JP2009057478A - 顔料組成物、顔料分散体およびインキ - Google Patents

顔料組成物、顔料分散体およびインキ Download PDF

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浩 長曽我部
Sachiko Goto
祥子 後藤
Shuichi Kimura
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Masakazu Takayama
将一 高山
Hiroyuki Yanai
宏幸 矢内
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Abstract

【課題】顔料粒子の安定性と結晶成長防止の効果が高く、安定的に高度に微細化された顔料粒子が得られる顔料組成物、および高度に微細化された顔料粒子を分散して得られるインキにおいても、高い分散性能と優れた粘度適性、及び貯蔵安定性をもつ顔料組成物を提供する。
【解決手段】ベンゾイソインドール誘導体およびリン酸エステルを含むことを特徴とする顔料組成物、およびこれら顔料組成物と顔料担体を含有する着色組成物は印刷インキや塗料、とりわけインクジェットインキやカラーフィルタ用インキといった顔料粒子の微細な分散が要求される用途で、低粘度、経時安定性に飛躍的に優れた顔料分散体を安定供給でき、特にジケトピロロピロール系赤色顔料、キナクリドン系赤色顔料、チアジンインジゴ系赤色顔料、またはアントラキノン系赤色顔料に代表される赤色系統の顔料群を含む系で好適に用いられる。
【選択図】なし

Description

本発明は、分散性、流動性、保存安定性に優れた顔料組成物に関する。
印刷インキ、塗料等においては、顔料を微細な状態で分散させることにより、高い着色力を発揮させ、印刷物または塗加工物の鮮明な色調、光沢等の適性を持たせている。さらに、オフセットインキ、グラビアインキ、塗料等においては、高い鮮明性を得るため、顔料粒子を高度に微細化する必要がある。このとき顔料粒子を微細化する方法として現在広く用いられている方法に、ソルベントソルトミリング法、乾式粉砕法等が挙げられる。しかし、顔料と無機塩や溶剤など一般的に用いられる粉砕助剤等と共に仕込んだだけでは、粉砕時に起こる発熱や、分散助剤として添加した溶剤等により、顔料粒子の成長も同時に起こってしまったり、長時間機械的に力が加わることで、顔料粒子の状態が不安定になるため、結晶転移を起こすなどの変化を起こしたりして、時間とエネルギーをかけても、安定的に十分な微細化が得られない場合がある。しかも、特に乾式粉砕のみでは顔料粒子径にばらつきが出易いため、溶剤処理による整粒を行なうと微細な顔料粒子ほど結晶成長を起こし易く、制御が難しい。
一方、顔料をより微細化していくと、顔料粒子間の凝集力が強くなり、インキや塗料が高粘度を示す場合が多い。しかも、この分散体を製造する際に、製品の分散機からの取り出し、分散機からタンク等への移送が困難となるばかりでなく、さらに悪い場合は貯蔵中にゲル化を起こし使用困難となることがある。
そこで一般的には分散状態を良好に保つために分散剤が利用されている。分散剤は顔料に吸着する部位と、分散媒である溶剤に親和性の高い部位との構造を持ち合わせ、この2つの機能の部位のバランスで分散剤の性能は決まる。分散剤は被分散物である顔料の表面状態に合わせ種々のものが使用されているが、塩基性に偏った表面を有する顔料には酸性の分散剤が使用されるのが一般的である。この場合、酸性官能基が顔料の吸着部位となる。酸性の官能基としてカルボン酸を有する分散剤は、例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4などに記載されている。
しかし、これらはある程度の分散能力は持ち合わせるが、低粘度で安定な分散体をつくるには顔料組成物に含まれる分散剤の量を多くする必要があった。しかし、使用量を多くすることは、インキ、塗料等への展開を考える上で、塗膜の耐性が落ちる場合があるなど好ましいものではなかった。
一方で、顔料を母体骨格として側鎖に酸性基や塩基性基を置換基として有する顔料誘導体を顔料組成物に混合する方法が、特許文献5、特許文献6および特許文献7等に提案されている。しかし、これだけでは必ずしも満足な効果が得られず、上記のような酸性基や塩基性基を置換基として有する顔料誘導体に対して、さらにその対イオンを有する分散剤を使用することが提案されている(特許文献8、9)。ここで、顔料誘導体とは顔料を形成する色素の化学構造に似た構造を有し、顔料に対してπ―π相互作用で強固に吸着し、顔料誘導体が含有するイオン性官能基によって顔料の表面を酸性もしくは塩基性にして、対イオンを有する分散剤もしくは顔料担体の効果を大きくするものである。
特許文献8には、塩基性基を置換基として有する顔料誘導体と、リン酸基を有する分散剤とを含む顔料組成物の例示がある。リン酸基を有する分散剤は塩基性基を置換基として有する顔料誘導体との併用である程度の顔料分散能力を有するが、保存安定性が悪く、リン酸基由来の欠点、例えば耐熱性の低さ、耐薬品性の低さ、相溶性の悪さなどで問題を生じる場合があった。
そのため、顔料粒子の安定性と結晶成長防止の効果が高く、安定的に高度に微細化された顔料粒子が得られる顔料組成物、および高度に微細化された顔料粒子を分散して得られるインキにおいても、高い分散性能と優れた粘度適性、及び貯蔵安定性をもつ顔料組成物が望まれている。
特開昭61−61623号公報 特開平1−141968号公報 特開平2−219866号公報 特開平11−439842号公報 特開昭63−305137号公報 特開平1−247468号公報 特開平3−26767号公報 特開昭63−248864号公報 特開平9−176511号公報
本発明は、分散性、流動性、及び保存安定性に優れる顔料組成物の提供を目的とする。
本発明の顔料組成物は、一般式(1)で表されるベンゾイソインドール誘導体および一般式(8)で示されるリン酸エステルを含むことを特徴とする。
Figure 2009057478
[式中、R1は水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、または置換基を有してもよいアシル基を表す。
2、R3、R5、R6、R7、R8、R9、R10は、互いに独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、フェニル基、ハロゲン原子、シアノ基、置換基を有してもよいアルコキシ基、または−NR1213である。ただし、R12とR13は、互いに独立に、水素原子、または置換基を有してもよいアルキル基、またはR12とR13とで一体となって更なる窒素、酸素または硫黄原子を含んでも良い複素環を表す。
4は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアシル基、または、一般式(2)で表される置換基を表す。
−Y−(Z)k 一般式(2)
(式中、Yは、直接結合、−O−、−S(O)m−(ここでmは、0から3の整数を表す)、−CO−、−NR14−、−CONR14−、−SO2NR14−、−NR14CO−、−NR14SO2−(ここでR14は、水素原子、アルキル基、またはヒドロキシアルキル基を表す)、炭素数1〜12の直鎖または枝分かれしたアルキレン基あるいは、アルキル基、アミノ基、ニトロ基、水酸基、アルコキシ基、またはハロゲン原子で置換されてもよいベンゼン残基あるいはトリアジン残基、またはこれらの結合基を2個以上組み合わせた結合基を表す。Zはハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいフタルイミドメチル基、−NR1516、−SO3・M/n、または、−COO・M/nを表し、R15とR16はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいフェニル基、またはR15とR16とで一体となって更なる窒素、酸素または硫黄原子を含んでもよく、置換基を有してもよい複素環を表し、Mは水素イオン、1〜3価の金属イオン、または少なくとも1つがアルキル基で置換されているアンモニウムイオンを表し、nはMの価数を表す。kは1または2の整数を表す。)
11は、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、−S(O)mR17、−NR1819、または−N2 +-である。ただし、mは0から3であり、R17は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、またはハロゲン原子である。さらに、R18とR19は、互いに独立に、水素原子、または置換基を有してもよいアルキル基、またはR18とR19とで一体となって更なる窒素、酸素または硫黄原子を含んでもよい複素環を表す。Xは、ハロゲン原子を表す。]
また、本発明は、分散剤が下記一般式(8)で示されるリン酸エステルである上記顔料分散体に関する。
一般式(8)
Figure 2009057478
(式中、R20は数平均分子量500〜30000のポリエステル残基、xは1〜2を表す。)
また、本発明は、一般式(8)で示されるリン酸エステルにおいて、y=1とy=2の存在比が100:0〜100:30である請求項1に記載の顔料組成物に関する。
また、本発明は、一般式(8)で示されるリン酸エステルにおいて、R3がポリカプロラクトン残基である上記顔料組成物に関する。
さらに本発明は、上記顔料組成物と有機溶剤とからなる顔料分散体に関する。
加えて本発明は、上記顔料分散体を含むインキに関する。
本発明の顔料組成物は、顔料粒子を微細化するための粉砕時および整粒時において、新規なベンゾイソインドール誘導体の高い顔料の結晶成長防止と粒子安定性効果により、顔料粒子が高度に微細化している。その中でも塩基性基を有する新規なベンゾイソインドール誘導体を含む顔料組成物は、広範な樹脂に対し優れた分散性を示すだけでなく、非集合性、非結晶性、粘度適性、塗膜光沢、鮮明性、貯蔵安定性に優れたインキ及び塗料を得ることが容易に達成でき、印刷インキ、自動車用、木材用、金属用等の各種一般塗料、磁気テープのバックコート塗料、ラジエーションキュアー型インキ、インクジェットプリンター用インキ、カラーフィルタ用インキ等の用途に使用できる。
