JP2009057557A - ゲルの数及びサイズが減少した光学用フィルム - Google Patents

ゲルの数及びサイズが減少した光学用フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】優れた表面特性を発現する光学用フィルム及びその製造方法を提供する。
【解決手段】脂環系オレフィン共重合体樹脂から形成され、一定面積640μm×480μmのフィルム表面あたりに存在する30μm以上のサイズを有するゲルの数が1.5個未満である、光学用フィルム。溶融押出工程において、押出機のスクリュー回転モーターの電力使用量を単位時間あたりの樹脂の押出量で除算することにより算出される単位エネルギーが0.14kWh/kg以下である条件下で、前期脂環系オレフィン共重合体樹脂の押出を行うことを特徴とする、光学用フィルムの製造方法。
【選択図】図1A

Description

本発明は、優れた表面特性を発現する光学用フィルムに関し、より具体的には、フィルム表面におけるゲルの数及びサイズが減少した光学用フィルムに関する。
LCD(液晶ディスプレイ)やPDP(プラズマディスプレイ)などの薄型ディスプレイ需要の増加に伴い、その部品である光学用フィルムの需要も大きく増加しつつある。かかる製品に使用されるフィルムには光学的等方性や適切な位相差などが要求され、また、大画面に使用されるフィルムには非常に均一な光学特性が要求される。
特に、偏光板は、LCDの広い視野角を実現するために、液晶を通過した光の位相差を補償するフィルムを必要とし、このようなフィルムを「位相差フィルム」という。これらの位相差フィルムには、位相差の均一性の他にも、フィルム表面のゲルや異物などの欠陥の最小化が必要とされる。
従来の位相差フィルムは、トリアセチルセルロースフィルム上に液晶をコーティングする方法や、延伸を用いて位相差を与える方法により製造されてきた。最近では、脂環系オレフィン樹脂を延伸する方法を用いて位相差フィルムを製造し、これを部分的にセルロース系位相差フィルムに置換したフィルムが製造されている。脂環系オレフィン系フィルムはセルロース系位相差フィルムの吸湿性や透湿性を改良でき、温湿度変化に対する光学特性変化が小さいフィルムとして注目されている。
上記のような薄い光学用フィルムの代表的な製造方法としては、高分子を溶媒に溶解させた溶液をフレキシブルベルト上に塗布した後に溶媒を揮発させるという溶媒コーティング法が挙げられる。この方法は、均一な厚さと優れた光学的性能を有するフィルムの製造を可能にするが、溶媒を大気に晒すことなく回収しなければならないという困難な問題がある。また、高い設備コストに比べて生産速度が低いため、不経済的であるという問題もある。
このような背景のもと、フィルムメーカーらにより溶融押出方法の改善による優れた光学的特性の発現に関する研究が続けられてきた。例えば、日本ゼオン株式会社が脂環系オレフィン樹脂を用いて溶融押出方法でフィルムを製造し、位相差フィルムとして商品化した例がある。
この脂環系オレフィン樹脂を用いた位相差フィルムの商品化以来、これと同等の光学的性質を有しかつ安価に製造できる、脂環系オレフィン共重合体を用いた位相差フィルムの開発が続けて試みられてきた。
しかしながら、かかる脂環系オレフィン共重合体には、溶融押出工程中にゲルが多数発生するという根源的な問題があり、このため、現状では高品質が要求されるディスプレイ材料として用いるのには制約があるという問題があった。
本発明者は上記の問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた。その結果、高い生産性を維持しながらも、ゲルの数及びサイズを減少することができ、優れた表面特性を有するフィルムの製造方法を見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の一側面によれば、脂環系オレフィン共重合体樹脂から形成され、一定面積640μm×480μmのフィルム表面あたりに存在する30μm以上のサイズを有するゲルの数が1.5個未満である、光学用フィルムを提供することができる。
また、本発明の他の側面によれば、溶融押出工程を有する上記光学用フィルムの製造方法が提供される。そして、前記溶融押出工程において、押出機のスクリュー回転モーターの電力使用量を単位時間あたりの樹脂の押出量で除算することにより算出される単位エネルギーが0.14kWh/kg以下である条件下で、前記脂環系オレフィン共重合体樹脂の押出を行うことを特徴とする。
