JP2009052792A - 近赤外線照射乾燥装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、乾燥速度が速く、製品としての熱交換器の表面皮膜の劣化を可及的に防止し、しかも、装置の小型化が可能で、また、加熱効率が良く、イニシャル・ランニニングコストが安くなることを課題とする。
【解決手段】熱交換器13を搬送する搬送装置3と、前記熱交換器に近赤外線を照射する近赤外線照射手段11を備えた乾燥部5と、熱交換器の乾燥時に発生する蒸発成分を排出する排気部とを備えている。そして、近赤外線照射手段11は制御装置21のより、照射出力が制御される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、近赤外線を用いて例えば空調用の熱交換器に付着する加工油等の付着成分を乾燥除去する近赤外線照射乾燥装置に関する。
従来、空調用熱交換器としては、多数のプレートフィンとチューブとを組み合わせて構成されているものが多用されている。かかる熱交換器のプレートフィンは、アルミ板よりなるフィン材(被加工材)をプレス加工して作成する。
このプレス加工工程において、加工金型と被加工材との間の良好な潤滑性を確保するために、油剤・溶剤(加工油)等が使用されている。この結果、製品となる熱交換器には、加工油が付着した状態となっているため、熱交換器としての性能を低下させないためには、付着した加工油等の付着成分を除去する必要がある。
そこで、従来では、熱交換器から付着成分を除去する装置として、大型の炉形状をもつ乾燥設備が使用されている。かかる乾燥設備は、炉体と、該炉体内で被乾燥物を乾燥させるために燃焼ガスを発生させるバーナーと、該バーナーへ燃焼用空気を供給する空気供給路と、前記炉体内で発生した排ガスを外部へ放出する煙道を備えたものである(例えば、特許文献1参照)。
そして、熱交換器を乾燥する場合には、炉体内部に製品となる熱交換器をコンベアで搬送し、一定温度に維持された炉体内にて輻射熱で製品を昇温し、加工油の付着成分を気化、乾燥させている。
特開2003−172582号公報
前記特許文献1に記載の乾燥炉は、輻射熱による乾燥のため、乾燥速度が遅く、熱交換器を長時間高温状態にする。熱交換器を高温状態に長時間さらすと、その部品のアルミ表面皮膜の劣化を促進させる問題がある。
しかも、炉体内に熱風を送り込んで加熱する構成であるため、熱交換器を乾燥処理する場合には、規定乾燥温度まで常時炉体内を昇温しておく必要があり、設備の立ち上がりに時間が必要であるとともに、設備が大型で、大きな設置面積を必要とする。
また、加熱効率が悪く、電気・ガス・を必要とするために、イニシャル・ランニニングコストが高くなる欠点がある。
本発明は、乾燥速度が速く、製品としての熱交換器の表面皮膜の劣化を可及的に防止し、しかも、装置の小型化が可能で、また、加熱効率が良く、イニシャル・ランニニングコストが安くなることを課題とする。
本発明の近赤外線照射乾燥装置は、前記課題を解決するためになされたもので、熱交換器を搬送する搬送装置と、前記熱交換器に近赤外線を照射する近赤外線照射手段を備えた乾燥部と、熱交換器の乾燥時に発生する蒸発成分を排出する排気部とを備えたことにある。
前記本発明は、前記熱交換器に近赤外線を照射する近赤外線照射手段を備えていることから、内部加熱による短時間乾燥が可能となるとともに、小型小スペースの設備を実現できる。
また、短時間乾燥のため、熱交換器のアルミ表面処理にダメージを負わさない。しかも、電気での運転が可能となることから、前記のように小型小スペースの設備と相まって、イニシャル・ランニニングコストが安くなる。
前記本発明の近赤外線照射乾燥装置において、前記乾燥部は、前記搬送装置による熱交換器の搬送方向に対して直角方向に間隔をおいて対向するように設けられた一対の熱源部を備え、該熱源部に前記近赤外線照射手段が収容され、前記近赤外線照射手段は、板状のガラスで被覆されている。
前記近赤外線照射手段をガラスで被覆することにより、熱交換器の付着成分を近赤外線照射手段で加熱した際に発生する煙、蒸気等の蒸発成分から近赤外線照射手段を保護することができる。
前記本発明の近赤外線照射乾燥装置において、前記板状のガラスは、熱交換器が通過する間隔が形成され、該ガラスの間隔は、熱交換器の入口と出口とが開放され、ガラスの間隔の上方に、前記排気部が設けられている。
かかる近赤外線照射乾燥装置は開放型のため、爆発性気体の密度が低く、爆発の危険性がない。
前記本発明の近赤外線照射乾燥装置において、前記近赤外線照射手段がハロゲンランプからなり、該ハロゲンランプの照射出力を制御する制御装置が設けられたことにある。
