JP2009055723A - モータ駆動装置およびそれを用いた冷却装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】消費電力を低減する。
【解決手段】制御端子106は、駆動対象のファンモータ112の回転を指示するパルス変調された制御信号Vpwmを受ける。プルアップ抵抗R10およびスイッチSW10は、制御端子106と電源端子Vddの間に直列に設けられる。駆動部10は、制御端子106に入力された制御信号Vpwmにもとづき、ファンモータ112への通電を制御する。制御部42はスイッチSW10のオン、オフを制御する。
【選択図】図1
【解決手段】制御端子106は、駆動対象のファンモータ112の回転を指示するパルス変調された制御信号Vpwmを受ける。プルアップ抵抗R10およびスイッチSW10は、制御端子106と電源端子Vddの間に直列に設けられる。駆動部10は、制御端子106に入力された制御信号Vpwmにもとづき、ファンモータ112への通電を制御する。制御部42はスイッチSW10のオン、オフを制御する。
【選択図】図1
Description
本発明は、モータの駆動技術に関し、特に、外部からのパルス幅変調(PWM)された制御信号を受け、モータの回転数を制御するモータ駆動装置に関する。
近年のパーソナルコンピュータやワークステーションの高速化にともない、CPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)などの演算処理用LSI(Large Scale Integrated Circuit)の動作速度は上昇の一途をたどっている。
このようなLSIは、その動作速度、すなわちクロック周波数が高くなるにつれて発熱量も大きくなる。LSIからの発熱は、そのLSI自体を熱暴走に導いたり、あるいは周囲の回路に対して影響を及ぼすという問題がある。したがって、LSIの適切な熱冷却はきわめて重要な技術となっている。
LSIを冷却するための技術の一例として、冷却ファンによる空冷式の冷却方法がある。この方法においては、たとえば、LSIの表面に対向して冷却ファンを設置し、冷たい空気を冷却ファンによりLSI表面に吹き付ける。
特開2005−6405号公報
特開平10−234130号公報
モータ駆動装置は外部のプロセッサから制御信号を受け、この制御信号を利用してモータコイルの通電時間を調節し回転数を制御する。モータ駆動装置は、回路の消費電力を低減するために、制御信号のレベルが一定値に固定されるとき、すなわちパルスが入力されないときに、スタンバイモードに移行する。
モータ駆動装置は、外部プロセッサから制御信号を受けるための入力回路を備える。本発明者は、外部プロセッサの出力回路の形式によっては、スタンバイモードにおいてモータ駆動装置の入力回路に流れる消費電流が増加するという問題を認識するに至った。
本発明はかかる状況においてなされたものであり、その目的は、モータ駆動装置の消費電力の低減にある。
本発明のある態様のモータ駆動装置は、駆動対象のモータの回転を指示するパルス変調された制御信号を受ける制御端子と、制御端子と電源端子の間に直列に設けられるプルアップ抵抗およびスイッチと、制御端子に入力された制御信号にもとづき、モータへの通電を制御する駆動部と、スイッチのオン、オフを制御する制御部と、を備える。
この態様によると、必要に応じてスイッチをオフすることにより、電源端子からプルアップ抵抗、制御端子を介して外部の回路へと流出する電流を遮断できるため、消費電流を削減することができる。
制御部は、本モータ駆動装置の外部に制御端子と接続される外部回路が、オープンコレクタ出力を有する場合、スイッチをオンし、プッシュプル出力を有する場合、または、抵抗によりプルアップされたオープンコレクタ出力を有する場合、スイッチをオフしてもよい。
なお、本明細書におけるオープンコレクタは、オープンドレインも含む概念である。
外部回路が完全なオープンコレクタの場合、スイッチをオンすることにより制御端子の電位が不定となるのを防止できる。逆に、プッシュプル出力や抵抗によりプルアップされたオープンコレクタの場合、モータ駆動装置側のプルアップ抵抗を切断することにより消費電流を低減できる。プルアップされたオープンコレクタとは、出力回路自体がプルアップ用の抵抗を含んで構成されることを意味し、すなわち出力回路が抵抗とトランジスタを含むインバータ形式を有する場合を意味する。
別の観点から言えば、ある態様のモータ駆動装置は、外部回路の出力回路の形式にかかわらず、適切に制御信号を受信することができる。
なお、本明細書におけるオープンコレクタは、オープンドレインも含む概念である。
外部回路が完全なオープンコレクタの場合、スイッチをオンすることにより制御端子の電位が不定となるのを防止できる。逆に、プッシュプル出力や抵抗によりプルアップされたオープンコレクタの場合、モータ駆動装置側のプルアップ抵抗を切断することにより消費電流を低減できる。プルアップされたオープンコレクタとは、出力回路自体がプルアップ用の抵抗を含んで構成されることを意味し、すなわち出力回路が抵抗とトランジスタを含むインバータ形式を有する場合を意味する。
別の観点から言えば、ある態様のモータ駆動装置は、外部回路の出力回路の形式にかかわらず、適切に制御信号を受信することができる。
ある態様のモータ駆動装置は、スイッチのオン、オフを切りかえるためのセレクト信号を受ける端子をさらに備え、制御部は、セレクト信号にもとづいてスイッチのオン、オフを制御してもよい。
本発明のある態様のモータ駆動装置は、モータが停止した場合に、モータへの通電を停止するロック保護回路と、制御信号のレベルが所定の第1時間以上継続して固定された場合に、ロック保護回路を非アクティブとするロック制御部と、制御信号のレベルが第1時間以上継続して固定されたことを契機として時間測定を開始し、さらに所定の第2時間の経過後に、当該モータ駆動装置の少なくとも一部を停止し、スタンバイモードに移行させるスタンバイ制御部と、をさらに備える。
この場合、ロック制御部は、制御信号がモータの停止を第1時間以上継続して指示した場合に、ロック保護回路を非アクティブとするので、制御信号からの指示によりモータが停止した後の再駆動を迅速化できる。
さらに、第2時間の経過後には、スタンバイモードに移行するため、低消費電力化を図ることができ、スタンバイモードに移行する際には、ロック保護回路が非アクティブとなっているため、その後モータの駆動が指示されても、速やかに回転させることができる。
