JP2009062408A - 水性洗浄剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】アクリル系カラーフィルターの製造ラインを構成する処理槽内に付着した当該カラーフィルター用樹脂組成物からなる樹脂汚れを、それが半硬化状態となっていても容易に除去することのできる水性洗浄剤組成物を提供する。
【解決手段】カラーフィルターの製造ラインを構成する処理槽内に付着した当該カラーフィルター用樹脂組成物からなる樹脂汚れを、該処理槽内から除去するための水性洗浄剤組成物は、成分(A)アルカリ剤0.1〜10重量%、成分(B)有機溶剤30〜50重量%、成分(C)キレート剤1〜10重量%、成分(D)界面活性剤0.01〜1重量%、及び成分(E)水 残部を含有する。
【選択図】なし
【解決手段】カラーフィルターの製造ラインを構成する処理槽内に付着した当該カラーフィルター用樹脂組成物からなる樹脂汚れを、該処理槽内から除去するための水性洗浄剤組成物は、成分(A)アルカリ剤0.1〜10重量%、成分(B)有機溶剤30〜50重量%、成分(C)キレート剤1〜10重量%、成分(D)界面活性剤0.01〜1重量%、及び成分(E)水 残部を含有する。
【選択図】なし
Description
本発明は、カラーフィルターの製造ラインを構成する処理槽内に付着した当該カラーフィルター用樹脂組成物からなる樹脂汚れを、該処理槽内から除去するための水性洗浄剤組成物、及びそれを用いた洗浄方法に関する。
液晶ディスプレイでは、通常、高い透明性を有するアクリル系カラーフィルターが液晶パネルに設けられている。かかるカラーフィルターは、その製造ラインを構成する幾つかの処理槽(スピンコート槽、スリットコート槽、乾燥槽、露光硬化槽、現像槽等)における処理を経て形成される。
ところで、スピンコート槽においては、スピンコートの際に槽の内壁にカラーフィルター用樹脂組成物が樹脂汚れとして付着するため、それを定期的に除去する必要がある。この場合、非水性の有機溶媒であるシンナー類を用いて樹脂汚れを除去していたが、シンナー類は人体に有害で、引火性もあり危険であり、また、スピンコート槽素材として廉価な塩化ビニル製素材を使用することができない。このため、水性の洗浄剤が求められていた。それに対し、現像槽においては、カラーフィルター用樹脂組成物の薄膜の非露光部を、水酸化ナトリウム等をアルカリ剤として含有する水性現像液で溶解しているものの、溶解した樹脂組成物が槽内壁等に付着し部分硬化するため、それを定期的に除去する必要があった。このため、従来は、アルカリ性の水性現像液自体を槽内に循環させることで樹脂汚れを除去していた。しかしながら、非露光部のカラーフィルター用樹脂組成物の一部は、光や熱のために半硬化状態となっており、その状態で溶出され、槽内壁等に付着するが、いったん半硬化して樹脂化した樹脂汚れは、従来のアルカリ性水性現像液では十分に現像槽内壁から除去できないという問題があった。
そこで、カラーフィルター用樹脂組成物等の樹脂汚れが付着した処理槽から当該樹脂汚れを除去するための水性洗浄剤として、カラーフィルター用樹脂組成物に用いられている溶剤と同じ溶剤と、界面活性剤と、顔料分散剤とを含有するアルカリ性で現像性を有する水性洗浄剤(特許文献1)が提案されている。
しかしながら、特許文献1に記載の洗浄剤では、半硬化前のカラーフィルター用樹脂組成物の樹脂汚れに対応できるものの、やはり半硬化状態の樹脂汚れを、処理槽内壁から完璧に除去することは困難であった。
本発明は、以上の従来の問題を解決しようとするものであり、アクリル系カラーフィルターの製造ラインを構成する処理槽内に付着した当該カラーフィルター用樹脂組成物からなる樹脂汚れを、それが半硬化状態となっていても容易に除去することのできる水性洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、アルカリ剤、有機溶剤、界面活性剤及び水とからなるアルカリ性の洗浄組成物にキレート剤を加え、更にこれらの成分配合量をそれぞれ特定範囲とした洗浄剤組成物を使用することにより、上述の目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、アクリル系カラーフィルターの製造ラインを構成する処理槽内に付着した当該カラーフィルター用樹脂組成物からなる樹脂汚れを、該処理槽内から除去するための水性洗浄剤組成物であって、以下の成分(A)〜(E):