特に、ジケトピロロピロール系赤色顔料、キナクリドン系赤色顔料、チアジンインジゴ系赤色顔料、またはアントラキノン系赤色顔料に代表される赤色系統の顔料群を含む系で、顔料の結晶成長防止と粒子安定性効果が高く、かつ高い分散性能と優れた粘度適性、及び貯蔵安定性が得られる。
本発明の顔料組成物は、顔料及び上記一般式(1)で表されるベンゾイソインドール誘導体および一般式(8)で示されるリン酸エステルを含むことを特徴としている。
一般式(1)中、R1は水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、または置換基を有してもよいアシル基を表す。
2、R3、R5、R6、R7、R8、R9、R10は、互いに独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、フェニル基、ハロゲン原子、シアノ基、置換基を有してもよいアルコキシ基、または−NR1213である。ただし、R12とR13は、互いに独立に、水素原子、または置換基を有してもよいアルキル基、またはR12とR13とで一体となって更なる窒素、酸素または硫黄原子を含んでもよい複素環を表す。
4は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアシル基、または、一般式(2)で表される置換基を表す。
−Y−(Z)k 一般式(2)
(式中、Yは、直接結合、−O−、−S(O)m−(ここでmは、0から3の整数を表す)、−CO−、−NR14−、−CONR14−、−SO2NR14−、−NR14CO−、−NR14SO2−(ここでR14は、水素原子、アルキル基、またはヒドロキシアルキル基を表す)、炭素数1〜12の直鎖または枝分かれしたアルキレン基、およびアルキル基、アミノ基、ニトロ基、水酸基、アルコキシ基、またはハロゲン原子で置換されてもよいベンゼン残基あるいはトリアジン残基、またはこれらの結合基を2個以上組み合わせた結合基を表す。Zはハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいフタルイミドメチル基、−NR1516、−SO3・M/n
、または、−COO・M/nを表し、R15とR16はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいフェニル基、またはR15とR16とで一体となって更なる窒素、酸素または硫黄原子を含んでもよく、置換基を有してもよい複素環を表し、Mは水素イオン、1〜3価の金属イオン、または少なくとも1つがアルキル基で置換されているアンモニウムイオンを表し、nはMの価数を表す。kは1または2の整数を表す。)
11は、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、−S(O)mR17、−NR1819、または−N2 +-である。ただし、mは0から3であり、R17は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、またはハロゲン原子である。さらに、R18とR19は、互いに独立に、水素原子、または置換基を有してもよいアルキル基、またはR18とR19とで一体となって更なる窒素、酸素または硫黄原子を含んでもよい複素環を表す。Xは、ハロゲン原子を示す。
置換基を有してもよいアルキル基としては、炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、オクダデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1−エチルペンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、トリフルオロメチル基、2−エチルヘキシル基、フェナシル基、1−ナフトイルメチル基、2−ナフトイルメチル基、4−メチルスルファニルフェナシル基、4−フェニルスルファニルフェナシル基、4−ジメチルアミノフェナシル基、4−シアノフェナシル基4−メチルフェナシル基、2−メチルフェナシル基、3−フルオロフェナシル基、3−トリフルオロメチルフェナシル基、3−ニトロフェナシル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアシル基としては、炭素数2〜20のアシル基が好ましく、例えば、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、トリフルオロメチルカルボニル基、ペンタノイル基、ベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、4−メチルスルファニルベンゾイル基、4−フェニルスルファニルベンゾイル基、4−ジメチルアミノベンゾイル基、4−ジエチルアミノベンゾイル基、2−クロロベンゾイル基、2−メチルベンゾイル基、2−メトキシベンゾイル基、2−ブトキシベンゾイル基、3−クロロベンゾイル基、3−トリフルオロメチルベンゾイル基、3−シアノベンゾイル基、3−ニトロベンゾイル基、4−フルオロベンゾイル基、4−シアノベンゾイル基、4−メトキシベンゾイル基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。置換基を有してもよいアルコキシ基としては、炭素数1〜30のアルコキシ基が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ヘキシルオキシキ、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、エトキシカルボニルメチル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニルメチルオキシ基、アミノカルボニルメチルオキシ基、N,N−ジブチルアミノカルボニルメチルオキシ基、N−メチルアミノカルボニルメチルオキシ基、N−エチルアミノカルボニルメチルオキシ基、N−オクチルアミノカルボニルメチルオキシ基、N−メチル−N−ベンジルアミノカルボニルメチルオキシ基、ベンジルオキシ基、シアノメチルオキシ基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアリール基としては、炭素数6〜30のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アンスリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、9−フルオレニル基、ターフェニル基、クオーターフェニル基、o−、m−、およびp−トリル基、キシリル基、o−、m−、およびp−クメニル基、メシチル基、ペンタレニル基、ビナフタレニル基、ターナフタレニル基、クオーターナフタレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、フルオランテニル基、アセナフチレニル基、アセアントリレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントリル基、ビアントラセニル基、ターアントラセニル基、クオーターアントラセニル基、アントラキノリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、プレイアデニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、オバレニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアリールオキシ基としては、炭素数6〜30のアリールオキシ基が好ましく、例えば、フェニルオキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、2−クロロフェニルオキシ基、2−メチルフェニルオキシ基、2−メトキシフェニルオキシ基、2−ブトキシフェニルオキシ基、3−クロロフェニルオキシ基、3−トリフルオロメチルフェニルオキシ基、3−シアノフェニルオキシ基、3−ニトロフェニルオキシ基、4−フルオロフェニルオキシ基、4−シアノフェニルオキシ基、4−メトキシフェニルオキシ基、4−ジメチルアミノフェニルオキシ基、4−メチルスルファニルフェニルオキシ基、4−フェニルスルファニルフェニルオキシ基等が挙げられる。
さらに、アルキル基、アシル基、アルコキシ基、アリール基、およびアリールオキシ基の水素原子はさらに他の置換基で置換されていても良い。
そのような置換基としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、p−トリルオキシ基等のアリールオキシ基、メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メトキサリル基等のアシル基、メチルスルファニル基、tert−ブチルスルファニル基等のアルキルスルファニル基、フェニルスルファニル基、p−トリルスルファニル基等のアリールスルファニル基、メチルアミ
ノ基、シクロヘキシルアミノ基等のアルキルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基等のジアルキルアミノ基、フェニルアミノ基、p−トリルアミノ基等のアリールアミノ基、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基等のアルキル基、フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基等のアリール基、フリル基、チエニル基等の複素環基等の他、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ホルミル基、メルカプト基、スルホ基、メシル基、p−トルエンスルホニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリメチルシリル基、ホスフィニコ基、ホスホノ基、トリメチルアンモニウミル基、ジメチルスルホニウミル基、トリフェニルフェナシルホスホニウミル基等が挙げられる。
