JP2009063026A - 作業車両 - Google Patents

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Atsushi Terajima
淳 寺島
Keiji Matsumoto
圭司 松本
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Abstract

【課題】原動機からの動力を左右の減速装置を介して左右の駆動輪に伝達する作業車両において、車輪のスリップを検出し、車輪がスリップした場合は変速装置の種類に係わらず滑らかなスリップ制御を行う作業車両を提供する。
【解決手段】前記減速装置を構成する遊星歯車機構7と、遊星歯車機構7を構成するリングギヤ44を制動する制動手段104と、駆動輪9のスリップの発生を検出するスリップ検出手段と、制動手段104及び前記スリップ検出手段が接続されたコントローラ100と、を具備し、コントローラ100により駆動輪9にスリップが発生したと判断された時に、コントローラがスリップ発生側の制動手段104を操作する。
【選択図】図4

Description

本発明は、原動機からの動力を左右の減速装置を介して左右の駆動輪に伝達する作業車両であって、スリップ抑制制御機構を備えた作業車両の技術に関する。
従来、作業車両の車輪のスリップを検知し、スリップを検知した場合はスリップを抑制するように制御する作業車両は知られている。スリップを抑制する制御(以下、「スリップ制御」と呼ぶ。)の方法としては、変速装置を自動的に低速側に変速して車軸の回転数を減少させることにより駆動力を低下させる方法や、作業車両に作業機を装着し耕耘等の作業を行っている場合に、作業機を自動的に設定高さ上昇させてスリップを抑制する方法がある(特許文献1参照。)。
上述のようにスリップを抑制することで、スリップによる駆動力の浪費や、作業車両が不安定な状態になることを防止することが可能となる。
特開2006−218974号公報
しかし、前述の特許文献1のような変速装置を低速側に変速してスリップを抑制する制御方法では、特に変速装置がマニュアルトランスミッションなどの有段変速装置である場合、変速時に急な速度変化によるショックが発生することがある。さらに、スリップした車輪に合わせて変速装置を低速側に変速するため、全車輪の回転数が低下する。つまり、スリップした車輪だけでなく、それ以外の全車輪の回転数も低下し、作業車両自体の速度が低下し、例えば均平作業などでは減速した時に圃場の表面に凹凸等の大きな変化が生じてしまう。
また、作業機を自動的に設定高さ上昇させてスリップを抑制する制御方法では、耕深が安定しないなどの作業精度の悪化を伴う場合がある。
そこで本発明は、変速装置の種類に係わらず滑らかで必要以上に駆動力を低下させる事のないスリップ制御を行う作業車両を提供することを目的とする。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、原動機からの動力を変速する変速装置と、前記変速装置により変速した動力を左右に分配する分配部と、を具備し、前記分配部により分配された動力を左右の減速装置及び駆動車軸を介して左右の駆動輪に伝達する作業車両であって、前記減速装置を構成する遊星歯車機構と、前記遊星歯車機構を構成するリングギヤを制動する第一制動手段と、前記駆動輪のスリップの発生を検出するスリップ検出手段と、前記第一制動手段及び前記スリップ検出手段が接続された制御手段と、を具備し、前記制御手段により前記駆動輪にスリップが発生したと判断された時に、前記制御手段がスリップ発生側の前記第一制動手段を操作するものである。
請求項2においては、前記分配部の上流に原動機からの動力を制動する第二制動手段を具備するものである。
請求項3においては、前記変速装置を油圧式無段変速装置により構成し、前記スリップ検出手段を、前記油圧式無段変速装置を構成する油圧モータと油圧ポンプとの間を連通する閉回路油路内の圧力を検出する圧力検出手段と、前記駆動輪の回転数を検出する回転数検出手段と、により構成したものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1の如く構成することで、スリップした車輪に対してスリップ制御を行うことが可能である。また、変速装置の種類に係わらず滑らかなスリップ制御を行うことが可能である。さらに、減速装置を遊星歯車機構で構成することにより、コンパクトに構成することが可能である。
