JP4494122B2 - 葉菜類の増収又は品質向上栽培方法 - Google Patents

葉菜類の増収又は品質向上栽培方法 Download PDF

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Description

本発明は、ホウレンソウ、キャベツ、チンゲンサイ等の葉菜類の増収又は品質向上栽培方法に関する。
農作物の生長を促進し、単位面積当たりの収穫量を増やして増収をはかることは農業生産上重要な課題である。通常、植物の生長に不可欠な窒素、リン、カリウムの三大要素や微量金属元素等の栄養要素は、元肥や追肥に配合されて植物に供給されるが、一般に、肥料中の栄養要素の濃度を高めても農作物の生長量や収量の向上には限界があり、また多量の肥料の使用により土壌中の栄養要素量が過剰となりその吸収のバランスが悪くなり、植物の生長停滞等が発生し、目的の増収を達成できなかったり糖度(Brix.値)や鮮度(緑色度)等の品質が上がらない等の問題が生じる。このような状況から、種々の植物生長調節剤を併用することが行われている。
植物生長調節剤として、例えばジベレリンやオーキシン等に代表される植物生長調節剤は、発芽、発根、伸長、花成り、着果等生育、形態形成反応の調節のために用いられている。また、オリゴ糖を用いた葉面散布剤(特許文献1)や糖、ミネラル、アミノ酸、海藻抽出物や微生物の発酵エキスを含んだ液状肥料を葉面散布したり、溶液施肥するような技術が知られている。また、特許文献2には、炭素数30のアルコールを植物成長促進剤として用いることが開示されている。また、特許文献3には炭素数12〜24の1価アルコールからなる植物活力剤が開示されている。更に、特許文献4には、炭素数12〜24の1価アルコール等の特定の化合物からなる農作物用増収剤が開示されている。
特開平9−322647号 特開昭55−40674号 特開2000−198703号 特開2002−265305号
しかし、植物生長調節剤としてたとえばジベレリンやオーキシン等に代表される植物生長調節剤は、発芽、発根、伸長、花成り、着果等生育、形態形成反応の調節のために用いられているが、これらの物質の作用は多面的かつ複雑であり、用途が限定されている。また、特許文献4は農作物の増収に効果があるとされているが、農作物の種類に応じた最適条件については言及されていない。なかでも、ホウレンソウ、キャベツ、チンゲンサイ等の葉菜類について、増収や品質向上のための最適条件には言及されていない。
本発明の課題は、農作物の中でも、特に葉菜類の増収効果や品質向上効果により優れた栽培方法を提供することである。
本発明は、下記一般式(1)で表される化合物(A)を、下記式(2)で表される草丈生長率が40%未満である生育ステージ1において、10アール(以下、10アールを10aと表記する)あたり5〜120gの量で、地下部及び/又は地上部に対して少なくとも1回施用する、葉菜類の増収又は品質向上栽培方法に関する。なお、「増収」とは、葉菜類の利用目的となる部位の収穫量の増加を意味する。また、「品質の向上」とは、可食部等、目的となる部位の成分が改良されることや外観(色、ツヤ、形状等)が向上すること等であり、成分については、例えば葉中のアスコルビン酸含量の増加、葉中の硝酸含量の低減などが挙げられる。
Figure 0004494122
〔式中、R1は炭素数10〜22の炭化水素基、R2は水素原子、水酸基又は炭素数1〜24の炭化水素基、R3は水素原子又は炭素数1〜24の炭化水素基を表す。〕
草丈生長率(%)=〔処理時の草丈(cm)/収穫時の草丈(cm)〕×100 (2)
本発明の葉菜類の栽培方法によれば、葉菜類の顕著な増収効果または品質向上効果を安全に得ることができる。
<化合物(A)>
一般式(1)において、R1、R2、R3の炭化水素基は、それぞれ飽和、不飽和の何れでも良く、好ましくは飽和であり、また直鎖、分岐鎖、環状の何れでも良く、好ましくは直鎖又は分岐鎖、特に好ましくは直鎖である。また、炭化水素基の総炭素数は奇数でも偶数でもよいが、偶数が好ましい。
また、R1、R2、R3の炭素数の合計は、何れも50以下が好ましく、より好ましくは12〜48、更に好ましくは16〜44である。
一般式(1)において、R1の炭素数は14〜22が好ましく、より好ましくは14〜20、更に好ましくは14〜18である。また、一般式(1)で表される化合物は、総炭素数が12〜48、更に16〜28、特に16〜24であることが好ましい。更に、総炭素数が12〜24で水酸基を1個有するものが好ましく、特に総炭素数が16〜22で水酸基を1個有するものが好ましい。一般式(1)で表される化合物の具体例としては、以下のようなものが挙げられる。