本発明によれば、優れた表面特性を発現する光学用フィルム及びその製造方法が提供される。本発明の光学用フィルムは、樹脂の押出工程でゲルの生成と成長が大きく抑えられ、低いヘイズと高い光透過度を有するので、LCDをはじめとするディスプレイ製品の製造に有用に使用することができる。
本発明の一実施形態は、脂環系オレフィン共重合体樹脂から形成され、一定面積640μm×480μmのフィルム表面あたりに存在する30μm以上のサイズを有するゲルの数が1.5個未満である、表面特性に優れた光学用フィルムである。
また、本発明の他の一実施形態は、溶融押出工程を有する上記光学用フィルムの製造方法であって、前記溶融押出工程において、押出機のスクリュー回転モーターの電力使用量を単位時間あたりの樹脂の押出量で除算することにより算出される単位エネルギーが0.14kWh/kg以下である条件下で、前記脂環系オレフィン共重合体樹脂の押出を行うことを特徴とする、光学用フィルムの製造方法である。
以下、本発明についてより詳細に説明する。
ディスプレイ製品に使われる光学用フィルムの表面特性は、一般に、その製造工程におけるロールまたはベルトとの密着によって決定される。そして、原料樹脂が、高温、高圧の条件の下で、摩擦が存在する押出機の内部を通過する際に、変性が起きてゲルまたは炭化物が発生し、表面不良が頻繁に発生する。
特に、脂環系オレフィン共重合体は、他の一般の脂環系オレフィン樹脂とは違い、ポリエチレンと部分的に同一の主鎖構造を有する。このため、ゲルの発生に非常に脆弱であり、したがって、光学用フィルム素材として適用できる範囲に制限がある。
一般に、ゲルは、押出機の内部で樹脂が部分的に分解され、生成されたラジカルの連続した反応によって架橋化が進行されて発生するものと考えられている。このように発生したゲルは、フィルムの表面に位置する場合、円錐状に表面から突出したり、部分的に陥没したりするが、その断面が魚の目に似ていることから「フィッシュアイ(fisheye)」とも呼ばれる。このようなゲルは、脂環系オレフィン共重合体樹脂と屈折率に差がないので、フィルムの内部に埋められると目立たないが、表面に存在する場合には大きな欠陥として認識される。
かかるゲルは微細なフィルターで除去することができるが、ゲルの発生が多いとフィルターを頻繁に掃除しなければならないという不便さが生じ、さらにはフィルターによる除去工程以降に生成したゲルは除去できないという問題がある。これに対し、炭化物のような樹脂と異なる物質からなる異物は、樹脂と屈折率が異なるので、フィルムの内部に埋められていても容易に発見することができ、押出機内部に設置されている微細なフィルターによってほとんど除去することができる。
押出工程条件とゲル形成との関係について、特開第2000−233425号公報及び特開第2006−096001号公報は、押出機のスクリューの圧縮比が脂環系オレフィン共重合体のゲル形成に大きく影響すると報告している。本発明者らは、これらの報告にもかかわらず、単純な圧縮比の減少が必ずしもゲルのサイズや数の減少をもたらすわけではないことを、実験により、実際に確認した。
すなわち、図1Bに示すスクリューのように、図1Aに示すスクリューに比べて低い圧縮比を与えた場合、圧縮の発生する区間(圧縮区間1)の長さを増加させると、樹脂と押出機の内部との間で摩擦が起きる区間の長さが増加するため全体的な単位エネルギーが増加し、これによりかえってゲルの数及びサイズが増加することが確認された。
そして、本発明者らは驚くべきことに、脂環系オレフィン共重合体樹脂のゲル生成には、押出機のスクリュー回転による物理的エネルギーが大きな影響を与えることを見出した。すなわち、樹脂は、押出される工程中に押出機からエネルギーを受ける。このエネルギーは、押出機の温度に依存した熱エネルギーとスクリュー回転による物理的エネルギーとに区分できる。ここで、本発明に用いた脂環系オレフィン共重合体は、押出機に滞留する時間が短い場合には、高温下に晒されてもゲルを生成しなかった。したがって、脂環系オレフィン共重合体樹脂のゲル生成には、熱エネルギーよりもむしろ物理的エネルギーが大きな影響を与えることが確認された。
