JP2009061717A - タイヤ補強帯の製造装置およびタイヤ補強帯の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】線状部材の先端部を自動で被巻き付け面に位置決めして配置し、かつ精度良くタイヤ補強帯を形成する。
【解決手段】線状部材Wを被巻き付け面11aと対向させる引き出し手段12と、この引き出し手段12が引き出した線状部材Wを挟んで被巻き付け面11aと対向する位置に設けられた押付手段13と、引き出し手段12を挟んだ押付手段13の反対側において、押付手段13よりも引き出し方向Fの上流側に、引き出し手段12が引き出した線状部材Wに対して進退可能に設けられるとともに、当該線状部材Wと対向する表面に、引き出し方向Fに沿って延びる位置決め溝15aが形成された位置決め手段15と、を備える。
【選択図】図3
【解決手段】線状部材Wを被巻き付け面11aと対向させる引き出し手段12と、この引き出し手段12が引き出した線状部材Wを挟んで被巻き付け面11aと対向する位置に設けられた押付手段13と、引き出し手段12を挟んだ押付手段13の反対側において、押付手段13よりも引き出し方向Fの上流側に、引き出し手段12が引き出した線状部材Wに対して進退可能に設けられるとともに、当該線状部材Wと対向する表面に、引き出し方向Fに沿って延びる位置決め溝15aが形成された位置決め手段15と、を備える。
【選択図】図3
Description
本発明は、タイヤ補強帯の製造装置およびタイヤ補強帯の製造方法に関するものである。
近年の空気入りタイヤにおいては、線状部材が巻き付けられてなる環状のタイヤ補強帯が配設されることがある。このタイヤ補強帯を、例えばトレッド部においてベルト層よりもタイヤ径方向の外側に配置すると、この空気入りタイヤの内圧や高速走行時の遠心力等に起因したトレッド部の径成長を抑制すること等が可能になり、また、このタイヤ補強帯がサイドウォール部に設けられて当該サイドウォール部の剛性が高められると、例えば操縦安定性等が向上できることが知られている。
ところで、このようなタイヤ補強帯を形成する装置として、従来では例えば下記特許文献1に示されるような、軸線回りに回転可能に設けられた円板状の成形盤と、線状部材を成形盤の表面に押し付ける押付手段と、が備えられ、この押付手段により線状部材の先端部を成形盤の表面に押し付けた状態で、成形盤を軸線回りに回転させて線状部材を引き出しつつ、押付手段を成形盤の径方向外方に向けて移動させることにより、成形盤の周方向に沿って連続し、かつ径方向に積層されてなるタイヤ補強帯を形成する構成が知られている。
特開2001−260250号公報
ところで、このようなタイヤ補強帯を形成する装置として、従来では例えば下記特許文献1に示されるような、軸線回りに回転可能に設けられた円板状の成形盤と、線状部材を成形盤の表面に押し付ける押付手段と、が備えられ、この押付手段により線状部材の先端部を成形盤の表面に押し付けた状態で、成形盤を軸線回りに回転させて線状部材を引き出しつつ、押付手段を成形盤の径方向外方に向けて移動させることにより、成形盤の周方向に沿って連続し、かつ径方向に積層されてなるタイヤ補強帯を形成する構成が知られている。
しかしながら、前記従来のタイヤ補強帯の製造装置では、線状部材の先端部を自動で成形盤の径方向に位置決めしてこの成形盤の表面に配置するのが困難であり、人手を介さなければならず、タイヤ補強帯の製造効率を高める上で大きな阻害要因となっていた。
また、前述のように成形盤の表面に線状部材を巻き付ける過程で、線状部材が押付手段の前記径方向外方に向けた移動に追従せず、タイヤ補強帯を精度良く形成するのが困難になるおそれもあった。
また、前述のように成形盤の表面に線状部材を巻き付ける過程で、線状部材が押付手段の前記径方向外方に向けた移動に追従せず、タイヤ補強帯を精度良く形成するのが困難になるおそれもあった。
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、線状部材の先端部を自動で成形盤の表面等の被巻き付け面に位置決めして配置することが可能になるとともに、精度良くタイヤ補強帯を形成することができるタイヤ補強帯の製造装置およびタイヤ補強帯の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明のタイヤ補強帯の製造装置は、軸線回りに回転可能に設けられた被巻き付け体の被巻き付け面に線状部材を巻き付けて環状のタイヤ補強帯を形成するタイヤ補強帯の製造装置であって、線状部材を、その先端をチャックして引き出し、前記被巻き付け面と対向させる引き出し手段と、この引き出し手段が引き出した線状部材を挟んで前記被巻き付け面と対向する位置に、この被巻き付け面に対して進退可能で、かつ前記被巻き付け面に沿った方向において線状部材の引き出し方向に直交する方向に移動可能に設けられた押付手段と、前記引き出し手段を挟んだ前記押付手段の反対側において、前記押付手段よりも前記引き出し方向の上流側に、前記引き出し手段が引き出した線状部材に対して進退可能に設けられるとともに、当該線状部材と対向する表面に、前記引き出し方向に沿って延びる位置決め溝が形成された位置決め手段と、が備えられたことを特徴とする。