さらに、第2時間の経過後には、スタンバイモードに移行するため、低消費電力化を図ることができ、スタンバイモードに移行する際には、ロック保護回路が非アクティブとなっているため、その後モータの駆動が指示されても、速やかに回転させることができる。
スタンバイ制御部は、制御信号のレベルの固定が解除され、モータの駆動が指示されたことを契機として、スタンバイモードから通常モードに復帰してもよい。
駆動部が制御信号にもとづきモータへの通電を制御する第1モードと、駆動部が反転した制御信号にもとづきモータへの通電を制御する第2モードとが切り替え可能に構成されてもよい。
制御信号は、ハイレベルがモータの通電、ローレベルが非通電に対応する場合と、ローレベルがモータの通電、ハイレベルが非通電に対応する場合と、に分類される。第1、第2モードを設けることにより、モータ駆動装置の外部に制御信号の論理値を反転させるインバータ(NOTゲート)が不要となる。
制御信号は、ハイレベルがモータの通電、ローレベルが非通電に対応する場合と、ローレベルがモータの通電、ハイレベルが非通電に対応する場合と、に分類される。第1、第2モードを設けることにより、モータ駆動装置の外部に制御信号の論理値を反転させるインバータ(NOTゲート)が不要となる。
本発明のさらに別の態様もまた、モータ駆動装置である。この装置は、駆動対象のモータの回転を指示するパルス変調された制御信号を受ける制御端子と、制御端子に入力された制御信号にもとづき、モータへの通電を制御する駆動部と、を備える。モータ駆動装置は、駆動部が制御信号にもとづきモータへの通電を制御する第1モードと、反転した制御信号にもとづきモータへの通電を制御する第2モードとが切り替え可能に構成される。
この態様によると、モータ駆動装置の外部に制御信号の論理値を反転させるインバータ(NOTゲート)が不要となる。
制御端子と電源端子の間に直列に設けられるプルアップ抵抗およびスイッチと、スイッチのオン、オフを制御する制御部と、をさらに備えてもよい。
モータ駆動装置は、1つの半導体基板上に一体集積化されてもよい。「一体集積化」とは、回路の構成要素のすべてが半導体基板上に形成される場合や、回路の主要構成要素が一体集積化される場合が含まれ、回路定数の調節用に一部の抵抗やキャパシタなどが半導体基板の外部に設けられていてもよい。モータ駆動装置を1つのLSIとして集積化することにより、回路面積を削減することができる。
本発明のさらに別の態様は、冷却装置である。この装置は、ファンモータと、ファンモータを駆動対象のモータとして駆動するモータ駆動装置と、を備える。
この態様によると、冷却装置全体としての消費電力を低減できる。
この態様によると、冷却装置全体としての消費電力を低減できる。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を、方法、装置、システムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明のある態様によれば、モータ駆動装置の消費電力を低減できる。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
本明細書において、「部材Aが部材Bに接続」された状態とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合や、部材Aと部材Bが、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
実施の形態は、たとえばLSIなどの冷却対象に対してファンにより冷たい空気を吹き付ける冷却装置に関する。図1は、実施の形態にかかる冷却装置200の構成を示す。冷却装置200は、モータ駆動装置100と、ファンモータ112と、ホール素子114と、外部コントローラ120と、を備える。
ファンモータ112は、単相全波モータであって、図示しない冷却対象物に対向して配置される。このファンモータ112は、モータ駆動装置100から出力される駆動電圧によりコイル電流が制御され、すなわち通電状態が制御されて回転が調節される。
ホール素子114の第1端子は抵抗R12を介してホールバイアス電圧HBが印加される電源ラインと接続され、その第2端子は抵抗R11を介して接地される。抵抗R12および抵抗R11によって、ホール素子114から出力される信号の大きさが調節される。したがって、後述するヒステリシスコンパレータ22の同相入力範囲によっては、抵抗R11あるいは抵抗R12のいずれか一方あるいは両方が短絡されてもよい。なお、ホールバイアス電圧HBは、モータ駆動装置100により生成される。
ホール素子114は、ファンモータ112のロータの位置に応じてレベルが変化する第1ホール信号VH1、第2ホール信号VH2を出力する。ファンモータ112が回転している場合、第1ホール信号VH1と第2ホール信号VH2は互いに逆相であって周期がファンモータ112の回転数に応じて変化する正弦波である。
外部コントローラ120は、パルス幅変調された制御信号Vpwmを生成する。外部コントローラ120は、制御信号Vpwmのデューティ比を、ファンモータ112の目標回転数に応じて変化させる。
モータ駆動装置100は、第1ホール信号VH1、第2ホール信号VH2および制御信号Vpwmをもとに、ファンモータ112を駆動する。モータ駆動装置100は、後述する制御信号Vpwmによりファンモータ112の停止が所定時間以上指示された場合、ファンモータ112への通電を停止するロック保護機能をキャンセル(非アクティブ化)する機能を備える。なお、モータ駆動装置100は、ひとつの半導体基板上に一体集積化された機能ICであることが望ましい。
モータ駆動装置100は、信号の入出力用の端子として、第1入力端子102と、第2入力端子104と、制御端子106と、第1出力端子108と、第2出力端子110と、ホールバイアス端子111と、セレクト端子116を有する。
制御端子106には、外部コントローラ120から制御信号Vpwmが入力される。セレクト端子116には、モータ駆動装置100の動作モードもしくは動作状態を切りかえるためのセレクト信号SELが入力される。セレクト信号SELの詳細については後述する。
第1入力端子102および第2入力端子104には、ホール素子114から出力される第1ホール信号VH1および第2ホール信号VH2がそれぞれ入力される。
