JP2009062211A - トリクロロシランの製造方法および多結晶シリコンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】STCを水素化する工程で発生する排ガスを再利用してTCS製造プロセスの高効率化を可能とすること。
【解決手段】水素化反応器101は、STC含有物を水素と反応させてTCSとする。また、低沸除去塔102は、水素化反応器101から排出されたクロロシラン留出物をTCSと高次水素化クロロシラン混合留出物とに分離して該高次水素化クロロシラン混合留出物を水素化反応器101に循環させる。低沸除去塔102によって分割分離された高次水素化クロロシラン混合留出分は、水素化反応器101へと循環供給される。従って、排ガスがプロセス内で循環・再利用されることとなってTCS製造の高効率化が図られる。
【選択図】図1

Description

本発明は、トリクロロシラン(TCS)製造の高効率化技術およびこれを多結晶シリコン製造工程に利用するための技術に関する。
半導体グレードの高純度多結晶シリコンの製造には、一般に、トリクロロシラン(TCS)ガスを還元して、これをシリコンロッド上に析出させる「ジーメンス法」が広く用いられてきている。
このジーメンス法に関連しては、特許文献1(特表2004−532786号公報)に、テトラクロロシラン(SiCl:STC)をトリクロロシラン(SiHCl:TCS)に転化するための水素化反応器中で、多結晶シリコン製造のためのCVDプロセスからの留出ガス中に存在するジシラン(HCl6−nSi:nは0〜6の値)をモノシランに転化させる工程を新たに備えた多結晶シリコンの製造方法に関する発明が開示されている。この方法によれば、水素化反応器という同一反応器で水素化反応とジシランの熱分解とが組み合わされることにより、水素化プロセスが高収率化されるなどの利点があるとされ、当該水素化工程で生成したTCSは回収されて多結晶シリコンの析出工程に再利用され得る。
ところで、TCSと水素を反応させて多結晶シリコンを析出させた際に生成される副生混合物中には、珪素数nが2のジシラン以外のポリシラン(H2(n+1)−mClSi:nは3または4の整数、mは0乃至2(n+1)の整数)も含まれている。したがって、これらのポリシランを効率的に利用することが可能となれば、多結晶シリコンの析出工程で生じる副生混合物を多結晶シリコン製造原料として再利用すること、より具体的にはTCSとしての再利用が容易化されて、製造プロセスの収率は更に高められることとなる。
また、多結晶シリコンを析出させた際にポリシラン以外にも生成される副生物として、ジクロロシランで代表される高次水素化クロロシランがある。この高次水素化クロロシランは上記STCをTCSに転化する工程でも同様に副生する。これら高次水素化クロロシランのうち、多結晶シリコンを析出させた際の排ガスに含まれる高次水素化クロロシランは未反応TCSと共にCVD反応炉に循環供給され有効に再利用されることがあるが、供給されるTCSに対して一定量を超えて混合されると析出される多結晶シリコンの品質を低下させるため、再利用の範囲は限られたものになる。しかし、この高次水素化クロロシランは、潜在的には再利用可能なケイ素源であることは明らかである。
つまり、特許文献1に開示された方法をはじめとした従来の多結晶シリコン製造方法において採用されているTCSの再循環利用プロセスは、上記副生混合物を多結晶シリコン製造原料としてのTCSに変換させるプロセスにおいて改善の余地がある。
加えて、半導体グレードの高純度多結晶シリコンを製造するためには原料となるTCSの高純度化が求められることとなる結果、多結晶シリコン製造プロセス内で循環利用されるTCSや副生物の不純物除去工程が必要となる。したがって、多結晶シリコン製造プロセス内で循環利用されるTCSや副生物からの不純物除去を容易化可能なものとしてプロセス設計することは、実用上、極めて重要な意味をもつ。
特表2004−532786号公報 特開昭58−217422号公報 特開平10−316413号公報 米国特許第3,126,248号明細書 米国特許第3,252,752号明細書 特公表昭58−500895号公報 米国特許第4,112,057号明細書 特開平4−300206号公報 特開2001−2407号公報
