JP2009054957A - 配線基板、この配線基板の設計方法、および電子装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】面積拡大、コストの増大を抑制することが可能な配線基板を提供すること。
【解決手段】第1半導体チップ31と第2半導体チップ32とが通信を行うために設けられた伝送線路40は、第1半導体チップ31の出力インピーダンス及び第2半導体チップ32の出力インピーダンスの一方に対して特性インピーダンスが整合している分布定数配線部42と、分布定数配線部41より細く、集中定数回路としてみなせる長さより短い集中定数配線部41とから構成される前記伝送線路を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、面積の拡大を抑制した配線基板、この配線基板の設計方法、および電子装置に関する。
高周波化に伴い配線基板の設計が困難になっている。ICドライバの出力インピーダンスと伝送線路の特性インピーダンスが同一の場合、反射ノイズは発生しない。しかし、伝送線路のインピーダンスを調整し整合を取ろうとすると配線幅が太くなってしまう。また、ダンピング抵抗などを挿入し、インピーダンスの整合を取る方法もあるが、ICドライバの近くに挿入する必要があるし、部品実装のため配線基板の表層に配線しなくてはならない。これらは、配線基板の面積拡大、部品代が掛かってしまうなどの問題がある。
特許文献1には、電極パッドからの引き出し部分の配線を細い配線で、しかもインピーダンス不整合による反射が影響しない程度の長さにし、他の部分は太い配線になっている半導体素子搭載用基板が開示されている。
特開2001−127192号公報
上述したように、伝送線路のインピーダンスを調整し整合を取ろうとすると配線幅が太くなり、配線基板の面積増大につながる。また、ダンピング抵抗などを挿入してインピーダンスの整合を取ると、配線基板の面積拡大、コストの増大につながる。
また、上述した文献には、インピーダンス不整合による反射が影響しない程度の長さがどのような長さであるかが記載されていない。
本発明の目的は、面積拡大、コストの増大を抑制することが可能な配線基板、およびこの配線基板の設計方法、並びに面積拡大、およびコストの増大を抑制することが可能な配線基板を有する電子装置を提供することにある。
本発明の一例に係わる配線基板は、第1の半導体チップと第2の半導体チップとが通信を行うために設けられた配線であって、前記第1の半導体チップの出力インピーダンス及び前記第2の半導体チップの出力インピーダンスの一方に対して特性インピーダンスが整合している分布定数配線部と、前記分布定数配線部より細く、集中定数回路としてみなせる長さより短い集中定数配線部とから構成される前記配線を有することを特徴とする。
配線基板の面積拡大、およびコストの増大を抑制することが可能になる。
本発明の実施の形態を以下に図面を参照して説明する。
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態に係る電子装置の構成について説明する。この電子装置は、バッテリ駆動可能な携帯型のノートブック型パーソナルコンピュータ10として実現されている。
図1は、ノートブック型パーソナルコンピュータ10のディスプレイユニットを開いた状態における斜視図である。本コンピュータ10は、コンピュータ本体11と、ディスプレイユニット12とから構成される。ディスプレイユニット12には、LCD17(Liquid Crystal Display)およびバックライトから構成される表示パネルが組み込まれており、そのLCD17の表示画面はディスプレイユニット12のほぼ中央に位置されている。LCD17は、透過型液晶パネルから構成されている。
ディスプレイユニット12は、コンピュータ本体11に支持され、そのコンピュータ本体11に対してコンピュータ本体11の上面が露出される開放位置とコンピュータ本体11の上面を覆う閉塞位置との間を回動自由に取り付けられている。コンピュータ本体11は薄い箱形の筐体を有しており、その上面にはキーボード13、本コンピュータ10を電源オン/オフするためのパワーボタン14、入力操作パネル15、およびタッチパッド16などが配置されている。
入力操作パネル15は、押されたボタンに対応するイベントを入力する入力装置であり、複数の機能をそれぞれ起動するための複数の機能をそれぞれ起動するための複数のボタンを備えている。
