JP2009058936A - バンドパスフィルタおよびバンドパスフィルタ用フォトニック結晶の製造方法 - Google Patents

バンドパスフィルタおよびバンドパスフィルタ用フォトニック結晶の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】通過帯域を可変としたバンドパスフィルタおよびそれに用いるフォトニック結晶の製造方法を提供する。
【解決手段】低誘電率誘電体層であるエポキシ樹脂層と高誘電率誘電体層であるアルミナ板とを交互に積層して2つの反射器を構成し、その2つの反射器の間にフェライト板23による共振層を備えてファブリ・ペロー型共振器20を構成し、これを電磁波の電界振幅方向が特定方向を向く方形導波管50の内部に挿入する。そして、方形導波管50の外部からフェライト板23に対して電磁石60によって直流磁界を印加するとともに、その磁界の強度を制御することによって通過帯域の周波数を制御する。
【選択図】図4

Description

この発明は、周波数可変のバンドパスフィルタおよびそのバンドパスフィルタで用いるフォトニック結晶の製造方法に関するものである。
従来、磁気光学体としての1次元磁性フォトニック結晶を用いたバンドパスフィルタが考案されている。1次元磁性フォトニック結晶は誘電体がその厚さに規則性を持って交互に積層された2つの誘電体多層膜と磁性体からなる不規則層(欠陥層)とを備えたものがある(特許文献1参照)。
ここで、特許文献1に示されている1次元磁性フォトニック結晶の構成を図1に示す。
図1において、この1次元磁性フォトニック結晶からなる磁気光学体10は、2種類の誘電体(誘電体薄膜)11,12がその厚さに規則性をもって交互に積層された2つの周期的誘電体多層膜13,14と、該2つの周期的誘電体多層膜13,14の間に設けた磁気光学薄膜15(磁性体)とからなっている。
周期的誘電体多層膜13,14は、ファブリ・ペロー共振器の反射鏡の役割を果たすものであり、各誘電体(誘電体薄膜)11,12の膜厚は、光学長(実膜厚×屈折率)がλ/4(λは光の波長)となるように設計されている。また、光の局在が生じる磁性体(磁気光学薄膜15)からなる不規則層(欠陥層)の光学長は、mλ/2(mは正の整数)となっている。
特開2002−90525号公報
ところが、特許文献1に示されている磁気光学体を用いた光アイソレータにおいては、その周波数特性が2種類の誘電体の厚み寸法によって定まる。したがってこれをバンドパスフィルタとして構成した場合には通過帯域が固定となってしまう。そのため、例えばマルチバンド送信機等の通信装置のバンドパスフィルタとして用いるといったことはできなかった。
そこで、この発明の目的は、通過帯域を可変としたバンドパスフィルタおよびそれに用いるフォトニック結晶の製造方法を提供することにある。
この発明は上記課題を解決するために次のように構成する。
(1)低誘電率誘電体部材内に高誘電率誘電体部材を周期的に配置してブラッグ反射が生じる周期構造体を構成するとともに、当該周期構造体内に磁性体部材を配置して、前記ブラッグ反射による阻止帯域内に通過帯域を生じさせる局在モードを有するフォトニック結晶を備え、前記フォトニック結晶中を伝搬する電磁波を電界の振幅方向が特定の方向であるモードに制限する伝送路と、前記フォトニック結晶に前記電磁波の伝搬方向に垂直方向の直流磁界を外部から印加する磁界印加手段と、を設けてバンドパスフィルタを構成する。
(2)前記磁性体部材は、当該磁性体内での電気長が前記通過帯域内の周波数で略1/2波長とする。
(3)前記直流磁界の方向と前記電界の振幅方向とはほぼ平行とする。
(4)前記磁界印加手段は、前記磁性体部材が磁気共鳴する磁界以下で、実効比透磁率が1以下の範囲で前記直流磁界の強度を制御するものとする。
(5)前記外部磁界印加手段は前記直流磁界の強度を可変にしたものとする。
(6)前記伝送路は方形導波管とする。
(7)前記磁性体部材はフェライトで構成する。
(8)前記低誘電率誘電体部材は低誘電率誘電体層、前記高誘電率誘電体部材は高誘電率誘電体層、前記磁性体部材は磁性体板であり、前記フォトニック結晶は前記低誘電率誘電体層と前記高誘電率誘電体層とを交互に積層配置した2つの反射器と、この2つの反射器の間に設けた前記磁性体板とからなり、前記2つの反射器による阻止帯域内に通過帯域を生じさせる共振層を配置してなるファブリ・ペロー型共振器とする。
(9)前記低誘電率誘電体層と前記高誘電率誘電体層の光路長は前記阻止帯域の波長でそれぞれほぼ1/4波長とする。
(10)前記低誘電率誘電体層は樹脂層であり、最外層を樹脂層とする。
(11)前記高誘電率誘電体部材は円柱状の誘電体柱であり、前記低誘電率誘電体部材は前記誘電体柱の周囲の空間を占める形状であり、前記磁性体部材は円柱状の磁性体柱であり、前記フォトニック結晶は、前記誘電体柱を前記低誘電率誘電体部材内で2次元平面上に配列するとともに、所定位置を前記磁性体柱で置換した構造とする。
