JP2009061950A - 排気ターボ過給機付き内燃機関における排気ガス管路の支持装置 - Google Patents

排気ターボ過給機付き内燃機関における排気ガス管路の支持装置 Download PDF

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Abstract

【課題】内燃機関1の排気マニホールド7に,排気ターボ過給機8の排気タービン9における排気ガス入口9aを接合する一方,前記排気タービン8における排気ガス出口9bに接合した排気ガス管路11を,前記内燃機関1又はこの内燃機関における出力側端面に接合のミッションケース5に,ブラケット12を介して連結支持して成る排気管路の支持装置において,前記排気ターボ過給機8の特性が,熱膨張に起因して変化することを回避する。
【解決手段】前記ブラケット12における内燃機関に対する前後方向Xへの剛性,上下方向Zへの剛性及び左右方向Yへの剛性のうち前後方向Xへの剛性を,当該ブラケット12が前後方向Xには上下方向Z及び左右方向Yよりも小さい外力で弾性変形するように,前記上下方向Z及び左右方向Yへの剛性よりも低くする。
【選択図】図1

Description

本発明は,排気ターボ過給機を備えた内燃機関において,前記排気ターボ過給機からの排気ガス管路を支持するための装置に関するものである。
最近,排気ターボ過給機を備えた内燃機関においては,先行技術としての特許文献1等に記載されているように,その長手側面のうち排気マニホールドを接合した部分に,前記排気ターボ過給機をその軸線をクランク軸線と実質的に平行に配設して,この排気ターボ過給機の排気タービンにおける排気ガス入口を前記排気マニホールドに接合する一方,前記排気ターボ過給機の排気タービンにおける排気ガス出口に,大気への排気ガス管路を接合し,この排気ガス管路を,前記内燃機関又はこの内燃機関における出力側端面に接合のミッションケースに,ブラケットを介して連結して支持するという構成にしている。
この場合,前記排気ガス管路は,これに各種の排気ガス浄化装置及び/又はDPRフィルタ装置等が設けられることで可成りの重量を有することから,前記先行技術においては,前記ブラケットを,その断面コ字状にすることにより,当該排気ガス管路が内燃機関又はミッションケースに対して上下方向,前後方向及び左右方向のいずれの方向にも高い剛性を有する構成にしている。
特開2005−155440号公報
前記したように,排気タービンにおける排気ガス入口を排気マニホールドに接合する一方,前記排気タービンにおける排気ガス出口に接合した排気ガス管路を内燃機関又はミッションケースにブラケットにて支持するという構成した場合に,前記排気ガス管路のうちブラケットによる連結支持の部分から前記排気マニホールドに至るまでの間の部分には,内燃機関に対して前後方向,上下方向及び左右方向の三方向への熱膨張が存在する。
しかし,前記先行技術においては,前記排気ガス管路を内燃機関又はミッションケースに支持するためのブラケットを,断面コ字状にして前記前後方向,上下方向及び左右方向のいずれの方向についても高い剛性を有する構成にしていることにより,前記排気ガス管路のうち前記ブラケットによる連結支持部分は,前記した前後方向,上下方向及び左右方向のいずれの方向についても容易に動くことがないように強固に固定されることになるから,前記排気ターボ過給機の排気タービンにおける排気ガス入口の部分には,前記三方向への熱膨張のうち前後方向の熱膨張に起因する大きな熱応力が,排気タービンをその軸線回りに捩じるように作用する。
つまり,前記排気タービンは,前記前後方向への熱膨張・収縮に起因する大きい熱応力によって,ブロワー圧縮機に対して,その間の接合箇所において軸芯の回りに相対的に捩れるように変位するから,排気ターボ過給機における特性が変化し,内燃機関における運転状態に適合しない事態を招来するおそれが大きいという問題があった。
本発明は,この問題を解消した排気管路の支持装置を提供することを技術的課題とするものである。
この技術的課題を達成するための本発明の請求項1は,
「内燃機関のうち排気マニホールドを接合した長手側面の部分に,排気ターボ過給機をその軸線をクランク軸線と実質的に平行に配設して,この排気ターボ過給機の排気タービンにおける排気ガス入口を前記排気マニホールドに接合する一方,前記排気ターボ過給機の排気タービンにおける排気ガス出口に接合した排気ガス管路を,前記内燃機関又はこの内燃機関における出力側端面に接合のミッションケースに,ブラケットを介して連結支持して成る排気管路の支持装置において,
前記ブラケットにおける内燃機関に対して前後方向への剛性,上下方向への剛性及び左右方向への剛性のうち前後方向への剛性を,当該ブラケットが前後方向には上下方向及び左右方向よりも小さい外力で弾性変形するように,前記上下方向及び左右方向への剛性よりも低くする。」
ことを特徴としている。
また,本発明の請求項2は,
「前記請求項1の記載において,前記ブラケットを,内燃機関に対して前後方向を板厚さにし,上下方向を前記板厚さよりも大きい幅寸法にして左右方向に延びるようにした板体に構成した。」
ことを特徴としている。
更にまた,本発明の請求項3は,
「前記請求項2の記載において,前記ブラケットの一端部に折り曲げ片を一体に設けて,この折り曲げ片を,前記排気ガス管路に取付けるか,内燃機関又はミッションケースに取付ける一方,前記ブラケットの他端部に補強板を重ねて固着して,この他端部を,前記内燃機関又はミッションケースに取付けるか,前記排気ガス管路に取付ける。」
ことを特徴としている。
このように,ブラケットにおける三方向への剛性のうち前後方向への剛性を,当該ブラケットが前後方向には上下方向及び左右方向よりも小さい外力で弾性変形するように,前記上下方向及び左右方向への剛性よりも低くするという構成にすることにより,前記排気ガス管路のうちブラケットによる連結支持部分は,前後方向には,上下方向及び左右方向よりも容易に変位することができ,この前後方向への変位によって前後方向への熱膨張を許容できるから,前記前後方向への熱膨張に起因して排気タービンにその軸線回りに捩じるように作用する熱応力を,大幅に低減できる。
従って,排気ターボ過給機における排気タービンが,前記排気タービンからの排気ガス管路をブラケットにて支持することに起因して,ブロワー圧縮機に対して相対的に捩れ変位すること,ひいては,排気ターボ過給機における特性が内燃機関の運転状態に適合しない事態を招来することを確実に回避できる。
また,前記ブラケットにおける内燃機関に対して前後方向への剛性,上下方向への剛性及び左右方向への剛性のうち前後方向への剛性を,当該ブラケットが前後方向には上下方向及び左右方向よりも小さい外力で弾性変形するように,前記上下方向及び左右方向への剛性よりも低くするように構成することは,請求項2に記載したように,前記ブラケットを,内燃機関に対して前後方向を板厚さで,上下方向を前記板厚さよりも大きい幅寸法にして左右方向に延びるようにした板体にすることによって,簡単な構成で容易に実現できる。
