JP2008312390A - 超音波モータ駆動回路及び超音波モータの駆動信号生成方法 - Google Patents

超音波モータ駆動回路及び超音波モータの駆動信号生成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】安価な超音波モータ駆動回路を提供することである。
【解決手段】キャパシタC1、C2とボルテージフォロワ16、17は、それぞれ矩形波の信号A、Bを矩形波の交流信号A’、B’に変換する。第1の乗算器22は、矩形波の国流信号A’と、第1のD/Aコンバータ18でD/A変換された信号を乗算して所望の振幅値の矩形波の交流信号MPY−Aを出力する。第2の乗算器23は、矩形波の交流信号B’と、第2のD/Aコンバータ21でD/A変換された信号を乗算して所望の振幅値の矩形波の交流信号MPY−Bを出力する。そして、それらの信号MPY−A、MPY−Bを正弦波の信号に変換して超音波モータに供給する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、産業用機器、測定器、電子機器等に用いられる超音波モータの駆動回路及びその駆動信号生成方法に関する。
産業用機器、一般の電子機器等の駆動機構として超音波モータが利用されている。また、高精度の位置測定システムと併用することで、従来の送りネジ等を使用した位置決め装置よりはるかに高い位置決め精度を実現することができる。
超音波モータを駆動する信号として一定の位相差(一般的には±90°)を持った2相の進行波が用いられる。超音波モータを効率良く安定に制御するためにはこの進行波の形状や周波数、振幅、位相差などを適切に制御する必要がある。
特許文献1には、振動波モータの圧電素子に印加する交流電圧と、振動体の振動状態を検知する検知信号との位相差が共振に近い所定の位相差に達したとき、圧電素子に印加する電圧を低電圧から高電圧に切り換えることが記載されている。
特許文献2には、超音波モータの停止時に、A相駆動信号とB相駆動信号の位相差が90°から0°まで漸次的に変化するように制御することで、超音波モータの停止時の騒音を軽減することが記載されている。
特許文献3には、超音波モータの駆動開始時に、段階的に交流電圧を上昇させ、電圧レベルが所定の電圧に達した後に、駆動周波数を段階的に下降させることで、始動時の振動を小さくすることが記載されている。
特許文献4には、超音波モータに印加する正弦波電圧を微分回路で微分して90°の位相差を持つ正弦波を生成することが記載されている。
特許文献5には、矩形波を正弦波に変換するローパスフィルタを有する駆動装置について記載されている。
超音波モータを効率よく安定に駆動するためには正弦波の信号を供給し、その正弦波の信号の周波数、振幅、位相差を所定の範囲内で任意に変化させることが望ましい。
しかしながら、従来は、超音波モータを駆動する駆動信号の振幅値として離散的な値しか設定できなかったり、周波数は可変することができるが駆動信号の波形が矩形波であったり、理想的な駆動信号を得ることが難しかった。
D/Aコンバータで正弦波を発生させることも考えられるが、一般的な超音波モータの駆動信号の周波数は数10kHzから100kHz以上であり、仮に100kHz程度の信号を100Hzのステップで変調すると、D/Aコンバータには100Mサンプリング毎秒以上の性能が必要となる。動作速度の速いD/Aコンバータは一般にコストが高くなる。また、100Mサンプリング毎秒以上の速さでD/Aコンバータにデジタルデータを供給できる演算システムやインターフェースもコスト増の要因となる。
特開2002−305884号公報 特開2002−199749号公報 特開平11−196585号公報 特開平9−70187号公報 特開2000−70851号公報
本発明の課題は、安価な超音波モータ駆動回路を提供することである。
本発明の超音波モータ駆動回路は、周期的に変化し所望の位相差を有する交流の第1及び第2の信号を生成する信号生成回路と、第1のD/Aコンバータと、第2のD/Aコンバータと、超音波モータを駆動する第1及び第2の駆動信号の振幅値を決めるデジタルデータを、前記第1及び第2のD/Aコンバータに出力するD/Aコンバータ制御回路と、前記第1のD/Aコンバータの出力信号から得られる第1のアナログ信号と前記第1の信号を乗算する第1の乗算器と、前記第2のD/Aコンバータの出力信号から得られる第2のアナログ信号と前記第2の信号を乗算する第2の乗算器と、前記第1及び第2の乗算器の出力信号を第1及び第2の駆動信号として超音波モータに供給する出力回路とを備える。