(12)また、この発明は、光硬化性樹脂に対する照射光のスキャニングによる光造形法で、前記低誘電率誘電体部材を光硬化性樹脂で造形するとともに前記高誘電率誘電体部材の配置領域を形成する工程と、前記高誘電率誘電体部材の配置領域に前記高誘電率誘電体部材および前記磁性体部材をそれぞれ挿入する工程と、を順に処理してバンドパスフィルタ用フォトニック結晶を製造する。
この発明によれば、次のような効果を奏する。
(1)低誘電率誘電体部材内に高誘電率誘電体部材を周期的に配置してブラッグ反射が生じる周期構造体は、フォトニック結晶におけるバンドギャップを生じさせ、電磁気的には帯域阻止フィルタとして作用する。この周期構造体内に配置した磁性体部材は阻止帯域内に通過帯域を生じさせる局在モードを発生させ、電磁気的には阻止帯域内に通過帯域を生じさせる。そして伝送路内を伝搬するモードは、電界の振幅方向が特定方向であるモード(特定伝搬モード)に制限され、前記フォトニック結晶に電磁波の伝搬方向に垂直方向の直流磁界が印加されることにより、磁性体部材で前記特定伝搬モードに影響する透磁率の成分が変化し、局在モードの共振周波数すなわち通過帯の周波数が変位することになる。そのため例えばマルチバンド送信機の帯域通過フィルタとして用いることができる。
(2)前記磁性体部材の当該磁性体内での電気長を、前記通過帯域内の周波数の1/2波長とすることによって、強い局在モードを生じさせて通過帯域の通過損失を低減できる。
(3)前記直流磁界の方向と前記電界の振幅方向とをほぼ平行にすることによって、直流磁界の前記透磁率に与える影響が最大になり、高効率な制御が可能となる。
(4)前記磁性体部材が磁気共鳴する磁界以下で、実効比透磁率が1以下の範囲で直流磁界の強度を制御することによって、前記磁性体部材による損失が増大しない範囲で用いることができ、通過帯域で低挿入損失特性が得られる。
(5)前記直流磁界の強度を可変とすることによって、前記通過帯域の周波数を所定値に設定するだけでなく、或周波数範囲内で任意に調整可能となる。そのため周波数可変のマルチバンド送信機のフィルタとして用いることができる。
(6)前記伝送路を方形導波管とすることにより、そこを伝搬する電磁波を電界の振幅方向が特定の方向であるモード(TEモード)に容易に制限することができる。
(7)前記磁性体部材をフェライトで構成することにより、外部から与える直流磁界の変化に対する通過帯域の周波数変化を大きくすることができる。
(8)前記低誘電率誘電体部材は低誘電率誘電体層、前記高誘電率誘電体部材は高誘電率誘電体層、前記磁性体部材は磁性体板であり、前記フォトニック結晶は前記低誘電率誘電体層と前記高誘電率誘電体層とを交互に積層配置した2つの反射器と、この2つの反射器の間に設けた前記磁性体板とからなり、前記2つの反射器による阻止帯域内に通過帯域を生じさせる共振層を配置してなるファブリ・ペロー型共振器とすることにより、1次元フォトニック結晶におけるバンドギャップが生じ、電磁気的には帯域阻止フィルタとして作用する。2つの反射器の間に設けた磁性体部材からなる共振層は、1次元フォトニック結晶における欠陥層として作用し、局在モードの共振が生じ、電磁気的には阻止帯域内の通過帯域を生じさせる。そして伝送路内伝搬するモードは、電界の振幅方向が特定方向であるモード(特定伝搬モード)に制限され、前記共振層に電磁波の伝搬方向に垂直方向の直流磁界が印加されることにより、共振層で前記特定伝搬モードに影響する透磁率の成分が変化し、局在モードの共振周波数すなわち通過帯の周波数が変位することになる。
前記共振層がファブリ・ペロー型共振器の共振層として作用するのは、その共振層の光路長が1/2波長の整数倍であるときである。通過帯域の波長をλ、整数をnとすると、共振層の光路長はn・λ/2で表される。ここでnは2,3またはそれ以上であっても共振層として作用するが、n=1、すなわち共振層の光路長を1/2波長とすることによって共振層が最も薄くなって透過率が最も高くなるので、通過帯域の通過損失を低減できる。
(9)前記反射器の低誘電率誘電体層と高誘電率誘電体層の光路長を阻止帯域の波長でほぼ1/4波長とすることによって、ファブリ・ペロー干渉を起こし、且つ各層の厚みを必要最低限に薄くできるので、通過帯域での挿入損失が低減できる。
(10)前記低誘電率誘電体層を樹脂層とし、最外層を樹脂層とすることによって光造形法による成形が容易となる。
(11)前記高誘電率誘電体部材を円柱状の誘電体柱とし、前記低誘電率誘電体部材を前記誘電体柱の周囲の空間を占める形状とし、前記磁性体部材を円柱状の磁性体柱とすることによって、比較的単純な構造で2次元フォトニック結晶が構成できる。
(12)光硬化性樹脂に対する照射光のスキャニングによる光造形法で前記低誘電率誘電体層を光硬化性樹脂で造形することにより、低誘電率誘電体部材の成形および高誘電率誘電体部材の配置領域の成形が容易となり、且つ高誘電率誘電体部材の配置領域に高誘電率誘電体部材および磁性体部材をそれぞれ挿入することによって、バンドパスフィルタ用フォトニック結晶を容易に構成できるようになる。
《第1の実施形態》
