JP2009053508A5 - - Google Patents
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Description
本発明はLBPやデジタル複写機、デジタルFAX等の画像形成装置においてレーザビームを用いて光書き込みを行う光学走査装置に関するものである。
従来、正弦振動を行う光偏向装置を使用した光学走査装置で、偏向走査されるレーザビームの振れ角の中心と結像光学系の中心とのズレ、すなわち、光偏向装置と結像光学系の取り付け角度ズレを調整するものが提案されている。これにより、線速度変化や収差を低減する(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記従来例では、走査平面に平行な取り付け面に直交するよう偏向面が配置される構成であったため、以下のような課題があった。
従来、光偏向装置の偏向面は走査平面と平行な取り付け面に略直交し、その根元部で固定される構成であり、振動に対して光偏向装置全体が根元を支持部として片持ち梁となる配置である。すると、周波数帯によって全体が鏡面を前後に揺らすように振動する振動モードが発生する恐れがあり、その振動周期ごとに走査線高さが変化して最終的に印字時には走査ピッチむらになる恐れがある。また、偏向面の振動モードに設計上予期せぬ振動モードが乗ってくる恐れもある。
本出願に係る発明の目的は、上述の問題を解消し、偏向面の振動モードを安定させることによって画像の高画質化をはかることである。
前記目的を達成するための本発明に係る代表的な構成は、レーザビームを出射する光源と、共振振動により揺動して前記光源から出射されたレーザビームを偏向走査するための偏向面が形成された可動子と前記可動子を揺動させるアクチュエータ部とを備える偏向手段と、前記偏向手段により偏向走査されたレーザビームが通過するレンズと、底部と該底部の周りを囲む側壁部とによって箱形状に構成される光学箱であって、前記光源と前記偏向手段とを保持し前記レンズを内包する光学箱と、を有する光学走査装置において、前記偏向手段は前記光学箱の外側で前記側壁部の外壁面に固定されており、前記側壁部の外壁面の前記偏向手段が当接する座面は、前記可動子の初期静止状態における前記偏向面と平行であることを特徴とする。
以上の構成によれば、振動等による影響を低減しながら光偏向装置を光学箱に対して強固に組み付けることが可能になる。
〔第1実施形態〕
図を用いて本発明の第1実施形態を説明する。
図を用いて本発明の第1実施形態を説明する。
(画像形成装置)
まず、画像形成装置の構成及び動作の概略を説明する。図1は光学走査装置を具備した画像形成装置の構成を説明する断面図である。
まず、画像形成装置の構成及び動作の概略を説明する。図1は光学走査装置を具備した画像形成装置の構成を説明する断面図である。
図1に示すように、画像形成動作においては、まず、画像情報に基づいて変調されたレーザビームLを光学走査装置から出射し、感光体ドラム32の上(被走査体面上)を走査する。これにより、感光体ドラム32上に潜像を形成する。この潜像は一次帯電器33によって一様に帯電している感光体ドラム32の面上に形成される。
この潜像を現像器34の現像剤(トナー)によって可視像化する。その後、感光体ドラム32の面上に形成されたトナー画像が順に転写ローラ35によって、転写ニップ部に搬送された転写材36上に転写され、転写材36上にトナー画像が形成される。転写材36上に形成された画像が定着器37によって熱定着された後、転写材36は排出ローラ38等によって装置外に出力される。
(光学走査装置)
次に、光学走査装置の構成及び動作の概略を説明する。
次に、光学走査装置の構成及び動作の概略を説明する。
図2を用いて光学走査装置の構成を説明する。図2は第1実施形態における光学走査装置の概略構成を説明する斜視図である。
図2に示すように、光学走査装置を構成する部材は、装置筐体としての光学箱31に一体的に収容・保持される。ここで、光学箱31は、底部と側壁部とによって構成される箱形状であり、fθレンズ43を内包している。また、光源装置41と、光偏向装置42と、反射ミラー44と、BD用ミラー45と、BDセンサ46と、シリンダレンズ47と、が光学箱31に組み付けられる構成である。