第1出力端子108および第2出力端子110からは、ファンモータ112を駆動する第1駆動電圧Vdr1および第2駆動電圧Vdr2がそれぞれ出力される。
第1入力端子102および第2入力端子104には、ホール素子114から出力される第1ホール信号VH1および第2ホール信号VH2がそれぞれ入力される。
第1出力端子108および第2出力端子110からは、ファンモータ112を駆動する第1駆動電圧Vdr1および第2駆動電圧Vdr2がそれぞれ出力される。
モータ駆動装置100は、主に、駆動部10と、保護回路12と、スタンバイ制御部20と、電圧源30と、起動回路31と、入力回路40と、制御部42と、論理反転部44と、を含む。
ファンモータ112の回転数を上げる場合、外部コントローラ120は制御信号Vpwmのデューティ比を大きくし、ファンモータ112の回転数を下げる場合は、制御信号Vpwmのデューティ比を小さくする。ファンモータ112を停止させる場合、外部コントローラ120は制御信号Vpwmのデューティ比を実質的に0とし、制御信号Vpwmをハイレベルまたはローレベルに固定する。以下の説明ではローレベルに固定するものとする。
駆動部10は、第1ホール信号VH1、第2ホール信号VH2および制御信号Vpwmをもとに、ファンモータ112を駆動する。駆動部10は、ヒステリシスコンパレータ22と、プリドライブ回路24と、Hブリッジ26と、スイッチSW1〜SW4と、を含む。
ヒステリシスコンパレータ22は、ホール素子114から出力される第1ホール信号VH1と第2ホール信号VH2とを比較し、VH1>VH2のときハイレベル、VH1<VH2のときローレベルとなる方形波信号Vrctを出力する。
入力回路40は、外部コントローラ120からの制御信号Vpwmを受ける。入力回路40は、プルアップ抵抗R10、スイッチSW10を含む。プルアップ抵抗R10およびスイッチSW10は、制御端子106と電源端子Vddの間に直列に設けられる。プルアップ抵抗R10とスイッチSW10の位置は逆であっても構わない。
制御部42は、セレクト信号SELに応じて、スイッチSW10のオン、オフ状態を制御する。
制御部42は、セレクト信号SELに応じて、スイッチSW10のオン、オフ状態を制御する。
モータ駆動装置100の制御端子106には、さまざまな出力形式を有する外部コントローラ120が接続される。図2(a)〜(c)は、外部コントローラ120の出力回路の例を示す回路図である。図2(a)の出力回路は、オープンコレクタであり、同図(b)の出力回路はプッシュプル出力であり、同図(c)の出力回路は、抵抗によりプルアップされたオープンコレクタである。
冷却装置200の設計者は、外部コントローラ120の出力回路の形式に応じてセレクト信号SELの値を設定する。
図2(a)の場合、外部コントローラ120側のトランジスタM1のドレインをプルアップするために、スイッチSW10がオンに設定され、プルアップ抵抗R10が利用される。
図2(a)の場合、外部コントローラ120側のトランジスタM1のドレインをプルアップするために、スイッチSW10がオンに設定され、プルアップ抵抗R10が利用される。
図2(b)の場合、外部コントローラ120にはトランジスタM1、M2を含むプッシュプル回路が設けられている。この場合、トランジスタM1、M2が相補的にオン、オフするため、トランジスタM1をオフした状態でも、制御信号Vpwmの値が不定とはならない。したがってモータ駆動装置100側にプルアップ抵抗R10は不要である。この場合、セレクト信号SELによってスイッチSW10がオフに設定される。
図2(c)の場合、外部コントローラ120にはトランジスタM1、抵抗R1を含む出力回路が設けられる。トランジスタM1は抵抗R1によりプルアップされているため、トランジスタM1をオフした状態でも、制御信号Vpwmの値が不定とはならない。したがってモータ駆動装置100側にプルアップ抵抗R10は不要であるから、セレクト信号SELによってスイッチSW10がオフに設定される。
モータの回転を停止する場合、外部コントローラ120は制御信号Vpwmのレベルを固定するために、トランジスタM1をオンさせる。もしスイッチSW10を設けない場合、制御端子106と電源端子Vddとの間には、常にプルアップ抵抗R10が接続されるから、外部コントローラ120がプッシュプル出力(図2(b))やプルアップされたオープンコレクタ出力(図2(c))を有する場合に、電源端子Vddからプルアップ抵抗R10、トランジスタM1を介して不要な電流が流れることになる。
これに対して、本実施の形態に係るモータ駆動装置100によれば、スイッチSW10を設け、図2(b)、(c)の場合にスイッチSW10をオフすることによって、不要な電流が流れるのを防止し、消費電力を低減することができる。
外部コントローラ120の出力回路が、プッシュプル形式(図2(b))、あるいは抵抗とトランジスタを含むインバータ形式(図2(c))の場合に、消費電力を低減する目的で、入力回路40を設けない構成とした場合、図2(a)に示す完全なオープンコレクタから出力される制御信号Vpwmを受けることができなくなる。これに対して、図1の回路によれば、スイッチSW10を設けることにより、さまざまな形式の出力回路に対応しつつ、形式に応じて消費電力を低減することが可能となっている。
モータ駆動装置100は、駆動部10が制御信号Vpwmにもとづきファンモータ112への通電を制御する第1モードと、駆動部10が反転した制御信号Vpwmにもとづきファンモータ112への通電を制御する第2モードとが切り替え可能に構成される。このために、制御部42、論理反転部44が設けられる。
論理反転部44は、制御信号Vpwmの論理値を反転し、または反転せずにそのまま出力する。論理反転部44はイネーブル機能付きのインバータであってもよいし、その他のデジタル信号処理によって実現してもよい。論理反転部44の位置は、図1のそれに限定されず、駆動部10やスタンバイ制御部20などの内部に設けられてもよい。制御部42はセレクト信号SELに応じて、論理反転部44による制御信号Vpwmの反転、非反転を切りかえる。
上述のように、外部コントローラ120により生成される制御信号Vpwmは2つの種類に分けられる。ひとつは、制御信号Vpwmのハイレベルがファンモータ112の導通期間に対応する場合であり、もうひとつは、制御信号Vpwmのローレベルがファンモータ112の導通期間に対応する場合である。したがって「デューティ比」とは、制御信号Vpwmの周期に対する、導通期間の割合を意味する。