(A)アルカリ剤0.1〜10重量%;
(B)有機溶剤30〜50重量%;
(C)キレート剤1〜10重量%;
(D)界面活性剤0.01〜1重量%; 及び
(E)水 残部
を含有することを特徴とする水性洗浄剤組成物を提供する。
(A)アルカリ剤0.1〜10重量%;
(B)有機溶剤30〜50重量%;
(C)キレート剤1〜10重量%;
(D)界面活性剤0.01〜1重量%; 及び
(E)水 残部
を含有することを特徴とする水性洗浄剤組成物を提供する。
また、本発明は、アクリル系カラーフィルターの製造ラインを構成する処理槽内に付着した当該カラーフィルター用樹脂組成物からなる樹脂汚れを、該処理槽内から除去する洗浄方法において、
(1) 処理槽内の樹脂汚れの状態を確認する工程;
(2) 水を該処理槽に導入し、その水を循環させながら水の流速と流れ方向とを調整する工程;
(3) 水の流速と流れ方向とを調整した後、水を処理槽から抜き取る工程;
(4) 水を抜き取った処理槽に前述した本発明の水性洗浄剤組成物を導入し、その水性洗浄剤組成物を循環させ、処理槽内に付着した樹脂汚れを剥がし落とす工程;
(5) 処理槽内の洗浄状態を確認する工程;
(6) 洗浄槽内の洗浄状態が良好との判断があった場合に、水性洗浄剤組成物を、剥がれ落とした樹脂汚れと共に処理槽から抜き取る工程; 及び
(7) 水性洗浄剤組成物を抜き取った処理槽を水で洗浄する工程
を有することを特徴とする洗浄方法を提供する。
(1) 処理槽内の樹脂汚れの状態を確認する工程;
(2) 水を該処理槽に導入し、その水を循環させながら水の流速と流れ方向とを調整する工程;
(3) 水の流速と流れ方向とを調整した後、水を処理槽から抜き取る工程;
(4) 水を抜き取った処理槽に前述した本発明の水性洗浄剤組成物を導入し、その水性洗浄剤組成物を循環させ、処理槽内に付着した樹脂汚れを剥がし落とす工程;
(5) 処理槽内の洗浄状態を確認する工程;
(6) 洗浄槽内の洗浄状態が良好との判断があった場合に、水性洗浄剤組成物を、剥がれ落とした樹脂汚れと共に処理槽から抜き取る工程; 及び
(7) 水性洗浄剤組成物を抜き取った処理槽を水で洗浄する工程
を有することを特徴とする洗浄方法を提供する。
本発明の水性洗浄剤組成物及び洗浄方法によれば、アクリル系カラーフィルターの製造ラインを構成する処理槽内に付着した当該カラーフィルター用樹脂組成物からなる樹脂汚れを、それが半硬化状態となっていても、物理的に掻き出すこともなく、処理槽に水性洗浄剤組成物を循環させることで容易に除去することができる。従って、樹脂汚れの洗浄除去にシンナー類の使用が不要となり、人体への安全性が向上するとともに、処理槽のメンテナンス時間を短縮することができ、結果的にカラーフィルターの歩留まりを向上させることができる。
本発明の水性洗浄剤組成物は、カラーフィルターの製造ラインを構成する処理槽内に付着した当該カラーフィルター用樹脂組成物からなる樹脂汚れを、該処理槽内から除去するためのものであり、以下の成分(A)〜(E):
(A)アルカリ剤0.1〜10量%;
(B)有機溶剤30〜50重量%;
(C)キレート剤1〜10重量%;
(D)界面活性剤0.01〜1重量%; 及び
(E)水 残部
を含有することを特徴とするものである。
(A)アルカリ剤0.1〜10量%;
(B)有機溶剤30〜50重量%;
(C)キレート剤1〜10重量%;
(D)界面活性剤0.01〜1重量%; 及び
(E)水 残部
を含有することを特徴とするものである。