図2に示すように、光偏向装置42は、光学箱31の外側から光学箱31の外壁面に組み付けられる。光偏向装置42が最も外側に位置する構成である。従来の光偏向装置は光学走査装置の内部に配置する構成であったため、光偏向走査の外に光学走査装置の外壁が配置され全体を覆う構成となり装置全体が大型化、ひいてはコスト増となっていた。これに対して、本構成は、光学箱31のサイズを最も小さくすることが可能である。光偏向装置42は光学箱31に対しビス(図示せず)で強固に固定されている(C部)。偏向面と平行な平面で強固に固定されているので、光偏向装置42の組み付けられた側壁部の共振周波数は高域にシフトしており、他の振動源からの振動も拾いにくく、振動に強い構成となっている。更に、後述する共振振動を用いて振動しているプレート部材1(図4、図5参照)の偏向面が余計な振動モードを拾う恐れも小さい。
光偏向装置42は光学箱31の側壁面に突き当てて組み付ける。組み付ける際には、位置決めピン等を用いて、容易に高精度に組み付けることが可能であり、工程上作業性もよく組み付けタクトの向上も期待できる。
また、後述するアクチュエータ部7(図4、図5参照)の発熱は、光偏向装置42が光学箱31の外側から組み付けられ外気に面していることによって効率的に装置外へ放熱される。このため、光学走査装置内に熱がこもることによって装置全体の温度が上昇して光学箱が変形してレンズ等の位置等がずれたり、光源装置41やレンズ等の特性が熱で変化したりすることによる印字画質の劣化を効果的に防止することができる。
これら光学走査装置の組立時には、最後に上から板金または樹脂製の蓋部材(図示せず)が組み付けられ、光偏向装置42と共に、光学走査装置を略密閉する。
図3を用いて、光学走査装置の動作を説明する。図3は光学走査装置の動作を説明する斜視図である。
図3に示すように、光源装置41より出射されたコリメート光は、光偏向装置42により偏向走査され、順にfθレンズ43を通過し、反射ミラー44によって反射され最終的に被走査体である感光体ドラム32表面に到達する(一点鎖線)。
また、コリメート光は、感光体ドラム32の幅内で最適に絞り込んだビームとして走査されるように、fθレンズ43により成形される。これと共に、走査ビームの一部はBD用ミラー45により反射されてBDセンサ46により光検知することで、BDセンサ46からの出力信号を基準にBD基板48が走査回毎の書き込み信号を同期させる。これにより、走査回毎のビームの書き込み位置ズレを防止する。
また、光偏向装置の偏向面の倒れ誤差による感光体ドラム32上の副走査方向におけるビーム位置ずれを防止するためにシリンダレンズ47を用いて、光源装置41から出射されたビームを偏向面上では副走査方向に圧縮して結像した線像とする。これと共に、偏向面と感光体ドラム32面上は副走査方向では共役関係とする構成が取られている。尚、副走査方向とは、光軸及びビームの走査方向と直角をなす方向で、転写材の送り方向である。
(光偏向装置)
図4乃至図7を用いて、本実施形態の光偏向装置42の構成を詳細に説明する。図4は第1実施形態の光偏向装置の構成を示す斜視図である。図5は第1実施形態の光偏向装置の構成を示す分解斜視図である。図6は第1実施形態の光偏向装置に用いるアクチュエータ部の分解斜視図である。図7は第1実施形態の光偏向装置に用いるプレート部材の斜視図である。尚、これらの斜視図は、光偏向装置42を光学箱31側から見た斜視図である。
図4乃至図7を用いて、本実施形態の光偏向装置42の構成を詳細に説明する。図4は第1実施形態の光偏向装置の構成を示す斜視図である。図5は第1実施形態の光偏向装置の構成を示す分解斜視図である。図6は第1実施形態の光偏向装置に用いるアクチュエータ部の分解斜視図である。図7は第1実施形態の光偏向装置に用いるプレート部材の斜視図である。尚、これらの斜視図は、光偏向装置42を光学箱31側から見た斜視図である。
