JP2002029908A - 植物成長調整剤 - Google Patents

植物成長調整剤

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JP2002029908A
JP2002029908A JP2000215667A JP2000215667A JP2002029908A JP 2002029908 A JP2002029908 A JP 2002029908A JP 2000215667 A JP2000215667 A JP 2000215667A JP 2000215667 A JP2000215667 A JP 2000215667A JP 2002029908 A JP2002029908 A JP 2002029908A
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Japan
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surfactant
plant growth
growth regulator
solubilized
emulsified
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JP2000215667A
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English (en)
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Shinichi Inada
進一 稲田
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JORIIBU KK
Original Assignee
JORIIBU KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、植物成長調整剤において毒性の影
響力をできる限り無くすと共に防虫抗菌作用を有する植
物成長調整剤であって安全かつ速効性を有し効果の極め
て高い植物成長調整剤の提供を課題とする。 【解決手段】 天然物質から抽出した抗菌物質と、界面
活性剤又は高級アルコール系非イオン界面活性剤とを含
有し、乳化或いは可溶化した植物成長調整剤によって前
記課題を解決できる。この場合界面活性剤又は高級アル
コール系非イオン界面活性剤に代えて/又はこれと共に
水を含有する植物成長調整剤によっても前記課題を解決
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は天然精油等と界面活
性剤又は水を主成分とし乳化或いは可溶化した防虫抗菌
作用を有する植物成長調整剤に関する。
【0002】
【従来技術】従来、植物成長調整剤に関しては種々の成
長調整剤が用いられていたが、有害動物などに対し毒性
を有する反面これらの有害動物以外に対しても影響が出
てしまう可能性が高い。特に、無機化合物などを用いる
ものが多く、これらはその取扱などに際しては人体への
影響や植物自体に与える影響、或いは果実に対する影響
等も考慮して、その使用量などを厳密に制限することが
必要であった。特に、例えば食材としての植物の成長剤
に関しては農薬等は必要とされる反面、この毒性等に着
目し、無農薬により栽培しているところも散見される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この場合、先ず植物成
長調整剤において、例えば有害動物の駆除において毒性
を有していることから、毒性の影響力を有害動物以外に
対してできる限り無くす事が必要となる。また食材とし
ての植物に関しても、できる限り毒性をなくす反面有害
動物などの駆除に効果のあるものが要求されている。併
せて植物の成長を促進させる効果も要求されている。従
って特に、安全かつ効果の極めて高い何等かの植物成長
調整剤を望まれていたものである。また、この様な植物
成長調整剤を散布する場合、原液を薄め液にて数千倍程