また、本発明のタイヤ補強帯の製造方法は、軸線回りに回転可能に設けられた被巻き付け体の被巻き付け面に線状部材を巻き付けて環状のタイヤ補強帯を形成するタイヤ補強帯の製造方法であって、本発明のタイヤ補強帯の製造装置を用い、前記引き出し手段により線状部材を前記被巻き付け面と対向させる引き出し工程と、前記線状部材の先端を引き出し手段でチャックした状態で、前記位置決め手段を当該線状部材に向けて前進移動させこの線状部材を前記押付手段側に向けて屈曲させることにより当該線状部材を引張しつつ前記位置決め溝内に侵入させる位置決め工程と、前記被巻き付け面に向けて前記押付手段を前進移動させ線状部材を前記被巻き付け体側に向けて屈曲させて当該線状部材の先端部を被巻き付け面に押し付ける押付工程と、線状部材の先端の前記引き出し手段によるチャックを解除し、かつ前記位置決め手段により線状部材を前記押付手段側に向けて屈曲させた状態で、前記被巻き付け体を軸線回りに回転させつつ、前記押付手段を前記直交する方向に移動させる巻き付け工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、線状部材の先端を引き出し手段でチャックした状態で、位置決め手段によりこの線状部材を前述のように屈曲させて引張しつつ前記位置決め溝内に侵入させるので、前記押付工程に先立って線状部材の先端部を自動で前記直交する方向に位置決めすることが可能になる。また、前記押付手段により線状部材の先端部を被巻き付け面に押し付けるので、前述のように位置決めされた線状部材の先端部を自動で被巻き付け面に配置することができる。
さらに、前記巻き付け工程時に、線状部材において押付手段よりも前記引き出し方向の上流側に位置する部分を位置決め手段で押付手段側に向けて屈曲させるので、線状部材において押付手段と位置決め手段との間に位置する部分に引張力を付与することが可能になり、押付手段と線状部材との間に発生する摩擦力を高めることができる。したがって、前記巻き付け工程時における押付手段の前記直交する方向への移動に線状部材を良好に追従させることが可能になり、高精度なタイヤ補強帯を形成することができる。
さらに、前記巻き付け工程時に、線状部材において押付手段よりも前記引き出し方向の上流側に位置する部分を位置決め手段で押付手段側に向けて屈曲させるので、線状部材において押付手段と位置決め手段との間に位置する部分に引張力を付与することが可能になり、押付手段と線状部材との間に発生する摩擦力を高めることができる。したがって、前記巻き付け工程時における押付手段の前記直交する方向への移動に線状部材を良好に追従させることが可能になり、高精度なタイヤ補強帯を形成することができる。
ここで、前記位置決め手段よりも前記引き出し方向の上流側には、前記位置決め手段が前進移動して前記押付手段側に屈曲させた線状部材を、前記押付手段側から支持する支持手段が設けられてもよい。
この場合、前記支持手段が設けられているので、位置決め手段が前進移動して線状部材を押付手段側に向けて屈曲させたときにこの線状部材に確実に引張力が付与されることになり、前述の作用効果を確実に奏功させることができる。
なお、この構成において、支持手段に前記引き出し方向の上流側で近接する位置に、タイヤ補強帯を形成した後に線状部材を切断するカッターが設けられた場合には、前述のように位置決め手段により線状部材を押付手段側に屈曲させたときに、この線状部材がカッターに対して位置ずれ、若しくは折曲しようとしても、線状部材が押付手段側から支持部材により支持されることになるので、この位置ずれや折曲の発生を防ぐことができる。
この場合、前記支持手段が設けられているので、位置決め手段が前進移動して線状部材を押付手段側に向けて屈曲させたときにこの線状部材に確実に引張力が付与されることになり、前述の作用効果を確実に奏功させることができる。
なお、この構成において、支持手段に前記引き出し方向の上流側で近接する位置に、タイヤ補強帯を形成した後に線状部材を切断するカッターが設けられた場合には、前述のように位置決め手段により線状部材を押付手段側に屈曲させたときに、この線状部材がカッターに対して位置ずれ、若しくは折曲しようとしても、線状部材が押付手段側から支持部材により支持されることになるので、この位置ずれや折曲の発生を防ぐことができる。