本発明の水性洗浄剤組成物が適用されるカラーフィルターの製造ラインを構成する処理槽には、カラーフィルター用樹脂組成物を透明基板上に塗布(例えばスピンコート)するための塗布処理槽、塗布された薄膜状の樹脂組成物を乾燥するための乾燥処理槽、乾燥したカラーフィルター用樹脂組成物の薄膜に対しマスクを介して露光を行ってその薄膜にパターンを形成するための露光処理槽、パターンを現像するための現像処理槽、現像処理後のカラーフィルターから現像液を洗浄除去するため洗浄処理槽、洗浄処理後のカラーフィルターを乾燥するための乾燥処理槽等が含まれる。それぞれ独立して存在する場合だけでなく、一つの処理槽で複数の異なる処理が行われる場合もある。また、本発明の水性洗浄剤組成物によって洗浄除去される樹脂汚れの対象となるカラーフィルター用樹脂組成物としては、公知のアクリル系カラーフィルター用樹脂組成物等が挙げられる。
本発明の水性洗浄剤組成物を構成する成分(A)のアルカリ剤は、樹脂汚れを構成する半硬化樹脂を加水分解して低分子量化して洗浄除去され易くするためのものである。このようなアルカリ剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドなどの有機アルカリが挙げられる。中でも、入手コスト、加水分解能力の点で水酸化カリウムが好ましい。
成分(A)のアルカリ剤の水性洗浄剤組成物中の配合量は、水性洗浄剤組成物のpHを約11〜14に調整するに足る量であり、具体的には0.1〜10重量%であるが、水酸化カリウムを使用した場合には、1〜5重量%が好ましい。
成分(B)の有機溶剤は、水性洗浄剤組成物の樹脂汚れ溶解性、樹脂汚れの処理槽壁からの剥離性を向上させるためのものである。このような有機溶剤としては、エタノール、イソプロピルアルコールなどの低級アルカノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコールなどのアラルキルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルキレングリコールモノ低級アルキルエーテル、モノイソプロパノールアミン、モノエタノールアミンなどのアルカノールアミンなどが挙げられる。特に、アラルキルアルコールとアルカノールアミンとを併用することが好ましい。これは、アラルキルアルコールが、樹脂汚れを膨潤させる能力が比較的高く、しかも水性媒体に親和性を示す水酸基を有する極性有機溶媒であり、一方、アルカノールアミンが、樹脂汚れ中の酸性残基と結合しうる官能基を有し、しかもアラルキルアルコールと混和しうる水溶性塩基性有機溶媒だからである。この併用の好ましい具体例としては、ベンジルアルコールとモノイソプロパノールアミンとの併用が挙げられ、特に、重量比で1:0.5〜2の割合で併用することが好ましい。この範囲で併用すると、水性洗浄剤組成物の樹脂汚れ溶解性と樹脂汚れの剥離性との双方に高い有効性を示すからである。
成分(B)の有機溶剤の水性洗浄剤組成物中の配合量は、30〜50重量%である。30重量%未満であると所期の洗浄能力が得られず、50重量%を超えると水性洗浄剤組成物の引火性が高まるなどの危険性が増大するからである。
成分(C)のキレート剤は、カラーフィルター用樹脂組成物からなる樹脂汚れの中に含有されている顔料の多くが金属を含有していることに鑑み、金属をキレート剤で錯化し、顔料を水性洗浄剤組成物中に分散容易にするためのものである。このようなキレート剤としては、アルキレンポリアミンポリ酢酸又はそのアンモニウム塩もしくはアルカリ金属塩から選択されるもの、例えば、ジアミン四酢酸アンモニウム塩が挙げられる。その具体例としては、エチレンジアミン二酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラアミン六酢酸、trans−1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジヒドロキシエチルエチレンジアミン二酢酸、1,3−プロパンジアミン四酢酸、そのアンモニウム塩もしくはナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩等が挙げられる。また、カルボン酸もしくはオキシカルボン酸又はそのアンモニウム塩もしくはアルカリ金属塩から選択されるもの、例えばヒドロキシカルボン酸アンモニウム塩類が挙げられる。その具体例としては、シュウ酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、アジピン酸、クエン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、ヒドロキシ酢酸、マレイン酸、フマル酸、及びそれらのアンモニウム塩もしくはアルカリ金属塩等が挙げられる。中でも、金属イオン捕捉能力や入手コストの点から、グルコン酸又はその塩を好ましく使用することができる。尚、塩としてナトリウム塩が好ましい。