さらに、R12とR13、R18とR19は、それぞれ一体となって、更なる窒素、酸素または硫黄原子を含んでもよい複素環を形成していてもよい。
置換基を有してもよいフタルイミドメチル基としては、フタルイミドメチル基、4−ニトロフタルイミドメチル基、4−クロロフタルイミドメチル基、テトラクロロフタルイミドメチル基、(4,6−ビス(フタルイミドメチルアミノ)−1,3,5−トリアジン)−2−イルアミノメチル基等が挙げられる。
1〜3価の金属イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、ストロンチウムイオン、バリウムイオン、アルミニウムイオン等が挙げられる。
少なくとも1つがアルキル基で置換されているアンモニウムイオンとしては、オクチルアンモニウムイオン、ドデシルアンモニウムイオン、ヘキサデシルアンモニウムイオン、オクタデシルアンモニウムイオン、ジメチルジデシルアンモニウムイオン、ジメチルジドデシルアンモニウムイオン、ジメチルジオクタデシルアンモニウムイオン、トリメチルドデシルアンモニウムイオン、トリメチルオクタデシルアンモニウムイオン等が挙げられる。
この中で、高い結晶防止効果を持ちながら、広範な樹脂に対し優れた分散性を示すだけでなく、非集合性、非結晶性、粘度適性、塗膜光沢、鮮明性、貯蔵安定性に優れたインキ及び塗料を得ることが容易に達成できる本発明のベンゾイソインドール誘導体は、R4が、一般式(5)または一般式(6)で表される置換基を有するものである。
−Y−(NR1516)k 一般式(5)
式中、Yは、直接結合、−O−、−S(O)m−(ここでmは、0から3の整数を表す)、−CO−、−NR14−、−CONR14−、−SO2NR14−、−NR14CO−、−NR14SO2−(ここでR1は、水素原子、アルキル基、またはヒドロキシアルキル基を表す)、炭素数が1〜12の直鎖または枝分かれしたアルキレン基、およびアルキル基、アミノ基、ニトロ基、水酸基、アルコキシ基、またはハロゲン原子で置換されてもよいベンゼン残基あるいはトリアジン残基、またはこれらの結合基を2個以上組み合わせた結合基を表す。R15とR16はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいフェニル基、またはR15とR16とで一体となって更なる窒素、酸素または硫黄原子を含んでもよく、置換基を有してもよい複素環を表す。kは1または2の整数を表す。
一般式(5)で表される置換基としては、例えば、スルファモイル基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、オクチルアミノ基、ドデシルアミノ基、オクタデシルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジメチルアミノプロピルアミノ基、ジエチルアミノプロピルアミノ基、ジエチルアミノエチルアミノ基、ジブチルアミノプロピルアミノ基、ピペリジノメチル基、ジメチルアミノメチル基、ジエチルアミノメチル基、ジブチルアミノメチル基、ジメチルアミノエチルオキシ基、ジメチルアミノエチルチオ基、ジエチルアミノエチルチオ基、ジエチルアミノエチルスルフィニル基、(4,6−ビス(ジエチルアミノプロピルアミノ)−1,3,5−トリアジン)−2−イル基、ジメチルアミノプロピルアミノスルホニル基、ジエチルアミノプロピルアミノスルホニル基、ジブチルアミノプロピルアミノスルホニル基、モルホリノエチルアミノスルホニル基、4-アミノフェニルアミノスルホニル基、ピペリジノプロピルアミノスルホニル基、4−メチルピペラジノプロピルアミノスルホニル基、ジメチルアミノプロピルアミノカルボニル基、4−(ジエチルアミノプロピルアミノカルボニル)フェニルアミノカルボニル基、ジメチルアミノメチルカルボニルアミノメチル基、ジエチルアミノプロピルアミノメチルカルボニルアミノメチル基、ジブチルアミノプロピルアミノメチルカルボニルアミノメチル基などが挙げられる。
−Y−(−SO3・M/n、または−COO・M/n)k 一般式(6)
式中、Yは、直接結合、−O−、−S(O)m−(ここでmは、0から3の整数を表す)、−CO−、−NR14−、−CONR14−、−SO2NR14−、−NR14CO−、−NR14SO2−(ここでR1は、水素原子、アルキル基、またはヒドロキシアルキル基を表す)、炭素数1〜12の直鎖または枝分かれしたアルキレン基、およびアルキル基、アミノ基、ニトロ基、水酸基、アルコキシ基、またはハロゲン原子で置換されてもよいベンゼン残基あるいはトリアジン残基、またはこれらの結合基を2個以上組み合わせた結合基を表す。Mは水素イオン、1〜3価の金属イオン、または少なくとも1つがアルキル基で置換されているアンモニウムイオンを表し、nはMの価数を表す。kは1または2の整数を表す。
一般式(6)で表される置換基としては、例えば、スルホ基、ナトリウムスルホナト基、カルシウムスルホナト基、ストロンチウムスルホナト基、バリウムスルホナト基、アルミニウムスルホナト基、4−(アルミニウムスルホナト)フェニルカルバモイルメチル基、ドデシルアンモニオスルホナト基、オクタデシルアンモニオスルホナト基、トリメチルオクタデシルアンモニオスルホナト基、ジメチルジデシルアンモニオスルホナト基、カルボキシル基、2−アンモニウムカルボキシラト−5−ニトロベンズアミドメチル基、4−カルボキシフェニルアミノカルボニル基などが挙げられる。
上記一般式(1)または一般式(3)で表されるベンゾイソインドール誘導体の具体例を表1に示す(ただし、Meはメチル基、Etはエチル基、n−Prはノルマルプロピル基、i−Prは2−プロピル基、Buはブチル基、Hexはヘキシル基、Tolはパラトリル基、Acはアセチル基、Bzはベンゾイル基、Phはフェニル基を表す)。
Figure 2009057478
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1が水素原子である化合物は、互変異性体として下記一般式(7)に示す骨格もとることができる。
Figure 2009057478

次に、一般式(8)で示される本発明の顔料組成物で用いられるリン酸エステルについて説明する。
一般式(8)
Figure 2009057478
(式中、R3は数平均分子量500〜10000のポリエステル残基、yは1〜2を表す。)更に好ましい数平均分子量は500〜3000である。
一般式(8)で示されるリン酸エステルは、片末端に水酸基を有するポリエステル残基をリン酸エステル化することにより得ることができる。
片末端に水酸基を有するポリエステル残基は、モノアルコールを開始剤としてラクトンの開環付加によって得ることができる。
ラクトンとしては、具体的にはβ−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、δ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、アルキル置換されたε−カプロラクトン、が挙げられ、このうちδ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、アルキル置換されたε−カプロラクトンを使用するのが開環重合性の点で好ましい。
本発明の製造方法において、ラクトンは、前記例示に限定されることなく用いることができ、また単独で用いても、2種類以上を併用して用いても構わない。2種類以上を併用して用いることで結晶性が低下し室温で液状になる場合があるので、作業性の点と、他の樹脂との相溶性の点で好ましい。

モノアルコールとしては、水酸基を一つ有する化合物であればいかなる化合物でも構わない。例示すると、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、イソペンタノール、1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、4−メチル−2−ペンタノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、イソオクタノール、2−エチルヘキサノール、1−ノナノール、イソノナノール、1−デカノール、1−ドデカノール、1−ミリスチルアルコール、セチルアルコール、1−ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、2−オクチルデカノール、2−オクチルドデカノール、2−ヘキシルデカノール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコールなどの脂肪族モノアルコール、ベンジルアルコール、フェノキシエチルアルコール、パラクミルフェノキシエチルアルコールなどの芳香環含有モノアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノヘキシルエーテル、トリプロピレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノプロピルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、テトラプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノエチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノプロピルエーテル、テトラプロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノヘキシルエーテル、テトラプロピレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、テトラジエチレングリコールモノメチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテルなどが挙げられる。
モノアルコールとしてエチレン性不飽和二重結合を有するモノアルコールを使用してもよい。この場合、生成されるリン酸エステルにに、活性エネルギー線硬化性能を付与することができる。

