JP2008206454A - 植物の栽培方法 - Google Patents

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孝行 野村
Tomoko Uchiyama
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Abstract

【課題】作業効率に優れ、効果的に植物の生育を促進させる、増収効果に優れた植物の栽培方法を提供することを目的とする。
【解決手段】植物を栽培する際に、栽培環境の二酸化炭素濃度を400〜5000ppmとすること、及び、特定構造の化合物(A)を1〜1000ppmの濃度で含有する処理液を植物に施用することを行う。
【選択図】なし

Description

本発明は、植物の活力を向上させる植物の栽培方法に関し、更に、植物の生育を促進させる植物の栽培方法に関する。ここで、以下「植物」は、植物の語自体から認識されうるもの、野菜、果実、果樹、穀物、草花、香草(ハーブ)、樹木、分類学上の植物等を表すものとする。
農作物の生長を促進し、単位面積当たりの収穫量を増やして増収をはかることは農業生産上重要な課題であり、そのために必要な種々の植物生長調節剤が開発利用されている。ジベレリンやオーキシン等に代表される植物生長調節剤は、発芽、発根、伸長、花成り、着果等生育、形態形成反応の調節のために用いられているが、これらの物質の作用は多面的かつ複雑であり、用途が限定されている。
このような問題を解決するために、特許文献1には、種々の農作物に対して顕著な増収効果を目的として特定のアルコール、脂肪酸、有機酸、グリセリド、エーテルを農作物用増収剤として、必要により界面活性剤、肥料成分、キレート剤と共に用いることが提案されている。また、特許文献2には、所定の化合物を用いた果菜類の増収栽培方法が提案されている。
一方、植物の収量向上を栽培環境や栽培方法に着目して達成しようとする提案も種々されている。例えば特許文献3、4には、光を所定条件で照射すると共にCO2濃度を高濃度とする植物育成方法が開示されている。また、特許文献5には、栽培空間に炭酸ガスイオンを供給する植物の促成栽培装置が開示されている。また、特許文献6には、二酸化炭素を溶解させた溶液を供給する植物類生育方法が開示されている。
特開2002−265305号 特開2006−51021号 特開昭61−100131号 特開昭61−100132号 特開平3−4720号 特開平8−84530号
しかしながら、農作物の増収効果については、更なる向上が望まれている。本発明は、作業効率に優れ、効果的に植物の生育を促進させる、増収効果に優れた植物の栽培方法を提供することを目的とする。
本発明は、植物を栽培する際に、栽培期間の少なくとも一部で栽培環境の二酸化炭素濃度を400〜5000ppmとすること、及び、下記一般式(1)で表される化合物(A)を1〜1000ppmの濃度で含有する処理液を植物に施用することを行う、植物の栽培方法に関する。
Figure 2008206454
(式中、R1は炭素数10〜22の炭化水素基、R2は水素原子、水酸基又は炭素数1〜24の炭化水素基、R3は水素原子又は炭素数1〜24の炭化水素基を表す。)
本発明によれば、作業効率に優れ、効果的に植物の生育を促進させ、増収効果に優れた植物の栽培方法が提供される。
本発明では、植物を栽培する際に、栽培期間の少なくとも一部で栽培環境の二酸化炭素濃度を400〜5000ppmとする。大気中の二酸化炭素濃度は、360ppm程度であり、本発明では、これよりも高い二酸化炭素濃度の環境下で植物を栽培する。二酸化炭素が高濃度の栽培環境では、二酸化炭素濃度は400〜5000ppmであり、好ましくは400〜3000ppmである。このような二酸化炭素濃度とされる栽培環境は、ビニールハウス、温室(ガラス温室、ビニール温室等)等の閉鎖空間が好適であるが、植物近傍の雰囲気において二酸化炭素濃度を高くできれば、露地栽培等でもよい。
栽培環境の二酸化炭素濃度を400〜5000ppmとする方法としては、液化二酸化炭素ガスボンベから二酸化炭素を供給する方法、LPガスや灯油など有機物を燃焼させて発生した二酸化炭素を供給する方法、ドライアイスを放置する方法、あるいは無機物の炭酸塩を中和して得られる二酸化炭素ガスを供給する方法などが挙げられる。栽培環境の二酸化炭素濃度は、例えばヴァイサラ株式会社製のハンディタイプCO2計GM70など市販の二酸化炭素測定器により測定することができ、必要に応じて環境雰囲気中の二酸化炭素濃度を増減して二酸化炭素濃度が所定範囲となるように調整すればよい。二酸化炭素濃度は、人工気象器内では、強制的に気流を発生させ、それに付属する二酸化炭素測定器により所定値にコントロールされる。一方、ビニールハウスや温室等の閉鎖空間又は露地栽培においては、二酸化炭素濃度は、植物近傍の雰囲気において植物と同じ程度の高さの部分(通常、地上部の最高部分)で測定され、複数点測定した平均値が所定値にコントロールされる。