図4及び図5に示すように、光偏向装置42は、プレート部材1と、アクチュエータ部7と、ホルダ8(支持部材)と、回路基板9とを有する。プレート部材1はホルダ8に一体に固定されている。ホルダ8の、プレート部材1の固定面側の方向には、プレート部材1の可動子2及び可動子3を駆動するアクチュエータ部7や、アクチュエータ部7に電力を供給するための回路基板9等が配置され保持固定される。回路基板9には画像形成装置に具備された制御回路(図示せず)と電気的に接続するためのコネクタ10が備えられる。ここで、回路基板9はホルダ8に対してビス11(図5で図示)等を用いて固定されている。また、回路基板9は光学箱31と蓋部材とによって囲まれた空間の外にある。
図5に示すように、アクチュエータ部7はホルダ8に矢印B方向に挿入され、ホルダ8に設けられた穴部(図示せず)に圧入等の方法で固定される。アクチュエータ部7をホルダ8に固定した後に、その上からプレート部材1をホルダ8に一体的に固定する。このような構成にすることにより、アクチュエータ部7とプレート部材1をホルダ8という1つの部材で一体的に保持し、強い振動等に対しても強い構成となる。また、1部品で位置決めされるので組付精度も良好である。
次にアクチュエータ部7の構成を詳細に説明する。図6に示すように、アクチュエータ部7は、コア(鉄心)12は樹脂部材にて構成されるボビン13と一体に形成されており、その周囲にコイル(巻線)14が巻かれている。コア12とコイル14間に樹脂のボビン13が介在することで、確実に電気的に絶縁している。
ボビン13には、2本のピン15が圧入されており、コイル14の両端はこれらピン15に絡げられ、ハンダ付けされている。2本のピン15は端子ピンであり、コイル14の両端部から確実に光偏向装置42外に電気的な結線を取り出す役目を担っている。ボビン13が樹脂であることで、これら2本のピン15を確実に絶縁しながら、光偏向装置42外へ所定の位置精度で電気的な結線を取り出すことが可能になる。ピン15はL字型に折り曲げられて、その先端がホルダ8の穴部を通してホルダ8の外へ突出している。回路基板9に設けられた穴9a(図5参照)に挿通され、ハンダ付け等により回路基板9と電気的に結線される。これらの構成により、コネクタ接続で容易に結線が可能となっている。
次にプレート部材1について図7を用いて説明する。プレート部材(素子)1は、Si単結晶のウェハをエッチング加工して製作されている。プレート部材1は、少なくとも2つの可動子2、3を備える。これら可動子2、3は、ねじりバネ4、5によってそれぞれ支持される。
一方の可動子(駆動子)3には、棒状の永久磁石であるマグネット6が一体に固定される。他方の可動子(偏向子)2の表面(可動子3の磁石実装面とは反対側)は、アルミ等が蒸着されている。このアルミ等が蒸着された表面は、レーザビームを反射するのに好適な反射膜となっている。このように可動子は、共振振動により揺動して光源装置41から出射したレーザビームを偏向走査する偏向面を有する。
このように、本実施形態の光偏向装置42では、プレート部材1にマグネット(磁石)6を備え、コア12とコイル14等からなるアクチュエータ部7と所定の間隙で配置される(図6参照)。これにより、磁気回路を形成しており、コイル14に所定の電流を印加することにより、可動子2、3が揺動するように駆動される。
図7に示すように、レーザビームは矢印Aで示すように可動子2の表面(偏向面)にて偏向される。これら少なくとも2つの可動子2、3は、複数の固有振動モードを有し、例えば、走査周期に応じた基本周波数と基本周波数の2倍の周波数の振動モードを有する。
光偏向装置42は、プレート部材1の複数の固有振動数(少なくとも基本と2倍)を重ね合わせて駆動される。これについて図8を用いて説明する。図8は第1実施形態における光偏向装置の振幅の時間変化を示すグラフである。
図8に示すように、レーザビームの偏向に用いられる可動子(偏向子)2の振幅角度をθ、時間をtとすると、下記の数式1で表される挙動を示す。
θ(t)=A1sin(ωt)+A2sin(2ωt+φ)+A3 [数式1]
尚、数式1において、A1:基本周波数(基本波)における振幅、A2:基本周波数の2倍(倍波)における振幅、ω:基本周波数、φ:基本波と倍波の位相差、A3:静的な角度誤差、例えば偏向子が振動していない時の姿勢の角度誤差、である。図8においては、φ=0、A3=0。