前記のエチレン性不飽和二重結合を有する基の例としては、ビニル基、又は(メタ)アクリロイル基(なおここで、以降「(メタ)アクリロイル」または「(メタ)アクリレート」と表記する場合には、それぞれ「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」または「メタアクリレート及び/又はアクリレート」を示すものとする。)が挙げられるが、好ましいのは(メタ)アクリロイル基である。これら二重結合を有する基の種類は、一種類でもよいし、複数種類でもよい。
エチレン性不飽和二重結合を有するモノアルコールとしては、エチレン性不飽和二重結合を1個、2個、及び3個以上含む化合物を用いることができる。エチレン性不飽和二重結合の数が1個のモノアルコールとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(なお、「(メタ)アクリレート」と表記する場合には、アクリレート及び/又はメタクリレートを示すものとする。以下同じ。)、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、エチル2−(ヒドロキシメチル)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル等が挙げられる。エチレン性不飽和二重結合の数が2個のモノアルコールとしては、例えば、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。エチレン性不飽和二重結合の数が3個のモノアルコールとしては、例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エチレン性不飽和二重結合の数が5個のモノアルコールとしては、例えば、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートが挙げられる。前記のモノアルコールのうち、エチレン性不飽和二重結合の数が2個以上のものは、硬化性の点で活性エネルギー線硬化型顔料組成物に用いる場合に好ましい。
片末端に水酸基を有するポリエステル残基は、モノアルコールを開始剤として、ラクトンの開環付加反応によって得ることができる。ラクトンの付加反応は、公知の方法、例えば、脱水管、コンデンサーを接続した反応器にモノアルコール、ラクトン、重合触媒を仕込み、窒素気流下で行うことができる。モノアルコールが二重結合を含有する場合は、空気導入管、コンデンサーを接続した反応容器に、また、モノアルコールにエチレン性不飽和二重結合を有するものを使用する場合は、重合禁止剤を添加し、乾燥空気流下で反応を行うことが好ましい。
反応には、無溶剤またはトルエン、キシレンの様な適当な脱水溶媒を使用することもできる。反応に使用した溶媒は、反応終了後、蒸留等の操作により取り除くか、あるいはそのまま製品の一部として使用することもできる。
開始剤1モルに対するラクトンの重合モル数は、1〜60モルの範囲が好ましく、更には2〜20モルが好ましく、最も好ましくは3〜15モルである。付加モル数が、1モルより少ないと、分散剤としての効果を得にくくなり、50モルより大きいと反応物の分子量が大きくなりすぎ、分散性、流動性の低下を招く傾向がある。
ラクトンの重合温度は100℃〜220℃、好ましくは、110℃〜210℃の範囲で行う。反応温度が100℃未満では反応速度がきわめて遅く、220℃を超えるとラクトンの付加反応以外の副反応、たとえばラクトン付加体のラクトンモノマーへの解重合、環状のラクトンダイマーやトリマーの生成等が起こりやすい。
重合触媒としては、例えば、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラメチルアンモニウムヨード、テトラブチルアンモニウムヨード、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリメチルアンモニウムヨードなどの四級アンモニウム塩、テトラメチルホスホニウムクロリド、テトラブチルホスホニウムクロリド、テトラメチルホスホニウムブロミド、テトラブチルホスホニウムブロミド、テトラメチルホスホニウムヨード、テトラブチルホスホニウムヨード、ベンジルトリメチルホスホニウムクロリド、ベンジルトリメチルホスホニウムブロミド、ベンジルトリメチルホスホニウムヨード、テトラフェニルホスホニウムクロリド、テトラフェニルホスホニウムブロミド、テトラフェニルホスホニウムヨードなどの四級ホスホニウム塩の他、トリフェニルフォスフィンなどのリン化合物、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸ナトリウムなどの有機カルボン酸塩、ナトリウムアルコラート、カリウムアルコラートなどのアルカリ金属アルコラートの他、三級アミン類、有機錫化合物、有機アルミニウム化合物、有機チタネート化合物、及び塩化亜鉛などの亜鉛化合物等が挙げられる。触媒の使用量は0.1ppm〜3000ppm、好ましくは1ppm〜100ppmである。触媒量が3000ppmを越えると樹脂の着色が激しくなり、製品の安定性に悪影響を与える傾向がある。逆に、触媒の使用量が1ppm未満では環状エステルの開環重合速度が極めて遅くなる傾向がある。
モノアルコールにエチレン性不飽和二重結合を有するものを使用する場合の重合禁止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、p−メトキシフェノール、p−ベンゾキノン、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、フェノチアジン等を0.01%〜6%、好ましくは0.05%〜1%の範囲で用いられる。
片末端に水酸基を有するポリエステル残基は、五酸化リン、ポリリン酸、オルトリン酸、オキシ塩化リン等のリン酸化剤の1種あるいは2種以上組み合わせて反応させることにより、リン酸エステル化を行うことができる。これらのうち、塩酸ガス等の副生がなく、特殊な設備が不要であることから、オルトリン酸、ポリリン酸および五酸化リンからなる群より選ばれる1種以上のリン酸エステル化剤が好ましい。なかでもオルトリン酸換算含有量116%のポリリン酸が好ましい。
リン酸エステル化剤の仕込み比は、片末端に水酸基を有するポリエステル残基の水酸基に対する、リン酸エステル化剤中のリン原子の比が0.5〜1.5であることが好ましく、1.0〜1.3であることが更に好ましく、1.05〜1.2であることが最も好ましい。これは、エポキシ基に対するリン原子の比が0.5未満では、水酸基に対するリン酸エステル化が不十分となったり、リン酸ジエステルの副生量が増加したりする傾向があり、1.5を超えると、添加量に見合う増量効果は得られない傾向がある。
一般式(8)で示されるリン酸エステルにおいて、y=1とy=2の存在比が100:0〜100:30であると、顔料分散性が良好になり好ましい。
また、一般式(8)で示されるリン酸エステルにおいて、R3がラクトン残基であると、顔料分散性、乾燥溶解性、基材密着性が良好になり好ましい。数平均分子量500〜3000のポリラクトン残基がより好ましい。
本発明の顔料組成物に含まれる顔料としては、一般に市販されている種々の有機または無機顔料を用いることができる。有機顔料としては、例えば、アゾ系、アンサンスロン系、アンスラピリミジン系、アントラキノン系、イソインドリノン系、イソインドリン系、インダンスロン系、キナクリドン系、キノフタロン系、ジオキサジン系、ジケトピロロピロール系、チアジンインジゴ系、チオインジゴ系、ピランスロン系、フタロシアニン系、フラバンスロン系、ペリノン系、ペリレン系、ベンズイミダゾロン系などの有機顔料が挙げられる。また、無機顔料としては、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、黄鉛、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、弁柄、鉄黒、亜鉛華、紺青、群青等が挙げられる。これらの顔料は、併用してもかまわない。
顔料の中では、ベンゾイソインドール誘導体と類似の化学構造を有する顔料に対して、顔料の結晶成長防止と粒子安定性の効果、および非集合性、非結晶性、流動性等に効果が大きい。また、ベンゾイソインドール誘導体は、赤色系の色を呈することから、色相の面では橙色〜赤色〜紅色の顔料で使用するのが好ましい。そのため、特にチアジンインジゴ系赤色顔料、ジケトピロロピロール系赤色顔料、キナクリドン系赤色顔料、またはアントラキノン系赤色顔料を使用するこが好ましい。
本発明の顔料組成物は、顔料とベンゾイソインドール誘導体の混合物を、水溶性無機塩類または水溶性無機塩類および溶剤の存在下、機械的に混練すると、顔料の結晶成長防止と粒子安定性効果により、微細で整粒されたものが容易に得られる。このとき用いられる混練機としては、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル等を用いることができるが、これに限定される物ではない。また、顔料は粗粒顔料を用いてもよい。顔料とベンゾイソインドール誘導体の割合は、顔料100重量部に対してベンゾイソインドール誘導体0.1〜30重量部が効果を得る上で好ましく、0.5〜25重量部がより好ましい。
また、機械的混練する際に用いる水溶性無機塩類としては、食塩、塩化カリウム、芒硝等が挙げられるが、これに限定される物ではない。水溶性無機塩類は、顔料100重量部に対して100〜2000重量部用いるのが好ましく、300〜1000重量部用いることがより好ましい。さらに、機械的混練する際に用いる溶剤は特に限定されないが、混練時に温度上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になっているため、安全上の点から、高沸点の溶剤が好ましい。例としては、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングルコールモノメチルエーテル、液体ポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、低分子量ポリプロピレングリコール等を挙げることができる。溶剤は、顔料100重量部に対して10〜1000重量部用いるのが好ましく、50〜500重量部用いるのが最も好ましい。
