JP2009055832A - 植物ストレス耐性付与方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】植物に対する様々なストレスが生じる環境においても生育を促進するようなストレス耐性を植物に付与する方法を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で表される化合物からなる植物ストレス耐性付与剤を、植物ストレス率が111〜200%の栽培条件にある植物に施用する、植物ストレス耐性付与方法。
Figure 2009055832

(式中、R1は炭素数10〜22の炭化水素基、R2は水素原子、水酸基又は炭素数1〜24の炭化水素基、R3は水素原子又は炭素数1〜24の炭化水素基を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、所定の植物ストレス耐性付与剤又は植物ストレス耐性付与組成物を、ストレス環境下にある植物に対して、例えば植物の根・茎・葉面若しくは果実に葉面散布、土壌灌注等の方法で施用する、植物ストレス耐性付与方法に関する。ここで、以下、「植物」は、植物の文言自体から認識され得るもの、野菜、果実、果樹、穀物、種子、球根、草花、香草(ハーブ)、分類学上の植物等を表すものとする。
地球上における陸地の約3分の1は乾燥地に属し、今後の温暖化からさらなる乾燥地の増加が予想される。また人口増加による深刻な食糧不足対策として植物にとって乾燥地域、塩類集積地域、高温、低温とされる地域、すなわち従来では生育が困難、あるいは生育が悪化し、収量が低下する地域において、収量を改善、維持、増加する技術開発が急務となっている。
植物は自然界や人工的な環境において生育する際、温度(高温、低温、凍結)、強風、光強度(強光、弱光)、乾燥、無機物の毒性(塩類、重金属、アルミニウム等)、酸素、機械、病害虫などの様々なストレスを受ける。しかし植物は、動物のように移動によって様々なストレスから自らを防御することができない。そこで植物は、ストレス耐性を獲得するため、ストレスを受けた場合、様々な物質を生体内で合成することが知られている。たとえば、プロリン、グリシンベタイン、糖類などの適合溶質である(非特許文献1)。また前記のストレスを受けた場合、植物はアブシジン酸等の老化ホルモンを生成し、生育は低下あるいは停止し、その結果収量は低下してしまうことが知られている。
このような植物のストレス耐性を向上する方法としては、選抜や育種による方法や、遺伝子組み替え(特許文献1、2)、グリシンベタイン等の薬剤(特許文献3)、アミノレブリン酸(特許文献4)、ケイ酸(非特許文献2)施用などがあるが、これらはストレスを若干緩和させる程度で十分な効果は得られず、現在実用化されているものはない。また、ステアリルアルコール等、特定の化合物を農作物用の低温耐性向上剤として用いることが知られている(特許文献5)。
特開2002−262885号公報 特開2002−369634号公報 特開平10−262457号公報 特開平8−151304号公報 特開2002−265307号公報 「蛋白質 核酸 酵素」(共立出版) vol.44 No.15 PP54−65 1999 「根の研究」(根研究会) vol.14(2):PP41−49 2005
本発明の課題は、植物に対する様々なストレスが生じる環境においても生育を促進するようなストレス耐性を植物に付与する方法を提供することである。
本発明は、(A)下記一般式(1)で表される化合物からなる植物ストレス耐性付与剤を、植物ストレス率が111〜200%の栽培条件にある植物に施用する、植物ストレス耐性(低温耐性を除く)付与方法に関する。
Figure 2009055832
(式中、R1は炭素数10〜22の炭化水素基、R2は水素原子、水酸基又は炭素数1〜24の炭化水素基、R3は水素原子又は炭素数1〜24の炭化水素基を表す。)
また、本発明は、(A)上記一般式(1)で表される化合物からなる植物ストレス耐性付与剤、もしくは、(A)上記一般式(1)で表される化合物〔以下、化合物(A)という〕、並びに(B)糖誘導体型界面活性剤及び糖アルコール誘導体型界面活性剤から選ばれる一種以上の界面活性剤〔以下、化合物(B)という〕、(C)ケイ素化合物〔以下、化合物(C)という〕、(D)ベタイン〔以下、化合物(D)という〕、(E)アミノ酸(トリプトファンを除く)〔以下、化合物(E)という〕、(F)抗酸化剤〔以下、化合物(F)という〕、(G)オーキシン生合成経路中間体物質(シキミ酸からインドール酢酸までの生合成経路)〔以下、化合物(G)という〕及び(H)糖類〔以下、化合物(H)という〕、からなる群より選ばれる1種以上の化合物、を含有する植物ストレス耐性付与剤組成物を、植物ストレス率が111〜200%の栽培条件にある植物に施用する、植物ストレス耐性付与方法に関する。
本発明によれば、植物に対して、塩ストレス、温度ストレス、乾燥ストレスといった種々のストレスに対する耐性を付与することができる。そのため、植物に対する様々なストレスが生じる環境においても植物の生育を促進することができる。
<化合物(A)>
一般式(1)において、R1、R2、R3の炭化水素基は、それぞれ飽和、不飽和の何れでも良く、好ましくは飽和であり、また直鎖、分岐鎖、環状の何れでも良く、好ましくは直鎖又は分岐鎖、より好ましくは直鎖である。また、炭化水素基の総炭素数は奇数でも偶数でもよいが、偶数が好ましい。
また、R1、R2、R3の炭素数の合計は、何れも50以下が好ましく、より好ましくは12〜48、更に好ましくは16〜44である。
一般式(1)において、R1の炭素数は14〜22が好ましく、より好ましくは14〜20、更に好ましくは14〜18である。また、一般式(1)で表される化合物は、総炭素数が12〜48、更に16〜28、より更に16〜24であることが好ましい。更に、総炭素数が12〜24で水酸基を1個有するものが好ましく、総炭素数が16〜22で水酸基を1個有するものがより好ましい。一般式(1)で表される化合物の具体例としては、以下のようなものが挙げられる。
(A1)
CH3(CH2s-1OH(sは12〜24、好ましくは16〜24、更に好ましくは16〜20の整数)で表される1−アルカノールが挙げられる。すなわち、一般式(1)で表される化合物として、炭素数12〜24の1価アルコールが挙げられる。具体的には、1−ドデカノール、1−トリデカノール、1−テトラデカノール、1−ペンタデカノール、1−ヘキサデカノール、1−ヘプタデカノール、1−オクタデカノール、1−ノナデカノール、1−イコサノール、1−ヘンイコサノール、1−ドコサノール、1−トリコサノール、1−テトラコサノールが挙げられる。
(A2)
CH3CH(OH)(CH2p-3CH3(pは12〜24、好ましくは16〜24、更に好ましくは16〜20の整数)で表される2−アルカノールが挙げられる。具体的には、2−ドデカノール、2−トリデカノール、2−テトラデカノール、2−ペンタデカノール、2−ヘキサデカノール、2−ヘプタデカノール、2−オクタデカノール、2−ノナデカノール、2−イコサノール等が挙げられる。
(A3)
CH2=CH(CH2q-2OH(qは12〜24、好ましくは16〜24、更に好ましくは16〜20の整数)で表される末端不飽和アルコールが挙げられる。具体的には、11−ドデセン−1−オール、12−トリデセン−1−オール、15−ヘキサデセン−1−オール等が挙げられる。
(A4)
その他の不飽和長鎖アルコールとして、オレイルアルコール、エライジルアル、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、エレオステアリルアルコール(α又はβ)、リシノイルアルコール等が挙げられる。