尚、数式1において、A1:基本周波数(基本波)における振幅、A2:基本周波数の2倍(倍波)における振幅、ω:基本周波数、φ:基本波と倍波の位相差、A3:静的な角度誤差、例えば偏向子が振動していない時の姿勢の角度誤差、である。図8においては、φ=0、A3=0。
ここで各パラメータを適切に設定することにより、1周期内のある特定の範囲において次の数式2のように近似することが可能である。
θ(t)≒kt+α [数式2]
尚、数式2において、k,α:いずれも定数である。
尚、数式2において、k,α:いずれも定数である。
この範囲では略等角速度で可動子(偏向子)2が振動することになり、可動子(偏向子)2に入射するレーザビームは略等角速度で偏向走査される。
(光偏向装置の光学箱における配置)
次に、光偏向装置42の光学箱31に対する配置について図9を用いて説明する。図9は第1実施形態における光学箱から光偏向装置のみを分解したときの光学走査装置の構成を説明する分解斜視図である。
次に、光偏向装置42の光学箱31に対する配置について図9を用いて説明する。図9は第1実施形態における光学箱から光偏向装置のみを分解したときの光学走査装置の構成を説明する分解斜視図である。
図9に示すように、光偏向装置42は、光学箱31の外壁面の一部である座面Eに当接する構成となっている。座面Eにはビス穴が設けられている。座面Eで囲まれた部分の中央には穴部Dを有し、ここからレーザビームが光偏向装置42に入射して偏向走査される。
図9上では、4つの座面Eで構成される平面は、走査平面に対して直交しており、光偏向装置42のプレート部材1と平行な平面となっている。具体的には、可動子2の初期静止状態における前記偏向面と平行な平面となっている。この直角度、平行度等の幾何公差は、光学箱31の成形精度で保証される。
穴部Dは光偏向装置42を組み付けることで略密閉されるので、穴部Dから塵埃等が流入し光学部品を汚す心配もない。座面Eは光学箱31から若干突出させた構成としているが、必ずしも突出させる必要はない。突出させない方が光偏向装置42と光学箱31間の隙間が狭くなり、密閉性が向上する。
光偏向装置42の電気的結線は、回路基板9のコネクタ10を通じてなされるが、回路基板9が光学走査装置の最も外側の位置に配置されている。従来のように光偏向装置を光学走査装置の内部に配置する構成であれば、光偏向装置の駆動に必要な電源束線を光学走査装置の外へ取り出すための束線経路を、光学箱に穴を空けて確保しなければならなかった。その穴部を通じて塵埃等が装置内部に流入し光学系に付着することによって光量低下を引き起こし、印刷画質が低下する恐れもあった。これに対して、本構成は、結線が容易である。光学走査装置を組み立てた後にコネクタ10に結線すればよい。また、結線された束線(図示せず)を這いまわす配線部を、特に光学走査装置に設ける必要もない。
図9に示す光学箱31の座面Eに対して、光偏向装置42のホルダ8の4つの座面F(図5参照)が当接しており、4つの座面Fは同一平面内にある。座面E、Fに設けられた穴部を通してビス(図示せず)が挿入され、光偏向装置42が光学箱31に強固に組付られる。
また、光偏向装置42の座面G(図5参照)は、プレート部材1が組み付けられる面であって、光偏向装置42の4つの座面Fと同一平面となる。ホルダ8は樹脂等による成形品であって、座面Fと座面Gが同一平面になるよう成形型を構成することは容易であるため、平面度も容易且つ高精度に保証することができる。座面Fと座面Gが別平面であると2つの座面の平行度誤差が生じてしまう。しかしながら、本実施形態では、同一平面であるので、座面Fと座面Gと間の平行度誤差を生じさせないことができる。
尚、ホルダ8の4つの座面Fも光学箱31の4つの座面Eも、必ずしも4つでなくてよい。少なくとも座面が3つあれば1つの平面が定まるし、2つ以下でも十分な面積があれば、十分姿勢の保証が可能である。
また座面が4つ以上であると、少なくとも1つ以上の座面が補助的な座面となるので、あくまでも補助座面として若干下げておくとよい。本実施形態の構成であれば、ビス穴の無い座面を0.05〜0.1程度低めにする。残りの座面3つで平面は保証されるので、高さを下げること自体に問題はない。下げる座面は光学箱31側でも光偏向装置42のホルダ8側でもどちらでもよい。