本発明では栽培期間の少なくとも一部をこの範囲の二酸化炭素濃度とすればよいが、栽培期間の全部でこの範囲の二酸化炭素濃度とすることが好ましい。一般に、栽培の終了とは、植物が目的の育成段階に到達した時期であり、農作物等の所定部位の収穫を目的とした植物である場合は、収穫により栽培期間が終了する。
本発明では、植物を栽培する際に、前記一般式(1)で表される化合物(A)〔以下、化合物(A)という〕を1〜1000ppmの濃度で植物に施用する。該処理液は、栽培開始から栽培終了までの間で少なくとも1回施用すればよいが2回以上施用することもできる。また、植物生育促進の観点から、栽培環境の二酸化炭素濃度が400〜5000ppmにある時期に該処理液を施用することが好ましい。
一般式(1)において、R1、R2、R3の炭化水素基は、植物生育促進及び増収の観点から、それぞれ飽和、不飽和の何れでも良く、好ましくは飽和であり、また直鎖、分岐鎖、環状の何れでも良く、好ましくは直鎖又は分岐鎖、より好ましくは直鎖である。また、炭化水素基の総炭素数は奇数でも偶数でもよいが、偶数が好ましい。
また、R1、R2、R3の炭素数の合計は、植物生育促進及び増収の観点から、何れも50以下が好ましく、より好ましくは12〜48、更に好ましくは16〜44である。
一般式(1)において、植物生育促進及び増収の観点から、R1の炭素数は14〜22が好ましく、より好ましくは14〜20、更に好ましくは14〜18である。また、一般式(1)で表される化合物は、総炭素数が12〜48、更に16〜28、より更に16〜24であることが好ましい。更に、総炭素数が12〜24で水酸基を1個有するものが好ましく、より更に総炭素数が16〜22で水酸基を1個有するものが好ましい。一般式(1)で表される化合物の具体例としては、以下のようなものが挙げられる。
(A1)
CH3(CH2)s-1OH(sは12〜24、好ましくは16〜24、更に好ましくは16〜20の整数)で表される1−アルカノールが挙げられる。すなわち、一般式(1)で表される化合物として、炭素数12〜24の1価アルコールが挙げられる。具体的には、1−ドデカノール、1−トリデカノール、1−テトラデカノール、1−ペンタデカノール、1−ヘキサデカノール、1−ヘプタデカノール、1−オクタデカノール、1−ノナデカノール、1−イコサノール、1−ヘンイコサノール、1−ドコサノール、1−トリコサノール、1−テトラコサノールが挙げられる。
(A2)
CH3CH(OH)(CH2)p-3CH3(pは12〜24、好ましくは16〜24、更に好ましくは16〜20の整数)で表される2−アルカノールが挙げられる。具体的には、2−ドデカノール、2−トリデカノール、2−テトラデカノール、2−ペンタデカノール、2−ヘキサデカノール、2−ヘプタデカノール、2−オクタデカノール、2−ノナデカノール、2−イコサノール等が挙げられる。
(A3)
CH2=CH(CH2)q-2OH(qは12〜24、好ましくは16〜24、更に好ましくは16〜20の整数)で表される末端不飽和アルコールが挙げられる。具体的には、11−ドデセン−1−オール、12−トリデセン−1−オール、15−ヘキサデセン−1−オール等が挙げられる。
(A4)
その他の不飽和長鎖アルコールとして、オレイルアルコール、エライジルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、エレオステアリルアルコール(α又はβ)、リシノイルアルコール等が挙げられる。
(A5)
HOCH2CH(OH)(CH2)r-2H(rは12〜24、好ましくは16〜24、更に好ましくは16〜20の整数)で表される1,2−ジオールが挙げられる。具体的には、1,2−ドデカンジオール、1,2−テトラデカンジオール、1,2−ヘキサデカンジオール、1,2−オクタデカンジオール等が挙げられる。
上記(A1)〜(A5)のうち、植物生育促進及び増収の観点から、(A1)、(A2)、(A4)、(A5)が好ましく、(A1)、(A2)、(A4)がより好ましく、(A1)、(A4)が更に好ましく、(A1)がより更に好ましい。
本発明では、植物生育促進及び増収の観点から、化合物(A)上記化合物(A)を1〜1000ppm(重量比、以下同様)、好ましくは1〜500ppmの濃度で含有する処理液が用いられる。