度に薄めて散布するものであることから、この薄められ
た植物成長調整剤が均等に薄められて、散布時の原液を
均等に広く散布できるものであることが要求される。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記欠点を解消
し、上記要請に沿うべく人体においても使用可能なもの
のみ或いはこれらのものを中心として使用し、かつ天然
精油からなる抗菌性物質を特に用いた防虫抗菌作用を有
する植物成長調整剤であって、かつ散布の効率を高める
ために乳化或いは可溶化した植物成長調整剤を提供する
ものである。かかるため、請求項1の発明は、天然物質
から抽出した抗菌物質と、界面活性剤又は高級アルコー
ル系非イオン界面活性剤とを含有し、乳化或いは可溶化
した植物成長調整剤であり、これにより上記課題の解決
ができる。次に請求項2にかかる発明である、食品添加
物である天然物質から抽出した抗菌物質と、界面活性剤
又は高級アルコール系非イオン界面活性剤とを含有し、
乳化或いは可溶化した植物成長調整剤により達せられ
る。
【0005】また請求項3にかかる発明である天然精油
のうち抗菌作用を有する抽出物と、界面活性剤又は高級
アルコール系非イオン界面活性剤とを含有し、乳化或い
は可溶化した植物成長調整剤により達せられる。或いは
請求項4にかかる発明である植物精油又はその成分を有
する天然精油であって抗菌作用を有する抽出物と、界面
活性剤又は高級アルコール系非イオン界面活性剤とを含
有し、乳化或いは可溶化した植物成長調整剤により達せ
られる。或いは請求項5にかかる発明である白子蛋白
と、界面活性剤又は高級アルコール系非イオン界面活性
剤とを含有し、乳化或いは可溶化した植物成長調整剤に
よって達せられる。また請求項6にかかる発明であるε
−ポリリジンを有する天然抗菌物質と、界面活性剤又は
高級アルコール系非イオン界面活性剤とを含有し、乳化
或いは可溶化した植物成長調整剤によっても達せられ
る。また請求項7にかかる発明であるリゾチームと界面
活性剤又は高級アルコール系非イオン界面活性剤とを含
有し、乳化或いは可溶化した植物成長調整剤によっても
同様である。
【0006】また請求項8にかかる発明であるペクチン
分解物を用いたものであってもよい。或いは請求項9に
かかる発明である孟宗竹のエタノール抽出物であるキノ
ン誘導体を用いたものであってもよい。また請求項10
にかかる発明である茶抽出物に変えたものであってもよ
い。また請求項11にかかる発明であるキトサンを用い
たものでも同様である。また請求項12にかかる発明で
ある醸造酢を用いてもよい。また請求項13にかかる発
明であるグレープフルーツ種子抽出物を用いてもよい。
【0007】また請求項14にかかる発明であるハーブ
抽出物を用いてもよい。また請求項15にかかる発明で
あるフェノール性成分またはその配糖体を有する植物精
油を用いたものであってもよい。また請求項16にかか
る発明であるファイトアレキシン成分を有する植物精油
を用いても同様である。また請求項17にかかる発明で
ある抗酸化剤を用いてもよい。或いは請求項18にかか
る発明であるテルペン系精油であってもよい。この他、
請求項19にかかる発明であるプロポリスであってもよ
い。上記の他、請求項20にかかる発明である界面活性
剤又は高級アルコール系非イオン界面活性剤に代え/ま
たはこれに加えて水を含有し、乳化或いは可溶化した植
物成長調整剤によってもよい。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を説明する
に、先ず基本として天然物質から抽出した抗菌物質を用
いた植物成長調整剤により、天然物質による殺虫作用及
び抗菌作用を有する植物成長調整剤を得ることができ
る。これは何等化学物質を用いておらず、自然環境の汚
染等を引き起こさないものである。また上記抗菌物質と
界面活性剤又は高級アルコール系非イオン界面活性剤と
を含有するものであり、他の必要溶剤を必要に応じて混
合し、これらを撹拌して乳化或いは可溶化した植物成長