従来、素子を取り付ける部材が樹脂の場合には、組付ビス穴の方向に型抜き方向を持ってくると素子取り付け面に成形時の抜き勾配が生じ、大きな回転軸倒れが発生する恐れがあった。また、素子取り付け面に直角な抜き方向にすると今度はビス穴部をスライドで型抜きしなければならず、成形型が複雑な構成となって型投資が大幅にコストアップしてしまうという課題があった。これに対して、本構成は、ホルダ8は座面F、座面Gのなす平面をパーティングラインとして構成されており、アクチュエータ部7やプレート部材1など各部材の組付方向、すなわち、矢印B方向(図5参照)に型を抜く構成である。このため、スライド等の高価な手段を使わなくてもよい。このように型構造的にもホルダ8は安価に製作できる形状となっている。これは図示の通り、矢印B方向に直交する方向には穴部等を具備しない構成とすることが可能であることによる。
部品配置等の都合によっては、座面F、座面Gは同一平面には必ずしも配置できないかもしれないし、4つの座面F間で高さに差をつけなければならないかもしれない。この際には精度的に、また、コスト的には若干劣るが、プレート部材1と座面F、Gが平行となる構成であれば、他の効果は同様に期待できる。
以上のように、本実施形態においては、光偏向装置42が最も外側に配置され、光学箱31の外側壁に組み付けられる構成のため、サイズ的には最小に抑えることができ、光偏向装置42を組み付ける際には外側壁面から容易に組み付けることが可能である。また、光学箱31の高精度な側壁に位置決めピン等を用いて組み付けるので、精度の良い組み付けが可能である。
光偏向装置42は光学箱31の側壁に強固に組み付けられているので、上述の通り振動に強い構成であって、可動子2がいわゆる前後におじぎするような振動モードも拾いにくくなっている。このため、偏向面の余計な振動に起因した画像形成時の走査ピッチむら等も低減することが可能である。
さらにプレート部材1のホルダ8に対する取付面は光偏向装置42が固定される光学箱31の側壁部の平面と同一平面となっているため、平行度公差をキャンセルし、回転軸が倒れる方向のいわゆる軸倒れ精度を向上させることが可能となる。
また、光偏向装置42が光学箱31の外壁面に組み付けられていることにより、光偏向装置42を駆動するために必要な電源は、装置外に面したコネクタから容易に供給することができる。このため、束線を光学箱31内部で這いまわす必要がなく、構成としても組立工程としても簡便なものとすることができる。
また、束線取り出し口からの塵埃流入などの懸念も無い。これらによって光偏向装置42は高精度に且つ簡便に組み付けできる構成なので、工程のタクト短縮、ひいてはコストダウンの効果も見込める。また、振動の低減や安定した振動モードによって画像の高画質化の効果も期待できる。
〔参考例〕
図を用いて本発明の参考例を説明する。前述した実施形態と同様の構成については同符号を付し、説明を省略する。図10は参考例における光学走査装置の概略構成を説明する斜視図である。
図を用いて本発明の参考例を説明する。前述した実施形態と同様の構成については同符号を付し、説明を省略する。図10は参考例における光学走査装置の概略構成を説明する斜視図である。
図10に示すように、本参考例では光学箱31の側壁が二重の構成となっている。例えば、反射ミラー44近傍では内側の壁部Hと外側の壁部Iが平行に配置され、それらが光学箱31の周囲を覆うように構成されている。内と外の壁の間は剛性を上げるためのリブRが無数に配置されている。本参考例の構成では、周囲の側壁が二重となっていることで構造上剛性が増しており、振動に対してはより強い構造になっている。
光偏向装置42の配置としては、必ずしも光学走査装置の最外部に位置する構成でなく、周囲をもう一枚の壁部で覆われる構成となっているが、前述の実施形態と同様の効果を得ることができる。
本参考例に特有の効果は、光学箱31の側壁を二重としていることで、光学走査装置全体の剛性が向上しており、変形等に強くなっていることである。また、側面をもう一枚の壁部で完全に覆うことで密閉性を向上させ、外部から熱を受けにくいという効果がある。光偏向装置42の発熱よりも外部からもらう熱の方が大きい場合には特に有効である。