請求項2の如く構成することで、小さい制動トルクで作業車両を制動することができる。
請求項3の如く構成することで、理想回転数と実回転数との比較により作業車両のスリップを検出することができる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
まず、作業車両1の構成及び動力伝達の概要について図1を用いて説明する。図中矢印Aの方向を機体右方向とする。
原動機であるエンジン2の動力は、クラッチ3及びミッションケース内に具備された油圧式無段変速装置(HST:Hydraulic Static Transmission。以下、単に「HST」という。)4を介して差動装置5へ伝達される。差動装置5は動力を分配する分配部である。差動装置5により分配された動力は左右のサンギヤ軸6よりそれぞれ遊星歯車機構7へ伝達される。遊星歯車機構7は減速装置である。また、サンギヤ軸6、遊星歯車機構7、駆動車軸8、及び駆動輪9の構成は機体の左右で対称である。
遊星歯車機構7において減速された動力は、駆動車軸8を介してホイール式の車輪である駆動輪9へ伝達される。駆動車軸8は、駆動輪9を支持する車軸である。また、差動装置5の左右には、差動装置5により分配された動力を制動する制動装置10が具備されている。
本実施例において駆動輪9はホイール式の駆動輪としたが、本発明はこれに限るものではなく、駆動輪と従動輪との間に履帯が巻回されたクローラ式走行装置における駆動輪であってもよい。また、本実施例において作業車両1の駆動輪は左右各一輪ずつとしたが、本発明はこれに限るものではなく、前後輪全てが駆動輪である四輪駆動の作業車両でもよい。四輪駆動の作業車両には、例えば、HST4より取り出した前輪駆動動力を機体前方へ伝達し、差動装置を介して左右の前輪に伝達するようなものがある。この場合には、左右の前輪にも減速装置である遊星歯車機構を具備する。
HST4は、主に可変容量型の油圧ポンプ20、固定容量型の油圧モータ21、可動斜板22等により構成されている。
可変容量型の油圧ポンプ20と固定容量型の油圧モータ21とは、閉回路油路23により流体的に接続されている。
可動斜板22は、油圧ポンプ20に設けられており、運転部に設けられた変速操作手段(図示せず)と連係されている。オペレータが前記変速操作手段を操作することにより、可動斜板22の傾斜角を調節することができる。この操作により油圧ポンプ20の容積を変更して、圧油の吐出量及び吐出方向を変更することができる。
上記のような構成により、エンジン2からの動力を油圧ポンプ20に入力し、前記変速操作手段により油圧ポンプ20の可動斜板22を中立位置から任意の角度だけ傾動させることによって、油圧ポンプ20は圧油を吐出する。油圧ポンプ20により吐出された圧油は、閉回路油路23を介して油圧モータ21へ圧送され、前記圧油によって油圧モータ21は回転し、動力が下流へと伝達される。
ここで、図2及び図3を用いて遊星歯車機構7の構成について説明する。遊星歯車機構7は主にサンギヤ40、三個のプラネタリギヤ41・41・41、キャリア43、リングギヤ44等から構成される。本実施例における遊星歯車機構7はプラネタリギヤ41を三個具備するものとしたが、本発明におけるプラネタリギヤの個数はこれに限るものではない。
サンギヤ軸6はサンギヤ40の中心に軸装されている。サンギヤ40の周縁にはプラネタリギヤ41・41・41が歯合されている。プラネタリギヤ41・41・41はリングギヤ44の内周に設けられた歯と歯合されている。また、プラネタリギヤ41・41・41の中心にはそれぞれプラネタリギヤ軸42・42・42の一端が軸装されている。プラネタリギヤ軸42・42・42の他端はキャリア43に軸支されている。キャリア43の中心には駆動車軸8が軸装されている。また、リングギヤ44は回転不可能に固定されている。
上記のように構成された遊星歯車機構7の動力伝達について説明する。サンギヤ軸6より入力された動力は、サンギヤ40を介してプラネタリギヤ41・41・41に伝達する。プラネタリギヤ41・41・41は自転しながらサンギヤ40の周縁を公転する。プラネタリギヤ41・41・41の公転運動はプラネタリギヤ軸42・42・42を介してキャリア43に伝達し、キャリア43は回転する。つまりは駆動車軸8及び駆動輪9が回転する。
上記の減速装置である遊星歯車機構7によって、サンギヤ軸6より入力された動力は減速され、駆動車軸8より出力される。