外部コントローラ120が、ハイレベルを導通期間として制御信号Vpwmを生成する場合、論理反転部44は制御信号Vpwmを反転させない。逆に外部コントローラ120がローレベルを導通期間として制御信号Vpwmを生成する場合、論理反転部44は制御信号Vpwmを反転させる。つまり冷却装置200の設計者は、セレクト信号SELの値を、制御信号Vpwmの種類に応じて設定する。
従来、ハイレベルを導通期間とする制御信号Vpwmを受信するように構成されたモータ駆動装置100を、ローレベルを導通期間とする制御信号Vpwmに適用する場合、制御端子106と外部コントローラ120の間にインバータを設ける必要があった。これに対して、図1のモータ駆動装置100によれば、外部のインバータが不要となるため、回路面積、コストを低減することができる。
プリドライブ回路24は、ヒステリシスコンパレータ22から出力される方形波信号Vrctおよび論理反転部44から出力される制御信号Vpwmをもとに、Hブリッジ26を構成する各スイッチのオンオフを制御する。
Hブリッジ26は、プリドライブ回路24による制御により第1駆動電圧Vdr1および第2駆動電圧Vdr2をファンモータ112に供給する。Hブリッジ26は、第1ハイサイドスイッチMH1、第2ハイサイドスイッチMH2、第1ローサイドスイッチML1、第2ローサイドスイッチML2を含む。
第1ハイサイドスイッチMH1、第2ハイサイドスイッチMH2は、PチャンネルMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)であり、第1ローサイドスイッチML1、第2ローサイドスイッチML2は、NチャンネルMOSFETである。
第1ハイサイドスイッチMH1および第1ローサイドスイッチML1は電源電圧Vddが印加される電源ラインと接地間に直列に接続される。第1ハイサイドスイッチMH1、第1ローサイドスイッチML1の接続点の電圧は、第1出力端子108を介し、第1駆動電圧Vdr1としてファンモータ112の一端に印加される。
第1ハイサイドスイッチMH1、第1ローサイドスイッチML1のオンオフ状態は、各ゲートに入力されるゲート制御信号SH1、SL1により制御される。すなわち、第1ハイサイドスイッチMH1は、ゲート制御信号SH1がローレベルのときオン、ハイレベルのときオフする。また、第1ローサイドスイッチML1は、ゲート制御信号SL1がハイレベルのときオン、ローレベルのときオフする。
ファンモータ112に印加される第1駆動電圧Vdr1は、第1ハイサイドスイッチMH1がオン、第1ローサイドスイッチML1がオフのとき電源電圧Vddとなり、第1ハイサイドスイッチMH1がオフ、第1ローサイドスイッチML1がオンのとき接地電位0Vとなる。
同様に、第2ハイサイドスイッチMH2および第2ローサイドスイッチML2も電源ラインと接地間に直列に接続される。第2ハイサイドスイッチMH2および第2ローサイドスイッチML2の接続点の電圧は、第2出力端子110を介し、第2駆動電圧Vdr2としてファンモータ112の他端に印加される。
保護回路12は、ヒステリシスコンパレータ22から出力される方形波信号Vrctおよび制御信号Vpwmをもとに、プリドライブ回路24によるHブリッジ26の各スイッチのオンオフを制御する。
保護回路12の動作は、以下の2つのケースに分けられる。
ひとつは、制御信号Vpwmがハイレベルとローレベルを繰り返しているにもかかわらず方形波信号Vrctが変動しなくなくなったケース、すなわち、異物が挟まるなどの不可抗力によりファンモータ112がロックしたケースである。この場合、保護回路12は、プリドライブ回路24に対してファンモータ112への通電停止を指示する。これにより、モータコイルへの過電流などが防止される。
もうひとつは、制御信号Vpwmが所定時間以上ローレベルを示したケース、すなわち、ファンモータ112を作為的に停止させたケースである。この場合、保護回路12は、上述した場合と異なり、方形波信号Vrctが変動しなくてもファンモータ112への通電停止を指示しない。これにより、作為的にファンモータ112を停止した後の再起動動作がスムーズになる。
ひとつは、制御信号Vpwmがハイレベルとローレベルを繰り返しているにもかかわらず方形波信号Vrctが変動しなくなくなったケース、すなわち、異物が挟まるなどの不可抗力によりファンモータ112がロックしたケースである。この場合、保護回路12は、プリドライブ回路24に対してファンモータ112への通電停止を指示する。これにより、モータコイルへの過電流などが防止される。
もうひとつは、制御信号Vpwmが所定時間以上ローレベルを示したケース、すなわち、ファンモータ112を作為的に停止させたケースである。この場合、保護回路12は、上述した場合と異なり、方形波信号Vrctが変動しなくてもファンモータ112への通電停止を指示しない。これにより、作為的にファンモータ112を停止した後の再起動動作がスムーズになる。
保護回路12は、ロック保護回路32と、ロック制御部34とを含む。また、TSD(Thermal Shut Down)回路などをさらに含んでもよい。ロック保護回路32は、後述するイネーブル信号ENがハイレベルである場合はアクティブとされ、ローレベルである場合は非アクティブとされる。
アクティブである場合、ロック保護回路32は、たとえばヒステリシスコンパレータ22から出力される方形波信号Vrctをモニタするなどしてファンモータ112が停止したことを検出する。ロック保護回路32は、ファンモータ112のロックを検出すると、プリドライブ回路24に出力する停止信号Vstopをローレベルからハイレベルに切り替える。停止信号Vstopがハイレベルに切り替わると、プリドライブ回路24は、Hブリッジ26を構成するトランジスタMH1、MH2、ML1、ML2をすべてオフさせる。スイッチをオフさせる期間は、数百ms〜数秒であることが好ましい。トランジスタのオフは、後述のスイッチSW1〜SW4をオンすることにより行ってもよい。停止信号Vstopにより通電が停止されると、制御信号Vpwmのデューティ比にかかわらず、ファンモータ112には電流が供給されない。