また、一般式(1)で表されるベンゾイソインドール誘導体のうち、塩基性基または酸性基を有するものは、顔料粒子の微細化時に添加しても、粘度低下効果が得られるが、これらのベンゾイソインドール誘導体を、微細化した顔料に、後から追加して粉末混合するとより高い効果が得られる。さらに、効果的に粘度を低下させるには、塩基性基または酸性基を有するベンゾイソインドール誘導体をディソルバー、ハイスピードミキサー、ホモミキサー、ニーダー、ロールミル、アトライター、サンドミル、各種粉砕機等を用いて機械的に混合するか、顔料の水または有機溶媒によるサスペンジョン系に本発明の顔料分散剤を含む溶液を添加し、顔料表面に顔料分散剤を沈着させるか、硫酸等の強い溶解力を持つ溶媒に有機顔料と顔料分散剤を共溶解して水等の貧溶媒により共沈させる方法が挙げられる。顔料の微細化時に添加するものと、微細化の後に添加するベンゾイソインドール誘導体の構造は、異なっていてもよい。
また、本発明の顔料組成物に含まれるベンゾイソインドール誘導体は、幅広い構造で、結晶成長と粒子安定性効果、および粘度低下効果を有し、特にチアジンインジゴ系赤色顔料、ジケトピロロピロール系赤色顔料、キナクリドン系赤色顔料、またはアントラキノン系赤色顔料で、高い効果が得られるが、市販の顔料の何れの骨格にも該当しないため、高い鮮明性が求められる場合など、用途によっては、ベンゾイソインドール誘導体の一部を、顔料と同じあるいは類似の化学構造を有する顔料誘導体に置き換えた方が、相乗的効果により、よい場合がある。
ここで示す顔料誘導体とは、顔料残基に、塩基性基、酸性基またはフタルイミドメチル基が導入されたもののことをいう。顔料残基としては、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料残基、フタロシアニン系顔料残基、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラトロン、ビオラントロン等のアントラキノン系顔料残基、キナクリドン系顔料残基、キノフタロン系顔料残基、ジオキサジン系顔料残基、ジケトピロロピロール系顔料残基、ペリノン系顔料残基、ペリレン系顔料残基、チオインジゴ系顔料残基、チアジンインジゴ顔料残基、イソインドリン系顔料残基、イソインドリノン系顔料残基、キノフタロン系顔料残基、スレン系顔料残基、金属錯体系顔料等の顔料残基などが挙げられる。
顔料残基も、顔料同様、ベンゾイソインドール誘導体と類似の化学構造を有するものが、非集合性、非結晶性、流動性等に効果が大きく、ジケトピロロピロール系顔料残基、キナクリドン系顔料残基、チアジンインジゴ系顔料残基またはアントラキノン系顔料残基に置換基を導入した顔料誘導体を併用することが好ましい。
顔料誘導体を構成する置換基は、塩基性基、酸性基またはフタルイミドメチル基である。
塩基性基としては、例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、オクチルアミノ基、ドデシルアミノ基、オクタデシルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジメチルアミノプロピルアミノ基、ジエチルアミノプロピルアミノ基、ジエチルアミノエチルアミノ基、ジブチルアミノプロピルアミノ基、ピペリジノメチル基、ジメチルアミノメチル基、ジエチルアミノメチル基、ジブチルアミノメチル基、ジメチルアミノエチルオキシ基、ジメチルアミノエチルチオ基(4,6−ビス(ジエチルアミノプロピルアミノ)−1,3,5−トリアジン)−2−イル基、ジメチルアミノプロピルアミノスルホニル基、ジエチルアミノプロピルアミノスルホニル基、ジブチルアミノプロピルアミノスルホニル基、モルホリノエチルアミノスルホニル基、4-アミノフェニルアミノスルホニル基、ジメチルアミノプロピルアミノカルボニル基、4−(ジエチルアミノプロピルアミノカルボニル)フェニルアミノカルボニル基、ジメチルアミノメチルカルボニルアミノメチル基、ジエチルアミノプロピルアミノメチルカルボニルアミノメチル基、ジブチルアミノプロピルアミノメチルカルボニルアミノメチル基などが挙げられる。
また、酸性基としては、例えば、スルホ基、ナトリウムスルホナト基、カルシウムスルホナト基、ストロンチウムスルホナト基、バリウムスルホナト基、アルミニウムスルホナト基、4−(アルミニウムスルホナト)フェニルカルバモイルメチル基、ドデシルアンモニオスルホナト基、オクタデシルアンモニオスルホナト基、トリメチルオクタデシルアンモニオスルホナト基、ジメチルジデシルアンモニオスルホナト基、カルボキシル基、2−アンモニウムカルボキシラト−5−ニトロベンズアミドメチル基、4−カルボキシフェニルアミノカルボニル基などが挙げられる。
本発明の顔料組成物に含まれるベンゾイソインドール誘導体の顔料の結晶成長防止と粒子安定性効果は高く、特に塩基性基、または酸性基を有する新規なベンゾイソインドール誘導体は、粘度低下効果も高い。ベンゾイソインドール誘導体と顔料誘導体の使用比率は、使用する用途に応じて幅広く変えることができ、高い粘度低下効果を得るには、重量比で100対0から30対70で使用するのが好ましい。
本発明の顔料組成物に含まれる、顔料の微細化時および/または後からの添加したベンゾイソインドール誘導体と顔料誘導体の合計量は、顔料100重量部に対して、0.1〜35重量部が好ましく、1〜30重量部がより好ましい。本発明のベンゾイソインドール誘導体と顔料誘導体の合計の含有量が0.1重量部より少ない場合には、添加した顔料分散剤の効果が得られ難く、35重量部より多い場合には、添加した分の効果が得られないばかりか、得られる顔料組成物の物性と顔料単独の物性との差異が大きくなり、インキや塗料に用いられたときに実用上の品質に問題が起きることがある。
次に、本発明の着色組成物について説明する。
本発明の着色組成物は、本発明の顔料組成物と顔料担体を含有する。顔料担体は、樹脂、その前駆体またはそれらの混合物により構成される。樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。
顔料担体は、着色組成物中の顔料組成物100重量部に対して、30〜700重量部、好ましくは60〜450重量部の量で用いることができる。また、樹脂とその前駆体との混合物を顔料担体として用いる場合には、樹脂は、着色組成物中の顔料組成物100重量部に対して、20〜400重量部、好ましくは50〜250重量部の量で用いることができる。また、樹脂の前駆体は、着色組成物中の顔料組成物100重量部に対して、10〜300重量部、好ましくは10〜200重量部の量で用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ブチラール樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン、ポリブタジエン、ポリイミド樹脂等が挙げられる。
また、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
本発明に係る着色組成物には、顔料の顔料担体への分散性を向上させるため、適宜、界面活性剤、樹脂型顔料分散剤等の分散助剤を含有させることができる。分散助剤は、着色組成物中の顔料組成物100重量部に対して、0.1〜40重量部、好ましくは0.1〜30重量部の量で用いることができる。
界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどのノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物などのカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤、また、フッ素系やシリコーン系の界面活性剤が挙げられる。
本発明の着色組成物には、顔料を充分に顔料担体中に分散させ、均一な塗膜を形成することを容易にするために、溶剤を含有させることができる。溶剤としては、例えばシクロヘキサノン、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、メチルイソブチルケトン、n−ブチルアルコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシブタノール、1,3−ブチレングリコール、トリアセチン、3,3,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、エチレングリコールモノエチルエーテル、γ−ブチロラクトン、酢酸イソアミル、3−エトキシプロピオン酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、3−メトキシプロピオン酸メチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル等が挙げられる。これらの溶剤は、単独でもしくは混合して用いることができる。
溶剤は、着色組成物中の顔料組成物100重量部に対して、合計して800〜4000重量部、好ましくは1000〜2500重量部の量で用いることができる。
本発明の着色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。また、基材との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。
また、本発明の着色組成物には、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、熱重合防止剤、可塑剤、表面保護剤、平滑剤、塗布助剤、密着向上剤、塗布性向上剤又は現像改良剤などの添加剤を添加することができる。