調整剤を得て、植物に散布する場合には効率よくかつ均
等に散布することが可能となる。
【0009】即ち天然の抗菌物質が広くかつ均一に植物
にふりかけることが可能となる。特に上記抗菌物質の割
合が一定程度以下の場合には可溶化した植物成長調整剤
を得ることが可能である。すなわち、全体量の約50%
以下に天然の抗菌物質の混合割合を押さえた場合には可
溶化しやすい。また界面活性剤又は高級アルコール系非
イオン界面活性剤を混合することにより、可溶化しやす
い植物成長調整剤を得ることが可能である。従って、天
然の抗菌物質の混合割合が多い場合には界面活性剤又は
高級アルコール系非イオン界面活性剤の混合割合を増や
すことにより可溶化した植物成長調整剤を得ることがで
きる。反面、可溶化せずに白濁化した状態である乳化の
状態においても、薄め液等により薄めて散布すれば一定
程度の混合が可能であり、広く散布した場合に広い範囲
で一定程度の有効な効果を発揮できる。
【0010】この他例えば、水を加えるものであっても
よい。これは、水によっても天然の抗菌物質が乳化又は
可溶化し得るからであり、界面活性剤又は高級アルコー
ル系非イオン界面活性剤と共に水を含有することにより
可溶化し得るものである。特に水によりコストを押さえ
た植物成長調整剤の製造が可能となる。また、界面活性
剤又は高級アルコール系非イオン界面活性剤に代えて水
を含有するものであってもよい。例えば天然の抗菌物質
によっても異なるが概ね全体量の三分の一以下の含有量
に天然の抗菌物質を抑え、水を全体量の半分以上含有す
ることにより界面活性剤又は高級アルコール系非イオン
界面活性剤を含有しなくとも可溶化した植物成長調整剤
を得られる可能性を有する。
【0011】また、界面活性剤又は高級アルコール系非
イオン界面活性剤を用いず水を含有する場合において他
の溶剤の混合割合によっては、水が全体量の半分以下で
あって、かつ天然の抗菌物質が全体量の三分の一以上の
含有量を有する場合にも可溶化した植物成長調整剤を得
られる可能性を有する。これらのように可溶化した植物
成長調整剤を得る場合には天然の抗菌物質の種類や他の
溶剤の量や種類によって、その全体量のうちの占める割
合は変動するからである。
【0012】次に食品添加物である天然物質から抽出し
た抗菌物質を用いる請求項2は人体に摂取しても安全で
ある食品添加物であることから、自然環境の保護のみな
らず散布者の安全も確保できる。また例えば食材として
用いられる植物に対して用いた場合には、植物にも蓄積
し得る可能性があることから、食品添加物である天然物
質から抽出した抗菌物質が蓄積するので、この植物を摂
取する人体等に対しても害が生ずることは極めて低くな
る。食品添加物である天然物質とは例えば魚類の成熟精
巣から抽出される白子蛋白や卵白、レモン、ブドウ、リ
ンゴ等の果実や野菜のペクチン分解物、孟宗竹をエタノ
ール抽出したもの、グレープフルーツの種子、茶、蜂蜜
等から得られるプロポリス等が該当する。
【0013】或いはカニやエビ等の甲殻類の殻から得ら
れるキトサン、醸造酢、黄連・黄柏・紫根・桂皮・厚朴
等の生薬や、オウバク、ドクダミ、オランダガシラ、シ
ソ、ヨモギ、キンケイギク、シラビソ、エンレイソウ、
ウコギ、カバノキ、杏仁、桃仁、山椒、芥子、ガーリッ
ク、セロリ等である。またハッカ、カミツレ、セージ、
タイム、レモングラス、クローブ、クミン、スペアミン
ト、タラゴン、ユーカリ、エストラゴン等のハーブ類が
該当する。またこの抗菌物質とは、例えばサケのSal
minやニシンのClupeine、チョウザメのSt
urine、サバのScombrine、ボラのMug
iline、等やε−ポリリジン、卵白を樹脂精製等す
る場合に得られるリゾチームがある。
【0014】また、D−ガラクツロン酸が直鎖状にα
(1−4)結合した高分子化合物でガラクツロン酸の
他、ガラクトース、アラビノース、キシロース、ラムロ
ース等の中性糖を含有する複合多糖類で、このペクチン
を酵素によって分解したペクチン分解物も該当する。或
いはキノン誘導体、グレープフルーツの種子より水又は
エタノール溶剤で抽出した脂肪酸やフラボノイド等、お