(A5)
HOCH2CH(OH)(CH2r-2H(rは12〜24、好ましくは16〜24、更に好ましくは16〜20の整数)で表される1,2−ジオールが挙げられる。具体的には、1,2−ドデカンジオール、1,2−テトラデカンジオール、1,2−ヘキサデカンジオール、1,2−オクタデカンジオール等が挙げられる。
植物ストレス耐性付与の観点から、上記(A1)〜(A5)のうち、(A1)、(A2)、(A4)、(A5)が好ましく、(A1)、(A2)、(A4)がより好ましく、(A1)、(A4)が更に好ましく、(A1)がより更に好ましい。
化合物(A)からなる植物ストレス耐性付与剤を、植物の地上部または地下部に施用するには、当該化合物(A)を含有する処理液、好ましくは水を含有する処理液を用いることができる。その際、処理液中の化合物(A)の濃度は葉面散布の場合、0.1〜5000ppm、更に1〜1000ppm、より更に10〜500ppmが好ましく、また、散布1回当たりの化合物(A)の施用量は、0.01g/10アール(以下10アールを10aと略記する)〜500g/10a、更に0.1g/10a〜100g/10a、より更に1g/10a〜50g/10aが好ましい。この範囲の施用量となるように処理液中の化合物(A)の濃度を調整することが植物ストレス耐性付与の観点から好ましい。
また、土壌潅水の場合、処理液中の化合物(A)の濃度は、0.1〜1000ppm、更に1〜500ppm、より更に10〜200ppmが好ましく、また、潅水1回当たりの化合物(A)の施用量は、0.3g/10a〜3000g/10a、更に3g/10a〜1500g/10a、より更に30g/10a〜600g/10aが好ましい。この範囲の施用量となるように処理液中の化合物(A)の濃度を調整することが植物ストレス耐性付与の観点から好ましい。
また、粒剤で施用する場合、1回当たりの化合物(A)の施用量は、0.1g/10a〜1000g/10a、更に10g/10a〜5000g/10a、更に50g/10a〜2500g/10a、更に100g/10a〜1200g/10a、更に300g/10a〜1000g/10aが好ましい。
<化合物(B)>
化合物(B)は糖誘導体型界面活性剤及び糖アルコール誘導体型界面活性剤から選ばれる一種以上の界面活性剤であり、糖又は糖アルコールに疎水基がエステル結合、グリコシド結合又はアミド結合のいずれか1つの結合を含む構造を有する界面活性剤が好ましい。糖又は糖アルコールに疎水基がエステル結合した構造を有するものとしては、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステル、ポリグリセリン、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
また、糖又は糖アルコールに疎水基がグリコシド結合した構造を有するものとしては、アルキルグリコシド、アルキルポリグリコシド、ポリオキシアルキレンアルキル(ポリ)グリコシド、アルキル(ポリ)グリコシドを硫酸化したアルキル(ポリ)グリコシドサルフェート、リン酸化アルキル(ポリ)グリコシド、グリセリルエーテル化アルキル(ポリ)グリコシド、スルホコハク酸エステル化アルキル(ポリ)グリコシド、グリセリルエステル化アルキル(ポリ)グリコシド、カルボキシアルキル化アルキル(ポリ)グリコシド、カチオン化アルキル(ポリ)グリコシド、ベタイン化アルキル(ポリ)グリコシドが挙げられる。
また、糖又は糖アルコールに疎水基がアミド結合した構造を有するもの、例えばグルコースやフルクトースの脂肪酸アミド等の糖系脂肪酸アミドを用いることもできる。また、アミノ基を有する糖又は糖アルコールに疎水基がアミド結合した構造を有するもの、例えばN−メチルグルカミンの脂肪酸アミド等の糖系脂肪酸アミドを用いることができる。糖系脂肪酸アミドとしては、下記一般式(2)
11−CO−NR12X (2)
〔式中、R11は炭素数5〜17の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基、又はアルキル(炭素数1〜13)フェニル基であり、R12は水素原子、炭素数1〜18の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基、−(CH2CH(R13)O)c−H(ここで、R13は水素原子又はメチル基であり、cは0〜10の数である。)、−CH2CH2OH、−CH2CH(OH)CH3又は−CH2CH2CH2OHであり、Xは炭素数4〜30の糖残基からなるポリヒドロキシアルキル基である。〕
で表される化合物を好ましく使用することができる。
式(2)におけるR11としては、炭素数5〜17の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基、又はアルキルフェニル基の中でも、R11COがカプリン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸から誘導される基を挙げることができ、更に、カプリン酸、ラウリン酸から誘導される基を好ましく挙げることができる。
12の具体例としては、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ドデシル基、ステアリル基、イソステアリル基又は重合度2〜10のポリエチレングリコール基若しくはポリプロピレングリコール基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基等を挙げることができる。中でも、水素原子、メチル基、エチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基を好ましく挙げることができる。
尚、Xの炭素数4〜30の糖残基からなるポリヒドロキシアルキル基には、モノ−、ジ−又はオリゴサッカライド基とグリコシド結合している炭素数4〜7のポリヒドロキシアルキル基を含む。
化合物(B)としては、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、アルキルポリグリコシド、ショ糖脂肪酸エステルが植物ストレス耐性付与の観点からより好ましい。
ソルビタン脂肪酸エステルは、モノエステル体の比率が高いことが好ましく、HLB(Hydrophilic Lypophilic Balance)は3〜10の範囲が好ましい。またその疎水基を構成するアシル基は飽和、不飽和、直鎖、分岐鎖の何れでも良いが、炭素数8〜18であることが植物ストレス耐性付与の観点から好ましい。
アルキルポリグリコシドとしては、植物ストレス耐性付与の観点から、平均糖縮合度が1.1〜5.0であることが好ましく、1.1〜2.0であることが更に好ましい。また、糖骨格としてグルコース骨格を有し、平均糖縮合度が1.1〜2.0のものが好ましい。疎水基は飽和、不飽和、直鎖、分岐鎖の何れでも良いが炭素数8〜18が好ましく、更に好ましくは炭素数8〜14である。
ショ糖脂肪酸エステルとしては、モノ、ジ、トリ、ポリエステル(テトラエステル以上)の混合物であるが、植物ストレス耐性付与の観点から、モノエステル及びジエステル含量が多くポリエステル含量が少なく、HLBが4〜18の範囲であることが好ましい。また、その疎水基を構成するアシル基は飽和、不飽和、直鎖、分岐鎖の何れでも良いが、炭素数8〜18であることが好ましい。