この発明の第1の実施形態に係るバンドパスフィルタおよびファブリ・ペロー型共振器の製造方法について図2〜図8を参照して説明する。
図2(A)は第1の実施形態に係るバンドパスフィルタに用いるフォトニック結晶によるファブリ・ペロー型共振器の断面図、図2(B)はその比較例としてのファブリ・ペロー型共振器の断面図である。
図2(A)において符号21a,21b,21c,21e,21f,21gはそれぞれ高誘電率誘電体層をなすアルミナ板である。また符号22a,22b,22c,22d,22e,22fおよび24a,24bはそれぞれ低誘電率誘電体層をなすエポキシ樹脂層である。また符号23は共振層をなすフェライト板である。
上記アルミナ板21およびエポキシ樹脂層22の厚み寸法は、このファブリ・ペロー型共振器20を用いたバンドパスフィルタの通過帯域(通過帯域の可変域)においてほぼ1/4波長となる寸法に定めている。またフェライト板23の厚み寸法は、前記通過帯域の中心周波数でほぼ1/2波長となる寸法に定めている。
ここで具体的な数値例を示す。
ファブリ・ペロー型共振器によるバンドギャップの中心周波数は12.5GHzとする。12.5GHzの真空中の光路長(1波長)は24mmであり、その1/4波長は6mmである。エポキシ樹脂層22の比誘電率は2.8であるので、その厚み寸法を6/√2.8=3.6mmとした。アルミナ板21の比誘電率は8.4であるので、その厚み寸法を6/√8.4=2.1mmとした。ここでは0.7mmのアルミナ板を3枚重ねてこの厚みを実現した。
また、フェライト板23の比誘電率εrは11.8、無磁界の実効比透磁率μeffは0.76であるので、実効比誘電率はεr・μeff=11.8×0.76=8.97となる。そこで、フェライト板23の厚み寸法を、12/√8.97=4.0mmとした。ここでは2.0mmのフェライト板を2枚重ねてこの厚みを実現した。
なお、エポキシ樹脂、アルミナ板、フェライト板の比誘電率および実効比透磁率はSパラ法(Nicorson−Ross法)で測定した。フェライト板の無磁界での実効比透磁率が1を下回っているのは残留磁化の影響を受けているためと考えられる。
なお、図2(A)に示した最外層の誘電体層は低誘電率誘電体層であるエポキシ樹脂層24a,24bとしていて、その厚み寸法は他のエポキシ樹脂層22より薄く形成している。
最外層の設計は次のようにして行う。基本的に最外層はアルミナ層よりエポキシ層がよい。エポキシの方が、その屈折率が空気に近いため反射による損失が少なくて済むからである。また、低誘電率誘電体層であるエポキシ層も高誘電率誘電体層であるアルミナ層も1/4波長とすることが原則である。しかし、エポキシ層もアルミナ層も重ねれば重ねるほどバンドギャップは深くなるが、透過率が低下してしまう。つまり透過率を考えると層数は少ないほうがよく、薄いほうがよい。また、後述する光造形法で作製することを考慮すると最外層をアルミナ層ではなくエポキシ層にした方が作りやすいのでコスト的に有利である。これらのことを考慮して、最外層はエポキシ樹脂層とし、その厚さを1/4波長より薄い1mmとした。
図2(B)は図2(A)に示した共振層であるフェライト板23を設けない構造であり、それぞれ1/4波長のエポキシ樹脂層22a〜22fとアルミナ板21a〜21gを単に交互に積層した周期構造体である。換言すると図2(A)に示したファブリ・ペロー型共振器は、図2(B)に示した構造において中央の高誘電率誘電体層であるアルミナ板21dを光路長1/2波長のフェライト板23に置換したものに等しい。このフェライト板23はフォトニック結晶における欠陥層として作用し、局在モードの共振が生じる。その特性については後に示す。
図3は図2に示したファブリ・ペロー型共振器の製造方法について示すものである。まず図3(A)に示すように光造形装置(例えば、株式会社ディーメック製SCS−300P)を用い、紫外線硬化エポキシ樹脂(SCR−730)を材料として、図3(A)に示すような複数のスリット(窪み)41,42を有する直方体形状の構造体を作成する。
続いて図3(B)のように、上記スリット41にアルミナ板21を挿入し、スリット42にフェライト板23を挿入する。上記スリット41,42の厚み寸法はこれらのアルミナ板21およびフェライト板23の厚み寸法に合わせて形成しておく。
次に、図3(C)に示すように図における上部にエポキシ樹脂40を続けて造形してスリット41,42の隙間およびアルミナ板21およびフェライト板23の上部を樹脂封止する。
その後、図3(D)に示すように、アルミナ板21およびフェライト板23の端縁周囲の不要な樹脂をそれぞれ切断除去する。これによってアルミナ板21、フェライト板23およびエポキシ樹脂40からなる積層体の四側面にアルミナ板21およびフェライト板23が露出することになる。
なお、図2(B)に示した比較例としての周期構造体も、中央にフェライト板23を挿入することを除いて同様にして光造形法によりエポキシ樹脂−セラミックス複合体を作成する。
