JP2009055744A - 超音波モータ駆動回路及び超音波モータの駆動信号生成方法 - Google Patents

超音波モータ駆動回路及び超音波モータの駆動信号生成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】安価な超音波モータ駆動回路を提供することである。
【解決手段】D/Aコンバータ制御回路14は、制御部13から出力されるデジタルデータを、矩形波A、Bに同期したタイミングでラッチし、ラッチしたデータを第1のD/Aコンバータ15と第2のD/Aコンバータ16に出力する。基準電源制御回路17は、第1及び第2のD/Aコンバータ15及び16の基準電源端子に基準電圧VA、VBを供給する。基準電圧VA、VBは、立ち上がり時及び立ち下がり時に電圧値が徐々に変化するように設計されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、産業用機器、測定器、電子機器等に用いられる超音波モータの駆動回路及びその駆動信号生成方法に関する。
産業用機器、一般の電子機器等の駆動機構として超音波モータが利用されている。また、高精度の位置測定システムと併用することで、従来の送りネジ等を使用した位置決め装置よりはるかに高い位置決め精度を実現することができる。
超音波モータを駆動する信号として一定の位相差(一般的には±90°)を持った2相の進行波が用いられる。超音波モータを効率良く安定に制御するためにはこの進行波の形状や周波数、振幅、位相差などを適切に制御する必要がある。
特許文献1には、振動波モータの圧電素子に印加する交流電圧と、振動体の振動状態を検知する検知信号との位相差が共振に近い所定の位相差に達したとき、圧電素子に印加する電圧を低電圧から高電圧に切り換えることが記載されている。
特許文献2には、超音波モータの停止時に、A相駆動信号とB相駆動信号の位相差が90°から0°まで漸次的に変化するように制御することで、超音波モータの停止時の騒音を軽減することが記載されている。
特許文献3には、超音波モータの駆動開始時に、段階的に交流電圧を上昇させ、電圧レベルが所定の電圧に達した後に、駆動周波数を段階的に下降させることで、始動時の振動を小さくすることが記載されている。
特許文献4には、超音波モータに印加する正弦波電圧を微分回路で微分して90°の位相差を持つ正弦波を生成することが記載されている。
特許文献5には、矩形波を正弦波に変換するローパスフィルタを有する駆動装置について記載されている。
超音波モータを効率よく安定に駆動するためには正弦波の信号を供給し、その正弦波の信号の周波数、振幅、位相差を所定の範囲内で任意に変化させることが望ましい。
しかしながら、従来は、超音波モータを駆動する駆動信号の振幅値として離散的な値しか設定できなかったり、周波数は可変することができるが駆動信号の波形が矩形波であったり、理想的な駆動信号を得ることが難しかった。
D/Aコンバータを用いて駆動回路を構成することも考えられるが、一般的な超音波モータの駆動信号の周波数は数10kHzから100kHz以上であり、仮に100kHz程度の信号を100Hzのステップで変調すると、D/Aコンバータは100Mサンプリング毎秒以上の性能が必要となる。動作速度の速いD/Aコンバータは一般にコストが高くなる。また、100Mサンプリング毎秒以上の速さでD/Aコンバータにデジタルデータを供給できる演算システムやインターフェースもコスト増の要因となる。
特開2002−305884号公報 特開2002−199749号公報 特開平11−196585号公報 特開平9−70187号公報 特開2000−70851号公報
本発明の課題は、安価な超音波モータ駆動回路を提供することである。
本発明の超音波モータ駆動回路は、第1のD/Aコンバータと、第2のD/Aコンバータと、超音波モータを駆動する駆動信号の振幅値を決めるデジタルデータを、周期的に変化し所望の位相差を有する第1及び第2の信号に同期したタイミングで、前記第1及び第2のD/Aコンバータに出力するD/Aコンバータ制御回路と、前記第1及び第2のD/Aコンバータの基準電源端子に供給する電圧値または電流値を変化させ、前記第1及び第2のD/Aコンバータの出力信号の振幅を制御する基準電源制御回路と、前記第1及び第2のD/Aコンバータの出力信号から得られる第1及び第2の駆動信号を超音波モータに供給する出力回路を備える。