茶の葉を水又はエタノール溶剤で抽出した植物性ポリフ
ェノール類等、カニやエビ等の甲殻類の殻から得られる
キチンを濃アルカリで脱アセチル化することによって得
られるD−グルコサミンがβ−1,4結合したホモ多糖
類、醸造酢の酢酸、生薬におけるベルベリン、シコニ
ン、ホノキオール、サポニン、クロロゲン酸・タンニン
酸・クマリン・フラボノイド等のフェノール性成分及び
その配糖体、ファイトアレキシン、メンソール・ティモ
ール等が該当する。
【0015】この場合においても界面活性剤又は高級ア
ルコール系非イオン界面活性剤を含有することにより乳
化又は可溶化した植物成長調整剤を得ることができ、界
面活性剤又は高級アルコール系非イオン界面活性剤に代
え/又はこれと共に水を含有した場合であっても乳化又
は可溶化した植物成長調整剤を得ることができる。尚、
これらの含有量に関しては両者の混合比率はその種類や
他の溶剤などとの関係から各々相違するものであり、特
に可溶化した植物成長調整剤を得る場合にもその種類や
他の溶剤との関係から一律の量は特定し得ない。但し、
食品添加物である天然物質から抽出した抗菌物質と界面
活性剤又は高級アルコール系非イオン界面活性剤とを含
有する場合、該抗菌物質と水とを含有する場合、該抗菌
物質と界面活性剤又は高級アルコール系非イオン界面活
性剤と水とを含有する場合、いずれの場合にも可溶化し
た植物成長調整剤を得ることができる。
【0016】次に請求項3にかかる発明である天然精油
のうち抗菌作用を有する抽出物又は請求項4にかかる発
明であるこの植物精油又はその成分を有する天然精油或
いは抗菌作用を有する抽出物を用いた植物成長調整剤で
あっても同様に殺虫作用及び抗菌作用を有する植物成長
調整剤を得ることができる。尚、天然精油とは天然物質
から抽出した精油を指し、また植物精油とは植物から抽
出した精油を指す。即ち、天然製油とは前述の天然物質
から抽出した精油を指し、また植物製油としては、例え
ばラベンダー・メリッサ・西洋ハッカ・サルビア・ロー
ズマリー・ペパーミント・ローレル・ユーカリプタス・
クローブ・アスナロ・カシア・ディル・レモン・シトロ
ネラ・タイム・ユーカリ・シオネール・ターペンティン
・レモングラスやテルペン系等の精油が該当する。
【0017】これらの天然精油は、界面活性剤又は高級
アルコール系非イオン界面活性剤と可溶化しやすく、天
然精油を含む界面活性剤又は高級アルコール系非イオン
界面活性剤とを含有する本発明は、これらを混合撹拌し
て乳化或いは可溶化した植物成長調整剤を得ることが容
易であり、かつ、植物に散布する場合には効率よくかつ
均等に散布することが可能となる。この場合において
も、界面活性剤又は高級アルコール系非イオン界面活性
剤に代え/又はこれと共に水を含有した場合であっても
乳化又は可溶化した植物成長調整剤を得ることができ
る。尚、これらの含有量に関しては両者の混合比率はそ
の種類や他の溶剤等との関係から各々相違するものであ
り、特に可溶化した植物成長調整剤を得る場合にもその
種類や他の溶剤との関係から一律の量は特定し得ない
が、いずれの場合にもその含有割合を適宜定めることに
より可溶化した植物成長調整剤を得ることができる。
尚、この場合これら天然精油のうち抗菌作用を有する抽
出物のうち食品添加物又は食材として用いられるものを
用いたものであってもよい。
【0018】次に請求項5にかかる発明は、特に白子蛋
白を用いたものである。この白子蛋白は、魚類の成熟精
巣から抽出された塩基性アミノ酸を多く含む比較的低分
子の蛋白質で、アミノ酸組成に占めるアルギニン含量は
約70モル%である。抗菌性としては細菌類のほか、カ
ビ、酵母などの真菌類にも有効であり、特に枯草菌や乳
酸菌などのグラム陽性菌に効果が高い。請求項6にかか
る発明はε−ポリリジンを有する天然抗菌物質を用いた
植物成長調整剤であり、細菌類のほか、カビ、酵母など
の真菌類にも有効であり、広い抗菌スペクトルを有して
いる。請求項7にかかる発明はリゾチームを用いた植物
成長調整剤であり、好気性の芽胞菌には効果的に作用す