図2は、図1に示す電子装置の内部に設けられた半導体チップが実装されている配線基板の一部の構成を示す平面図である。
プリント配線基板30に、第1半導体チップ31、第2半導体チップ32、第3半導体チップ33、第4半導体チップ34が実装されている。プリント配線基板30には、第1半導体チップ31および第2半導体チップ32間で通信を行うための信号配線(伝送経路)40が設けられている。プリント配線基板30には、第3半導体チップ33および第4半導体チップ34間で通信を行うための信号配線(伝送経路)50が設けられている。
信号配線40,50は、集中定数回路として考えられる集中定数配線部41,51と、分布定数回路として考えられ、分布定数配線部42,52とから構成されている。
分布定数配線部42の特性インピーダンスは、第1半導体チップ31および第2半導体チップ32の信号の出力側の半導体チップの出力インピーダンスと整合がとれている。また、分布定数配線部52の特性インピーダンスは、第3半導体チップ33および第4半導体チップ34の信号の出力側の半導体チップの出力インピーダンスと整合がとれている。
なお、第1半導体チップ31および第2半導体チップ32が双方向で通信を行う場合、分布定数配線部42の特性インピーダンスと、第1半導体チップ31および第2半導体チップ32の出力インピーダンスとの整合がとれている。同様に、第3半導体チップ33および第4半導体チップ34が双方向で通信を行う場合、分布定数配線部52の特性インピーダンスと、第3半導体チップ33および第4半導体チップ34の出力インピーダンスとの整合がとれている。
集中定数配線部41,51では、出力側の半導体チップの出力インピーダンスと特性インピーダンスとの整合がとれていない。また、集中定数配線部41,51の線幅は、分布定数配線部42,52の線幅より細い。
図3に集中定数配線部41だけで構成される信号配線に第1半導体チップ31および第2半導体チップ32間で流れる信号を供給した場合の信号の波形のシミュレーション結果を示す。また、同様に、図4に分布定数配線部42だけで構成される信号配線に第1半導体チップ31および第2半導体チップ32間で流れる信号を供給した場合の信号の波形のシミュレーション結果を示す。
図3に示すように、1対の半導体チップ間の配線長が短い場合、信号の出力側の半導体チップの出力インピーダンスと整合がとれていなくても、信号の立ち上がりよりも早く反射ノイズが発生し、信号に影響を与えない。このような配線を集中定数回路で考えられる配線という。しかし、集中定数回路で考えることが出来る配線長は短く、実際の配線の殆どは分布定数回路として考えなければならない。
図4に示すように、半導体チップの出力インピーダンスと伝送線路の特性インピーダンスが同一の場合(インピーダンスの整合がとれている場合)、反射ノイズは発生しない。しかし、伝送線路の特性インピーダンスを調整し、インピーダンスの整合を取ろうとすると配線幅が太くなってしまう。また、ダンピング抵抗などを挿入し、インピーダンスの整合を取る方法もあるが、ICドライバの近くに挿入する必要があるし、部品実装のためプリント配線基板の表層に配線しなくてはならない。これらは、プリント配線基板の面積拡大、部品代が掛かってしまうなどの問題がある。
図5に、図2に示す信号配線に第1半導体チップ31および第2半導体チップ32間で流れる信号を供給した場合の信号の波形のシミュレーション結果を示す。若干の反射ノイズが見られるが、動作には影響が無い程度である。これにより、反射ノイズの影響を低減し、プリント配線基板の面積を小型化することができる。
図2に示す伝送線路は、分布定数回路として考えることができ、インピーダンスの整合がとれている分布定数配線部42,52と、集中定数回路として考えることが出来る集中定数配線部41,51とを組み合わせることによって、図5に示すように、信号に影響を与えない。従って、ダンピング抵抗などの挿入が不要となり、プリント配線基板の面積の拡大、及び部品代の増加を抑制することができる。
なお、図6に示すように、集中定数配線部41,51を複数の分割配線41A〜41Dに分割し、同様に分割定数部を複数の領域42A〜42Dに分割しても良い。なお、この場合も、分割配線41A〜41Dの合計長さは集中定数回路として考えられる長さより短くなければならない。
次に、上述した配線基板の設計方法について図7のフローチャートを参照して説明する。