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、STCを水素化する工程で発生する排ガスに含まれる高次水素化クロロシランを再利用してTCS製造プロセスの高効率化を可能とすること、また、多結晶シリコンを析出させた際の排ガスに含まれる高次水素化クロロシランを製品品質低下を伴わないように再利用をすること、更には、多結晶シリコン析出工程で発生するポリシランを同時に再利用することで、高純度の多結晶シリコンを効率よく製造する方法を提供することにある。
かかる課題を解決するために、本発明のトリクロロシランの製造方法は、テトラクロロシラン(STC)含有物を水素と反応させてトリクロロシラン(TCS)とする水素化工程と、前記水素化工程から排出されたクロロシラン留出物をTCSと高次水素化クロロシラン混合留出物とに分離して該高次水素化クロロシラン混合留出物を前記水素化工程に循環させる工程とを備えていることを特徴とする。
本発明のトリクロロシランの製造方法は、前記高次水素化クロロシラン混合留出物の分離に先立ち、前記水素化工程から排出されたクロロシラン留出物から半導体結晶中で電気的に活性な不純物を除去する工程を更に備えるようにすることができる。
また、本発明のトリクロロシランの製造方法は、多結晶シリコン析出工程で発生する高次水素化クロロシランを前記水素化工程に供給するように構成するようにしてもよい。
さらに、本発明のトリクロロシランの製造方法においては、前記テトラクロロシラン(STC)含有物が多結晶シリコン析出工程で副生するポリシラン(H2(n+1)−mClSi:nは2乃至4の整数、mは0乃至2(n+1)の整数)を含有するものとしてもよい。
本発明の多結晶シリコンの製造方法は、本発明のトリクロロシランの製造方法により得られたTCSを多結晶シリコン析出工程に循環させて水素と反応させる工程を備えている。
本発明のトリクロロシランの製造方法では、水素化工程から排出されたクロロシラン留出物をTCSと高次水素化クロロシラン混合留出物とに分離して該高次水素化クロロシラン混合留出物を水素化工程に循環させることとしたので、排ガスがプロセス内で循環・再利用されることとなってTCS製造の高効率化が図られる。
また、本発明のトリクロロシランの製造方法では、クロロシランに含有されている半導体結晶中で電気的に活性な不純物の除去をTCS製造の循環サイクル中で行なうこととしたので、TCSの高純度化のためにTCS製造プロセスから当該不純物を除去するに際して、多量のクロロシランを系外に取り出す必要がなくなる。
さらに、ケイ素数nが2のジシランのみならず、ケイ素数nが3以上のものを含むポリシラン(H2(n+1)−mClSi:nは2乃至4の整数、mは0乃至2(n+1)の整数)を含有する混合物を上記水素化工程で同時に処理することにより、より高効率的にTCSを得ることができる。
そして、本発明のTCS製造方法により得られたTCSを多結晶シリコン析出工程に循環させて水素と反応させることすれば、多結晶シリコンの更なる高収率化を図ることが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明のトリクロロシランの製造方法について説明する。なお、以下では、本発明により得られたトリクロロシランを原料とする多結晶シリコンを半導体グレードの高純度多結晶シリコンとして説明するが、本発明は太陽電池グレード等の多結晶シリコンを得るためにも有効である。
[基本構成]:図1は、本発明のトリクロロシランの製造方法の構成例(工程例)を説明するための図で、このTCS製造プロセス100Aは、テトラクロロシラン(STC)含有物を水素と反応させてトリクロロシラン(TCS)とする水素化工程(水素化反応器101)と、水素化工程から排出されたクロロシラン留出物をTCSと高次水素化クロロシラン混合留出物とに分離して該高次水素化クロロシラン混合留出物を水素化工程(水素化反応器101)に循環させる工程(低沸除去塔102)とを備えている。