成分(C)のキレート剤の水性洗浄剤組成物中の配合量は、1〜10重量%である。1重量%未満であると顔料の捕捉が不充分となり、また、10重量%を超えても添加量に見合う効果が得られないからである。
成分(D)の界面活性剤は、成分(B)の有機溶剤のうち非水溶性の溶剤や、キレート剤と顔料とがキレート化したものや、樹脂汚れ等を、水性洗浄剤組成物中に分散安定化するためのものである。このような界面活性剤としては、溶剤の水和と薬剤の浸透性向上のためにアニオン系界面活性剤が好ましく挙げられ、特に脂肪族スルホン酸エステル、アルキルエーテル型スルホン酸エステル等のスルホン酸エステル型界面活性剤が好ましく挙げられる。
成分(D)の界面活性剤の水性洗浄剤組成物中の配合量は、0.01〜1重量%である。0.01重量%未満であると水性洗浄剤組成物の均一分散性や樹脂汚れへの浸透性が不充分となり、1重量%を超えると水性洗浄剤組成物が過度に発泡するおそれがあるためである。
成分(E)の水としては、水道水、純水、イオン交換水等を使用できるが、塩類を含有しない純水、イオン交換水が好ましい。
成分(E)の水の水性洗浄剤組成物中の配合量は、他の成分の残部であり、通常30〜70重量%である。
本発明の水性洗浄剤組成物には、以上の成分(A)〜(E)に加えて、公知の防腐剤、消泡剤、pH調整剤、酸化防止剤、湿潤剤、凝集防止剤等の他の添加剤を含有させることができる。
本発明の水性洗浄剤組成物は、成分(A)〜(E)及び必要に応じて他の添加剤を、常法に従って均一に混合することにより調整することができる。
本発明の水性洗浄剤組成物は、カラーフィルターの製造ラインを構成する処理槽内に付着した当該カラーフィルター用樹脂組成物からなる樹脂汚れを、該処理槽内から除去する洗浄方法に好ましく適用することができる。この洗浄方法は以下に説明する工程(1)〜(7)から構成されるものである。工程毎に説明する。
工程(1)
まず、処理槽内の樹脂汚れの状態を確認する。この確認作業の結果、洗浄処理をするか否かを判定することになる。ここで、確認作業は、直接的に目視確認してもよく、デジタルカメラ撮影により、静止画あるいは動画を目視確認してもよく、画像処理により樹脂汚れの存在を機械的に特定してもよい。また、洗浄処理をするか否かの判定は、樹脂汚れの量や大きさ、樹脂汚れの付着場所等によって決定されるものである。
まず、処理槽内の樹脂汚れの状態を確認する。この確認作業の結果、洗浄処理をするか否かを判定することになる。ここで、確認作業は、直接的に目視確認してもよく、デジタルカメラ撮影により、静止画あるいは動画を目視確認してもよく、画像処理により樹脂汚れの存在を機械的に特定してもよい。また、洗浄処理をするか否かの判定は、樹脂汚れの量や大きさ、樹脂汚れの付着場所等によって決定されるものである。
工程(2)
次に、洗浄効率の増大のための条件設定のために、水を該処理槽に導入し、その水を循環させながら水の流速と流れ方向とを調整する。洗浄剤組成物を導入した後でこの工程を行うことは、洗浄液の飛び散りが生じ、清掃の手間が増大し、人体に対するアルカリ剤による損傷が生じる可能性が増大するからである。
次に、洗浄効率の増大のための条件設定のために、水を該処理槽に導入し、その水を循環させながら水の流速と流れ方向とを調整する。洗浄剤組成物を導入した後でこの工程を行うことは、洗浄液の飛び散りが生じ、清掃の手間が増大し、人体に対するアルカリ剤による損傷が生じる可能性が増大するからである。
工程(3)
次に、水の流速と流れ方向とを調整した後、水を処理槽から抜き取る。洗浄剤組成物の濃度を低下させないためである。
次に、水の流速と流れ方向とを調整した後、水を処理槽から抜き取る。洗浄剤組成物の濃度を低下させないためである。
工程(4)