また、前記押付手段において、前記被巻き付け面と対向する表面には、前記引き出し方向に沿って延びる凹溝が形成され、この押付手段が前記被巻き付け面に向けて前進移動したときに、前記引き出し手段で引き出された線状部材が前記凹溝に支持された状態で前記被巻き付け面に押し付けられる構成とされてもよい。
この場合、押付手段に前記凹溝が形成されているので、前記巻き付け工程時に、線状部材を押付手段の前記直交する方向への移動に確実に追従させることができる。
この場合、押付手段に前記凹溝が形成されているので、前記巻き付け工程時に、線状部材を押付手段の前記直交する方向への移動に確実に追従させることができる。
さらに、前記押付手段よりも前記引き出し方向の下流側には、前記被巻き付け面に対して進退可能に支持され、前進移動したときに、前記引き出し手段により前記被巻き付け面と対向させられた線状部材の先端を前記被巻き付け面に押し付ける先端押付手段が設けられてもよい。
この場合、押付手段により線状部材の先端部を被巻き付け面に押し付け、かつ線状部材の先端の引き出し手段によるチャックを解除した状態で、先端押付手段を被巻き付け面に向けて前進移動させたときに、この線状部材の先端部をその先端を含めた全長にわたって被巻き付け面に押し付けることが可能になる。
この場合、押付手段により線状部材の先端部を被巻き付け面に押し付け、かつ線状部材の先端の引き出し手段によるチャックを解除した状態で、先端押付手段を被巻き付け面に向けて前進移動させたときに、この線状部材の先端部をその先端を含めた全長にわたって被巻き付け面に押し付けることが可能になる。
さらにまた、前記引き出し手段は、線状部材の先端をチャックするチャック部が前記被巻き付け面に対して進退移動するように揺動可能に設けられてもよい。
この場合、チャック部が線状部材の先端をチャックした状態で押付手段が前進移動する過程において、押付手段が線状部材の先端部に当接したときからこの先端部が被巻き付け面に押し付けられるまでの間に、この押付手段の前進移動にあわせて、引き出し手段を、チャック部が被巻き付け面に向けて前進するように揺動させることが可能になる。
したがって、線状部材においてチャック部と押付手段との間に位置する部分に発生する引張力を抑えることが可能になり、チャック部から線状部材の先端が外れるのを抑制することができるとともに、押付手段によって線状部材の先端部をその先端を含めた全長にわたって被巻き付け面に押し付け易くすることも可能になる。
この場合、チャック部が線状部材の先端をチャックした状態で押付手段が前進移動する過程において、押付手段が線状部材の先端部に当接したときからこの先端部が被巻き付け面に押し付けられるまでの間に、この押付手段の前進移動にあわせて、引き出し手段を、チャック部が被巻き付け面に向けて前進するように揺動させることが可能になる。
したがって、線状部材においてチャック部と押付手段との間に位置する部分に発生する引張力を抑えることが可能になり、チャック部から線状部材の先端が外れるのを抑制することができるとともに、押付手段によって線状部材の先端部をその先端を含めた全長にわたって被巻き付け面に押し付け易くすることも可能になる。
この発明によれば、線状部材の先端部を自動で被巻き付け面に位置決めして配置することが可能になるとともに、精度良くタイヤ補強帯を形成することができる。
以下、本発明に係るタイヤ補強帯の製造装置10の一実施形態を、図1から図5を参照しながら説明する。
このタイヤ補強帯の製造装置10は、線状部材Wを、その先端をチャックして引き出し、この線状部材Wの先端部を被巻き付け体11の被巻き付け面11aと対向させる引き出し手段12と、この引き出し手段12が引き出した線状部材Wを挟んで被巻き付け面11aと対向する位置に、この被巻き付け面11aに対して進退可能で、かつ被巻き付け面11aに沿った方向において線状部材Wの引き出し方向Fに直交する方向に移動可能に設けられた押付手段13と、を備えている。
このタイヤ補強帯の製造装置10は、線状部材Wを、その先端をチャックして引き出し、この線状部材Wの先端部を被巻き付け体11の被巻き付け面11aと対向させる引き出し手段12と、この引き出し手段12が引き出した線状部材Wを挟んで被巻き付け面11aと対向する位置に、この被巻き付け面11aに対して進退可能で、かつ被巻き付け面11aに沿った方向において線状部材Wの引き出し方向Fに直交する方向に移動可能に設けられた押付手段13と、を備えている。
