JP2009053726A - マゼンタトナー - Google Patents
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Abstract
本発明は入稿データを忠実に再現するため、RGBの色再現領域広げ、AdobeRGB(米Adobe Systems社商標)の領域に近い色再現をなし得るフルカラー画像形成用のトナーセット用マゼンタトナーを提供することを目的とする。
【解決手段】
フルカラートナーセット用マゼンタトナーであって、
前記マゼンタトナーは、少なくとも結着樹脂および顔料を含み、かつ、
前記マゼンタトナーは、400nm〜700nmの波長領域において、最大反射率を100%としたときに、400nm〜500nmの波長領域での最大反射率が40%〜100%、500nm〜560nmの波長領域での反射率が0〜20%、630nm〜700nmの波長領域での反射率が80%〜100%の分光反射スペクトルを有し、かつ、前記顔料は、ローダミン系染料の金属レーキ化合物と、顔料全体に対して0.5〜10重量%の補色顔料とを含むことを特徴とするマゼンタトナー
【選択図】なし
Description
しつつあり、取り扱われるデータがより色再現領域の広いものへとシフトしつつあるのが現状である。
フルカラートナーにおいても広範囲の画像再現を得るべく検討がなされてきている。特許文献2ではフタロシアニンを用いたシアントナー、ローダミン6G塩基性のキサンテンシリコモリブデン酸塩を用いたマゼンタトナー、ジアゾベンジジンを用いたイエロートナー、カーボンブラックを用いたブラックトナーの組み合わせにより、好ましい発色性が得られたものの、3色の組み合わせのバランスが悪いため、印字物の彩度が低く、色再現領域も十分ではなく、ジャパンカラーの再現領域を得られるものではなかった。(特許文献2参照)
またフタロシアニンを用いたシアントナー、ナフトールカーミンF6Bを用いたマゼンタトナー、ベンズイミダゾロンを用いたイエロートナーの組み合わせも検討されたが、この組み合わせでは、青、緑の色再現領域が満足の行くレベルには至らず、ジャパンカラーの再現領域を得られるものではなかった。(特許文献3)
また藍色のフタロシアニン顔料と緑色のフタロシアニン顔料を混合したシアントナーも検討されたが、C.I.ピグメントイエロー17を用いたイエロートナーとC.I.ピグメントレッド122のキナクリドン顔料を用いたマゼンタトナーであったため青色の再現領域が満足の行くレベルではなく、ジャパンカラーの再現領域を得られるものではなかった。(特許文献4)
しかし、現状使用されているプロセス4色からなる、イエロー、マゼンタ、シアン、黒のトナーの分光反射スペクトルは理想の分光反射スペクトルとは必ずしも一致しているものではない。完全反射しなければならない部分での不必要吸収があるためにトナーの濁り成分が存在し、色再現性を狭めている。
フルカラートナーセット用マゼンタトナーであって、
前記マゼンタトナーは、少なくとも結着樹脂および顔料を含み、かつ、
前記マゼンタトナーは、400nm〜700nmの波長領域において、最大反射率を100%としたときに、400nm〜500nmの波長領域での最大反射率が40%〜100%、500nm〜560nmの波長領域での反射率が0〜20%、630nm〜700nmの波長領域での反射率が80%〜100%の分光反射スペクトルを有し、かつ、前記顔料は、ローダミン系染料の金属レーキ化合物と、顔料全体に対して0.5〜10重量%の補色顔料とを含むことを特徴とするマゼンタトナーに関する。