集中定数回路として考えられる配線長を算出する(ステップS11)。そして、算出された配線長に基づいて、集中定数配線部および分散定数配線部を配置する(ステップS12)。
次に、ステップS11の集中定数回路として考えられる配線長の算出方法について図8を参照して説明する。
一般に、分布定数配線と集中定数配線の明確な境目はない。しかし、信号が立ち上がる時間に対して伝送線路の伝達時間が短い場合は、信号が立ち上がりきる前に信号の立ち上がり始めの部分が、伝送線路の端に到達して反射が始まるのでほとんどリンギングが発生しない。
逆に、信号が立ち上がる時間に対して伝送線路の伝達時間が長い場合は、信号が立ち上がったあとに伝送路の端に到達して反射するので、リンギングが発生する。しかし、これもインピーダンス整合が取れている場合には、ほとんど反射は起こらずリンギングも発生しない。
信号の立ち上がり時間TrをICのバッファ情報(SPICE(Simulation Program with Integrated Circuit Emphasis)モデル、IBIS(I/O buffer information specification)モデルなどに記述されている)から読み取る(ステップS21)。伝送線路のインダクタンスLとキャパシタンスCとから、伝搬速度Vp=1/√(LC)[m/s]が求まるので、伝送線路の単位長あたりの伝搬遅延時間Tpd=√(LC)[s]を算出する(ステップS22)。伝搬遅延時間Tpd=√(LC)[s]が信号の立ち上がり時間Trよりも小さくなるように(Tr>Tpd)、おおよその配線長を決める(ステップS23)。
細かい配線長の決定するために、シミュレーションは、ドライバ・レシーバ・伝送線路のモデルを用いたシミュレーションを実行する(ステップS24)。シミュレーションによって算出される波形から、配線幅を細くしても良い配線長が決められる。
なお、分布定数配線部を配置させる際は、信号の出力側の半導体チップの出力インピーダンスと分布定数配線部42,52の特性インピーダンスとを整合させる。
・基板伝送線路の特性インピーダンス算出
基板伝送線路の場合、線路の幅Wとベタ面からの距離Hおよびその間の絶縁材の比誘電率により特性インピーダンスが決まる。基板伝送線路には、例えば、図9に示すマイクロストリップ配線や、図10に示すストリップ配線がある。
図9に示すマイクロストリップ配線のモデルは、グランドプレーン71、第1誘電体層72、第2誘電体層73、マイクロストリップ配線74を有する。第1誘電体層72の誘電率および厚さは、それぞれεr1およびHである。マイクロストリップ配線74の厚さ、トップ幅、およびボトム幅は、それぞれtp、Wt、およびWbである。第1誘電体層72の誘電率は、εr2である。また、マイクロストリップ配線74の表面からの第2誘電体層73の厚さはtsである。
図10に示すストリップ配線のモデルは、グランドパターン81、誘電体層82、ストリップ配線83、および回路パターン84を有する。誘電体層82の誘電率はεrである。グランドパターン81の底面からのストリップ配線83の底面の高さはH2である。ストリップ配線83の表面からの誘電体層82の厚さはH1である。ストリップ配線83のトップ幅およびボトム幅は、それぞれWhおよびWtである。
・出力インピーダンス算出
半導体チップの入出力バッファのデータ仕様が記述されたIBIS(I/O buffer information specification)モデルにより、バッファのV−Iカーブの傾きから出力インピーダンスを求めることもできるが、普段はシミュレーションを用いて出力抵抗を求めている。
なお、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
本発明の一実施形態に係る電子装置の構成を示す斜視図。 図1に示す電子装置の内部に設けられた半導体チップが実装されている配線基板の一部の構成を示す平面図。 図2に示す集中定数配線部だけで構成される信号配線に第1半導体チップ31および第2半導体チップ32間で流れる信号を供給した場合の信号の波形のシミュレーション結果を示す波形図。 図2に示す集中定数配線部だけで構成される信号配線に第1半導体チップ31および第2半導体チップ32間で流れる信号を供給した場合の信号の波形のシミュレーション結果を示す波形図。 図2に示す信号配線に第1半導体チップ31および第2半導体チップ32間で流れる信号を供給した場合の信号の波形のシミュレーション結果を示す波形図。 伝送線路の変形例を示す図。 本発明の一実施形態に係わる配線基板の設計方法の手順を示すフローチャー。ト 集中定数回路として考えられる配線長の算出方法の手順を示すフローチャート。 マイクロストリップ配線のモデルを示す図。 ストリップ配線のモデルを示す図。