そして、線状部材Wの先端部を押付手段13により被巻き付け面11aに押し付けた状態で、被巻き付け体11を軸線回りに回転させて線状部材Wを引き出しつつ、押付手段13を前記直交する方向に移動させることにより、被巻き付け体11の周方向に沿って連続し、かつ前記直交する方向に積層されてなる環状のタイヤ補強帯が形成されるようになっている。
図示の例では、この製造装置10において前記引き出し方向Fの上流端に、タイヤ補強帯を形成した後に線状部材Wを切断するカッター装置14が配設されている。このカッター装置14は、互いに当接させられた第1カッター部材14aおよび第2カッター部材14bを備え、これらのカッター部材14a、14bは前記引き出し方向Fに沿って連設されている。これらの第1カッター部材14aおよび第2カッター部材14bにはそれぞれ、前記引き出し方向Fに沿って延在し、かつ内部に線状部材Wが挿入される貫通孔が同軸上に形成されており、各貫通孔内において、第1カッター部材14aおよび第2カッター部材14bそれぞれの互いに当接した当接面14d、14e側の開口部に、カッター14cが各別に配置されている。そして、前記貫通孔内に線状部材Wが挿入された状態で、第1カッター部材14aと第2カッター部材14bとが相対的に前記引き出し方向Fに直交する方向に移動することによって、カッター14cにより線状部材Wが切断されるようになっている。また、カッター装置14は、前記引き出し方向Fに沿って移動可能に設けられており、前述のように線状部材Wを切断した後に、前記引き出し方向Fの上流側に移動することにより、このカッター装置14から前記引き出し方向Fの下流側に線状部材Wの先端を突出させるようになっている。
図示の例では、この製造装置10において前記引き出し方向Fの上流端に、タイヤ補強帯を形成した後に線状部材Wを切断するカッター装置14が配設されている。このカッター装置14は、互いに当接させられた第1カッター部材14aおよび第2カッター部材14bを備え、これらのカッター部材14a、14bは前記引き出し方向Fに沿って連設されている。これらの第1カッター部材14aおよび第2カッター部材14bにはそれぞれ、前記引き出し方向Fに沿って延在し、かつ内部に線状部材Wが挿入される貫通孔が同軸上に形成されており、各貫通孔内において、第1カッター部材14aおよび第2カッター部材14bそれぞれの互いに当接した当接面14d、14e側の開口部に、カッター14cが各別に配置されている。そして、前記貫通孔内に線状部材Wが挿入された状態で、第1カッター部材14aと第2カッター部材14bとが相対的に前記引き出し方向Fに直交する方向に移動することによって、カッター14cにより線状部材Wが切断されるようになっている。また、カッター装置14は、前記引き出し方向Fに沿って移動可能に設けられており、前述のように線状部材Wを切断した後に、前記引き出し方向Fの上流側に移動することにより、このカッター装置14から前記引き出し方向Fの下流側に線状部材Wの先端を突出させるようになっている。
なお、被巻き付け面11aに沿った方向において前記引き出し方向Fに直交する方向は、図1から図5では紙面に直交する方向となっている。
また、被巻き付け体11としては、例えば未加硫のタイヤ構造体、円板状の成形盤若しくは未加硫のタイヤ構造体の内面形状と同じ外面形状に形成された剛体コア等が挙げられる。
さらに、線状部材Wは、例えばスチールコード等が挙げられ、単線若しくは撚り線となっている。なお、単線および撚り線のうちでは撚り線の方が高い柔軟性を有しているのでタイヤ補強帯を形成する材料として好ましい。
また、被巻き付け体11としては、例えば未加硫のタイヤ構造体、円板状の成形盤若しくは未加硫のタイヤ構造体の内面形状と同じ外面形状に形成された剛体コア等が挙げられる。
さらに、線状部材Wは、例えばスチールコード等が挙げられ、単線若しくは撚り線となっている。なお、単線および撚り線のうちでは撚り線の方が高い柔軟性を有しているのでタイヤ補強帯を形成する材料として好ましい。
さらにまた、例えば被巻き付け体11が未加硫のタイヤ構造体の場合、線状部材Wを巻き付ける被巻き付け面11aとしては、未加硫のトレッド部材が貼り付けられる前の未加硫のベルト部材の外周面、若しくは未加硫のサイドウォール部材の外表面等が挙げられる。そして、被巻き付け面11aが未加硫のベルト部材の外周面の場合には、前記直交する方向はタイヤ幅方向であり、被巻き付け体11の軸線は前記直交する方向に沿って延在し、また、被巻き付け面11aが未加硫のサイドウォール部材の外表面の場合には、前記直交する方向はタイヤ径方向であり、被巻き付け体11の軸線は押付手段13と被巻き付け面11aとが対向する方向(図1から図5において左右方向)に沿って延在する。