上記の発明の超音波モータ駆動回路において、前記第1の乗算器は、矩形波の交流信号である前記第1の信号と前記第1のアナログ信号を乗算し、前記第2の乗算器は、矩形波の交流信号である前記第2の信号と前記第2のアナログ信号を乗算する。
上記の発明の超音波モータ駆動回路において、前記信号生成回路は、所望の位相差を有する単極性の信号を、矩形波の交流信号である前記第1及び第2の信号に変換する波形変換回路を有する。
上記の発明の超音波モータ駆動回路において、前記波形変換回路は、単極性の矩形波の信号を交流の前記第1及び第2の信号に変換する交流結合回路である。
上記の発明の超音波モータ駆動回路において、前記出力回路は、前記第1及び第2のD/Aコンバータの出力信号をそれぞれ擬似的な正弦波に変換する第1及び第2のローパスフィルタを有する。
上記の発明の超音波モータ駆動回路において、前記第1及び第2のローパスフィルタのカットオフ周波数を、前記超音波モータの弾性体の共振周波数の1.18倍以上、1.4倍以下に設定した。
上記の発明の超音波モータ駆動回路において、前記超音波モータの弾性体の振動を検出する振動検出器と、前記振動検出器で検出される信号と前記第1または第2の信号との位相差を検出する位相差検出器と、前記位相差検出器で検出される位相差に基づいて前記第1及び第2の信号の周波数、位相差または前記D/Aコンバータ制御回路に出力する前記デジタルデータの値を制御する制御部とを備える。
上記の発明の超音波モータ駆動回路において、前記超音波モータの弾性体と接触する移動体の位置を検出する位置検出器と、前記位置検出器により検出される位置情報と目的とする位置とに基づいて前記第1及び第2の信号の周波数、位相差または前記D/Aコンバータに出力する前記デジタルデータを変化させて前記移動体の位置または速度を制御する制御部とを備える。
本発明によれば、動作速度の比較的遅いD/Aコンバータを用いて安価な超音波モータ駆動回路を実現できる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、超音波モータ12を含む第1の実施の形態の超音波モータ駆動回路11のブロック図である。
超音波モータ12は、屈曲振動と縦振動を発生させる複数の振動子からなる弾性体と、その弾性体に接触させた移動体とからなる。
制御部(CPU)13は、発振周波数と位相差を指示する信号またはデータを矩形波発生回路14に出力すると共に、超音波モータ12を駆動する駆動信号の振幅値を決めるデジタルデータをD/Aコンバータ制御回路15に出力する。制御部13は、矩形波発生回路14に出力するデータを変更することで矩形波A、Bの周波数、位相差を制御することができる。
矩形波発生回路14は、制御部13からの指示に従って所望の周波数の所望の位相差を持った2種類の矩形波の信号A、Bを生成してキャパシタC1、C2の一端に出力する。キャパシタC1の他端はボルテージフォロワ16に接続され、キャパシタC2の他端はボルテージフォロワ17に接続されている。キャパシタC1とボルテージフォロワ16は、単極性の矩形波の信号Aを矩形波の交流信号A’(第1の信号)に変換する波形変換回路を構成している。また、キャパシタC2とボルテージフォロワ17は、単極性の矩形波の信号Bを矩形波の交流信号B’(第2の信号)に変換する波形変換回路を構成している。矩形波発生回路14、キャパシタC1、C2、ボルテージフォロワ16及び17は、信号生成回路に対応する。
D/Aコンバータ制御回路15は、制御部13から出力されるデジタルデータをラッチして第1及び第2のD/Aコンバータ18及び19に出力する。
第1のD/Aコンバータ18は、電流出力型のD/Aコンバータ制御回路15から出力されるデジタルデータDATA−Aをアナログ信号に変換して電流電圧変換器20に出力する。電流電圧変換器20は、電流/電圧変換して得られるアナログ信号(第1のアナログ信号)DAC−Aを第1の乗算器22に出力する。