(A1)
CH3(CH2)o-1OH(oは12〜24、好ましくは16〜24、更に好ましくは16〜20の整数)で表される1−アルカノールが挙げられる。すなわち、一般式(1)で表される化合物として、炭素数12〜24の1価アルコールが挙げられる。具体的には、1−ドデカノール、1−トリデカノール、1−テトラデカノール、1−ペンタデカノール、1−ヘキサデカノール、1−ヘプタデカノール、1−オクタデカノール、1−ノナデカノール、1−イコサノール、1−ヘンイコサノール、1−ドコサノール、1−トリコサノール、1−テトラコサノールが挙げられる。
(A2)
CH3CH(OH)(CH2)p-3CH3(pは12〜24、好ましくは16〜24、更に好ましくは16〜20の整数)で表される2−アルカノールが挙げられる。具体的には、2−ドデカノール、2−トリデカノール、2−テトラデカノール、2−ペンタデカノール、2−ヘキサデカノール、2−ヘプタデカノール、2−オクタデカノール、2−ノナデカノール、2−イコサノール等が挙げられる。
(A3)
CH2=CH(CH2)q-2OH(qは12〜24、好ましくは16〜24、更に好ましくは16〜20の整数)で表される末端不飽和アルコールが挙げられる。具体的には、11−ドデセン−1−オール、12−トリデセン−1−オール、15−ヘキサデセン−1−オール等が挙げられる。
(A4)
その他の不飽和長鎖アルコールとして、オレイルアルコール、エライジルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、エレオステアリルアルコール(α又はβ)、リシノイルアルコール等が挙げられる。
(A5)
HOCH2CH(OH)(CH2)r-2H(rは12〜24、好ましくは16〜24、更に好ましくは16〜20の整数)で表される1,2−ジオールが挙げられる。具体的には、1,2−ドデカンジオール、1,2−テトラデカンジオール、1,2−ヘキサデカンジオール、1,2−オクタデカンジオール等が挙げられる。
上記(A1)〜(A5)のうち、(A1)、(A2)、(A4)、(A5)が好ましく、(A1)、(A2)、(A4)がより好ましく、(A1)、(A4)が更に好ましく、(A1)が特に好ましい。
また、本発明では、上記化合物(A)と共に、更に、該化合物(A)以外の界面活性剤(B)〔以下、(B)成分という〕、キレート剤(C)〔以下、(C)成分という〕及び肥料(D)〔以下、(D)成分という〕の少なくとも1つを施用することが好ましい。特に、(B)成分と(C)成分の両者を併用することが好ましい。施用時期に肥料を必要とする場合は、例えば化合物(A)に、(B)、(C)及び(D)成分を併用するのが好ましい。また、施用時期に肥料を必要としない場合は、例えば化合物(A)に、(B)、(C)成分を併用するのが好ましい。
<(B)成分>
(B)成分としては、以下のような界面活性剤を化合物(A)の乳化、分散、可溶化又は浸透促進の目的で用いるのが好ましい。
非イオン界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビトール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、樹脂酸エステル、ポリオキシアルキレン樹脂酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、アルキル(ポリ)グリコシド、ポリオキシアルキレンアルキル(ポリ)グリコシド、アルキルアルカノールアミド、糖系脂肪酸アミド等が挙げられる。ここで、糖系脂肪酸アミドとしては、糖又は糖アルコールに疎水基がアミド結合した構造を有するもの、例えばグルコースやフルクトースの脂肪酸アミド等の糖系脂肪酸アミドが挙げられる。また、アミノ基を有する糖又は糖アルコールに疎水基がアミド結合した構造を有するもの、例えばN−メチルグルカミンの脂肪酸アミド等の糖系脂肪酸アミドを用いることもできる。非イオン界面活性剤としては、窒素原子を含まないエーテル基含有非イオン界面活性剤及びエステル基含有非イオン界面活性剤から選ばれる一種以上が好ましい。具体的には、ポリオキシアルキレン(特にエチレン)ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン(特にエチレン)グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルが好ましい。