次に、図4に示すような本発明の一実施例における、スリップ制御に関する構成について説明する。
左右の駆動車軸8の中途部には回転センサ101が具備されている。回転センサ101は、駆動車軸8の回転数、つまりは駆動輪9の回転数を検出する回転数検出手段である。回転センサ101は、制御手段であるコントローラ100に接続されている。回転センサ101は、それぞれ駆動車軸8の回転数を常時検出し、検出した回転数をそれぞれ検出信号RR及びRLとしてコントローラ100へ送信する。
また、閉回路油路23の中途部には圧力センサ102が具備されている。圧力センサ102は閉回路油路23内の圧力を検出する圧力検出手段である。圧力センサ102はコントローラ100に接続されている。圧力センサ102は、閉回路油路23内の圧力を常時検出し、検出した圧力を検出信号Pとしてコントローラ100へ送信する。
回転センサ101により検出された回転数と、圧力センサ102により検出された圧力と、によりスリップの発生を検出する。つまり、回転センサ101及び圧力センサ102は作業車両1のスリップの発生を検出するスリップ検出手段である。
図4及び図5に示すように、リングギヤ44の外周には、制動ギヤ45が歯合されている。制動ギヤ45の中心には制動ギヤ軸46の一端が軸装されている。制動ギヤ軸46の他端には、制動手段104が具備されている。制動手段104は制動ギヤ軸46、制動ギヤ45を介してリングギヤ44の回転を制動するものである。制動手段104はアクチュエーター103に接続されている。リングギヤ44を制動する第一制動手段は、アクチュエーター103と制動手段104により構成されている。アクチュエーター103はコントローラ100に接続されている。左右のアクチュエーター103は、それぞれコントローラ100からの制御信号CR及びCLにより制動手段104を駆動するものである。前記制動手段(第一制動手段、第二制動手段)は、例えばディスクブレーキ、ドラム式ブレーキ、多板式のブレーキ等であり、アクチュエーター103は油圧シリンダ、モーター等であり、限定するものではない。
また、左右の遊星歯車機構7のリングギヤ44を制動する制動手段104を設けたことで、図1に示した差動装置5は不要となる。つまり、作業車両1の左右の動力に差をつけて分配するという差動装置5の働きを、リングギヤ44の回転を制動する制動手段104によって置き換える事ができる。これによって分配部に差動装置は不要となり、図4に示すように、図1における差動装置5を、ベベルギヤからなる分配部5aに置き換える事ができる。分配部5aはエンジンからの動力を左右に均等に分配する。
図4に示すように、差動装置5を分配部5aに置き換えたことにより、分配部5aの上流側でありHST4の下流側に、エンジン2からの動力を制動する第二制動手段である制動手段11を具備する構造にすることができる。これにより図1で示した制動装置10が不要となる。つまり、差動装置5を分配部5aに置き換えたことで、分配部5aの下流側で動力を制動する必要がなくなり、分配部5aの上流側で動力を制動すれば作業車両1の左右への動力が同時に制動されることになる。よって、制動手段11は一つで済み、ブレーキ容量も小さくて済む。
また本実施例においては、分配部5aの上流側でありHST4の下流側に制動手段11を具備するものとしたが、本発明はこれに限るものではない。つまり、第二制動手段は一つの制動手段により作業車両1を制動することが可能な位置に配置すれば良く、例えば、HST4の上流側でありクラッチ3の下流側や、HST4の内部などに配置する構成でも良い。
上記のような構成におけるスリップ制御の制御態様について図4及び図5を用いて説明する。
走行時や作業時においてスリップが発生していない場合、コントローラ100はアクチュエーター103に制動手段104を駆動させる制御信号CR及びCLを送信する。これにより、アクチュエーター103は制動手段104を駆動し、制動ギヤ軸46、制動ギヤ45を介してリングギヤ44の回転を制動する。
左右の回転センサ101は、それぞれ駆動輪9の回転数を常時検出し、検出した回転数をそれぞれ検出信号RR及びRLとしてコントローラ100へ送信する。
また、圧力センサ102は、閉回路油路23内の圧力を常時検出し、検出した圧力を検出信号Pとしてコントローラ100へ送信する。
コントローラ100は受信した検出信号RR、RL及びPから駆動輪9・9のスリップの有無を判断する。
