JP2009053591A - 反射防止積層体およびそれを用いた光学機能性フィルタおよび光学表示装置 - Google Patents

反射防止積層体およびそれを用いた光学機能性フィルタおよび光学表示装置 Download PDF

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【課題】 表面へイズが高い(12%以上35%以下程度)防眩ハードコート層に、乾式成膜法である真空成膜法を用いて無機の低屈折率層を成膜することで、精度の高い反射防止積層体を安価で大量に生産することを課題とする。
【解決手段】 屈折率が1.36以上1.43以下であるLiF、MgF、CaF、BaF、AlFのいずれか、もしくは、それらの混合材料を用いて低屈折率層を真空成膜法により形成し、物理膜厚を80nm以上120nm以下とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、基材上に防眩ハードコート層と低屈折率層とを順次形成した反射防止積層体に関するものである。また、この反射防止積層体を用いた光学機能性フィルタ及び光学表示装置に関するものである。
近年、フラットパネルディスプレイの発展に伴い、パネル表面の写りこみを防止するため、ディスプレイの表面処理として反射防止層が用いられてきている。反射防止層としては、防眩ハードコート層のみからなるものや、防眩ハードコート層上またはクリアハードコート層上に低屈折率層を単層設けたものや、低屈折率層、高屈折率層を複数層設けたものなど様々である(特許文献1参照)。この防眩ハードコート層上への低屈折率層のコーティング方法としては、湿式成膜法と乾式成膜法の2つの方式を挙げることができる。湿式成膜法は、安価で大量生産が可能である一方、コーティング・ムラが発生しやすいため、高精度での積層が困難である。また、乾式成膜法は、積層が容易である一方、生産コストが高い等の不利な面がある。
防眩ハードコート層は、その表面において光散乱を起こすことにより、所謂写りこみを低下させる効果を有するが、同時にコントラストが低下するという欠点を併せ持っている。写り込みは低下しているが、防眩ハードコート層表面での表面反射は存在しており、この表面反射が視認性を低下させている。このため、精度の高い低屈折率層を防眩ハードコート層上に安価で大量に生産する技術が求められている。
特開平10−206604号公報
防眩ハードコート層を積層したプラスチック等の基材において、湿式成膜法を用いて低屈折率層を成膜した場合、防眩ハードコート層の表面へイズが低い場合は、所望の光学特性を得やすいが、防眩ハードコート層の表面へイズが高い場合は、塗液をコートした際、表面の凹部に塗液が溜まってしまい、凸部上の膜厚と凹部上の膜厚が一定にならず、防眩ハードコート層の種類により所望の光学特性を得ることができないという問題があった。
これに対し、湿式成膜における塗液の粘度を上げることや、湿式成膜時の乾燥、硬化工程箇所を塗工箇所に対し最適化する等の方法により改善を施すことが可能であるが、同時に塗工ムラ等の種々のトラブルが発生しやすくなることもあり、技術的に困難である。
この表面へイズの比較的高い防眩ハードコート層の範囲として、表面へイズが12%以上の範囲で、表面の凹部に液が溜まってしまい、顕著に所望の分光反射特性を得ることができない。また、表面へイズが35%より大きくなるとディスプレイ等の用途ではコントラストを得ることができなくなる。このため、本発明では表面へイズが12%以上35%以下の間の防眩ハードコート層上に、精度の高い低屈折率層を安価で大量に生産することを課題とする。
請求項1の発明は、基材の少なくとも一方の面上に、防眩ハードコート層と低屈折率層とを順次積層した反射防止積層体において、
前記防眩ハードコート層の表面ヘイズ値が12%以上35%以下であり、かつ、光沢度(入射角、反射角は共に60度)が20%以上65%以下であり、
前記低屈折率層が真空成膜法により形成されており、屈折率が1.36以上1.43以下であるLiF、MgF、CaF、BaF、AlFのいずれか、もしくは、それらの混合材料を少なくとも含有しており、物理膜厚が80nm以上120nm以下である
ことを特徴とする反射防止積層体である。
請求項2の発明は、CIE XYZ表色系において、正対反射における反射Y値が視野角2度の際、0.6%以下であることを特徴とする請求項1に記載の反射防止積層体である。
請求項3の発明は、CIE L*a*b*表色系において、正対反射における色度a*が視野角2度の際、0〜+4であり、b*が−5〜+5であることを特徴とする請求項1または2に記載の反射防止積層体である。
請求項4の発明は、前記低屈折率層上に防汚層が積層されており、前記防汚層が真空成膜法により形成されており、反応性官能基と結合しているケイ素原子を2つ以上有するフッ素含有珪素化合物を少なくとも含有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の反射防止積層体である。