また、本発明に用いられる処理液は、植物生育促進及び増収の観点から、上記化合物(A)と共に、更に、界面活性剤(B)〔以下、(B)成分という〕、キレート剤(C)〔以下、(C)成分という〕及び肥料(D)〔以下、(D)成分という〕からなる群より選ばれる1種以上を含有することが好ましい。より更に、(B)成分と(C)成分の両者を併用することが好ましい。施用時期に肥料を必要とする場合は、例えば化合物(A)に、(B)、(C)及び(D)成分を併用するのが好ましい。また、施用時期に肥料を必要としない場合は、例えば化合物(A)に、(B)、(C)成分を併用するのが好ましい。なお、本発明では、(B)成分の界面活性剤からは、一般式(1)の構造を持つ化合物は除かれる。
<(B)成分>
(B)成分としては、以下のような界面活性剤を化合物(A)の乳化、分散、可溶化又は浸透促進の目的で用いるのが好ましい。
非イオン界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビトール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、樹脂酸エステル、ポリオキシアルキレン樹脂酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、アルキル(ポリ)グリコシド、ポリオキシアルキレンアルキル(ポリ)グリコシド、アルキルアルカノールアミド、糖系脂肪酸アミド等が挙げられる。ここで、糖系脂肪酸アミドとしては、糖又は糖アルコールに疎水基がアミド結合した構造を有するもの、例えばグルコースやフルクトースの脂肪酸アミド等の糖系脂肪酸アミドが挙げられる。また、アミノ基を有する糖又は糖アルコールに疎水基がアミド結合した構造を有するもの、例えばN−メチルグルカミンの脂肪酸アミド等の糖系脂肪酸アミドを用いることもできる。非イオン界面活性剤としては、窒素原子を含まないエーテル基含有非イオン界面活性剤及びエステル基含有非イオン界面活性剤から選ばれる一種以上が好ましい。具体的には、ポリオキシアルキレン(例えばエチレン)ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン(例えばエチレン)グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルが好ましい。
陰イオン界面活性剤としては、カルボン酸系、スルホン酸系、硫酸エステル系及びリン酸エステル系界面活性剤が挙げられるが、カルボン酸系及びリン酸エステル系界面活性剤から選ばれる一種以上が好ましい。
カルボン酸系界面活性剤としては、例えば炭素数6〜30の脂肪酸又はその塩、多価カルボン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルアミドエーテルカルボン酸塩、ロジン酸塩、ダイマー酸塩、ポリマー酸塩、トール油脂肪酸塩、エステル化化工澱粉等が挙げられる。中でもエステル化化工澱粉が好ましい。エステル化化工澱粉の中で、アルケニルコハク酸化デンプン(アルケニルコハク酸エステル化デンプン又はアルケニルコハク酸デンプンともいう)が好ましく、更に、オクテニルコハク酸化デンプンが好ましく、その市販品として例えばエマルスター#30〔松谷化学工業(株)製〕等が挙げられる。
スルホン酸系界面活性剤としては、例えばアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、ジフェニルエーテルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸の縮合物塩、ナフタレンスルホン酸の縮合物塩等が挙げられる。
硫酸エステル系界面活性剤としては、例えばアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、トリスチレン化フェノール硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンジスチレン化フェノール硫酸エステル塩、アルキルポリグリコシド硫酸塩等が挙げられる。
リン酸エステル系界面活性剤として、例えばアルキルリン酸エステル塩、アルキルフェニルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルリン酸エステル塩等が挙げられる。
塩としては、例えば金属塩(Na、K、Ca、Mg、Zn等)、アンモニウム塩、アルカノールアミン塩、脂肪族アミン塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アミノ酸系、ベタイン系、イミダゾリン系、アミンオキサイド系が挙げられる。