ここで図示の例では、引き出し手段12は、前記引き出し方向Fに沿って延設された流体圧シリンダとされ、このシリンダが有するロッド12bの先端にチャック部12cが設けられている。なお、チャック部12cは互いに接離可能に設けられた一対のフィンガーで構成されており、これらのフィンガーが互いに接近移動したときに線状部材Wの先端を挟持するようになっている。
また、引き出し手段12は、チャック部12cが被巻き付け面11aに対して進退移動するように、前記直交する方向に沿って延びる軸線回りに揺動可能に設けられている。図示の例では引き出し手段12はロータリーアクチュエータ17で支持されて前述のように揺動可能に設けられている。
また、引き出し手段12は、チャック部12cが被巻き付け面11aに対して進退移動するように、前記直交する方向に沿って延びる軸線回りに揺動可能に設けられている。図示の例では引き出し手段12はロータリーアクチュエータ17で支持されて前述のように揺動可能に設けられている。
ここで、押付手段13は、前記直交する方向に沿って延びる軸線回りに回転自在に設けられたローラとなっている。また、この押付手段13において、被巻き付け体11の被巻き付け面11aと対向する表面には、前記引き出し方向Fに沿って延びる凹溝13aが形成されている。この凹溝13aは、押付手段13の外周面にその全周にわたって形成されており、その縦断面視形状は円弧形状となっている。なお、この凹溝13aの縦断面視がなす円弧形状の曲率半径(例えば約0.6mm)は、線状部材Wの半径(例えば約0.5mm)と同等になっている。これにより、押付手段13が被巻き付け面11aに向けて前進移動したときに、引き出し手段12で引き出された線状部材Wが凹溝13aに支持された状態で被巻き付け面11aに押し付けられるようになっている。
そして、本実施形態では、引き出し手段12が引き出した線状部材Wを挟んだ押付手段13の反対側において、押付手段13よりも前記引き出し方向Fの上流側に、引き出し手段12が引き出した線状部材Wに対して進退可能に設けられるとともに、当該線状部材Wと対向する表面に、前記引き出し方向Fに沿って延びる位置決め溝15aが形成された位置決め手段15が備えられている。なお、この位置決め手段15は、前記直交する方向に移動可能に設けられている。
図示の例では、位置決め手段15は、前記直交する方向に沿って延びる軸線回りに回転自在に設けられたローラとなっている。そして、この位置決め手段15の外周面にその全周にわたって位置決め溝15aが形成されている。なお、この位置決め溝15aの縦断面視形状はV字状となっている。また、位置決め溝15aの深さ、およびこの溝15aの底面における幅は、線状部材Wの外径よりも大きくなっている。さらに、位置決め手段15の外径は、押付手段13の外径よりも小さくなっている。さらにまた、位置決め溝15aおよび押付手段13に形成された凹溝13aそれぞれの前記直交する方向における位置は互いに一致している。
また、本実施形態では、位置決め手段15よりも前記引き出し方向Fの上流側には、位置決め手段15が前進移動して押付手段13側に屈曲させた線状部材Wを、押付手段13側から支持する支持手段16が設けられている。図示の例では、支持手段16は、カッター装置14に前記引き出し方向Fの下流側から近接する位置に、前記直交する方向に沿って延びる軸線回りに回転自在に設けられたローラとなっている。また、支持手段16の外径は、位置決め手段15の外径よりも小さくなっている。
さらに、本実施形態では、押付手段13よりも前記引き出し方向Fの下流側には、被巻き付け面11aに対して進退可能に支持され、前進移動したときに、引き出し手段12により被巻き付け面11aと対向させられた線状部材Wの先端を被巻き付け面11aに押し付ける先端押付手段18が設けられている。図示の例では、先端押付手段18は、前記直交する方向に沿って延びる軸線回りに回転自在に支持されたローラとなっている。また、この先端押付手段18は、前記直交する方向に移動可能に設けられている。
次に、以上のように構成されたタイヤ補強帯の製造装置10を用いてタイヤ補強帯を形成する方法について説明する。
まず、引き出し手段12のロッド12bを前記引き出し方向Fの上流側に向けて移動して、チャック部12cをカッター装置14に近接させ、カッター装置14から前記引き出し方向Fの下流側に突出した線状部材Wの先端をチャック部12cによりチャックする。この状態で引き出し手段12のロッド12bを前記引き出し方向Fの下流側に向けて移動させて、線状部材Wを引き出しその先端部を被巻き付け体11の被巻き付け面11aと対向させる(引き出し工程)。