〔第2実施形態〕
図を用いて本発明の第2実施形態を説明する。前述した実施形態と同様の構成については同符号を付し、説明を省略する。図11は第2実施形態における光学走査装置近傍の光学箱の断面図である。例えば、図1の図において走査平面に直交する方向に、プレート部材1の可動子(偏向子)2の回転軸を含む断面で切ったような形である。
図を用いて本発明の第2実施形態を説明する。前述した実施形態と同様の構成については同符号を付し、説明を省略する。図11は第2実施形態における光学走査装置近傍の光学箱の断面図である。例えば、図1の図において走査平面に直交する方向に、プレート部材1の可動子(偏向子)2の回転軸を含む断面で切ったような形である。
図11に示すように、プレート部材1に対し、レーザビームはJ方向から入射して矢印K方向に反射していく。プレート部材1に直角な方向は二点鎖線Nで示される方向となる。プレート部材1に具備された可動子(偏向子)2で偏向走査された、矢印Kが示すレーザビームは紙面に直交する方向に線状に走査されている。
前述の実施形態では、入射ビームと出射ビームとが同一平面内となる構成(いわゆる、走査平面内入射)であったが、本構成では偏向面に直角な方向とある角度をなしてビームが入射する構成となっている。即ち、入射ビームと出射ビームとは同一平面内にはない構成(いわゆる、斜め入射)である。
本実施形態に特有の効果は、例えば以上の構成で、略上方から光学走査装置を見た時に、光偏向装置42の共振中心方向から(共振していない時で言えば正面から)ビームを入射させても、ビームを反射偏向走査することができる。これは上記のように副走査方向(走査方向と光軸方向に直交する方向)に斜め入射していることで、走査平面が入射系を避ける構成とすることができるためである。これによって最大走査角において入射ビームに対する出射ビームのなす角を最小限に抑えることができ、可動子(偏向子)2の横幅を最小限に抑えることができるなどの副次的効果を持つ。また、本実施形態の構成で、第1実施形態と同様な効果が得られる。
1…プレート部材、2…可動子(偏向子)、3…可動子(駆動子)、7…アクチュエータ部、8…ホルダ(支持部材)、9…回路基板、31…光学箱41…光源装置、42…光偏向装置、43…fθレンズ
Claims (4)
- レーザビームを出射する光源と、
共振振動により揺動して前記光源から出射されたレーザビームを偏向走査するための偏向面が形成された可動子と前記可動子を揺動させるアクチュエータ部とを備える偏向手段と、
前記偏向手段により偏向走査されたレーザビームが通過するレンズと、
底部と該底部の周りを囲む側壁部とによって箱形状に構成される光学箱であって、前記光源と前記偏向手段とを保持し前記レンズを内包する光学箱と、
を有する光学走査装置において、
前記偏向手段は前記光学箱の外側で前記側壁部の外壁面に固定されており、前記側壁部の外壁面の前記偏向手段が当接する座面は、前記可動子の初期静止状態における前記偏向面と平行であることを特徴とする光学走査装置。 - 前記偏向手段は、前記可動子を揺動可能に支持するプレート部材と、前記プレート部材が固定され、前記座面に当接する支持部材とを備え、
前記支持部材の前記プレート部材を固定する固定面と、前記座面に当接する面は、同一の平面内にあることを特徴とする請求項1に記載の光学走査装置。 - 前記アクチュエータ部は、鉄心と、前記鉄心の周囲に巻かれた巻線と、前記鉄心と前記巻線とを絶縁する樹脂部材と、前記巻線の両端が絡げられた2つのピンとからなり、前記アクチュエータ部は前記支持部材に保持されていることを特徴とする請求項2に記載の光学走査装置。
- 前記光学箱を覆う蓋部材を有し、
前記偏向手段は前記アクチュエータ部と電気的に結線された回路基板を備え、
前記回路基板は、前記光学箱と前記蓋部材とによって囲まれた空間の外にあることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光学走査装置。
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