アミノ酸系としては、例えばアシルアミノ酸塩、アシルサルコシン酸塩、アシロイルメチルアミノプロピオン酸塩、アルキルアミノプロピオン酸塩、アシルアミドエチルヒドロキシエチルメチルカルボン酸塩等が挙げられる。
ベタイン系としては、アルキルジメチルベタイン、アルキルヒドロキシエチルベタイン、アシルアミドプロピルヒドロキシプロピルアンモニアスルホベタイン、リシノレイン酸アミドプロピルジメチルカルボキシメチルアンモニアベタイン等が挙げられる。
イミダゾリン系としては、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、アルキルエトキシカルボキシメチルイミダゾリウムベタイン等が挙げられる。
アミンオキサイド系としては、アルキルジメチルアミンオキサイド、アルキルジエタノールアミンオキサイド、アルキルアミドプロピルアミンオキサイド等が挙げられる。
(B)成分は1種でも、2種以上混合して使用しても良い。また、これらの(B)成分がポリオキシアルキレン基を含む場合は、植物生育促進の観点から、好ましくはポリオキシエチレン基を有し、その平均付加モル数が1〜300、好ましくは5〜100であることが挙げられる。
また、(B)成分は、植物生育促進の観点から、前記したグリフィンのHLBが10以上のものが好ましく、さらに12以上のものが好ましい。
なお、化合物(A)として、炭素数12〜24の1価アルコールを用いる場合は、(B)成分としては、植物生育促進の観点から、エステル基含有非イオン界面活性剤、窒素原子を含まないエーテル基含有非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、カルボン酸系陰イオン界面活性剤及びリン酸系陰イオン界面活性剤から選ばれる一種以上が好ましい。更に、カルボン酸系陰イオン界面活性剤から選ばれる一種以上が好ましい。すなわち、本発明に用いられる処理液としては、炭素数12〜24の1価アルコールと、エステル基含有非イオン界面活性剤、窒素原子を含まないエーテル基含有非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、カルボン酸系陰イオン界面活性剤及びリン酸系陰イオン界面活性剤から選ばれる一種以上の界面活性剤とを含有するものが挙げられる。
<(C)成分>
(C)成分として、以下のようなキレート能を有する有機酸又はその塩を併用すると、農作物の増収効果がさらに改善される。具体的にはクエン酸、グルコン酸、リンゴ酸、ヘプトン酸、シュウ酸、マロン酸、乳酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、グルタル酸等のオキシカルボン酸、多価カルボン酸や、これらのカリウム塩、ナトリウム塩、アルカノールアミン塩、脂肪族アミン塩等が挙げられる。また、有機酸以外のキレート剤の混合でも農作物の収量が改善される。混合するキレート剤としてEDTA、NTA、CDTA等のアミノカルボン酸系キレート剤が挙げられる。
<(D)成分>
また、(D)成分としては、具体的には、N、P、K、Ca、Mg、S、B、Fe、Mn、Cu、Zn、Mo、Cl、Si、Na等、更にN、P、K、Ca、Mgの供給源となる無機物及び有機物が挙げられる。そのような無機物としては、硝酸アンモニウム、硝酸カリウム、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸ソーダ、尿素、炭酸アンモニウム、リン酸カリウム、過リン酸石灰、熔成リン肥(3MgO・CaO・P25・3CaSiO2)、硫酸カリウム、塩カリ、硝酸石灰、消石灰、炭酸石灰、硫酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム等が挙げられる。また、有機物としては、鶏フン、牛フン、バーク堆肥、アミノ酸、ペプトン、ミエキ、発酵エキス、有機酸(クエン酸、グルコン酸、コハク酸等)のカルシウム塩、脂肪酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、カプリル酸、カプリン酸、カプロン酸等)のカルシウム塩等が挙げられる。これら肥料成分は界面活性剤と併用することもできる。肥料成分は、稲や野菜の露地栽培のように、土壌中に元肥として肥料成分が十分施用されている場合にはあえて配合する必要はない。また、養液土耕や水耕栽培のように元肥の過剰施用を避け肥料成分をかん水と同じに与えるようなタイプの栽培形態には肥料成分を配合することが好ましい。