なお、図1に例示した工程では、水素化反応器101から排出されたクロロシラン留出物を低沸除去塔102に供給する前に、水素化工程から排出されたクロロシラン留出物から半導体結晶中で電気的に活性な不純物を除去する工程(ドナー・アクセプタ除去器103)が設けられている。このドナー・アクセプタ除去器103は、クロロシラン留出物中の不純物を取り除いて高純度化して、最終製品であるTCSの高純度化を図るためのものである。このドナー・アクセプタ除去器103による不純物除去方法については、後述する。
ドナー・アクセプタ除去器103によって不純物が除去されたTCSを含む高次水素化クロロシランは、低沸除去塔102によって、高次水素化クロロシランを回収分離するために蒸留分離され、比較的少量のTCSを含有する、より高次の水素化クロロシラン混合留出分とTCS留出分とに分割分離される。
このうち、前者(より高次の水素化クロロシラン混合留出分)は、水素化反応器101へと循環供給され、排ガスがプロセス内で循環・再利用されることとなってTCS製造の高効率化が図られる。
一方、後者(TCS留出分)は、製品として回収される。なお、このTCS留出分に更なる蒸留精製を施すこととすれば、当該TCS留出分更に高純度化される。また、この高純度TCSを多結晶シリコン析出のためのCVD工程に循環させて、多結晶シリコン製造用原料として再利用することとしてもよい。
以下に、各工程毎の説明を行う。
[水素化工程]:水素化工程では、STC含有物のTCSへの水素化反応が行なわれる。なお、当該水素化工程では、この水素化反応以外にも、量的には少ないが、TCSのジクロロシラン(SiHCl:DCS)への転換反応、DCSのモノクロロシラン(MCS)への転換反応、MCSのモノシラン(SiH:MS)への転換反応も同時に進行する。
水素化工程での反応は、一般に、約600〜1200℃の比較的高温の領域での水素化反応と約400〜600℃(例えば、約100〜約600psigの圧力下)の比較的低温の領域での水素化反応とに分類される(例えば、特許文献1、特許文献2(特開昭58−217422号公報)など参照)が、約600〜1200℃の温度領域での水素化反応は気相均一反応であって下記反応式(1)に従い進行し、約400〜600℃の温度領域での水素化反応は流動床反応であって下記反応式(2)の結果として下記反応式(3)に従い進行する。
Figure 2009062211
Figure 2009062211
Figure 2009062211
従って、約600〜1200℃の温度領域での水素化反応の場合には珪素の供給は不要であるが、約400〜600℃の温度領域での水素化反応の場合には珪素が供給され、この珪素の存在下で水素化が行なわれる。
水素化反応が約400〜600℃の比較的低温領域(圧力約100〜約600psig)で行なわれる場合、低沸除去塔102から循環供給された高次水素化クロロシランがDCSであるとすると、下記反応式(4)に従う化学反応が、水素化反応器101の内部での上述の水素化反応と同時進行する。
Figure 2009062211
本発明においては、上記反応式(4)で副生するHおよびSiは、STCがTCSへと水素化される際に供給される水素および珪素(例えば金属珪素)の一部として利用され得る。
また、水素化反応が約600〜1200℃の比較的高温領域で行なわれる場合には、高次水素化クロロシランがDCSであるとすると、下記反応式(5)に従う化学反応が、水素化反応器101の内部での上述の水素化反応と同時進行する。
Figure 2009062211
本発明においては、上記反応式(5)の原料であるHCl(左辺のHCl)として、STCの水素化反応で副生するHClの一部が利用されるとともに、反応によって副生するHはSTCの水素化原料の一部として利用され得る。
なお、上記反応式(4)および(5)は、高次水素化クロロシランがDCSであるとして示したが、他の高次水素化クロロシランも同様に、水素化工程へと循環(回収)し得る。
なお、図示はしないが、水素化反応が約400〜600℃の比較的低温領域で行われる場合には水素化反応器内に塩化水素(HCl)を外部から同時供給するようにしてもよい。