符号の説明
30…プリント配線基板,31…半導体チップ,32…半導体チップ,33…半導体チップ,34…半導体チップ,40…信号配線,41…集中定数配線部,42…分布定数配線部,41A〜41D…分割配線,51…集中定数配線部,52…分布定数配線部。

Claims (9)

  1. 第1の半導体チップと第2の半導体チップとが通信を行うために設けられた伝送線路であって、前記第1の半導体チップの出力インピーダンス及び前記第2の半導体チップの出力インピーダンスの一方に対して特性インピーダンスが整合している分布定数配線部と、前記分布定数配線部より細く、集中定数回路としてみなせる長さより短い集中定数配線部とから構成される前記伝送線路を有することを特徴とする配線基板。
  2. 前記集中定数配線部の特性インピーダンスは、前記第1の半導体チップの出力インピーダンス及び前記第2の半導体チップの出力インピーダンスの一方に対してインピーダンスが整合していないことを特徴とする請求項1記載の配線基板。
  3. 前記分布定数配線部は、複数の分割配線部を有し、前記分割配線部の合計長さが前記集中定数回路としてみなせる長さより短いことを特徴とする請求項1記載の配線基板。
  4. 第1の半導体チップと第2の半導体チップとが実装され、前記第1の半導体チップと第2の半導体チップと結ぶ伝送線路を有する配線基板の設計方法であって、
    前記第1の半導体チップ及び前記第2の半導体チップの仕様に基づいて集中定数回路と見なせる長さを算出し、
    前記求められた長さより短い配線長を有する集中定数配線部と、前記第1の半導体チップの出力インピーダンス及び前記第2の半導体チップの出力インピーダンスの一方に対して特性インピーダンスが整合し、前記集中定数配線部より線幅が太い分布定数配線部とを配置することを特徴とする配線基板の設計方法。
  5. 前記集中定数回路と見なせる長さの算出は、
    前記第1の半導体チップ及び前記第2の半導体チップの仕様として、前記第1の半導体チップ及び前記第2の半導体チップから出力される信号の立ち上がり時間を取得し、
    前記伝送線路のインダクタンスLとキャパシタンスCとから前記伝送線路の単位長あたりの伝搬遅延時間Tpd=√(LC)[s]を算出し、
    前記立ち上がり時間と伝搬遅延時間Tpdとから前記集中定数回路と見なせるおおよその長さを算出し、
    前記集中定数回路と見なせる長さを算出するために、前記おおよその長さ、前記第1の半導体チップ及び前記第2の半導体チップの仕様、および伝送線路のモデルに基づいたシミュレーションを実施することを特徴とする請求項4記載の配線基板の設計方法。
  6. 前記立ち上がり時間は、前記第1の半導体チップ及び前記第2の半導体チップのSPICE(Simulation Program with Integrated Circuit Emphasis)モデル、またはIBIS(I/O buffer information specification)モデルを含むモデルに記述されているバッファ情報から読み出すことを特徴とする請求項4記載の配線基板の設計方法。
  7. 第1の半導体チップと、前記第1の半導体チップと通信を行う第2の半導体チップとが実装され、前記第1の半導体チップと前記第2の半導体チップとが通信を行うために設けられた配線であって、前記第1の半導体チップの出力インピーダンス及び前記第2の半導体チップの出力インピーダンスの一方に対して特性インピーダンスが整合している分布定数配線部と、前記分布定数配線部より細く、集中定数回路としてみなせる長さより短い集中定数配線部とから構成される配線を有することを特徴とする電子装置。
  8. 前記集中定数配線部の特性インピーダンスは、前記第1の半導体チップの出力インピーダンス及び前記第2の半導体チップの出力インピーダンスの一方に対してインピーダンスが整合していないことを特徴とする請求項7記載の電子装置。
  9. 前記分布定数配線部は、複数の分割配線部を有し、前記分割配線部の合計長さが前記集中定数回路としてみなせる長さより短いことを特徴とする請求項7記載の電子装置。
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