コントローラ100によりスリップが発生したと判断された場合、コントローラ100はスリップ発生側のアクチュエーター103に制動手段104の駆動を解除させる制御信号を送信する。
図5に示すように、制動手段104によるリングギヤ44の制動が解除されると、リングギヤ44と歯合されているプラネタリギヤ41・41・41の回転によってリングギヤ44が回転する。これにより、サンギヤ軸6より入力された動力は、キャリア43とリングギヤ44へ分配されて伝達する。つまり、キャリア43及び駆動車軸8を介して駆動輪9へと伝達される動力が減少する。
このように、リングギヤ44の制動を解除することで遊星歯車機構7に入力される動力を分配し、駆動車軸8へと出力される動力を減少させることで、スリップしている駆動輪9の回転速度を減速し、グリップ力を増加させ、スリップを抑制する。
本実施例の如く構成することで、スリップした駆動輪に対してスリップ制御を行うことが可能となる。これによって作業車両1自体の駆動力を必要以上に減少させることがなく、スリップ制御が必要な駆動輪の駆動力を減少させるだけでスリップ制御が可能となる。但し、スリップが発生した場合、制動手段11を作動させて駆動車軸8へと出力される動力を減少させてスリップを抑制するようにすることも可能である。この場合、制動手段104・104は旋回のために使用される。
また、スリップ制御時には遊星歯車機構7によりエンジン2からの動力を分配し、駆動輪9へ伝達される動力を減少させるため、滑らかなスリップ制御を行うことが可能となる。つまり、本実施例においては、スリップ制御時に変速装置を変速することがないため、急激な速度変化のない滑らかなスリップ制御を行うことができる。
また、左右の減速装置として遊星歯車機構7を用いることにより、同じ減速比の平行軸上に配置した歯車減速機構を用いる場合よりも減速比が大きく前記減速装置をコンパクトに構成することができる。
さらに、差動装置5を分配部5aに置き換えたことにより、駆動輪のスリップや空転時におけるオペレータによるデフロック操作が不要となる。
ここで、検出信号RR、RL及びPから駆動輪9・9のスリップの有無を判断する方法について説明する。
圧力センサ102は、閉回路油路23内の圧力を常時検出し、検出した圧力を検出信号Pとしてコントローラ100へ送信する。コントローラ100は、検出信号Pに基づいて駆動車軸8の理想回転数Rを算出する。
理想回転数Rとは、作業車両1がスリップすることなく走行している場合における駆動輪9の回転数である。実験や数値計算等により予め理想回転数Rと検出信号Pとの関連性を求め、コントローラ100に記憶させておくことにより、コントローラ100は検出信号Pに基づいて駆動車軸8の理想回転数Rを算出することができる。
同時に、左右の回転センサ101は、それぞれ駆動輪9の回転数を検出し、駆動輪9・9の実際の回転数をそれぞれ検出信号RR及びRLとしてコントローラ100へ送信する。
コントローラ100は、理想回転数Rと実回転数である検出信号RR及びRLとの差を常時算出し、その差が予め設定されたある一定値以上になった場合は、駆動輪9がスリップしたと判断する。
回転センサ101及び圧力センサ102を用いて駆動輪9をスリップ制御する方法は、本実施例において説明したものに限らない。例えば、理想回転数Rと実回転数である検出信号RR及びRLとの差が一定値以上になった場合だけでなく、常時その差が小さくなるようにスリップ制御を行うことも可能である。
本実施例においては、実回転数である検出信号RR及びRLを用いてスリップ発生の有無を判断したが、本発明はこれに限るものではなく、検出信号RR又はRLの何れか一方のみによってスリップ発生の有無を判断することも可能である。
本実施例においては、閉回路油路23内の圧力を圧力センサ102により検出し、その検出信号Pにより駆動車軸8の理想回転数Rを算出するものとしたが、本発明はこれに限るものではない。例えば可動斜板22の傾斜角及びエンジン2の回転数を検出し、それらを基に理想回転数Rを算出すること等もでき、本発明において理想回転数Rを算出する方法を限るものではない。
次に、図6に示すような本発明の他の実施例における、スリップ制御に関する構成及び制御態様について説明する。