請求項5の発明は、前記低屈折率層と防汚層との間に化学的結合層が積層されており、前記化学的結合層が真空成膜法により形成されており、物理膜厚が15nm以下の酸化ケイ素層であることを特徴とする請求項4に記載の反射防止積層体である。
請求項6の発明は、前記防眩ハードコート層と低屈折率層との間にプライマー層が積層されており、前記プライマー層が真空成膜法により形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の反射防止積層体である。
請求項7の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の反射防止積層体を用いたことを特徴とする光学機能性フィルタである。
請求項8の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の反射防止積層体を用いたことを特徴とする光学表示装置である。
本発明によれば、表面へイズが高い防眩ハードコート層に、乾式成膜法である真空成膜法を用いて無機の低屈折率層を成膜することで、精度の高い反射防止積層体を安価で大量に生産することができる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
本発明における反射防止積層体は、図1に示すように、基材1、防眩ハードコート層2、低屈折率薄膜層3、防汚層4を順次積層してなる反射防止積層体である。しかし、図1は一実施形態を示したにすぎず、これに限定されるものではない。
本発明に用いる基材1としては、透明性を有する有機化合物成形物を挙げることができる。本発明における透明性とは、可視光領域の波長の光が透過すればよいことを意味する。有機化合物成形物の形状としては、シート状、ロール状であり、また、基材1は、透明性を有する有機化合物成形物を複数層積層してなる積層体であってもよい。
透明性を有する有機化合物成形物としては、プラスチックを挙げることができ、プラスチックとしては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリウレタン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレンサルファイド、ポリエーテルスルフォン、ポリオレフィン、ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、トリアセチルセルロース等を挙げることができる。しかし、これらに限定されるものではない。
基材1の厚さとしては、目的の用途に応じて適宜選択され、通常25μm以上300μm以下程度のものが用いられる。有機化合物成形物には、公知の添加剤、例えば、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤、酸化防止剤、難燃剤等が含有されていてもよい。
本発明の反射防止積層体では、基材1と低屈折率層3との間に防眩ハードコート層2を備えており、防眩ハードコート層2は、表面での拡散による写りこみ防止以外に、鉛筆等による引っ掻き傷、スチールウールによる擦り傷等の機械的外傷から各層を防護する層でもある。防眩ハードコート層2を形成する材料としては、透明性、適度な硬度および機械的強度を有するものであればよい。
防眩ハードコート層2の構成としては、特に限定されるものではないが、粒子5とバインダー6から構成されていることが好ましい。バインダー内に粒子が分散し、塗膜表面に凹凸を形成させることにより光散乱を生じさせ防眩性を発現させることが可能であるためである。
粒子5としては、平均粒子径0.01μm以上15μm以下程度の無機あるいは有機系粒子を挙げることができ、具体的には、シリカ粒子、アクリル粒子、アクリル−スチレン粒子、タルク、各種アルミノケイ酸塩、カオリンクレー、MgAlハイドロタルサイト等を挙げることができる。これらの粒子を複数組み合わせて使用してもよく、またこれらに限定されるものではない。
バインダー6としては、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂などの電離放射線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂等を挙げることができ、特に電離放射線硬化性樹脂等には光重合開始剤が含まれる。
電離放射線硬化性樹脂としては、多価アルコールのアクリル酸またはメタクリル酸エステルのような多官能性のアクリレート樹脂、ジイソシアネート、多価アルコール及びアクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシエステル等から合成されるような多官能のウレタンアクリレート樹脂等を挙げることができる。またこれらの他にも、アクリレート系の官能基を有するポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等も使用することができる。