第1の乗算器22は、矩形波の交流信号A’とアナログ信号DAC−Aを乗算して得られる矩形波の交流信号MPY−Aを第1のローパスフィルタ24に出力する。第1のローパスフィルタ24は、交流信号MPY−Aを平滑して擬似的な正弦波に変換し増幅器26に出力する。増幅器26は、増幅した正弦波の信号を第1の駆動信号OUT−Aとして超音波モータ12に出力する。
第2のD/Aコンバータ19は、電流出力型のD/Aコンバータ制御回路15から出力されるデジタルデータDATA−Bをアナログ信号に変換して電流電圧変換器21に出力する。電流電圧変換器21は、電流/電圧変換したアナログ信号(第2のアナログ信号)DAC−Bを第2の乗算器23に出力する。
第2の乗算器23は、矩形波の交流信号B’とアナログ信号DAC−Bを乗算して得られる矩形波の交流信号MPY−Bを第2のローパスフィルタ25に出力する。第2のローパスフィルタ25は、交流信号MPY−Bを平滑して疑似的な正弦波に変換し増幅器27に出力する。増幅器27は、増幅した正弦波の信号を第2の駆動信号OUT−Bとして超音波モータ12に出力する。上記のローパスフィルタ24及び25と増幅器26及び27は、出力回路に対応する。
振動検出器28は、超音波モータ12の弾性体の振動を検出し、検出結果の信号を位相差測定器29に出力する。位相差測定器29は、振動検出器28で検出される超音波モータ12の振動を示す信号と矩形波の信号Bとの位相差を測定し、測定結果を制御部13に出力する。制御部13は、この位相差の測定結果に基づいて駆動信号の周波数、位相差または振幅の制御を行う。
また、超音波モータ12の弾性体と接触する移動体の位置を検出する位置検出器(図示せず)を設け、位置検出器の検出情報を制御部13に出力するようにしても良い。そして、制御部13が、位置検出器により検出される移動体の位置と目的とする位置との差を算出し、その差が小さくなるように矩形波の信号A、Bの周波数、位相差、あるいはD/Aコンバータ制御回路15に出力するデジタルデータを制御しても良い。
図2は、第1及び第2のローパスフィルタ24、25の一例を示す図である。この第1の実施の形態では、演算増幅器を用いたアクティブフィルタの中で構成が簡素な正帰還型フィルタであるサレン・キー回路を用いている。演算増幅器を用いたアクティブフィルタを用いることで、出力信号の線形性を確保し、安定した超音波モータ12の制御を可能としている。なお、アクティブフィルタに限らず、抵抗とキャパシタからなるパッシブフィルタを用いても良い。
図2において、入力信号は、直列に接続された抵抗R1、R2を介して、演算増幅器31の非反転入力端子に入力する。非反転入力端子にはキャパシタC3の一端が接続され、そのキャパシタC3の他端は電源電圧に接続されている。演算増幅器31の出力は反転入力端子に帰還され、その反転入力端子に帰還される信号は、キャパシタC4と抵抗R2を介して非反転入力端子にも帰還されている。キャパシタC4とキャパシタC3の容量比は1:2に設定されている。抵抗R1、R2の抵抗値をR、キャパシタC3の容量値をCとすると、第1及び第2のローパスフィルタ24、25のカットオフ周波数fcは、fc=1/(2・21/2・πRC)で表せる。カットオフ周波数fcは、超音波モータ12の共振周波数の1.18倍以上、1.4倍以下に設定するのが好ましい。
次に、上記の超音波モータ駆動回路11の動作を、図3のタイミングチャートを参照して説明する。
制御部13により矩形波の周波数と位相差が指示され、駆動信号の振幅を決めるデジタルデータa1、b1、a2、b2、a3、b3・・が順に出力され、矩形波発生回路14から、例えば、周波数が100kHzで、90°の位相差を持った矩形波A、Bが出力されるものとする。
D/Aコンバータ制御回路15は、制御部13から出力されたデジタルデータ「a1」をラッチし、ラッチしたデータ「a1」をデジタルデータDAT−Aとして、矩形波の信号Aの立ち上がりに同期したタイミングで第1のD/Aコンバータ18に出力する。また、D/Aコンバータ制御回路15は、制御部13から出力されたデジタルデータ「b1」をラッチし、ラッチしたデータ「b1」をデジタルデータDAT−Bとして、矩形波の信号Bの立ち上がりに同期したタイミングで第2のD/Aコンバータ19に出力する。D/Aコンバータ制御回路15は、制御部13から出力されるデジタルデータ「a2」、「b2」・・をラッチし、それらのデータを順に第1のD/Aコンバータ18と第2のD/Aコンバータ19に出力する。なお、第1及び第2のD/Aコンバータ18及び19にデータを出力するタイミングは、矩形波の信号a、Bの立ち上がりに同期したタイミングに限らず、任意のタイミングに出力しても良い。
