JP2009053432A - ポルタメント制御装置およびポルタメント制御処理プログラム - Google Patents
ポルタメント制御装置およびポルタメント制御処理プログラム Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】音程差が半音の時の基準的なポルタメントレートRと、現ピッチと目標ピッチとの音程差Iと、この音程差Iがポルタメント速度rに依存する度合いを表すインターバル依存係数Kとに応じてポルタメント速度rを算出し、算出したポルタメント速度rを所定周期毎に現ピッチに加算して目的ピッチまで連続的に変化させる。したがって、例えば速いフレーズを演奏しているときはフレーズのピッチ到達が間に合わないようなことが無いようになるべく時間が一定のポルタメントとなるインターバル依存係数Kを設定したり、また、ゆっくりしたフレーズを演奏しているときは速度が一定のポルタメントとなるインターバル依存係数Kを設定することによって最適なポルタメント効果を付与できる。
【選択図】図5
Description
A.構成
(1)全体構成
図1は、本発明の実施の一形態によるポルタメント制御装置を備えた楽音発生装置の全体構成を示すブロック図である。この図において、CPU10は、操作部15に配設される各種スイッチ操作に応じて装置各部の動作形態を指定する他、鍵盤13から出力される演奏情報に応じた楽音を生成するよう波形発生器(OSC)17および増幅器(AMP)18に指示する。また、CPU10は、後述するポルタメント速度算出処理およびポルタメント処理を実行することによって、発生楽音に最適なポルタメント効果を付与する。なお、CPU10が実行するポルタメント速度算出処理およびポルタメント処理にて具現されるポルタメント制御機能については追って詳述する。
次に、図3〜図4を参照してCPU10のポルタメント制御機能について説明する。CPU10では、現ピッチと目標ピッチとの音程差を半音とした時の基準的なポルタメントの変化速度、すなわち上述したポルタメントレートRを基準速度として定義しておき、実際の音程差がI(半音単位)である時のポルタメント速度rを次式[1]又は[2]に基づき算出する。
音程差I≧0の場合: r=R×(1+(I−1)×K)…[1]
音程差I<0の場合: r=−R×(1+(−I−1)×K)…[2]
モード0のインターバル依存係数K=F/127…[3]
モード1のインターバル依存係数K=W/255…[4]
D<Sならば、モード2のインターバル依存係数K=D/S…[5]
D≧Sならば、モード2のインターバル依存係数K=1.0…[6]
なお、[5]式において、ノートオン数Dは、和音などのように、所定時間内における複数のノートオンは1つの押鍵によるノートオンと計数する。
次に、図5〜図6を参照してポルタメント制御装置の動作について説明する。以下では、キーオンイベント毎に実行されるポルタメント速度算出処理の動作を説明した後、タイマ割り込みにより所定周期毎に実行されるポルタメント処理の動作について述べる。
図5は、押鍵操作に応じたキーオンイベントが発生する毎に実行されるポルタメント速度算出処理の動作を示すフローチャートである。押鍵操作に応じたキーオンイベントが発生すると、CPU10は図5に図示するステップSA1に進み、押鍵された鍵の鍵番号をレジスタKNにストアする。続いて、ステップSA2では、レジスタKNに格納された鍵番号に対応した目的ピッチTPを算出する。次いで、ステップSA3では、現在選択されているインターバル依存係数Kのモードを判別する。以下、モード0〜モード2がそれぞれ選択されている場合に分けて動作の説明を進める。
この場合、ステップSA4に進み、前述した[3]式に基づき、ユーザが任意に設定するパラメータFを「127」で除した固定値をインターバル依存係数Kに設定する。
この場合、ステップSA5に進み、前述した[4]式に基づき、ユーザ操作に応じてポルタメント操作子14が発生するパラメータWを「255」で除した可変値をインターバル依存係数Kに設定する。
この場合、ステップSA6に進み、過去一定時間内に発生したノートオン数Dが、ノートオン基準数S(一定時間内に発生する標準的なノートオンの数)より小さいか否かを判断する。D<Sならば、判断結果は「YES」になり、ステップSA7に進み、前述した[5]式に基づき、過去一定時間内に発生したノートオン数Dをノートオン基準数Sで除した値をインターバル依存係数Kに設定する。一方、D≧Sであれば、上記ステップSA6の判断結果が「NO」になり、ステップSA8に進み、前述した[6]式に基づき、インターバル依存係数Kを「1.0」に設定する。
図6は、タイマ割り込みにより所定周期毎に実行されるポルタメント処理の動作を示すフローチャートである。上述したポルタメント速度算出処理によりポルタメント速度rを算出し終えると、CPU10は、その算出したポルタメント速度rに従い、現ピッチCPにて発音中の楽音を目標ピッチTPに連続的に変化させるポルタメント処理を所定周期(例えば1msec)毎のタイマ割り込みにて実行する。
11 ROM
12 RAM
13 鍵盤
14 ポルタメント操作子
15 操作部
16 表示部
17 波形発生器(OSC)
18 増幅器(AMP)
19 サウンドシステム
Claims (7)
- 前押鍵で発音中の現ピッチから現押鍵で指定された目標ピッチへ連続的に変化させるポルタメント制御装置において、
現ピッチと目標ピッチとの音程差Iを検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された音程差I、音程差が半音の時の基準速度Rおよび音程差Iがポルタメントの速度に依存する度合いを表すインターバル依存係数Kに応じてポルタメント速度rを算出するポルタメント速度算出手段と、
前記ポルタメント速度算出手段により算出されたポルタメント速度rに対応するピッチ変化分を所定周期毎に現ピッチに加算して目的ピッチまで連続的に更新するピッチ更新手段と
を具備することを特徴とするポルタメント制御装置。 - 前記ポルタメント速度算出手段は、半音単位で表される音程差I、基準速度Rおよびインターバル依存係数Kに基づき、音程差I≧0の場合にr=R×(1+(I−1)×K)にてポルタメント速度rを算出し、一方、音程差I<0の場合にr=−R×(1+(−I−1)×K)にてポルタメント速度rを算出することを特徴とする請求項1記載のポルタメント制御装置。
- 前記ポルタメント速度算出手段は、複数種のインターバル依存係数Kのいずれかを選択する選択手段を具備することを特徴とする請求項1記載のポルタメント制御装置。
- 前記複数種のインターバル依存係数Kは、ユーザが任意に設定する固定値を含むことを特徴とする請求項3記載のポルタメント制御装置。
- 前記複数種のインターバル依存係数Kは、ユーザの操作子操作に応じて発生する可変値を含むことを特徴とする請求項3記載のポルタメント制御装置。
- 前記複数種のインターバル依存係数Kは、過去一定時間内に発生したノートオン数D、一定時間内に発生する標準的なノートオン数Sとした時に、D<SならばD/Sにて算出される値もしくはD≧Sならば定数1.0を含むことを特徴とする請求項3記載のポルタメント制御装置。
- 前押鍵で発音中の現ピッチから現押鍵で指定された目標ピッチへ連続的に変化させるプログラムであって、
現ピッチと目標ピッチとの音程差Iを検出する検出処理と、
前記検出処理により検出された音程差I、音程差が半音の時の基準速度Rおよび音程差Iがポルタメントの速度に依存する度合いを表すインターバル依存係数Kに応じてポルタメント速度rを算出するポルタメント速度算出処理と、
前記ポルタメント速度算出処理にて算出されたポルタメント速度rに対応するピッチ変化分を所定周期毎に現ピッチに加算して目的ピッチまで連続的に更新するピッチ更新処理と
をコンピュータで実行させることを特徴とするポルタメント制御処理プログラム。
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