まず、引き出し手段12のロッド12bを前記引き出し方向Fの上流側に向けて移動して、チャック部12cをカッター装置14に近接させ、カッター装置14から前記引き出し方向Fの下流側に突出した線状部材Wの先端をチャック部12cによりチャックする。この状態で引き出し手段12のロッド12bを前記引き出し方向Fの下流側に向けて移動させて、線状部材Wを引き出しその先端部を被巻き付け体11の被巻き付け面11aと対向させる(引き出し工程)。
次に、線状部材Wの先端を引き出し手段12のチャック部12cでチャックしたままの状態で、位置決め手段15を当該線状部材Wに向けて前進移動させこの線状部材Wを押付手段13側に向けて屈曲させることにより当該線状部材Wを引張しつつ位置決め溝15a内に侵入させる(位置決め工程)。
このとき、線状部材Wはその径方向における全体が位置決め溝15a内に侵入し、位置決め手段15の外周面からその径方向外方に線状部材Wは突出していない。また、線状部材Wにおいて位置決め手段15とカッター装置14との間に位置する部分は、支持手段16により押付手段13側から支持される。
このとき、線状部材Wはその径方向における全体が位置決め溝15a内に侵入し、位置決め手段15の外周面からその径方向外方に線状部材Wは突出していない。また、線状部材Wにおいて位置決め手段15とカッター装置14との間に位置する部分は、支持手段16により押付手段13側から支持される。
その後、被巻き付け体11の被巻き付け面11aに向けて押付手段13を前進移動させ線状部材Wを被巻き付け体11側に向けて屈曲させて当該線状部材Wの先端部を被巻き付け面11aに押し付ける(押付工程)。
この際、線状部材Wは、凹溝13aに支持されて押付手段13の外周面からその径方向外方に突出した状態で被巻き付け面11aに押し付けられる。
さらに、押付手段13が前進移動して線状部材Wに接触したときからこの線状部材Wを被巻き付け面11aに押し付けるまでの過程で、引き出し手段12においては、チャック部12cが線状部材Wの先端をチャックしたままの状態で、ロッド12bが前記引き出し方向Fの上流側に向けて移動しつつ、ロータリーアクチュエータ17によりチャック部12cが被巻き付け体11の被巻き付け面11aに対して前進移動するように軸線回りに揺動させられる。
この際、線状部材Wは、凹溝13aに支持されて押付手段13の外周面からその径方向外方に突出した状態で被巻き付け面11aに押し付けられる。
さらに、押付手段13が前進移動して線状部材Wに接触したときからこの線状部材Wを被巻き付け面11aに押し付けるまでの過程で、引き出し手段12においては、チャック部12cが線状部材Wの先端をチャックしたままの状態で、ロッド12bが前記引き出し方向Fの上流側に向けて移動しつつ、ロータリーアクチュエータ17によりチャック部12cが被巻き付け体11の被巻き付け面11aに対して前進移動するように軸線回りに揺動させられる。
そして、押付手段13により線状部材Wが被巻き付け面11aに押し付けられたとき、若しくはその直前に、引き出し手段12のチャック部12cによる線状部材Wの先端のチャックを解除し、その後、引き出し手段12のロッド12bを前記引き出し方向Fの下流側に向けて移動させつつ、先端押付手段18を被巻き付け面11aに向けて前進移動させることにより線状部材Wの先端を被巻き付け面11aに押し付けるとともに、引き出し手段12を、チャック部12cが被巻き付け面11aから後退移動するように、ロータリーアクチュエータ17により軸線回りに揺動させる(先端押し付け工程)。
その後、線状部材Wの先端部を押付手段13および先端押付手段18により被巻き付け面11aに押し付け、かつ位置決め手段15により線状部材Wを押付手段13側に屈曲させた状態で、被巻き付け体11をその軸線回りに回転させつつ、押付手段13、先端押付手段18および位置決め手段15を前記引き出し方向Fに直交する方向に同期して移動させてタイヤ補強帯を形成する(巻き付け工程)。
以上説明したように、本実施形態によるタイヤ補強帯の製造装置10によれば、線状部材Wの先端を引き出し手段12でチャックした状態で、位置決め手段15によりこの線状部材Wを前述のように屈曲させて引張しつつ位置決め溝15a内に侵入させるので、前記押付工程に先立って線状部材Wの先端部を自動で前記直交する方向に位置決めすることが可能になる。また、押付手段13により線状部材Wの先端部を被巻き付け面11aに押し付けるので、前述のように位置決めされた線状部材Wの先端部を自動で被巻き付け面11aに配置することができる。
さらに、前記巻き付け工程時に、線状部材Wにおいて押付手段13よりも前記引き出し方向Fの上流側に位置する部分を位置決め手段15で押付手段13側に向けて屈曲させるので、線状部材Wにおいて押付手段13と位置決め手段15との間に位置する部分に引張力を付与することが可能になり、押付手段13と線状部材Wとの間に発生する摩擦力を高めることができる。したがって、前記巻き付け工程時における押付手段13の前記直交する方向への移動に線状部材Wを良好に追従させることが可能になり、高精度なタイヤ補強帯を形成することができる。