樹脂に与えられる物理的エネルギーの量は、スクリュー回転に使用されるエネルギーを単位時間あたりの樹脂の押出量で除算することにより算出される単位エネルギー(specific energy)として表すことができる。このような単位エネルギーは、下記の式のように、樹脂1kgを溶融押出するのに必要なスクリューモーターの使用エネルギーと定義され、kWh/kgの単位で表される。
Figure 2009057557
この単位エネルギーは、押出温度及びスクリューの回転速度やフィード方式の工程条件などに加えて、スクリューのデザイン及び樹脂のモノマー構成などによって変化する。
本発明者らは、このような単位エネルギーを変化させる要因が多数存在するにもかかわらず、単位エネルギー自体がゲルの発生を一次的に決定する要素であるということを発見した。そして、単位エネルギーが0.14kWh/kg以下、好ましくは0.11kWh/kg以下である条件下で樹脂の押出を行うことによって、ゲルのサイズ及び数(成長及び生成)を大幅に減少できることを見出した。
単位エネルギーを0.14kWh/kg以下に抑えた条件の下で樹脂の押出を行う場合、一定面積640μm×480μmのフィルム表面あたりに存在する30μm以上のサイズを有するゲルの数は1.5個未満、さらに好適な場合には1.2個未満まで低減される。この程度のゲルの存在割合は、光学用フィルムの表面特性として良好なものと評価される。
なお、本発明において、フィルム表面に存在するゲルとは、フィッシュアイとも呼ばれる、フィルム表面上に存在する部分的に突出または陥没した小球状の欠陥であり、樹脂の部分鎖同士が架橋して形成された架橋構造体から形成されていると推測される。そして、フィルム表面におけるゲルのサイズとは、フィルム表面における突出または陥没したゲルの長径(最長径)を意味する。ゲルは円形の形状をとりうるが、多くの場合は楕円形状を有する。本発明では、フィルム表面におけるゲル断面の長軸の長さ(最長径)をゲルのサイズとする。なお、本発明において、かようなフィルム表面上のゲルのサイズおよび個数は、非接触式表面測定器などによって測定することができ、通常の平坦面(フィルム表面)から高さが変化し始める部分をゲルの外径としてみなして測定を行う。より詳細には、実施例に記載の方法により測定した値を採用するものとする。
一方、単位エネルギーが0.14kWh/kgを超える条件の下で樹脂の押出を行う場合、樹脂は押出機から過度なせん断応力を受け、樹脂内の部分的な分子結合が分解されながらラジカルが発生し、これによってゲルの生成と成長とが促される。すなわち、0.14kWh/kgを超える単位エネルギーの条件下で脂環系オレフィン共重合体樹脂の押出を行った場合には、一定面積640μm×480μmのフィルム表面あたりに存在する30μm以上のサイズを有する大きなゲルが1.5個以上発生する。このような大きなゲルは肉眼で容易に見つかり、また、フィルムのヘイズが増加し、光透過度が低下するため、光学用フィルムとして機能を果たし難くなる。なお、単位エネルギーの下限値については、樹脂の押出が可能であれば特に制限されないが、好ましくは0.05kWh/kg以上である。
このように、本発明では、工程指標として用いられる単位エネルギーを低減させることにより、ゲルの生成及び成長が抑制され、優れた表面特性を有する光学用フィルムが得られる。
本発明の光学用フィルムの厚みは特に制限されないが、50μm〜250μmであることが好ましく、75μm〜150μmであることがより好ましい。
次に、本発明に用いられる脂環系オレフィン共重合体樹脂について説明する。
脂環系オレフィン共重合体樹脂は、他の光学用樹脂に比べて高い光透過率及び低い吸水性を有し、優れた光学用素材として用いられている。本発明において、脂環系オレフィン共重合体樹脂は、脂環構造を有する脂環系オレフィンモノマーと、エチレンモノマーとが共重合してなることが好ましい。そして、脂環系オレフィンモノマーは、ノルボルネン、ノルボルネン誘導体及びシクロペンテンからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、これらのモノマーを1種単独で用いてもよいし、2種以上のモノマーを混合して用いてもよい。