これにより、ファンモータ112のロック時に過電流が流入することが防止される。なお、ファンモータ112が停止してからロック保護回路32にてその停止が確認されるまでには検証期間が設定されている。検証期間は、たとえば0.5s程度であり、ロック保護回路32の内部構成により適宜決められる。
一方、非アクティブである場合、ロック保護回路32は、一貫してローレベルの停止信号Vstopをプリドライブ回路24に出力する。
一方、非アクティブである場合、ロック保護回路32は、一貫してローレベルの停止信号Vstopをプリドライブ回路24に出力する。
ロック制御部34は、制御信号Vpwmが所定時間を超えてローレベルを示した場合、ロック保護回路32を非アクティブとする。所定時間は、制御信号Vpwmの周期より十分に長くてもよく、ロック保護回路32にてファンモータ112のロックが確認されるまでの検証期間より短くてもよい。所定時間は、実施の形態においては60msに設定される。この60msは、想定される制御信号Vpwmの下限周波数におけるオフデューティの期間をもとに設定した時間である。
ロック制御部34は、カウンタ36と、クロック生成器38とを含む。
クロック生成器38は、所定の周波数のクロックを生成する。所定の周波数は、上記の設定された所定時間に合わせて適宜決められる。カウンタ36は、制御信号Vpwmがローレベルを示す間、クロック生成器38にて生成したクロックの数をカウントする。すなわち、カウンタ36は、制御信号Vpwmの立ち下がりエッジにてカウント値がリセットされてカウントを開始し、再度制御信号Vpwmの立ち下がりエッジによりリセットされるまでクロックをカウントする。カウントして制御信号Vpwmが上記の所定時間を超えてローレベルを示したことを検知した場合、カウンタ36は、イネーブル信号ENをハイレベルからローレベルに切り替え、ロック保護回路32に出力する。
クロック生成器38は、所定の周波数のクロックを生成する。所定の周波数は、上記の設定された所定時間に合わせて適宜決められる。カウンタ36は、制御信号Vpwmがローレベルを示す間、クロック生成器38にて生成したクロックの数をカウントする。すなわち、カウンタ36は、制御信号Vpwmの立ち下がりエッジにてカウント値がリセットされてカウントを開始し、再度制御信号Vpwmの立ち下がりエッジによりリセットされるまでクロックをカウントする。カウントして制御信号Vpwmが上記の所定時間を超えてローレベルを示したことを検知した場合、カウンタ36は、イネーブル信号ENをハイレベルからローレベルに切り替え、ロック保護回路32に出力する。
ロック保護回路32は、イネーブル信号ENがローレベルに切り替わると非アクティブとなり、プリドライブ回路24に出力される停止信号Vstopはローレベルに保持される。このとき、制御信号Vpwmはローレベルを連続的に示しているから、プリドライブ回路24は、停止信号VstopがローレベルであってもHブリッジ26を構成する各スイッチをオフに制御しているため、ファンモータ112は通電されない。また、イネーブル信号ENがローレベルに切り替わったことにより非アクティブとされたロック保護回路32は、その後制御信号Vpwmがハイレベルになったときに再度アクティブとなる。
スタンバイ制御部20は、イネーブル信号ENを受ける。スタンバイ制御部20は、イネーブル信号ENがハイレベルからローレベルに遷移すると、時間測定を開始する。ここで、イネーブル信号ENがハイレベルからローレベルに遷移したことは、制御信号Vpwmがファンモータ112の停止を第1時間τ1以上継続して指示したことを意味する。
そして、制御信号Vpwmがローレベルに固定されている状態において、時間測定開始から所定の第2時間τ2が経過すると、モータ駆動装置100をスタンバイモードに設定し、モータ駆動装置100の少なくとも一部の動作を停止させ、省電力化を図る。スタンバイ制御部20は、スタンバイモードにおいて、スタンバイ信号STBをハイレベルとする。スタンバイ信号STBは、スタンバイモードと通常の動作モードにおいて、異なる処理を実行する回路ブロックや、スタンバイモードにおいてシャットダウンする回路ブロックへと供給される。つまり、スタンバイ制御部20は、制御信号Vpwmが(τ1+τ2)の期間連続してローレベルを持続すると、モータ駆動装置100をスタンバイモードに移行させる。
そして、制御信号Vpwmがローレベルに固定されている状態において、時間測定開始から所定の第2時間τ2が経過すると、モータ駆動装置100をスタンバイモードに設定し、モータ駆動装置100の少なくとも一部の動作を停止させ、省電力化を図る。スタンバイ制御部20は、スタンバイモードにおいて、スタンバイ信号STBをハイレベルとする。スタンバイ信号STBは、スタンバイモードと通常の動作モードにおいて、異なる処理を実行する回路ブロックや、スタンバイモードにおいてシャットダウンする回路ブロックへと供給される。つまり、スタンバイ制御部20は、制御信号Vpwmが(τ1+τ2)の期間連続してローレベルを持続すると、モータ駆動装置100をスタンバイモードに移行させる。
スタンバイ処理について説明する。
起動回路31は、モータ駆動装置100の基準電圧を生成する電圧源である。スタンバイ制御部20はスタンバイモードにおいて、起動回路31を停止する。基準電圧がシャットダウンすることにより、この基準電圧にもとづいて生成される基準電流が遮断するため、モータ駆動装置100内の各ブロックに対する基準電流の供給が停止し、低消費電力化が図られる。
起動回路31は、モータ駆動装置100の基準電圧を生成する電圧源である。スタンバイ制御部20はスタンバイモードにおいて、起動回路31を停止する。基準電圧がシャットダウンすることにより、この基準電圧にもとづいて生成される基準電流が遮断するため、モータ駆動装置100内の各ブロックに対する基準電流の供給が停止し、低消費電力化が図られる。
また、モータ駆動装置100は、ホールバイアス端子111を介してホール素子114に対して供給すべきホールバイアス電圧HBを生成する電圧源30を含む。電圧源30は、スタンバイ信号STBがハイレベルとなると、シャットダウンしてホール素子114に対する電圧供給を停止する。これにより、ホール素子114、抵抗R11、R12による電力消費が低減される。