上記の発明の超音波モータ駆動回路において、前記電源制御回路は、前記第1及び第2のD/Aコンバータの基準電源端子にパルス状の信号を供給する。
上記の発明の超音波モータ駆動回路において、前記電源制御回路は、制御部から出力されるデジタルデータに基づいて前記基準電源端子に供給する電圧値または電流値を変化させる。
本発明によれば、動作速度の比較的遅いD/Aコンバータを用いて安価で、制御性に優れた超音波モータ駆動回路を実現できる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、超音波モータ12を含む実施の形態の超音波モータ駆動回路11のブロック図である。
超音波モータ12は、屈曲振動と縦振動を発生させる複数の振動子からなる弾性体と、その弾性体に接触させた移動体とからなる。
制御部(CPU)13は、超音波モータ12を駆動する駆動信号の振幅値を決めるデジタルデータと、所望の位相差を持った矩形波A、Bを、D/Aコンバータ制御回路14に出力する。また、制御部13は、基準電源制御回路17が生成する基準電圧のパルス幅を決めるデジタルデータを出力する。
なお、制御部13と別に矩形波生成回路を設け、制御部13がその矩形波生成回路に矩形波の発振周波数と位相差を指示するデータを出力し、矩形波生成回路が所望の位相差を持った矩形波A、Bを、D/Aコンバータ制御回路14に出力するようにしても良い。
D/Aコンバータ制御回路14は、制御部13から出力されるデジタルデータを、矩形波A、Bに同期したタイミングでラッチし、ラッチしたデータを第1のD/Aコンバータ15と第2のD/Aコンバータ16に出力する。
第1のD/Aコンバータ15は、デジタルデータDATA−Aをアナログの出力信号DAC−Aに変換して増幅器18に出力する。このとき出力信号DAC−Aの振幅の最大値は、基準電源端子に与えられる基準電源(基準電圧VA)の値により制限される。
第2のD/Aコンバータ16は、デジタルデータDATA−Bをアナログの出力信号DAC−Bに変換して増幅器19に出力する。このとき出力信号DAC−Bの振幅の最大値は、基準電源端子に与えられる基準電源(基準電圧VB)の値により制限される。第1のD/Aコンバータ15と第2のD/Aコンバータ16は、例えば、基準電源が電圧入力型、出力が電圧出力型のD/Aコンバータである。
基準電源制御回路17は、第1及び第2のD/Aコンバータ15及び16の基準電源端子に基準電圧VA、VBを供給する回路である。この実施の形態では、基準電圧VAとVBを同一にしている。なお、第1のD/Aコンバータ15と第2のD/Aコンバータ16として基準電源が電流入力のものを使用する場合には、基準電源制御回路17の出力に、所望の基準電流が流れるような抵抗を追加する。
基準電圧VA、VBは、制御部13から出力されるデータにより決まる電圧値及びパルス幅を有する電圧であり、第1のD/Aコンバータ15と第2のD/Aコンバータ16の出力信号の最大振幅を制限する電圧である。基準電圧VA、VBは、超音波モータ12の起動時に電圧値がゼロで、時間の経過とともに電圧が次第に大きくなり、停止時に電圧値が次第に小さくなる特性を持っている。このように、基準電圧VA、VBの値を起動時に徐々に大きく、停止時に徐々に小さくすることで、駆動信号の振幅値を起動時に徐々に大きくし、停止時に徐々に小さくして、超音波モータ12の始動時及び停止時の騒音を低減することができる。
増幅器18と増幅器19は、それぞれ第1のD/Aコンバータ15の出力信号DAC−Aと第2のD/Aコンバータ16の出力信号DAC−Bを増幅して、ローパスフィルタ20及び21に出力する。ローパスフィルタ20及び21は、増幅器18及び19から出力される矩形波のアナログ信号を平滑して擬似的な正弦波に変換する。出力用ドライバ22及び23は、ローパスフィルタ20及び21の出力信号を電流増幅して、超音波モータ12を駆動する駆動信号OUT−A、OUT−Bとして出力する。