酸成分としては、二価のカルボン酸として、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸などのベンゼンジカルボン酸類またはその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸などのアルキルジカルボン酸類またはその無水物;またさらに炭素数16〜18のアルキル基で置換されたコハク酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸などの不飽和ジカルボン酸またはその無水物;シクロヘキサンジカルボン酸;ナフタレンジカルボン酸;ジフェノキシエタン−2,6−ジカルボン酸等が挙げられ、架橋成分としてはたらく三価以上のカルボン酸としてはトリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレントリカルボン酸、ブタントリカルボン酸、ヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、オクタンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物等が挙げられ、これらは単独で或いは2種以上の組み合わせで使用される。
本発明のマゼンタトナーが好適に用いられるフルカラートナーの結着樹脂がポリエステル樹脂である場合は、ホモポリエステル或いはコポリエステルの単独でも、或いはこれらの2種以上からなるブレンド物であってもよい。またポリエステル樹脂は、耐オフセット性および低温定着性の点から、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)で測定される分子量において、重量平均分子量(Mw)が5,000以上のものが好ましく、10,000〜1,000,000のものがより好ましい。ポリエステル樹脂の重量平均分子量が小さくなると、トナーの耐オフセット性が低下する傾向にあり、また、重量平均分子量が大きくなると定着性が低下する傾向を示す。また、用いられるポリエステル樹脂は、特定の低分子量の縮重合体成分と特定の高分子量の縮重合体成分とからなる2山の分子量分布曲線を有するタイプ、或いは1山の単分子量分布曲線を有するタイプのいずれのものであってもよい。
熱可塑性ポリエステル樹脂1
テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、プロピレンオキシド付加ビスフェノールA、エチレングリコールから構成されるポリエステル樹脂。
酸価:10mgKOH/g OH価:43mgKOH/g Tg 58℃
分子量 Mw:28200 Mn:2500
熱可塑性ポリエステル樹脂2
テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、プロピレンオキシド付加ビスフェノールA、エチレングリコールから構成されるポリエステル樹脂。
酸価:18mgKOH/g OH価:36mgKOH/g Tg 59℃
分子量 Mw:32000 Mn:2600
顔料としては以下のものを用いて評価を行った。
シアン用顔料
C.I.ピグメントブルー15:3(東洋インキ製造製LIONOL BLUE GLA−SD)
C.I.ピグメントグリーン7(東洋インキ製造製LIONOL GREEN YS−2A)
マゼンタ用顔料
C.I.ピグメントレッド81(不二化成製ファナルローズRNN−P)
C.I.ピグメントレッド169(BASF社製FANAL PINK D4810)
C.I.ピグメントバイオレット1(BASF社製FANAL VIOLET D5480)
比較用マゼンタ用顔料
C.I.ピグメントレッド57:1(東洋インキ製造製LIONOL RED 6B 4240−P)
C.I.ピグメントレッド122(大日本インキ化学工業社製KET RED309)
イエロー用顔料
C.I.ピグメントイエロー12(東洋インキ製造製LIONOL YELLOW 1235−P)
C.I.ピグメントイエロー13(東洋インキ製造製LIONOL YELLOW FG−1310)
C.I.ピグメントイエロー83(東洋インキ製造製LIONOL YELLOW FG−1842)
(比較用イエロー用顔料)
C.I.ピグメントイエロー180(クラリアント社製LTONER YELLOW HG)
黒用顔料
カーボンブラック モナーク880
藍色成分として上記C.I.ピグメントブルー15:3(東洋インキ製造製LIONOL BLUE GLA−SD)を添加。
以下表1、表2、表3、表4に評価を行った着色剤、トナー処方、トナーの分光反射スペクトルを示す。
熱可塑性ポリエステル樹脂1 50.0重量部
C.I.ピグメントブルー15:3 47.0重量部