る。請求項8にかかる発明はペクチン分解物を用いた植
物成長調整剤であり、このペクチン分解物中に存在する
オリゴガラクツロン酸及びガラクツロン酸の非解離のカ
ルボキシル基による殺菌効果と、ポリガラクツロン酸に
由来する増殖抑制により抗菌作用を発揮する。
【0019】請求項9にかかる発明は孟宗竹のエタノー
ル抽出物であるキノン誘導体を用いた植物成長調整剤で
あり、細菌類のほか、カビ、酵母などの真菌類にも有効
であり、広い抗菌スペクトルを有している。次に請求項
10にかかる発明は茶抽出物を用いた植物成長調整剤で
あり、主としてエピカテキン、エピカテキンガレート、
エピロカテキン、エピロカテキンガレートにより構成さ
れるカテキン類の抗菌性により細菌の発育を阻止でき
る。請求項11にかかる発明はキトサンを用いた植物成
長調整剤であり、主として細菌類に対して効果的であ
る。請求項12にかかる発明は醸造酢を用いた植物成長
調整剤であり、特に有機酸系の物質の中では高い抗菌性
を有する。
【0020】請求項13にかかる発明はグレープフルー
ツ種子抽出物を用いた植物成長調整剤であり、グレープ
フルーツ種子より、水又はエタノール等の溶剤で抽出し
た脂肪酸やフラボノイドを用いたものである。細菌類の
みならず真菌類に対しても強い微生物抑止効果を有して
いる。請求項14にかかる発明はハーブ抽出物を用いた
植物成長調整剤であり、ハーブ抽出精油を用いたものが
最も有効である。例えばラベンダー・西洋ハッカ・サル
ビア・ローズマリー・ペパーミント・ローレル・ユーカ
リプタス・クローブ・アスナロ・カシア・シトロネラ・
タイム・ユーカリ・シネオール・ターペンティン・レモ
ングラス・リナロール・ディル・日本ハッカ等の精油が
該当する。
【0021】これらは種類により若干抗菌性を異にする
が、ラベンダー・西洋ハッカ等は強い殺ダニ特性を有
し、リナロールが各種の各種の虫の卵等や昆虫駆除に効
果的であり、ユーカリ・シネオール・ディル・日本ハッ
カ・ターペンティン等がコクゾウムシやハエ等に対して
強い殺虫作用や忌避作用を有する。請求項15にかかる
発明はフェノール性成分またはその配糖体を有する植物
精油を用いた植物成長調整剤である。フェノール性成分
であるクロロゲン酸・タンニン酸・クマリン・フラボノ
イド等は、植物界に広く分布しているものであり、高い
抗菌性を有するものである。従って、かかるフェノール
性成分に着目して植物成長調整剤に用いたものである。
【0022】次に請求項16にかかる発明はファイトア
レキシン成分を有する植物精油を用いた植物成長調整剤
である。各種植物は菌の感染を受けて特定のファイトア
レキシンを生成するが、どの様な菌に対しても同一の化
合物を生成する。これは植物の病原菌からの抗体であ
り、抗菌性物質であることから、かかるファイトアレキ
シンを用いるものである。請求項17にかかる発明は、
抗酸化剤を用いた植物成長調整剤であり、抗酸化剤の抗
菌性に着目したものである。請求項18にかかる発明は
テルペン系精油を用いた植物成長調整剤である。これも
テルペン系精油の抗菌、殺虫作用に着目して用いたもの
である。請求項19にかかる発明はプロポリスを用いた
植物成長調整剤である。例えば外敵の侵入を防ぐと共に
殺菌作用に着目して、蜜蜂が植物から運んできて蜜蜂の
巣の出入り口付近に塗り付ける樹脂状のプロポリスを用
いるものであり、この防虫及び殺菌作用に着目して用い
るものである。尚、プロポリス自体は必ずしも蜜蜂の巣
から採取したものに限らず、プロポリス成分を有してい
るものを用いたものであればよい。
【0023】請求項5乃至請求項19にかかる発明は抗
菌殺虫作用のある天然物質として存在している物質又は
抗菌、殺虫効果のある物質であり、これらを用いた植物
成長調整剤であって、界面活性剤又は高級アルコール系
非イオン界面活性剤に代え/またはこれに加えて水を含
有して、乳化又は可溶化した植物成長調整剤を得ること
ができる。特に前述と同様に可溶化した植物成長調整剤
を得る場合、これらの含有量に関しては両者の混合比率
はその種類や他の溶剤等との関係から各々相違するもの
であり、その種類や他の溶剤との関係から一律の量は特