ノルボルネン誘導体としては、例えば、ノルボルナジエン、メチルノルボルネン、ジメチルノルボルネン、エチルノルボルネン、エチリデンノルボルネン、ブチルノルボルネン、ジシクロペンタジエン、ジヒドロジシクロペンタジエン、メチルジシクロペンタジエン、ジメチルジシクロペンタジエン、テトラシクロドデセン、ジメチルシクロテトラドデセン、トリジクロペンタジエン、テトラシクロペンタジエンなどが挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、複数を併用して用いてもよい。
脂環系オレフィン共重合体樹脂における、脂環系オレフィンモノマー由来の構成単位及びエチレンモノマー由来の構成単位の構成比は特に制限されないが、このような脂環系オレフィン共重合体樹脂中に、脂環系オレフィンモノマーから導かれる構成単位が、8モル%以上16モル%以下の割合で含有されることが好ましい。かような形態を有する脂環系オレフィン共重合体樹脂は耐熱性及びフィルムの加工性などの側面で好ましい。また、これらのモノマーから導かれる構成単位の配列も特に制限されず、ランダム状であってもブロック状であってもよい。
脂環系オレフィン共重合体樹脂の重量平均分子量も特に制限されないが、好ましくは30,000〜90,000であり、より好ましくは40,000〜70,000である。
本発明に用いる脂環系オレフィン共重合体樹脂は、エチレンモノマーと上述した脂環系オレフィンモノマーとから従来公知の方法を用いて製造したものを使用してもよいし、市販品として入手可能なものを使用してもよい。具体的には、三井化学社のAPEL(登録商標)やチコナ社のTopas(登録商標)という製品が商用の脂環系オレフィン共重合体樹脂として用いられている。これらの脂環系オレフィン共重合体樹脂の製品の種類に本発明の範囲が限定されることはなく、その種類は、本発明の属する技術分野における通常の知識を持つ者には周知である。
本発明の光学用フィルムの製造方法は単位エネルギーを調節してゲルの成長及び生成を最小化する点を特徴とするが、本発明の製造方法は、脂環系オレフィン共重合体フィルムを製造する一般的な工程に適用することができる。具体的には、図2に示すように、1軸または2軸押出機から溶解された樹脂を、ダイ2を介して押出し、この押出された溶融物を2個以上の冷却ロール3の間に通過させル方法に適用することができる。あるいは、大きい直径を有する1個以上の冷却ロール及びフレキシブルベルトを用いる方法に適用することもできる。
以下、本発明の好適な実施例を挙げて本発明についてより詳細に説明する。ただし、下記の実施例は、本発明を例示するためのもので、本発明を制限するためのものではない。なお、本明細書に記載されていない実施例は、この技術分野に熟練した者には十分に技術的に想到できるため、その説明は省略する。
[実施例1]
上記明細書の記載に基づいて光学用脂環系オレフィン共重合体フィルムを製造した。具体的には、脂環系オレフィン共重合体樹脂としては、脂環系オレフィンモノマーであるノルボルネン誘導体から導かれる構成単位を13モル%、エチレンモノマーから導かれる構成単位を87モル%の割合で含有する共重合体樹脂(Polyplastics社製、製品名:Topas6013、分子量:60,000、配列:ランダム)を用いた。樹脂供給方式は一般的なフルフィード方式とした。なお、フルフィード方式とは樹脂ペレットを一度に投入する方式である。押出機は1軸押出機を使用し、フィルム製造設備の構成は図2のようにした。樹脂溶融物をT−ダイ2を介して冷却ロール3に投入した。
押出機のスクリューは、図1Aに示すように、圧縮比を4:1に、L/Dを36に設定して使用した。スクリューの回転数[rpm]は36と設定した。その他条件は、表1に示す工程条件に設定した。フィルムの加工中にスクリュー回転モーターに発生する電流[アンペア]を記録し、これに基づいてスクリューモーターの電力使用量を計算した。ダイに一定時間溶融押出される樹脂の押出量を測定し、単位時間あたりの樹脂の押出量を計算した。そして、スクリューモーターの電力使用量を単位時間あたりの樹脂の押出量で除算することにより単位エネルギーを算出し、これを記録した。
最終的に、冷却ロールを通過した100μm厚のフィルムを、非接触式光学照度計(Veeco社製、NT−1100)を用いて640μm×480μmのサイズの表面を観察し、この面積のフィルム表面に存在するゲルのうち、サイズが大きい上位10個のゲルのサイズ(直径)と30μm以上のサイズを有するゲルの数を記録した。上記測定を異なる表面で5回行い、5回の測定による結果(ゲルのサイズおよび個数)を平均化した値をゲルの平均のサイズおよびゲルの数とした。