次に、水を抜き取った処理槽に本発明の水性洗浄剤組成物を導入し、その水性洗浄剤組成物を循環させ、処理槽内に付着した樹脂汚れを剥がし落とす。水性洗浄剤組成物の水温は、洗浄効率と消費エネルギーコストとを考慮すると、通常20〜40℃である。
次に、水を抜き取った処理槽に本発明の水性洗浄剤組成物を導入し、その水性洗浄剤組成物を循環させ、処理槽内に付着した樹脂汚れを剥がし落とす。水性洗浄剤組成物の水温は、洗浄効率と消費エネルギーコストとを考慮すると、通常20〜40℃である。
工程(5)
次に、処理槽内の洗浄状態を確認する。洗浄操作を終了させるか、更に洗浄操作を続行するかを判断するためである。確認作業は、直接的に処理槽内を目視確認してもよく、デジタルカメラ撮影により、静止画あるいは動画を目視確認してもよく、画像処理により樹脂汚れの存在を機械的に特定してもよい。また、洗浄処理を終了させるか否かの判定は、残存樹脂汚れの存在やその量、残存する樹脂汚れの付着場所等によって決定されるものである。
次に、処理槽内の洗浄状態を確認する。洗浄操作を終了させるか、更に洗浄操作を続行するかを判断するためである。確認作業は、直接的に処理槽内を目視確認してもよく、デジタルカメラ撮影により、静止画あるいは動画を目視確認してもよく、画像処理により樹脂汚れの存在を機械的に特定してもよい。また、洗浄処理を終了させるか否かの判定は、残存樹脂汚れの存在やその量、残存する樹脂汚れの付着場所等によって決定されるものである。
工程(6)
処理槽内の洗浄状態が良好との判断があった場合に、水性洗浄剤組成物を、剥がれ落とした樹脂汚れと共に処理槽から抜き取る。
処理槽内の洗浄状態が良好との判断があった場合に、水性洗浄剤組成物を、剥がれ落とした樹脂汚れと共に処理槽から抜き取る。
工程(7)
水性洗浄剤組成物を抜き取った処理槽を水で洗浄する。この場合、水を循環させてもよく、シャワリングしてもよい。水による洗浄の回数は、洗浄水のpH測定や特定成分の濃度測定、電気伝導度測定等を実施することにより決定することができる。一つの目安としては、それらの測定結果が所定の数値を下回るまでに必要な回数である。通常3回程度である。
水性洗浄剤組成物を抜き取った処理槽を水で洗浄する。この場合、水を循環させてもよく、シャワリングしてもよい。水による洗浄の回数は、洗浄水のpH測定や特定成分の濃度測定、電気伝導度測定等を実施することにより決定することができる。一つの目安としては、それらの測定結果が所定の数値を下回るまでに必要な回数である。通常3回程度である。
工程(8)
水洗後に、必要に応じて、処理槽内の樹脂汚れの洗浄状態を確認する。この確認作業は、洗浄処理が的確に行われたか否かを確認するものである。不充分であれば、再び工程(2)又は工程(3)から繰り返すことになる。なお、確認作業は、直接的に目視確認してもよく、デジタルカメラ撮影により、静止画あるいは動画を目視確認してもよく、画像処理により樹脂汚れの存在の有無を機械的に判定してもよい。また、洗浄処理を再度行うか否かの判定は、樹脂汚れの量や大きさ、樹脂汚れの付着場所等によって決定されるものである。
水洗後に、必要に応じて、処理槽内の樹脂汚れの洗浄状態を確認する。この確認作業は、洗浄処理が的確に行われたか否かを確認するものである。不充分であれば、再び工程(2)又は工程(3)から繰り返すことになる。なお、確認作業は、直接的に目視確認してもよく、デジタルカメラ撮影により、静止画あるいは動画を目視確認してもよく、画像処理により樹脂汚れの存在の有無を機械的に判定してもよい。また、洗浄処理を再度行うか否かの判定は、樹脂汚れの量や大きさ、樹脂汚れの付着場所等によって決定されるものである。
以下、本発明について実施例を参照しながら、説明する。
実施例1〜6、比較例1
(1)表1の配合成分をプロペラ式撹拌機を用いて均一に混合することにより実施例1〜6及び比較例1の水性洗浄剤組成物を調製した。但し、比較例1の洗浄剤組成物は非水性の洗浄組成物である。
(1)表1の配合成分をプロペラ式撹拌機を用いて均一に混合することにより実施例1〜6及び比較例1の水性洗浄剤組成物を調製した。但し、比較例1の洗浄剤組成物は非水性の洗浄組成物である。