この請求項3の構成においては,請求項2に記載した構成により,前記ブラケットの排気ガス管路に対する取付け,及び前記ブラケットの内燃機関又はミッションケースに対する取付けを強固にできる利点がある。
以下,本発明の実施の形態を図面について説明する。
図1〜図5は,第1の実施の形態を示す。
これらの図において,符号1は,複数の気筒2をクランク軸線3の方向に並べて設けて成る内燃機関を示し,この内燃機関1におけるクランク軸線3の方向における出力側端面4には,ミッションケース5が接合され,また,一方の長手側面6には,前記各気筒2からの排気マニホールド7が接合されている。
次に,符号8は,排気ターボ過給機を示し,この排気ターボ過給機8は,排気タービン9とブロワー圧縮機10とを同一軸にして直結して成る構成で,前記一方の長手側面6の部分に,その軸線を前記クランク軸線3と平行又は略平行にし,且つ,前記排気タービン9における排気ガス入口9aを横向きにして配設されている。
前記排気ターボ過給機8の排気タービン9における排気ガス入口9aは,前記排気マニホールド7における外側面に,前記各気筒からの排気ガスを当該排気ガス入口9aに導入するようにフランジにて接続されている。
また,前記排気ターボ過給機8の排気タービン9における排気ガス出口9bには,排気ガスを大気に放出するための排気ガス管路11がフランジにて接続されており,この排気ガス管路11は,下向きに曲がる構成であり,その曲がりより下流の部分には,図示していないが,各種の排気ガス浄化装置及び/又はDPFフィルタ装置等が設けられている。
そして,符号12は,前記排気ガス管路11における途中の部分を,前記ミッションケース5に対して連結して支持するためのブラケットを示す。
このブラケット12は,前記内燃機関1に対して図に矢印Xで示すように前後方向を適宜の板厚さTにし,前記内燃機関1に対して図に矢印Zで示すように上下方向には前記板厚さTよりも大きい幅寸法Sにして,前記内燃機関1に対して図に矢印Yで示すように左右方向に延びるようにした板体に構成されている。
このブラケット12の一端部12aには,折り曲げ部13を一体に設けて,この折り曲げ片13を,前記排気ガス管路11に設けられているフランジ等の取付け部14に,複数本のボルト15にて着脱可能に取付ける。
一方,前記ブラケット12の他端部12bには,補強板16を重ねて固着し,この他端部12aを,前記ミッションケース5に設けられている取付け部17に,複数本のボルト18にて着脱可能に取付けるという構成にしている。
なお,前記ブラケット12の他端部12bに補強板16を重ねて固着するには,図3及び図5に示すように,当該補強板16を前記ブラケット12よりも部分的に幅狭に構成して,この幅狭の部分において,ブラケット12に対して溶接するという方法が採用されており,この方法により,前記ブラケット12の側面に溶接痕が出現することを回避できる等の利点がある。
また,前記ブラケット12の他端部12bは,前記ミッションケース5側ではなく,内燃機関1側に設けた取付け部に対して取付けるように構成しても良い。更にまた,前記ブラケット12の一端部12aにおける折り曲げ部13を,内燃機関1又はミッションケース5側に取付ける一方,ブラケット12の他端部12bを,排気ガス管路11側に取付けるように構成しても良い。
前記した構成において,前記ブラケット12は,内燃機関1に対して前後方向Xを板厚さTにし,上下方向Zを前記板厚さTよりも大きい幅寸法Sにして左右方向Yに延びるようにした板体であることにより,このブラケット12における前記前後方向Xへの剛性,前記上下方向Zへの剛性及び前記左右方向Yへの剛性のうち前後方向Xへの剛性が,当該ブラケット12が前後方向Xには上下方向Z及び左右方向Yよりも小さい外力で弾性変形するように,前記上下方向Zへの剛性及び左右方向Yへの剛性よりも低くするように構成されている。
これにより,前記排気ガス管路11のうちブラケット12による連結支持部分を,前後方向Xには,上下方向Z及び左右方向Yよりも容易に変位することができ,この前後方向Xへの変位によって前後方向Xへの熱膨張を許容できるから,前記前後方向Xへの熱膨張に起因して排気タービン9に軸線回りに捩じるように作用する熱応力を,大幅に低減することができる。
次に,図6及び図7は,第2の実施の形態を示す。
この第2の実施の形態は,前記排気ターボ過給機8の排気タービン9における排気ガス出口9bを上向きにして,内燃機関1における一方の長手側面6に取付けた排気マニホールド7の下面に接合する一方,前記排気タービン9における排気ガス出口9bに接合した排気ガス管路11における途中の部分を,前記内燃機関1に対してブラケット12′を介して支持するという構成にしたものである。
この場合においても,前記ブラケット12′を,前記第1の実施の形態と同様に,前記内燃機関1に対して図に矢印Xで示すように前後方向を適宜の板厚さTにし,前記内燃機関1に対して図に矢印Zで示すように上下方向には前記板厚さTよりも大きい幅寸法Sにして,前記内燃機関1に対して図に矢印Yで示すように左右方向に延びるようにした板体に構成して,このブラケット12′の一端部12a′を前記排気ガス管路11に設けられているフランジ等の取付け部14に着脱可能に取付ける一方,前記ブラケット12′の他端部12aを,前記内燃機関1に設けられている取付け部17′に着脱可能に取付けるという構成にする。
この構成により,前記排気ガス管路11のうちブラケット12′による連結支持部分を,前後方向Xには,上下方向Z及び左右方向Yよりも容易に変位することができ,この前後方向Xへの変位によって前後方向Xへの熱膨張を許容できるから,前記前後方向Xへの熱膨張に起因して排気タービン9にその軸線回りに捩じるように作用する熱応力を,大幅に低減することができる。
また,前記第1の実施の形態において述べた各種の変形例は,当然に,この第2の実施の形態にも適用できることは言うまでもない。
本発明の第1の実施の形態を示す平面図である。 図1のII−II視側面図である。 ブラケットの拡大斜視図である。 図3のIV−IV視拡大断面図である。 図3のV−V視拡大断面図である。 本発明の第2の実施の形態を示す側面図である。 図6のVII −VII 視側面図である。
符号の説明
1 内燃機関
2 気筒
3 クランク軸線
4 出力側端面
5 ミッションケース
6 一方の長手側面
7 排気マニホールド
8 排気ターボ過給機
9 排気タービン
9a 排気ガス入口
9b 排気ガス出口
10 ブロワー圧縮機
11 排気ガス管路
12,12′ ブラケット
12a,12a′ ブラケットの一端部
12b,12b′ ブラケットの他端部
13 折り曲げ部
16 補強板
17,17′ 取付け部