さらに、図1の回路において、Hブリッジ26の各トランジスタのゲートソース間には、スイッチSW1〜SW4が設けられる。スイッチSW1〜SW4は、スタンバイ信号STBに連動してオン、オフが制御され、スタンバイモードにおいてオンする。その結果、Hブリッジ26の各トランジスタは完全にオフ状態となり、スタンバイモードにおける消費電力がさらに低減される。
スタンバイモードにおいて、その他の不要な回路がシャットダウンされる。
スタンバイモードにおいて、その他の不要な回路がシャットダウンされる。
さらに、スタンバイ制御部20は、制御信号Vpwmを受ける。スタンバイ制御部20は、スタンバイモードにおいて、制御信号Vpwmがファンモータ112の駆動を指示したことを契機として、スタンバイモードから通常モードに復帰する。たとえば、スタンバイ制御部20は、制御信号Vpwmのエッジを監視することにより、通常モードへの復帰を行ってもよい。
通常モードに復帰すると、スタンバイ信号STBはローレベルとなり、起動回路31が起動して基準電圧を生成する。これにより、モータ駆動装置100の各ブロックに電流が供給され、動作を再開する。
通常モードに復帰すると、スタンバイ信号STBはローレベルとなり、起動回路31が起動して基準電圧を生成する。これにより、モータ駆動装置100の各ブロックに電流が供給され、動作を再開する。
図3は、図1の冷却装置200におけるファンモータの駆動再開動作を示すタイミングチャートである。図3のタイミングチャートは、上から順に、第2ホール信号VH2、制御信号Vpwm、イネーブル信号EN、スタンバイ信号STB、回路の消費電流Icc、および停止信号Vstopの時間波形を示す。また、同図において、縦軸および横軸は適宜拡大、縮小して示している。
時刻T0からT1までの間、制御端子106にはあるデューティ比を有する制御信号Vpwmが入力される。この間、ファンモータ112は、制御信号Vpwmのデューティ比に対応した速度にて回転し、第2ホール信号VH2は、ファンモータ112の回転数に対応した周波数の正弦波を示す。また、この間、制御信号Vpwmが短時間でハイレベルとローレベルを繰り返しているので、イネーブル信号ENはハイレベルを示す。したがって、ロック保護回路32はアクティブである。また、ファンモータ112が停止していないので、ロック保護回路32からプリドライブ回路24に出力される停止信号Vstopはローレベルである。したがって、プリドライブ回路24は、Hブリッジ26の各スイッチをオンオフ制御することによりファンモータ112に第1駆動電圧Vdr1および第2駆動電圧Vdr2を供給する。
時刻T1において、ファンモータ112の駆動を停止するために制御信号Vpwmのレベルが固定される。
カウンタ36は、制御信号Vpwmのレベルが固定され、実質的なデューティ比が0となった時刻T1からクロック生成器38にて生成したクロックの数をカウントしており、所定の第1時間τ1(=60ms)経過した時刻T2において、イネーブル信号ENをハイレベルからローレベルに切り替える。これによりロック保護回路32は非アクティブとされる。
本実施の形態の第1の効果を明確とするために、イネーブル信号ENによるロック保護回路32のアクティブ、非アクティブの切り替えを行わない場合の動作を説明する。
この場合、PWM信号のデューティ比が0となることにより、ファンモータ112の回転が停止し、時刻T1にホール信号VH2が固定される。ロック保護回路32は、ホール信号VH2または方形波信号Vrctが所定の検証期間τ3(たとえば、0.5s)の間、連続的に一定値を持続すると、ファンモータ112がロックされていると判定する。言い換えれば、検証期間τ3は、ロック保護回路32がファンモータ112が停止したことを確認するのに要する時間である。ロック保護回路32がアクティブであれば、時刻T1から検証期間τ3経過後の時刻T5においてプリドライブ回路24に出力する停止信号Vstopをハイレベルに切り替える。このときの波形は一点鎖線で示される。停止信号Vstopがハイレベルとなると、数秒の間、ファンモータ112への通電が停止される。そうすると、時刻T4に、制御信号Vpwmのデューティ比が増大して、ファンモータ112の回転が指示されたときに、回路が完全に停止状態となっているため、ファンモータ112の回転開始が遅れてしまう。たとえば、停止信号Vstopがハイレベルとなった直後に、制御信号Vpwmによってファンモータ112の回転が指示されると、その後数秒の間は通電されないため、ファンモータ112の回転が遅延する。
この場合、PWM信号のデューティ比が0となることにより、ファンモータ112の回転が停止し、時刻T1にホール信号VH2が固定される。ロック保護回路32は、ホール信号VH2または方形波信号Vrctが所定の検証期間τ3(たとえば、0.5s)の間、連続的に一定値を持続すると、ファンモータ112がロックされていると判定する。言い換えれば、検証期間τ3は、ロック保護回路32がファンモータ112が停止したことを確認するのに要する時間である。ロック保護回路32がアクティブであれば、時刻T1から検証期間τ3経過後の時刻T5においてプリドライブ回路24に出力する停止信号Vstopをハイレベルに切り替える。このときの波形は一点鎖線で示される。停止信号Vstopがハイレベルとなると、数秒の間、ファンモータ112への通電が停止される。そうすると、時刻T4に、制御信号Vpwmのデューティ比が増大して、ファンモータ112の回転が指示されたときに、回路が完全に停止状態となっているため、ファンモータ112の回転開始が遅れてしまう。たとえば、停止信号Vstopがハイレベルとなった直後に、制御信号Vpwmによってファンモータ112の回転が指示されると、その後数秒の間は通電されないため、ファンモータ112の回転が遅延する。
これに対して、本実施の形態では、イネーブル信号ENによってロック保護回路32のアクティブ、非アクティブが切り替えられる。つまり、時刻T1に制御信号Vpwmがローレベルに設定され、それから第1時間τ1経過後の時刻T2に、イネーブル信号ENがローレベルに設定される。その結果、ロック保護回路32が非アクティブ状態となる。ロック保護回路32は非アクティブ状態となると、ホール信号VH2が検証期間τ3の間、一定値を持続した時刻T5においても、プリドライブ回路24に出力する停止信号Vstopをハイレベルに切り替えることなくローレベルに保つ。