化合物(B)の処理液中の濃度は、植物体へ施用する際の濃度として、葉面散布する場合、0.01〜10000ppmが好ましく、0.1〜5000ppmがより好ましく、更に1〜2000ppmがより好ましい。土壌及び水耕栽培において地下部から施用する場合、0.01〜10000ppmが好ましく、0.1〜2000ppmがより好ましく、更に1〜1000ppmが好ましい。
<化合物(C)>
化合物(C)はケイ素化合物であり、ケイ素、ケイ酸、オルトケイ酸、ジケイ酸、トリケイ酸、ポリケイ酸、シランなどの無機ケイ素化合物、シリコーンオイル、有機シラン、シロキシド、シリルヒドリド、シレン、シリコーン界面活性剤などの有機ケイ素化合物が挙げられる。無機ケイ素化合物ではケイ素、ケイ酸、オルトケイ酸、ジケイ酸、トリケイ酸、ポリケイ酸が好ましく、更にケイ酸、オルトケイ酸、ジケイ酸、トリケイ酸がより好ましい。またシリコーンオイルは界面活性剤を混合し水に分散させることが好ましい。有機ケイ素化合物では、シリコーン界面活性剤が好ましく、更にポリオキシエチレンメチルポリシロキサンがより好ましい。
従って、化合物(C)としては、植物ストレス耐性付与の観点から、ケイ素、ケイ酸、オルトケイ酸、ジケイ酸、トリケイ酸、ポリケイ酸、シリコーンオイル、シリコーン界面活性剤からなる群より選ばれる一種以上の化合物が好ましい。
化合物(C)の処理液中の濃度は、植物体へ施用する際の濃度として、葉面散布する場合、植物ストレス耐性付与の観点から、0.01〜10000ppmが好ましく、0.1〜5000ppmがより好ましく、更に1〜2000ppmがより好ましい。土壌及び水耕栽培において地下部から施用する場合、植物ストレス耐性付与の観点から、0.01〜10000ppmが好ましく、0.1〜2000ppmがより好ましく、更に1〜1000ppmがより好ましい。
<化合物(D)>
化合物(D)はベタイン化合物であり、グリシンベタイン、プロリンベタイン、アラニンベタイン、ベタイン系界面活性剤が挙げられる。ベタイン系界面活性剤としては、アルキルジメチルベタイン、アルキルヒドロキシエチルベタイン、アシルアミドプロピルヒドロキシプロピルアンモニアスルホベタイン、アシルアミドプロピルヒドロキシプロピルアンモニアスルホベタイン、リシノレイン酸アミドプロピルジメチルカルボキシメチルアンモニアベタイン、イミダゾリン系としては、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、アルキルエトキシカルボキシメチルイミダゾリウムベタイン等が挙げられる。植物ストレス耐性付与の観点から、グリシンベタイン、アルキルジメチルベタインが好ましく、更にアルキルジメチルベタインのアルキル基は炭素数8〜24が好ましい。化合物(D)としては、グリシンベタイン及びアルキルジメチルベタインからなる群より選ばれる一種以上の化合物が好ましい。
化合物(D)の処理液中の濃度は、植物体へ施用する際の濃度として、葉面散布する場合、植物ストレス耐性付与の観点から、0.1〜5000ppmが好ましく、0.1〜1000ppmがより好ましく、更に1〜500ppmがより好ましい。土壌及び水耕栽培において地下部から施用する場合、植物ストレス耐性付与の観点から、0.1〜10000ppmが好ましく、0.1〜2000ppmがより好ましく、更に1〜1000ppmがより好ましい。
<化合物(E)>
化合物(E)はトリプトファンを除くアミノ酸であり、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、グリシン、セリン、トレオニン、システイン、グルタミン、アスパラギン、チロシン、リシン、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸などが挙げられる。植物ストレス耐性付与の観点から、プロリン、グルタミン酸及びアスパラギン酸からなる群より選ばれる一種以上の化合物が好ましい。
化合物(E)の処理液中の濃度は、植物体へ施用する際の濃度として、葉面散布する場合、植物ストレス耐性付与の観点から、0.1〜10000ppmが好ましく、1〜5000ppmがより好ましく、更に10〜1000ppmがより好ましい。土壌及び水耕栽培において地下部から施用する場合、植物ストレス耐性付与の観点から、0.01〜5000ppmが好ましく、0.1〜1000ppmがより好ましく、更に1〜500ppmがより好ましい。
<化合物(F)>
化合物(F)は抗酸化剤であり、酸化防止剤、植物体内抗酸化酵素、植物由来抗酸化物質等がある。更に、植物由来抗酸化物質として、ビタミン類、カロチノイド類、フェノール類、テルペン類、ポリフェノール類等が挙げられる。具体的には、酸化防止剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、アスコルビン酸、グアヤク脂、オリザノール、亜硫酸、亜硫酸水素、没食子酸nプロピル、亜燐酸水素等が挙げられ、植物体内抗酸化酵素としては、スーパーオキシドディスムターゼ、カタラーゼ、グルタチオンペルオキシターゼ等が挙げられ、植物由来抗酸化物質としては、カロテン、ゼアキサンチン、グルタチオン、カフェイン、フラボン、ケルセチン、ルチン、クロロフィル、サポニン、カフェイン、カテキン、ポリフェノール、セサミン、セサモール、アスタキサンチン、クルクミン、アスコルビン酸、α−トコフェロールなどが挙げられる。植物ストレス耐性付与の観点から、より好ましくはフラボン、ケルセチン、ルチン、クロロフィル、サポニン、カフェイン、カテキン、ポリフェノール、セサミン、セサモール、アスタキサンチン、クルクミン、アスコルビン酸及びα−トコフェロールからなる群より選ばれる一種以上の化合物であり、更に好ましくはケルセチン、サポニン、カテキン、α−トコフェロールである。
化合物(F)の処理液中の濃度は、植物体へ施用する際の濃度として、葉面散布する場合、植物ストレス耐性付与の観点から、0.01〜5000ppmが好ましく、0.1〜1000ppmがより好ましく、更に1〜500ppmがより好ましい。土壌及び水耕栽培において地下部から施用する場合、植物ストレス耐性付与の観点から、0.01〜5000ppmが好ましく、0.05〜1000ppmがより好ましく、更に0.1〜500ppmがより好ましい。
<化合物(G)>
化合物(G)は、植物体内におけるシキミ酸からインドール酢酸までの生合成経路におけるオーキシン生合成経路中間体物質であり、シキミ酸、コリスミ酸、アントラニル酸、トリプトファン、インドール−3−ピルビン酸、インドール−3−アセトアルデヒド、インドール−3−アセトアルドキシム、インドール−3−メチルグルコシノレート、インドール−3−アセトニトリル、トリプタミン、インドール酢酸が挙げられる。植物ストレス耐性付与の観点から、シキミ酸、アントラニル酸、トリプトファン及びインドール酢酸からなる群より選ばれる一種以上の化合物がより好ましい。
化合物(G)の処理液中の濃度は、植物体へ施用する際の濃度として、葉面散布する場合、植物ストレス耐性付与の観点から、0.01〜5000ppmが好ましく、0.1〜1000ppmがより好ましく、更に1〜500ppmがより好ましい。土壌及び水耕栽培において地下部から施用する場合、植物ストレス耐性付与の観点から、0.01〜5000ppmが好ましく、0.05〜1000ppmがより好ましく、更に0.1〜500ppmがより好ましい。
<化合物(H)>