熱硬化性樹脂としては、熱硬化型ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等を挙げることができる。
上記バインダー6は、通常、揮発性溶媒で希釈して塗布される。希釈溶媒として用いられるものは、特に限定されるものではないが、組成物の安定性、塗膜に対する揮発性などを考慮して、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、2−メトキシエタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール等のグリコールエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド等を挙げることができる。これらの溶媒は1種または2種類以上の混合物として用いてもよい。
光重合開始剤としては、活性エネルギー線が照射された際にラジカルを発生するものであればよく、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル[4−(メチルチオ)フェニル]モルフォリノプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ベンゾフェノン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等を挙げることができる。光重合開始剤の添加量は、活性エネルギー線硬化単量体10質量部以上80質量部以下に対して、0.1質量部以上10質量部以下が好ましく、1質量部以上7質量部以下がより好ましく、1質量部以上5質量部以下がさらに好ましい。
防眩ハードコート層2の厚さは、物理膜厚で1μm以上25μm以下であり、ここでいう物理膜厚は、防眩ハードコート層2の平均膜厚を示している。物理膜厚が1μm未満である場合、鉛筆硬度や耐擦傷性等の機械強度が低くなる問題があり、物理膜厚が25μmより大きい場合、厚すぎるためハードコートの応力でフィルムの反りがきつくなる等の問題がある。なお、物理膜厚が10μm以下であることがより好ましく、さらには、物理膜厚が5μm以下であることがより好ましい。
防眩ハードコート層2の形成方法としては、ダイコート法、スピンコート法、バーコート法、ローラーコート法、フローコート法等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
防眩ハードコート層2は、表面処理が施されていることが好ましい。表面処理を施すことにより、隣接する低屈折率層3との密着性を向上させることができる。防眩ハードコート層2の表面処理としては、例えば、コロナ処理法、蒸着処理法、電子ビーム処理法、高周波放電プラズマ処理法、スパッタリング処理法、イオンビーム処理法、大気圧グロー放電プラズマ処理法、アルカリ処理法、酸処理法等を挙げることができる。
本発明における低屈折率層3は、乾式成膜法である真空成膜法により形成されるものである。
乾式成膜法によって、低屈折率層と高屈折率層を交互に成膜するような多層反射防止層はロール・ツー・ロール方式や板搬送方式等において成膜が可能であるが、どの方式でも最も成膜時間が掛かる層を基準にライン速度が限定されてしまうという特徴がある。このため、多層を積層するまでの成膜時間がかかり湿式成膜法と同等の生産量を確保することが難しい。また、低屈折率層と高屈折率層を交互に多層成膜した際の分光反射は、正対での反射Y値は低くなるが、可視光域において短波長側、長波長側で分光反射カーブの立ち上がりが大きく、色味が出てしまう欠点があった。一方で、低屈折率層単層を成膜する場合、防眩ハードコート層の表面へイズに関わらずステップカバレッジの良い薄膜を成膜することができ、凸部、凹部の差無くほぼ一定の膜厚を成膜することが可能である。このため、正対の分光反射率に対し、湿式成膜法と違い所望の値が精度良く得られる特徴がある。
クリアハードコートでなく防眩ハードコートを用いる場合、その防眩ハードコート層の種類により多層薄膜を用いずとも、正対反射が低い反射防止積層体を低屈折率層の単層成膜を用いて作製することが可能である。低屈折率層に用いる材料としては、波長500nmにおいて、屈折率1.36以上1.43以下の材料が適しており、LiF、MgF、CaF、BaF、AlFのいずれか、もしくは、それらの混合材料を挙げることができる。また、これ以上屈折率が高い場合は、分光反射カーブの立ち上がりが高くなり、単層成膜でも容易に認知できる程度の色味をおびてしまう。また、1.36未満の屈折率の材料は無機物では基本的に存在しない。
乾式成膜法により防眩ハードコート層2上に単層の低屈折率層3を成膜するにあたり、表面へイズ値が低い防眩ハードコート層を用いたのでは乾式成膜法の利点は見出しにくい。また、表面へイズ値が高すぎても明所でのコントラストが下がり、反射防止積層体としての価値が見出せなくなる。
