JP2010075089A - 植物ストレス耐性付与剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】糖誘導体型界面活性剤とカテキン類と水とを含有する植物ストレス耐性付与剤組成物であり、前記糖誘導体型界面活性剤が、糖と脂肪酸とのエステル、糖アルコールと脂肪酸とのエステルおよびアルキルグリコシドからなる群から選択される構造を有する糖誘導体型界面活性剤を1種以上含む。前記付与剤組成物に含まれる水以外の成分の合計に対して、前記糖誘導体型界面活性剤の含有量は、85〜99.9重量%である。
【選択図】なし
Description
植物ストレス率(%)=(植物体重量2/植物体重量1)×100 (ii)
ストレスを与えてから植物の生育が低下し、生重量の低下として反映される時点で測定するのが好ましく、その目安としてストレスを与えて始めてから2週間後の時点で測定する。
本発明における糖誘導体型界面活性剤(以下、単に、糖誘導体型界面活性剤ともいう)は、前記のように、糖と脂肪酸とのエステル、糖アルコールと脂肪酸とのエステル、およびアルキルグリコシドからなる群から選択される構造を有する糖誘導体型界面活性剤を1種以上含む。このような糖誘導体型界面活性剤は、糖または糖アルコール骨格を有しているので、細胞内において浸透圧調整を行うことにより、ストレス耐性を付与することができると推測される。
R1(OR2)xGy (1)
〔式中、R1は直鎖又は分岐鎖の炭素数8〜18のアルキル基、アルケニル基、又はアルキルフェニル基を示し、R2は炭素数2〜4のアルキレン基を示し、Gは炭素数5〜6を有する還元糖に由来する残基を示し、x(平均値)は0〜5である数を、y(平均値)は1〜5である数を示す〕で表される。
本発明におけるカテキン類とは、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレートなどの非エピ体カテキン類、及びエピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレートなどのエピ体カテキン類をあわせた総称である。本発明におけるカテキン類は、Camellia属、例えばC.sinensis及びC.assaimica、又はそれらの雑種から得られる茶葉から製茶された、煎茶、番茶、玉露、てん茶、釜入り茶等の緑茶類や、総称して鳥龍茶と呼ばれる鉄観音、色種、黄金桂、武夷岩茶等の半発酵茶、紅茶と呼ばれるダージリン、アッサム、スリランカ等の発酵茶の茶葉から水や熱水により抽出して得ることができる。また、本発明におけるカテキン類は、溶液の形態、例えば、茶抽出物の濃縮物を水に溶解させた溶液、茶葉からの抽出液と茶抽出物の濃縮物との混合物として、用いてもよい。前記茶抽出物の濃縮物とは、茶葉を熱水もしくは水溶性有機溶媒により抽出された抽出物を濃縮したものであって、特開昭59−219384号公報、特開平4−20589号公報、特開平5−260907号公報、特開平5−306279号公報等に詳細に例示されている方法で調製したものをいう。前記前記茶抽出物の濃縮物は、市販品としては、三井農林(株)「ポリフェノン」、伊藤園(株)「テアフラン」、太陽化学(株)「サンフェノン」、サントリー(株)「サンウーロン」等が挙げられる。そのほか、カテキン類は、他の原料起源のもの、カラム精製品及び化学合成品でもよい。前記茶抽出物の濃縮物の形態としては、固体、水溶液、スラリー状など種々のものが挙げられる。茶抽出物を溶解する媒体は、水、炭酸水、市販されているレベルのカテキン類を含有する茶類等が挙げられる。
本発明では、植物表面への糖誘導体型界面活性剤の濡れ性、付着性、浸透性を向上させるため、必要により、糖誘導体型界面活性剤と共に、その他の界面活性剤(糖誘導体型界面活性剤を除く)を用いることができる。他の界面活性剤を用いることで、その結果、糖誘導体型界面活性剤の効果を増強させ、あるいは効率よく効果を発揮することで糖誘導体型界面活性剤の使用濃度を低減することができる。