時刻T4において、ファンモータ112の再駆動のため、外部コントローラ120は制御信号Vpwmのレベルの固定を解除し、制御信号Vpwmのデューティ比をある値に設定する。このとき、上述のようにローレベルのイネーブル信号ENによりロック保護回路32が非アクティブとなっているため、ロック制御部34は停止信号Vstopをローレベルに保っている。したがって、時刻T4にてあるデューティ比を有する制御信号Vpwmが入力されると、ただちにファンモータ112の駆動が再開され、第2ホール信号VH2は正弦波を示す。
以上のように、本実施の形態の冷却装置200によれば、ロック制御部34は、制御信号Vpwmが所定時間を超えてローレベルを示した場合、ロック保護回路32を非アクティブとするので、制御信号Vpwmによるモータの停止と不可抗力によるモータのロックとを区別できる。したがって、モータ駆動装置100は、制御信号Vpwmによりファンモータ112の回転を停止した後、その回転を迅速に再開でき、たとえばファンモータ112の停止中にデバイスを急激に冷却する必要が生じた場合などにすばやい冷却効果を得られる。
ロック制御部34の機能を設けない場合は、上述したロック制御部34の機能が設けられている場合と相違する。つまり、ロック制御部34の機能が設けられている場合、時刻T5においても停止信号Vstopがローレベルに保たれるが、その機能を設けない場合、時刻T5において停止信号Vstopはハイレベルに切り替えられる。したがって、ロック制御部34の機能が設けられていない場合、時刻T4にてファンモータ112の駆動を再開するために、あるデューティ比の制御信号Vpwmの入力を受けても、プリドライブ回路24は、Hブリッジ26の各スイッチをオフしつづける。このため、ファンモータ112は通電されず、迅速な駆動の再開ができない。よって、冷却対象のデバイスの温度を適切に管理できない。
本実施の形態にかかる冷却装置200によれば、こうした問題を好適に解決できる。
本実施の形態にかかる冷却装置200によれば、こうした問題を好適に解決できる。
次に、実施の形態の第2の効果について説明する。時刻T2にイネーブル信号ENがローレベルに切り替えられると、スタンバイ制御部20は制御信号Vpwmがローレベルの期間、時間測定を開始する。そして、制御信号Vpwmがローレベルの時間が第2時間τ2持続すると、スタンバイ信号STBをハイレベルに切り替え、モータ駆動装置100の各ブロックの動作を停止させる。その結果、モータ駆動装置100の回路電流Iccは、0mA付近まで低下し、低消費電力化が図られる。
その後、時刻T4に、制御信号Vpwmがハイレベルとなると、スタンバイ制御部20はスタンバイ信号STBをローレベルに切り替え、モータ駆動装置100の各ブロックを動作状態に復帰させる。もし、第2時間τ2経過前に、制御信号Vpwmがハイレベルとなれば、スタンバイモードには移行せずに、ファンモータ112の回転を再開する。
なお、カウンタ36の設定次第では、τ2≧0であってもよい。
その後、時刻T4に、制御信号Vpwmがハイレベルとなると、スタンバイ制御部20はスタンバイ信号STBをローレベルに切り替え、モータ駆動装置100の各ブロックを動作状態に復帰させる。もし、第2時間τ2経過前に、制御信号Vpwmがハイレベルとなれば、スタンバイモードには移行せずに、ファンモータ112の回転を再開する。
なお、カウンタ36の設定次第では、τ2≧0であってもよい。
このように、本実施の形態に係るモータ駆動装置100によれば、ファンモータ112の回転が指示されない状態が所定時間(τ1+τ2)持続すると、スタンバイモードに切り替えることにより、従来に比べて回路の消費電流を低下させることができる。さらに、時刻T3〜T4のスタンバイモードへの移行は、イネーブル信号ENにもとづいて実行されるため、スタンバイモードへ移行する際には、必ずロック保護回路32の機能が無効化されることが保証される。したがって、その後、時刻T4にファンモータ112の回転の再開が指示されたとき、直ちにスタンバイモードから通常モードに復帰してファンモータ112を回転させることができる。
上記実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
実施の形態において、駆動部10は、ヒステリシスコンパレータ22と、プリドライブ回路24と、Hブリッジ26とにより構成されたが、本発明はこれに限定されない。
図4は、変形例にかかる駆動部60の構成を示す。駆動部60は、第1演算増幅器62と、第2演算増幅器64とを含む。
図4は、変形例にかかる駆動部60の構成を示す。駆動部60は、第1演算増幅器62と、第2演算増幅器64とを含む。
第1演算増幅器62が出力する第1駆動電圧Vdr1は、抵抗R16により第1演算増幅器62の反転入力端子および第2演算増幅器64の非反転入力端子に帰還される。第2演算増幅器64が出力する第2駆動電圧Vdr2は、抵抗R26により第1演算増幅器62の非反転入力端子および第2演算増幅器64の反転入力端子に帰還される。
第1演算増幅器62および第2演算増幅器64は、出力段に、電源と接地間に直列接続された2つのトランジスタが設けられており、それらの接続点から出力電圧が取り出される構成である。第1演算増幅器62および第2演算増幅器64の出力段にそれぞれ設けられた2つのトランジスタは、図1のHブリッジ26における各スイッチに対応する。第1駆動電圧Vdr1および第2駆動電圧Vdr2は、第1ホール信号VH1と第2ホール信号VH2との差分を増幅した電圧となる。また、図1のロック保護回路32がファンモータ112のロックを検出し、停止信号Vstopをローレベルからハイレベルに切り替えた場合、第1演算増幅器62および第2演算増幅器64はオフされ、ファンモータ112の通電は停止される。
また、実施の形態において、モータ駆動装置100は、ファンモータ112をPWM駆動する場合を説明したが、本発明はこれに限定されない。モータ駆動装置100は、ファンモータ112をリニア駆動してもよい。
また、実施の形態において、ファンモータ112が単相モータである場合を説明したが、本発明はこれに限定されない。ファンモータ112は、多相モータであってもよい。
また、実施の形態において、ファンモータ112の回転をホール素子114により検出したが、本発明はこれに限定されない。ファンモータ112の回転は、ファンモータ112のコイルに発生する誘起電圧をモニタすることにより検出してもよい。