ここで、本発明で用いられる防眩ハードコート層2の表面へイズ値は12%以上35%以下である。
また、光沢度が高すぎる防眩ハードコート層2を用いた場合、パソコン用のLCDディスプレイ等に用いるには不適当であり、光沢度が低すぎても黒色のしまりが悪く、小型ディスプレイ等では視認性が悪くなるためである。このため、本発明で用いられる防眩ハードコート層2の光沢度は20%以上65%以下である。
これより、パソコンモニター等に使用される表面へイズ値の高い防眩ハードコート層として十分に機能する。この範囲であれば、湿式成膜法では所望の光学特性を得ることができないが、乾式成膜法の優位性を発揮することができる。
本発明では、ヘイズメーター(日本電色工業株式会社製 NDH2000)を用い、ISO (14782(FDIS1999))に準じて、基材を含めた全光線透過光を(A)、基材を含めた散乱光を(B)とした場合、トータルへイズ値(C)は下記一般式で表される。
トータルへイズ値(C)(%)= 100%×散乱光(B)/全光線透過光(A)
本発明における内部ヘイズ値の測定方法としては、基材と防眩ハードコート層のみからなる状態で、防眩ハードコート層表面に両面粘着シートを介して基材フィルムと貼り合わせヘイズ値を測定し、得られたヘイズ値から両面粘着シートと基材フィルムのヘイズ値を差し引いた値を内部ヘイズ値とした。
本発明における表面ヘイズ値の測定方法としては、上述したトータルヘイズ値から内部ヘイズ値を差し引いた値を表面ヘイズ値とした。
また、本発明における光沢度は、ヘイズ―グロス リフレクトメーター(BYK Gardner製)を用いて入射角60度、反射角60度で測定した値を用いている。
クリアハードコート層上に、波長500nmで屈折率が1.36以上1.43以下の低屈折率層を乾式成膜した際の正対での反射Y値は1.1%より大きくなる。表面へイズ値が12%以上35%以下、防眩ハードコート層2であれば、正対での反射Y値は0.6未満となり、反射防止積層体としての光学性能が高くなる。
反射Y値の測定方法は、CIE 1931 XYZ表色系における2°視野における反射Y値を日立製作所製 分光光度計U−4000形自記分光光度計にて測定した。
防眩ハードコート層2を用い、表面へイズ値が12%以上35%以下、光沢度が20%以上65%以下の範囲では、湿式成膜法を用いて良好なステップカバレッジを得ることができない範囲であり、塗液硬化後における波長500nmの屈折率が1.36以上1.43以下の材料を塗工したとしても正対での反射Y値が0.6未満になることはない。
防眩ハードコート層2を用い、表面へイズ値が12%以上35%以下、光沢度が20%以上65%以下の範囲では、屈折率1.36以上1.43以下の材料が適しており、LiF、MgF、CaF、BaF、AlFのいずれか、もしくは、それらの混合材料を単層成膜した際、正対での分光反射において、CIE L*a*b*表色系における色度がa*=0〜+4、b*=−5〜+5であれば、人間が色味を感じにくいニュートラルな領域といえる。
本発明におけるCIE L*a*b*表色系におけるa*、b*の測定方法は、D65光源、5°入射、2°視野、正反射光を用いて、JIS Z 8729に準拠して行った。基材1が透明であるため、防眩ハードコート層2を形成した側と反対側の基材1表面を黒く塗り、測定光源は基材1の防眩ハードコート層2を形成した側に設置している。
防眩ハードコート層2上に乾式成膜法である真空成膜法にて、低屈折率層3を形成する方法として、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、イオンプレーティング法、PECVD法、ICB法等があり特に限定されるものではないが、抵抗加熱蒸着法や電子ビーム蒸着法、イオンプレーティング法等が、成膜速度が速く適している。
本発明では、防眩ハードコート層2と低屈折率層3との間の密着性を向上させるためにプライマー層を設けてもよい。
プライマー層の材料としては、例えば、シリコン、ニッケル、クロム、錫、金、銀、白金、亜鉛、チタン、タングステン、ジルコニウム、パラジウム等の金属や、これら金属の2種類以上からなる合金や、これらの酸化物、弗化物、硫化物、窒化物等を挙げることができる。酸化物、弗化物、硫化物、窒化物の化学組成は、密着性が向上するのであれば、化学量論的な組成と一致しなくてもよい。
プライマー層の厚さとしては、基材1の透明性を損なわない程度であればよく、好ましくは物理膜厚で0.1nm以上10nm以下である。物理膜厚が0.1nm未満である場合、基材との密着力が乏しく、物理膜厚が10nmより大きい場合、光学的に無視できない膜厚となる。
プライマー層は、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト法、化学蒸着(CVD)法等の従来公知の方法で形成することができる。