図3(D)において、アルミナ板21同士の間、アルミナ板21とフェライト板23との間、および最外層のエポキシ樹脂40が、図2(A)に示したエポキシ樹脂層22a〜22fおよび24a,24bを構成することになる。
上記各部の寸法・組成・特性などは次のとおりである。
(a)アルミナ板
純度96%のアルミナ
19.0×9.5×0.7mm
比誘電率:8.4 at 12GHz
(b)フェライト板
組成:NiCuZn系のフェライト
Fe23:47mol%、NiO:20.5%、ZnO:22%、CuO:10.5%
19.0×9.5×2.0mm
比誘電率:11.8
実効比透磁率:0.76 at 12GHz
実効比誘電率:8.97 at 12GHz
(c)エポキシ樹脂
比誘電率:2.8
なお、上記フェライト以外に、スピネル系フェライト(Mg−Mnフェライト、Mg−Mn−Alフェライト、Ni−Znフェライト、Ni−Alフェライト、Li−Feフェライト)や、ガーネット系フェライト(Y−Feフェライト、Gd−Feフェライト))も使用可能である。
図4は図2・図3に示したファブリ・ペロー型共振器を備えたバンドパスフィルタ全体の構成を示す断面図である。図4において符号50で示す部分は方形導波管であり、伝搬する電磁波の電界振幅方向が上下方向であるTEモードのみを伝搬する。すなわち、電界振幅の方向は図4の上下方向であり、磁界振幅の方向は紙面に垂直な方向である。
この方形導波管50は、ファブリ・ペロー型共振器中を伝搬する電磁波を電界の振幅方向が特定の方向であるモードに制限する伝送路として作用する。
ここでは通過帯域の中心周波数を12.5GHzとするために、この方形導波管50の幅方向寸法を19.05mm、高さ方向寸法を9.525mmとしている。
また、この方形導波管50はAl、Cu、または樹脂にCuやAgをメッキしたものを用いる。
この方形導波管50の内部に、図2(A)に示したファブリ・ペロー型共振器20を挿入(充填)している。また、方形導波管50の両端には信号入出力のためのプローブ51をそれぞれ配置していて、同軸コネクタで信号の入出力を行うように構成している。
さらに方形導波管50の外部からファブリ・ペロー型共振器20のフェライト板23に対して方形導波管50内部を伝搬する電磁波の電界振幅方向に、すなわち方形導波管の電界面同士を挟む方向に、直流磁界Hを印加する電磁石60を配置している。
このように方形導波管50の外部から直流磁界Hを印加する都合上、方形導波管50は例えばFe等の磁気シールド性のある材質は基本的に使用できない。
方形導波管を伝搬するモードは、電界の振幅方向が特定方向であるモード(特定伝搬モード)に制限され、フェライト板による共振層に電磁波の伝搬方向に対して垂直方向の直流磁界が印加されることにより、共振層で前記特定伝搬モードに影響する透磁率の成分が変化し、局在モードの共振周波数すなわち通過帯の周波数が変位する。
次に、図4に示したバンドパスフィルタの特性について図5〜図7を基に説明する。
図5(A)は図4に示したバンドパスフィルタのシミュレーションによる特性図である。図5(B)は、図4に示した構造において方形導波管50の内部に前述の比較例としての周期構造体30を挿入(充填)した場合のシミュレーションによる特性である。ここでは伝送線路理論に基づくシミュレーションを行った。
図5においてS21は透過特性、S11は反射特性、APは加算位相をそれぞれ表している。図5(B)のように、フェライト板23による欠陥層が存在しない場合には、約10.5〜15.5GHzの帯域でS21が下側に凹む特性として現れる、フォトニック結晶におけるバンドギャップが生じる。これに対しフェライト板23を備えたファブリ・ペロー型共振器20を挿入した場合には、図5(A)に示すように、フェライト板23による局在モードの共振が12.5GHzで生じ、S21はその周波数でほぼ0(減衰0)となる。
図6(A)は図4に示したバンドパスフィルタの実測結果である。図6(B)は、図4に示した構造において方形導波管50の内部に前述の比較例としての周期構造体30を挿入(充填)した装置の実測結果である。このように図5に示したシミュレーションの場合とほぼ同様の特性を示すことが分かる。
このように低誘電率誘電体部材と高誘電率誘電体部材との周期構造によって、特定の周波数でブラッグ反射が生じてファブリ・ペロー型共振器として作用し、そのうえでフェライト板23による局在モードの共振が生じてバンドパス特性が得られる。
図7は、図4に示したバンドパスフィルタにおいて、電磁石60によるフェライト板23に対する印加磁界の変化によるバンドパスフィルタ特性の変化について示している。P0〜P6はいずれもS21特性であり、電磁石のコアの磁束密度は次のとおりである。
P0:0T
P1:0.04T
P2:0.06T
P3:0.08T
P4:0.10T
P5:0.14T
P6:0.20T
電磁石のコアの磁束密度はフェライト板23への印加磁界に比例するので、このように印加磁界を高めるほどフェライト板23の比透磁率μrは低下し、従って局在モードの共振周波数が上昇し、通過帯域がそれに伴って上昇する。