また、本実施形態では、支持手段16が設けられているので、位置決め手段15が前進移動して線状部材Wを押付手段13側に向けて屈曲させたときにこの線状部材13に確実に引張力が付与されることになり、前述の作用効果を確実に奏功させることができる。
さらにまた本実施形態では、支持手段16が設けられていることから、前述のように位置決め手段15により線状部材Wを押付手段13側に屈曲させたときに、この線状部材Wがカッター装置14に対して位置ずれ、若しくは折曲しようとしても、線状部材Wを押付手段13側から支持部材16により支持させることが可能になり、この位置ずれや折曲の発生を防ぐことができる。
さらに、本実施形態では、押付手段13に凹溝13aが形成されているので、前記巻き付け工程時に、線状部材Wを押付手段13の前記直交する方向への移動に確実に追従させることができる。
さらにまた本実施形態では、支持手段16が設けられていることから、前述のように位置決め手段15により線状部材Wを押付手段13側に屈曲させたときに、この線状部材Wがカッター装置14に対して位置ずれ、若しくは折曲しようとしても、線状部材Wを押付手段13側から支持部材16により支持させることが可能になり、この位置ずれや折曲の発生を防ぐことができる。
さらに、本実施形態では、押付手段13に凹溝13aが形成されているので、前記巻き付け工程時に、線状部材Wを押付手段13の前記直交する方向への移動に確実に追従させることができる。
また、本実施形態では、先端押付手段18が設けられているので、押付手段13により線状部材Wの先端部を被巻き付け面11aに押し付け、かつ線状部材Wの先端の引き出し手段12によるチャックを解除した状態で、先端押付手段18を被巻き付け面11aに向けて前進移動させたときに、この線状部材Wの先端部をその先端を含めた全長にわたって被巻き付け面11aに押し付けることが可能になる。
さらにまた、チャック部12cが線状部材Wの先端をチャックした状態で押付手段13が前進移動する過程において、押付手段13が線状部材Wの先端部に当接したときからこの先端部が被巻き付け面11aに押し付けられるまでの間に、この押付手段13の前進移動にあわせて、引き出し手段12を、チャック部12cが被巻き付け面11aに向けて前進するように揺動させるので、線状部材Wにおいてチャック部12cと押付手段13との間に位置する部分に発生する引張力を抑えることが可能になる。したがって、チャック部12cから線状部材Wの先端が外れるのを抑制することができるとともに、押付手段13によって線状部材Wの先端部をその先端を含めた全長にわたって被巻き付け面11aに押し付け易くすることも可能になる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前記実施形態では、先端押付手段18およびロータリーアクチュエータ17を設けたが、これら18、17を設けずに、押付手段13の外周面側にその全周にわたって磁石を埋設し、前述の押付工程時に、押付手段13を前進移動させて線状部材Wの先端部に当接させたときに、チャック部12cによる線状部材Wのチャックを解除して、線状部材Wの先端部をその先端を含む全長にわたって押付手段13の外周面に磁力により密接させた後に、この押付手段13をさらに前進移動させ、線状部材Wの先端部を被巻き付け面11aに押し付けるようにしてもよい。
例えば、前記実施形態では、先端押付手段18およびロータリーアクチュエータ17を設けたが、これら18、17を設けずに、押付手段13の外周面側にその全周にわたって磁石を埋設し、前述の押付工程時に、押付手段13を前進移動させて線状部材Wの先端部に当接させたときに、チャック部12cによる線状部材Wのチャックを解除して、線状部材Wの先端部をその先端を含む全長にわたって押付手段13の外周面に磁力により密接させた後に、この押付手段13をさらに前進移動させ、線状部材Wの先端部を被巻き付け面11aに押し付けるようにしてもよい。
さらにこれに代えて、先端押付手段18を設けずに、前述の押付工程の後、巻き付け工程の前において、チャック部12cによる線状部材Wのチャックを解除した後に、例えば被巻き付け体11を巻き付け工程時に回転させる方向と逆方向に僅かに回転させて、その先端を押付手段13により被巻き付け面11aに押し付けた後に、前述の巻き付け工程を行うようにしてもよい。
また、前記実施形態では支持手段16を設けたが、この支持手段16を設けなくてもよい。
また、前記実施形態では支持手段16を設けたが、この支持手段16を設けなくてもよい。