[実施例2]
上記明細書の記載に基づいて光学用脂環系オレフィン共重合体フィルムを製造した。具体的には、脂環系オレフィン共重合体樹脂は実施例1と同一のものを用いた。また、樹脂供給方式は定量フィード方式とした。この方式では、フルフィード方式に比べて15質量%少ない樹脂が押出機に供給された。押出機のスクリューの回転数及びその他条件は、表1に示す工程条件に設定した。単位エネルギーの算出及び製造されたフィルムのゲル分析は、実施例1と同様にして行った。
[実施例3]
上記明細書の記載に基づいて光学用脂環系オレフィン共重合体フィルムを製造した。具体的には、脂環系オレフィン共重合体樹脂は実施例1と同一のものを用いた。また、樹脂供給方式は、実施例1と同様にフルフィード方式とした。溶融点の低いワックスを樹脂と共に投入し、押出機内における樹脂の摩擦を最小化した。ここで、ワックスはHenkel社のLoxiol EP−861を使用し、含有量は樹脂に対して0.4重量%とした。押出機のスクリューの回転数及びその他条件は、表1に示す工程条件に設定した。単位エネルギーの算出及び製造されたフィルムのゲル分析は、実施例1と同様にして行った。
[比較例1〜2]
押出機のスクリューの回転速度を下げることによって単位エネルギーが本発明の範囲から外れるように調節した。脂環系オレフィン共重合体樹脂は実施例1と同一のものを用いた。また、樹脂供給方式は、実施例1と同様にフルフィード方式とした。押出機のスクリューの回転数及びその他条件は、表1に示す工程条件に設定した。単位エネルギーの算出及び製造されたフィルムのゲル分析は、実施例1と同様にして行った。
[比較例3〜4]
押出機のスクリューの圧縮比は実施例3と同様に低くするものの、圧縮区間の長さを上記実施例で使用したスクリューよりも長く設定することにより、樹脂が圧縮時に受ける応力は減少するものの、単位エネルギーが本発明の範囲から外れるように調節した。脂環系オレフィン共重合体樹脂は実施例1と同一のものを用いた。また、押出機のスクリューは、図1Bに示すように、圧縮比を2:1に、L/Dを36に設定して使用した。押出温度は、比較例3では上記実施例と同様に260℃に設定し、比較例4では上記実施例の温度よりも低い250℃に設定した。また、押出機のスクリューの回転数などその他条件は、表1に示す工程条件に設定した。単位エネルギーの算出及び製造されたフィルムのゲル分析は、実施例1と同様にして行った。
上記実施例及び比較例によって製造されたフィルムの押出工程の条件を、表1に示す。
Figure 2009057557
表1の工程条件によって押出された溶融物が有する単位エネルギー、製造されたフィルム表面の640μm×480μmのサイズあたりに存在するサイズが大きい上位10個のゲルの平均のサイズ(直径)、30μm以上のサイズを有するゲル数を、表2に示す。
Figure 2009057557
上記の結果から、本発明に基づいて製造されたフィルムのゲルの数及びサイズは、下記のように単位エネルギーと密接に関連していることがわかる。
実施例1では、本発明の目的に合致するように、単位エネルギーが0.14kWh/kg以下の条件で押出を行った。一方、比較例1と2では、スクリューの回転数を下げて単位エネルギーを上記範囲より高く調節した。その結果、実施例1では、比較例1及び2に比べて、平均的なゲルのサイズが約20%以上小さくなった。また、30μm以上のサイズを有するゲルの数についても、比較例1及び2では3個及び3.5個であったのに対し、実施例1では1個と顕著に減少したことが観察された。
また、実施例2では、樹脂を供給する方式(フィード方式)を除き、比較例2とほとんど同一の工程条件を用いた。すなわち、実施例2は定量フィード方式を用いているのに対し、比較例2ではフルフィード方式を用いた。ここで、実施例2のような定量フィード方式を採用すると、押出機の内部の空間が増大するため摩擦を減少させることができ、これにより単位エネルギーを減少させることができる。このようにして単位エネルギーを減少させた実施例2では、生成されたゲルの平均サイズが比較例2に比べて20%減少し、30μm以上のゲル数も実施例1と同程度の0.8個と少なくなったことが確認された。