図8の上部はフェライト板の印加磁界に対する透磁率の関係を示している。また下部はフェライト板の印加磁界に対する損失の関係を示している。ここでμ+は正の円偏波比透磁率、μ−は負の円偏波比透磁率、μeffは実効比透磁率である。
この実施形態ではTEモードを伝搬する方形導波管を用いているので、TEモードの伝送状態のみを考えればよく、欠陥層の実効比透磁率は次式で表される。
μeff=2{(1/μ+)+(1/μ−)}-1
また、フェライト板に光路長が1/2波長で局在モードが発現するが、この光路長は
1/√(ε×μ)に比例する。フェライトの誘電率は磁界に対しては変化しないが、透磁率は上式に従って変化する。
図8に示したとおり、印加磁界Hが1×105A/m以下では実効比透磁率は磁界強度変化に対して1〜0の範囲で直線的に変化する。
これにより、印加磁界に応じて実効比透磁率を変化させ、図7に示したように透過波長を制御することができる。しかも、ファブリ・ペロー型共振器は周期構造をなしているので、印加磁界の変化に対する透過波長の変化を顕在化できる。
なお、図8に示した実効比透磁率の値は残留磁化を考慮しない場合の値である。実際のフェライト板では残留磁化の影響を受けて外部から磁界が印加されなくても実効比透磁率が1を下回ることがある。その場合でも本発明に係るバンドパスフィルタの動作原理に変わりはない。
また、図8のμ″特性で示すように、上記1×105A/mの範囲では磁気共鳴周波数より非常に小さな磁界であるため磁気共鳴による損失が少ない。そのため通過帯域で低層入損失特性が維持できる。
図4に示した方形導波管の磁界面に垂直な方向(紙面に垂直な方向)に磁界を印加しても。フェライト板による共振層で前記特定伝搬モード(電界の振幅方向が特定方向であるモード)に影響する透磁率の成分は変化せず、したがって局在モードの周波数は動かない筈である。しかしながら、実際に実験してみると、その磁界強度を高くする程、僅かながら通過周波数帯域が低周波数方向に移動することが分かった。但し、そのシフト量はわずかであるので、図4に示した構成では積極的には利用していない。
《第2の実施形態》
この発明の第2の実施形態に係るバンドパスフィルタおよびフォトニック結晶の製造方法について図9〜図14を参照して説明する。
図9は第2の実施形態に係るバンドパスフィルタに用いるフォトニック結晶70の構成を示す図である。
図9(A)は低誘電率誘電体部材であるエポキシ樹脂40の斜視図、図9(B)は円柱形状の高誘電率誘電体部材である誘電体柱25および円柱形状の磁性体部材である磁性体柱26の形状を示す図である。エポキシ樹脂40には誘電体柱25を挿入する穴43を二次元状に広がる所定パターンに配置するとともに、その中央部を磁性体柱26を挿入する穴44として構成している。
誘電体柱25は(Zr、Sn)TiO4系セラミックスからなり、磁性体柱26はNiCuZn系フェライトからなる。
図9(C)は、図9(A)に示した穴43に対して誘電体柱25を挿入し、穴44に対して磁性体柱26を挿入した状態である。その後、図9(D)に示すように、誘電体柱25および磁性体柱26の上部にもエポキシ樹脂40の層を形成して、最終的には磁性体柱26および誘電体柱25がエポキシ樹脂40の内部に配置されたフォトニック結晶70を構成する。
図9(D)に示したフォトニック結晶70の製造方法は次のとおりである。
まず紫外線硬化エポキシ樹脂を材料として光造形装置を用い、図9(A)に示すような複数の穴43,44を有する直方体形状の構造体を作成する。ここで用いる光造形装置および紫外線硬化エポキシ樹脂は第1の実施形態で示したものと同様である。
上記穴43,44の内径寸法は誘電体柱25および磁性体柱26の外形寸法に合わせて形成する。
次に、図9(C)に示すように図における上部にエポキシ樹脂40を続けて造形して誘電体柱25と磁性体柱26のそれぞれの外周部の隙間および上部をエポキシ樹脂で封止する。
このようにして、比誘電率39の誘電体柱が誘電率2.8の樹脂中に並んだ3角格子フォトニック結晶70を構成する。
上記各部の寸法・組成・特性などは次のとおりである。
(a)誘電体柱
組成:(Zr,Sn)TiO4セラミックス
2.0mmφ×9.5mm
比誘電率:εr≒39 at 12GHz
(b)磁性体柱
組成:NiCuZn系のフェライト
Fe23:47mol%、NiO:20.5%、ZnO:22%、CuO:10.5%
2.4mmφ×9.5mm
比誘電率:εr≒11.8 at 12GHz
(c)低誘電率誘電体部材
組成:フォトポリマー・エポキシ樹脂
比誘電率:εr≒2.8 at 12GHz
(d)格子パターン
3角格子
誘電体柱間距離(格子間距離)a:3.846mm
なお、第1の実施形態の場合と同様に上記フェライト以外に、スピネル系フェライト(Mg−Mnフェライト、Mg−Mn−Alフェライト、Ni−Znフェライト、Ni−Alフェライト、Li−Feフェライト)や、ガーネット系フェライト(Y−Feフェライト、Gd−Feフェライト))も使用可能である。