本発明に用いられる処理液において、化合物(A)と(B)〜(D)成分を併用する場合、各成分の比率は、植物生育促進の観点から、化合物(A)100重量部に対して、(B)成分10〜20,000重量部、更に100〜2,000重量部、(C)成分0〜50,000重量部、更に10〜5,000重量部、(D)成分0〜1,000,000重量部、更に0〜100,000重量部、より更に10〜100,000重量部が好ましい。
また、本発明に用いられる処理液は、化合物(A)100重量部に対して、その他の栄養源(糖類、アミノ酸類、ビタミン類等)0〜5000重量部、更に10〜500重量部を含有することもできる。
本発明に係る処理液の植物への供給方法としては色々な手段を使うことができる。例えば、処理液を葉面、茎、果実等直接葉面に散布(葉面散布など)したり、土壌中に注入する方法(土壌灌注、土壌灌水など)、水耕栽培やロックウールのように根に接触している水耕液や供給水に希釈混合して供給する方法(養液栽培)が挙げられる。
養液栽培としては水耕、噴霧耕、固形培地耕などの方式が挙げられる。さらに水耕方式は循環式湛液水耕方式、通気式湛液水耕方式、液面上下式湛液水耕方式、毛管式水耕方式やNFT(Nutrient Film Technique:薄膜水耕法)方式などに分類される。噴霧耕方式は噴霧水耕方式、噴霧耕方式などに分類される。固形培地耕方式は無機培地耕方式と有機培地耕方式に分類される。無機培地耕方式では、れき、砂、もみがらくん炭、バーミキュライト、パーライト、ロックウールなどが用いられる。有機培地耕方式では樹皮、ヤシガラ、ピートモス、おがくず、もみがらなどの天然有機物やポリウレタン、ポリフェノール、ビニロンなどの有機合成物が用いられる。
トマトを養液栽培する際に、本発明を適用することは好ましい。
処理液の供給方法は、植物の種類や施用時期(育苗施用か本圃施用)により適切な方法を選定すればよい。
処理液の供給方法は、植物の種類や施用時期(育苗施用か本圃施用)により適切な方法を選定すればよい。
本発明の栽培方法を適用できる植物としては、果菜類では、キュウリ、カボチャ、スイカ、メロン、トマト、ナス、ピーマン、イチゴ、オクラ、サヤインゲン、ソラマメ、エンドウ、エダマメ、トウモロコシ等が挙げられる。葉菜類では、ハクサイ、ツケナ類、チンゲンサイ、キャベツ、カリフラワー、ブロッコリー、メキャベツ、タマネギ、ネギ、ニンニク、ラッキョウ、ニラ、アスパラガス、レタス、サラダナ、セルリー、ホウレンソウ、シュンギク、パセリ、ミツバ、セリ、ウド、ミョウガ、フキ、シソ等が挙げられる。根菜類としては、ダイコン、カブ、ゴボウ、ニンジン、ジャガイモ、サトイモ、サツマイモ、ヤマイモ、ショウガ、レンコン等が挙げられる。その他に、稲、麦類、花卉類等にも使用が可能である。
表1に以下の実施例、比較例で用いた処理液のための配合組成を示す。これら成分を化合物(A)〔表中、(A)成分と表示〕の濃度が所定濃度となるように希釈して調製した処理液を以下の実施例、比較例で用いた。なお、表中、(B)成分として示される化合物のPOEはポリオキシエチレンの略であり、( )内の数字はエチレンオキサイドの平均付加モル数を示す。
Figure 2008206454
実施例1〜9及び比較例1〜5
栽培は人工気象器〔(株)日本医化器械製作所製NC-350HCH〕のなかで実施した。栽培中は明期16時間、暗期8時間とし明期の照度は15000ルクスとした。温度は明期は28℃、暗期は18℃で一定とした。二酸化炭素濃度は試験期間を通じて各試験条件下で一定になるように管理した。
予め二酸化炭素濃度が所定濃度となるように調整した人工気象器内において、トマト(桃太郎)を128穴セルトレイ中にクレハ培土を敷き詰め播種した。播種後人工気象器内で静置した。本葉展開後処理を開始した。表1の(A)成分が所定濃度になるように水で希釈して調製した処理液を用い、処理液をセルトレイよりサイズの大きいコンテナ中に貯め、そこへセルトレイを5分間浸漬し地下部に薬液処理を行った。播種から10日目に1回目、15日目に2回目の処理を実施した。
播種から20日目に植物体の地下部の重量を測定し、無処理区を100としたときの相対値で比較した。結果を表2に示す。
Figure 2008206454
実施例10〜15及び比較例6〜9
栽培は人工気象器〔(株)日本医化器械製作所製NC-350HCH〕のなかで実施した。栽培中は明期16時間、暗期8時間とし明期の照度は15000ルクスとした。温度は明期は28℃、暗期は18℃で一定とした。二酸化炭素濃度は試験期間を通じて各試験条件下で一定になるように管理した。