比較例3及び4では、スクリュー圧縮比を低くすることで樹脂が圧縮工程中に受ける摩擦の強度を減少させるように改善したスクリューを用いた。しかし、圧縮区間が長くなったために摩擦発生区間の長さが増加し、その結果、単位エネルギーの値は高くなった。これらの例では、30μm以上のゲル数は、比較実施例1と2に比べて多少減少したものの、依然として2個以上となった。また、ゲルの平均サイズは、比較例1及び2と同程度の値となった。この結果から、単にスクリュー圧縮比を低くしても、ゲルのサイズや数は減少しないことが確認された。
実施例3では、ワックスを押出機にさらに投入したこと以外は、比較例3と同一の条件を用いた。ここで、ワックスをさらに投入すると、樹脂が押出機内で受ける摩擦を減少させ、これにより単位エネルギーを減少させることができる。表2に示すように、ワックスの投入により単位エネルギーを減少させた実施例3では、ゲルの平均サイズが比較例3に比べて約20%減少した。また、30μm以上のサイズのゲルの数は、比較例3では2個であったのに対し、実施例3では0.8個にまで減少した。この結果から、単位エネルギーの減少に応じてゲルのサイズ及び数が減少したことが確認された。
これらの結果は、スクリューのデザイン、押出温度、スクリュー回転速度等、フィルムを生産する設備構成及び工程条件が変化しても、ゲルの発生傾向は、単位エネルギーと高い相関関係を持つということを示唆するものである。
以上の結果から、単位エネルギーが0.14kWh/kg以下となるような条件下で脂環系オレフィン共重合体樹脂の押出を行うことにより、ゲルの生成と成長が大きく抑えられた、優れた表面特性を有する光学用フィルムが得られることが確認された。
以上、具体的な実施例に挙げて本発明を説明してきたが、本発明は上記の具体的な実施例に限定されるわけではなく、様々な形態に具現可能であり、本発明の属する技術分野における通常の知識を持つ者にとっては、本発明の技術的思想や必須の特徴を変更しない限度内で他の具体的な形態に実施できるということは明らかである。したがって、以上で説明した実施例はあらゆる面で例示的なものとして理解すべきであり、限定的なものとして理解されるべきではない。
本発明の一実施形態に用いられる圧縮比が4:1となるように設定された押出機のスクリューを示す図である。 本発明の一実施形態に用いられる圧縮比が2:1となるように設定された押出機のスクリューを示す図である。 本発明の一実施例による溶融押出工程の設備を示す概略図である。
符号の説明
1 圧縮区間、
2 ダイ、
3 冷却ロール。

Claims (7)

  1. 脂環系オレフィン共重合体樹脂から形成され、一定面積640μm×480μmのフィルム表面あたりに存在する30μm以上のサイズを有するゲルの数が1.5個未満である、光学用フィルム。
  2. 一定面積640μm×480μmのフィルム表面あたりに存在する30μm以上のサイズを有するゲルの数が1.2個未満である、請求項1に記載の光学用フィルム。
  3. 前記脂環系オレフィン共重合体樹脂は、脂環系オレフィンモノマーとエチレンモノマーとが共重合してなる樹脂である、請求項1または2に記載の光学用フィルム。
  4. 前記脂環系オレフィンモノマーは、ノルボルネン、ノルボルネン誘導体及びシクロペンテンからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項3に記載の光学用フィルム。
  5. 脂環系オレフィン共重合体樹脂中に、前記脂環系オレフィンモノマーから導かれる構成単位が、8モル%以上16モル%以下の割合で含有されることを特徴とする、請求項3または4に記載の光学用フィルム。
  6. 溶融押出工程を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学用フィルムの製造方法であって、
    前記溶融押出工程において、押出機のスクリュー回転モーターの電力使用量を単位時間あたりの樹脂の押出量で除算することにより算出される単位エネルギーが0.14kWh/kg以下である条件下で、前記脂環系オレフィン共重合体樹脂の押出を行うことを特徴とする、光学用フィルムの製造方法。
  7. 前記単位エネルギーが0.11kWh/kg以下である条件下で、前記脂環系オレフィン共重合体樹脂の押出を行うことを特徴とする、請求項6に記載の光学用フィルムの製造方法。
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