図10は、図9に示したフォトニック結晶70を備えたバンドパスフィルタ101全体の構成を示す断面図である。図10において符号50で示す部分は方形導波管であり、伝搬する電磁波の電界振幅方向が上下方向であるTEモードのみを伝搬する。すなわち、電界振幅の方向は図10の上下方向であり、磁界振幅の方向は紙面に垂直な方向である。ここでは通過帯域の中心周波数を12.5GHzとするために、この方形導波管50の幅方向寸法を19.05mm、高さ方向寸法を9.525mmとしている。
また、この方形導波管50はAl、Cu、または樹脂にCuやAgをメッキしたものを用いる。
この方形導波管50の内部に、図9に示したフォトニック結晶70を挿入(配置)している。また、方形導波管50の両端には信号入出力のためのプローブ51をそれぞれ配置していて、同軸コネクタで信号の入出力を行うように構成している。
さらに方形導波管50の外部からフォトニック結晶70の磁性体柱26に対して方形導波管50内部を伝搬する電磁波の電界振幅方向に、すなわち方形導波管の電界面同士を挟む方向に、直流磁界Hを印加する電磁石60を配置している。
方形導波管を伝搬するモードは、電界の振幅方向が特定方向であるモード(特定伝搬モード)に制限され、磁性体柱による共振器部に電磁波の伝搬方向に対して垂直方向の直流磁界が印加されることにより、共振器部で前記特定伝搬モードに影響する透磁率の成分が変化し、局在モードの共振周波数すなわち通過帯の周波数が変位する。
図11は、誘電体柱25と磁性体柱26で構成されるフォトニック結晶70を備えたバンドパスフィルタのHFSSシミュレーションによるFEM電磁界解析で求めた電界分布を示す図であり、電界強度の分布を濃度で表している。図11(A)は図9に示したフォトニック結晶70を用いて、後述する局在周波数13.1GHzで求めた電界強度の分布図である。図11(B)は比較のために、中央に磁性体柱26を配置せず、その位置にも誘電体柱25を配置したフォトニック結晶を用いて12GHzで求めた電界強度の分布図である。
磁性体柱を備えないフォトニック結晶を用いた場合は、フォトニックバンドギャップの周波数(12GHz)でフォトニック結晶の効果で電磁波が遮断されている事が判る。一方、図9に示したフォトニック結晶70を用いた場合、図11(A)に示すように電磁波が局在して、単一モードでフェライト部分が共振している事が判る。
このように、磁性体柱26の磁性体内での電気長を、通過帯域内の所定周波数の1/2波長とすることによって、その所定周波数で強い局在モードを生じさせて通過帯域の通過損失を低減できる。
次に、図10に示したバンドパスフィルタの特性について図12・図13を基に説明する。
フォトニック結晶の設計は平面波展開法によるバンド計算により行う。フォトニック結晶のバンドは、誘電体母相である低誘電率誘電体部材(エポキシ樹脂40)に対する高誘電率誘電体部材(誘電体柱25)の誘電率比と、結晶格子間距離に対する誘電体柱の半径の比に依存し、バンドギャップが形成される領域が限定される。また、電磁波の伝播する状態がTEモードであるかTMモードであるかにより異なる。さらに、誘電体柱の配列パターンによっても異なる。ここでは3角格子点に誘電体柱が並ぶ場合を考える。
図12は図9に示したフォトニック結晶70のバンドギャップ領域図である。図12(A)は、低誘電率誘電体部材(エポキシ樹脂40)に対する高誘電率誘電体部材(誘電体柱25)の誘電率比と、結晶格子間距離に対する誘電体柱および磁性体柱の半径比との関係を示す図である。ここではTEモードについての第1バンドギャップ領域を示している。図12(A)の横軸は、低誘電率誘電体部材(エポキシ樹脂40)に対する高誘電率誘電体部材(誘電体柱25)の誘電率比、および結晶格子間距離に対する誘電体柱25の半径の比、縦軸は正規化周波数(波長λに対する結晶格子間距離aの比)である。
誘電体柱の誘電率が低誘電率誘電体部材の誘電率に比較して高い場合、TEモードの第1バンドと第2バンドとの間に発現する第1バンドギャップは図12(A)のようになる。
図12(B)は、図9に示した例のとおり、誘電体柱25の比誘電率を39、周囲のエポキシ樹脂40の比誘電率を2.8とした場合のバンド図である。図12(B)において横軸は結晶格子間距離aに対する誘電体柱25の半径rの比、縦軸は正規化周波数(波長λに対する結晶格子間距離aの比)である。[1st−2nd]は第1バンドと第2バンドとの間の第1バンドギャップ、[3st−4nd]は第3バンドと第4バンドとの間の第2バンドギャップ、[5st−6nd]は第5バンドと第6バンドとの間の第3バンドギャップである。この例では、r/a≒0.26のとき、第1バンドギャップ[1st−2nd]と第2バンドギャップ[3st−4nd]が広く開いて、使用できることが判る。
バンドギャップが10〜15GHzになるようにする場合、結晶格子間距離a=1として、正規化周波数a/λが0.033〜0.050の条件でバンドギャップが生じればよいので、誘電体柱25の半径を0.26mmとすると、第1バンドと第2バンドとの間の第1バンドギャップと、第3バンドと第4バンドとの間の第2バンドギャップとが得られるものと推定される。