本発明の付与剤組成物は、さらにキレート剤を含んでもよい。キレート剤を含むと、前記糖誘導体型界面活性剤と水とを含有する本発明の植物ストレス耐性付与剤組成物の安定性を飛躍的に向上でき、その結果、前記付与剤組成物のストレス耐性付与効果を安定させることができる。前記キレート剤としては、例えば、キレート能を有する有機酸又はその塩が挙げられる。具体的には、前記キレート剤は、例えば、多価カルボン酸、オキシカルボン酸、多価カルボン酸の塩、オキシカルボン酸の塩等が挙げられる。前記多価カルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、グルタル酸等が挙げられる。前記オキシカルボン酸としては、クエン酸、グルコン酸、リンゴ酸、ヘプトン酸、乳酸、酒石酸等が挙げられる。前記多価カルボン酸の塩としては、多価カルボン酸と、アルカリ金属(カリウム、ナトリウム等)との塩、アルカノールアミンとの塩、脂肪族アミンとの塩等が挙げられる。前記オキシカルボン酸の塩としては、オキシカルボン酸と、アルカリ金属(カリウム、ナトリウム等)との塩、アルカノールアミンとの塩、脂肪族アミンとの塩等が挙げられる。また、前記キレート剤は、無機キレート剤と混合してもよい。前記無機キレート剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)もしくはその塩、ニトリロ三酢酸(NTA)もしくはその塩、1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸一水和物(CDTA)もしくはその塩等のアミノカルボン酸系キレート剤が挙げられる。
本発明の付与剤組成物は、さらに肥料成分を含んでもよい。前記肥料成分としては、例えば、N、P、K、Ca、Mg、S、B、Fe、Mn、Cu、Zn、Mo、Cl、Si、Na等、更にN、P、K、Ca、Mgの供給源となる無機物及び有機物が挙げられる。そのような無機物としては、硝酸アンモニウム、硝酸カリウム、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸ソーダ、尿素、炭酸アンモニウム、リン酸カリウム、過リン酸石灰、熔成リン肥(3MgO・CaO・P2O5・3CaSiO2)、硫酸カリウム、塩カリ、硝酸石灰、消石灰、炭酸石灰、硫酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム等が挙げられる。また、有機物としては、鶏フン、牛フン、バーク堆肥、ペプトン、ミエキ、発酵エキス、有機酸(クエン酸、グルコン酸、コハク酸等)のカルシウム塩、脂肪酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、カプリル酸、カプリン酸、カプロン酸等)のカルシウム塩等が挙げられる。これら肥料成分は界面活性剤と併用することもできる。養液土耕や水耕栽培のように、元肥の過剰施用を避け、肥料成分をかん水と同じに与えるようなタイプの栽培形態には、本発明の付与剤組成物はさらに肥料成分を含むのが好ましい。
本発明の植物ストレス耐性付与剤組成物を用いることにより、塩、温度、乾燥といったストレス因子のある栽培条件で栽培した場合に、110%を超える植物ストレス耐性付与率を達成することができる。
(I)植物の準備
培土(肥料成分;N:P:K=0.4:1.9:0.6(g)/培土1kg)を50穴セルトレイに詰め、トマト"桃太郎"(タキイ種苗)の種子を播種し、培土を薄く覆土し、十分に水を灌水し発芽させる。2葉期の葉が完全に展開した段階で、トマトの根部の土を流水で洗い流し、試験に供する。培土としては、呉羽化学(株)製のクレハ園芸培土等を用いることができる。
温度23℃、相対湿度50%、照度5000Lux、1日の明暗周期が16hr明期、8hr暗期に環境条件を制御する。このような環境条件は、例えば、温度及び相対湿度を制御できる部屋または人工気象器において温度を調節し、また、蛍光灯等により照度を調節することで得られる。上記準備によるトマトを水耕液〔水道水にNaClを濃度が3510ppmとなるように加えたもの(NaClによる水ポテンシャル0.29MPa)〕250mlの入った容器(例えばポリエチレン製容器等)に植える。