増幅器18及び19は、第1のD/Aコンバータ15と第2のD/Aコンバータ16の出力信号を必要な大きさの信号に変換するための回路であり、第1及び第2のD/Aコンバータ15及び16の出力電圧または出力電流によっては不要となる。また、第1のD/Aコンバータ15及び16に電流出力型のものを使用する場合には、電流電圧変換器を追加するか、増幅器18及び19に電流電圧変換機能を有するものを使用する。
振動検出器24は、超音波モータ12の弾性体の振動を検出し、検出結果の信号を位相差測定器25に出力する。位相差測定器25は、振動検出器24で検出される超音波モータ12の振動を示す信号と矩形波Bとの位相差を測定し、測定結果を制御部13に出力する。制御部13は、この位相差の測定結果に基づいて矩形波A、Bの周波数、位相差を変化させ、あるいはデジタルデータの値を変化させる。これにより、駆動信号の周波数、位相差、または振幅を制御する。
また、超音波モータ12の弾性体と接触する移動体の位置を検出する位置検出器(図示せず)を設け、位置検出器の検出情報を制御部13に出力するようにしても良い。そして、制御部13が、位置検出器により検出される移動体の位置と目的とする位置との差を算出し、その差が小さくなるように矩形波A、Bの周波数、位相差、あるいはD/Aコンバータ制御回路15に出力するデジタルデータを制御しても良い。
次に、上記の超音波モータ駆動回路11の動作を、図2の波形図を参照して説明する。
制御部13から第1のD/Aコンバータ15に対して、例えば、周波数が100kHzで、90°の位相差を持った矩形波A、Bが出力され、さらに駆動信号の振幅を決めるデジタルデータa、b、−a、−bが順に出力されるものとする。デジタルデータa、bは任意の値で良く、このデジタルデータa、bの値を変化させることで駆動信号の振幅を任意に変化させることができる。
D/Aコンバータ制御回路14は、矩形波Aの論理レベルが「1」のとき(矩形波Aがハイレベルの期間)、制御部13から出力されるデジタルデータ「a」をデジタルデータDATA−Aとして第1のD/Aコンバータ18に出力する。また、D/Aコンバータ制御回路14は、矩形波Aの論理レベルが「0」のとき(ローレベルの期間)、制御部13から出力されるデジタルデータ「−a」をデジタルデータDATA−Bとして第1のD/Aコンバータ15に出力する。
D/Aコンバータ制御回路14は、同様に矩形波Bの論理レベルが「1」のとき、制御部13から出力されるデジタルデータ「b」をデジタルDATA−Bとして第2のD/Aコンバータ16に出力する。また、D/Aコンバータ制御回路14は、矩形波Bの論理レベルが「0」のとき、制御部13から出力されるデジタルデータ「−b」をデジタルデータDATA−Bとして第2のD/Aコンバータ16に出力する。
基準電源制御回路17は、制御部13からデジタルデータ「a」、「b」の出力が開始されるタイミングに同期して、振幅値が「0」から徐々に所定の値まで上昇する変化特性を持った基準電圧VA、VBを第1及び第2のD/Aコンバータ15及び16の基準電源端子に出力する。第1及び第2のD/Aコンバータ15及び16は、それぞれ基準電源端子に印加される基準電圧VA、VBに比例した振幅の最大値、最小値を有する信号を出力する。
図2の例では、基準電圧VAが「0」に近い値で、矩形波Aの論理レベルが「1」、第1のD/Aコンバータ15に入力するデジタルデータが「a」のとき、第1のD/Aコンバータ15の出力信号の最大振幅は、そのときの基準電圧VAの値により制限される。従って、そのときの第1のD/Aコンバータ15の出力信号DAC−Aの振幅は、基準電圧VAが最大値「Vt」となったときのデジタルデータ「a」に対応する値「a’」より小さな値「a」になる。
基準電圧VAが「V」で、矩形波Aの論理レベルが「0」、第1のD/Aコンバータ15に入力するデジタルデータが「−a」のとき、第1のD/Aコンバータ15の出力信号の振幅は、基準電圧VAの値「V」により制限されるため、第1のD/Aコンバータ15の出力信号の振幅は、デジタルデータ「−a」に対応するアナログ値「−a’」より絶対値で小さな値「−a」となる。
