JP2009062728A - 吐水口回転式水栓 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】上向き吐水と下向き吐水とを可能となした吐水部回転式の水栓10において、吐水部20とともに回転する可動側弁体及び固定側弁体とを備えた弁部を設ける。その弁部は、吐水部20が下向き吐水,上向き吐水以外の回転角度位置にあるときにも少量で吐水するものとなしておく。
【選択図】 図7
Description
ところでこの水栓を使って昼休みなどに歯磨きを行う人も多く、この場合、手洗い用水栓では下向き吐水しかできないために歯磨きがしづらく、そこで洗面所までコップを持って行って、コップに水を注いで歯磨きやうがいを行わざるを得ない。
この場合水栓の使い勝手が悪いとともに、歯磨きを行わないときのコップの置き場所も確保しておかないといけない問題がある。
即ち、吐水口から吐水を行った状態のまま吐水部を上向きとなるまで回転させると、途中で吐水部が横向き(即ち吐水口が横向き)となって吐水が横向きに吐出されてしまい、手洗い鉢から吐水が飛び出して床を濡らしてしまったりする問題を生ずる。
例えば下記特許文献1には、先端側の吐水部を手元操作することによって吐水と止水とを切り替えることができるように、吐水管の中間部に吐止水弁を設け、吐水部の回転操作によりその吐止水弁を開閉動作させるようになした水栓が開示されている。
しかしながらこの特許文献1に開示のものは上向き吐水を予定したものではなく、本発明とは異なっている。
しかしながらこの特許文献2に開示の水栓もまた、上向き吐水を予定したものではなく、また吐水口が横向きとなったときに弁部の通水用の開口を閉鎖するものである点で本発明とは異なったものである。
この特許文献3に開示のものは、上記の特許文献1,特許文献2に開示のものと異なって吐水口を上向きとし、そこから上向き吐水することを予定しているものであるが、吐水口が横向きとなったときに特許文献2と同様に止水を行うものである点で、本発明と異なったものである。
但し下向き吐水,上向き吐水以外のときには吐水の勢いを弱く、吐水流量を少なくして、吐水が手洗い鉢等から外へ飛び出さないようにする。
即ち本発明の水栓は、上流側の主弁部が閉じられていない限り吐水口が何れの向きを向いた状態であっても常に吐水を行っていることになる。
従ってその2次側の弁部を1次圧に耐え得るような構造となしておくことが必要となって弁部の構造が複雑化し、また弁部に用いる部品も耐圧性の部品が必要となって、弁部に要するコストも高くなってしまう。
より具体的には主弁部を操作する操作部が現在閉操作されているものと誤って判断してしまう。
このとき使用者が水を出したいと思って操作部を操作しても、当然吐水口からは吐水が行われず、その際使用者は水栓が故障しているものと誤って判断してしまう恐れが生ずる。
このようにすることで、容易に上向き吐水の角度範囲を下向き吐水の角度範囲に対して狭い範囲となすことができる。
加えてこのときには吐水の吐出の角度が鉛直方向に対し下向き吐水時よりも小さな角度となるため、前方斜め上向きに吐出された吐水が手洗い鉢の前縁から外に飛び出してしまうのを良好に防止することができる。
このようにすることによって、吐水部の回転に応じて水勢を制御する上記弁部を2次側の弁部として構成し得て、その弁部に1次圧による過大な負荷がかかるのを良好に防止することができる。
図1において、10は手洗い鉢15(図7参照)の奥部に立設された本実施形態の吐水部回転式のシングルレバー水栓(以下単に水栓とする)で、12はその水栓本体、16は水栓本体12の上部に設けられたレバー操作部、14は水栓本体12から使用者に向って前方に突き出した吐水管である。
吐水管14は、吐水口18を有する先端側の吐水部20と、水栓本体12側の基部21とに管軸方向に2分割されており、それらが互いに接続されている。
ここで吐水部20は、基部21に対して管軸周りに360°回転可能である。
この例の水栓10では、レバー操作部16を左右に回動操作することで吐水の温度調節が行われ、また上下に回動操作することで吐止水及び吐水の流量調節が行われる。
そして継手管34と吐水部20とにまたがって、固定側弁体36と可動側弁体38とを有する、主弁部22に対して下流側の(2次側の)弁部40が設けられている。
図に示しているように固定側弁体36,可動側弁体38は何れも樹脂製の円盤状のディスク弁体とされている。