以下の試験区、対照区1、及び対照区2を作成する。試験区、対照区1、対照区2、何れも個体は10個体(計30個体)用意し、2週間後の植物体全体の生重量を測定する。なお、水分散液の調製の際には植物への影響が少ない既知の界面活性剤等を使用してもよい。
試験区:試験化合物〔糖誘導体型界面活性剤〕の水溶液又は水分散液(濃度100ppm)をトマト1株あたり10ml、葉面に散布処理する。
対照区1:水耕液にNaClを添加する(塩ストレスを与える)が、トマトに試験化合物
(植物ストレス耐性付与剤組成物)を与えない。
対照区2:水耕液にNaClを添加せず(塩ストレスを与えず)、且つトマトに試験化合物(植物ストレス耐性付与剤組成物)を与えない。
得られた植物体全体の生重量の平均値で以下のように標準植物塩ストレス耐性付与率を計算する〔式(i)〕。
なお、上記標準試験における植物ストレス率(標準植物塩ストレス率)は130%近傍となる。この場合、標準植物塩ストレス率は下記の式(ii)'により算出できる。
前記ストレス栽培条件は、好ましくは、栽培環境中の、塩濃度に起因する塩ストレス、水分含有量に起因する乾燥ストレス、及び温度に起因する温度ストレスの少なくとも1つのストレス因子を含む栽培条件である。
ることができる。浸透圧ポテンシャルは、土壌栽培においては、土壌を水で希釈して上澄み液の塩濃度を分析することによって、以下のラウールの法則により計算する。
ラウールの法則 π(atm)=cRT
R=0.082(L・atm/mol・K)
T=絶対温度(K)
c=イオンモル濃度(mol/L)
1atm=0.1MPa
前記塩ストレスは、例えば、土壌栽培における土壌EC値が1.2mS/cm〜3.4mS/cm、または水耕栽培におけるEC値が2.7mS/cm〜5.0mS/cmの塩ストレスである。前記EC値とは、塩類イオン濃度の指標で、溶液の比抵抗の逆数をいい、溶液1cm間における比抵抗値の逆数をmSとして表す。ECの測定方法は、土壌の場合は風乾土の重量1に対して蒸留水5の割合に希釈した溶液、水耕栽培の場合は希釈しない溶液の電気伝導度を電気伝導度計にて測定する。
[試験方法]
(1)A.土壌栽培
試験No:比較(1)(比較例条件(ストレスがない適切な生育条件))
栽培温度:23℃、EC:1.0mS/cm(クレハ培土栽培)、pF値:1.7(毛管飽和状態)
試験No:試験(1)、(2)、(3)(実施例条件(塩ストレス条件))
栽培温度:23℃、EC:1.3、2.0、3.0 mS/cm、pF値:1.7(毛管飽和状態)
(2)B.水耕栽培
試験No:比較(2)(比較例条件(ストレスがない適切な生育条件))
栽培温度:23℃、EC:1.3mS/cm(大塚1/2A処方)
試験No:試験(4)、(5)、(6)(実施例条件(塩ストレス条件))
栽培温度:23℃、EC:2.7、3.9、4.8mS/cm
(3)栽培条件
照度:5000Lux(蛍光灯)、明/暗周期:16hr/8hr
使用土壌:クレハ園芸培土((呉羽化学(株)製)肥料成分;N:P:K=0.4:1.9:0.6(g)/培土1kg)
使用水耕液:大塚1/2A処方条件:(大塚ハウス1号(N:P:K=10:8:27)7.5g/10L、大塚ハウス2号(N:P:K:Ca=10:0:0:23)5g/10Lの配合液でありトータル窒素130ppm、燐酸60ppm、カリウム203ppm)
栽培期間:2週間
(4)植物の準備:呉羽化学(株)製のクレハ園芸培土(肥料成分;N:P:K=0.4:1.9:0.6(g)/培土1kg)を50穴セルトレイに詰め、トマト“桃太郎”の種子を播種し(実施例4では各植物の種子または苗)、クレハ園芸培土を薄く覆土し、十分に水を灌水し発芽させる。2葉期の葉が完全に展開した段階で、トマトの根部の土を丁寧に流水で洗い流し、試験に供した。
(a)糖誘導体型界面活性剤:
POE(20)ソルビタンモノオレイン酸エステル:レオドールTW−O120V(花王(株))
POE(20)ソルビタンモノラウリン酸エステル:レオドールTW−L120(花王(株))
POE(20)ソルビタンモノパルミチン酸エステル:レオドールTW−P120(花王(株))