図6に示すように、左右の駆動車軸8の中途部にはトルクセンサ111が具備されている。トルクセンサ111は駆動車軸8に加わるトルクを検出する。この検出されたトルクによりスリップの発生を検出する。つまり、トルクセンサ111は作業車両1のスリップの発生を検出するスリップ検出手段である。トルクセンサ111は制御手段であるコントローラ100に接続されている。左右のトルクセンサ111は、それぞれ駆動車軸8に加わるトルクを常時検出し、検出したトルクをそれぞれ検出信号TR及びTLとしてコントローラ100へ送信する。
走行時や作業時においてスリップが発生していない場合、コントローラ100はアクチュエーター103に制動手段104を駆動させる制御信号CR及びCLを送信する。これにより、アクチュエーター103は制動手段104を駆動し、制動ギヤ軸46、制動ギヤ45を介してリングギヤ44の回転を制動する。
左右のトルクセンサ111は、それぞれ駆動車軸8に加わるトルクを常時検出し、検出したトルクをそれぞれ検出信号TR及びTLとしてコントローラ100へ送信する。コントローラ100は受信した検出信号TR及びTL各々の変化から駆動輪9・9のスリップの有無を判断する。
コントローラ100によりスリップが発生したと判断された場合、コントローラ100はスリップ発生側のアクチュエーター103に制動手段104の駆動を解除させる制御信号を送信し、図5を用いて説明したものと同様にスリップを抑制する。
本実施例の如く構成することで、スリップした駆動輪に対してのみスリップ制御を行うことが可能となる。これによって作業車両1自体の駆動力を必要以上に減少させることがなく、スリップ制御が必要な駆動輪の駆動力のみを減少させるだけでスリップ制御が可能となる。但し、スリップが発生した場合、制動手段11を作動させて駆動車軸8へと出力される動力を減少させてスリップを抑制するようにすることも可能である。この場合、制動手段104・104は旋回のために使用される。
また、スリップ制御時には遊星歯車機構によりエンジンからの動力を分配し、駆動輪へ伝達される動力を減少させるため、変速装置の種類に係わらず滑らかなスリップ制御を行うことが可能となる。つまり、本実施例においては、スリップ制御時に変速装置を変速することがないため、急激な速度変化のない滑らかなスリップ制御を行うことができる。
また、左右の減速装置として遊星歯車機構7を用いることにより、同じ減速比の平行軸上に配置した歯車減速機構を用いる場合よりも減速比が大きく前記減速装置をコンパクトに構成することができる。
さらに、差動装置5を分配部5aに置き換えたことにより、駆動輪のスリップや空転時におけるオペレータによるデフロック操作が不要となる。
ここで、検出信号TR及びTLから駆動輪9・9のスリップの有無を判断する方法について説明する。
作業車両1が走行している場合、駆動車軸8にはトルクが加わる。前記トルクとは、遊星歯車機構7より伝達される動力と、駆動輪9・9が路面から受ける摩擦力とに起因するものである。
作業車両1がスリップすることなく走行している場合、駆動車軸8にはある一定のトルクが加わる。このトルクはエンジンの回転数や路面状態により変化する。また、スリップしている場合に駆動車軸8に加わるトルクは、スリップすることなく走行している場合に比べて小さい。よって、スリップすることなく走行している場合に駆動車軸8に加わるトルクを実験等により測定し、スリップしている場合のトルクとの間に閾値TTを設定する。閾値TTはスリップの発生の有無を判断するための値である。つまり、検出信号TR又はTLが閾値TTよりも小さい場合は、その検出信号が検出された側の駆動輪はスリップしていると判断できる。
つまり、閾値TTを予めコントローラ100に記憶させておく。コントローラ100は受信した検出信号TR及びTLと閾値TTとを常時比較する。検出信号TR又はTLが閾値TTを下回った場合は、その検出信号が検出された側の駆動輪がスリップしたと判断する。
本実施例において、検出信号TR及びTLからスリップの発生の有無を判断する方法は、前述のような閾値を用いる方法に限るものではない。例えば、検出信号の単位時間あたりの変化量を測定し、単位時間あたりに急速にトルクが低下した場合にスリップが発生したと判断する変化量による方法や、閾値を用いる方法と変化量による方法を併用する方法等が考えられる。
本実施例において作業車両1はHST4を具備するものとしたが、本発明はこれに限るものではなく、例えばマニュアルトランスミッションなどの有段変速装置を具備するものであってもよい。