第1バンドギャプは正規化周波数0.1333128と0.201631であり、結晶格子間距離a=1であるので、波長は1/0.1333128=7.5012μm、1/0.201631=4.9596μm、周波数は300000/7.5012=39994GHzおよび300000/4.9596=60489GHzとなる。
第2バンドギャップは正規化周波数0.253748と0.324173であり、波長は1/0.253748=3.9409μm、1/0.324173=3.0848μm、周波数は300000/3.9409=76125GHzおよび300000/3.0848=97251GHzとなる。
ここで、誘電体柱25の直径φを2.0mmとすると、実際のモデルは計算モデルの2000/(0.26×2)=3846倍のサイズになる。そして、実際のモデルでの第1バンドと第2バンドの周波数はそれぞれ、39994/3846=10.39GHzと60489/3846=15.73GHzとなり、中心周波数は(10.39+15.73)/2=13.06GHzとなる。また、第3バンドと第4バンドの周波数はそれぞれ76125/3846=19.79GHzと97251/3846=25.29GHzとなり、中心周波数は(19.79+25.29)/2=22.546GHとなる。
このようにして、第1バンドギャップが約10〜15.0GHzとなるように設計する。
次に、欠陥による局在モードスペクトルのピークをフォトニックバンドギャップの中心周波数である13GHzに設定する。これは、磁性体柱の径を変えて局在周波数をFDTDシミュレータを用いて調べた。すなわち、比誘電率11.8の磁性体柱の直径Dを変えると、局在周波数がどの様に変わるかをシミュレーションした結果を図13に示す。
図13において、P11はD=1.54mm、P12はD=2.00mm、P13はD=2.30mm、P14はD=2.62mm、P15はD=3.38mmのときの通過帯域をそれぞれ表している。必要な局在周波数は約13GHzであるため、フェライトの直径Dは約2.4mmであればよいことが判る。
図14(A)は、上述のようにして設計したフォトニック結晶70を用い、図10に示したように構成したバンドパスフィルタ101について、その印加磁界に対する局在モードの周波数変位の特性を求めた図である。図14(B)は比較のために、中央に磁性体柱26を配置せず、その位置にも誘電体柱25を配置したフォトニック結晶を用いた例である。
図14(A)において、P0〜P3はいずれもS21特性であり、電磁石のコアの磁束密度は次のとおりである。
P0:0.0T
P1:0.1T
P2:0.2T
P3:0.3T
電磁石のコアの磁束密度は磁性体柱26への印加磁界に比例するので、このように印加磁界を高めるほど磁性体柱26の比透磁率μrは低下し、従って局在モードの共振周波数が上昇し、通過帯域がそれに伴って上昇する。
磁性体柱26に対する印加磁界の範囲は第1の実施形態の場合と同様に、実効比透磁率μeffが1以下の範囲で直流磁界の強度を制御する。
《第3の実施形態》
図15は第3の実施形態に係るバンドパスフィルタに用いるフォトニック結晶71の構成を示す図である。
図15(A)は低誘電率誘電体部材である上部エポキシ樹脂板61の斜視図、図15(B)は高誘電率誘電体部材である誘電体柱25および磁性体部材である磁性体柱26の形状を示す図である。
図15(C)は、もう一つの低誘電率誘電体部材である下部エポキシ樹脂板62に誘電体柱25および磁性体柱26を挿入した状態を示す図である。このように誘電体柱25を二次元状に広がる所定パターンに配置するとともに、その中央部を磁性体柱26で置換した構成としている。
図15(D)は図15(C)に示した状態から、誘電体柱25および磁性体柱26の上部に上部エポキシ樹脂板61を形成した状態を示している。
このようにして、誘電体柱25と磁性体柱26の上下端のみを低誘電率誘電体部材(エポキシ樹脂)で保持したフォトニック結晶71を構成する。このフォトニック結晶71は第2の実施形態で示したと同様に光造形法によって形成する。
このようにして誘電体柱25と磁性体柱26の周囲の主要部を空間(空気)としてもバンドパスフィルタとして同様に作用させることができる。
第2・第3の実施形態では、3角格子のフォトニック結晶を例に挙げたが、結晶構造は他の構造であってもよい。また、結晶面に対する電磁波の入出射角または透過方位は図9〜図11に示したものに限らず、他の角度・方位であってもよい。また、格子ピッチは必ずしも一定である必要はない。
なお、各実施形態では12.5GHz帯で利用する例を挙げたが、この発明は1GHz〜100GHzくらいの周波数帯に適用できる。この周波数帯の主な用途は通信であり、周波数可変バンドバスフィルタはマルチバンド送信機のフィルタに利用できる。