本発明の着色組成物は、本発明の顔料組成物を、必要に応じて上記分散助剤、上記光重合開始剤と共に、顔料担体および有機溶剤中に三本ロールミル、二本ロールミル、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、ニーダー、アトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して製造することができる。また、2種以上の顔料を含む着色組成物は、各顔料ごとにベンゾイソインドール誘導体を用いて別々に顔料担体および有機溶剤中に微細に分散したものを混合して製造することもできる。
本発明の着色組成物は、着色組成物を構成する全ての成分を混合してから分散してもよいが、初めに顔料とベンゾイソインドール誘導体を、樹脂および/または有機溶剤の一部で分散し、次いで、残りの成分を添加して分散することが好ましい。
また、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、アトライター等で分散を行う前に、ニーダー、三本ロールミル等の錬肉混合機を使用した前分散、二本ロールミル等による固形分散、または顔料へのベンゾイソインドール誘導体および顔料誘導体の処理を同時または別々に行ってもよい。また、ビーズミル等で分散した後、30〜80℃の加温状態にて数時間〜1週間保存するエージングといわれる後処理や、超音波分散機や衝突型ビーズレス分散機を用いた後処理を行うと、着色組成物の安定性に対して有効である。このほか、マイクロフルイタイザー、ハイスピードミキサー、ホモミキサー、ボールミル、ロールミル、石臼式ミル、超音波分散機等のあらゆる分散機や混合機が本発明の着色組成物を製造するために利用できる。
本発明の着色組成物は、グラビアオフセット用印刷インキ、水無しオフセット印刷インキ、シルクスクリーン印刷用インキとして調製することができる。
さらに本発明の着色組成物は、幅広い印刷インキや塗料、インクジェットインキ、さらにはプラスチックの着色においても、分散効果と経時安定性に優れ、着色力のある着色物が得られる。
その場合、モノマーや光重合開始剤を用いず、前記の樹脂および溶剤の他に、石油樹脂、カゼイン、セラック、乾性油、合成乾性油等の樹脂、およびエチルセロソルブアセテート、ブチルセロそるブアセテート、エチルベンゼン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、エチレングリコール、グリセリン、ジメチルホルムアミド、ソルベッソ100(エクソン化学株式会社)、スワゾール1000、石油系溶剤等の溶剤を用い、必要に応じて界面活性剤および/または樹脂型顔料分散剤を用いて、前記の方法により着色組成物を製造することができる。
本発明の顔料組成物は、顔料粒子を微細化するための粉砕時および整粒時において、新規なベンゾイソインドール誘導体の高い顔料の結晶成長防止とリン酸エステルの粒子安定性効果により、顔料粒子が高度に微細化している。その中でも塩基性基を有する新規なベンゾイソインドール誘導体を含む顔料組成物は、広範な樹脂に対し優れた分散性を示すだけでなく、非集合性、非結晶性、粘度適性、塗膜光沢、鮮明性、貯蔵安定性に優れたインキ及び塗料を得ることが容易に達成でき、印刷インキ、自動車用、木材用、金属用等の各種一般塗料、磁気テープのバックコート塗料、ラジエーションキュアー型インキ、インクジェットプリンター用インキ等の用途に使用できる。
特に、ジケトピロロピロール系赤色顔料、キナクリドン系赤色顔料、チアジンインジゴ系赤色顔料、またはアントラキノン系赤色顔料に代表される赤色系統の顔料群を含む系で、顔料の結晶成長防止と粒子安定性効果が高く、かつ高い分散性能と優れた粘度適性、及び貯蔵安定性が得られる。
[実施例]
以下にベンゾイソインドール誘導体およびリン酸エステルの製造例と、それを用いた実施例により本発明を説明する。例中、部とは重量部を、%とは重量%をそれぞれ表す。
[製造例1−化合物(Y1)の合成−]
氷冷下、下に示す化合物(I)50gに四塩化炭素1000mLを加えた。クロロスルホン酸200gを2時間かけて滴下した後、55℃で1時間攪拌する。そこに、塩化チオニル75gを滴下し、さらに2時間攪拌した。室温まで冷却した後、氷500gにあけ、有機層を分離した。再沈殿により、化合物(Y1)を40g得た。今後の反応において、特に問題のない限り、室温まで冷却した反応混合物の四塩化炭素溶液を次の反応に用いることができる。
Figure 2009057478
[製造例2−化合物(Y2)の合成−]
化合物(1)5.21gを、THF50mLと蒸留水200mLの混合溶媒中、80℃で5時間攪拌した。反応液を室温に冷却した後、ろ過することにより化合物(Y2)を4.33g得た。同定は、1H−NMRおよびMALDI−TOFMSで行った。
[製造例3−化合物(Y3)の合成−]
オートクレーブ中、化合物(2)10.4gと希硫酸200mLとを150℃で3時間加熱した。反応液を、氷500g中にあけ、ろ過することにより化合物(Y3)を7.78g得た。同定は、1H−NMR、MALDI−TOFMSおよび単結晶X線構造解析で行った。
[製造例4−化合物(Y35)の合成−]
化合物(3)11.2gをジメチルスルホキシド40mL中に溶解させ、トリエチルアミンを17.1mL加え、攪拌した。ビス(2−ブロモエチル)エーテル6.7mLをジメチルスルホキシド30mLに溶解させたものを、室温にて15分かけて滴下した。室温で72時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出し、化合物(Y35)を10.5g得た。同定は、1H−NMR、13C−NMRおよびMALDI−TOFMSで行った。
[製造例5−化合物(Y49)の合成−]
化合物(3)28.2gとリン酸トリメチル14.8gとを混合し、150℃で45分攪拌した。反応液を室温まで冷却した。そこに、水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム20gを蒸留水100mLに溶解させたもの)を加え、室温で激しく攪拌した。徐々に発熱がはじまるので、反応液の温度が、50℃を超えないように冷却する。3時間攪拌した後、反応混合物をクロロホルムで抽出し、カラムクロマトグラフィーにより化合物(Y49)を12.9g得た。同定は、1H−NMRおよびMALDI−TOFMSで行った。
[製造例6−化合物(Y7)の合成−]
化合物(3)11.5gに氷250gを加え、濃塩酸50mLを徐々に加えた。反応液の温度が5℃以下になるように保ちながら、亜硝酸ナトリウム3.3gの水溶液20mLを30分かけて滴下した。氷冷下で3時間攪拌した後、析出分を低温ですばやくろ過することにより化合物(Y7)を得た。これ以降、化合物(Y7)を用いる合成反応は、このサンプルを低温化で速やかに次の反応に用いた。
[製造例7−化合物(Y22)の合成−]
化合物(3)48gから、製造例6に従って準備した化合物(7)をトルエン30mLに溶解させ、亜硝酸ナトリウム12.1gを加え氷冷下で1時間攪拌した。徐々に昇温し、室温でさらに5時間攪拌した。反応混合物をメタノールにて再沈殿することにより、化合物(Y22)を30g得た。同定は、1H−NMR、13C−NMRおよびMALDI−TOFMSで行った。
[製造例8−化合物(Y57)の合成−]
化合物(I)2.8gから、製造例1に従って準備した化合物(1)のTHF溶液に、ヒドラジン一水和物1.73gの水溶液5mLを氷冷下で滴下し、4時間激しく攪拌した。酢酸エチルで抽出し、再沈殿することにより、化合物(Y57)を2.0g得た。同定は、1H−NMR、FT−IRおよびMALDI−TOFMSで行った。
[製造例9−化合物(Y31)の合成−]
化合物(2)8.30gをメタノール50mLと蒸留水200mLの混合溶媒中、硫酸アルミニウム水溶液(アルミナとして8%)14.5gを20分かけて滴下し、80℃で2時間攪拌した。反応溶液を室温に冷却した後、ろ過することで化合物(Y31)を6.06g得た。同定は、1H−NMR、FT−IRおよびMALDI−TOFMSで行った。
[製造例10−化合物(Y33)の合成−]
硫酸アルミニウム水溶液のかわりに、トリメチルドデシルアンモニウムクロライドのIPAと水の混合溶液を用いたこと以外は、製造例9と同様にして化合物(Y33)を得た。同定は、1H−NMR、FT−IRおよびMALDI−TOFMSで行った。
[製造例11−化合物(Y60)の合成−]
化合物(3)7.20gを70mLの濃硫酸中に加え、10℃以下になるように保ちながら、n−ヒドロキシメチルフタルイミド4.54gを徐々に加えて、1時間攪拌後、60℃に昇温して2時間反応させた。反応混合物を水500mLにあけ、ろ過後、水洗することで、化合物(Y60)7.48gを得た。同定は、1H−NMR、およびMALDI−TOFMSで行った。
[製造例12−化合物(Y25)の合成−]
2−アミノエタンスルホン酸4.5gを50mlの水に溶解し、化合物(I)8.7gから、製造例1に従って準備した化合物(1)を徐々に加えた。続いて炭酸ナトリウム1.8gを加え、65℃に昇温した後、さらに1時間攪拌し、再沈殿することにより、化合物(Y25)を10.9g得た。同定は、1H−NMRおよびMALDI−TOFMSで行った。
[製造例13−化合物(Y68)の合成−]
化合物(3)10.1gを濃硫酸35gとクロロスルホン酸70g中に溶解させ、パラホルムアルデヒド15.8g加え、45℃で1時間攪拌した。そこにジエチルアミン8.9gを15分かけて滴下し、更に2時間攪拌し、再沈殿させることにより、化合物(Y68)を8.6g得た。同定は、1H−NMR、13C−NMRおよびMALDI−TOFMSで行った。
[製造例14−化合物(Y36)の合成−]
化合物(I)5.8gから、製造例1に従って準備した化合物(1)の四塩化炭素溶液に、ジエチルアミン3.0gのTHF8mL溶液を氷冷下で30分かけて滴下する。40℃に昇温した後、さらに1時間攪拌し、再沈殿することにより、化合物(Y36)を2.0g得た。同定は、1H−NMRおよびMALDI−TOFMSで行った。
[製造例15〜製造例28]
ジエチルアミンのかわりに、表2に示すアミンを用いた以外は、製造例14と同様にして同じく表2に示す化合物14点を得た。同定は、1H−NMRおよびMALDI−TOFMSで行った。ただし、表中Meはメチル基、Etはエチル基、Prはノルマルプロピル基、i−Prは2−プロピル基、Buはブチル基を表す)。