C.I.ピグメントグリーン7 3.0重量部
上記材料(合計5kg)を加圧ニーダー中で設定温度120℃、30分の条件にて混合、混練を行い取り出した。更にロール温度95℃の3本ロールにて混練を行い、冷却後10mm以下に粗砕し、シアン着色剤1を得た。
シアン着色剤1 12.0重量部
荷電制御剤(3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸のカルシウム塩化合物)1.0重量部
離型剤(エチレンホモポリマー 分子量850 Mw/Mn1.08 融点107℃)1.5重量部
重合ロジンエステル(ペンセルD−125) 0.5重量部
上記材料(合計5kg)を20Lの容積を有するヘンシェルミキサーで混合(3000rpm,3分)した後、二軸混練押出機(PCM30)で供給量6kg/hr,吐出温度120℃にて溶融混練を行い、冷却固化した後ハンマーミルで粗粉砕し、次いでI式ジェットミル(IDS−2型)で微粉砕し、分級(DS−2型)して重量平均粒径約8.5μmの分級品(トナー母粒子)を得た。
熱可塑性ポリエステル樹脂1 50.0重量部
C.I.ピグメントレッド81 48.5重量部
C.I.ピグメントバイオレット1 1.5重量部
上記材料(合計5kg)を加圧ニーダー中で設定温度120℃、30分の条件にて混合、混練を行い取り出した。更にロール温度95℃の3本ロールにて混練を行い、冷却後10mm以下に粗砕し、マゼンタ着色剤1を得た。
マゼンタ着色剤1 13.0重量部
荷電制御剤(3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸のカルシウム塩化合物)1.0重量部
離型剤(エチレンホモポリマー 分子量850 Mw/Mn1.08 融点107℃)1.5重量部
重合ロジンエステル(ペンセルD−125) 0.5重量部
上記材料(合計5kg)を20Lの容積を有するヘンシェルミキサーで混合(3000rpm,3分)した後、二軸混練押出機(PCM30)で供給量6kg/hr,吐出温度120℃にて溶融混練を行い、冷却固化した後ハンマーミルで粗粉砕し、次いでI式ジェットミル(IDS−2型)で微粉砕し、分級(DS−2型)して重量平均粒径約8.5μmの分級品(トナー母粒子)を得た。
熱可塑性ポリエステル樹脂1 50.0重量部
C.I.ピグメントイエロー12 49.0重量部
C.I.ピグメントイエロー83 1.0重量部
上記材料(合計5kg)を加圧ニーダー中で設定温度110℃、20分の条件にて混合、混練を行い取り出した。更にロール温度90℃の3本ロールにて混練を行い、冷却後10mm以下に粗砕し、イエロー着色剤1を得た。
イエロー着色剤1 9.5重量部
荷電制御剤(3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸のカルシウム塩化合物)1.0重量部
離型剤(エチレンホモポリマー 分子量850 Mw/Mn1.08 融点107℃)1.5重量部
重合ロジンエステル(ペンセルD−125) 0.5重量部
上記材料(合計5kg)を20Lの容積を有するヘンシェルミキサーで混合(3000rpm,3分)した後、二軸混練押出機(PCM30)で供給量6kg/hr,吐出温度115℃にて溶融混練を行い、冷却固化した後ハンマーミルで粗粉砕し、次いでI式ジェットミル(IDS−2型)で微粉砕し、分級(DS−2型)して重量平均粒径約8.5μmの分級品(トナー母粒子)を得た。
熱可塑性ポリエステル樹脂1 40.0重量部
カーボンブラック(モナーク880) 57.0重量部
C.I.ピグメントブルー15:3 3.0重量部
上記材料(合計5kg)を加圧ニーダー中で設定温度120℃、15分の条件にて混合、混練を行い取り出した。更にロール温度95℃の3本ロールにて混練を行い、冷却後10mm以下に粗砕し、黒着色剤1を得た。
黒着色剤1 8.0重量部
荷電制御剤(3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸のカルシウム塩化合物)1.0重量部
離型剤(エチレンホモポリマー 分子量850 Mw/Mn1.08 融点107℃)1.5重量部