前記本発明の近赤外線照射乾燥装置において、前記乾燥部には、前記ガラスの間隔内に空気を噴出するためのブロー手段が設けられている。
本発明は、熱交換器を短時間で昇温し、加工油及び水分を蒸発させることができ、安価に熱交換器の乾燥処理を行える利点がある。
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1〜図4は、本発明の一実施の形態に係る近赤外線で空調用熱交換器を乾燥処理する乾燥装置(近赤外線照射乾燥装置)を示す。
かかる乾燥装置1は、架台2と、この架台2に一方から他方に向けて熱交換器13を搬送する搬送装置としてのコンベア3と、コンベア3で搬送される熱交換器13に付着している付着成分を乾燥させる乾燥部5と、付着成分のガスを排出する排気部6とを備えている。
乾燥部5は、架台2の幅方向(前記コンベア3による熱交換器13の搬送方向に対して直角方向)に間隔をおいて対向するように設けられた一対の熱源部8、8を備えている。各熱源部8、8は、コンベア3上方に配置された本体10に、複数本の長尺状のハロゲンランプ11が収容されている。このハロゲンランプ11は、0.75μm〜1.75μmの波長の近赤外線を照射する近赤外線照射手段であり、ハロゲンランプ11の近赤外線の焦点は、熱交換器13の幅方向の中心部となるように設定されている。
各ハロゲンランプ11は、熱交換器13の搬送方向に沿って配置され、しかも、複数個のハロゲンランプ11が上下に複数個設けられている。ハロゲンランプ11の個数は特に限定されないが、所定の照射出力(近赤外線の所定照射量)が得られるように、任意に設定可能である。例えば、ハロゲンランプ11としては、500W〜5KWのものが採用可能である。
本体10の互いに対向する開口は、板状の石英ガラス15で閉塞されており、各石英ガラス15はハロゲンランプ11を被覆している。ハロゲンランプ11を石英ガラス15で被覆することにより、熱交換器13の付着成分をハロゲンランプ11で加熱した際に発生する煙、蒸気等の蒸発成分からハロゲンランプ11を保護することができる。
石英ガラス15間を立設された熱交換器13が通過するように、石英ガラス15間には、所定の間隔Kが設けられ、しかも、石英ガラス15間は、熱交換器13の入口側から出口側まで開放されている。
石英ガラス15と本体10とで、ハロゲンランプ11を収容する空間17が形成されており、本体10には熱源部空気循環ファン18が取り付けられている。かかる熱源部空気循環ファン18は、空間17に外気を取り入れるための吸気循環ファンと、空間17内の空気等の気体を排出する排気循環ファンとからなる。
また、空間17内で且つハロゲンランプ11の背面側には、リフレクター16が設けられており、このリフレクター16により、ハロゲンランプ11から後方へ照射される近赤外線を熱交換器13側に反射させることができる。
本体10には、熱交換器13の加熱温度を検出するためのセンサ20が設けられている。このセンサ20により熱交換器13の加熱温度を検出し、そのセンサ20の信号の基づいて制御装置21がハロゲンランプ11の照射出力を制御するようになっている。
排気部6は、排気フード25と、排気ファン26とからなる。排気フード25は前記石英ガラス15の間隔Kと連通しており、熱交換器13から発生する煙、蒸気等の蒸発成分を、排気ファン26が排気フード25を介して排気する。
27は、石英ガラス15の間隔K内に空気を噴出するためのブロー手段で、本体10側に取り付けられている。かかるブロー手段27も前記制御装置21に制御されている。
なお、28は図1に示すように、乾燥部5の上流位置に設けられた油きりブロー手段である。この油きりブロー手段28は、乾燥部5で乾燥される熱交換器13の表面に付着する付着成分をブロ−して予備的に除去する。
次に、空調用熱交換器の加工油や水分等の付着成分を乾燥除去する場合について、図3および図4を参照しながら説明する。
先ず、コンベア3の一方に熱交換器13をセットし、コンベア3により熱交換器13を乾燥部5に搬送する。
熱交換器13が乾燥部5に到達すると、制御装置21はハロゲンランプ11の照射出力を制御する。制御装置21は、図4に示すように、目標温度である製品乾燥温度まで急速に昇温し、製品乾燥温度まで達したときに温度を安定させる制御を行う。急速昇温を加熱Hi、安定温度を加熱Loとしている。このHiとLoの制御は、ハロゲンランプに通電する電流値と時間にて行なう。
すなわち、熱交換器13が石英ガラス15間の入口近傍に達すると、ハロゲンランプ11の加熱Hi制御を行ない、熱交換器13を照射し目標温度である製品乾燥温度まで急激に昇温させる。このとき、図3に示すように、ブロー手段27を間欠ブローによるON、OFF制御を行ない、ブロー手段27から空気を間欠的に噴出する。