(2)得られた洗浄剤組成物を用いて、以下に説明するように、カラーフィルター用樹脂組成物の半硬化物の樹脂汚れサンプルについて、溶解・剥離分散性を評価した。また、カラーフィルター製造装置(例えば、現像処理装置)に使用されている代表的な材料であるポリ塩化ビニル樹脂(PVC)とエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)と洗浄組成物とが接触した場合にそれらの材料が受ける影響(素材影響)を評価した。得られた結果を表1に示す。
なお、カラーフィルター用樹脂組成物の半硬化物の樹脂汚れサンプルとしては、現像処置装置内のスプレーノズル周り、タンク底堆積物(これらを以下、スケールと記載)を入手し、これを試験評価用の樹脂汚れサンプルとした。
(3)<溶解・剥離分散性>
樹脂汚れサンプルを約0.5g容器に取り、その容器に試験液(洗浄剤組成物)を50ml入れて蓋をし、2時間静置した。その静置状態での変化を目視にて観察し、以下の評価基準に従って評価した。A〜C評価が実用上許容される場合である。
樹脂汚れサンプルを約0.5g容器に取り、その容器に試験液(洗浄剤組成物)を50ml入れて蓋をし、2時間静置した。その静置状態での変化を目視にて観察し、以下の評価基準に従って評価した。A〜C評価が実用上許容される場合である。
<評価基準>
A: 容器内の試験液中にスケールが分散しており、試験液に着色が見られる場合
B: 容器内の試験液中にスケールの一部が分散し、試験液に着色が見られる場合
C: 容器内の試験液中にスケールが分散してはいないが、試験液に着色が見られる場合
D: 容器内の試験液中にスケールが分散しておらず、試験液に着色も見られない場合
A: 容器内の試験液中にスケールが分散しており、試験液に着色が見られる場合
B: 容器内の試験液中にスケールの一部が分散し、試験液に着色が見られる場合
C: 容器内の試験液中にスケールが分散してはいないが、試験液に着色が見られる場合
D: 容器内の試験液中にスケールが分散しておらず、試験液に着色も見られない場合
(4)<素材影響>
PVC製もしくはEPDM製の短冊(5mm厚×2cm横×5cm長)を、30℃の洗浄剤組成物15ccが入った試験管に投入して蓋をし、3日間放置した。放置後、短冊を引き上げ、膨潤や硬化等変質が生じているか否かを目視観察し、以下の評価基準で評価した。
PVC製もしくはEPDM製の短冊(5mm厚×2cm横×5cm長)を、30℃の洗浄剤組成物15ccが入った試験管に投入して蓋をし、3日間放置した。放置後、短冊を引き上げ、膨潤や硬化等変質が生じているか否かを目視観察し、以下の評価基準で評価した。
A: 膨潤・硬化等変質していない場合
D: 膨潤・硬化等変質している場合
D: 膨潤・硬化等変質している場合
表1からわかるように、本発明の実施例1〜4の水性洗浄剤組成物は、いずれの評価項目においても非常に良好な性能を示したが、トルエンとキシレンとを主成分とする比較例1の非水性洗浄剤組成物は、溶解性については良好であったものの、他の評価項目については、実施例に比べ大きく劣っていた。また、実施例5の水性洗浄剤組成物については、ある程度の溶解性は認められるものの、剥離分散性が実施例1〜4に比較して劣り、実施例6の水性洗浄剤組成物については、ある程度の溶解・剥離分散性は観察されたが、溶解・分散性の点で実施例1〜4より劣っていた。しかし、実施例5及び6の水性洗浄剤組成物の溶解・剥離分散性の評価は、実用上許容される範囲であった。
なお、実施例1〜4の水性洗浄剤組成物は、水を約50%弱含有するものであるので、取り扱いの際に防毒マスクの使用が不要であり、引火性も極めて低いものであった。
実機適用例
アクリル系カラーフィルター用樹脂組成物の半硬化物の樹脂汚れが内壁に付着した現像処理槽の樹脂汚れの状態をデジタルカメラ撮影し、樹脂汚れの状態を確認した。
アクリル系カラーフィルター用樹脂組成物の半硬化物の樹脂汚れが内壁に付着した現像処理槽の樹脂汚れの状態をデジタルカメラ撮影し、樹脂汚れの状態を確認した。
次に、水200リットルを現像処理槽に導入し、その水をポンプで循環させながら、水が現像処理槽の外へ飛び散らないように水の流速と流れ方向とを調整し、その後、ポンプを止め、現像処理槽のドレインから水を抜き取った。