固定側弁体36は、外周部に沿って3個所に位置決突起42を有しており、そしてこれら位置決突起42を継手管34の位置決凹部44に係合させる状態に、継手管34の嵌込穴46に嵌め込まれ固定状態に保持されている。
尚、固定側弁体36と可動側弁体38とは、それぞれの互いに対向する側の面が互いに接する状態で、吐水管14内部に保持されている。
クリップ54は、図4に示しているように吐水管14の差込開口58及び継手管34の差込開口60の内部に差し込まれ、そして一対の係合アーム56を吐水部20に形成された環状の係合溝62に係合させることで、吐水部20を基部21から抜け止めしている。
尚、クリップ54自体は係合アーム56にて係合溝62の溝底部を弾性的に把持することで、吐水部20から図中下向きに抜け防止されている。
尚図3において、64はシール用のゴム製のOリングである。
また中心部には、それら開口66,68を連絡する形態で中心孔70が設けられている。
ここで上向き吐水用の開口68の中心角α2は、下向き吐水用の中心角66の角度α1に対して小角度とされている。
またこれとは独立して、中心部に小円形の中心孔74が同じく板厚方向に貫通して設けられている。
また吐水口18は、(A)に示しているように下向き吐水時に鉛直方向に対して角度θ1で前方斜め下方向きの角度となり、また(B)に示しているように上向き吐水時に鉛直方向に対しθ1よりも小さい角度θ2で前方斜め上向きの角度となるように、その取付けの向きが定められ、それぞれの角度で下向き吐水,上向き吐水をなす。
この結果、吐水部20は傾斜面76,78を設けた個所において先端に向って進むほど上下の厚みが薄くなっており、そしてその先端部が一様な厚みで水平方向(下向き吐水,上向き吐水状態で水平方向)に延びる扁平な形状の摘み80とされている。
更に傾斜面76は、図8(B)に示す上向き吐水状態の下でも水平面に対し図中左下がりに傾斜した面となるように傾斜角度が定めてある。
一方上面側の傾斜面78についても、図8(B)に示す上向き吐水状態の下で、水平面に対し図中右下がりに傾斜した面となるようにその傾斜角度が定めてある。
この実施形態では、吐水部20を下向きとした状態でレバー操作部16を開操作(吐水開始操作)すると、主弁部22から流出した混合水が吐水口18から下向き吐水される。
この実施形態では、図6(A),図7(A)に示しているように吐水部20を一定角度吐水管14の管軸周りに回転させても、その下向き吐水の状態を保持することができる。
この実施形態において角度α4は、吐水口18から下向きに吐水された水が手洗い鉢15の左右方向の外側に飛び出さないような角度で予め定めてある。
そして図6(B)に示しているように開口72が開口66に対し完全不一致となった状態で、開口66,72を通じての吐水は停止される。
従ってこれら開口72,66を通じての吐水が停止する直前までの範囲を上記角度α4として定めておくこともできる。
このときには、可動側弁体38の開口72は固定側弁体36の開口66,68の何れに対しても不一致となり、従ってこの状態では開口66,68,72を通じての吐水は行われない。
同図に示しているようにこのときの吐水の流量及び水勢は弱いものであるため、吐水口18が横向状態で吐水されたとしても、その吐水が手洗い鉢15から左右方向に飛び出してしまう恐れはない。
このときには、図6(C)に示しているように可動側弁体38の開口72が固定側弁体36の開口68と合致し、重なり合うことによって、弁部40における通水が確保され、弁部40を通過した水が上向きとなった吐水口18から上方に吐水される。
このときの上向き吐水の可能な範囲の角度は図7(C)に示すα5となる。
尚この上向き吐水においても、開口72が開口68に対して部分的に重なり合った状態でも、流量減少した状態で上向き吐水が可能である。
そして開口72が開口68に対し完全不一致となったところで、開口72,68を通じての上向き吐水が停止される。
従ってその直前までの角度範囲内を上記α5として定めておくこともできる。
本実施形態において、θ1,θ2は何れも吐水が手洗い鉢の前端を超えて外に飛び出さない角度でそれぞれ定められている。
但し下向き吐水,上向き吐水以外のときには吐水の勢いを弱く、吐水流量を少なくして、吐水が手洗い鉢15から外へ飛び出さないようにしている。
即ち本実施形態の水栓15は、上流側の主弁部22が閉じられていない限り、吐水口18が何れの向きを向いた状態であっても常に吐水を行う。