化合物(H)は糖類であり、グリセロール、エリトリトール、エリトルロース、エリトロース、トレオース、キシロース、リボース、アラビノース、リキソース、デオキシリボース、リブロース、アラビトール、フルクトース、イノシトール、ラムノース、マンニトール、ソルビトール、グルコース、グルコン酸、マンノース、アルトロース、イドース、ガラクトース、キノボース、グルカル酸、グロース、ジギタロース、ジギトキソース、シマロース、ソルボース、タガロース、タロース、フコース、プシコース、ガラクチトール、イズロン酸、ガラクツロン酸、グルクロン酸、マンヌロン酸、ガラクトサミン、グルコサミン、フコサミン、マンノサミン、ムラミン酸、カードラン、マルチトール、トレハロース、メリビオース、スクロース、ラクトース、パラチノース、アガロビオース、イソマルトース、キシロビオース、ゲンチオビオース、コージオビオース、コンドロイシン、セロビオース、ソホロース、ニゲロース、ヒアロビウロン酸、マルトース、ラクツロース、ラミナリビオース、ルチノース、グルコシルスクロース、ラフィノース、ゲンチアノース、セロトリオース、マルトトリオース、メレンジトース、スタキオース、キシロオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、フルクトオリゴ糖、キトサンオリゴ糖、キチンオリゴ糖、セロオリゴ糖、シクロデキストリン、ペクチン、デンプン、アガロース、アミロース、アミロペクチン、アラビナン、アラビノガラクタン、アルギン酸、イヌリン、ガラクタン、キシラン、キチン、キトサン、グリコーゲン、グルコマンナン、ケラタン硫酸、コロミン酸、コンドロイチン、コンドロイチン硫酸、セルロース、デキストラン、ヒアルロン酸、ペクチン、ペクチン酸、ヘパラン硫酸、ヘパリン、マンナン、リケナン、レバン、レンチナンなどが挙げられる。植物ストレス耐性付与の観点から、トレハロース、ラフィノース、フルクトース、グルコシルスクロース、シクロデキストリン、マンニトール及びオリゴ糖類からなる群より選ばれる一種以上の化合物がより好ましい。
化合物(H)の処理液中の濃度は、植物体へ施用する際の濃度として、葉面散布する場合、植物ストレス耐性付与の観点から、0.1〜10000ppmが好ましく、1〜5000ppmがより好ましく、更に10〜1000ppmがより好ましい。土壌及び水耕栽培において地下部から施用する場合、植物ストレス耐性付与の観点から、0.1〜10000ppmが好ましく、1〜5000ppmがより好ましく、更に10〜1000ppmがより好ましい。
本発明では、化合物(A)からなる植物ストレス耐性付与剤又は化合物(A)と化合物(B)〜化合物(H)の少なくとも一種とを含有する植物ストレス耐性付与剤組成物を、植物に施用することで、ストレスが生じる環境においても、植物の生育を促進できるストレス耐性を付与するものである。
一般に、農作物などの栽培植物では、植物ごとに適切な栽培条件が知られている。植物がそのような適切な栽培条件ないしそれに近い条件で栽培されている場合は、植物にはストレスが負荷されない。本発明では、植物にストレスが負荷されているかどうかを、以下の植物ストレス率により判定する。すなわち、塩、乾燥、温度等のストレスとなり得る条件が適切な数値を超える条件で栽培されている場合の植物体重量(植物体重量1、ストレス下で栽培された植物体の重量)と、その条件からストレスとなる因子を除いた適切な条件(ストレスを与えない状態)で栽培した場合の植物体重量(植物体重量2、非ストレス下で栽培された植物体の重量)とから、以下の式(ii)により植物ストレス率(%)を算出し、この数値が111%以上となる場合は、生育が10%(重量基準)以上低下することを意味し、ストレスが負荷された栽培条件であると判定される。本発明は、この植物ストレス率が111〜200%の栽培条件にある植物に適用される。更に、植物ストレス率が120〜180%、好ましくは120〜160%の栽培条件にある植物に適用されると、植物ストレス耐性付与の観点からより顕著な効果が得られる。なお、前記植物ストレス率は、現実の栽培条件における所定のストレス因子に着目してそのストレス因子を除いた条件を実験室レベルで再現し、その結果を使い算出することもできる。
植物ストレス率(%)=植物体重量2/植物体重量1×100 (ii)
また、植物にストレス耐性が付与されているかどうかは、上記植物ストレス率により、植物がストレスを与える栽培条件にあることを確認し、その条件で栽培した植物の植物体重量(植物体重量1)と、本発明の植物ストレス耐性付与剤又は植物ストレス耐性付与剤組成物を地下部または地上部より施用して栽培した植物の植物体重量(植物体重量3、ストレス下で栽培された植物にストレス耐性付与処理を行った植物体の重量)とから、以下の式(iii)により植物ストレス耐性付与率(%)を算出する。植物ストレス耐性付与率は、100を超えれば植物にストレス耐性が付与されていることになるが、105%以上、更に111%以上となることが好ましい。
植物ストレス耐性付与率(%)=植物体重量3/植物体重量1×100 (iii)
本発明の植物ストレス耐性付与方法又は植物ストレス耐性付与剤もしくは植物ストレス耐性付与剤組成物を適用することにより、後述の実施例の条件では、塩、温度、乾燥といったストレス因子のある栽培条件で栽培した場合でも、115%を超える植物ストレス耐性付与率を達成することができる。
また、本発明では、特定の化合物がストレス耐性を付与できるかどうかの判定基準として、下記標準試験による標準植物塩ストレス耐性付与率が好ましくは111%以上であることが挙げられる。圃場など、実際の栽培では、多様なストレスが植物にかかるが、この標準試験は、ストレスがかかる環境を特定し実験室レベルで再現して、試験化合物のストレス耐性の付与効果を試験するものである。この標準植物塩ストレス耐性付与率が好ましくは111%以上の前記植物ストレス耐性付与剤又は前記植物ストレス耐性付与剤組成物を、植物の地上部または地下部に施用することができる。標準植物塩ストレス耐性付与率を測定するための標準試験(ここでは、対照区2も作成している)を以下に記す。
<標準試験>
(I)植物の準備
培土(肥料成分;N:P:K=0.4:1.9:0.6(g)/培土1kg)を50穴セルトレイに詰め、トマト“桃太郎”(タキイ種苗)の種子を播種し、培土を薄く覆土し、十分に水を灌水し発芽させる。2葉期の葉が完全に展開した段階で、トマトの根部の土を流水で洗い流し、試験に供する。培土としては、呉羽化学(株)製のクレハ園芸培土等を用いることができる。
(II)試験条件の設定
温度23℃、相対湿度50%、照度5000Lux、1日の明暗周期が16hr明期、8hr暗期に環境条件を制御する。このような環境条件は、例えば、温度及び相対湿度を制御できる部屋または人工気象器において温度を調節し、また、蛍光灯等により照度を調節することで得られる。上記準備によるトマトを水耕液〔水道水にNaClを濃度が3510ppmとなるように加えたもの(NaClによる水ポテンシャル0.29MPa)〕250mlの入った容器(例えばポリエチレン製容器等)に植える。
(III)植物ストレス耐性付与剤による処理
以下の試験区、対照区1及び対照区2を作成する。試験区、対照区1、対照区2、何れも個体は10個体(計30個体)用意し、2週間後の植物体全体の生重量を測定する。
試験区:植物ストレス耐性付与剤又は前記植物ストレス耐性付与剤組成物の水溶液又は水分散液〔一般式(1)で表される化合物(A)の濃度として100ppm〕をトマト1株あたり10ml、葉面に散布処理する。
対照区1:水耕液にNaClを添加する(塩ストレスを与える)が、トマトに植物ストレス耐性付与剤又は前記植物ストレス耐性付与剤組成物を与えない。
対照区2:水耕液にNaClを添加せず(塩ストレスを与えず)、且つトマトに植物ストレス耐性付与剤又は前記植物ストレス耐性付与剤組成物を与えない。