POE(20)ソルビタンモノステアリン酸エステル:レオドールTW−P120(花王(株))
ソルビタンモノオレイン酸エステル:エマゾールO−10(F)(花王(株))
POE(6)ソルビタンモノオレイン酸エステル:レオドールTW−O106(花王(株))
アルキル(炭素数10)ポリグルコシド:AG−10LK〔花王(株)〕
アルキル(炭素数12−14)ポリグルコシド:AG−124〔花王(株)〕
ショ糖ステアリン酸エステル(炭素数C18、モノエステル比率30重量%、HLB=5):S−570〔三菱化学フーズ(株)〕
ショ糖ステアリン酸エステル(炭素数C18、モノエステル比率50重量%、HLB=9):S−970〔三菱化学フーズ(株)〕
ショ糖ステアリン酸エステル(炭素数C18、モノエステル比率55重量%、HLB=11):S−1170〔三菱化学フーズ(株)〕
ショ糖ステアリン酸エステル(炭素数C18、モノエステル比率70重量%、HLB=15):S−1570〔三菱化学フーズ(株)〕
ショ糖パルチミン酸エステル(炭素数C16、モノエステル比率70重量%、HLB=15):P−1570〔三菱化学フーズ(株)〕
ショ糖オレイン酸エステル(炭素数C18:1(:1は不飽和結合が1であることを示す)、モノエステル比率70重量%、HLB=15):O−1570〔三菱化学フーズ(株)〕
(b)カテキン類:
カテキン(試薬):和光純薬(株)
(c)糖誘導体型以外の界面活性剤
ラウリル硫酸ナトリウム:エマール0(花王(株))
オレイン酸カリウム:FR−14(花王(株))
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム:ネオペレックスNo6(花王(株))
POE(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム:エマールE−70C(花王(株))
ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩:デモールN(花王(株))
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム:ペレックスOT−P(花王(株))
POE(20)ラウリルエーテル:エマルゲン120(花王(株))
POE(20)セチルエーテル:エマルゲン220(花王(株))
POE(20)ステアリルエーテル:エマルゲン320P(花王(株))
POE(20)オレイルエーテル:エマルゲン420(花王(株))
POE(3)ノニルフェニルエーテル:エマルゲン903(花王(株))
POE(5)ラウリルアミン:アミート105(花王(株))
ポリエチレングリコールモノオレイン酸エステル:エマノーン4110(花王(株))
POE(25)硬化ヒマシ油:エマノーンCH−25(花王(株))
ステアリルアミンアセテート:アセタミン86(花王(株))
ステアリルベタイン:アンヒトール86B(花王(株))
ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド:コータミン86W(花王(株))
ラウリルジメチルアミンオキサイド:アンヒトール20N(花王(株))
塩化ベンザルコニウム:サニゾールC(花王(株))
(d)その他の薬剤:
プロリン、グリシンベタイン、ラフィノース:和光純薬(株)
(6)処理液施用量:葉面散布 10ml/株 水耕栽培(地下部処理) 250ml/株
(7)土壌栽培(地下部処理)50ml/株
[塩ストレス耐性付与試験方法]
(1)A.土壌栽培試験
人工気象器において温度23℃、蛍光灯による照度5000Lux、1日の明暗周期が16hr明期、8hr暗期に環境条件を調整した。上記準備によるトマトを3号(9cm)ポットに移植した。試験期間中、塩ストレスを所定の値にするため10%NaCl溶液を1日1回適量添加することでECの調節を行った。表1の化合物を所定濃度で含有する処理液(残部は水)を調製し、葉面散布、または地下部へ処理した。また、各試験区はそれぞれ反復を10個体用意し、試験開始2週間後の各個体の植物体生重量平均値を計算し、各EC条件における無処理区を100とした場合の相対値として表した。ストレスが生じない適切な栽培条件として比較例を作成し、植物活力性能を調べた。その結果、表1に示すように、いずれも本発明品は、比較例のストレスがない条件では生育効果が現れていないのに対し、EC値の高い塩ストレス条件では極めて高い生育向上効果を示し、植物活力付与性能が高かった。また本発明品と比較品を比べても各塩ストレス条件では本発明品の植物活力付与性能が高かった。