また、高次水素化クロロシランは、上記STCの水素化工程だけでなく、後述の多結晶シリコンを得るためのCVD工程の副生物としての排ガスにも含まれる。この高次水素化クロロシランも同様に上述のSTCの水素化工程に再循環することによって、上記と同様、TCSの原料として有効に利用することができる。
[ドナー・アクセプタ除去器]:ドナー・アクセプタ除去器103を設ける主目的は、製造されるTCSから、半導体結晶中で電気的に活性な不純物を除去することにある。より具体的には、TCSから、シリコン結晶中でドナーとなる不純物(PやAsなど)及びアクセプタとなる不純物(BやAlなど)を極微量にまで除去することで、高純度多結晶シリコンの製造原料とするためである。
特に、特許文献3に記載されているように、製造工程で副生するDCSを系内から除去せずに循環再利用すると、それと近沸点をもつ電気的に活性な不純物も除去されずに系内に蓄積して品質上支障を来たす恐れがある。本発明では、ドナー・アクセプタ除去器103をTCS製造の循環サイクル中に設けているので、TCSの高純度化のためにTCS製造プロセスから上述の不純物(ドナー不純物とアクセプタ不純物)を除去するに際して、多量のクロロシランを系外に取り出す必要がなくなる。
不純物除去方法としては、チオフェノール或いはベンズアルデヒド等の孤立電子対を保有する元素を含む有機物との付加物生成による除去(特許文献4(米国特許第3,126,248号明細書)や特許文献5(米国特許第3,252,752号明細書)を参照)、微量酸素雰囲気下でSi−O−B或いはSi−O−P結合を形成することにより化学反応的に除去する方法(特許文献6(特公表昭58−500895号公報)を参照)、水和したシリカゲルやアルミナゲル等の金属酸化物と接触除去する方法(特許文献7(米国特許第4,112,057号明細書)を参照)、TiClやFeCl等の無機塩水溶液と接触除去する方法(特許文献8(特開平4−300206号公報)を参照)、アルカリまたはアルカリ土類フッ化物塩と接触除去する方法(特許文献9(特開2001−2407号公報)を参照)、あるいは、酸素をクロロシラン液中に溶解しベンズアルデヒドと反応させることでドナーおよびアクセプタの両不純物を同時に不揮発固定化する方法などを採用することができる。
[他の構成例]:図2は、本発明のトリクロロシランの製造方法の他の構成例(工程例)を説明するための図で、このTCS製造プロセス100Bでは、ポリシラン(H2(n+1)−mClSi:nは2乃至4の整数、mは0乃至2(n+1)の整数)を含有する混合物が、低沸除去塔102から留出した高次水素化クロロシラン含有混合物と共に水素化反応器101に供給される。
ここで、水素化反応器101に供給されるポリシラン含有混合物は、例えば、多結晶シリコン析出のCVD工程で生成した副生混合物である。
多結晶シリコンの析出に用いられるCVD反応炉内では、トリクロロシラン(SiHCl:TCS)と水素(H)の反応によるTCSの還元反応(ジーメンス法)により、通電加熱したシリコンロッド(シード)上に多結晶シリコンが析出するが、CVD反応炉内には、未反応状態で残ったTCSのほか、当該還元反応中に生成したジクロロシラン(SiHCl:DCS)やテトラクロロシラン(SiCl:STC)、ポリシラン、および粒状シリコン等を含有する副生混合物が存在することとなる。ここで、ポリシランは、上述の化学式H2(n+1)−mClSiで一般表記され、TCSはn=1,m=3、DCSはn=1,m=2、STCはn=1,m=4、の場合のポリシランである。
この多結晶シリコン析出工程(多結晶シリコン製造工程)からの副生混合物を、低沸除去塔102から留出した高次水素化クロロシラン含有混合物と共に水素化反応器101に供給して、クロロシラン留出物を生成させることができる。
図3は、本発明の多結晶シリコンの製造方法の商業的プロセス例を説明するための図である。この多結晶シリコンの製造プロセスでは、本発明のトリクロロシランの製造プロセス100Cにより得られたTCSを多結晶シリコン析出工程(CVD工程)200に循環させて水素と反応させる工程が設けられている。
多結晶シリコン析出工程200からの副生混合物としてポリシラン類を0.37%含有したSTC並びにMCSが1.2wt%、DCSが50.7wt%、TCSが48.1wt%なる組成の高次水素化クロロシラン混合物を水素化反応器101に供給した。