さらに、前記実施形態では、押付手段13、位置決め手段15、支持手段16および先端押付手段18としてローラを示したが、これに限らず例えば板状体等を採用してもよい。
また、引き出し手段12として流体圧シリンダを示したが、これに限らず適宜変更してもよい。
さらに、押付手段13に凹溝13aを形成しなくてもよい。
また、引き出し手段12として流体圧シリンダを示したが、これに限らず適宜変更してもよい。
さらに、押付手段13に凹溝13aを形成しなくてもよい。
線状部材の先端部を自動で被巻き付け面に位置決めして配置することが可能になるとともに、精度良くタイヤ補強帯を形成することができる。
10 タイヤ補強帯の製造装置
11 被巻き付け体
11a 被巻き付け面
12 引き出し手段
12c チャック部
13 押付手段
13a 凹溝
15 位置決め手段
15a 位置決め溝
16 支持手段
18 先端押付手段
F 引き出し方向
W 線状部材
11 被巻き付け体
11a 被巻き付け面
12 引き出し手段
12c チャック部
13 押付手段
13a 凹溝
15 位置決め手段
15a 位置決め溝
16 支持手段
18 先端押付手段
F 引き出し方向
W 線状部材
Claims (6)
- 軸線回りに回転可能に設けられた被巻き付け体の被巻き付け面に線状部材を巻き付けて環状のタイヤ補強帯を形成するタイヤ補強帯の製造装置であって、
線状部材を、その先端をチャックして引き出し、前記被巻き付け面と対向させる引き出し手段と、
この引き出し手段が引き出した線状部材を挟んで前記被巻き付け面と対向する位置に、この被巻き付け面に対して進退可能で、かつ前記被巻き付け面に沿った方向において線状部材の引き出し方向に直交する方向に移動可能に設けられた押付手段と、
前記引き出し手段を挟んだ前記押付手段の反対側において、前記押付手段よりも前記引き出し方向の上流側に、前記引き出し手段が引き出した線状部材に対して進退可能に設けられるとともに、当該線状部材と対向する表面に、前記引き出し方向に沿って延びる位置決め溝が形成された位置決め手段と、が備えられたことを特徴とするタイヤ補強帯の製造装置。 - 請求項1記載のタイヤ補強帯の製造装置であって、
前記位置決め手段よりも前記引き出し方向の上流側には、前記位置決め手段が前進移動して前記押付手段側に屈曲させた線状部材を、前記押付手段側から支持する支持手段が設けられていることを特徴とするタイヤ補強帯の製造装置。 - 請求項1または2に記載のタイヤ補強帯の製造装置であって、
前記押付手段において前記被巻き付け面と対向する表面には、前記引き出し方向に沿って延びる凹溝が形成され、この押付手段が前記被巻き付け面に向けて前進移動したときに、前記引き出し手段で引き出された線状部材が前記凹溝に支持された状態で前記被巻き付け面に押し付けられる構成とされたことを特徴とするタイヤ補強帯の製造装置。 - 請求項1から3のいずれかに記載のタイヤ補強帯の製造装置であって、
前記押付手段よりも前記引き出し方向の下流側には、前記被巻き付け面に対して進退可能に支持され、前進移動したときに、前記引き出し手段により前記被巻き付け面と対向させられた線状部材の先端を前記被巻き付け面に押し付ける先端押付手段が設けられていることを特徴とするタイヤ補強帯の製造装置。 - 請求項1から4のいずれかに記載のタイヤ補強帯の製造装置であって、
前記引き出し手段は、線状部材の先端をチャックするチャック部が前記被巻き付け面に対して進退移動するように揺動可能に設けられていることを特徴とするタイヤ補強帯の製造装置。 - 軸線回りに回転可能に設けられた被巻き付け体の被巻き付け面に線状部材を巻き付けて環状のタイヤ補強帯を形成するタイヤ補強帯の製造方法であって、
請求項1から5のいずれかに記載のタイヤ補強帯の製造装置を用い、
前記引き出し手段により線状部材を前記被巻き付け面と対向させる引き出し工程と、
前記線状部材の先端を引き出し手段でチャックした状態で、前記位置決め手段を当該線状部材に向けて前進移動させこの線状部材を前記押付手段側に向けて屈曲させることにより当該線状部材を引張しつつ前記位置決め溝内に侵入させる位置決め工程と、
前記被巻き付け面に向けて前記押付手段を前進移動させ線状部材を前記被巻き付け体側に向けて屈曲させて当該線状部材の先端部を被巻き付け面に押し付ける押付工程と、
線状部材の先端の前記引き出し手段によるチャックを解除し、かつ前記位置決め手段により線状部材を前記押付手段側に向けて屈曲させた状態で、前記被巻き付け体を軸線回りに回転させつつ、前記押付手段を前記直交する方向に移動させる巻き付け工程と、を有することを特徴とするタイヤ補強帯の製造方法。
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