このように、間欠ブロー制御をすることで、乾燥部5(特に石英ガラス15の間隔K)内に付着成分が気化した蒸気、煙等の蒸発成分が滞留するのを防止し、ハロゲンランプ11からの照射光を、蒸発成分で遮断されることなく、熱交換器13を効率よく照射することができる。また、近赤外線は、例えば遠赤外線に比し、エネルギー密度および浸透力が大きく、金属類に対して吸収特性が良いため、アルミ製部品からなる熱交換器13を迅速に加熱することができる。
さらに、製品乾燥温度到達後、加熱Lo制御にて製品乾燥温度で安定させて乾燥を行なう。このとき、蒸発成分の飽和蒸気が乾燥部5内に滞留していると、熱交換器13の付着成分の蒸発効率が低下する。そこで、間欠ブローのON、OFF制御を行ない、間欠ブローから空気を間欠的に噴出することで、煙状の蒸発成分を乾燥部5から強制的に排除している。
この結果、蒸発成分を含んでいない新たな空気を乾燥部5に入れ替え、飽和蒸気をなくすことができるため、蒸発効率の向上を図ることが可能である。
加熱工程が終了すると、噴出手段27により、気化蒸気排出ブロ−を行ない、乾燥部5の気化蒸気の排出と、熱交換器13に残存する気化蒸気の排出と、熱交換器13の冷却を行なう。熱交換器13に残存する気化蒸気を除去するのは、残存する気化蒸気が冷えた後に油として残らないようにするためである。
その後、乾燥部5を通過した熱交換器13は、コンベア3により排出される。このように、ハロゲンランプ11を加熱Hi、加熱Lo制御することにより、熱交換器13の乾燥時間を短縮できるとともに、安定した乾燥を実現できる。しかも、短時間による加熱処理の為、製品(熱交換器)に与えるダメージ(損傷)を少なくできる。また、加熱Hiによる急速加熱により気圧差が生じ、気化蒸気が上昇気流となるため、排気ファン26が排気フード25を介して上昇気流となった気化蒸気を効率よく排気することができる。
さらに、乾燥部5は、石英ガラス15で空間17を閉塞するとともに、石英ガラス15間を開放する開放型であるため、フレッシュな空気を常時供給でき、熱交換器13の加工油や溶剤の濃度が非常に高くても、それらが爆発する危険もない。
しかも、ハロゲンランプ11により近紫外線を照射する構成であるため、装置の小型化が可能となり、省スペース・クリーンな装置となり、熱風循環炉に比し、イニシャル・ランニングコストが安くなる。
また、本実施の形態の乾燥装置1は、可燃性ガスを一切使用しない為、工場より発生する二酸化炭素(CO2)を大幅に低減可能である。
本発明は、前記実施の形態に限定されるものではない。例えば、熱交換器13は、建築物の空調エアコンや、自動車のエアコン等の任意のものが採用可能である。
本発明の近赤外線照射乾燥装置の正面図である。 同装置の一部断面を含む側面図である。 同装置におけるブローのフローチャートである。 同装置における近赤外線加熱制御を示す図である。
符号の説明
1 乾燥装置
2 架台2
3 コンベア(搬送装置)
5 乾燥部
6 排気部
8 熱源部
10 本体
11 ハロゲンランプ(近赤外線照射手段)
13 熱交換器
15 石英ガラス(ガラス)
17 空間
18 熱源部空気循環ファン18
20 センサ
21 制御装置
K 間隔

Claims (5)

  1. 熱交換器を搬送する搬送装置と、前記熱交換器に近赤外線を照射する近赤外線照射手段を備えた乾燥部と、熱交換器の乾燥時に発生する蒸発成分を排出する排気部とを備えたことを特徴とする近赤外線照射乾燥装置。
  2. 前記請求項1に記載の近赤外線照射乾燥装置において、前記乾燥部は、前記搬送装置による熱交換器の搬送方向に対して直角方向に間隔をおいて対向するように設けられた一対の熱源部を備え、該熱源部に前記近赤外線照射手段が収容され、前記近赤外線照射手段は、板状のガラスで被覆されていることを特徴とする近赤外線照射乾燥装置。
  3. 前記請求項2に記載の近赤外線照射乾燥装置において、前記板状のガラスは、熱交換器が通過する間隔が形成され、該ガラスの間隔は、熱交換器の入口と出口とが開放され、ガラスの間隔の上方に、前記排気部が設けられていることを特徴とする近赤外線照射乾燥装置。
  4. 前記請求項3に記載の近赤外線照射乾燥装置において、前記近赤外線照射手段がハロゲンランプからなり、該ハロゲンランプの照射出力を制御する制御装置が設けられたことを特徴とする近赤外線照射乾燥装置。
  5. 前記請求項1〜4の何れかの一つに記載の近赤外線照射乾燥装置において、前記乾燥部には、前記ガラスの間隔内に空気を噴出するためのブロー手段が設けられていることを特徴とする近赤外線照射乾燥装置。
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