(IV)標準植物塩ストレス耐性付与率(%)の算出
得られた植物体全体の生重量の平均値で以下のように標準植物塩ストレス耐性付与率を計算する〔式(i)〕。
標準植物塩ストレス耐性付与率(%)=試験区の植物体生重量/対照区1の植物体生重量 ×100 (i)
なお、上記標準試験における植物ストレス率(標準植物塩ストレス率)は130%近傍となる。この場合、標準植物塩ストレス率は下記の式(ii)’により算出できる。
標準植物塩ストレス率(%)=対照区2の植物体生重量/対照区1の植物体生重量 ×100 (ii)’
後述の実施例では、標準試験における標準植物塩ストレス率は130%であった。また、後述の実施例で用いた化合物の上記標準試験による標準植物塩ストレス耐性付与率は、表1〜3に示される通りであった。
本発明により耐性を付与できる植物のストレス因子として、塩ストレス、乾燥ストレス、温度ストレスが挙げられる。すなわち、本発明の方法は、土壌又は培養液中の塩濃度に起因する塩ストレス、土壌中の水分含有量に起因する乾燥ストレス、及び栽培環境の温度に起因する温度ストレスの少なくとも1つのストレス因子により、植物ストレス率111〜200%の栽培条件がもたらされている植物に対して適用することができる。但し、化合物(A)からなる植物ストレス耐性付与剤は、低温耐性を除くストレス耐性の付与に用いられる。
土壌栽培や水耕栽培において肥料等の塩類の集積により栽培溶液中の浸透圧が上昇し植物の吸水が阻害される結果、生育が阻害される現象が生じる。こうした状態は、一般に植物に塩ストレスがかかった状態と認識される。具体的には、例えば水耕栽培における水耕養液の塩による浸透圧ポテンシャルや土壌栽培における土壌中の塩による浸透圧ポテンシャルが0.2MPa(NaCl濃度では2400ppm)以上、更には0.25MPa以上、より更には0.30MPa以上で塩ストレスがある条件であるといえる。本発明によれば、このような浸透圧ポテンシャルを示す条件でも植物が適正に生育する耐性を付与することができる。浸透圧ポテンシャルは、土壌栽培においては、土壌を水で希釈して上澄み液の塩濃度を分析することによって、以下のラウールの法則により計算する。
ラウールの法則 π(atm)=cRT
R=0.082(L・atm/mol・K)
T=絶対温度(K)
c=イオンモル濃度(mol/L)
1atm=0.1MPa
また、土壌栽培において、降雨量や灌水量の減少により土壌中の水分含有量が減少し、植物の吸水が阻害される結果、生育が阻害される現象が生じる。こうした状態は、一般に植物に乾燥ストレスがかかった状態と認識される。具体的には、植物が栽培されている土壌のpF値が、土壌水として重力水が認識できなくなる状態を意味する1.7以上、更には2.3以上、より更には2.5以上で乾燥ストレスがある条件であるといえる。本発明によれば、このようなpF値を示す条件でも植物が適正に生育する耐性を付与することができる。ここで、pF値は、「土壌・植物栄養・環境事典」(大洋社、1994年、松坂ら)の61〜62頁の「pF値測定法」に記述されている原理に則り測定することができる。
また、栽培環境に関して、ある植物の最適な生育温度よりも高い温度あるいは低い温度に植物が暴露された場合、生体内の生理代謝機能が減少し生育が阻害される現象が生じる。こうした状態は、一般に植物に温度ストレスがかかった状態と認識される。具体的には、植物が栽培されている環境における平均栽培温度が25℃以上、更には28℃以上、より更には32℃以上である、又は20℃以下、更には17℃以下、より更には15℃以下であると、温度ストレスがある条件であるといえる。本発明によれば、このような平均栽培温度を示す条件でも植物が適正に生育する耐性を付与することができる。ここで平均栽培温度とは、栽培期間(播種から生育終了までの期間)において昼夜問わず1時間おきに測定した栽培温度の平均値である。化合物(A)と化合物(B)〜(H)の一種以上とを含有する植物ストレス耐性付与剤組成物は、平均栽培温度が20℃以下、更には17℃以下、より更には15℃以下の、温度ストレスがかかると考えられる栽培条件にも適用可能である。
上記の通り、本発明では、植物ストレス耐性付与の観点から、化合物(A)からなる植物ストレス耐性付与剤、もしくは、化合物(A)、並びに化合物(B)、化合物(C)、化合物(D)、化合物(E)、化合物(F)、化合物(G)及び化合物(H)からなる群より選ばれる1種以上の化合物、を含有する植物ストレス耐性付与剤組成物が用いられる。植物ストレス耐性付与剤組成物における化合物(A)の含有量は、植物ストレス耐性付与の観点から、0.1〜50重量%、更に1〜10重量%が好ましい。また、同様の観点から、化合物(B)の含有量は、0.1〜25重量%、更に1〜10重量%が好ましく、化合物(C)の含有量は、0.1〜25重量%、更に1〜10重量%が好ましく、化合物(D)の含有量は、0.1〜25重量%、更に1〜10重量%が好ましく、化合物(E)の含有量は、0.1〜25重量%、更に1〜10重量%が好ましく、化合物(F)の含有量は、0.1〜25重量%、更に1〜10重量%が好ましく、化合物(G)の含有量は、0.1〜25重量%、更に1〜10重量%が好ましく、化合物(H)の含有量は、0.1〜25重量%、更に1〜10重量%が好ましく、各成分を前記濃度で含有する組成物から、各成分を前記の濃度で含有する処理液を調製して植物に施用することが好ましい。
<界面活性剤>
本発明では、化合物(A)、更に化合物(B)〜化合物(H)と共に、界面活性剤〔化合物(A)〜(H)に属するものを除く〕を用いることができる。界面活性剤を用いることで、植物表面への化合物(A)の濡れ性、付着性、浸透性を飛躍的に向上し、化合物(A)の効果を増強させ、あるいは効率よく効果を発揮することで化合物(A)の使用濃度を低減することができる。
非イオン界面活性剤としては、樹脂酸エステル、ポリオキシアルキレン樹脂酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、アルキルアルカノールアミド、等が挙げられる。
陰イオン界面活性剤としては、カルボン酸系、スルホン酸系、硫酸エステル系及びリン酸エステル系界面活性剤が挙げられるが、カルボン酸系及びリン酸エステル系界面活性剤から選ばれる一種以上が好ましい。
カルボン酸系界面活性剤としては、例えば炭素数6〜30の脂肪酸又はその塩、多価カルボン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルアミドエーテルカルボン酸塩、ロジン酸塩、ダイマー酸塩、ポリマー酸塩、トール油脂肪酸塩、エステル化化工澱粉等が挙げられる。なかでもエステル化化工澱粉、更にアルケニルコハク酸化化工澱粉が好ましい。
スルホン酸系界面活性剤としては、例えばアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、ジフェニルエーテルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸の縮合物塩、ナフタレンスルホン酸の縮合物塩等が挙げられる。
硫酸エステル系界面活性剤としては、例えばアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、トリスチレン化フェノール硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンジスチレン化フェノール硫酸エステル塩等が挙げられる。