基準電圧VAが次第に上昇してある一定値Vtになると、矩形波Aの論理レベルが「1」で、第1のD/Aコンバータ15の入力データが「a」のときの第1のD/Aコンバータ15の出力信号の振幅は基準電圧VAの値「Vt」に対応する値「a’」となる。第2のD/Aコンバータ16の出力信号DAC−Bの振幅も同様となる。
従って、第1及び第2のD/Aコンバータ15及び16の出力信号の振幅は、図2に示すように、基準電圧VA、VBの振幅を包絡線とする矩形波の正負の信号となる。
第1及び第2のD/Aコンバータ15及び16の出力信号DAC−A、DAC−Bは、ローパスフィルタ20及び21において擬似的な正弦波に変換され、出力用ドライバ22及び23から、図2に示すように基準電圧VA、VBを包絡線として振幅値が「0」から正、負の一定値を最大振幅とする正弦波の信号となる。
なお、基準電圧VA、VBの立ち上がり、立ち下がり時間は、矩形波の信号DAC−A、DAC−Bの周期の10倍以上にすることが望ましい。
図3は、基準電源制御回路17の基準電圧VAを生成する積分回路を示す図である。制御部13から矩形波のパルス幅を指示するデジタルデータを受け取ると、基準電源制御回路17の内部で、図3に示すようなパルス電圧Vinが生成される。この電圧Vinは、抵抗R1の一端に入力し、抵抗R1の他端は、キャパシタC1と増幅器31に接続されている。キャパシタC1の他端は接地されている。抵抗R1とキャパシタC1は積分回路を構成し、積分された電圧は増幅器31で増幅され、立ち上がりと立ち下がりがなだらかに変化する電圧VAとなる。
図4及び図5は、超音波モータ駆動回路11の測定波形を示す図である。図4の上側の波形は、基準電圧VAを示し、下側の波形は、駆動信号OUT−Aを示している。図4に示すように、駆動信号OUT−Aは、基準電圧VAを包絡線として振幅が変化する信号となる。
図5(A)、(B)は、基準電圧VAと駆動信号OUT−Aの時間軸を拡大したときの波形図である。図5(A)の期間Tの時間軸を拡大したものが、図5(B)の波形図である。図5(A)、(B)から明らかなように、駆動信号OUT−Aは、基準電圧VAの包絡線で振幅が変化する正弦波の信号となる。
次、図6は、基準電源制御回路17の基準電圧VA、VBを生成する回路の他の例を示す図である。
図3に示した積分回路のように、矩形波の信号をR、Cフィルタで積分した場合、立ち上がりの波形と、立ち下がりの波形が異なるために、駆動信号OUT−A、OUT−Bの包絡線の立ち上がり波形と立ち下がり波形が異なってしまう。
上記の点を改良したのが、図6に示す電圧生成回路40である。図6の電圧生成回路40は、3つの演算増幅器で構成されており、初段の演算増幅器42は差動増幅器として機能し、2段目の演算増幅器43は積分器として機能し、3段目の演算増幅器44は理想ダイオードとして機能する。
入力信号cは、制御部13により指定されたパルス幅の信号であり、インバータ41に入力している。また、入力信号cは、抵抗R11を介して演算増幅器42の反転入力端子に入力している。インバータ41の出力は、抵抗R12を介して演算増幅器42の非反転入力端子に入力し、非反転入力端子は、抵抗R13を介して接地されている。演算増幅器42の出力は抵抗R14を介して非反転入力端子に帰還されている。
演算増幅器42の出力信号eは、抵抗R15を介して演算増幅器43の反転入力端子に入力し、演算増幅器43の出力はキャパシタC11を介して反転入力端子に帰還されている。演算増幅器43の非反転入力端子は接地されている。演算増幅器43の出力には抵抗R16とR17が直列に接続され、その接続点の電圧が演算増幅器44の非反転入力端子に入力している。抵抗R17の他端は接地されている。演算増幅器43は積分器として機能し、演算増幅器42の出力信号eを積分した信号fを出力する。
演算増幅器44の出力にはダイオードD2のカソードとダイオードD1のアノードが接続され、ダイオードD1のカソードは抵抗R18と反転入力端子に接続されている。ダイオードD2のアノードと抵抗R18の他端は接地されている。演算増幅器44は理想ダイオードとして機能しており、演算増幅器43の出力信号fの正の期間、正の信号gを出力する。