陰イオン界面活性剤としては、カルボン酸系、スルホン酸系、硫酸エステル系及びリン酸エステル系界面活性剤が挙げられるが、カルボン酸系及びリン酸エステル系界面活性剤から選ばれる一種以上が好ましい。
カルボン酸系界面活性剤としては、例えば炭素数6〜30の脂肪酸又はその塩、多価カルボン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルアミドエーテルカルボン酸塩、ロジン酸塩、ダイマー酸塩、ポリマー酸塩、トール油脂肪酸塩、エステル化化工澱粉等が挙げられる。なかでもエステル化化工澱粉が好ましい。
スルホン酸系界面活性剤としては、例えばアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、ジフェニルエーテルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸の縮合物塩、ナフタレンスルホン酸の縮合物塩等が挙げられる。
硫酸エステル系界面活性剤としては、例えばアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、トリスチレン化フェノール硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンジスチレン化フェノール硫酸エステル塩、アルキルポリグリコシド硫酸塩等が挙げられる。
リン酸エステル系界面活性剤として、例えばアルキルリン酸エステル塩、アルキルフェニルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルリン酸エステル塩等が挙げられる。
塩としては、例えば金属塩(Na、K、Ca、Mg、Zn等)、アンモニウム塩、アルカノールアミン塩、脂肪族アミン塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アミノ酸系、ベタイン系、イミダゾリン系、アミンオキサイド系が挙げられる。
アミノ酸系としては、例えばアシルアミノ酸塩、アシルサルコシン酸塩、アシロイルメチルアミノプロピオン酸塩、アルキルアミノプロピオン酸塩、アシルアミドエチルヒドロキシエチルメチルカルボン酸塩等が挙げられる。
ベタイン系としては、アルキルジメチルベタイン、アルキルヒドロキシエチルベタイン、アシルアミドプロピルヒドロキシプロピルアンモニアスルホベタイン、アシルアミドプロピルヒドロキシプロピルアンモニアスルホベタイン、リシノレイン酸アミドプロピルジメチルカルボキシメチルアンモニアベタイン等が挙げられる。
イミダゾリン系としては、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、アルキルエトキシカルボキシメチルイミダゾリウムベタイン等が挙げられる。
アミンオキサイド系としては、アルキルジメチルアミンオキサイド、アルキルジエタノールアミンオキサイド、アルキルアミドプロピルアミンオキサイド等が挙げられる。
(B)成分は1種でも、2種以上混合して使用しても良い。また、これらの(B)成分がポリオキシアルキレン基を含む場合は、好ましくはポリオキシエチレン基を有し、その平均付加モル数が1〜300、好ましくは5超100以下であることが挙げられる。
また、(B)成分は、前記したグリフィンのHLBが10以上のものが好ましく、さらに12以上のものが好ましい。
なお、化合物(A)として、炭素数12〜24の1価アルコールを用いる場合は、(B)成分としては、エステル基含有非イオン界面活性剤、窒素原子を含まないエーテル基含有非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、カルボン酸系陰イオン界面活性剤及びリン酸系陰イオン界面活性剤から選ばれる一種以上が好ましい。特に、エステル基含有非イオン界面活性剤、窒素原子を含まないエーテル基含有非イオン界面活性剤及びエステル化化工澱粉から選ばれる一種以上が好ましい。すなわち、本発明に用いられる処理液としては、炭素数12〜24の1価アルコールと、エステル基含有非イオン界面活性剤、窒素原子を含まないエーテル基含有非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、カルボン酸系陰イオン界面活性剤及びリン酸系陰イオン界面活性剤から選ばれる一種以上の界面活性剤とを含有するものが挙げられる。
<(C)成分>
