,5c2 がアウタパイプ2の外周面から千鳥配置で突出する。なお、爪部5c1 ,5c2 の位置は千鳥状に限るものではなく、軸方向に距離をおいて配置されておればよい。このように軸方向に距離をおいて2種類の爪部5c1 ,5c2 がプロペラシャフト10の内壁に圧接するので、ダイナミックダンパ1Bの軸方向のずれだけでなく、その傾きも防止することができる。
第3実施例のように、アウタパイプの拡径部は必須ではなく、省略可能である。アウタパイプに拡径部を形成する場合、その形状は断面山形に限るものではなく、テーパ状に拡径した形状でもよいし、段差形状でもよい。さらに、拡径部は周方向に連続した稜線を持つ形状とする必要はなく、間欠的に外周部へ突出した複数の凸部で構成してもよい。
クリップの爪部の形状は、実施例のような半径方向外側へ傾斜するように曲げ起こされ、先端エッジがプロペラシャフトに内壁に接触するばね片に限るものではなく、先端が山形に折り曲げられた形状でもよく、ばね弾性によってプロペラシャフトの内壁に圧接するものであれば、如何なる形状でもよい。
本発明にかかるダイナミックダンパの第1実施例をプロペラシャフトに装着した状態の断面図である。 図1に示すダイナミックダンパの半断面側面図である。 図2のA−A線断面図である。 図1に示すダイナミックダンパの分解斜視図である。 図1に示すダイナミックダンパの取り付け方法を示す図である。 本発明にかかるダイナミックダンパの第2実施例をプロペラシャフトに装着した状態の半断面図である。 図6に示すダイナミックダンパの分解斜視図である。 本発明にかかるダイナミックダンパの第3実施例の分解斜視図である。 従来のダイナミックダンパを装着したプロペラシャフトの一部を破断した側面図である。 従来のダイナミックダンパの一例の断面図である。 従来のダイナミックダンパの他の例の断面図である。 従来のダイナミックダンパのさらに他の例の断面図である。 従来のダイナミックダンパのさらに他の例の断面図である。 従来のダイナミックダンパのさらに他の例の断面図である。 従来のダイナミックダンパのさらに他の例の断面図である。
符号の説明
1 ダイナミックダンパ
2 アウタパイプ
2a 胴部
2b 拡径部
2c テーパ部
2d 貫通孔
3 インナウエイト
4 マウントラバー
5 クリップ
5a 円筒部
5b 突片
5c 爪部
10 プロペラシャフト

Claims (3)

  1. 円筒状のアウタパイプと、前記アウタパイプの軸心に配置されたインナウエイトと、前記アウタパイプと前記インナウエイトとの間を弾性的に連結するマウントラバーとを備え、プロペラシャフトの中空部内に装着されるダイナミックダンパにおいて、
    前記アウタパイプに円周方向に間隔をあけて複数の貫通孔が形成され、
    前記貫通孔に嵌合するばね弾性を持つ複数の爪部を周方向に間隔をあけて設けた円筒状のクリップが、前記アウタパイプの内側に挿入自在であり、
    前記クリップを前記アウタパイプの少なくとも軸方向一端部より挿入することにより、前記爪部が前記貫通孔を通してアウタパイプより半径方向外側へ突出し、プロペラシャフトの中空部内壁に圧接することを特徴とするプロペラシャフト用ダイナミックダンパ。
  2. 前記アウタパイプの軸方向両端部に、プロペラシャフトの中空部内壁にほぼ接する外径を持つ拡径部が形成されており、
    前記貫通孔は前記アウタパイプの軸方向両端部の近傍に形成され、
    前記クリップの爪部は前記アウタパイプへの挿入方向と逆方向に向かって半径方向外側へ傾斜するように曲げ起こされたばね片であり、
    一対の前記クリップが前記アウタパイプの軸方向両端部から対向方向に挿入されていることを特徴とする請求項1に記載のプロペラシャフト用ダイナミックダンパ。
  3. 前記拡径部は断面山形に形成されており、
    前記クリップの爪部は前記拡径部の内周側溝部に係合して仮止めされ、仮止め状態におけるクリップの一部がアウタパイプの軸方向端部から突出しており、
    前記クリップの突出部をアウタパイプの軸方向内側へ押し込むことにより、前記クリップの爪部が前記貫通孔に嵌合することを特徴とする請求項1または2に記載のプロペラシャフト用ダイナミックダンパ。
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