ここで、上記の電圧生成回路40の動作を、図7の波形図を参照して説明する。図7に示すような矩形波の信号cがインバータ41に入力すると、インバータ41の出力信号は、その信号cを反転した信号dとなる。この信号dの電圧を抵抗R12とR13で分圧した電圧が、演算増幅器42の非反転入力端子に入力する。一方、演算増幅器42の反転入力端子には信号cが入力しているので、演算増幅器42の出力は、図7のeに示すように、信号cが接地レベルのとき、正の一定値となり、信号cがハイレベルのとき、負の一定値となる。
積分器である演算増幅器43に正、負の信号eを入力すると、通常は三角波が出力されるが、積分器の時定数を適切に選ぶことで、所望の立ち上がり時間と立ち下がり時間で演算増幅器43が飽和して、図7に示すような一定の傾きで負から正に、正から負に極性が変化する信号fが得られる。
この信号fを所望の分圧比で分圧した電圧を、理想ダイオードとして機能する演算増幅器44に入力することで、図7に示すような、信号fが負の期間、振幅が「0」となり、信号fが正の期間、振幅が信号fと同じ値となる信号gが得られる。信号gは、立ち上がりと立ち下がりの傾きが同じ波形である。
図6の電圧生成回路40を用いることで、立ち上がりと立ち下がりの波形が同じ基準電圧VA、VBを得ることができるので、駆動信号OUT−AとOUT−Bの立ち上がりと立ち下がりの変化を同じにできる。
上述した実施の形態によれば、比較的動作速度の遅い(例えば、数100kHz程度)D/Aコンバータを使用して、駆動信号の周波数、振幅または位相差を高速(例えば、100×100kHz以上)で任意に制御できる超音波モータ駆動回路を実現できる。さらに、基準電圧VA、VBの立ち上がりまたは立ち下がりの傾きを変化させることで、超音波モータ12の起動時、停止時の駆動信号の包絡線の値を任意に制御して超音波モータ12の騒音を抑制することができる。これにより、安価なD/Aコンバータを用いて、制御性に優れた超音波モータ駆動回路11を実現できる。
さらに、矩形波の交流信号をローパスフィルタ24、25で平滑して擬似的な正弦波の駆動信号を生成し、正弦波の駆動信号で超音波モータ12を駆動することで、超音波モータ12をより安定に、かつ効率的に制御することができる。これにより、超音波モータ12の騒音を抑制できる。
また、超音波モータ12の実際の振動を振動検出器28で検出し、検出した振動と矩形波の信号Aまたは矩形波の信号Bとの位相差を計測し、例えば、位相差が所望の値となるように駆動信号の周波数、位相差を制御することで超音波モータ12をより安定に制御することができる。
さらに、超音波モータ12の弾性体に接触させた移動体の位置を検出する位置検出器を設け、その位置検出器により検出された移動体の位置と目的とする位置との差を計算し、その差が小さくなるように駆動信号の周波数、位相差または振幅を制御することで、移動体の位置、あるいは速度を適正に制御することができる。
本発明は上述した実施の形態に限らず、例えば、以下のように構成しても良い。
(1)矩形波Aと矩形波Bの位相差は90°に限らず、90°未満、あるいは90°より大きくても良い。矩形波以外の信号を用いても良い。
(2)基準電圧VA、VBは異なる電圧でも良い。
(3)第1及び第2のD/Aコンバータ15及び16として単電源のD/Aコンバータを使用する場合には、デジタルデータDATA−A、DATA−Bは正のデータ「a」、「b」のみを供給すれば良い。
(4)基準電源制御回路17は、パルス状の基準電圧VA、VBをD/Aコンバータの基準電源端子に供給しても良い。このように構成することで、駆動信号の振幅値を決めるデジタルデータが、D/Aコンバータ制御回路14からD/Aコンバータに連続的に出力される場合でも、基準電圧VA、VBの値が「0」の期間、駆動信号の振幅値を「0」にして駆動信号のオン期間をより細かく制御できる。
(5)基準電圧VA、VBを生成する回路は、図4及び図6に示した回路に限らず、所望の電圧の立ち上がり特性、立ち下がり特性が得られるものであれば、公知の他の回路を使用できる。