定し得ないが、いずれの場合にもその含有割合を適宜定
めることにより可溶化した植物成長調整剤を得ることが
できる。
【0024】以上のように殺虫作用及び抗菌作用に着目
したものであるが、実際に散布した場合には害虫を寄せ
つけないばかりでなく、植物自体の成長が極めてよく、
葉のつき方や花弁植物の花弁の数のみならず作物にあっ
ては作物のつき方が極めて多くなるものである。次に請
求項20記載の発明は界面活性剤又は高級アルコール系
非イオン界面活性剤に代え/またはこれに加えて水を含
有したものである。前述のように水はコスト面で極めて
安く、また入手が容易であることからこの水を界面活性
剤又は高級アルコール系非イオン界面活性剤に代え/ま
たはこれに加えて用いたものである。特に水を用いた場
合にも乳化又は可溶化することができ、特に適宜その混
合割合を定める事により可溶化した植物成長調整剤を得
ることができる。尚、この界面活性剤としてはポリオキ
シエチレンソルビタンモノラウレートが考えられるが、
これに限らずエチレンオキサイド系でもよくまた多価ア
ルコール型でもよく、非イオン活性剤であればよい。
【0025】例えばポリオキシエチレンオレイン酸系エ
ステルやアルキルフェノール系のノニルフェノール系エ
ーテル、オクチルフェノール系エーテル、ドデシルフェ
ノール系エーテルであってもよく天然或いは合成の高級
アルコール系非イオン等であってもよい。特に高級アル
コール系非イオン界面活性剤やポリオキシエチレンソル
ビタンモノラウレートを用いた場合には特に高い浸透性
を有し、植物に散布した場合に葉や茎等に吸収されやす
いものであり、その効果を十分かつ早急に発揮できるも
のである。但し界面活性であるH.L.B(Hydro
phile−LipophileBalance)が1
0以上あるものが望ましい。界面活性であるH.L.B
の高い親水性の高い界面活性剤を用いると少ない含有割
合すなわち混合割合によっても可溶化しやすくなるから
である。これらの植物成長調整剤は、その抗菌・殺菌作
用を発揮する場合に天然物質や食品添加物である天然物
質、植物精油等自然界に従来より存在する物質である事
からこれらを用いる事により安全性が高まる。
【0026】またこの植物成長調整剤を例えば3000
倍程度に希釈化し植物に散布する事により、害虫を寄せ
付けることがなく、極めて効率のよい防虫作用を有す
る。併せて抗菌作用により植物の成長調整できるととも
に、植物の成長が極めて良くなるものである。また乳化
又は可溶化したものであり植物への散布に際しても全体
にくまなく均等に散布できるものである。特に可溶化し
た場合には植物の散布に際し均等にその成分を散布で
き、効率よく植物成長調整剤の植物への添加を可能とす
る。
【0027】
【発明の効果】1.本発明は植物成長調整剤において毒
性の影響力をできる限り無くすと共に防虫抗菌作用を有
する植物成長調整剤の提供を可能とし、植物の成長の促
進が図れるという第一の効果を有する。 2.含有成分として水を用いた場合には極めて低コスト
で製造可能であるという第二の効果を有する。 3.可溶化した本発明に係る植物成長調整剤にあって
は、薄めて散布する場合にもその成分を効果的にかつ均
等に散布可能とするという第三の効果を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A01N 37/02 A01N 37/02 61/00 61/00 D 63/00 63/00 A 63/02 63/02 Z

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然物質から抽出した抗菌物質と、界面
    活性剤又は高級アルコール系非イオン界面活性剤とを含
    有し、乳化或いは可溶化したことを特徴とする植物成長
    調整剤。
  2. 【請求項2】 食品添加物である天然物質から抽出した
    抗菌物質と、界面活性剤又は高級アルコール系非イオン
    界面活性剤とを含有し、乳化或いは可溶化したことを特
    徴とする植物成長調整剤。