本発明において、スリップの発生を検出するスリップ検出手段は、上述した回転センサ101及び圧力センサ102や、トルクセンサ111に限るものではない。例えば、エンジンの回転数から算出された理論車速と、対地速度センサ等により測定した実車速とを比較し、理論車速に対して実車速がある一定値以上減少した場合にスリップが発生したと判断するものでも良い。つまり本発明におけるスリップ検出手段は、本実施例において説明したスリップ検出手段に限らず、作業車両にスリップが発生したことを検出できるものであれば良い。
上述した実施例においては、分配部16に差動装置を設けないものとしたが、本発明はこれに限るものではなく、作業車両1には差動装置を設けるものとしてもよい。
上述した通り、本実施例に係る作業車両1は、エンジン2からの動力を変速する変速装置と、前記変速装置により変速した動力を左右に分配する分配部5aと、を具備し、分配部5aにより分配された動力を左右の減速装置及び駆動車軸8・8を介して左右の駆動輪9・9に伝達する作業車両1であって、前記減速装置を構成する遊星歯車機構7と、遊星歯車機構7を構成するリングギヤ44を制動する制動手段104と、駆動輪9のスリップの発生を検出するスリップ検出手段と、制動手段104及び前記スリップ検出手段が接続されたコントローラ100と、を具備し、コントローラ100により駆動輪9にスリップが発生したと判断された時に、コントローラがスリップ発生側の制動手段104を操作するものである。
これにより、スリップした駆動輪9に対してスリップ制御を行うことが可能である。また、変速装置の種類に係わらず滑らかなスリップ制御を行うことが可能である。さらに、減速装置を遊星歯車機構7で構成することにより、コンパクトに構成することが可能である。
また、分配部5aの上流にエンジン2からの動力を制動する制動手段11を具備するものである。
これにより、小さい制動トルクで作業車両を制動することができる。
また、前記変速装置をHST4により構成し、前記スリップ検出手段を、HST4を構成する油圧ポンプ20と油圧モータ21との間を連通する閉回路油路23内の圧力を検出する圧力センサ102と、駆動輪9の回転数を検出する回転センサ101と、により構成したものである。
これにより、理想回転数Rと実回転数である検出信号RR及びRLとの比較により作業車両1のスリップを検出することができる。
作業車両の駆動構成を示した概略動力伝達図。 作業車両の遊星歯車機構の拡大動力伝達図。 作業車両の遊星歯車機構の側面模式図。 本発明の一実施例に係る作業車両のスリップ制御構成を示した概略図。 同じく作業車両の遊星歯車機構の側面模式図。 本発明の他の実施例に係る作業車両のスリップ制御構成を示した概略図。
符号の説明
1 作業車両
2 エンジン(原動機)
4 HST
5a 分配部
7 遊星歯車機構(減速装置)
8 駆動車軸
9 駆動輪
40 サンギヤ
41 プラネタリギヤ
43 キャリア
44 リングギヤ
100 コントローラ(制御手段)
101 回転センサ
102 圧力センサ
103 アクチュエーター
104 制動手段(第一制動手段)

Claims (3)

  1. 原動機からの動力を変速する変速装置と、
    前記変速装置により変速した動力を左右に分配する分配部と、
    を具備し、
    前記分配部により分配された動力を左右の減速装置及び駆動車軸を介して左右の駆動輪に伝達する作業車両であって、
    前記減速装置を構成する遊星歯車機構と、
    前記遊星歯車機構を構成するリングギヤを制動する第一制動手段と、
    前記駆動輪のスリップの発生を検出するスリップ検出手段と、
    前記第一制動手段及び前記スリップ検出手段が接続された制御手段と、
    を具備し、
    前記制御手段により前記駆動輪にスリップが発生したと判断された時に、前記制御手段がスリップ発生側の前記第一制動手段を操作する作業車両。
  2. 前記分配部の上流に原動機からの動力を制動する第二制動手段
    を具備する請求項1に記載の作業車両。
  3. 前記変速装置を油圧式無段変速装置により構成し、
    前記スリップ検出手段を、
    前記油圧式無段変速装置を構成する油圧モータと油圧ポンプとの間を連通する閉回路油路内の圧力を検出する圧力検出手段と、
    前記駆動輪の回転数を検出する回転数検出手段と、
    により構成した請求項1又は請求項2に記載の作業車両。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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