また、実施の形態において、ロック制御部34は、クロック生成器38にて生成したクロックをカウンタ36にて数えることにより制御信号Vpwmがローレベルを示す時間をモニタしたが、本発明はこれに限定されない。制御信号Vpwmがローレベルを示す時間は、キャパシタと抵抗を用いた時定数回路により、制御信号Vpwmに遅延をもたせることにより、モニタしてもよい。
実施の形態において、ロック保護回路32は、方形波信号Vrctをモニタしたが、本発明はこれに限定されない。ロック保護回路32は、第1ホール信号VH1または第2ホール信号VH2をモニタしてもよく、ファンモータ112のコイルに発生する誘起電圧をモニタしてもよい。
実施の形態において、モータ駆動装置100がひとつのLSIに一体集積化される場合を説明したが、本発明はこれには限定されず、一部の構成要素がLSIの外部にディスクリート素子あるいはチップ部品として設けられ、あるいは複数のLSIにより構成されてもよい。たとえば、Hブリッジ26は、ディスクリートのパワートランジスタを用いて構成されてもよい。また、クロック生成器38は外部に設けられていてもよく、カウンタ36は外部から入力されるクロックを数えてもよい。
10…駆動部、12…保護回路、20…スタンバイ制御部、22…ヒステリシスコンパレータ、24…プリドライブ回路、26…Hブリッジ、30…電圧源、31…起動回路、32…ロック保護回路、34…ロック制御部、36…カウンタ、38…クロック生成器、40…入力回路、42…制御部、44…論理反転部、R10…プルアップ抵抗、SW10…スイッチ、60…駆動部、62…第1演算増幅器、64…第2演算増幅器、100…モータ駆動装置、102…第1入力端子、104…第2入力端子、106…制御端子、108…第1出力端子、110…第2出力端子、112…ファンモータ、114…ホール素子、116…セレクト端子、120…外部コントローラ、200…冷却装置、MH1…第1ハイサイドスイッチ、MH2…第2ハイサイドスイッチ、ML1…第1ローサイドスイッチ、ML2…第2ローサイドスイッチ、VH1…第1ホール信号、VH2…第2ホール信号、Vact…アクティブ信号、Vdr1…第1駆動電圧、Vdr2…第2駆動電圧、Vpwm…制御信号、Vrct…方形波信号、Vstop…停止信号。
Claims (9)
- 駆動対象のモータの回転を指示するパルス変調された制御信号を受ける制御端子と、
前記制御端子と電源端子の間に直列に設けられるプルアップ抵抗およびスイッチと、
前記制御端子に入力された前記制御信号にもとづき、前記モータへの通電を制御する駆動部と、
前記スイッチのオン、オフを制御する制御部と、
を備えることを特徴とするモータ駆動装置。 - 前記制御部は、本モータ駆動装置の外部に前記制御端子と接続される外部回路が、オープンコレクタ出力を有する場合、前記スイッチをオンし、プッシュプル出力を有する場合、前記スイッチをオフし、抵抗によりプルアップされたオープンコレクタ出力を有する場合、前記スイッチをオフすることを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。
- 前記スイッチのオン、オフを切りかえるためのセレクト信号を受ける端子をさらに備え、前記制御部は、前記セレクト信号にもとづいて前記スイッチのオン、オフを制御することを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。
- 前記モータが停止した場合に、前記モータへの通電を停止するロック保護回路と、
前記制御信号のレベルが所定の第1時間以上継続して固定された場合に、前記ロック保護回路を非アクティブとするロック制御部と、
前記制御信号のレベルが前記第1時間以上継続して固定されたことを契機として時間測定を開始し、さらに所定の第2時間の経過後に、当該モータ駆動装置の少なくとも一部を停止し、スタンバイモードに移行させるスタンバイ制御部と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。 - 前記スタンバイ制御部は、前記制御信号のレベルの固定が解除され、前記モータの駆動が指示されたことを契機として、スタンバイモードから通常モードに復帰することを特徴とする請求項4に記載のモータ駆動装置。
- 前記駆動部が前記制御信号にもとづき前記モータへの通電を制御する第1モードと、前記駆動部が反転した前記制御信号にもとづき前記モータへの通電を制御する第2モードと、が切り替え可能に構成されることを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。
- 駆動対象のモータの回転を指示するパルス変調された制御信号を受ける制御端子と、
前記制御端子に入力された前記制御信号にもとづき、前記モータへの通電を制御する駆動部と、
を備え、
前記駆動部が前記制御信号にもとづき前記モータへの通電を制御する第1モードと、反転した前記制御信号にもとづき前記モータへの通電を制御する第2モードとが切り替え可能に構成されることを特徴とするモータ駆動装置。 - 前記制御端子と電源端子の間に直列に設けられるプルアップ抵抗およびスイッチと、
前記スイッチのオン、オフを制御する制御部と、
をさらに備えることを特徴とする請求項7に記載のモータ駆動装置。 - ファンモータと、
前記ファンモータを前記駆動対象のモータとして駆動する請求項1から8のいずれかに記載のモータ駆動装置と、
を備えることを特徴とする冷却装置。
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JP2007220651A JP2009055723A (ja) | 2007-08-28 | 2007-08-28 | モータ駆動装置およびそれを用いた冷却装置 |
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KR101376833B1 (ko) | 2012-09-05 | 2014-03-20 | 삼성전기주식회사 | 모터 구동 장치 및 모터 제어 방법 |
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-
2007
- 2007-08-28 JP JP2007220651A patent/JP2009055723A/ja active Pending
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