  3. 【請求項3】 天然精油のうち抗菌作用を有する抽出物
    と、界面活性剤又は高級アルコール系非イオン界面活性
    剤とを含有し、乳化或いは可溶化したことを特徴とする
    植物成長調整剤。
  4. 【請求項4】 植物精油又はその成分を有する天然精油
    であって抗菌作用を有する抽出物と、界面活性剤又は高
    級アルコール系非イオン界面活性剤とを含有し、乳化或
    いは可溶化したことを特徴とする植物成長調整剤。
  5. 【請求項5】 白子蛋白と、界面活性剤又は高級アルコ
    ール系非イオン界面活性剤とを含有し、乳化或いは可溶
    化したことを特徴とする植物成長調整剤。
  6. 【請求項6】 ε−ポリリジンを有する天然抗菌物質
    と、界面活性剤又は高級アルコール系非イオン界面活性
    剤とを含有し、乳化或いは可溶化したことを特徴とする
    植物成長調整剤。
  7. 【請求項7】 リゾチームと、界面活性剤又は高級アル
    コール系非イオン界面活性剤とを含有し、乳化或いは可
    溶化したことを特徴とする植物成長調整剤。
  8. 【請求項8】 ペクチン分解物と、界面活性剤又は高級
    アルコール系非イオン界面活性剤とを含有し、乳化或い
    は可溶化したことを特徴とする植物成長調整剤。
  9. 【請求項9】 孟宗竹のエタノール抽出物であるキノン
    誘導体と、界面活性剤又は高級アルコール系非イオン界
    面活性剤とを含有し、乳化或いは可溶化したことを特徴
    とする植物成長調整剤。
  10. 【請求項10】 茶抽出物と、界面活性剤又は高級アル
    コール系非イオン界面活性剤とを含有し、乳化或いは可
    溶化したことを特徴とする植物成長調整剤。
  11. 【請求項11】 キトサンと、界面活性剤又は高級アル
    コール系非イオン界面活性剤とを含有し、乳化或いは可
    溶化したことを特徴とする植物成長調整剤。
  12. 【請求項12】 醸造酢と、界面活性剤又は高級アルコ
    ール系非イオン界面活性剤とを含有し、乳化或いは可溶
    化したことを特徴とする植物成長調整剤。
  13. 【請求項13】 グレープフルーツ種子抽出物と、界面
    活性剤又は高級アルコール系非イオン界面活性剤とを含
    有し、乳化或いは可溶化したことを特徴とする植物成長
    調整剤。
  14. 【請求項14】 ハーブ抽出物と、界面活性剤又は高級
    アルコール系非イオン界面活性剤とを含有し、乳化或い
    は可溶化したことを特徴とする植物成長調整剤。
  15. 【請求項15】 フェノール性成分またはその配糖体を
    有する植物精油と、界面活性剤又は高級アルコール系非
    イオン界面活性剤とを含有し、乳化或いは可溶化したこ
    とを特徴とする植物成長調整剤。
  16. 【請求項16】 ファイトアレキシン成分を有する植物
    精油と、界面活性剤又は高級アルコール系非イオン界面
    活性剤とを含有し、乳化或いは可溶化したことを特徴と
    する植物成長調整剤。
  17. 【請求項17】 抗酸化剤と、界面活性剤又は高級アル
    コール系非イオン界面活性剤とを含有し、乳化或いは可
    溶化したことを特徴とする植物成長調整剤。
  18. 【請求項18】 テルペン系精油と、界面活性剤又は高
    級アルコール系非イオン界面活性剤とを含有し、乳化或
    いは可溶化したことを特徴とする植物成長調整剤。
  19. 【請求項19】 プロポリスと、界面活性剤又は高級ア
    ルコール系非イオン界面活性剤とを含有し、乳化或いは
    可溶化したことを特徴とする植物成長調整剤。
  20. 【請求項20】 界面活性剤又は高級アルコール系非イ
    オン界面活性剤に代え/またはこれに加えて水を含有
    し、乳化或いは可溶化したことを特徴とする請求項1乃
    至19のいずれか一に記載の植物成長調整剤。
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