第1及び第2のD/Aコンバータ18及び19は、入力するデジタルデータのD/A変換を行い、変換後のアナログ信号を第1及び第2の電流電圧変換器20及び21に出力する。
第1の電流電圧変換器20からは、図3に示すように、振幅が、a1、a2、a3・・と階段状に変化する単極性の信号DAC−Aが出力される。第2の電流電圧変換器21からは、図3に示すように、振幅がb1、b2、b3・・と階段状に変化する単極性の信号DAC−Bが出力される。
第1の乗算器22は、矩形波の交流信号A’とアナログ信号DAC−Aを乗算して、振幅値が+a1、−a1、+a2、−a2、+a3、−a3・・と交互に正負に変化する矩形波の交流信号MPY−Aを出力する。
この矩形波の交流信号MPY−Aは、図3に示すように、矩形波の交流信号A’の立ち上がりのタイミングで振幅が正の値(例えば、+a1、+a2)に変化し、矩形波の交流信号A’の立ち下がりのタイミングで振幅が負の値(例えば、−a1、a2)に変化する信号である。
第2の乗算器23は、矩形波の交流信号B’とアナログ信号DAC−Bを乗算して、振幅が+b1、−b1、+b2、−b2、+b3、−b3・・と交互に正負に変化する矩形波の交流信号MPY−Bを出力する。
この矩形波の交流信号MYA−Bは、図3に示すように、矩形波の交流信号B’の立ち上がりのタイミングで振幅が正の値(例えば、+b1、+b2)に変化し、矩形波の交流信号B’の立ち下がりのタイミングで振幅が負の値(例えば、−b1、−b2)に変化する信号である。
上記の矩形波の交流信号MYP−Aは、第1のローパスフィルタ24により平滑されて、図3に示すような擬似的な正弦波の第1の駆動信号OUT−Aに変換される。また、矩形波の交流信号MPY−Bは、第2のローパスフィルタ25により平滑されて擬似的な正弦波の第2の駆動信号OUT−Bに変換される。これら第1及び第2の駆動信号OUT−A、OUT−Bにより超音波モータ12が制御される。
上述した第1の実施の形態によれば、第1及び第2の乗算器22及び23を用いて、周期的に変化し、所望の位相差を有する矩形波の信号A、Bの立ち上がり(または立ち下がり)に同期したタイミングで振幅値が変化する矩形波の交流信号MPY−A、MPY−Bを生成することができる。そして、矩形波の交流信号MPY−A、MPY−Bを第1及び第2のローパスフィルタ24及び25で平滑することで擬似的な正弦波の信号を駆動信号OUT−A、OUT−Bに変換して超音波モータ12を駆動することができる。
この駆動信号OUT−A、OUT−Bは、D/Aコンバータ制御回路15に供給するデジタルデータの値、矩形波発生回路14で生成する矩形波の信号A、Bの周波数または位相差を変化させることで周波数、振幅または位相差を任意に制御することができるので、超音波モータ12を任意に制御することができる。
また、第1及び第2のD/Aコンバータ18及び19は、矩形波の信号A、Bの周波数(例えば、数100kHz程度)で動作できる程度の動作速度を有すれば良いので、高速(例えば、100×100kHz以上)で動作するD/Aコンバータを使用する必要が無い。これにより、安価なD/Aコンバータを用いて超音波モータ駆動回路11を構成することができる。
さらに、D/Aコンバータ18及び19の出力信号を第1のローパスフィルタ24、25で平滑することで擬似的な正弦波の駆動信号を生成することができる。擬似的な正弦波の駆動信号で超音波モータ12を駆動することで、超音波モータ12をより安定に、かつ効率的に制御することができる。
また、超音波モータ12の実際の振動を振動検出器28で検出し、検出した振動と矩形波の信号Aまたは矩形波の信号Bとの位相差を計測し、例えば、位相差が所望の値となるように駆動信号の周波数、位相差を制御することで超音波モータ12をより安定に制御することができる。