リン酸エステル系界面活性剤として、例えばアルキルリン酸エステル塩、アルキルフェニルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルリン酸エステル塩等が挙げられる。
塩としては、例えば金属塩(Na、K、Ca、Mg、Zn等)、アンモニウム塩、アルカノールアミン塩、脂肪族アミン塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アミノ酸系、イミダゾリン系、アミンオキサイド系が挙げられる。
アミノ酸系としては、例えばアシルアミノ酸塩、アシルサルコシン酸塩、アシロイルメチルアミノプロピオン酸塩、アルキルアミノプロピオン酸塩、アシルアミドエチルヒドロキシエチルメチルカルボン酸塩等が挙げられる。
アミンオキサイド系としては、アルキルジメチルアミンオキサイド、アルキルジエタノールアミンオキサイド、アルキルアミドプロピルアミンオキサイド等が挙げられる。
界面活性剤の処理液中の濃度は、植物体へ施用する際の濃度として、葉面散布する場合、0.1〜10000ppmが好ましく、1〜5000ppmがより好ましく、更に10〜1000ppmがより好ましい。土壌及び水耕栽培において地下部から施用する場合、0.01〜5000ppmが好ましく、0.1〜1000ppmがより好ましく、更に1〜500ppmが好ましい。
<キレート剤>
本発明では、化合物(A)、更に化合物(B)〜化合物(H)と共に、キレート剤を用いることができる。キレート剤を用いることで、化合物(A)及び他の成分から調製した組成物や処理液の安定性を飛躍的に向上でき、その結果、ストレス耐性付与効果を安定させることができる。キレート剤として以下のようなキレート能を有する有機酸又はその塩を併用すると、ストレス耐性付与効果が安定する。具体的にはクエン酸、グルコン酸、リンゴ酸、ヘプトン酸、シュウ酸、マロン酸、乳酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、グルタル酸等のオキシカルボン酸、多価カルボン酸や、これらのカリウム塩、ナトリウム塩、アルカノールアミン塩、脂肪族アミン塩等が挙げられる。また、有機酸以外のキレート剤の混合でも良く、混合するキレート剤としてエチレンジアミン四酢酸(EDTA)もしくはその塩、ニトリロ三酢酸(NTA)もしくはその塩、1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸一水和物(CDTA)もしくはその塩等のアミノカルボン酸系キレート剤が挙げられる。
キレート剤の処理液中の濃度は、植物体へ施用する際の濃度として、葉面散布する場合、0.1〜10000ppmが好ましく、1〜5000ppmがより好ましく、更に10〜1000ppmがより好ましい。土壌及び水耕栽培において地下部から施用する場合、0.1〜10000ppmが好ましく、1〜5000ppmがより好ましく、更に10〜1000ppmが好ましい。
<肥料成分>
本発明では、化合物(A)、更に化合物(B)〜化合物(H)と共に、更に肥料成分を用いることができる。
肥料成分としては、具体的には、N、P、K、Ca、Mg、S、B、Fe、Mn、Cu、Zn、Mo、Cl、Si、Na等、更にN、P、K、Ca、Mgの供給源となる無機物及び有機物が挙げられる。そのような無機物としては、硝酸アンモニウム、硝酸カリウム、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸ソーダ、尿素、炭酸アンモニウム、リン酸カリウム、過リン酸石灰、熔成リン肥(3MgO・CaO・P25・3CaSiO2)、硫酸カリウム、塩カリ、硝酸石灰、消石灰、炭酸石灰、硫酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム等が挙げられる。また、有機物としては、鶏フン、牛フン、バーク堆肥、ペプトン、ミエキ、発酵エキス、有機酸(クエン酸、グルコン酸、コハク酸等)のカルシウム塩、脂肪酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、カプリル酸、カプリン酸、カプロン酸等)のカルシウム塩等が挙げられる。これら肥料成分は界面活性剤と併用することもできる。肥料成分は、葉菜類の露地栽培のように、土壌中に元肥として肥料成分が十分施用されている場合にはあえて配合する必要はない。また、養液土耕や水耕栽培のように元肥の過剰施用を避け肥料成分をかん水と同じに与えるようなタイプの栽培形態には肥料成分を配合することが好ましい。
肥料成分の処理液中の濃度は、植物体へ施用する際の濃度として、葉面散布する場合、N成分、P成分、K成分はそれぞれ0.1〜5000ppmが好ましく、1〜1000ppmがより好ましく、更に10〜500ppmがより好ましい。土壌及び水耕栽培において地下部から施用する場合、N成分、P成分、K成分はそれぞれ0.1〜5000ppmが好ましく、1〜1000ppmがより好ましく、更に10〜500ppmが好ましい。また、肥料成分全てを加算した濃度は、葉面散布する場合、1〜10000ppmが好ましく、10〜5000ppmがより好ましく、更に50〜2000ppmがより好ましい。肥料成分全てを加算した濃度は、土壌及び水耕栽培において地下部から施用する場合、1〜10000ppmが好ましく、10〜5000ppmがより好ましく、更に50〜2000ppmがより好ましい。
本発明によりストレス耐性を付与できる植物としては、果菜類では、キュウリ、カボチャ、スイカ、メロン、トマト、ナス、ピーマン、イチゴ、オクラ、サヤインゲン、ソラマメ、エンドウ、エダマメ、トウモロコシ等が挙げられる。葉菜類では、ハクサイ、ツケナ類、チンゲンサイ、キャベツ、カリフラワー、ブロッコリー、メキャベツ、タマネギ、ネギ、ニンニク、ラッキョウ、ニラ、アスパラガス、レタス、サラダナ、セルリー、ホウレンソウ、シュンギク、パセリ、ミツバ、セリ、ウド、ミョウガ、フキ、シソ等が挙げられる。根菜類としては、ダイコン、カブ、ゴボウ、ニンジン、ジャガイモ、サトイモ、サツマイモ、ヤマイモ、ショウガ、レンコン等が挙げられる。その他に、稲、麦類、花卉類等にも使用が可能である。
実施例1 塩ストレス耐性付与試験(トマト)
・試験方法
試験条件:温度23℃、相対湿度50%、照度:5000Lux(蛍光灯)、明/暗周期:16hr/8hr
水耕液条件:大塚1/2A処方〔大塚ハウス1号(N:P:K=10:8:27)7.5g/10L、大塚ハウス2号(N:P:K:Ca=10:0:0:23)5g/10Lの配合液でありトータル窒素130ppm、燐酸60ppm、カリウム203ppm〕
塩ストレス条件:NaCl濃度3510ppm(NaClによる水ポテンシャル0.29MPa)
栽培期間:2週間
植物の準備:呉羽化学(株)製のクレハ園芸培土(肥料成分;N:P:K=0.4:1.9:0.6(g)/培土1kg)を50穴セルトレイに詰め、トマト"桃太郎”の種子を播種し、クレハ園芸培土を薄く覆土し、十分に水を灌水し発芽させる。2葉期の葉が完全に展開した段階で、トマトの根部の土を丁寧に流水で洗い流し、試験に供した。
供試薬剤:
ステアリルアルコール、ラウリルアルコール、ベヘニルアルコール:カルコール8098、2098、220−80)〔花王(株)〕
POE(20)ソルビタン脂肪酸エステル:レオドールTW−O120V 〔花王(株)〕
アルキルポリグリコシド:AG−10LK 〔花王(株)〕
ショ糖脂肪酸エステル:リョートーシュガーエステルS−1570〔三菱化学フーズ(株)〕
オクテニルコハク酸化化工デンプン:エマルスター〔松谷化学(株)〕
シリコーンオイル:BY22−007〔東レ・ダウコーニング(株)〕