重合ロジンエステル(ペンセルD−125) 0.5重量部
上記材料(合計5kg)を20Lの容積を有するヘンシェルミキサーで混合(3000rpm,3分)した後、二軸混練押出機(PCM30)で供給量6kg/hr,吐出温度120℃にて溶融混練を行い、冷却固化した後ハンマーミルで粗粉砕し、次いでI式ジェットミル(IDS−2型)で微粉砕し、分級(DS−2型)して重量平均粒径約8.5μmの分級品(トナー母粒子)を得た。
上記得られたシアントナー1、マゼンタトナー1、イエロートナー1、黒トナー1を用いて、またキャリアは平均粒径が60μmのシリコーンレジンでコーティングされたフェライトキャリア(DFC−350C同和鉄粉社製)を用いて、各色トナー濃度6%に設定してカラー現像剤を作製した。画像試験条件は以下の通りであった。
フルカラー複写機:キヤノン社製 CLC−730
コピー用紙:富士ゼロックス社製カラーアプリケーション用紙 Ncolor127(127.9g/m2) A4サイズ
画像作成条件:イエロー、シアン、マゼンタ、黒の4種の単色画像、及び2色ベタ刷り重ね部(イエローxマゼンタ 赤色、マゼンタxシアン 紫色、シアンxイエロー 緑色)及びイエロー、マゼンタ、シアン3色の単色ベタ刷り重ね部を出力した。
(印字物測定条件)
画像濃度:グレタグマクベスD196にて印字物の単色(イエロー、マゼンタ、シアン、黒)ベタ部の濃度値を測定した。
測色:X−Rite938にて印字物の単色ベタ部(イエロー、マゼンタ、シアン)、及び、単色ベタ刷り重ね部(イエロー×マゼンタ、マゼンタ×シアン、シアン×イエロー)のL*、a*、b*値を測定した。またC値はa*及びb*から下記の計算式にて求めた。
光沢:村上色彩技術研究所製、デジタル光沢計にて60°−60°反射光沢を測定した。結果を表0に示す。比較例と比べて実施例のC値が大きく、印刷物の彩度が高い。a*を横軸、b*縦軸とした2次元空間に、各a*、b*値をプロットし、2次元のガモットで比較した結果、実施例の色再現領域が広いことがわかる。表5、表6に結果を示す。
反射率:グレタグマクベス社製SpectroEyeにて以下の条件で分光反射率を測定した。光源D50 2度視野 測定光学45°/0° 偏光フィルターなし 絶対白紙基準 ホワイトバッキング
また反射率はイエロートナーの場合は画像濃度の値が1.40〜1.50の範囲、シアントナーの場合は画像濃度の値が1.60〜1.75の範囲、マゼンタトナーの場合は画像濃度の値が1.50〜1.65の範囲である条件にて測定を行った。
表1、2に記載の条件にすること以外は実施例1と同様にして、フルカラートナーを得た。これらフルカラートナーの組み合わせについて実施例1と同様にして、現像性の評価を行った。結果を表1、表2、表3、表4、表5、表6に示す。
Claims (5)
- フルカラートナーセット用マゼンタトナーであって、
前記マゼンタトナーは、少なくとも結着樹脂および顔料を含み、かつ、
前記マゼンタトナーは、400nm〜700nmの波長領域において、最大反射率を100%としたときに、400nm〜500nmの波長領域での最大反射率が40%〜100%、500nm〜560nmの波長領域での反射率が0〜20%、630nm〜700nmの波長領域での反射率が80%〜100%の分光反射スペクトルを有し、かつ、前記顔料は、ローダミン系染料の金属レーキ化合物と、顔料全体に対して0.5〜10重量%の補色顔料とを含むことを特徴とするマゼンタトナー。 - 金属レーキ化合物の金属が、モリブデン及び/またはタングステンである請求項1記載のマゼンタトナー。
- 補色顔料が、C.I.ピグメントバイオレット1である請求項1または2記載のマゼンタトナー。
- フルカラートナーが、マゼンタトナー、シアントナー、イエロートナーおよび黒トナーを含む請求項1〜3いずれか記載のマゼンタトナー。
- ローダミン系染料の金属レーキ化合物が、C.I.ピグメントレッド81及び/またはC.I.ピグメントレッド169である請求項1〜4いずれか記載のマゼンタトナー。
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