特許文献1に示されている光アイソレータの構成を示す図である。 第1の実施形態に係るバンドパスフィルタに用いるファブリ・ペロー型共振器およびその比較例を示す図である。 同ファブリ・ペロー型共振器の製造方法を示す図である。 同バンドパスフィルタの構成を示す断面図である。 同バンドパスフィルタの透過特性および反射特性のシミュレーション結果を示す図である。 同バンドパスフィルタの透過特性および反射特性の実測結果を示す図である。 外部から印加する直流磁界の変化に対する通過帯域の周波数変化の例を示す図である。 フェライト板の印加磁界に対する透磁率の関係およびフェライト板の印加磁界に対する損失の関係を示す図である。 第2の実施形態に係るバンドパスフィルタに用いるフォトニック結晶70の構成を示す図である。 図9に示したフォトニック結晶70を備えたバンドパスフィルタ101全体の構成を示す断面図である。 バンドパスフィルタ内の電界分布を示す図であり、(A)は誘電体柱25と磁性体柱26で構成されるフォトニック結晶70を備えたバンドパスフィルタの電界分布を示す図、(B)は磁性体柱を配置しないフォトニック結晶を備えた場合の電界分布を示す図である。 図9に示したフォトニック結晶70のバンドギャップ領域図である。 磁性体柱の直径を変えたときの局在周波数の変化を示す図である。 バンドパスフィルタのフォトニック結晶70への印加磁界に対する局在モードの周波数変位の特性を示す図である。 第3の実施形態に係るバンドパスフィルタに用いるフォトニック結晶71の構成を示す図である。
符号の説明
20−ファブリ・ペロー型共振器
21−アルミナ板(高誘電率誘電体層)
22,24−エポキシ樹脂層(低誘電率誘電体層)
23−フェライト板(共振層)
30−周期構造体
40−エポキシ樹脂
41,42−スリット
43,44…穴
50−方形導波管
51−プローブ
60−電磁石
61…上部エポキシ樹脂板
62…下部エポキシ樹脂板
70,71…フォトニック結晶
100,101,102…バンドパスフィルタ
H−外部磁界

Claims (12)

  1. 低誘電率誘電体部材内に高誘電率誘電体部材を周期的に配置してブラッグ反射が生じる周期構造体を構成するとともに、当該周期構造体内に磁性体部材を配置して、前記ブラッグ反射による阻止帯域内に通過帯域を生じさせる局在モードを有するフォトニック結晶を備え、
    前記フォトニック結晶中を伝搬する電磁波を電界の振幅方向が特定の方向であるモードに制限する伝送路と、
    前記フォトニック結晶に前記電磁波の伝搬方向に垂直方向の直流磁界を外部から印加する磁界印加手段と、を設けてなるバンドパスフィルタ。
  2. 前記磁性体部材は、当該磁性体部材内での電気長が前記通過帯域内の周波数で略1/2波長である請求項1に記載のバンドパスフィルタ。
  3. 前記直流磁界の方向と前記電界の振幅方向とがほぼ平行である請求項1または2に記載のバンドパスフィルタ。
  4. 前記磁界印加手段は、前記磁性体部材が磁気共鳴する磁界以下で、実効比透磁率が1以下の範囲で前記直流磁界の強度を制御するものである請求項1、2または3に記載のバンドパスフィルタ。
  5. 前記磁界印加手段は前記直流磁界の強度が可変である請求項1〜4のいずれかに記載のバンドパスフィルタ。
  6. 前記伝送路は方形導波管である請求項1〜5のいずれかに記載のバンドパスフィルタ。
  7. 前記磁性体部材はフェライトからなる請求項1〜6のいずれかに記載のバンドパスフィルタ。
  8. 前記低誘電率誘電体部材は低誘電率誘電体層、前記高誘電率誘電体部材は高誘電率誘電体層、前記磁性体部材は磁性体板であり、前記フォトニック結晶は前記低誘電率誘電体層と前記高誘電率誘電体層とを交互に積層配置した2つの反射器と、この2つの反射器の間に設けた前記磁性体板とからなり、前記2つの反射器による阻止帯域内に通過帯域を生じさせる共振層を配置してなるファブリ・ペロー型共振器である、請求項1〜7のいずれかに記載のバンドパスフィルタ。
  9. 前記低誘電率誘電体層と前記高誘電率誘電体層の光路長は前記阻止帯域の波長でそれぞれほぼ1/4波長である請求項8に記載のバンドパスフィルタ。
  10. 前記低誘電率誘電体層は樹脂層であり、最外層が樹脂層である請求項8または9に記載のバンドパスフィルタ。
  11. 前記高誘電率誘電体部材は円柱状の誘電体柱であり、前記低誘電率誘電体部材は前記誘電体柱の周囲の空間を占める形状であり、前記磁性体部材は円柱状の磁性体柱であり、前記フォトニック結晶は、前記誘電体柱を前記低誘電率誘電体部材内で2次元平面上に配列するとともに、所定位置を前記磁性体柱で置換した構造である、請求項1〜7のいずれかに記載のバンドパスフィルタ。
  12. 請求項1に記載のフォトニック結晶の製造方法であって、光硬化性樹脂に対する照射光のスキャニングによる光造形法で、前記低誘電率誘電体部材を光硬化性樹脂で造形するとともに前記高誘電率誘電体部材の配置領域を形成する工程と、
    前記高誘電率誘電体部材の配置領域に前記高誘電率誘電体部材および前記磁性体部材をそれぞれ挿入する工程と、
    を順に処理するバンドパスフィルタ用フォトニック結晶の製造方法。
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