(C)成分として、以下のようなキレート能を有する有機酸又はその塩を併用すると、農作物の増収効果がさらに改善される。具体的にはクエン酸、グルコン酸、リンゴ酸、ヘプトン酸、シュウ酸、マロン酸、乳酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、グルタル酸等のオキシカルボン酸、多価カルボン酸や、これらのカリウム塩、ナトリウム塩、アルカノールアミン塩、脂肪族アミン塩等が挙げられる。また、有機酸以外のキレート剤の混合でも農作物の収量が改善される。混合するキレート剤としてEDTA、NTA、CDTA等のアミノカルボン酸系キレート剤が挙げられる。
<(D)成分>
また、(D)成分としては、具体的には、N、P、K、Ca、Mg、S、B、Fe、Mn、Cu、Zn、Mo、Cl、Si、Na等、特にN、P、K、Ca、Mgの供給源となる無機物及び有機物が挙げられる。そのような無機物としては、硝酸アンモニウム、硝酸カリウム、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸ソーダ、尿素、炭酸アンモニウム、リン酸カリウム、過リン酸石灰、熔成リン肥(3MgO・CaO・P25・3CaSiO2)、硫酸カリウム、塩カリ、硝酸石灰、消石灰、炭酸石灰、硫酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム等が挙げられる。また、有機物としては、鶏フン、牛フン、バーク堆肥、アミノ酸、ペプトン、ミエキ、発酵エキス、有機酸(クエン酸、グルコン酸、コハク酸等)のカルシウム塩、脂肪酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、カプリル酸、カプリン酸、カプロン酸等)のカルシウム塩等が挙げられる。これら肥料成分は界面活性剤と併用することもできる。肥料成分は、葉菜類の露地栽培のように、土壌中に元肥として肥料成分が十分施用されている場合にはあえて配合する必要はない。また、養液土耕や水耕栽培のように元肥の過剰施用を避け肥料成分をかん水と同じに与えるようなタイプの栽培形態には肥料成分を配合することが好ましい。
本発明では、化合物(A)を、下記式(2)で表される草丈生長率が40%未満である生育ステージ1において、10aあたり5〜120gの量で、葉菜類の地下部及び/又は地上部に対して少なくとも1回施用する。
草丈生長率(%)=〔処理時の草丈(cm)/収穫時の草丈(cm)〕×100 (2)
ここで、草丈生長率は、ホウレンソウ等の非結球葉菜類の場合、葉が生き生きとし、黄変していない生育旺盛な最長の葉を垂直に立てた場合の地面からの長さ(絞り丈)を測定して算出する。また、キャベツ等の結球葉菜類の場合、結球していない外側の葉で、生き生きとし、黄変していない生育旺盛な最長の葉を垂直に立てた場合の地面からの長さ(絞り丈)を測定して算出する。収穫時の草丈は、その葉菜類の目標とする収穫予定の草丈である。
生育ステージ1での草丈生長率は5〜20%、更に10〜18%が好ましい。また、生育ステージ1での化合物(A)の施用量は、10aあたり10〜100g、更に20〜80が好ましい。
本発明では、更に、化合物(A)を、前記草丈生長率が40%以上60%未満である生育ステージ2において、10aあたり10〜140gの量で、地下部及び/又は地上部に対して少なくとも1回施用することが好ましい。生育ステージ2での草丈生長率は43〜57%、更に45〜55%が好ましい。また、生育ステージ2での化合物(A)の施用量は、10aあたり20〜120g、更に30〜100gが好ましい。
本発明では、更に、化合物(A)を、前記草丈生長率が60%以上80%未満である生育ステージ3において、10aあたり120〜900gの量で、地下部及び/又は地上部に対して少なくとも1回施用することが好ましい。生育ステージ3での草丈生長率は63〜77%、更に65〜75%が好ましい。また、生育ステージ3での化合物(A)の施用量は、10aあたり120〜600g、更に120〜400gが好ましい。
本発明では、更に、化合物(A)を、前記草丈生長率が80%以上100%以下である生育ステージ4において、10aあたり120〜1200gの量で、地下部及び/又は地上部に対して少なくとも1回施用することが好ましい。生育ステージ4での草丈生長率は83〜97%、更に85〜95%が好ましい。また、生育ステージ4での化合物(A)の施用量は、10aあたり120〜900g、更に120〜600gが好ましい。
生育ステージ2〜4での化合物(A)の施用は、これら何れか1つのステージで、あるいは何れか2つのステージで、あるいは3つ全てのステージで、行うことができ、3つ全てのステージ(生育ステージ1を含め4つのステージ)で行うことがより好ましい。また、各ステージにおいて、化合物(A)の施用を複数行うことができる。