人工気象器において温度23℃、蛍光灯による照度5000Lux、1日の明暗周期が16hr明期、8hr暗期に環境条件を調整した。上記準備によるトマトを各ECに調節した水耕液の入ったポリエチレンボトル250mlに植えた。各ECは1/2大塚A処方のEC値1.3を基準とし、適宜比例計算で肥料濃度を増加させ調節した。表1の化合物を所定濃度で含有する処理液(残部は水)を調製し、葉面散布、または地下部へ処理した。また、各試験区はそれぞれ反復を10個体用意し、試験開始2週間後の各個体の植物体生重量の平均値を計算し、各EC条件における無処理区を100とした場合の相対値として表した。またストレスが生じない適切な栽培条件として比較例を作成し、植物活力性能を調べた。得られた結果を表1に示す。その結果、表1に示すように、いずれも本発明品は、比較例のストレスがない条件では生育効果が現れていないのに対し、EC値の高い塩ストレス条件では極めて高い生育向上効果を示し、植物活力付与性能が高かった。また本発明品と比較品を比べても各塩ストレス条件では本発明品の植物活力付与性能が高かった。
[試験条件]
A.土壌栽培(クレハ培土栽培)
試験No:比較(1)(比較例条件(ストレスがない適切な生育条件))
栽培温度:23℃、EC:1.0mS/cm(クレハ培土栽培)、pF値:1.7(毛管飽和状態)
試験No:試験(1)、(2)、(3)(実施例条件(乾燥ストレス条件))
栽培温度:23℃、EC:1.0(クレハ培土栽培)、pF値:2.8、3.5、4.1
その他の条件は実施例1に準じた。
A.土壌栽培試験
人工気象器において温度23℃、蛍光灯による照度5000Lux、1日の明暗周期が16hr明期、8hr暗期に環境条件を調整した。上記準備によるトマトを3号(9cm)ポットに移植した。試験期間中、乾燥ストレスを所定の値にするため水道水を1日1回適量添加することでPF値の調節を行った。表2の化合物の所定濃度で含有する処理液(残部は水)を調製し、葉面散布、または地下部へ処理した。また、各試験区はそれぞれ反復を10個体用意し、試験開始2週間後における各個体の植物体生重量の平均値を計算し、各PF値条件における無処理区を100とした場合の相対値として表した。乾燥ストレスが生じない適切な栽培条件として比較例を作成し、植物活力性能を調べた。得られた結果を表2に示す。その結果、表2に示すように、いずれも本発明品は、比較例の乾燥ストレスが生じない条件では生育効果が現れていないのに対し、PF値の高い乾燥ストレス条件では極めて高い生育向上効果を示し、植物活力付与性能が高かった。また本発明品と比較品を比べても各乾燥ストレス条件では本発明品の植物活力付与性能が高かった。
[試験条件]
A.土壌栽培(クレハ培土栽培)
試験No:比較(1)(比較例条件(ストレスがない適切な生育条件))
栽培温度:23℃、EC:1.0mS/cm(クレハ培土栽培)、pF値:1.7(毛管飽和状態)
試験No:試験(1)、(2)、(3)、(4)(実施例条件(温度ストレス条件))
栽培温度:23℃、EC:1.0(クレハ培土栽培)、温度:10℃、16℃、29℃、35℃
その他の条件は実施例1に準じた。
A.土壌栽培試験
人工気象器において蛍光灯による照度5000Lux、1日の明暗周期が16hr明期、8hr暗期、及び各温度に環境条件を調整した。上記準備によるトマトを3号(9cm)ポットに移植した。表3の化合物の所定濃度で含有する処理液(残部は水)を調製し、葉面散布、または地下部へ処理した。また、各試験区はそれぞれ反復を10個体用意し、試験開始2週間後における各個体の植物体生重量の平均値を計算し、各温度条件における無処理区を100とした場合の相対値として表した。温度ストレスが生じない適切な栽培条件として比較例を作成し、植物活力性能を調べた。その結果、表3に示すように、いずれも本発明品は、比較例の温度ストレスが生じない条件では生育効果が現れていないのに対し、温度ストレス条件では極めて高い生育向上効果を示し、植物活力付与性能が高かった。また本発明品と比較品を比べても各温度ストレス条件では本発明品の植物活力付与性能が高かった。