防眩ハードコート層2上に、低屈折率層3が積層されただけであると低屈折率層3に指紋等の汚れが付着した際、汚れを拭き取ることが困難である。ここで防汚層4として、反応性官能基と結合しているケイ素原子が1つだけのフッ素含有珪素化合物を表面にコーティングしても、弗素系の低屈折率材料では化学的な吸着をすることは基本的になく、もし結合したとしても、例えばMgFの場合フッ素と解離したMgのダングリングボンドと反応性官能基を有している珪素原子が結合するのみである(図2参照)。このため、コーティングしても乾拭きや、溶剤を染み込ませたウエス等で拭き取ると比較的簡単に防汚層が無くなってしまう。しかし、ケイ素原子が2つ以上のフッ素含有珪素化合物をコーティングした場合、図3に示すように珪素原子同士が結合し、長鎖をつくるため、化学的な吸着はケイ素原子が1個である場合と変わらないが、ケイ素原子と殆ど結合を得ることができなかったとしても、上記の理由で物理的な吸着を果たし、比較的拭き取りに強固な膜を形成することができる。このため、防汚層4として用いる分子は反応性官能基と結合しているケイ素原子が2つ以上あるフッ素含有珪素化合物が適している。
反応性官能基と結合している珪素原子を2つ以上有するフッ素含有珪素化合物の具体例としては、
(CHO)SiCHCHCHOCHCFCFO(CFCFCFO)pCFCFCHOCHCHCHSi(OCH、(CHO)CHSiCHCHCHOCHCFCFO(CFCFCFO)pCFCFCHOCHCHCHSiCH(OCH、(CHO)SiCHCHCHOCHCF(OC)q(OCF)rOCFCHOCHCHCHSi(OCH、(CHO)CHSiCHCHCHOCHCF(OC)q(OCF)rOCFCHOCHCHCHSiCH(OCH、(CH5O)SiCHCHCHOCHCF(OC)q(OCF)rOCFCHOCHCHCHSi(OC、(CHO)SiCHC(=CH)CHCHCHOCHCFCFO(CFCFCFO)pCFCFCHOCHCHCH(CH=)CCHSi(OCH、(CHO)SiCHC(=CH)CHCHCHOCHCF(OC)q(OCF)rOCFCHOCHCHCH(CH=)CCHSi(OCH、(CHO)CHSiCHC(=CH)CHCHCHOCHCF(OC)q(OCF)rOCFCHOCHCHCH(CH=)CCHSiCH(OCHを挙げることができる。
ただし、p=1〜50、q=1〜50、r=1〜50、q+r=10〜100の整数であり、式中の繰り返し単位はランダムである。
防汚層4は、蒸着法、スパッタリング法、CVD法、プラズマ重合法等の真空成膜法により形成することができる。防汚層4の物理膜厚は、1nm以上30nm以下程度であり、好ましくは3nm以上15nm以下程度である。物理膜厚が1nm未満である場合、防汚性が不十分であり、物理膜厚が30nmより大きい場合、余剰となる防汚剤が面を覆い、白化してしまい、所望の分光カーブを満たさなくなる。防汚層4表面における純水の接触角は、防水および防汚性の観点から、100゜以上であることが好ましく、かつ、オレイン酸の接触角は、70゜以上であることが好ましい。
また、本発明においては、低屈折率層3と防汚層4との間に化学的結合層を形成してもよい。
化学的結合層としては、物理膜厚が15nm以下の酸化ケイ素層であることが好ましい。物理膜厚が15nmより大きい酸化ケイ素層を積層すると、分光反射率が全体的に高くなり不十分となるためである。また、その成膜方法としては、蒸着法、スパッタリング法、CVD法等の真空成膜法により形成することができる。
本発明の光学機能性フィルタは、CRT用フィルタ、液晶表示装置用フィルタ、プラズマディスプレイパネル用フィルタ、エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ用フィルタ、フィールドエミッションディスプレイ(FED)用フィルタ、リアプロジェクションテレビ用フィルタ等を挙げることができる。
また、本発明の反射防止積層体は、光学機能性フィルタとして光学表示装置の前面に用いるだけでなく、額縁のスクリーンや窓材、展示用のガラス、プラスチックボックス等にも適用できる。
本発明の光学表示装置は、光学機能性フィルタを有するものである。具体的には、CRT、液晶表示装置、プラズマディスプレイパネル等の光学表示装置の前面、または内部に、本発明の少なくとも反射防止積層体、または本発明の光学機能性フィルタを設けたものである。
以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
本発明を実施するにあたり、防眩ハードコート層2上に低屈折率層3を成膜する装置として、ロール・ツー・ロール型の電子ビーム蒸着機を用いた。
このロール・ツー・ロール型の電子ビーム蒸着機は、リング型の低屈折率層形成材料を蒸発源にセットし、このリングを回転させながら電子ビームを当てて、連続的に材料を供給していく形式のものである。これによりロール・ツー・ロールでのフィルム上への巻き取り成膜が可能となる。
<実施例1>