予め二酸化炭素濃度が所定濃度となるように調整した人工気象器内において、トマト(桃太郎)を128穴セルトレイ中にクレハ培土を敷き詰め播種した。本葉展開後処理を開始した。表1の(A)成分が所定濃度になるように水で希釈して調製した処理液を用い、処理液をセルトレイ上よりハンドスプレーを用いて地上部に薬液処理を行った。処理量は茎葉が十分に濡れる量とした。播種から10日目に1回目、15日目に2回目の処理を実施した。
播種から20日目に植物体の地下部の重量を測定し、無処理区を100としたときの相対値で比較した。結果を表3に示す。
Figure 2008206454
実施例16〜20及び比較例10〜11
試験はガラス温室にて実施した。光は太陽の自然光の下で栽培を行った。温度は日の出後は25℃に、日の入り後は18℃になるように管理した。二酸化炭素濃度(測定は植物と同じ程度の高さの部分で複数点測定し平均値を取った。)は試験期間を通じて各試験条件下で一定になるように管理した。
予め二酸化炭素濃度が所定濃度となるように調整したガラス温室内において、トマト(桃太郎)をクレハ培土に播種し、本葉展開後処理を開始した。表1の(A)成分が所定濃度になるように水で希釈して調製した処理液を用い、処理液を灌水した。育苗期は1週間間隔で処理を実施した。本圃は以下のように準備した。元肥の施用量は10aあたりでNが12kg、P25が22kg、K2Oが10kgになるように設計した。定植は第1果房が着蕾したときに行った。定植時に鉢回りにぬれる程度の灌水を実施した。定植後、追肥は草勢をみながら2週間に1回程度実施した。追肥は液肥を1回量が窒素成分で2kg/10aになるように希釈して用いた。病虫害の防除は適宜様子をみながら行った。それらの通常の栽培管理の中で、(A)成分が所定濃度になるように水で希釈して調製した処理液を用い、3000L/10aとなるように処理液を灌水した。本圃は2週間間隔で処理を実施した。収穫は果実の着色基準を守って収穫した。収量は無処理区を100としたときの相対値で比較した。結果を表4に示す。
Figure 2008206454
実施例21〜23及び比較例12〜14
試験はビニール温室にて実施した。光は太陽の自然光の下栽培を行った。温度は日の出後は23℃に日の入り後は15℃になるように管理した。二酸化炭素濃度(測定は植物と同じ程度の高さの部分で複数点測定し平均値を取った。)は試験期間を通じて各試験条件下で一定になるように管理した。
作物にはイチゴ(とよのか)を用いた。本圃は元肥の施肥量は10aあたりでNが14kg、P25が15kg、K2Oが10kgになるように設計した。定植時に鉢回りにぬれる程度の灌水した。定植後、追肥は草勢をみながら1週間に1回程度実施した。追肥は液肥を1回量が窒素成分で3kg/10aになるように希釈して用いた。病虫害の防除は適宜様子をみながら行った。このような栽培管理条件のもと、予め二酸化炭素濃度が所定濃度となるように調整したビニール温室内において栽培を行い、(A)成分が所定濃度になるように水で希釈して調製した処理液を用い、3000L/10aとなるように処理液を灌水した。本圃は2週間間隔で処理を実施した。収穫は果実の着色基準を守って収穫した。収量は無処理区(比較例14)を100としたときの相対値で比較した。結果を表5に示す。
Figure 2008206454

Claims (5)

  1. 植物を栽培する際に、栽培期間の少なくとも一部で栽培環境の二酸化炭素濃度を400〜5000ppmとすること、及び、下記一般式(1)で表される化合物(A)を1〜1000ppmの濃度で含有する処理液を植物に施用することを行う、植物の栽培方法。
    Figure 2008206454

    (式中、R1は炭素数10〜22の炭化水素基、R2は水素原子、水酸基又は炭素数1〜24の炭化水素基、R3は水素原子又は炭素数1〜24の炭化水素基を表す。)
  2. 化合物(A)が、一般式(1)中のR2及びR3がそれぞれ水素原子の化合物である請求項1記載の植物の栽培方法。
  3. 前記処理液が、更に、界面活性剤(B)、キレート剤(C)及び肥料(D)からなる群より選ばれる1種以上を含有するものである請求項1又は2記載の植物の栽培方法。
  4. 二酸化炭素濃度が400〜5000ppmの栽培環境にある植物に、前記処理液を施用する請求項1〜3の何れか1項記載の植物の栽培方法。
  5. 栽培期間の全部で栽培環境の二酸化炭素濃度を400〜5000ppmとする請求項1〜4の何れか1項記載の植物の栽培方法。
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