また、超音波モータ12の弾性体に接触させた移動体の位置を検出する位置検出器を設け、その位置検出器により検出された移動体の位置と目的とする位置との差を計算し、その差が小さくなるように駆動信号の周波数、位相差または振幅を制御することで、移動体の位置、あるいは速度を適正に制御することができる。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態は、矩形波の信号A、Bに対して180°の位相差を有する信号!A、!Bを生成し、その信号!A、!Bと、矩形波の信号A、Bをそれぞれ差動増幅器42に入力し、矩形波の交流信号A’、B’を生成する波形変換回路41を有するものである。
図4は、波形変換回路41の一例を示す図である。矩形波の単極性の信号A、Bに対して180°位相が遅れた信号!A、!Bが図示しない遅延回路等により作成される。
矩形波の単極性の信号!A(または!B)は、抵抗R3を介して差動増幅器42の反転入力端子に入力し、矩形波の単極性の信号A(またはB)は、抵抗R4を介して差動増幅器42の非反転入力端子に入力している。非反転入力端子には抵抗R6の一端が接続され、抵抗R6の他端は電源電圧に接続されている。差動増幅器42の出力は抵抗R5を介して反転入力端子に帰還されている。抵抗R3と抵抗R4の抵抗値は等しく、抵抗R5と抵抗R6の抵抗は等しく設定してある。
ここで、上記の波形変換回路41の動作を、図5の波形図を参照して説明する。
図5に示す矩形波の単極性の信号A(またはB)が非反転入力端子に入力し、信号A(またはB)に対して180°位相が遅れた矩形波の信号!A(または!B)が反転入力端子に入力している。
非反転入力端子に入力する信号Aのレベルが、反転入力端子に入力する信号!Aのレベルより大きいときには、差動増幅器42の出力信号A’(またはB’)は正の電源電圧のレベルとなる。
信号Aがローレベルとなり、反転入力端子に入力する信号!Aのレベルが、非反転入力端子に入力する信号Aのレベルより大きくなると、差動増幅器42の出力信号A’は負の電源電圧のレベルとなる。
すなわち、上記の波形変換回路41の出力信号A’(またはB’)は、図5に示すように、矩形波の信号A(またはB)の前半の半周期の期間、正の電源電圧レベルとなり、後半の半周期の期間、負の電源電圧レベルとなる矩形波の交流信号となる。この矩形波の交流信号A’、B’を第1及び第2の乗算器22及び23に出力して信号A、Bと乗算することで、振幅値がデジタルデータの値により変化する矩形波の交流信号MPY−A、MPY−Bを生成することができる。
上述した第2の実施の形態によれば、矩形波の信号A、Bに対して180°の位相差を有する信号!A、!Bを生成し、それらの信号を差動増幅器42に入力することで矩形波の交流信号A’またはB’を生成することができる。この差動増幅器42を利用した波形変換回路41は、キャパシタを用いた交流結合回路に比べて信号の歪みと周波数による振幅の変化を少なくできる。
なお、上述した第1の実施の形態では、第1及び第2のローパスフィルタ24及び25を、第1及び第2の乗算器22及び23の出力側に接続しているが、ボルテージフォロワ16及び17と第1及び第2の乗算器22及び23の間に接続しても良い。この場合、第1及び第2のローパスフィルタ24及び25により矩形波の交流信号A’、B’が擬似的な正弦波の信号に変換されて第1及び第2の乗算器22及び23にそれぞれ入力される。
また、第1の実施の形態の交流結合器であるキャパシタC1、C2はハイパスフィルタと考えることができるので、キャパシタC1、C2と第1及び第2のローパスフィルタ24及び25をそれぞれ1つにまとめてバンドパスフィルタに置き換えることもできる。
本発明は上述した実施の形態に限らず、例えば、以下のように構成しても良い。
(1)矩形波Aと矩形波Bの位相差は90°に限らず、90°未満、あるいは90°より大きくても良い。
(2)実施の形態は、第1及び第2のローパスフィルタ24、25により矩形波の交流信号MPY−A、MPY−Bを擬似的な正弦波に変換しているが、矩形波の交流信号MPY−A、MPY−Bを駆動信号として用いても良い。
(3)上記の実施の形態では、第1及び第2の乗算器22及び23の出力信号MPY−A及びMPY−Bの振幅値を異なる値として説明したが同一の振幅値であっても良い。
第1の実施の形態の超音波モータ駆動回路の回路図である。 ローパスフィルタの一例を示す図である。 超音波モータ駆動回路の動作を示すタイミングチャートである。 第2の実施の形態の波形変換回路の回路図である。 第2の実施の形態の波形変換回路の入出力信号の波形図である。