基材1として、トリアセチルセルロース・フィルム(富士フィルム株式会社製)(以下TACフィルム)を用い、バインダーとしてペンタエリスリトールトリアクリレート(共栄社化学株式会社製)、光重合開始剤としてイルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ社製)、溶剤としてトルエン(三協化学株式会社製)、粒子として粒子として粒子径3μm以上6μm以下のアクリルビーズ(綜研化学株式会社製)を用いて、湿式成膜法であるダイコート法により、TACフィルム上に表面ヘイズ値12%、光沢度65%の防眩ハードコート層2を塗工し、紫外線硬化させた。この際の防眩ハードコート層の物理膜厚は5μmとした。この防眩ハードコート層上2に低屈折率層3を形成する低屈折率層形成材料としてMgFを用い、波長500nmでの屈折率が1.38で、電子ビーム蒸着法にて物理膜厚100nm成膜し、反射防止積層体を形成した。
<実施例2>
基材1として、トリアセチルセルロース・フィルム(富士フィルム株式会社製)(以下TACフィルム)を用い、バインダーとしてペンタエリスリトールトリアクリレート(共栄社化学株式会社製)、光重合開始剤としてイルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ社製)、溶剤としてトルエン(三協化学株式会社製)、粒子として粒子として粒子径3μm以上6μm以下のアクリルビーズ(綜研化学株式会社製)を用いて、湿式成膜法であるダイコート法により、TACフィルム上に表面ヘイズ値35%、光沢度20%の防眩ハードコート層2を塗工し、紫外線硬化させた。この際の防眩ハードコート層の物理膜厚は5μmとした。この防眩ハードコート層上2に低屈折率層3を形成する低屈折率層形成材料としてMgFを用い、波長500nmでの屈折率が1.38で、電子ビーム蒸着法にて物理膜厚100nm成膜し、反射防止積層体を形成した。
<実施例3>
基材1として、トリアセチルセルロース・フィルム(富士フィルム株式会社製)(以下TACフィルム)を用い、バインダーとしてペンタエリスリトールトリアクリレート(共栄社化学株式会社製)、光重合開始剤としてイルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ社製)、溶剤としてトルエン(三協化学株式会社製)、粒子として粒子として粒子径3μm以上6μm以下のアクリルビーズ(綜研化学株式会社製)を用いて、湿式成膜法であるダイコート法により、TACフィルム上に表面ヘイズ値12%、光沢度65%の防眩ハードコート層2を塗工し、紫外線硬化させた。この際の防眩ハードコート層の物理膜厚は5μmとした。この防眩ハードコート層上2に低屈折率層3を形成する低屈折率層形成材料としてMgFを用い、波長500nmでの屈折率が1.38で、電子ビーム蒸着法にて物理膜厚100nm成膜した。この低屈折率層3の上に防汚層4として、(CHO)SiCHCHCHOCHCFCFO(CFCFCFO)CFCFCHOCHCHCHSi(OCHを真空成膜し、反射防止積層体を形成した。
<実施例4>
基材1として、トリアセチルセルロース・フィルム(富士フィルム株式会社製)(以下TACフィルム)を用い、バインダーとしてペンタエリスリトールトリアクリレート(共栄社化学株式会社製)、光重合開始剤としてイルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ社製)、溶剤としてトルエン(三協化学株式会社製)、粒子として粒子径3μm以上6μm以下のアクリルビーズ(綜研化学株式会社製)を用いて、湿式成膜法であるダイコート法により、TACフィルム上に表面ヘイズ値12%、光沢度65%の防眩ハードコート層2を塗工し、紫外線硬化させた。この際の防眩ハードコート層の物理膜厚は5μmとした。この防眩ハードコート層上2に、まずMgFを波長500nmでの屈折率が1.38で物理膜厚90nmを電子ビーム蒸着法にて成膜し、低屈折率層3を形成した後、同じく電子ビーム蒸着法によりSiOを波長500nmでの屈折率が1.46で物理膜厚15nmを成膜し、化学的結合層を形成した。この化学的結合層の上に防汚層として、(CHO)SiCHCHCHOCHCFCFO(CFCFCFO)CFCFCHOCHCHCHSi(OCHを真空成膜し、反射防止積層体を形成した。
<比較例1>
基材1として、トリアセチルセルロース・フィルム(富士フィルム株式会社製)(以下TACフィルム)を用い、バインダーとしてペンタエリスリトールトリアクリレート(共栄社化学株式会社製)、光重合開始剤としてイルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ社製)、溶剤としてトルエン(三協化学株式会社製)、粒子として粒子径3μm以上6μm以下のアクリルビーズ(綜研化学株式会社製)を用いて、湿式成膜法であるダイコート法により、TACフィルム上に表面ヘイズ値12%、光沢度65%の防眩ハードコート層2を塗工し、紫外線硬化させた。この際の防眩ハードコート層の物理膜厚は5μmとした。防眩ハードコート層上2に、硬化後に波長500nmでの屈折率が1.36となるテトラエトキシシランの加水分解物により得られたオリゴマーを原料とし、低屈折率シリカ微粒子と混合し、2−プロパノールで希釈した液を、乾燥後の物理膜厚が100nmになるようにマイクログラビア法により塗工して低屈折率層3を形成した。