実施の形態の超音波モータ駆動回路のブロック図である。 超音波モータ駆動回路の動作波形を示す図である。 基準電源制御回路の積分回路を示す図である。 基準電圧VAと駆動信号の波形図である。 基準電圧VAと駆動信号の波形図である。 基準電源制御回路の他の例を示す図である。 基準電源制御回路の動作波形を示す図である。
符号の説明
11 超音波モータ駆動回路
12 超音波モータ
13 制御部
14 D/Aコンバータ制御回路
15 第1のD/Aコンバータ
16 第2のD/Aコンバータ
17 基準電源制御回路
18、19 増幅器
20、21 ローパスフィルタ
22、23 出力用ドライバ
24 振動検出器
25 位相差計測器

Claims (9)

  1. 第1のD/Aコンバータと、
    第2のD/Aコンバータと、
    超音波モータを駆動する駆動信号の振幅値を決めるデジタルデータを、周期的に変化し所望の位相差を有する第1及び第2の信号に同期したタイミングで、前記第1及び第2のD/Aコンバータに出力するD/Aコンバータ制御回路と、
    前記第1及び第2のD/Aコンバータの基準電源端子に供給する電圧値または電流値を変化させ、前記第1及び第2のD/Aコンバータの出力信号の振幅を制御する基準電源制御回路と、
    前記第1及び第2のD/Aコンバータの出力信号から得られる第1及び第2の駆動信号を超音波モータに供給する出力回路を備える超音波モータ駆動回路。
  2. 前記基準電源制御回路は、パルス状の信号を前記第1及び第2のD/Aコンバータの基準電源端子に供給する請求項1記載の超音波モータ駆動回路。
  3. 前記基準電源制御回路は、制御部から出力されるデジタルデータに基づいて前記基準電源端子に供給する電圧値または電流値を変化させる請求項1記載の超音波モータ駆動回路。
  4. 前記出力回路は、前記第1及び第2のD/Aコンバータの出力信号を擬似的な正弦波に変換する第1及び第2のローパスフィルタを有し、前記第1及び第2のローパスフィルタのカットオフ周波数を、前記超音波モータの弾性体の共振周波数の1.18倍以上、1.4倍以下に設定した請求項1記載の超音波モータ駆動回路。
  5. 前記超音波モータの弾性体の振動を検出する振動検出器と、前記振動検出器で検出される信号と前記第1または第2の信号との位相差を検出する位相差測定器と、前記位相差測定器で検出される位相差に基づいて前記第1及び第2の信号の周波数、位相差または前記D/Aコンバータ制御回路に出力する前記デジタルデータの値を制御する制御部とを備える請求項1記載の超音波モータ駆動回路。
  6. 前記超音波モータの弾性体と接触する移動体の位置を検出する位置検出器と、前記位置検出器により検出される位置情報と目的とする位置とに基づいて前記第1及び第2の信号の周波数、位相差または前記D/Aコンバータに出力する前記デジタルデータを変化させて前記移動体の位置または速度を制御する制御部とを備える請求項1記載の超音波モータ駆動回路。
  7. 超音波モータを駆動する駆動信号の振幅値を決めるデジタルデータを、周期的に変化し所望の位相差を有する第1及び第2の信号に同期したタイミングで、第1及び第2のD/Aコンバータに出力し、
    前記第1及び第2のD/Aコンバータの基準電源端子に供給する電圧値または電流値を変化させて、前記第1及び第2のD/Aコンバータの出力信号の振幅を制御し、
    前記第1及び第2のD/Aコンバータの出力信号から得られる駆動信号を超音波モータに供給する超音波モータの駆動信号生成方法。
  8. 前記第1及び第2のD/Aコンバータの基準電源端子にパルス状の信号を供給する請求項7記載の超音波モータの駆動信号生成方法。
  9. 制御部から出力されるデジタルデータに基づいて前記基準電源端子に供給する電圧値または電流値を変化させる請求項7記載の超音波モータの駆動信号生成方法。
JP2007221787A 2007-08-28 2007-08-28 超音波モータ駆動回路及び超音波モータの駆動信号生成方法 Pending JP2009055744A (ja)

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