本発明において、生育ステージ1〜4での化合物(A)の葉菜類への施用は、化合物(A)を含有する処理液(以下、処理液という)を用いて葉面散布あるいは土壌潅水する方法や、化合物(A)を粒剤として直接施用する方法等により行うことができる。
処理液を用いる場合、葉菜類への供給方法としては色々な手段を使うことができる。例えば、処理液を葉面、茎等直接植物に散布したり、土壌中に注入する方法や水耕栽培やロックウールのように根に接触している水耕液や供給水に希釈混合して供給する方法が挙げられる。処理液の供給方法は、葉菜類の種類や施用時期により適切な方法を選定すればよい。
葉面散布の場合、処理液中の化合物(A)の濃度は、1〜50,000ppm、更に5〜10,000ppm、特に10〜4,000ppmが好ましく、前記した各生育ステージでの好ましい化合物(A)の施用量となるように、処理液中の化合物(A)の濃度を調整することが好ましい。
また、土壌潅水の場合、処理液中の化合物(A)の濃度は、0.1〜5,000ppm、更に0.5〜1,000ppm、特に1〜400ppmが好ましく、前記した各生育ステージでの好ましい化合物(A)の施用量となるように、処理液中の化合物(A)の濃度を調整することが好ましい。
本発明において、(B)〜(D)成分を併用する場合、各成分の比率は、化合物(A)100重量部に対して、(B)成分1〜10,000重量部、更に10〜5,000重量部、より更に50〜1,500重量部、特に100〜300重量部、(C)成分0〜10,000重量部、更に0.1〜1,000重量部、より更に5〜200重量部、特に10〜100重量部、(D)成分0〜1,000,000重量部、更に0〜100,000重量部、より更に10〜100,000重量部、特に200〜20,000重量部が好ましい。(D)成分の中でも、Nは、1〜10,000重量部、更に10〜5,000重量部、更に50〜1,000重量部、特に100〜600重量部、Pは1〜5,000重量部、更に5〜2,500重量部、より更に25〜500重量部、特に50〜300重量部、Kは1〜10,000重量部、更に10〜5,000重量部、より更に50〜1,000重量部、特に100〜600重量部が好ましい。
また、本発明では、化合物(A)100重量部に対して、その他の栄養源(糖類、アミノ酸類、ビタミン類等)0〜5,000重量部、特に10〜500重量部を用いることもできる。
上記(B)〜(D)成分やその他の栄養源などは、適宜処理液中に配合して施用することも、あるいはそのまま施用することも、更にはこれらを組み合わせた形態で施用することもできる。
本発明の対象となる葉菜類としては、ホウレンソウ、キャベツ、チンゲンサイ、ハクサイ、コマツナ、ナバナ、ミズナ、ミブナ、ヒロシマナ、タカナ、ベカナ、早生アブラナ、カヌマナ、ノザワナ、シンツミナ、黄ガラシナ、ブシュウカンナ、シノブナ、ニイガタコマツナ、オオサキナ、タイサイ、オオサカシロナ、スグキナ、ヤマシオナ、ナガサキハクサイ、タアサイ、ツルムラサキ、カリフラワー、ブロッコリー、メキャベツ、タマネギ、ネギ(具体的には根深ネギ、葉ネギ、ワケギ、アサツキ、水耕ネギ等)、ニンニク、ラッキョウ、ニラ、アスパラガス、レタス、サラダナ、セルリー、シュンギク、パセリ、ミツバ、セリ、ウド、ミョウガ、フキ、ハマボウフウ、シソ、ツマミナ、タデ、クレソン、タラノキ、ワラビ等が挙げられる。なかでも、ホウレンソウが好適である。これら葉菜類の分類は、「野菜の栽培技術」(1996年4月5日、株式会社誠文堂新光社発行)を参照できる。
表1に以下の実施例で用いた処理剤を、また、表2に処理剤を施用する生育ステージのパターン及び各成分の施用量を、それぞれ示した。
Figure 0004494122
表1中、処理剤1は化合物(A)をミキサーで微粉砕したもの、処理剤2は化合物(A)を(B)成分により水中に乳化した液状のもの、処理剤3は処理剤2に更にキレート剤及び肥料を混合したもの、処理剤4は(B)成分と水を混合したもの(水溶液)である。処理剤5は液体の化合物(A)をそのまま用いる。
Figure 0004494122
表2中、生育ステージを決定する草丈の測定は前記の通りである。
実施例1:ホウレンソウ(秋まき)に対する効果