[試験条件]
A.土壌栽培(クレハ培土栽培)
試験No:比較(1)(比較例条件(ストレスがない適切な生育条件))
栽培温度:23℃、EC:1.0mS/cm(クレハ培土栽培)、pF値:1.7(毛管飽和状態)
試験No:試験(1)(実施例条件(乾燥ストレス条件))
栽培温度:23℃、EC:1.0(クレハ培土栽培)、pF値:3.5
その他の条件は実施例1に準じた。
[乾燥ストレス耐性付与試験方法]
A.土壌栽培試験
人工気象器において温度23℃、蛍光灯による照度5000Lux、1日の明暗周期が16hr明期、8hr暗期に環境条件を調整した。上記準備による各植物を5号(15cm)ポットに移植した。試験期間中、乾燥ストレスを所定の値にするため水道水を1日1回適量添加することでPF値の調節を行った。表4の化合物の所定濃度で含有する処理液(残部は水)を調製し、葉面散布、または地下部へ処理した。また、各試験区はそれぞれ反復を10個体用意し、試験開始2週間後における各個体の植物体生重量の平均値を計算し、各PF値条件における無処理区を100とした場合の相対値として表した。乾燥ストレスが生じない適切な栽培条件として比較試験(試験No:比較(1))を作成し、植物活力性能を調べた。得られた結果を表4に示す。その結果、表4に示すように、いずれも本発明品は、比較例の乾燥ストレスが生じない条件では生育効果が現れていないのに対し、PF値の高い乾燥ストレス条件では極めて高い生育向上効果を示し、植物活力付与性能が高かった。また本発明品と比較品を比べても各乾燥ストレス条件では本発明品のストレス耐性付与性能が高かった。
Claims (6)
- 糖誘導体型界面活性剤とカテキン類と水とを含有する植物ストレス耐性付与剤組成物であって、
前記糖誘導体型界面活性剤が、糖と脂肪酸とのエステル、糖アルコールと脂肪酸とのエステル、およびアルキルグリコシドからなる群から選択される構造を有する糖誘導体型界面活性剤を1種以上含み、
前記付与剤組成物に含まれる水以外の成分の合計において、前記糖誘導体型界面活性剤の含有量が、85〜99.9重量%である植物ストレス耐性付与剤組成物。 - 前記アルキルグリコシドが、下記の一般式(1):
R1(OR2)xGy (1)
〔式中、R1は直鎖又は分岐鎖の炭素数8〜18のアルキル基、アルケニル基、又はアルキルフェニル基を示し、R2は炭素数2〜4のアルキレン基を示し、Gは炭素数5〜6を有する還元糖に由来する残基を示し、x(平均値)は0〜5である数を、y(平均値)は1〜5である数を示す〕で表される請求項1記載の植物ストレス耐性付与剤組成物。 - 請求項1または2のいずれかに記載の植物ストレス耐性付与剤組成物を、植物ストレス率が111〜200%のストレス栽培条件にある植物に施用する工程を含む植物ストレス耐性付与方法。
- 前記ストレス栽培条件が、栽培環境中の、塩濃度に起因する塩ストレス、水分含有量に起因する乾燥ストレス、及び温度に起因する温度ストレスの少なくとも1つのストレス因子を含む栽培条件である請求項3に記載の植物ストレス耐性付与方法。
- 前記塩ストレスが、土壌栽培における土壌EC値が1.2mS/cm〜3.4mS/cm、または水耕栽培におけるEC値が2.7mS/cm〜5.0mS/cmの塩ストレスであり、
前記乾燥ストレスが、土壌pF値が2.7〜4.2の乾燥ストレスであり、
前記温度ストレスが、平均栽培温度が28〜40℃又は5〜17℃の温度ストレスである請求項4に記載の植物ストレス耐性付与方法。 - 請求項3〜5のいずれかに記載の植物ストレス耐性付与方法を含む植物の生産方法。
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