<比較例2>
基材1として、トリアセチルセルロース・フィルム(富士フィルム株式会社製)(以下TACフィルム)を用い、バインダーとしてペンタエリスリトールトリアクリレート(共栄社化学株式会社製)、光重合開始剤としてイルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ社製)、溶剤としてトルエン(三協化学株式会社製)、粒子として粒子径3μm以上6μm以下のアクリルビーズ(綜研化学株式会社製)を用いて、湿式成膜法であるダイコート法により、TACフィルム上に表面ヘイズ値35%、光沢度20%の防眩ハードコート層2を塗工し、紫外線硬化させた。この際の防眩ハードコート層の物理膜厚は5μmとした。この防眩ハードコート層上2に硬化後に波長500nmでの屈折率が1.36となるテトラエトキシシランの加水分解物により得られたオリゴマーを原料とし、低屈折率シリカ微粒子と混合し、2−プロパノールで希釈した液を、乾燥後の物理膜厚が100nmになるようにマイクログラビア法により塗工して低屈折率層3を形成した。
<比較例3>
基材1として、トリアセチルセルロース・フィルム(富士フィルム株式会社製)(以下TACフィルム)を用い、バインダーとしてペンタエリスリトールトリアクリレート(共栄社化学株式会社製)、光重合開始剤としてイルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ社製)、溶剤としてトルエン(三協化学株式会社製)、粒子として粒子径3μm以上6μm以下のアクリルビーズ(綜研化学株式会社製)を用いて、湿式成膜法であるダイコート法により、TACフィルム上に表面ヘイズ値12%、光沢度65%の防眩ハードコート層2を塗工し、紫外線硬化させた。この際の防眩ハードコート層の物理膜厚は5μmとした。この防眩ハードコート層上2に低屈折率層3を形成する低屈折率層形成材料としてSiOを用い、波長500nmでの屈折率が1.46で、電子ビーム蒸着法にて物理膜厚100nm成膜し、反射防止積層体を形成した。
<比較例4>
基材1として、トリアセチルセルロース・フィルム(富士フィルム株式会社製)(以下TACフィルム)を用い、バインダーとしてペンタエリスリトールトリアクリレート(共栄社化学株式会社製)、光重合開始剤としてイルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ社製)、溶剤としてトルエン(三協化学株式会社製)、粒子として粒子径3μm以上6μm以下のアクリルビーズ(綜研化学株式会社製)を用いて、湿式成膜法であるダイコート法により、TACフィルム上に表面ヘイズ値12%、光沢度65%の防眩ハードコート層2を塗工し、紫外線硬化させた。この際の防眩ハードコート層の物理膜厚は5μmとした。この防眩ハードコート層上2に低屈折率層3を形成する低屈折率層形成材料としてMgFを用い、波長500nmでの屈折率が1.38で、電子ビーム蒸着法により物理膜厚100nm成膜した。この低屈折率薄膜層3の上に防汚層として、(CHO)SiCHCHCHOCHCFCFO(CFCFCFO)CFCFを真空成膜し、反射防止積層体を形成した。
<評価>
(1) 分光反射測定(CIE XYZ表色系 反射Y値測定):
実施例1、2、比較例1、2に対し、自動分光光度計(株式会社日立製作所製 U−4000)にて反射角0°の分光反射Y値を測定した。この結果を表1に示す。
(2) 分光反射測定(CIE L*、a*、b*表色系 色度a*、b*測定):
実施例1、2、比較例3に対し、自動分光光度計(株式会社日立製作所製 U−4000)にて反射角0°の分光色度a*、b*の測定をした。この結果を表2に示す。
(3)指紋ふき取り試験:
実施例3、4、比較例4に対し、指紋を付着させ、ウエス(日本ウエス株式会社製)で拭き取り、目視確認する試験を行う。この結果を表3に示す。
(4)乾拭き試験:
実施例3、4、比較例3に対し、水分、溶剤等を一切つけていないウエス(日本ウエス株式会社製)で乾拭きし、何往復で防汚性を失うかを調査する。この判定方法として、純水接触角が100°を切る往復回数、90°を切る往復回数を調べ判定する。
Figure 2009053591
Figure 2009053591
Figure 2009053591
Figure 2009053591
表1の反射角0°の分光反射Y値の測定結果より、実施例1、2のみ反射Y値が0.6%未満であるが、屈折率がMgFより低いSiOの湿式成膜法塗工膜の反射Y値が0.6%を超えており、ステップカバレッジが良くないことが分る。一方、乾式成膜法の実施例1、2は、0.6%未満の反射Y値が得られ、十分に反射防止積層体としての効果を発揮している。