シリコーン界面活性剤:SILWET L−77(ポリオキシエチレンメチルポリシロキサン) 〔GE東芝シリコーン(株)〕
アルキルベタイン(炭素数12〜14):アンヒトール24B〔花王(株)〕
その他の薬剤:和光純薬(株)
処理液施用量:葉面散布 10ml/株 水耕栽培(地下部処理) 250ml/株
<塩ストレス耐性付与試験方法>
人工気象器において温度23℃、蛍光灯による照度5000Lux、1日の明暗周期が16hr明期、8hr暗期に環境条件を調整した。上記準備によるトマトを上記水耕液(1/2大塚A処方とNaClが3510ppm)の入ったポリエチレンボトル250mlに植えた。表1〜3の化合物を所定濃度で含有する処理液(残部は水)を調製し、葉面散布、または地下部へ処理した。また、対照区としてNaClを添加せずストレスを与えない対照区〔式(ii)の植物体重量2のための対照区であり、塩ストレスのない対照区である〕及びNaClの添加による塩ストレスを与え、前記処理液を与えない対照区〔式(ii)の植物体重量1のための対照区であり、塩ストレスのある対照区である〕を作成した。試験区、対照区共に、個体は10個体用意し、試験開始2週間後の各個体の植物体生重量の平均値を植物体生重量として、前記式(ii)及び(iii)により植物ストレス率及び植物ストレス耐性付与率を計算した。なお、本試験条件では植物ストレス率が130%であり、ストレスが生じていると評されるが、NaClについての植物ストレス耐性付与率は、表1〜3に示すように比較品と比べ本発明品の方が明らかに高くなった。
実施例2 温度ストレス耐性付与試験(トマト)
・試験方法
非温度ストレス試験条件:温度23℃ その他の栽培条件は温度ストレス試験条件に準じる。
温度ストレス試験条件:温度32℃、相対湿度50%、照度:5000Lux(蛍光灯)、明/暗周期:16hr/8hr
水耕液条件:大塚1/2A処方〔大塚ハウス1号(N:P:K=10:8:27)7.5g/10L、大塚ハウス2号(N:P:K:Ca=10:0:0:23)5g/10Lの配合液でありトータル窒素130ppm、燐酸60ppm、カリウム203ppm〕
栽培期間:2週間
植物の準備:呉羽化学(株)製のクレハ園芸培土(肥料成分;N:P:K=0.4:1.9:0.6(g)/培土1kg)を50穴セルトレイに詰め、トマト"桃太郎"の種子を播種し、クレハ園芸培土を薄く覆土し、十分に水を灌水し発芽させる。2葉期の葉が完全に展開した段階で、トマトの根部の土を丁寧に流水で洗い流し、試験に供した。
使用薬剤、処理液の施用量は実施例1に準じる。
<温度ストレス耐性付与試験方法>
人工気象器において温度32℃、蛍光灯による照度5000Lux、1日の明暗周期が16hr明期、8hr暗期に環境条件を調整した。本試験では生育が良好な温度23℃を基準(非温度ストレス試験条件)の温度とし、その温度から高温にすることでストレスを与えた。上記準備によるトマトを上記水耕液(1/2大塚A処方)の入ったポリエチレンボトル250mlに植えた。表1〜3の処理液を葉面散布、または地下部へ処理した。また、対照区として温度を23℃にしたストレスを与えない対照区〔式(ii)の植物体重量2のための対照区であり、温度ストレスのない対照区である〕及び温度を32℃とし、前記処理液を与えない対照区〔式(ii)の植物体重量1のための対照区であり、温度ストレスのある対照区である〕を作成した。試験区、対照区共に、個体は10個体用意し、試験開始2週間後の各個体の植物体生重量の平均値を植物体生重量として、前記式(ii)及び(iii)により植物ストレス率及び植物ストレス耐性付与率を計算した。なお、本試験条件では植物ストレス率が125%であり、ストレスが生じていると評されるが、温度についての植物ストレス耐性付与率は、表1〜3に示すように比較品と比べ本発明品の方が明らかに高くなった。
実施例3 乾燥ストレス耐性付与試験(トマト)
・試験方法
非乾燥ストレス試験条件:土壌pF値1.7以上2.3未満に制御 その他の栽培条件は乾燥ストレス試験条件に準じる。
ストレス試験条件:土壌pF値2.3以上に制御
栽培温度:23℃ 相対湿度50% 照度:5000Lux(蛍光灯)、明/暗周期:16hr/8hr
栽培期間:3週間
土壌:呉羽化学(株)製のクレハ園芸培土(肥料成分;N:P:K=0.4:1.9:0.6(g)/培土1kg)
植物の準備:呉羽化学(株)製のクレハ園芸培土(肥料成分;N:P:K=0.4:1.9:0.6(g)/培土1kg)を50穴セルトレイに詰め、トマト"桃太郎"の種子を播種し、クレハ園芸培土を薄く覆土し、十分に水を灌水し発芽させる。2葉期の葉が完全に展開した段階で、トマトの根部の土を丁寧に流水で洗い流し、試験に供した。
使用薬剤、処理液の濃度は実施例1に準じる。
処理液施用量:葉面散布 10ml/株 土壌灌水 50ml/株
<乾燥ストレス耐性付与試験方法>
温度が制御された部屋内の植物培養棚に上記準備によるトマトを60cmのプランターに5株植えた。プランター中央部に土壌水分計(大起理化工業(株)製)を設置し、土壌水分の状態を確認しながら、1日数回灌水を行った。乾燥ストレスはpF値が2.3以上となるよう制御した。トマトを植えた直後より、1週間に1回の割合で表1〜3の処理液を葉面散布、または地下部へ処理した。また、対照区として土壌pF値が1.7以上2.3未満の間となるよう潅水したストレスを与えない対照区〔式(ii)の植物体重量2のための対照区であり、乾燥ストレスのない対照区である〕及びpF値が2.3以上となるよう潅水し且つ処理液を与えない対照区〔式(ii)の植物体重量1のための対照区であり、乾燥ストレスのある対照区である〕を作成した。試験区、対照区共に、個体は5個体(1プランター)用意し、試験開始3週間後、植物体の根を切らないよう採取し、土壌を流水で洗い流し、植物体生重量を測定し、その平均値で植物ストレス率及び植物ストレス耐性付与率を前記式(ii)及び(iii)により計算した。なお、本試験条件では植物乾燥ストレス率が130%であり、ストレスが生じていると評されるが、乾燥についての植物ストレス耐性付与率は、表1〜3に示すように比較品と比べ本発明品の方が明らかに高くなった。
実施例4 塩ストレス耐性付与試験(トマト)
・試験方法
試験条件:温度23℃、相対湿度50%、照度:5000Lux(蛍光灯)、明/暗周期:16hr/8hr
水耕液条件:水道水
塩ストレス条件:NaCl濃度3510ppm(NaClによる水ポテンシャル0.29MPa)
栽培期間:2週間
植物の準備:呉羽化学(株)製のクレハ園芸培土(肥料成分;N:P:K=0.4:1.9:0.6(g)/培土1kg)を50穴セルトレイに詰め、トマト"桃太郎"の種子を播種し、クレハ園芸培土を薄く覆土し、十分に水を灌水し発芽させる。2葉期の葉が完全に展開した段階で、トマトの根部の土を丁寧に流水で洗い流し、試験に供した。
使用薬剤、処理液の濃度は実施例1に準じる。
処理液施用量:葉面散布 10ml/株 地下部処理 250ml/株
<塩ストレス耐性付与試験方法>
水耕液として、水道水にNaClを濃度が3510ppmとなるように加えたものを用いた以外は実施例1と同様に試験区、対照区を栽培した。その結果、本試験条件では植物ストレス率が130%であり、ストレスが生じていると評されるが、NaClについての植物ストレス耐性付与率は、表1〜3に示すように比較品と比べ本発明品の方で明らかに高くなり、植物ストレス耐性付与率は111%以上となった。
実施例5 乾燥ストレス耐性付与試験(バレイショ:品種トヨシロ)
・試験方法
非乾燥ストレス試験条件:土壌pF値1.7−2.3に制御 その他の栽培条件は乾燥ストレス試験条件に準じる。