金属珪素が流動している水素化反応器101には、多結晶シリコン析出工程200からの副生混合物としてポリシラン類を0.37%含有したSTCと水素がモル比1:2の割合のガス状で供給されるとともに、低沸除去塔102から循環された高次水素化クロロシランが供給され、反応温度520℃、反応圧力2.5Mpagの条件下で、STCの水素化反応が行なわれた。この水素化反応の結果、MCSが0.02wt%、DCSが0.74wt%、TCSが23.10wt%、STCが76.14wt%なる組成の反応生成物を得た。
この反応生成物と共に、系外からのTCS(68kg/hr)及び精製塔(不図示)の塔底から留出したTCS(42kg/hr)を、分離蒸留塔(不図示)に供給した。分離蒸留塔では、塔頂からMCSが0.07wt%、DCSが2.86wt%、TCSが97.07wt%なる組成の高次水素化クロロシラン含有留出物が留出され、ドナー・アクセプタ除去器103に供給された。
ドナー・アクセプタ除去器103は攪拌器付きの容器であって、この容器内で、反応温度30℃、反応圧力0.2Mpag、滞留時間1時間の条件下で、酸素濃度1.6vol%の窒素ガスを吹き込みながらベンズアルデヒド1kg/hrを導入することで、ドナー・アクセプタ不純物を高沸固定化した。
ドナー・アクセプタ除去器103からは、処理液が連続的に蒸発器(不図示)に排出され、蒸発したクロロシラン類は蒸気状態で低沸除去塔102に供給された。
低沸除去塔102では、塔頂から、MCSが0.8wt%、DCSが33.8wt%、TCSが65.4wt%なる組成の混合物が水素化反応器101に循環供給され、塔底からは、TCSが精製塔104に供給された。
精製塔104では、塔頂から高純度のTCSが留出され、多結晶シリコン製造工程200へと供給された。また、精製塔104の塔底からはTCSが分離蒸留塔に循環供給された。
上述の精製塔104の塔頂から留出された高純度TCSを用いてジーメンス法で析出させて得た多結晶シリコン中の不純物は、ドナー濃度が0.021ppba、アクセプタ濃度が0.007ppbaといった、高純度の多結晶シリコンが得られた。
本発明によれば、水素化工程からの排ガスがプロセス内で循環・再利用されることとなってTCS製造の高効率化が図られる。
本発明のTCSの製造方法の基本構成(工程)を説明するための図である。 本発明のTCSの製造方法の他の構成例を説明するための図である。 本発明の多結晶シリコンの製造方法の商業的プロセス例を説明するための図である。
符号の説明
100A,100B,100C TCS製造プロセス
101 水素化反応器
102 低沸除去塔
103 ドナー・アクセプタ除去器
104 精製塔
200 多結晶シリコン析出工程

Claims (5)

  1. テトラクロロシラン(STC)含有物を水素と反応させてトリクロロシラン(TCS)とする水素化工程と、前記水素化工程から排出されたクロロシラン留出物をTCSと高次水素化クロロシラン混合留出物とに分離して該高次水素化クロロシラン混合留出物を前記水素化工程に循環させる工程とを備えていることを特徴とするトリクロロシランの製造方法。
  2. 前記高次水素化クロロシラン混合留出物の分離に先立ち、前記水素化工程から排出されたクロロシラン留出物から半導体結晶中で電気的に活性な不純物を除去する工程を更に備えている請求項1に記載のトリクロロシランの製造方法。
  3. 多結晶シリコン析出工程から副生する高次水素化クロロシランを前記水素化工程に供給する工程を備えている請求項1又は2に記載のトリクロロシランの製造方法。
  4. 前記テトラクロロシラン(STC)含有物が多結晶シリコン析出工程で副生するポリシラン(H2(n+1)−mClSi:nは2乃至4の整数、mは0乃至2(n+1)の整数)を含有する請求項1乃至3に記載のトリクロロシランの製造方法。
  5. 請求項1乃至4の何れか1項に記載のトリクロロシランの製造方法により得られたTCSを多結晶シリコン析出工程に循環させて水素と反応させる工程を備えている多結晶シリコンの製造方法。
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