秋まきホウレンソウ(品種オーライ)を用いて次の処理条件にて増収及び品質向上効果試験を行った。露地栽培において、11月の上旬に播種し、施肥量は元肥で10aあたりN:P:K=20kg:20kg:20kgとし、追肥(処理剤No.3中とは別の肥料成分、以下同様)は行わなかった。処理はそれぞれの処理剤を水道水で希釈し、10aあたり3tの水量で土壌潅水を行った。なお、処理剤No.1は微粉砕物を攪拌しながら分散状態を保ち、また処理剤No.5は液体を攪拌しながら分散状態を保ち土壌潅水に用いた(以下同様)。3月上旬に収穫した収穫量及び品質(葉内硝酸含量、葉内アスコルビン酸含量)を表3に示した。収穫量及び品質は、無処理区(処理パターンNo.9)を100とした場合の相対値で評価した(以下同様)。その結果、実施例の処理方法は比較例に対し、収穫量は増加し、更にアルコルビン酸含量が増加するとともに硝酸含量は低下し、品質の向上が示された。
Figure 0004494122
実施例2:ホウレンソウ(夏まき)に対する効果
夏まきホウレンソウ(品種アクティブ)を用いて次の処理条件にて増収及び品質向上効果試験を行った。露地栽培において、7月の上旬に播種し、施肥量は元肥で10aあたりN:P:K=15kg:20kg:15kgとし、追肥は行わなかった。処理はそれぞれの処理剤を水道水で希釈し、10aあたり3tの水量で土壌潅水を行った。8月下旬に収穫した収穫量及び品質(葉内硝酸含量、葉内アスコルビン酸含量)を表4に示した。その結果、実施例の処理方法は比較例に対し、収穫量は増加し、更にアスコルビン酸含量が増加するとともに硝酸含量は低下し、品質の向上が示された。
Figure 0004494122
実施例3:キャベツ(秋まき)に対する効果
キャベツ(品種 金系201号)を用いて次の処理条件にて増収及び品質向上効果試験を行った。あらかじめ9月の上旬に播種し育てた育苗を、露地栽培において、11月中旬に定植した。施肥量は元肥で10aあたりN:P:K=20kg:20kg:20kgとし、追肥は12月下旬及び1月下旬にそれぞれN:P:K=5kg:0kg:5kgを行った。処理はそれぞれの処理剤を水道水で希釈し、10aあたり3tの水量で土壌潅水を行った。3月下旬に収穫した収穫量及び品質(葉内硝酸含量、葉内アスコルビン酸含量)を表5に示した。その結果、実施例の処理方法は比較例に対し、収穫量は増加し、更にアルコルビン酸含量が増加するとともに硝酸含量は低下し、品質の向上が示された。
Figure 0004494122
実施例4:チンゲンサイ(春まき)に対する効果
チンゲンサイ(品種 青帝チンゲンサイ)を用いて次の処理条件にて増収及び品質向上効果試験を行った。露地栽培において、4月上旬に播種し、施肥量は元肥で10aあたりN:P:K=20kg:20kg:20kgとし、追肥は行わなかった。処理はそれぞれの処理剤を水道水で希釈し、10aあたり3tの水量で土壌潅水を行った。5月下旬に収穫した収穫量及び品質(葉内硝酸含量、葉内アスコルビン酸含量)を表6に示した。その結果、実施例の処理方法は比較例に対し、収穫量は増加し、更にアルコルビン酸含量が増加するとともに硝酸含量は低下し、品質の向上が示された。
Figure 0004494122

Claims (6)

  1. 1−オクタデカノール(A)を、下記式(2)で表される草丈生長率が40%未満である生育ステージ1において、10アールあたり5〜120gの量で、ホウレンソウ、キャベツ及びチンゲンサイから選ばれる葉菜類の地下部及び/又は地上部に対して少なくとも1回施用する、葉菜類の増収又は品質向上栽培方法。
    草丈生長率(%)=〔処理時の草丈(cm)/収穫時の草丈(cm)〕×100 (2)
  2. 更に、1−オクタデカノール(A)を、前記草丈生長率が40%以上60%未満である生育ステージ2において、10アールあたり10〜140gの量で、地下部及び/又は地上部に対して少なくとも1回施用する、請求項1記載の葉菜類の増収又は品質向上栽培方法。
  3. 更に、1−オクタデカノール(A)を、前記草丈生長率が60%以上80%未満である生育ステージ3において、10アールあたり120〜900gの量で、地下部及び/又は地上部に対して少なくとも1回施用する、請求項1又は2記載の葉菜類の増収又は品質向上栽培方法。
  4. 更に、1−オクタデカノール(A)を、前記草丈生長率が80%以上100%以下である生育ステージ4において、10アールあたり120〜1200gの量で、地下部及び/又は地上部に対して少なくとも1回施用する、請求項1〜3の何れか1項記載の葉菜類の増収又は品質向上栽培方法。
  5. 更に、1−オクタデカノール(A)以外の界面活性剤(B)、キレート剤(C)及び肥料(D)から選ばれる少なくとも1つを施用する請求項1〜4の何れか1項記載の葉菜類の増収又は品質向上栽培方法。
  6. 葉菜類がホウレンソウである請求項1〜5の何れか1項記載の葉菜類の増収又は品質向上栽培方法。
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