表2の結果より、反射角0°の分光色度に関し、実施例1、2は、a*=0〜+4、b*=−5〜+5の範囲内であり、色味を認識しづらいが、比較例3はこの範囲外であり、見た目にも色味を認識することが可能である。よって、実施例1、2は色度的に非常にニュートラルな色味を認識しづらい反射防止積層体である。
表3の指紋拭き取り性試験の試験結果より、実施例4>実施例3>比較例4の順であり、MgF膜と防汚層等の間にSiO膜がある場合、SiOと防汚層が化学的に吸着しており、最も拭き取り性が高いことが分る。また、反応性官能基と結合しているケイ素原子を2つ以上有するフッ素含有珪素化合物の方が物理的な吸着が強く、反応性官能基と結合しているケイ素原子を1つだけ有するフッ素含有珪素化合物よりも拭き取り性が勝っているという結果が得られている。
表4の乾拭き試験の試験結果より、実施例4>実施例3>比較例4の順であり、MgF膜と防汚層等の間にSiO膜がある場合、SiOと防汚層が化学的に結合しており、最も耐性が強いことが分る。また、反応性官能基と結合しているケイ素原子を2つ以上有するフッ素含有珪素化合物の方が物理的な吸着が強く、反応性官能基と結合しているケイ素原子を1つだけ有するフッ素含有珪素化合物よりも耐性が勝っているという結果が得られている。
表面ヘイズ値12%以上35%以下、光沢度20以上65%以下の防眩ハードコート層がコーティングされているプラスチック基材上に、その防眩ハードコート層上に低屈折率層を形成する場合、低屈折率層を単層で乾燥成膜法である真空成膜法にて成膜することにより、湿式成膜法で成膜した場合では得ることができない正対での低い反射Y値を持ち、また色度的にも人間が色味を認識しづらい反射防止積層体を提供することが可能となった。また、防汚層として反応性官能基と結合しているケイ素原子を2つ以上有するフッ素含有珪素化合物を用いることにより、反応性官能基と結合しているケイ素原子が1つである場合より、指紋付拭き取り性、乾拭き耐性に優れている表面防汚性を兼ね備えた反射防止積層体を提供することができた。
本発明における反射防止積層体の一実施形態を示す断面概略図である。 反応性官能基と結合しているケイ素原子が1つのみであるフッ素含有珪素化合物を用いた場合の概略図 反応性官能基と結合しているケイ素原子が2つ以上であるフッ素含有珪素化合物を用いた場合の概略図
符号の説明
1 基材
2 防眩ハードコート層
3 低屈折率層
4 防汚層
5 粒子
6 バインダー

Claims (8)

  1. 基材の少なくとも一方の面上に、防眩ハードコート層と低屈折率層とを順次積層した反射防止積層体において、
    前記防眩ハードコート層の表面ヘイズ値が12%以上35%以下であり、かつ、光沢度(入射角、反射角は共に60度)が20%以上65%以下であり、
    前記低屈折率層が真空成膜法により形成されており、屈折率が1.36以上1.43以下であるLiF、MgF、CaF、BaF、AlFのいずれか、もしくは、それらの混合材料を少なくとも含有しており、物理膜厚が80nm以上120nm以下である
    ことを特徴とする反射防止積層体。
  2. CIE XYZ表色系において、正対反射における反射Y値が視野角2度の際、0.6%以下であることを特徴とする請求項1に記載の反射防止積層体。
  3. CIE L*a*b*表色系において、正対反射における色度a*が視野角2度の際、0〜+4であり、b*が−5〜+5であることを特徴とする請求項1または2に記載の反射防止積層体。
  4. 前記低屈折率層上に防汚層が積層されており、前記防汚層が真空成膜法により形成されており、反応性官能基と結合しているケイ素原子を2つ以上有するフッ素含有珪素化合物を少なくとも含有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の反射防止積層体。
  5. 前記低屈折率層と防汚層との間に化学的結合層が積層されており、前記化学的結合層が真空成膜法により形成されており、物理膜厚が15nm以下の酸化ケイ素層であることを特徴とする請求項4に記載の反射防止積層体。
  6. 前記防眩ハードコート層と低屈折率層との間にプライマー層が積層されており、前記プライマー層が真空成膜法により形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の反射防止積層体。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の反射防止積層体を用いたことを特徴とする光学機能性フィルタ。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の反射防止積層体を用いたことを特徴とする光学表示装置。
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