符号の説明
11 超音波モータ駆動回路
12 超音波モータ
13 制御部
14 矩形波発生回路
15 D/Aコンバータ制御回路
16、17 ボルテージフォロワ
C1、C2 キャパシタ
18 第1のD/Aコンバータ
19 第2のD/Aコンバータ
22 第1の乗算器
23 第2の乗算器

Claims (11)

  1. 周期的に変化し所望の位相差を有する交流の第1及び第2の信号を生成する信号生成回路と、
    第1のD/Aコンバータと、
    第2のD/Aコンバータと、
    超音波モータを駆動する第1及び第2の駆動信号の振幅値を決めるデジタルデータを、前記第1及び第2のD/Aコンバータに出力するD/Aコンバータ制御回路と、
    前記第1のD/Aコンバータの出力信号から得られる第1のアナログ信号と前記第1の信号を乗算する第1の乗算器と、
    前記第2のD/Aコンバータの出力信号から得られる第2のアナログ信号と前記第2の信号を乗算する第2の乗算器と、
    前記第1及び第2の乗算器の出力信号を第1及び第2の駆動信号として超音波モータに供給する出力回路とを備える超音波モータ駆動回路。
  2. 前記第1の乗算器は、矩形波の交流信号である前記第1の信号と前記第1のアナログ信号を乗算し、前記第2の乗算器は、矩形波の交流信号である前記第2の信号と前記第2のアナログ信号を乗算する請求項1記載の超音波モータ駆動回路。
  3. 前記信号生成回路は、所望の位相差を有する単極性の矩形波の信号を、矩形波の交流信号である前記第1及び第2の信号に変換する波形変換回路を有する請求項1記載の超音波モータ駆動回路。
  4. 前記波形変換回路は、単極性の矩形波の信号を交流の前記第1及び第2信号に変換する交流結合回路である請求項3記載の超音波モータ駆動回路。
  5. 前記出力回路は、前記第1及び第2の乗算器の出力信号をそれぞれ擬似的な正弦波に変換する第1及び第2のローパスフィルタを有する請求項1記載の超音波モータ駆動回路。
  6. 前記第1及び第2のローパスフィルタのカットオフ周波数を、前記超音波モータの弾性体の共振周波数の1.18倍以上、1.4倍以下に設定した請求項5記載の超音波モータ駆動回路。
  7. 前記超音波モータの弾性体の振動を検出する振動検出器と、前記振動検出器で検出される信号と前記第1または第2の信号との位相差を検出する位相差検出器と、前記位相差検出器で検出される位相差に基づいて前記第1及び第2の信号の周波数、位相差または前記D/Aコンバータ制御回路に出力する前記デジタルデータの値を制御する制御部とを備える請求項1または2記載の超音波モータ駆動回路。
  8. 前記超音波モータの弾性体と接触する移動体の位置を検出する位置検出器と、前記位置検出器により検出される位置情報と目的とする位置とに基づいて前記第1及び第2の信号の周波数、位相差または前記D/Aコンバータに出力する前記デジタルデータを変化させて前記移動体の位置または速度を制御する制御部とを備える請求項1または2記載の超音波モータ駆動回路。
  9. 周期的に変化し所望の位相差を有する交流の第1及び第2の信号を生成し、
    超音波モータを駆動する第1及び第2の駆動信号の振幅値を決めるデジタルデータを、第1及び第2のD/Aコンバータにそれぞれ出力して第1及び第2のアナログ信号に変換させ、
    前記第1のアナログ信号と前記第1の信号を乗算して第1の駆動信号を生成し、前記第2のアナログ信号と前記第2の信号を乗算して第2の駆動信号を生成する超音波モータの駆動信号生成方法。
  10. 矩形波の交流信号である前記第1の信号と前記第1のアナログ信号を第1の乗算器で乗算して第1の駆動信号を生成し、矩形波の交流信号である前記第2の信号と前記第2のアナログ信号を第2の乗算器で乗算して前記第2の駆動信号を生成する請求項9記載の超音波モータの駆動信号生成方法。
  11. 所望の位相差を有する単極性の2つの信号を、交流結合回路により矩形波の交流信号である前記第1及び第2の信号に変換する請求項9記載の超音波モータの駆動信号生成方法。
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