ストレス試験条件:土壌pF値2.3以上に制御
栽培温度:23℃ 相対湿度50% 照度:5000Lux(蛍光灯)、明/暗周期:16hr/8hr
栽培期間:3週間
土壌:呉羽化学(株)製のクレハ園芸培土(肥料成分;N:P:K=0.4:1.9:0.6(g)/培土1kg)
使用薬剤、処理液の施用量は実施例3に準じる。
<乾燥ストレス耐性付与試験方法>
ガラス温室内で呉羽化学(株)製のクレハ園芸培土(肥料成分;N:P:K=0.4:1.9:0.6(g)/培土1kg)を60cmのプランターに詰め、バレイショ“トヨシロ”の種芋を半分に切除して5個ずつ播種し、クレハ園芸培土を薄く覆土し、十分に水を灌水し発芽させた。3葉期の葉が完全に展開した段階で、温度が制御された部屋内の植物培養棚にバレイショを移動し試験を開始した。プランター中央部に土壌水分計を設置し、土壌水分の状態を確認しながら、1日1回灌水を行った。乾燥ストレスはpF値が2.3以上となるよう制御した。試験開始直後より、1週間に1回の割合で表1〜3の処理液を葉面散布、または地下部へ処理した。また、対照区として土壌pF値が1.7以上2.3未満の間となるよう潅水したストレスを与えない対照区〔式(ii)の植物体重量2のための対照区であり、乾燥ストレスのない対照区である〕及びpF値が2.3以上となるよう潅水を制御し且つ処理液を与えない対照区〔式(ii)の植物体重量1のための対照区であり、乾燥ストレスのある対照区である〕を作成した。試験区、対照区共に、個体は5個体(1プランター)用意し、試験開始3週間後、植物体の根を切らないよう採取し、土壌を流水で洗い流し、植物体生重量を測定し、その平均値で植物ストレス率及び植物ストレス耐性付与率を前記式(ii)及び(iii)により計算した。なお、本試験条件では植物ストレス率が128%であり、ストレスが生じていると評されるが、乾燥についての植物ストレス耐性付与率は、表1〜3に示すように比較品と比べ本発明品の方が明らかに高くなった。
Figure 2009055832
Figure 2009055832
Figure 2009055832

Claims (7)

  1. (A)下記一般式(1)で表される化合物からなる植物ストレス耐性付与剤を、植物ストレス率が111〜200%の栽培条件にある植物に施用する、植物ストレス耐性(低温耐性を除く)付与方法。
    Figure 2009055832

    (式中、R1は炭素数10〜22の炭化水素基、R2は水素原子、水酸基又は炭素数1〜24の炭化水素基、R3は水素原子又は炭素数1〜24の炭化水素基を表す。)
  2. (A)下記一般式(1)で表される化合物、並びに(B)糖誘導体型界面活性剤及び糖アルコール誘導体型界面活性剤から選ばれる一種以上の界面活性剤、(C)ケイ素化合物、(D)ベタイン、(E)アミノ酸(トリプトファンを除く)、(F)抗酸化剤、(G)オーキシン生合成経路中間体物質(シキミ酸からインドール酢酸までの生合成経路)及び(H)糖類からなる群より選ばれる1種以上の化合物、を含有する植物ストレス耐性付与剤組成物を、植物ストレス率が111〜200%の栽培条件にある植物に施用する、植物ストレス耐性付与方法。
    Figure 2009055832

    (式中、R1は炭素数10〜22の炭化水素基、R2は水素原子、水酸基又は炭素数1〜24の炭化水素基、R3は水素原子又は炭素数1〜24の炭化水素基を表す。)
  3. 化合物(B)が、糖又は糖アルコールに疎水基がエステル結合、グリコシド結合又はアミド結合のいずれか1つの結合を含む構造を有する界面活性剤であり、化合物(C)がケイ素、ケイ酸、オルトケイ酸、ジケイ酸、トリケイ酸、ポリケイ酸、シリコーンオイル、シリコーン界面活性剤からなる群より選ばれる一種以上の化合物であり、化合物(D)がグリシンベタイン及びアルキルジメチルベタインからなる群より選ばれる一種以上の化合物であり、化合物(E)がプロリン、グルタミン酸及びアスパラギン酸からなる群より選ばれる一種以上の化合物であり、化合物(F)がフラボン、ケルセチン、ルチン、クロロフィル、サポニン、カフェイン、カテキン、ポリフェノール、セサミン、セサモール、アスタキサンチン、クルクミン、アスコルビン酸及びα−トコフェロールからなる群より選ばれる一種以上の化合物であり、化合物(G)がシキミ酸、アントラニル酸、トリプトファン、トリプタミン及びインドール酢酸からなる群より選ばれる一種以上の化合物であり、化合物(H)がトレハロース、ラフィノース、フルクトース、グルコシルスクロース、シクロデキストリン、マンニトール及びオリゴ糖類からなる群より選ばれる一種以上の化合物である請求項2記載の植物ストレス耐性付与方法。
  4. 更に、界面活性剤〔(A)〜(H)に属するものを除く〕を施用する請求項2又は3記載の植物ストレス耐性付与方法。
  5. 土壌又は培養液中の塩濃度に起因する塩ストレス、土壌中の水分含有量に起因する乾燥ストレス、及び栽培環境の温度に起因する温度ストレスの少なくとも1つのストレス因子を含むストレスにより、植物ストレス率111〜200%の栽培条件がもたらされている、請求項1〜4の何れか1項記載の植物ストレス耐性付与方法。
  6. 塩ストレスによる水ポテンシャルが0.2MPa以上、乾燥ストレスによる土壌pF値が1.7以上、及び温度ストレスによる平均栽培温度が28℃以上、の群から選ばれる少なくとも1つ以上を含む栽培条件により、植物ストレス率111〜200%の栽培条件がもたらされている、請求項1〜5の何れか1項記載の植物ストレス耐性付与方法。
  7. 下記標準試験による標準植物塩ストレス耐性付与率が111%以上である前記植物ストレス耐性付与剤又は前記植物ストレス耐性付与剤組成物を、植物の地上部又は地下部に施用する、請求項1〜6のいずれか1項記載の植物ストレス耐性付与方法。
    <標準試験>
    (I)植物の準備
    培土(肥料成分;N:P:K=0.4:1.9:0.6(g)/培土1kg)を50穴セルトレイに詰め、トマト“桃太郎”(タキイ種苗)の種子を播種し、培土を薄く覆土し、十分に水を灌水し発芽させる。2葉期の葉が完全に展開した段階で、トマトの根部の土を流水で洗い流し、試験に供する。
    (II)試験条件の設定
    温度23℃、相対湿度50%、照度5000Lux、1日の明暗周期が16hr明期、8hr暗期に環境条件を制御する。上記準備によるトマトを水耕液〔水道水にNaClを濃度が3510ppmとなるように加えたもの(NaClによる水ポテンシャル0.29MPa)〕250mlの入った容器に植える。
    (III)植物ストレス耐性付与剤による処理
    以下の試験区及び対照区1を作成する。試験区、対照区1、何れも個体は10個体(計20個体)用意し、2週間後の植物体全体の生重量を測定する。
    試験区:植物ストレス耐性付与剤又は前記植物ストレス耐性付与剤組成物の水溶液又は水分散液〔一般式(1)で表される化合物(A)の濃度として100ppm〕をトマト1株あたり10ml、葉面に散布処理する。
    対照区1:水耕液にNaClを添加する(塩ストレスを与える)が、トマトに植物ストレス耐性付与剤又は前記植物ストレス耐性付与剤組成物を与えない。
    (IV)標準植物塩ストレス耐性付与率(%)の算出
    得られた植物体全体の生重量の平均値で以下のように標準植物塩ストレス耐性付与率を計算する〔式(i)〕。
    標準植物塩ストレス耐性付与率(%)=試験区の植物体生重量/対照区1の植物体生重量 ×100 (i)
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