Claims (3)

  1. 内燃機関のうち排気マニホールドを接合した長手側面の部分に,排気ターボ過給機をその軸線をクランク軸線と実質的に平行に配設して,この排気ターボ過給機の排気タービンにおける排気ガス入口を前記排気マニホールドに接合する一方,前記排気ターボ過給機の排気タービンにおける排気ガス出口に接合した排気ガス管路を,前記内燃機関又はこの内燃機関における出力側端面に接合のミッションケースに,ブラケットを介して連結支持して成る排気管路の支持装置において,
    前記ブラケットにおける内燃機関に対して前後方向への剛性,上下方向への剛性及び左右方向への剛性のうち前後方向への剛性を,当該ブラケットが前後方向には上下方向及び左右方向よりも小さい外力で弾性変形するように,前記上下方向及び左右方向への剛性よりも低くすることを特徴とする排気ターボ過給機付き内燃機関における排気ガス管路の支持装置。
  2. 前記請求項1の記載において,前記ブラケットを,内燃機関に対して前後方向を板厚さにし,上下方向を前記板厚さよりも大きい幅寸法にして左右方向に延びるようにした板体に構成したことを特徴とする排気ターボ過給機付き内燃機関における排気ガス管路の支持装置。
  3. 前記請求項2の記載において,前記ブラケットの一端部に折り曲げ片を一体に設けて,この折り曲げ片を,前記排気ガス管路に取付けるか,内燃機関又はミッションケースに取付ける一方,前記ブラケットの他端部に補強板を重ねて固着して,この他端部を,前記内燃機関又はミッションケースに取付けるか,前記排気ガス管路に取付けることを特徴とする排気ターボ過給機付き内燃機関における排気ガス管路の支持装置。
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