Figure 2009057478
続いて、リン酸エステルの製造例について説明する。
製造例16
窒素ガス導入管、コンデンサ、攪拌機を備えた反応容器に、ラウリルアルコール186g、ε−カプロラクトンモノマー571g、テトラブチルチタネート0.6gを仕込み、窒素ガスで置換した後、120℃で3時間加熱、撹拌した。カプロラクトンモノマーの消失を、テトラハイドロフランを溶離液とするGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)のRI検出器により確認した。40℃以下に冷却した後、オルトリン酸換算含有量116%のポリリン酸84.5gと混合し、徐々に昇温し、80℃で6時間、攪拌しながら加熱し、Rの数平均分子量760、y=1と2の存在比が100:12のリン酸エステルAを得た。反応物の酸価は、166であった。
製造例17
窒素ガス導入管、コンデンサ、攪拌機を備えた反応容器に、ラウリルアルコール186g、ε−カプロラクトンモノマー1712g、テトラブチルチタネート1.7gを仕込み、窒素ガスで置換した後、120℃で5時間加熱、撹拌した。40℃以下に冷却した後、オルトリン酸換算含有量116%ポリリン酸84.5gと混合し、徐々に昇温し、80℃で6時間、攪拌しながら加熱し、Rの数平均分子量1900、y=1と2の存在比が100:12のリン酸エステルBを得た。反応物の酸価は、59であった。
製造例18
窒素ガス導入管、コンデンサ、攪拌機を備えた反応容器に、n−ヘキサノール118g、ε−カプロラクトンモノマー505g、テトラブチルチタネート0.5gを仕込み、窒素ガス置換した後、140℃で2時間加熱、撹拌した。40℃以下に冷却した後、オルトリン酸換算含有量116%のポリリン酸84.5gと混合し、徐々に昇温し、80℃で6時間、攪拌しながら加熱し、Rの数平均分子量560、y=1と2の存在比が100:12のリン酸エステルCを得た。反応物の酸価は、109であった。
製造例19
窒素ガス導入管、コンデンサ、攪拌機を備えた反応容器に、ヘキサデシルアルコール243g、ε−カプロラクトンモノマー502g、テトラブチルチタネート0.5gを仕込み、窒素ガス置換した後、120℃で3時間加熱、撹拌した。40℃以下に冷却した後、オルトリン酸換算含有量116%のポリリン酸84.5gと混合し、徐々に昇温し、80℃で6時間、攪拌しながら加熱し、Rの数平均分子量850、y=1と2の存在比が100:12のリン酸エステルDを得た。反応物の酸価は、43であった。
製造例20
空気導入管、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、2−ヒドロキシエチルメタクリレート300g、ε-カプロラクトンモノマー1315g、メチルハイドロキノン0.33g、モノブチルスズオキサイド0.01gを仕込み、乾燥空気を流しながら120℃に昇温し、2時間保持した。カプロラクトンモノマーの消失を確認した後、40℃以下に冷却し、オルトリン酸換算含有量118%のポリリン酸111gと混合し、徐々に昇温し、80℃で6時間、攪拌しながら加熱し、Rの数平均分子量が700、y=1と2の存在比が100:12のリン酸エステルEを得た。反応物の酸価は100であった。
製造例21
空気導入管、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートである「エポキシエステルM−600A」(共栄社化学社製)300g、ε-カプロラクトンモノマー1125g、メチルハイドロキノン0.33g、モノブチルスズオキサイド0.33gを仕込み、乾燥空気を流しながら140℃に昇温し、3時間保持した。カプロラクトンモノマーの消失を確認した後、40℃以下に冷却し、オルトリン酸換算含有量118%のポリリン酸111gと混合し、徐々に昇温し、80℃で6時間、攪拌しながら加熱し、Rの数平均分子量が1200、y=1と2の存在比が100:13のリン酸エステルFを得た。反応物の酸価は102であった。
製造例22
空気導入管、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、グリセリンジメタクリレートである「ライトエステルG−101P」(共栄社化学社製)300g、ε-カプロラクトンモノマー1155g、メチルハイドロキノン0.33g、モノブチルスズオキサイド0.35gを仕込み、乾燥空気を流しながら130℃に昇温し、2時間保持した。カプロラクトンモノマーの消失を確認した後、40℃以下に冷却し、オルトリン酸換算含有量118%のポリリン酸114gと混合し、徐々に昇温し、80℃で6時間、攪拌しながら加熱し、Rの数平均分子量が1200、y=1と2の存在比が100:12のリン酸エステルGを得た。反応物の酸価は99であった。
製造例22
空気導入管、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレートである「ライトエステルG−201P」(共栄社化学社製)300g、ε-カプロラクトンモノマー1199g、メチルハイドロキノン0.33g、モノブチルスズオキサイド0.33gを仕込み、乾燥空気を流しながら130℃に昇温し、2時間保持した。カプロラクトンモノマーの消失を確認した後、40℃以下に冷却し、オルトリン酸換算含有量118%のポリリン酸118gと混合し、徐々に昇温し、80℃で6時間、攪拌しながら加熱し、Rの数平均分子量が1380、y=1と2の存在比が100:13のリン酸エステルHを得た。反応物の酸価は104であった。
製造例23
空気導入管、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、ペンタエリスリトールトリアクリレートを含む「M−305」(東亞合成社製)300g、ε-カプロラクトンモノマー538g、メチルハイドロキノン0.33g、モノブチルスズオキサイド0.03gを仕込み、乾燥空気を流しながら140℃に昇温し、7時間保持した。カプロラクトンモノマーの消失を確認した後、40℃以下に冷却し、オルトリン酸換算含有量118%のポリリン酸29.7gと混合し、徐々に昇温し、80℃で6時間、攪拌しながら加熱し、Rの数平均分子量が1580、y=1と2の存在比が100:13のリン酸エステルIを得た。反応物の酸価は52であった。
「M−305」中に含まれるペンタエリスリトールトリアクリレートに対するε-カプロラクトンモノマーの理論付加モル数は13.4モルであった。
製造例24
空気導入管、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートを含む「KAYAMER DPHA」(日本化薬社製)586g、ε-カプロラクトンモノマー980g、メチルハイドロキノン0.6g、モノブチルスズオキサイド0.1gを仕込み、乾燥空気を流しながら140℃に加温し、9間保持した。カプロラクトンモノマーの消失を確認した後、40℃以下に冷却し、オルトリン酸換算含有量118%のポリリン酸95gと混合し、徐々に昇温し、80℃で6時間、攪拌しながら加熱し、Rの数平均分子量が1850、y=1と2の存在比が100:12のリン酸エステルJを得た。反応物の酸価は149であった。
「KAYAMER DPHA」中に含まれるジペンタエリスリトールペンタアクリレートに対するε-カプロラクトンモノマーの理論付加モル数は15モルであった。
製造例25
空気導入管、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、「ブレンマーPE−350」(日本油脂社製)500g、メチルハイドロキノン0.55g、オルトリン酸換算含有量118%のポリリン酸96gと混合し、乾燥空気を流しながら徐々に昇温し、80℃で6時間、攪拌しながら加熱し、Rの数平均分子量が440、y=1と2の存在比が100:8のエーテル残基を有するリン酸エステルKを得た。反応物の酸価は130であった。
製造例26
オートクレーブに「ライトエステルG−101P」(共栄社化学社製)を400g、触媒として塩化第2クロム(6水塩)を0.4g、重合防止剤としてメチルハイドロキノンを0.44gを仕込み、内部を窒素ガス置換した後、80℃に昇温し、内圧を2.0気圧とした。850gのエチレンオキサイドを4時間かけて供給し、この間80℃を維持して反応させた。さらに、90℃に昇温して3時間反応を継続した後、冷却しグリセリンジメタクリレートのエチレンオキサイド10モル付加物を得た。
40℃以下に冷却した後、オルトリン酸換算含有量118%のポリリン酸158gを仕込み、乾燥空気を流しながら徐々に昇温し、80℃で6時間、攪拌しながら加熱し、Rの数平均分子量が990、y=1と2の存在比が100:10のリン酸エステルKを得た。反応物の酸価は58であった。
(実施例1)
ジケトピロロピロール系赤色顔料(C.I. Pigment Red 254、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製「IRGAPHOR RED 2030」)47.5部と化合物(3)2.5部、8mmφスチールビーズ2000部をタンク容量0.8Lの乾式アトライターに仕込み、回転数300rpm、60℃で4時間粉砕し、顔料組成物を得た。
(実施例2)
実施例1と同様のジケトピロロピロール系赤色顔料45部と化合物(33)5部を、8mmφスチールビーズ2000部をタンク容量0.8Lの乾式アトライターに仕込み、回転数300rpm、60℃で4時間粉砕し、顔料組成物を得た。
(実施例3)
実施例1と同様のジケトピロロピロール系赤色顔料96部と化合物(60)4部、塩化ナトリウム450部、ジエチレングリコール100部を1000容量部の双腕型ニーダーに仕込み、80℃で稠密な塊状(ドウ)に保持しながら、6時間ソルベントソルトミリング法により微細化した。この顔料を、70℃の水の中に取り出し、1時間保温攪拌後、ろ過と水洗を行い、塩化ナトリウムとジエチレングリコールを除いた後、80℃で乾燥、粉砕し、顔料組成物を得た。
(実施例4)
実施例1と同様のジケトピロロピロール系赤色顔料95部と化合物(31)5部、塩化ナトリウム450部、ジエチレングリコール100部を1000容量部の双腕型ニーダーに仕込み、実施例3と同様にしてソルベントソルトミリング法により微細化し、顔料組成物を得た。