次に、水を抜き取った現像処理槽に実施例1の水性洗浄剤組成物を200リットル導入し、40℃で水性洗浄剤組成物を3時間循環させた。これにより、現像処理槽内に付着した樹脂汚れを剥がし、あるいは溶解させた。次に、現像処理槽内の洗浄状態を目視にて確認し洗浄を終了させ、水性洗浄剤組成物をドレインから、剥がれ落とした樹脂汚れと共に抜き取った。
水性洗浄剤組成物を抜き取った現像処理槽に水洗水を投入し、10分間循環させた後、ドレインから抜き取った。このとき、廃水の電気伝導度を測定したところ、10ms/cmであった。この水洗処理を三回繰り返し、最後に現像処理槽内壁に樹脂汚れがないことを確認して、現像処理槽の洗浄を終えた。
本発明の水性洗浄剤組成物は、アクリル系カラーフィルターの製造ラインを構成する処理槽内に付着した当該カラーフィルター用樹脂組成物からなる樹脂汚れを、それが半硬化状態となっていても、物理的に掻き出すこともなく、処理槽に水性洗浄剤組成物を循環させることで容易に除去することができる。従って、アクリル系カラーフィルターの製造ラインを構成する処理槽の洗浄やメンテナンスに有用である。
Claims (7)
- カラーフィルターの製造ラインを構成する処理槽内に付着した当該カラーフィルター用樹脂組成物からなる樹脂汚れを、該処理槽内から除去するための水性洗浄剤組成物であって、以下の成分(A)〜(E):
(A)アルカリ剤0.1〜10重量%;
(B)有機溶剤30〜50重量%;
(C)キレート剤1〜10重量%;
(D)界面活性剤0.01〜1重量%; 及び
(E)水 残部
を含有することを特徴とする水性洗浄剤組成物。 - 成分(A)のアルカリ剤が、水酸化カリウムを含有する請求項1記載の水性洗浄剤組成物。
- 成分(B)の有機溶剤が、アラルキルアルコールとアルカノールアミンとを含有する請求項1又は2記載の水性洗浄剤組成物。
- 成分(B)の有機溶剤が、ベンジルアルコールとモノプロパノールアミンとを重量比で1:0.5〜2の割合で含有する請求項1又は2記載の水性洗浄剤組成物。
- 成分(C)のキレート剤が、グルコン酸又はその塩を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の水性洗浄剤組成物。
- 成分(D)の界面活性剤が、スルホン酸エステル型界面活性剤である請求項1〜5のいずれかに記載の水性洗浄剤組成物。
- カラーフィルターの製造ラインを構成する処理槽内に付着した当該カラーフィルター用樹脂組成物からなる樹脂汚れを、該処理槽内から除去する洗浄方法において、
(1) 処理槽内の樹脂汚れの状態を確認する工程;
(2) 水を該処理槽に導入し、その水を循環させながら水の流速と流れ方向とを調整する工程;
(3) 水の流速と流れ方向とを調整した後、水を処理槽から抜き取る工程;
(4) 水を抜き取った処理槽に請求項1〜6のいずれかに記載の水性洗浄剤組成物を導入し、その水性洗浄剤組成物を循環させ、処理槽内に付着した樹脂汚れを剥がし落とす工程;
(5) 洗浄中に処理槽内の洗浄状態を確認する工程;
(6) 洗浄槽内の洗浄状態が良好との判断があった場合に、水性洗浄剤組成物を、剥がれ落とした樹脂汚れと共に処理槽から抜き取る工程; 及び
(7) 水性洗浄剤組成物を抜き取った処理槽を水で濯ぐ工程
を有することを特徴とする洗浄方法。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015040290A (ja) * | 2013-08-23 | 2015-03-02 | 東栄化成株式会社 | アルカリ現像装置用洗浄剤組成物、およびアルカリ現像装置の洗浄方法 |
CN109234036A (zh) * | 2018-09-19 | 2019-01-18 | 珠海特普力高精细化工有限公司 | 一种环保型显影槽污垢清除剂及其制备方法和使用方法 |
-
2007
- 2007-09-04 JP JP2007229032A patent/JP2009062408A/ja active Pending
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