従ってその2次側の弁部40を1次圧に耐え得るような構造となしておくことが必要となって弁部40の構造が複雑化し、また弁部40に用いる部品も耐圧性の部品が必要となって、弁部40に要するコストも高くなってしまう。
より具体的には、主弁部22を操作するレバー操作部16が現在閉操作されているものと誤って判断してしまう。
このとき使用者が水を出したいと思ってレバー操作部16を操作しても、当然吐水口18からは吐水が行われず、その際使用者は水栓10が故障しているものと誤って判断してしまう恐れが生ずる。
またその下面の傾斜面76上に吐水口18が設けてあるため、吐水口18から撥ねた水がその傾斜面76を伝って流れることができ、吐水口18周りに水が溜まってしまうのを良好に防止することができる。
加えてこのときには吐水の吐出の角度が鉛直方向に対し下向き吐水時よりも小さな角度となるため、前方斜め上向きに吐出された吐水が手洗い鉢15の前縁から外に飛び出してしまうのを良好に防止することができる。
例えば上記実施形態では可動側弁体38の中心孔74を扇形の開口72とは切り離して独立して設けているが、場合によって中心孔74を開口72に連続した形態で設けることも可能である。
更に上記実施形態では下向き吐水用の角度α1の扇形の開口66、及び上向き吐水用の角度α2の扇形の開口68が固定側弁体36に設けられているが、場合によってこれを可動側弁体38の側に設け、これに代えて可動側弁体38側の開口72を固定側弁体36の側に設けることも可能である。
その他本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
12 水栓本体
14 吐水管
18 吐水口
20 吐水部
21 基部
22 主弁部
36 固定側弁体
38 可動側弁体
40 弁部
66,68,72 開口
76,78 傾斜面
80 摘み
Claims (6)
- 吐水管の先端側の吐水口を有する吐水部が基部に対して回転可能となしてあって、該吐水部の回転により該吐水口を上向きとした状態での上向き吐水と、該吐水口を下向きとした状態での下向き吐水とを可能となした吐水部回転式の水栓において
前記吐水部とともに回転する可動側弁体及び前記基部に固定状態の固定側弁体とを備えた弁部を有し、
該可動側弁体には通水用の可動側開口が、該固定側弁体には通水用の固定側開口がそれぞれ備えられているとともに、前記吐水部が前記下向き吐水,上向き吐水以外の回転角度位置にある状態で、該可動側開口と固定側開口との一部が前記下向き吐水及び上向き吐水時における重なり面積よりも少ない重なり面積で互いに重なりあって通水を確保するものとなしてあることを特徴とする吐水口回転式水栓。 - 請求項1において、前記弁部は、前記吐水部の回転方向に所定角度範囲に亘って下向き吐水,上向き吐水を可能とするものとなしてあるとともに,該下向き吐水の角度範囲に対し上向き吐水の角度範囲を狭くするものとなしてあることを特徴とする吐水口回転式水栓。
- 請求項2において、前記可動側開口と固定側開口との一方には、下向き吐水用と上向き吐水用とに第1及び第2の扇形の開口が備えられており、下向き吐水用の該第1の扇形の開口の角度に対し、上向き吐水用の該第2の扇形の開口の角度が小さくされていることを特徴とする吐水口回転式水栓。
- 請求項1〜3の何れかにおいて、前記吐水部の上面と下面とには、先端に向って上下の厚みを漸次薄くする、前記吐水管の管軸に対して傾斜した傾斜面が該先端に到るまで設けてあって、該傾斜面により前記吐水部の先端部が扁平形状で水平方向に延びる摘みとして構成してあるとともに、前記下面の傾斜面上に前記吐水口が設けてあることを特徴とする吐水口回転式水栓。
- 請求項1〜4の何れかにおいて、前記吐水管は水平方向に対して上向きをなす角度で前方に突き出しており、前記吐水口は、下向き吐水時に鉛直方向に対して角度θ1で前方斜め下方の角度となり、上向き吐水時において該鉛直方向に対し該θ1よりも小さい角度θ2で前方斜め上向きの角度となるようにその向きが定めてあることを特徴とする吐水口回転式水栓。
- 請求項1〜5の何れかにおいて、前記弁部の上流側には、水栓本体内において吐止水を行うための主弁部が設けてあることを特徴とする吐水口回転式水栓。
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