(実施例5)
化合物(31)のかわりに、化合物(49)を用いたいこと以外は、実施例4と同様にして、顔料組成物を得た。
(実施例6)
実施例1と同様のジケトピロロピロール系赤色顔料92部と化合物(79)8部、塩化ナトリウム450部、ジエチレングリコール100部を1000容量部の双腕型ニーダーに仕込み、実施例3と同様にしてソルベントソルトミリング法により微細化し、顔料組成物を得た。
(実施例7)
化合物(79)のかわりに、化合物(95)を用いたいこと以外は、実施例6と同様にして、顔料組成物を得た。
(実施例8)
実施例1と同様のジケトピロロピロール系赤色顔料84部と化合物(95)16部を用いたいこと以外は、実施例7と同様にして、顔料組成物を得た。
(実施例9)
化合物(31)のかわりに、化合物(22)を用いたいこと以外は、実施例4と同様にして、顔料組成物を得た。
(実施例10)
化合物(79)のかわりに、化合物(91)を用いたいこと以外は、実施例6と同様にして、顔料組成物を得た。
(実施例11)
実施例1と同様のジケトピロロピロール系赤色顔料92部と化合物(60)4部、ジエチルアミノプロピルアミノスルホニル基を有するジケトピロロピロール誘導体(化合物A)4部、塩化ナトリウム450部、ジエチレングリコール100部を1000容量部の双腕型ニーダーに仕込み、実施例3と同様にしてソルベントソルトミリング法により微細化し、顔料組成物を得た。
(実施例12)
ジケトピロロピロール系赤色顔料のかわりに、キナクリドン系赤色顔料(C.I. Pigment Red 122、クラリアント株式会社製「Hostaperm pink E」)を用いたいこと以外は、実施例6と同様にして、顔料組成物を得た。
(実施例13)
実施例12と同様のキナクリドン系赤色顔料92部と化合物(98)8部、塩化ナトリウム450部、ジエチレングリコール100部を1000容量部の双腕型ニーダーに仕込み、実施例3と同様にしてソルベントソルトミリング法により微細化し、顔料組成物を得た。
(実施例14)
ジケトピロロピロール系赤色顔料のかわりに、キナクリドン系赤色顔料(C.I. Pigment Violet 19、東洋インキ製造株式会社製「LIONOGEN RED 5700」)を用いたいこと以外は、実施例6と同様にして、顔料組成物を得た。
(実施例15)
アントラキノン系赤色顔料(C.I. Pigment Red 177、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製「CHROMOPHTAL RED A2B」)90部と化合物(25)10部、塩化ナトリウム450部、ジエチレングリコール100部を1000容量部の双腕型ニーダーに仕込み、ソルベントソルトミリング時間を6時間から5時間に変えた以外は、実施例3と同様にしてソルベントソルトミリング法により微細化し、顔料組成物を得た。
(実施例16)
化合物(25)のかわりに、化合物(68)を用いたいこと以外は、実施例15と同様にして、顔料組成物を得た。
(比較例1)
実施例1と同様のジケトピロロピロール系赤色顔料50部、8mmφスチールビーズ2000部をタンク容量0.8Lの乾式アトライターに仕込み、実施例1と同様にして顔料組成物を得た。
(比較例2)
実施例1と同様のジケトピロロピロール系赤色顔料100部と塩化ナトリウム450部、ジエチレングリコール100部を1000容量部の双腕型ニーダーに仕込み、実施例3と同様にしてソルベントソルトミリング法により微細化し、顔料組成物を得た。
(比較例3)
ソルベントソルトミリング時間を6時間から9時間に延ばしたこと以外は、比較例2と同様にして、顔料組成物を得た。
(比較例4)
ジケトピロロピロール系赤色顔料のかわりに、実施例12と同様のキナクリドン系赤色顔料を用いたいこと以外は、比較例2と同様にして、顔料組成物を得た。
(比較例5)
ジケトピロロピロール系赤色顔料のかわりに、実施例15と同様のアントラキノン系赤色顔料を用いたいこと以外は、比較例2と同様にして、顔料組成物を得た。
実施例1から16と比較例1から5で得られた顔料組成物を電子顕微鏡で観察し、平均粒子径と粒子径のばらつき範囲を求めた。結果をまとめて表3に示す。
Figure 2009057478

顔料を微細化する際、ベンゾイソインドール誘導体を用いたものは、その結晶性長防止効果と、粒子安定性効果により、容易に微細で粒度分布が狭く、顔料粒子の微細な分散が要求される分野で好適に用いることができる顔料組成物になった。


(アクリル樹脂溶液の調整)
温度計、冷却管、窒素ガス導入管、攪拌装置を取り付けたセパラブル4口フラスコにシクロヘキサノン700gを添加し、80度に加熱した、反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート133g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート46g、メタクリル酸43g、ベンジルメタクリレート74g、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル4.0gの混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に、3時間反応を継続し、重量平均分子量26000のアクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、約2gの樹脂溶液を180℃で20分加熱乾燥して不揮発分を測定した。樹脂溶液の不揮発分が20%になるようにシクロヘキサノンを添加してアクリル樹脂溶液を得た。
(実施例17〜31、および比較例6〜11)
各種顔料組成物又は顔料とベンゾイソインドール誘導体、分散剤、上記に示したアクリル樹脂溶液、溶剤としてシクロヘキサノンを、それぞれ表4に示した配合量で140mlのねじ口瓶中に秤量した。直径1.25mmのジルコニアビーズ150gを添加し、ペイントコンディショナーで8時間分散し、着色組成物を得た。
(着色組成物の評価)
着色組成物の25℃における粘度およびチキソインデックス値(TI値)を、作成直後と40℃で1週間保存した後に、B型粘度計で測定した。これらの結果をまとめて表4に示す。
Figure 2009057478

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で示されるベンゾイソインドール誘導体、一般式(8)で示されるリン酸エステルおよび溶剤からなる顔料組成物。

    一般式(1)
    Figure 2009057478

    [式中、R1は水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、または置換基を有してもよいアシル基を表す。
    、R、R、R、R、R、R、R10は、互いに独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、フェニル基、ハロゲン原子、シアノ基、置換基を有してもよいアルコキシ基、または−NR1213である。ただし、R12とR13は、互いに独立に、水素原子、または置換基を有してもよいアルキル基、またはR12とR13とで一体となって更なる窒素、酸素または硫黄原子を含んでもよい複素環を表す。
    は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアシル基、または、一般式(2)で表される置換基を表す。
    −Y−(Z)k 一般式(2)
    (式中、Yは、直接結合、−O−、−NR14−、−CONR14−、−SONR14−(ここでR14は、水素原子、アルキル基、またはヒドロキシアルキル基を表す)、炭素数1〜12の直鎖または枝分かれしたアルキレン基あるいは、アルキル基、アミノ基、ニトロ基、水酸基、アルコキシ基、またはハロゲン原子で置換されてもよいベンゼン残基あるいはトリアジン残基、またはこれらの結合基を2個以上組み合わせた結合基を表す。Zはハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいフタルイミドメチル基、または、−NR1516を表し、R15とR16はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいフェニル基、またはR15とR16とで一体となって更なる窒素、酸素または硫黄原子を含んでもよく、置換基を有してもよい複素環を表す。kは1または2の整数を表す。)
    11は、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、水酸基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、−S(O)mR17、−NR1819、または−N +-である。ただし、mは0から3であり、R17は、置換基を有してもよいアルキル基、または置換基を有してもよいアリール基である。さらに、R18とR19は、互いに独立に、水素原子、または置換基を有してもよいアルキル基、またはR18とR19とで一体となって更なる窒素、酸素または硫黄原子を含んでもよい複素環を表す。Xは、ハロゲン原子を表す。]
  2. 分散剤が下記一般式(8)で示されるリン酸エステルである請求項1記載の顔料分散体。
    一般式(8)
    Figure 2009057478
    (式中、R20は数平均分子量500〜30000のポリエステル残基、xは1〜2を表す。)
  3. 一般式(8)で示されるリン酸エステルにおいて、y=1とy=2の存在比が100:0〜100:30である請求項1に記載の顔料組成物。
  4. 一般式(8)で示されるリン酸エステルにおいて、R3がポリカプロラクトン残基である請求項1または2に記載の顔料組成物。
  5. 請求項1ないし4いずれかに記載の顔料組成物と有機溶剤とからなる顔料分散体。
  6. 請求項5記載の顔料分散体を含むインキ。


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